2019-08-01

[DEFRA]5ペンスの課金導入後プラスチックバッグの販売が90%ダウン

Plastic bag sales down 90% since introduction of 5p charge

31 July 2019

https://www.gov.uk/government/news/plastic-bag-sales-down-90-since-introduction-of-5p-charge

イングランドの7大小売店の使い捨てレジ袋の販売が減り続けている

2014年の無料だった時には平均1人年140袋だったが今やたった10枚である。

 

[CDC]MMWR

-フィールドからの報告:飲料水汚染検出後のGenXとその他パー及びポリフルオロアルキル物質の的を絞ったバイオモニタリング-ノースカロライナ、2018

Notes from the Field: Targeted Biomonitoring for GenX and Other Per- and Polyfluoroalkyl Substances Following Detection of Drinking Water Contamination — North Carolina, 2018

Jamie R. Pritchett et al., MMWR / July 26, 2019 / 68(29);647–648

https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/68/wr/mm6829a4.htm?s_cid=mm6829a4_w

20176月、重要な飲料水源であるCape Fear川から2,3,3,3,-テトラフルオロ-2-(1,1,2,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロポキシ)-プロパノエート (GenX)とその他PFASが検出されたため、地元保健部局がノースカロライナ保健福祉省(NCDHHS)に健康に関する情報やガイダンスの提供を求めた。汚染源は化学工場であった。さらなる調査でGenXとその他PFAS類が工場近くの地表水、大気、個人用井戸などから検出された。20184月時点で工場から半径5マイルの837の個人の井戸を調べ、20725%)がNCDHHSの暫定飲料水健康目標140 pptを超過するGenXを含んでいた。最大濃度は4000pptだった。20188月にNCDHHSは地元保健当局と協力して工場近傍住人の血中及び尿中GenXPFASの定量をCDCに要請した。CDCは血清で17、尿で16PFASを分析した。

合意を得て参加したのは成人25人と年少者5人、男性が半分で、検体採取前4-14か月はボトル入り飲料水を飲んでいた。(工場が水を配っている)

GenXは血中からも尿中からも検出されなかった。血清からは9つのPFASが検出されたが他の地域に住む人達より多かったのはPFHxS, 2.1 μg/Ln-PFOS, 5.5 μg/Lで、他は同程度だった。尿は一種類が一人から検出限界ぎりぎりで検出された

 

-速報:スズメバチ、カリバチ、ミツバチに刺された死亡数、男女、全国バイタル統計システム、米国、2000-2017

QuickStats: Number of Deaths from Hornet, Wasp, and Bee Stings, Among Males and Females — National Vital Statistics System, United States, 2000–2017.

MMWR 2019;68:649

https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/68/wr/mm6829a5.htm?s_cid=mm6829a5_w

グラフ

全体で1109人死亡、年平均62人で最低が2001年の43人で最大が2017年の89人。80%が男性。

 

[ASA]あなたの絵文字で表現する感情に注意-広告における絵文字の使用

Keeping your emojions in check – using emojis in ads

| CAP News  | 31 Jul 2019

https://www.asa.org.uk/news/keeping-your-emojions-in-check-using-emojis-in-ads.html

 

[ASA]Love Island競技者やセレブやインフルエンサー向けのABCカンペ

ABC Cheatsheet for Love Island contestants, celebs and influencers

25 Jul 2019

https://www.asa.org.uk/resource/abc-cheatsheet-for-love-island.html

ITVLove Islandと協力して行っている広告基準を守るためのキャンペーン

もしもあなたがブランドからお金や品物をもらってソーシャルメディアなどで製品を薦めたら、それは広告であり広告基準を守らなければならない

 

[IARC]IARC TP53データベースの新発表

New release of the IARC TP53 Database

29 July 2019

https://www.iarc.fr/news-events/new-release-of-the-iarc-tp53-database-2019/

ヒト集団と腫瘍サンプルで同定されたTP53遺伝子の変異を集めた疫学リソース。

 

[WHO]世界母乳週間2019

World Breastfeeding Week 2019

https://www.who.int/news-room/events/detail/2019/08/01/default-calendar/world-breastfeeding-week-2019

81日-7

今年は有給の育児休暇、職場復帰後の授乳のための休憩などを推進

(相変わらず生後1時間以内から6か月まで母乳のみ、他の食品はその後、を推奨)

 

[FDA]FDAは色素添加物として大豆レグヘモグロビンを認可

FDA Authorizes Soy Leghemoglobin as a Color Additive

July 31, 2019

https://www.fda.gov/food/cfsan-constituent-updates/fda-authorizes-soy-leghemoglobin-color-additive

FDAは挽肉類似製品(つまり菜食バーガー類)用色素添加物として大豆レグヘモグロビンを安全に使用できるよう色素添加物規制を改定する。Impossible Foods社からの認可申請への対応。30日間の反対意見提出を認める。

 

-簡単な説明

FDA In Brief: FDA approves soy leghemoglobin as a color additive

July 31, 2019

https://www.fda.gov/news-events/fda-brief/fda-brief-fda-approves-soy-leghemoglobin-color-additive

我々は食品テクノロジーの革命の最中にあり、今後10年で過去半世紀より多くの食品や成分の革新があるだろう。そうした新製品や成分が販売されるにあたって、FDAはこれらの新食品や成分が安全であることを確保して公衆衛生を守るために適切に規制監視する責任がある、とFDACFSANの食品添加物安全性部長のDennis Keefe博士は述べる。その努力の一環として、本日FDAImpossible Foods社からの野菜バーガーのような動物を使わない代用タンパク源に大豆レグヘモグロビンを使う色素添加物申請を認可した。入手可能な科学的情報をしっかりレビューして、FDAはこの使用は安全であると結論した。この対応は、小売店などで消費者に直接販売される未調理牛肉類似品に大豆レグヘモグロビンを使うことを認める。

(参考資料をみると、最初GRASとして届け出されたが、GRASとして認めても色素としては使えないというFDAからの指摘を受けて色素として申請しなおしている。食品医薬品法では色素は特に厳しく管理されているので。添加物としてきっちり認可されたものを使おうという会社の姿勢は評価できる。得体の知れない不純物の多いものを使って無添加だナチュラルだと宣伝する企業より遥かに。)

 

[FSANZ]食品基準通知

Notification Circular 89–19              

1 August 2019

http://www.foodstandards.gov.au/code/changes/circulars/Pages/NotificationCircular8919.aspx

新規申請と提案

・ハイリスク園芸のための一次生産加工要件

・食品安全管理ツール

その他MRL改訂など

(ハイリスク園芸:これまでたくさんの食中毒が報告されている果物の微生物汚染。この分野に関してはスプラウトについては別途ガイドラインがあるだけ)

 

論文

-有毒な草:新しい研究が安心を提供

Poisonous grasses: new study provides reassurance

31-Jul-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-07/uow-pgn073119.php

Applied and Environmental Microbiologyに発表されたドイツの草の有毒物質についての研究。放牧している動物の集団中毒リスクは低いがさらにリスクを下げるためにできることがある。馬やその他の動物にとって危険なのは草そのものではなくEpichloë属の真菌で、これらが有毒アルカロイドを作る。植物と共生して内生植物を形成する。ニュージーランド、オーストラリア、北米での家畜中毒事故の主な原因はこの共生で、オーストラリアでは2002年に約10万頭の動物が死亡した。欧州ではこれまでのところそのような中毒事故は希であるがこの研究で初めてドイツにおけるEpichloë感染率の概要を示した。農家のできる対策としては多様な草を植えること。

 

その他

-食品表示に騙されるな

Don’t Be Fooled by Food Labels

By Hillary E. Kaufman

June 26,2019

https://www.dirt-to-dinner.com/food-label-guide/

オーガニック、グラスフェッド、ホルモン剤あるいは抗生物質不使用、NON-GMO、人道的認証などなどリストは伸び続ける。これらの表示の意味を考えたことはある?理解に役立つことをここに示す。

オーガニック

意味:USDAの認証

騙されないように:

100%オーガニックとは限らない。95%以上ならオーガニック製品、70%以上ならオーガニックで作られたと表示できる

・オーガニック食品にも残留農薬はある

 

人道的認証

意味:家畜を人道的に取り扱った

騙されないように:USDAは許可した後査察はしない

 

グラスフェッド

意味:反芻動物製品に使われるもので餌が主に植物

騙されないように:

・牛や山羊や羊は2/3以上の生活は牧場なのでこれらはデフォルトで「牧草を与えられている」

・豚、鶏、シチメンチョウは牧草では育てられないのでこの表示があったら注意

 

NON-GMO

現在GMO作物はたった10しかない

騙されないように:

GMOがない食品にnon-GMOと表示することは消費者に不必要な恐怖を与える

 

ケージフリー&放し飼い

騙されないように:

戸外のスペースに基準はなく狭いかも。また産卵鶏にしかケージフリーは使えないのでもし鶏肉にそう表示してあったら単なるマーケティング

ホルモン/rBGH/rBST不使用

騙されないように:

鶏、シチメンチョウ、豚にホルモンの使用は認められていない。動物は全て天然にホルモンを作るのでUSDAは「ホルモンフリー」というクレームを認めていない

 

抗生物質不使用

騙されないように:

全ての肉や乳製品は抗生物質フリー

 

グルテンフリー

騙されないように:

もともと穀物を含まない製品にグルテンフリーという表示が使われていて、単なるマーケティングギミックである。必ずしもグルテンを含むものより健康的ではない

 

ナチュラル

騙されないように:

100%ナチュラル」や「オールナチュラル」に意味はない。この用語はどんな政府機関も監視していない

 

お買い物用チャート付き

 

-米国司法省はニューヨークの会社に異物混入されたダイエタリーサプリメントの販売を中止するよう告訴

Department of Justice Files Complaint Against New York Company to Stop Distribution of Adulterated Dietary Supplements

Thursday, May 23, 2019

https://www.justice.gov/opa/pr/department-justice-files-complaint-against-new-york-company-stop-distribution-adulterated

Confidence USA社はcGMPsに従わないダイエタリーサプリメントを販売している。FDAの査察で何度も問題が指摘されている

 

-マウスでの食事メチオニンと腫瘍増殖を調べた研究への専門家の反応

SMC UK

expert reaction to study looking at dietary methionine restriction and tumour growth in mice

July 31, 2019

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-looking-at-dietary-methionine-restriction-and-tumour-growth-in-mice/

natureに発表された研究が、食事からのアミノ酸メチオニン制限がマウスで腫瘍の増殖を抑制し化学療法と放射線治療の結果を改善すると報告

Imperial College Londonがん医学と医療腫瘍学NIHR研究教授Justin Stebbing教授

栄養が、体重同様健康や福祉に相当な影響があることはよく知られている。糖尿病などの治療には薬と一緒に食事介入もよく使われる。がん分野でも重要だと考えられている。

この論文は必須アミノ酸メチオニンの食事制限ががんの帰結に影響することを示したが、マウスでのみである。どうしてこうなるのかをエレガントに説明し、6人の健康なボランティアでメチオニン制限食で人体中メチオニンが減ることまで示した。しかし抗がん戦略に置いて使えるかどうかはヒトデータがない。この手の研究はヒト試験につながる。食事介入ががんにどう影響するかは今後重要になるだろう。

Cambridge大学がん疫学教授Paul Pharoah教授

この研究はマウスでのものでヒトのがん治療にどういう意味があるかはわからない

King’s College London栄養と食事名誉教授Tom Sanders教授

この研究はマウスと6人の健康なヒトでの対照無しの試験に基づく。この研究は完全菜食ががん患者に役立つ根拠にはならない。以前の研究では乳がん患者に菜食を勧めたら普通の群より結果が悪くなっている

Cancer Research UK主任科学者Karen Vousden教授

この研究の次の段階はヒトで調べることである

栄養と消化管の健康についての独立コンサルタントElizabeth Lund博士

興味深い研究だがほとんどがマウスでの実験である。また化学療法と放射線治療が無い場合にはメチオニン制限で影響がないのも興味深い。ヒトで調べる価値はあるだろうが先のフランスの研究ではあまり芳しい結果ではなかった

Aston大学医学部上級教師で登録栄養士Duane Mellor博士

メチオニンは必須アミノ酸でヒトは食品から摂らなければならない。このような研究は生物学の知識を深めるが、食生活について何かを言うものではない。一般的に、健康のためには何らかの栄養素を大幅に制限あるいは大量に摂取すべきではない

 

2019-07-31

[ANSES]子供、高齢者及び妊娠中及び授乳中の女性の栄養:ANSESは子供の過剰な砂糖摂取に警告し、高齢者への身体活動の有益性を強調する

Nutrition of children, the elderly and pregnant and breastfeeding womenANSES warns about excess sugar intake in children and underlines the benefits of physical activity for the elderly

News of 25/06/2019

https://www.anses.fr/en/content/nutrition-children-elderly-and-pregnant-and-breastfeeding-women-anses-warns-about-excess

本日、ANSES0歳から3歳の子供、4歳から17歳の子供及び青年、妊娠中及び授乳中の女性、閉経後の女性及び高齢者の栄養に関する専門家の見解を公表する。フランス全国健康栄養プログラム(PNNS)の一環として、特定の慢性疾患の予防する高品質の栄養をとるための一般向けの主な食品の栄養所要量を示した2017年の新ガイドラインを補完し、科学的根拠を有し、グループのそれぞれの明確な特性及び栄養所要量、同時に疫学データ及び栄養摂取状況のデータを考慮した食事のガイドラインを提案する。

幼児の補完食:重要な段階

新生児及び幼児は、へその緒からの栄養供給、ミルクのみの経口摂食、多様な食品の導入、固形食品の導入(多様化の第一段階)、最後に家庭食品(多様化の第二段階)のように移行段階がある。

ANSESは、0から3歳までの子供の新たな食品の受け入れと多様化の習慣を目指す:

4か月から6か月に食事の多様化を開始すること;

新たな食品の受け入れに適する5から18か月は可能な限り様々な食品を取り入れること;

最初に拒否した食品でも与え続けること;

食事の時間を優先すること。

ANSESは幼い子供対象の製品に、適切な砂糖の量の基準を設定する重要性を強調する。

4歳から17歳の子供:砂糖の摂り過ぎに関する警告

ANSESは子供の砂糖の摂取過多に警告し、早急なリスク削減策を要請する。特に砂糖入り甘い飲料及びおやつのパン、ビスケット、ケーキの2つを優先に焦点をあて、これらの食品を砂糖無添加の乳製品あるいは他のカルシウム豊富な食品、新鮮な(加工品でない)果物やナッツのような食品に置き換え、「添加糖類」を削減し、「ホームメード」による砂糖摂取量の意識、管理を強調する。

妊娠中及び授乳中の女性:母親と子供の健康にとって有益である食品

ANSESは妊娠中及び授乳中の母親及び子供に特に健康上有益な食品の乳製品、果物及び野菜、さらに魚からの不可欠な鉄、ヨウ素、ビタミンB9(葉酸)、また授乳中の女性に必要なビタミンA及びCの摂取を推奨する。ANSESは妊娠可能年齢の女性は、受胎期から胎児及び母親が十分な栄養状態であるよう妊娠を待たず、バランスのとれた食事を推奨する。

身体活動が年齢に関する疾患から身を守る

ANSESは高齢者のバランスよい栄養摂取と非伝染性疾病、特にサルコペニア、骨粗しょう症及び認知機能の低下のような加齢による病態生理学的作用の予防になる身体活動の有益性を強調する。これは身体活動を増やせない人には、果物、野菜、魚、軟体動物、甲殻類及び全粒穀類を除いた特定の食品をわずかに減らすことを勧めている。

 

プレスキット部分から一部追加

https://www.anses.fr/en/system/files/PRES2019DPA02EN.pdf

・牛乳アレルギーの子どもには「低アレルゲン性」乳児用ミルクは不適切

・豆乳ベースのミルクは6か月まで与えない

1才までは乳児用ミルクやフォローアップミルクを植物ベースのミルクで代用しない

アレルギー予防のために4-6か月の離乳食導入、アレルゲンとなる卵やピーナッツを遅らせることなく導入する

(これはWHOの母乳ガイドラインとは明確に異なる)

幼児に対してチョコレートを制限する、理由は砂糖もあるがニッケル(TDSの結果から)

砂糖摂取量をコントロールするために自分で作れ、という

魚の水銀については別途注意

他、これらの集団は未殺菌、調理不十分な肉や卵、魚は避けること、乳児はハチミツを避けること(寿司、刺身は名指しで妊婦と高齢者が避けるべき食品リストに掲載)

 

[BfR]科学評議会がBfRの信頼できる研究を認証する

Science Council certifies BfR's reliable research

26.07.2019

https://www.bfr.bund.de/en/press_information/2019/27/science_council_certifies_bfrs_reliable_research-241575.html

BfRについての報告書が発表された

(リンク先報告書ドイツ語)

 

[FSA] Tescoは発酵のためTesco Finest Fruit Presse 4製品を回収措置

Tesco recalls 4 flavours of Tesco Finest Fruit Presse because of fermentation

22 July 2019

https://www.food.gov.uk/news-alerts/alert/fsa-prin-34-2019

Tescoは発酵が起こっているボトルがあったため、Tesco Finest Fruit Presse 4製品を回収措置

 

[FDA]警告文書

-Perfect Choice Trading, Inc. and Nutricos Ceuticals, Inc.

Jun 11, 2019

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/perfect-choice-trading-inc-and-nutricos-ceuticals-inc-569322-06112019

未承認の医薬品、ダイエタリーサプリメントのCGMP違反、不純品、不正表示の問題。

 

-Port Clyde Fresh Catch, Inc. 

Jul 15, 2019

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/port-clyde-fresh-catch-inc-581353-07152019

水産食品HACCP、食品CGMP規則違反、不純品、衛生管理の問題。

 

[FSANZ]食品基準通知

Notification Circular 88–19              

30 July 2019

http://www.foodstandards.gov.au/code/changes/circulars/Pages/NotificationCircular8819.aspx

新規申請と提案:加工助剤としてのTrichoderma reesei由来グルコースオキシダーゼ

 

論文

-放射性物質の謎の放出が解明された

Mysterious release of radioactive material uncovered

29-Jul-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-07/vuot-mro072519.php

20179月に欧州全域を弱い放射性の雲が移動した。世界中1300以上の測定結果から、これがロシアのMajak核再処理工場での事故が原因であることがわかった。これによる欧州集団への健康リスクはない。PNAS

ルテニウム-106が最大176ミリベクレル/m3大気検出された。これは福島事故由来で欧州で検出された総放射能の最大100倍高い。データから放出されたルテニウムは250-400テラベクレルと導出される。ロシアの再処理工場は1957年にも事故で放射性物質を放出している

 

-肥満の人は食品からより大きな満足を得る

Individuals with obesity get more satisfaction from their food

30-Jul-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-07/e-iwo072619.php

Journal of the Academy of Nutrition and Dieteticsの新しい研究は、食品から得る満足のレベルが正常体重、過体重、肥満の成人で異なることを示す

18-75才の男女290人に、管理された好きなだけ食べられる環境下でチョコレートを一度に一つ提供し、チョコレートを評価してもらった。食べたのは2-51個だった。評価は最初の一口が一番高く食べれば食べるほど格付けは下がるが、正常体重と過体重の人は同程度の認識だったのに肥満の人は最初から他の群より高くその後もずっと他の群より高い。

(図あり)

 

-肥満と糖尿病のためのケトン食-熱狂が根拠を追い抜く

The ketogenic diet for obesity and diabetes—enthusiasm outpaces evidence.

Joshi S et al., JAMA Internal Medicine, July 15, 2019

https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/article-abstract/2737919

最近注目されているケトン食は、現時点での根拠を飛び越えて熱狂的に支持されている

 

-公共領域における健康に関する間違った情報と物語のメッセージの力

Health misinformation and the power of narrative messaging in the public sphere.

Caulfield T. et al.,

Canadian Journal of Bioethics 2:52-60, 2019

https://www.erudit.org/en/journals/bioethics/2019-v2-n2-bioethics04449/1060911ar.pdf

生命医学研究の表現には無数の社会的、経済的、学問的プレッシャーが負の影響を与える。健康や科学に関する情報の解釈、共有、議論の持っていき方における物語(ナラティブ)の役割がますます悪質になっていくことに関与しているいくつかの力についてレビューした。次に、異なる社会的文脈とコミュニケーション環境で物語の側面がどのように使われているのかを探り、ネガティブな傾向に対抗するのに役立つ可能性のあるクリエイティブな反応を提示する。コミュニケーションの伝統的な方法は多くの側面で失敗していて、物語の創造的利用を含めてやりかたを変える必要がある

問題点として挙げているのは

・オンラインコミュニティ(ソーシャルメディア)

・暗黙の誇大広告と「科学の搾取Scienceploitation」(科学の発見を画期的治療法につながるかも、といったふうに誇大に伝えることと量子力学や肝細胞の用語を装う疑似科学)

・公共領域での患者(何かで病気になったとか治ったとか)

これらに対応するためには以下のツールを活用

法的・政策的ツール

・既存の「広告は正しく」法の執行を改善

・医療の専門家が誤情報を拡散することについては規制方針を変える

・物語の使用に関するルールを決めて専門メディアを関与させる

・訴訟

社会的ツール

NPOによる啓発(悪質な宣伝業者を訴える)

・個人による啓発(苦情申し立て、ソーシャルメディアでの活動)

・新聞やソーシャルメディアでの誤情報修正活動に専門家参加

・間違った情報対策とプラットフォームの改革をソーシャルメディア企業に促す

・論説や意見を言う

・物語やアートや動画を利用したクリエイティブなコミュニケーション戦略をつくる

・効果的なコミュニケーション戦略についてのさらなる研究を支援・採択

 

その他

-14億人を食べさせるために、中国はゲノム編集作物に大きく賭ける

Scienceニュース

To feed its 1.4 billion, China bets big on genome editing of crops

By Jon CohenJul. 29, 2019

https://www.sciencemag.org/news/2019/07/feed-its-14-billion-china-bets-big-genome-editing-crops

中国におけるCRISPRシリーズの第一弾

中国科学アカデミーの植物科学者Gao Caixiaが驚くべき速度で各種改良作物を開発中

20138月にCRISPERで植物を初めて改変してから、既に3ダースもの論文を書いている。しかし彼女のチームだけが突出しているわけではない。彼女のチームは作物のCRISPR編集グループ20のうちの一つである。中国の指導者は戦略的にゲノム編集に投資している

Syngentaの買収の件も含む長い記事)

 

-躊躇に抵抗して予防接種する時

Nature Medicineエディトリアル

Time to vaccinate against hesitancy

volume 25, page1023(2019)

最近の世界中でのはしかのアウトブレイクは、予防接種計画を成功させ続けるためにワクチン躊躇に取組み対抗することの緊急性を強調する

 

2019-07-29

[NTP]人工芝/リサイクルタイヤゴム粉末

Synthetic Turf/Recycled Tire Crumb Rubber

last updated on July 25, 2019

https://ntp.niehs.nih.gov/results/areas/syntheticturf/index.html

最終報告書(研究報告11-14)掲載

 

[NASEM]有給育児休暇、保護者への支援強化、食料と経済の安全保障などが全てのこどもたちのための健康の公平を達成するための新しい報告書の助言に含まれる

Paid Parental Leave, Increased Support for Caregivers, Improved Food and Economic Security Among Recommendations in New Report on Achieving Health Equity for All Children

July 25, 2019

http://www8.nationalacademies.org/onpinews/newsitem.aspx?RecordID=25466&_ga=2.102513095.711147123.1564030363-645473810.1529290877

(一部のみ)

慢性疾患は米国の医療費にとって大きな負担であるが予防に使われる割合が少ない。子どもに有害な暴露が大きければ病気のリスクが大きくなる。ほとんどの場合早期介入のほうが容易で費用が少なくより効果的である。さらに慢性の貧困や養子、移民の子ども、親が収監されている子どもなどのような脆弱なサブグループには個別の、文化に配慮した介入が必要である。

両親と主に世話をしている人を支援すべきである。子どもの健康な発育にとって最も重要な単一要因は、安全で安定していて育成的な親あるいは主要な保護者との関係である-典型的にはそれは母親である。従って母親が良い精神状態と維持する支援をすることが重要である。

 

活気のある健康な子ども:健康の公平性を進化させるために科学と実践と政策を整合させる

Vibrant and Healthy Kids: Aligning Science, Practice, and Policy to Advance Health Equity

July 25, 2019

http://nationalacademies.org/hmd/Reports/2019/vibrant-and-healthy-kids

(ソーシャルメディア用キットもある)

 

[HK] 法令違反

-ボトル入り飲料が栄養表示規則に違反している

Bottled drink not in compliance with nutrition label rules

Tuesday, July 25, 2019

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20190725_7553.html

食品安全センターが検査したところ、南アフリカ産100%スパークリングリンゴジュースにおいて、ナトリウムが17mg/275ml (6.2mg/100mL)という申告のところ、16mg/100ml検出であった。

 

-包装グレインポリッジが栄養表示規則に違反している

Prepackaged grain porridge not in compliance with nutrition label rules

Thursday, July 25, 2019

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20190725_7554.html

食品安全センターが検査したところ、オーストリア産包装グレインポリッジにおいて、ナトリウムが1mg/100gという申告のところ、2mg/100g検出であった。

 

-野菜サンプルの一つに基準値超過の残留農薬

Excessive pesticide residues found in a vegetable sample

Thursday, July 25, 2019

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20190725_7555.html

食品安全センターが検査したところ、クズにおいて、エンドスルファンが最大残留基準値0.05ppmのところ、0.13ppm検出であった。

 

-食品安全センターはマッド・カープ(淡水のコイ科の魚)のサンプルに微量のマラカイトグリーンを検出する

CFS finds traces of malachite green in mud carp sample

Friday, July 26, 2019

https://www.cfs.gov.hk/english/press/20190726_7556.html

食品安全センター及び食物環境衛生署は、マッド・カープのサンプルに1ppbのマラカイトグリーンを検出したと発表した。

 

[FSAI] リコール

-SPAR Still 750ml 及びLondis Water Still 1 リットルはヒ素が通常濃度を上回ったため回収措置

Recall of SPAR Still 750ml and Londis Water Still 1 litre due to the presence of arsenic above normal levels

Saturday, 27 July 2019

https://www.fsai.ie/news_centre/food_alerts/bottled_water.html

予防措置として、BWG FoodsはSPAR Still 750ml 及びLondis Water Still 1 リットルのヒ素が通常濃度を上回ったため回収措置。製品写真あり。

 

-Athlone Sweets Vegan Funky Fruitsを包装表示不備のため、回収措置

Withdrawal of Athlone Sweets Vegan Funky Fruits Due to a Packaging Error

Friday, 26 July 2019

https://www.fsai.ie/news_centre/food_alerts/athlone_sweets_withdrawal.html

Athlone Sweetsは包装表記の成分が正しくない(ゼラチン)ためVegan Funky Fruitsを回収措置。製品写真あり。

 

[FAO]FAO事務局長は世界の肥満の流行と戦う強い対策を要請

FAO Director-General calls for strong measures to combat global obesity pandemic

26 July 2019

http://www.fao.org/news/story/en/item/1203200/icode/

栄養改善世界同盟GAINの世界食品賞受賞スピーチ

肥満対策のために堅牢な財政的政策的方針を使うようにというこれまでで最も強いアピールを行った。「今日の我々の都市で健康的食品を見つけて買うのが困難であるのは信じられない」という。貧しい人々が不健康で低コストな食品を選択できるフードシステムは「絶対的に間違っているabsolutely wrong」という。

(金持ちっぽい思想)

 

[WHO]WHOは世界のタバコの流行についての新しい報告書を発表

WHO launches new report on the global tobacco epidemic

26 July 2019

https://www.who.int/news-room/detail/26-07-2019-who-launches-new-report-on-the-global-tobacco-epidemic

反タバコの戦いに進歩があったが、この恐ろしい製品を止めたい人には助けが必要

タバコ規制枠組み条約の有効な対策を取り入れている国は増えたがまだ適切に取り入れていない国もある。また禁煙サービスはさらに充実させるべき

 

その他

-あなたを殺せる奇妙な毒トップ5

The Top 5 Strangest Poisons That Can Kill You

https://www.youtube.com/watch?v=4hQ0G0GaYR8&feature=youtu.be

ACSの動画シリーズ

poison guava(マンチニール、ホルボールを含む、雨の日にこの木の下に行ってはいけない)

golden frog(モウドクフキヤガエル)

リシン

金の塩(オーラノフィン等の金化合物)

ボツリヌス毒素

 

-THE LANCET書評

公衆衛生と企業のパートナーシップの難題

The public health and industry partnership conundrum

Sandra Galea

Perspectives|Book|Volume 394, ISSUE 10195, P291-292, July 27, 2019

Jonathan Marks著The Perils of Partnership: Industry Influence, Institutional Integrity, and Public Healthの書評

Marksの結論は傾聴に値するが公衆衛生部門は民間と一切関係すべきでないという結論には合意できない。単純にはそれは不可能で、我々の世界から企業が提供するものを一切排除できないからであるが、学術の世界にも利益相反はある。お金儲けのためではないかもしれないが出世のため公衆衛生を守るという目的から外れる場合もある

 

-Science書評:オーストラリアの恐ろしい猫

Deadly cats down under

Jonathan B. Losos

Science  26 Jul 2019:Vol. 365, Issue 6451, pp. 328-329

Among the Pigeons John L. Read Wakefield Press, 2019. 364 pp.

Cats in Australia John C. Z. Woinarski, Sarah M. Legge, Chris R. Dickman CSIRO Publishing, 2019. 343 pp.

の2冊の本の紹介。野生生物、特に鳥を殺す猫の話

飼い猫は外に出さないのは当然として、動物福祉団体が好む野良を捕まえて去勢してはな」すのは有効ではない。野良猫は殺すしかないという結論でこの二冊は一致している

 

-Science特集:ダニとの戦い

Mite fight

Erik Stokstad

Science  26 Jul 2019:Vol. 365, Issue 6451, pp. 310-313

ミツバチのブリーダーは恐ろしいVarroa寄生に抵抗できるコロニーを作る努力をしている

現代の養蜂は巣を近くに置くためダニの拡大が加速している。理論的には抵抗性コロニーを選ぶには自然に任せるといい。つまり感染したコロニーの多くは死亡するが一部は回復するのでそれを選べばいい。1990年代にテキサスの養蜂家がこれを行い1000ほどのコロニーを感染するに任せてたった9つが残った。そしてそこからダニ耐性コロニーを交配した。これは非常に高価な痛みを伴う実験だった。そのコストは多くの養蜂家が養蜂を廃業するほどだった。そのため多くの養蜂家は薬剤などを使っている。

現在は遺伝子マーカーを利用したりしているがいろいろな問題がある(略)

 

-ニュースを一目で

News at a glance

Science  26 Jul 2019:Vol. 365, Issue 6451, pp. 302-303

・エボラ国際緊急事態宣言

・ドイツ予防接種義務化

・インド月探索

・ハワイの抗議で天文台は見えない

・希な病気の双子死亡、両親は裁判継続

・英国の動物実験減少

など

 

-Boris Johnsonの首相としての最初のスピーチでのコメントの後のGMと遺伝子技術規制についての専門家のコメント

SMC UK

expert comments about GM and genetic technologies regulation, after Boris Johnson’s comments in his first speech as prime minister

July 25, 2019

https://www.sciencemediacentre.org/expert-comments-about-gm-and-genetic-technologies-regulation-after-boris-johnsons-comments-in-his-first-speech-as-prime-minister/

Boris Johnsonは言う-「これから英国の卓越した生命科学部門を反GM規則から自由にし始め、世界を食べさせるだろう病気に耐性のある作物を開発しよう・・」

Sainsburyラボ植物科学者Jonathan Jones教授

私は嬉しい

Edinburgh王立学会長デイムAnne Glover教授

歓迎する

EFSAのGMパネルもと座長Joe Perry教授

この立場によって攻撃されることは疑いない。しかし科学者が求めているのは規制プロセスを経て安全とみなされるGM作物はEUの政治による遅れなく販売されるべきだということである

University of London St George’s,分子免疫学部長Julian Ma教授

解放されるべきはGM食品だけではなくGM分子農業一般も。

James Hutton研究所長Colin Campbell教授

以下たくさん略

(強硬離脱に不安は大きいもののGM規制についてはEUにうんざりしていた様子がうかがえる)

 

-プラスチック中化学物質と子どもの肥満を調べた研究への専門家の反応

SMC UK

expert reaction to study looking at chemicals in plastics and childhood obesity

July 25, 2019

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-looking-at-chemicals-in-plastics-and-childhood-obesity/

Journal of The Endocrine Societyに発表された研究がプラスチックによく使われている化合物と子どもの肥満に関連を報告した。

Edinburgh大学MRC生殖健康センター小児内分泌名誉相談医で准教授、UKRI Future Leadersフェローで研究グループリーダーRod Mitchell博士

この研究は一回の測定でビスフェノールS(BPS)と子どもの肥満が関連するがビスフェノールA(BPA)と総ビスフェノールでは関連が無かったと報告している。

因果関係かどうかを同定するための大きな課題はビスフェノールの主要暴露源が食品容器であることである。このことが肥満への食事の影響とビスフェノール暴露の影響を分離することを極めて困難にする。カロリー摂取の調整を試みてはいるが食事の組成は考慮されていない。測定はスポット尿で、ビスフェノール類の代謝が早いことを考えると長期に渡る暴露量を反映してはいないだろう。肥満には食事と運動が主要な要因で、これらを改善することが最も利益があるだろうことは忘れてはならない。

Open大学応用統計学名誉教授Kevin McConway教授

この研究自身がこれらの知見から必要以上に読み取ることを警告している。理由はたくさんある。私にとっては最大の懸念は観察研究であることで、この手の観察研究からは因果関係を結論できない。さらに測定が体重を計ったときの一回だけ、そしてビスフェノールの濃度の差が大きくないことである。さらなる研究が必要であるという結論に異議はないが、この方向でさらに続けても子どもの肥満は無くならないだろう。

Glasgow大学講師内分泌学会員Michelle Bellingham博士

BPAはいわゆる肥満原性について研究されてきていて幾分かの根拠があり、その懸念からBPAを類似体に変更している業者が増えた。この研究ではBPAとその類似体であるBPSやBPFを調べてそれらが尿に測定可能な量存在することを報告した。著者らが注記するように結果の解釈には注意が必要である。食品包装にビスフェノールが含まれるのでこれらの暴露量が多い人は消費量が多く肥満の可能性が高くなるからである。

Exeter大学糖尿病と肥満上級講師Katarina Kos博士

この研究デザインは化学物質が肥満の原因だと言うことはできない