2020-01-21

[EFSA]意見等

-遺伝子組換えAspergillus luchuensis Inui RF7398株由来食品酵素キシラナーゼの安全性評価

Safety evaluation of the food enzyme xylanase from the genetically modified Aspergillus luchuensis Inui strain RF7398

EFSA Journal 2020;18(1):5971  20 January 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5971

この食品酵素キシラナーゼ(4‐β‐d‐キシラン キシラノヒドロラーゼ; EC 3.2.1.8)は、AB Enzymes GmbH社が遺伝子組換えAspergillus luchuensis Inui RF7398株で生産した。この遺伝子組換えは安全上の懸念を生じない。この食品酵素に生産生物の生きた細胞や組換えたDNAは含まれない。この食品酵素は焼成及びシリアルベース工程で使用することを意図している。最大使用量に基づき、この食品酵素への食事暴露―総固形有機物量(TOS)は欧州人で最大0.008 mg TOS/kg 体重(bw)  /日と推定された。遺伝毒性試験は安全上の懸念を生じなかった。全身毒性はラットの90日間反復経口投与毒性試験で評価された。パネルは無毒性量を試験した最大量の1,000 mg TOS/kg bw /日と確認し、これを推定した食事暴露と比較すると、暴露マージンは少なくとも125,000となった。既知のアレルゲンに対するこの食品酵素のアミノ酸配列の類似性が調査され、一致はなかった。パネルは、意図した使用状況で、食事暴露によるアレルギー感作リスクや誘発反応は除外できないが、これが起こる可能性は低いと考えた。提出されたデータに基づき、パネルは、意図した使用状況で、この食品酵素は安全上の懸念を生じないと結論した。

 

-遺伝子組換えダイズSYHT0H2の食品及び飼料としての使用、輸入、加工のための評価(認可申請 EFSA‐GMO‐DE‐2012‐111)

Assessment of genetically modified soybean SYHT0H2 for food and feed uses, import and processing, under Regulation (EC) No 1829/2003 (application EFSA‐GMO‐DE‐2012‐111)

EFSA Journal 2020;18(1):5946  20 January 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5946

この申請で記述されているダイズSYHT0H2は、ヒトと動物の健康と環境への潜在的な影響に関して、従来対象種及び検査した非GMダイズ参照種と同様に安全である。

 

-Bacillus amyloliquefaciens BANSC株由来食品酵素α-アミラーゼの安全性評価

Safety evaluation of the food enzyme α‐amylase from Bacillus amyloliquefaciens strain BANSC

EFSA Journal 2020;18(1):5976  20 January 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5976

この食品酵素α‐アミラーゼ (4‐α‐d‐グルカン グルカノヒドロラーゼ; EC 3.2.1.1)はAdvanced Enzyme Technologies Ltd社が非遺伝子組換えB. amyloliquefaciens BANSC株で生産した。このα-アミラーゼは醸造及び焼成工程、グルコースシロップ生産や他の澱粉加水分解物の澱粉加工での使用を意図している。この食品酵素の残留量はグルコースシロップ生産の澱粉加工中に除去されるため、食事暴露の推定から除外されている。醸造及び焼成工程の最大推奨使用量とEFSAの包括的欧州食品データベースの個別のデータに基づき、食事暴露―総固形有機物量(TOS)は最大0.468 mg TOS/kg 体重 (bw) /日と推定された。親株は安全性適格推定(QPS)生物とみなすのに必要な資格を満たしており、それゆえ安全だと推測される。この食品酵素の安全性の結論は、製造条件をさらに考慮して、生産株に関するQPSアプローチに従って作られた。その結果、パネルはアレルゲン性の評価以外の毒性学的研究は必要ないと考えた。パネルは、意図した使用状況で、この食品酵素に対する食事暴露上のアレルギー感作リスクや誘発反応は除外できないが、そのような可能性は低いと考えた。この生産株のQPSステータス及び提出されたデータに基づき、パネルは、この食品酵素は意図した使用状況で、安全上の懸念を生じないと結論した。

 

-遺伝子組換えStreptomyces rubiginosus DP‐Pzn37株由来食品酵素キシロースイソメラーゼの安全性評価

Safety evaluation of the food enzyme xylose isomerase from the genetically modified Streptomyces rubiginosus strain DP‐Pzn37

EFSA Journal 2020;18(1):5978 20 January 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5978

この食品酵素はDanisco US Inc社が遺伝子組換えStreptomyces rubiginosus DP‐Pzn37株で生産したd‐キシロース アルドース‐ケトース‐イソメラーゼ (EC 5.3.1.5)である。この生産株には抗生物質耐性遺伝子が含まれているが、この食品酵素はその生産生物の生きた遺伝子やそのDNAがないことが示された。この食品酵素は高フルクトースシロップ生産のためのグルコース異性化の固定化型での使用を意図している。総固形有機物量(TOS)の残留量は、固定化した食品酵素の使用により除去され、固定化した酵素を用いた高フルクトースシロップ生産中に適用される精製段階でさらに取り除かれる。その結果、食事暴露は算出されなかった。遺伝毒性試験は安全上の懸念を生じない。全身毒性はラットの90日間反復経口投与毒性試験で評価された。パネルは、無毒性量を、検査した最大用量の85.2 mg TOS/kg bw / 日と確認した。既知のアレルゲンに対するアミノ酸配列の類似性が調査され、マッチは見つからなかった。パネルは、意図した使用状況で、この食事暴露によるアレルギー感作リスクや誘発反応は除外できないが、そのような反応が生じる可能性は低いと考えた。提出されたデータ、固定化工程、高フルクトースシロップ生産中の総固形有機物量の除去に基づき、パネルはこの食品酵素は意図した使用状況で安全上の懸念を生じないと結論した。

 

ルクセンブルグはグリホサートの使用を禁止する最初のEUの国になる

ルクセンブルグ政府プレスリリース

Luxembourg, the first EU country to ban the use of glyphosate

Press release16.01.2020

https://gouvernement.lu/en/actualites/toutes_actualites/communiques/2020/01-janvier/16-interdiction-glyphosate.html

グリホサートは2020年12月31日までに廃止

・有効成分グリホサートを含む製品の認可は2020年2月1日から取り下げ

・ストックの使用は2020年6月30日まで認められる

・猶予期間は2020年12月31日まで

EUレベルでの認可は2022年12月15日まである

グリホサートの使用を諦めた農家には補償金が提供される

 

[FAO]東アフリカのバッタの増加と戦うには膨大な、国境を越えたキャンペーンが必要

Massive, border-spanning campaign needed to combat locust upsurge in East Africa

20 January 2020, Rome/Nairobi

http://www.fao.org/news/story/en/item/1257973/icode/

サバクトビバッタがエチオピア、ケニア、ソマリアを覆っている-既にその規模は前例が無く、対策をしなければ他の東アフリカの多くの国に破壊的影響が広まる可能性がある、とFAOが本日警告した。

地域は既に対策を始めているが脅威の規模と緊急性を考えると追加の財政支援が必要。

 

[COT]2020年1月28日の会合の議題とペーパー

COT Meeting: 28 January 2020

https://cot.food.gov.uk/cot-meetings/cotmeets/cotmeets/cot-meeting-28-january-2020/cot-meeting-28-january-2020

・EFSAのオクラトキシンAの意見募集

・WHOのEHC240の意見募集

・カンナビジオールについて更新

・6ヶ月から5才の子どものオート麦ドリンクのマイコトキシン汚染の健康リスクについて

https://cot.food.gov.uk/sites/default/files/tox202003oatdrinks.pdf

牛乳やその他の動物の乳の代用品としての植物ベースの飲料(米、オート麦、アーモンド、ヘーゼルナッツ、麻など)の販売が増加している。乳糖不耐やグルテン不耐などのために、あるいは菜食主義のために飲んでいる可能性がある。英国では2014年に15万人だったビーガンが2019年は60万人に増加している

T-2およびHT-2毒素の推定摂取量は推定値では乳幼児のARfDおよびTDI未満、n=1の測定値を使うと超過

・生体異物とヒト微生物叢の毒性学的相互作用

https://cot.food.gov.uk/sites/default/files/tox202004microbiotastatement.pdf

ヒトの腸内細菌叢の組成には相当な個人による多様性があるため実験動物での結果を当てはめるのは困難である、さらに細菌の分類学的変化と全身疾患の関係は因果関係ではなく相関関係であろう。ヒト微生物叢への生体異物の影響について調べるには異なる年齢集団での長期前向き研究が必要であろう。そうした研究では腸の場所によって細菌叢の組成が天然に異なるために特定の消化管部位に標的を絞る必要がある。概要と現状については同意

本文は最新の文献レビューになっている

結論として

消化管の微生物コミュニティは複雑で少数の門の膨大な種からなりその数や種類の範囲は状態や腸の場所により、主な貯蔵場所は大腸、特に盲腸

生体異物の腸内細菌叢への影響についての研究はほとんどが動物実験

動物実験から、腸の移動する内容物の微生物はより固定された粘膜近くの細菌とは違うことがわかっており、従って糞便中微生物の変化は全体のコミュニティを反映していない

動物実験で報告されている変化が病気なのか自然の適応なのかについてはほとんど根拠が無い

ヒトでも測定可能な微生物の変化が観察されているが抗生物質の経口摂取による影響より小さい

食べたものは全て腸内細菌に影響を与える可能性はある

腸内細菌は摂取したものの活性化や不活性化両方の作用があるようだ

一部の細菌は宿主の健康状態と関連することが示されているがこれまでのところ関連のみで因果関係の決定的根拠は無い

個別化医療への関心の高さから、個人の腸内細菌叢を利用した治療法が試みられる可能性はあるが、それには因果関係のある生物の知識が必要で、現時点でそれは存在しない

・電子タバコの毒性学的リスク

・ホライゾンスキャニング

https://cot.food.gov.uk/sites/default/files/tox202009horizonscanning.pdf

現在進行中のもの

1-5才の子どもの補完食

電子タバコ

強さを推定する方法の開発

PFOAのPBPKモデリングプロジェクト

マイクロプラスチック

マイクロバイオーム

ダイオキシン

母親の食事

植物ベースの飲料

SETEサブグループ

他に食品中ヒト医薬品、プラスチック包装代用品

・2019 COT年次報告書

 

[ASA]非侵襲性出産前検査(NIPT)-ASAの裁定から考える

Non-Invasive Prenatal Testing (NIPT) – A look at the ASA’s rulings

CAP News 16 Jan 2020

https://www.asa.org.uk/news/non-invasive-prenatal-testing-nipt-a-look-at-the-asa-s-rulings.html

統計は厄介である。たとえ真実であっても誤解を招くことがあるのは最近のNIPT販売業者への一連の裁定で示された。NIPTは妊娠女性が胎児にダウン症のような遺伝的病気があるかどうかを調べる検査である。

この成長するセンシティブな分野の業者が新しいガイドラインに従うようにCAPのコンプライアンスチームは事業者に連絡をとっている。

今回のUltrasound Direct, My Baby Enterpriseおよび The Birth Companyの三社への広告基準違反の判断は、「検出率」99%と宣伝することで消費者を誤解させたというものである。この検出率は、全ての胎児に実際に病気がある場合にその検査が病気であると同定できる率のことである。

この検出率そのものは真実で医療の専門職は使っているものの、ウェブサイトで他に説明することなく使うことは消費者を誤解させる可能性が高いとASAは判断した。消費者はこの「検出率」を、もし検査で陽性だったら胎児がその病気である可能性のことだと理解するだろう、とASAは考えた。しかしこの数字はそのNIPTが、実際に病気でない胎児をどのくらい陽性と判断するのかについての情報は全くない。その統計の名前は「陽性適中率Positive Predictive Value」というもので、これは検出率より相当低い。例えばある系統的レビューではダウン症陽性のNIPTのうち82%がダウン症だった。これは広告の99%より低い。Edwards症候群では37%、Patau症候群では49%である。

従ってASAはこれらの広告が誤解を招くものであると判断した

(こういうのもASAならノーと言ってくれるだろう。

http://xn--icktbzci4u.com/

 

[WHO]喫煙は手術後の合併症リスクを大きく増やす

Smoking greatly increases risk of complications after surgery

20 January 2020

https://www.who.int/news-room/detail/20-01-2020-smoking-greatly-increases-risk-of-complications-after-surgery

WHOとオーストラリアNewcastle大学と麻酔科専門医学会世界連合の協同研究で、手術の前に4週間以上禁煙すると術後6ヶ月の結果が改善されることを示した

 

論文

-絶滅危惧種とは何か?

What is an endangered species?

17-JAN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-01/mtu-wia011720.php

Environmental Research Lettersに発表された許容できるリスクについての考察

 

-The Lancet:新しい規制にも関わらず、米国の臨床試験の半分以下しか結果を報告する法に従っていない

The Lancet: Fewer than half of US clinical trials have complied with the law on reporting results, despite new regulations

17-JAN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-01/tl-pss011620.php

2020年1月は、臨床試験結果は完了から1年以内に報告するよう定めた米国の新しい規制の3周年である。しかしコンプライアンスは低いまま。 The Lancetに報告。特に政府の資金提供を受けた研究のコンプライアンスが悪い。企業がお金を出した大規模研究のほうがパフォーマンスが良い

 

-アメリカで最も広く摂取されている油が脳の遺伝子変化をおこす

America's most widely consumed oil causes genetic changes in the brain

17-JAN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-01/uoc--amw011620.php

Endocrinologyに発表されたマウスに大豆油、低リノレン酸大豆油、ココナツオイルの多い餌を与えた研究

(このチームはずっと大豆油がいろいろな点で悪いという研究をしているらしい。餌は40%脂肪、非常に多い。雄のCC57BL/6Nマウス。RNAの発現を調べているので遺伝子が変わったとは言わないような)

 

-食品へのアクセスが不適切な人々は10% から 37%早期に死亡する可能性が高い

People with inadequate access to food 10% to 37% more likely to die prematurely

20-JAN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-01/cmaj-pwi011420.php

経済的な理由で食料を十分入手できない成人は食料が十分な人に比べて10% から 37%早期に死亡する可能性が高い。CMAJに発表されたカナダの国民健康調査データからの研究

 

-貧しい英国人の健康は一世紀前に生まれた人達より悪い

Health of poor Brits worse than that of those born a century ago

20-JAN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-01/b-hop011620.php

大規模研究は豊かな人達と貧しい人達の健康ギャップが拡大していることを示す

Journal of Epidemiology & Community Health

 

-医療用大麻は長期的には睡眠の問題を緩和しない

Medicinal cannabis may not ease sleep problems in the long run

20-JAN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-01/b-mcm011620.php

BMJ Supportive & Palliative Care。耐性を獲得すること、がん関連の痛みにはカンナビノイドは関係ない

 

-出産前の飲酒と喫煙の組み合わせは大幅にSIDSリスクを上げる

Combined prenatal smoking and drinking greatly increases SIDS risk

20-JAN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-01/nioa-cps011720.php

EclinicalMedicineに発表された南アフリカケープタウンと米国5カ所(インディアン居留地二カ所を含む)でのデータ。妊娠最初の三ヶ月以降喫煙も飲酒もしない場合と比べて喫煙を継続した場合5倍、飲酒を継続した場合4倍、両方だと12倍SIDSリスクが上がる

 

-トキシコ-エピゲノミクスの約束と課題:環境化学物質とそのエピゲノムへの影響

IARC

The promises and challenges of toxico-epigenomics: environmental chemicals and their impacts on the epigenome

20 January 2020

https://www.iarc.fr/news-events/the-promises-and-challenges-of-toxico-epigenomics-environmental-chemicals-and-their-impacts-on-the-epigenome/

IARCの研究者らがEnvironmental Health Perspectivesに発表した環境中有害物質のエピゲノム撹乱作用についてのレビュー。エピゲノムデータを毒性学やリスク評価に使うことは組織や集団によるエピゲノムの多様性がわからなかったため限定的だった。最近開発された新しいツールでエピゲノム多様性の包括的地図を作り、メカニズムの理解も増した。これらの進歩が現在の障害を乗り越えることを期待したい

 

SMC UK

-健康な男性で魚油サプリメントと精巣の機能を調べた研究への専門家の反応

expert reaction to study looking at fish oil supplements and testicular function in healthy young men

JANUARY 17, 2020

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-looking-at-fish-oil-supplements-and-testicular-function-in-healthy-young-men/

JAMA Network Openに発表された研究が魚油サプリメントは若い男性の精巣機能にポジティブな影響があるかもしれないと報告する

Sheffield大学男性学教授Allan Pacey教授

これは興味深い研究で精子を作るための重要なホルモンについても調べている。健康な一般人(軍人から)で調べていることがさらに興味深い。簡単にまとめると、精子を採取する前に3ヶ月間魚油サプリメントを使用すると僅かに精巣が大きく射精される精子数が多く血中LHとFSHのプロファイルが健康的なように見える。それは受精能力のために良いことを示唆する。しかしタラ肝油に手を出す前に、この研究は無作為化されていないことに注意する必要がある。従ってこの改善が魚油のせいだとは結論できない

生殖受精学会会員Edinburgh大学生殖健康のためのMRCセンター研究グループリーダーRod Mitchell博士

これまでの研究では不妊男性でオメガ3脂肪酸は精子のパラメーターを改善することが示されているがこの研究は健康な男性でのものである。精子数や精巣の大きさが魚油を使っていた男性の方がマルチビタミンサプリメントを使っていた人やサプリメントを使用していない人より大きかった。この研究は自己申告によるもので直接測定していないのでどのくらい摂取したのかはわからない。詳細な食事情報もないので食事由来の魚油摂取量は不明である。精子数の違いは小さく臨床的意味は不明である。興味深いことに魚油サプリメントを使用している男性は喫煙者である可能性が低く、この研究では調整しているもののライフスタイル要因は男性の受精能力にとって重要な要因であることにかわりはない

Queen’s University Belfast生殖医学名誉教授Sheena Lewis教授

この研究から不妊男性が魚油をとることに利益があるとはいえない

内分泌学会会員Imperial College London生殖内分泌准教授Channa Jayasena博士

この研究は観察研究で、魚油サプリメントをとっている男性は他の男性とライフスタイルが違う。従って魚油そのものが男性受精能力に直接影響することを証明したものではない

英国不妊学会委員会メンバー男性学相談医Kevin McEleny博士

内分泌学会会員Edinburgh大学生殖健康のためのMRCセンターRichard Sharpe教授

英国栄養士会広報で栄養士Frankie Phillips博士

(概ね同様。健康的な食事大事)

 

-電子タバコと米国の若者のEVALI(電子タバコ関連肺傷害)についての展望への専門家の反応

expert reaction to perspective on vaping and EVALI (e-cigarette or vaping product use-associated lung injury) in young people in the US

JANUARY 17, 2020

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-perspective-on-vaping-and-evali-e-cigarette-or-vaping-product-use-associated-lung-injury-in-young-people-in-the-us/

NEJMにEVALIについてのコメントが掲載された

Dundee大学心血管系医学と治療薬教授Jacob George教授

この声明は英国の専門家が既に確信している米国でのEVALIの流行は英国の主流店で販売されているニコチン含有電子タバコではなく大麻オイルに使われたビタミンE酢酸エステルに関連するということを確認した。さらに電子タバコの製造や表示に関わる規制はEUと英国では堅牢でしっかりしている。また非喫煙者、特に若い人は無害だと思って電子タバコを使用すべきではないことも確認した。慢性の喫煙者はタバコ暴露削減対策として電子タバコに切り替えることに利益がある。

 

-医療用画像診断の低線量放射線と培養細胞の突然変異を調べた研究への専門家の反応

expert reaction to study looking at low doses of radiation in medical imaging and mutations in cell cultures

JANUARY 16, 2020

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-looking-at-low-doses-of-radiation-in-medical-imaging-and-mutations-in-cell-cultures/

PLOS Geneticsに発表された研究が医療用画像診断に使われている低線量放射線が培養細胞の突然変異につながるかもしれないと報告した

Imperial College London分子病理学教授Geraldine Thomas教授

この論文を低線量放射線を診断に使った場合にDNA組み込みがおこる、あるいは低線量放射線暴露がヒトがんにつながる根拠と見なすべきではない。

培養細胞での結果がまるごとのヒトでおこると解釈する前に注意が必要である。著者自身が注意を呼びかけている

UCL医療用画像科学教授Derek Hill教授

放射線が高線量で重大な疾患をおこすことはたくさんのデータがある。それらを外挿して低線量のリスクを推定してきた。この論文はその低線量の問題を扱った。その結果予想より多くのダメージがあった。しかし著者自身が述べているようにこれは低線量でがんが起こる可能性についての実験ではない。さらなる研究が必要である

Portsmouth大学環境科学教授Jim Smith教授

この研究はイオン化放射線による遺伝的傷害へのについての知見を加えさらなる研究への道のりを示す。しかし著者らの主張する、低線量放射線はこれまでDNAに全く傷害を与えないと考えられてきたというのは間違っている。現在の生物学的理解も放射線防護規則も、どんなに低い線量でも遺伝子突然変異をおこすと想定している。医療診断用の低線量放射線には小さな健康リスクがある。現行ガイドラインでは医師や放射線技師はこの低いリスクと医学上のベネフィットを検討すべきとされている。私はこの研究が診断のためにX線やCTスキャンを受けようとする患者の懸念とされるべきではないと思う

Oxford大学病院NHSトラスト医療物理学と臨床工学部長Malcolm Sperrin教授

どんな複製する細胞でもイオン化放射線暴露はリスクとなることが何十年も受け入れられてきた知恵であり通常使われるモデルは線形閾値無しモデル(LNTM)で、それによりどんなに小さな暴露でもリスクを計算できる。一方治療や診断のための放射線暴露の副作用は患者の病気の状態の文脈でよく管理されてきた。この研究はDNA傷害のダイナミクスへの知識を得る意味で価値があるが生きているヒトの身体と同じではない

医療物理工学研究所医療放射線防護専門家Jim Thurston氏

プレスリリースは科学を正確に反映しているか?

イエス

質の高い研究か?結論はしっかりしたデータに裏打ちされているか?

私は細胞生物学者ではないがそう見える。しかし放射線の使用条件にもう少し詳しい情報があるほうがいい

既存の根拠に適合するか?

これまでの知見に追加する

著者は交絡を考慮しているか?限界は?次は?

著者もプレスリリースもこれは培養細胞での実験でヒトにあてはめるにはさらなる研究が必要だと指摘している。交絡は考慮していない

現実世界での意味は?

注意している

放射線科医学会放射線安全性アドバイザーStewart Redman博士

放射線防護学会医療委員会長David Dommett氏

(概ね同様の内容)

 

その他

-NetflixのGoop Labは悪い科学に陥るのはどんなに簡単かを示す

The Goop Lab on Netflix shows how easy it is to fall for bad science

17 January 2020 By Clare Wilson

https://www.newscientist.com/article/2230459-the-goop-lab-on-netflix-shows-how-easy-it-is-to-fall-for-bad-science

サイキック・リーディング(超能力による予知)、エネルギーヒーリング、吸血鬼美顔術(多血小板血漿注射のことらしい)。これらは女優で健康教祖Gwyneth PaltrowとそのチームがNetflixのシリーズであるGoop Labで予告しているアドベンチャーの一部である。Paltrowのナチュラルヘルス企業Goopは既に歯止めの無い欲望の代名詞になっているが、この動画シリーズはさらに次のレベルに達している

 

-如何にして合法大麻ショップが電子タバコクライシスに寄与したか

How Legal Weed Shops Feed the Vaping Crisis

By Kevin Sabet Jan. 20, 2020

https://www.wsj.com/articles/how-legal-weed-shops-feed-the-vaping-crisis-11579554025

州が認可したマリファナショップがこれまで考えられていた以上の高率での肺疾患と死亡の増加に貢献した

大麻産業の推奨者は肺疾患と死亡をおこした「大麻吸入危機」を違法な市場の逸脱者のものだとして無視してきた。合法大麻は規制されているので最近の問題には関係ないと。CDCが全ての大麻吸入製品を使用しないよう警告すると業界は異議を申し立てその警告を陰謀だと言った。

しかし今やCDCはそれを証明するデータを持っている。新しく発表された報告によると、州が認可した大麻ショップが肺疾患と死亡の増加に寄与している。さらに大麻を合法化した州からの密輸の増加がCDCのリアルタイムでのデータ追跡をほぼ不可能にしている。

大麻業界の継続する大量の宣伝のおかげで全国で大麻の使用率が上がっている

 

-HPVワクチンは解析の結果子宮頸がんをおこすウイルスからの保護作用が99.8%にもなり「完璧に近い」

HPV vaccine is 'near perfect' as analysis shows the jab is up to 99.8% effective at protecting against cervical cancer-causing viruses

20 January 2020

https://www.dailymail.co.uk/health/article-7908801/HPV-vaccine-near-perfect-99-8-effective-study-finds.html

(大衆紙の見出しがこんな感じなのは日本とかなり違うなと思って)

 

-中華料理のMSGは不健康ではない、あなたは単なる人種差別主義者、活動家が言う

MSG in Chinese food isn't unhealthy -- you're just racist, activists say

January 19, 2020

https://edition.cnn.com/2020/01/18/asia/chinese-restaurant-syndrome-msg-intl-hnk-scli/index.html

MSGとして知られるグルタミン酸ナトリウムは何年もの間主に中華料理に入っている不健康な加工成分だと烙印を押されてきた、科学的根拠がないにも関わらず。この認識は時代遅れで人種差別的であるが、あまりにも広まっていてMerriam-Websterの辞書にも「中華料理店症候群」という言葉が収載されている。意味は「MSGをたくさん使った中華料理を食べた人がおこすとされるめまいや動悸のようなある種の症状」と。

今回活動家が「中華料理店症候群の再定義」というキャンペーンを開始した。味の素が主導するものでMerriam-Websterの記述を科学的コンセンサスを反映したものにするよう求める

以下MSGと米国におけるアジア差別について。フレンチやイタリアンは高級で中華料理やタイ料理は質が悪く安ものだと見なされるのは何故?といった話。

 

-2019 ILSI年次報告書

2019 ILSI Annual Report

https://ilsiweb.s3.amazonaws.com/ilsi/wp-content/uploads/2020/01/AR/index.html#1

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2020-01-20

[EFSA]意見等

-フルキサピロキサドの既存MRLsのレビュー

Review of the existing maximum residue levels for fluxapyroxad according to Article 12 of Regulation (EC) No 396/2005

EFSA Journal 2020;18(1):5984 16 January 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5984

さらなる検討が必要。

 

-チエンカルバゾン-メチルの既存MRLsのレビュー

Review of the existing maximum residue levels for thiencarbazone‐methyl according to Article 12 of Regulation (EC) No 396/2005

EFSA Journal 2020;18(1):5957  16 January 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5957

規制の枠組みに必要なすべての情報が提示され、消費者へのリスクは確認されなかった。

 

-豚肥育用飼料添加物としてのAPSA PHYTAFEED® 20,000 GR/L (6‐フィターゼ)の安全性と有効性

Safety and efficacy of APSA PHYTAFEED® 20,000 GR/L (6‐phytase) as a feed additive for pigs for fattening

EFSA Journal 2020;18(1):5979  16 January 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5979

 

-新規食品としてのEDTA鉄ナトリウムに関する追加情報の評価のための技術的支援についての技術報告書

Technical report on the technical assistance for the evaluation of additional information on ferric sodium EDTA as a novel food

15 January 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1776

欧州委員会の要請を受けて、EFSAは、鉄供給源として使用される新規食品成分のエチレンジアミン四酢酸(EDTA)鉄ナトリウムに申請者が提出した追加情報をレビューするよう求められた。この追加情報は、以前EFSAの食品添加物及び食品に添加する栄養源に関するパネル(ANS)が評価した、Ferrazone XF®として商品化されているEDTA鉄ナトリウムから成る製品にナノメートルサイズの粒子がないことを示すことを目的とした。この追加情報は、ヘリウム比重瓶、窒素吸収、動的光散乱、走査電子顕微鏡法、視覚的溶解度によって得られた。分析で得られた体積あたり表面積は、この製品が小さな粒子(ナノ粒子を含む)で構成される可能性が低いことを示した。溶解度データはこの製品が溶けやすいことを示し、不溶性/ 難分解性粒子の存在に対する懸念は排除される。受け取った追加情報に基づき、EFSAは、Ferrazone XF®の摂取によるナノ粒子を含むEDTA鉄ナトリウムの、小さな、不溶性で、生体に長く残る可能性のある粒子への暴露は起こりそうもないと考えた。

 

-遺伝子組換えBacillus licheniformis DP‐Dzr50株由来食品酵素マルトース生成アミラーゼの安全性評価

Safety evaluation of the food enzyme maltogenic amylase from the genetically modified Bacillus licheniformis strain DP‐Dzr50

EFSA Journal 2020;18(1):5972  17 January 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5972

この食品酵素マルトース生成アミラーゼ(グルカン 1,4‐α‐マルトヒドロラーゼ; EC 3.2.1.133)は、Danisco US Inc社が遺伝子組換えBacillus licheniformis DP‐Dzr50株で生産した。この食品酵素の生産株には既知の抗菌薬耐性遺伝子の複数のコピーが含まれている。だが、この食品酵素の生産生物由来の生きた細胞やDNAがないことに基づき、これはリスクとは考えられていない。この食品酵素は蒸留アルコール生産、グルコースシロップ生産用の澱粉加工、焼成及び醸造工程での利用が意図されている。この食品酵素の残留量は蒸留や澱粉加工により除去されるため、これらの工程に食事暴露は算出されなかった。焼成及び醸造に推奨される最大使用量とEFSAの包括的欧州食品データベースの個別データに基づき、この食品酵素への食事暴露―総固形有機物量(TOS)は最大0.199 mg TOS/kg 体重 (bw) /日と推定された。遺伝毒性試験は安全上の懸念を生じなかった。全身毒性はラットの90日間反復経口投与毒性で評価された。パネルは、無毒性量は少なくとも80 mg TOS/kg bw / 日と確認し、推定した食事暴露と比較すると暴露マージンは少なくとも400になる。既知のアレルゲンに対するアミノ酸配列の類似性が調査され、マッチは見つからなかった。パネルは、意図した使用状況で、食事暴露によるアレルギー感作リスクや誘発反応は除外できないが、澱粉加工、焼成、醸造では少ないと考えられる。提出されたデータに基づき、パネルはこの食品酵素は意図した使用状況で安全上の懸念を生じないと結論した。

 

-乳児用及びフォローアップ粉ミルク、ベビーフード、加工シリアルベース食品に栄養目的で添加される葉酸源としてのl-メチル葉酸カルシウム

Calcium l‐methylfolate as a source of folate added for nutritional purposes to infant and follow‐on formula, baby food and processed cereal‐based food

EFSA Journal 2020;18(1):5947 17 January 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5947

欧州委員会の要請を受けて、EFSAの栄養、新規食品及び食品アレルゲンに関するパネル(NDA)は、EU規則609/2013に従って、乳児用及びフォローアップ粉ミルク、ベビーフード、加工シリアルベース食品に栄養目的で添加される葉酸源として使用されるl-メチル葉酸カルシウムの使用拡大に関する科学的意見を出すよう求められた。2004年にEFSAは、特定の栄養用途の食品、食品サプリメント、一般食品の葉酸源としてのl-メチル葉酸カルシウムの使用を評価した。触媒としてプラチナを用いた栄養源の生産を目的とした新たな代替合成段階は安全上の懸念を生じず、この生産工程は提案された仕様書に従った製品を一貫して作ることが分かった。以前の評価で評価された研究を基にして、l-メチル葉酸カルシウムは遺伝毒性ではなく、ラットの亜慢性及び胚毒性/ 催奇形性の研究で、検査した最大用量で有害影響は明らかにされなかったと結論した。パネルは栄養源に関するさらなる毒性試験は必要ないと考えた。申請者が提出した健康的な乳児での介入研究は、l-メチル葉酸カルシウムあるいは葉酸を補給した乳児用粉ミルクどちらかを摂取した乳児の、生育のや耐性パラメーターに違いを示さず、提案した栄養源で乳児用粉ミルクの安全性や許容性に関する懸念を生じなかった。この研究はまた、l-メチル葉酸カルシウムの生物学的利用能のさらなる証拠となる。パネルは、l-メチル葉酸カルシウムは葉酸が生物学的に利用可能な供給源であると考え、l-メチル葉酸カルシウムは乳児及び幼児への使用目的と使用量で安全だと結論した。

 

[ANSES]ウォータービーズ:飲み込んだとき子どもに危険

Water beads: hazardous to children in the event of ingestion!

26/12/2019

https://www.anses.fr/en/content/water-beads-hazardous-children-event-ingestion-0

フランス当局は、子供、特に5歳以下の子供が飲み込む吸収ゲルビーズのリスクを両親や保護者に警告している。これらの事故は深刻で、時には致命的な結果を招く可能性がある。

ウォータービーズは重量の400倍まで吸水するように作られている。半透明で鮮やかな色で、通常切り花用の花瓶に詰める装飾目的で使用される。幼児を監督する際には、このビーズが手に届かないよう細心の注意を払う必要がある。

最近の死亡者1人を含む、主に5歳以下の子供が関与する深刻な誤飲事故が数件報告されている。保健総局(DGS)、フランス競争・消費・不正抑止総局(DGCCRF)、フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は、これらの製品の安全性を改善し、この種の事故を防ぐために関連部門の専門家と協力している。

ウォータービーズの誤飲は、特にビーズが完全に水で戻されていない場合、子供には非常に危険である。

リスクは何?

飲み込んだ後、数時間にわたってかなり膨張し続けることがあり、腸閉塞の原因となる。最も深刻な事例では、これらの事故には大手術が必要となり、迅速に対応しないと致命傷の可能性がある。すべての小さな物体同様、ビーズにも窒息の危険性がある。

誤飲を防ぐ最良の方法とは?

子供はウォータービーズをお菓子と間違えて飲み込む可能性があるので、常時子供の手の届かないところに置いておくことが重要である。

誤飲や誤飲の疑いがある場合にはどうすればよい?

対処法の助言を求めて中毒管理センターに連絡すること。

当局も、ウォータービーズを「おもちゃ」として、特にオンラインで販売・宣伝している小売業者が存在することを消費者に警告している。見かけが魅力的でも、ウォータービーズはお菓子でもおもちゃでもない。そのように提示したがるオンライン小売業者はいるけれど!

なお、アクセサリー玩具と確認された法令違反の危険なウォータービーズがあれば、DGCCRFがそれらを回収/ リコールする。

 

[EU]RASFF Week03-2020

警報通知(Alert Notifications)

インド産旅行用マグからのフタル酸ジブチル(DBP)の溶出(1.8 mg/kg)、ロシア産ビスケットのグリシジルエステル類(5384 µg/kg)、ベルギー産原料オランダ産チョコレートドロップスのカドミウム(0.474 mg/kg)、ドイツ産イヌ用完全飼料のカドミウム(7.15 mg/kg)、スロバキア産ブルーポピーシードのモルヒネアルカロイド高含有(50.2 mg/kg)、イタリア産原料中国産煎ったピーナッツのアフラトキシン(B1 = 12.2; Tot. = 14 µg/kg)、

注意喚起情報(information for attention)

2,4-ジニトロフェノール (DNP)のオンライン販売、ベルギー産生鮮ニンジンのエトプロフォス(0.18 mg/kg)、

フォローアップ用情報(information for follow-up)

エジプト産酢漬けのブドウの葉のクロルピリホス(0.056 mg/kg)・シペルメトリン(0.15 mg/kg)・シプロジニル(0.11 mg/kg)・フルジオキソニル(0.3 mg/kg)・ルフェヌロン(0.33 mg/kg)・アセタミプリド(0.027 mg/kg)・プロピコナゾール(0.042 mg/kg)・チオファネートメチル(1.4 mg/kg)・ラムダシハロトリン(0.18 mg/kg)・インドキサカルブ(0.1 mg/kg)・アゾキシストロビン(0.21 mg/kg)・トリフロキシストロビン(0.6 mg/kg)・ボスカリド(0.055 mg/kg)及び未承認物質ジチオカルバメート(0.15 mg/kg)・カルベンダジム(5.5 mg/kg)・イプロジオン(0.28 mg/kg)・クロルフェナピル(0.055 mg/kg)、スペイン産オランダ経由CBD水の未承認新規食品成分カンナビジオール(CBD)、

通関拒否通知(Border Rejections)

イラン産ピスタチオのアフラトキシン(B1 = 11.9; Tot. = 12.8 µg/kg)、アルゼンチン産ピーナッツ穀粒のアフラトキシン(Tot. = 63 µg/kg)、ウクライナ産食品を入れるのにふさわしくない(錆びた)ドラム缶に保管したオーガニックハチミツ、中国産香港経由未承認新規食品羅漢果、トルコ産ペッパーのピリダベン(0.175 mg/kg)及びアクリナトリン(0.197 mg/kg)、トルコ産乾燥イチジクのアフラトキシン(B1 = 5.7; Tot. = 14.7 µg/kg)、

 

[BfR]良い包装:食品安全と持続可能性を楽しもう

Well wrapped: enjoying food safely and sustainably

14.01.2020

https://www.bfr.bund.de/en/press_information/2020/02/well_wrapped__enjoying_food_safely_and_sustainably-243825.html

BfRは国際緑の週間に食品の取り扱いと包装の助言を提供する

2020年1月17-26日のベルリン国際緑の週間でのBfRの展示

1月21日には国際フォーラムで「植物保護製品を安全に使って健康でいる」をテーマにする

 

[RIVM]食品中ナノマテリアルの健康リスクの可能性:シグナルの同定方法とリスクの優先順位付け

Potential health risks of nanomaterials in food: a methodology to identify signals and prioritise risks

16-01-2020

https://www.rivm.nl/publicaties/potential-health-risks-of-nanomaterials-in-food-methodology-to-identify-signals-and

本文オランダ語

要約のみ英語

食品や飲料水由来のナノプラスチック粒子、ナノ銀、食品のナノカプセル化、食品に鉄を加える際のナノ粒子の使用、乳児用ミルクの針状ナノヒドロキシアパタイトの6つのシグナルについては詳細に記述

 

[HK]回収

ブラジル農業畜産食糧供給省(MAPA)より‐ビール飲酒後、ジエチレン・グリコール中毒の疑いがあるため、ブラジルのCervejaria Backerにより製造されたすべてのビール製品の商品回収の通達 。

The Ministry of Agriculture, Livestock and Food Supply (MAPA) – notices regarding a recall of all beer products manufactured by Cervejaria Backer in Brazil due to suspected diethylene glycol poisoning cases after drinking the beer

17 January 2020

https://www.cfs.gov.hk/english/rc/subject/files/20200117_1.pdf

 

[ヘルスカナダ] リコール:

Viande Richelieu Meat ブランドの馬肉はクレンブテロールのため回収措置

Viande Richelieu Meat brand horse meat recalled due to presence of clenbuterol

January 14, 2020

https://healthycanadians.gc.ca/recall-alert-rappel-avis/inspection/2020/72147r-eng.php

 

[FSAI]リコール

-アフラトキシン濃度上昇のため、Tesco Halloween Monkey Nutsの回収措置

Withdrawal of Tesco Halloween Monkey Nuts Due to Elevated Levels of Aflatoxins

Friday, 17 January 2020

https://www.fsai.ie/news_centre/food_alerts/aflatoxin_monkey_nuts.html

Tescoはアフラトキシン濃度上昇発覚のため、Halloween Monkey Nutsを回収措置。製品写真あり。

 

-IKEAはフタル酸ジブチル濃度が高いため、一部のTroligtvisトラベル用マグの回収措置

IKEA Recalls Certain Troligtvis Travel Mugs Due to Migration of Elevated Levels of Dibutyl phthalate

Thursday, 16 January 2020

https://www.fsai.ie/news_centre/food_alerts/Ikea_recall_travel_mugs.html

IKEAはフタル酸ジブチル濃度が高いため、一部のインド製Troligtvisトラベル用マグを回収している。製品写真あり。

 

[PMRA]PMRA年次報告書2018–2019

Pest Management Regulatory Agency Annual Report 2018–2019

2020-01-17

https://www.canada.ca/en/health-canada/services/consumer-product-safety/reports-publications/pesticides-pest-management/corporate-plans-reports/annual-report-2018-2019.html

(ネオニコチノイドとグリホサートの記述あり)

 

[PMRA]ネオニコチノイド殺虫剤について更新

Update on the Neonicotinoid Pesticides (January 2020)

16 January 2020

https://www.canada.ca/en/health-canada/services/consumer-product-safety/reports-publications/pesticides-pest-management/fact-sheets-other-resources/update-neonicotinoid-pesticides-january-2020.html

現在進行中のネオニコチノイド殺虫剤評価についての進行状況を報告する。このグループの殺虫剤の評価は極めて複雑で多方面にわたり、各側面での評価の更新状況は以下である

拝啓

受粉媒介者インシデント報告

受粉媒介者評価

A:これまで終わった作業

B:これから終わる作業

C:終わるまでのタイムライン

循環的再評価:イミダクロプリド

水生生物特別レビュー:クロチアニジンとチアメトキサム

A:これまで終わった作業

B:現状

C:終わるまでのタイムライン改訂

循環的再評価::クロチアニジンとチアメトキサム

A:現状

B:終わるまでのタイムライン

 

[Codex]大臣は基準設定機関の役割強化を約束する

Ministers commit to strengthening the role of standard setting organizations

18/01/2020

http://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1257947/

2020年1月18日(3月って書いてあるけど)に開催された第12回ベルリン農業大臣会合。

 

-食料と農業についての世界フォーラムは全ての人の利益のために国際取引を形作ることの重要性を議論

Global Forum for Food and Agriculture discusses importance of shaping international trade for the benefit of all

16/01/2020

http://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1257894/

 

[FTC]FTCは「健康で成功」インスタントコーヒーマルチ商法を止めさせる

FTC Acts to Shut Down ‘Success by Health’ Instant Coffee Pyramid Scheme

January 16, 2020

https://www.ftc.gov/news-events/press-releases/2020/01/ftc-acts-shut-down-success-health-instant-coffee-pyramid-scheme

富への空約束が参加者に何百万も失わせる

連邦裁判所はFTCに‘Success by Health’として知られるマルチ商法の一時差止と会社と社長の財産の凍結を認めた

被告は消費者から700万ドル以上を集めそのうち130万ドル以上を自分のポケットに入れた。支払った額より多くのお金を受け取った参加者は2%以下だった

主製品は“MycoCafe”というインスタントコーヒーで、キノコ(霊芝と宣伝されている)が入っているから健康に良いと主張されていた

-消費者向けblog

FTCは“Success By Health”はマルチ商法だという

FTC says “Success By Health” is a pyramid scheme

January 16, 2020 by Seena Gressin

https://www.consumer.ftc.gov/blog/2020/01/ftc-says-success-health-pyramid-scheme

もしあなたがMLM参加を計画しているのなら詳しく調べること。まずオンラインで会社の名前と評判、詐欺、苦情のような単語で検索すること。そして参加者をリクルートすることを強調されたらそれはマルチ商法。

-事業者向けblog

FTC alleges “Success By Health” is a pyramid scheme

By: Seena Gressin | Jan 16, 2020

https://www.ftc.gov/news-events/blogs/business-blog/2020/01/ftc-alleges-success-health-pyramid-scheme

 

[FSANZ]緊急時の食品安全

Food safety in an emergency

(January 2020)

https://www.foodstandards.gov.au/consumer/safety/safetyduringemergency/Pages/default.aspx

緊急事態の前、間、後でのやるべきこと

(山火事関連)

 

[FSANZ]食品基準通知

Notification Circular 108–20

17 January 2020

https://www.foodstandards.gov.au/code/changes/circulars/Pages/NotificationCircular108%E2%80%9320.aspx

新規申請と提案

加工助剤としてのGM Trichoderma reesei由来グルコアミラーゼ、加工助剤としてのアルファアミラーゼ、線虫体制除草剤耐性大豆GMB151由来食品

食品基準改定

ハーブとスパイスの食品照射定義、加工助剤としてのTrichoderma reesei由来アルファグルコシダーゼ

など

 

肉の食事助言へのバックラッシュは企業と栄養科学の結びつきに疑問を提示する

Backlash Over Meat Dietary Recommendations Raises Questions About Corporate Ties to Nutrition Scientists

January 15, 2020  Rita Rubin, MA

JAMA. Published online January 15, 2020. doi:10.1001/jama.2019.21441

https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2759201

データが発表される前に、研究に否定的な反応があるのは医学雑誌では聞いたことがない。しかし昨年の秋のAnnals of Internal Medicineで編集者が、赤肉を食べることと心血管系疾患とがんの関連は成人に食べる量を減らすよう助言するにはあまりにも弱いことを示したいくつかの研究を投稿しようとしたときにそれがおこった。

Annalsの編集長Christine Laine博士が受信トレーに約2000の電子メールを見た-ほとんどが同じ内容で、30分以内でボットが作ったもののようだった。Laineはメールボックスをシャットダウンするしかなかった。彼女がこの尊敬されている雑誌の編集長として過ごした10年のうちで前例の無い量だっただけではなく、メールのトーンは極めて辛辣だった。

「私たちはたくさんの銃によるけがの予防についての論文を発行してきた。全米ライフル協会(NRA)のほうがこのTrue Health Initiative(THI)よりずっと暴力的ではなかった」とLaineは言う。

THIはDavid Katz医師を長にするNPOでそのウェブサイトでは活動の目的を「世界から予防可能な病気をなくすため、由緒ある根拠に基づいたライフスタイルの基本と医薬品を用いてフェイクファクトと偽りの疑いと戦う」と記述している。THIの理事会メンバーにはWalter Willett, MD, DrPH, や Frank Hu, MD, PhDなどのハーバードの栄養研究者らが名前を連ねている。

JAMAとのインタビューでLaine が語ったところによると、Katzと Willettと Huは論文が出版される前に取り下げるようにLaineに普通でない接触のしかたをした。おそらくそれは驚くべきことではない。「研究者の一部は栄養疫学のキャリアがあり、その仕事の限界を公開の場で暴露され議論されることがいやだったことは理解できる」とLaineは言う。

その後のニュース報道ではこれらの肉の論文の方法論を批判し著者らの一部に牛肉業界との経済的結びつきを疑うものがあった。

しかし多くの部分で見過ごされてきたのはKatzとTHIとその多くの理事会メンバー自身も膨大な業界との結びつきがあるということである。違うのは彼らの結びつきが、人々が赤肉を減らして植物を多く食べることで利益がある企業や団体とのものであることである。牛肉業界と違って、これらの業界は健康とウェルネスのオーラをまとっている、しかしそれは必ずしも根拠に基づいたものではない。

最先端の科学

Annalsは5つの系統的レビューを発表した。そしてエディトリアルでAaron Carroll医師とTiffany Doherty博士が「これは確かに議論になるだろう、しかし現時点で最も包括的な根拠のレビューである」と書いた。CarrollはNYTでも質の高い栄養研究を行うことの難しさを書いている

(略)

うわさがひろがる

論文が出る前にAnnalsに論文を取り下げるよう要求があったということは、雑誌の制限方針が守られなかったことを示唆する。これは重大な違反である。THIのウェブサイトの記事によると彼らは肉の論文をオンライン発表の5日前に入手している。Katzはコネチカットの新聞に毎週コラムを書いているのでプレスリリースリストに入っていたとLaineは言う。Katzは公開したのは論文本文ではなくプレスリリースだけだと主張しているが制限対象にはプレスリリースも含まれる。Katzは制限対象記事を提供されるジャーナリストのリストからは外された。

問題の論文が発表される4日前にKatzと11人のTHIのメンバーがLaineに論文取り下げを要求する手紙を送った。署名した中にはPhysicians Committee for Responsible Medicine (PCRM)の会長Neil Barnard, MDもと米国公衆衛生局長官Richard Carmona, MD, MPH;トロント大学医学部栄養教授 David Jenkins, MD, PhD、タフツ大学Dariush Mozaffarian, MD, DrPHが含まれる。

Laineは「私の母校の人達を含むグループがこれに関係して援助していることを知って私は本当にぞっとした」という

論文が解禁になって数時間後BarnardのPCRMはさらにFTCに「Annals of Internal Medicineの発表した肉に関する間違った声明を修正するよう」請願を行うことまでした。しかしFTCはそれはFTCの役割ではないという。

「情報テロ」

この非難は肉論文出版後数週間続いたがKatzは雑誌のウェブサイトや編集者へのレターのような通常のコメントルートは使っていない。Katzは連載をもっている新聞のコラムでこれらの論文を公衆衛生への「情報テロ」と呼ぶ。

約3週間後、PCRMはAnnalsの編集部があるフィラデルフィア市地方検事に、肉論文の出版によって「思慮無く公衆を危険にさらした可能性を調査する」よう要請した。

さらなる言葉による非難は最近開催された、発表の半分が植物食に関するものだった心臓病予防の学会でのものだ。基調講演でWillettが示したスライドはタイトルが「デマDisinformation」で、いくつかの団体や個人を非難するもので、AnnalsやNYTの記者Gina Kolataなどの「センセーショナルなメディア」、栄養科学者Patrick Stover 博士、NutriRECSの根拠に基づいた科学の提唱者、Gordon Guyatt医師などを名指ししていた。WillettはJAMAの取材メールに「それは食事と健康に関するメディア報道で人々が混乱していることについての私の話の一部だ」と回答している。「一部はその混乱の元になっているデマのトライアングルに関するものだ。同じ戦略が砂糖と炭酸飲料の摂取、気候変動、大気汚染、その他環境ハザードについて使われている」

GuyattはオンタリオのMcMaster大学の著名な教授で、30年前に根拠に基づいた医学の概念を発達させるのに主導的役割を果たした。肉論文が発表された数日後のカナダの放送局CBCとのインタビューで、こうした反応は「完全に予想されていて、感情的なものである」と述べている。

Tufts大学のSheldon Krimsky教授の見方は違う。「まるで政治的キャンペーンのようだ」。アメリカ公衆衛視絵学会の年次会合で公衆衛生への企業の影響についての議論で「かつてモンサントが逆方向で同じことをした」という。

Science-Based Medicineウェブサイトの創始者で編集長であるSteven Novella医師は、長い間Katzを批判してきたが、THIの肉論文反対キャンペーンについてより的を射た指摘をする。Yale大学の神経学者であるNovellaは「それは暗殺作戦である」とJAMAに回答する。「彼らには、自分たちの気に入らない科学的知見を却下するための一定の戦略がある。そのうちの一つが「薄っぺらな」利益相反を訴えることである」

「同時発生Confluence」か利益相反か

THIは肉論文や添加された砂糖や炭水化物の論文の著者らが食品企業から資金提供を受けたことがあると度々利益相反を主張してきた。しかしTHIの理事会メンバーもまた企業との関係はよくある。例えばTHIの「パートナー」にはオリーブ製品の販売促進を目的とした「オリーブウェルネス研究所」や肉代用品を売っているQuornなどが含まれる。そしてKatz自身が個人のウェブサイトで自分を「起業家entrepreneur」と自己紹介している。そして履歴書によるとKatsとHuはカリフォルニアクルミ委員会から資金提供を受けていて彼らの大学ハーバードT.H. Chan School of Public Healthはクルミ団体から数十万ドルの資金を受け入れている。Katzは「企業からお金をもらうことが基本的に悪いことではない」と言う。THI理事会のメンバーでもと米国公衆衛生局長官Richard Carmonaはダイエタリーサプリメント企業のHerbalife Nutritionの理事を務め贅沢なスパ休暇の世界的リーダーであるCanyon Ranchの「健康イノベーション主任」である。

(企業と関係大幅略)

消費者の混乱

栄養研究者のふるまいが良くない場合消費者は負けるか?

THI理事会メンバーでアルバータ大学健康法研究所長Timothy Caulfield, LLMは、2018年にトロントのGlobe and Mail紙で「北米で最も注目されている懐疑主義者」と説明されているが、THIのことを「この理事会にはたくさんの代替医療プラクティショナーや「統合医療」提唱者がいるので科学に基づいたアプローチをやり直すは困難だろう」と注記している。THI理事会を辞任する計画はあるのかと尋ねたところ、Caulfieldは「もう少し考える必要があるだろう。名前を外して欲しいとはまだ言っていないが、既にあまり関与はしていない」と言った。

肉論文を巡る不快な騒音は、根拠の確実な論点をかき消している、とLaineはいう。

「残念ながら重要なメッセージが失われてしまった。かつて信頼できるガイドラインは人々や団体が依ってきた。今や人々は食事について偉大な情報はないことを知るべきである。我々は人々を、赤肉を食べたら心臓発作になるぞとか大腸がんになると脅すべきではない」

 

(薄弱な根拠で強い政策を推進するべきではない、という極めてまともな主張が通用しないのがこの分野。WHOのトランス脂肪ゼロもそうで、取り過ぎは良くないという根拠はあってもゼロにすべきという根拠は無い。)

 

論文

-夕食の二酸化炭素排出量:魚フライはどのくらい「グリーン」か?

The carbon footprint of dinner: How 'green' are fish sticks?

16-JAN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-01/uoc--tcf011620.php

人気のある製品は相当な「漁獲後」の排出があり、魚を捕まえた後に何がおこるのかを測定する必要性を強調する

スケトウダラを魚フライ、かにかまぼこ、魚の切り身に加工することの気候への影響を調べた研究。Elementa: Science of the Anthropocene

(普通ライフサイクルアセスメントはされていないと書いてある)

 

-新しい方法はヒトの尿で有害藻類大発生による毒素暴露を検出する

New method detects toxin exposure from harmful algal blooms in human urine

16-JAN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-01/fau-nmd011520.php

Florida Atlantic大学のハーバーブランチ海洋学研究所とCDCの協力でヒトの尿からミクロシスチンとノジュラリンを検出する免疫捕捉プロテインホスファターゼ阻害アッセイimmunocapture protein phosphatase inhibition assay (IC-PPIA)法を開発した。この方法で86の尿を調べて0.055, 0.089 および0.052 ng/mL MC-LR 相当量を検出。 Toxins

 

-ローカルの活動家は潰せない、研究が発見。よくても標的を変えるだけ

Local activism can't be crushed, research finds. At most, it changes target

16-JAN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-01/bu-lac011620.php

Strategic Management Journalに発表されたFabrizio Perretti と Alessandro Piazzaによる新しい研究は、地域の活動家が目標を達成すると彼らは活動を高め、失敗すると消滅するのではなく他の業界に飛び火する

工場や施設建設に反対する地域の活動家の活動サイクルについての研究

予想されたとおり、原子力発電所の建設反対運動に成功すると同様の抗議が活発になる。一方Seabrookでのように原子力発電所が建設されて1976年から始まって1986年までの長引く運動が失敗した場合、目標が達成できなかったにもかかわらず、Seabrookの活動家は地域の人々を巻き込んで大規模抗議運動のモデルとなってAIDS活動団体のような異なる問題への活動につながった

(一度活動家になったら問題に関係なく抗議活動を止めない人が多いってこと?)

 

その他

-Science

禁止は現代の公衆衛生の役に立つ?

Do bans help modern public health?

Lawrence O. Gostin

Science 17 JANUARY 2020 VOL 367, ISSUE 6475  pp. 229

一世紀前の禁酒法から現在の電子タバコや大麻の話に

 

中国の新しいSARS様ウイルスが警鐘を鳴らす

New SARS-like virus in China triggers alarm

  1. 234-235

Jon Cohen, Dennis Normile

現在少しだけ安心感がでているがまだ疑問が多く残る。ウイルスを持っていた動物がわかっていない。いつから、真の患者数は?

 

レター

オーストリアのグリホサート禁止を支持する

Support Austria's glyphosate ban

Wanxi Peng, Su Shiung Lam, Christian Sonne

  1. 257-258

有害除草剤の禁止を可能にするには我々は植物の根の抽出物や作物栽培ローテーションや石けん、脂肪酸、酢などのナチュラルでエコな除草剤代用品に集中しなければならない。最も重要なことは集約的でない農業をしなければならない。

(ほぼ間違いばかりのレター。酢や脂肪酸のほうが害は大きい。グリホサート禁止を主張している人達の農業や科学の認識はこの程度であることを如実に示す)

 

-Natureニュース

壊滅的オーストラリアの山火事は研究を狂わせる

Catastrophic Australian bushfires derail research

Dyani Lewis 17 JANUARY 2020

https://www.nature.com/articles/d41586-020-00130-4

しかし科学者は侵入性生物種のコントロールや生態系攪乱研究のチャンスだとみる

 

-コンシューマーラボ

チアシードレビュー

Chia Seed Review

1/18/20

https://www.consumerlab.com/reviews/chia-seed-reviews/chia/

調べたチアシード(丸ごと、挽いたもの、発芽種子、種子粉末、ダイエタリーサプリメント)製品のうち一つは鉛汚染があり表示と含まれる栄養成分が大きく異なっていた。

 

-MLMは起業家の夢を食い物にしている

MLMs are preying on the dream of entrepreneurship.

Bushnell M.  Business.com. Aug 22, 2019

https://www.business.com/articles/mlms-target-women-and-immigrants/

マルチ商法企業は女性、移民、低所得の少数民族を標的にする

何かを必死に望む人がいるところにはどこでも、それを餌食にするものたちがいる。

ユタ州に拠点を置くMLM企業が多いのは、ユタ州には自宅にいる母親が多く、モルモン教徒はコミュニティーや大家族に大きな価値をおくためMLMが浸透しやすいためである。

(ビジネスライターの記事。ビジネスを始めたいなら知っておくべきことが書いてある)

 

-バックファイヤー効果。それは存在する?そしてそれはファクトチェッカーにとって問題か?

The backfire effect. Does it exist? And does it matter for factcheckers?

Full Fact, Aug 2019  Sippit A.

https://fullfact.org/media/uploads/backfire_report_fullfact.pdf

Full Factは英国のファクトチェック団体で、この報告はバックファイヤー効果についての文献をレビューしたもの

・「バックファイヤー効果」とは、ある言説の間違いを指摘することがかえってイデオロギー的信念を強化してしまうことを指す

・この効果はしばしばファクトチェックは効果がないと解釈される

・この効果について米国で行われた主要な7つの実験研究をレビューした

・バックファイヤー効果は特定の事例では起こる可能性があるが現在の根拠はそれが普通に起こると言うより希なものであることを示す。一般的には間違いの指摘は人々の信念をより正確にする

・2010-2012年の間に行われた二つの研究で特定の環境下でのバックファイヤー効果についての幾分かの根拠が得られている

・より最近の2015年から2019年の研究ではバックファイヤー効果の根拠は得られなかった

・バックファイヤー効果が見られた事例は特に議論が多いトピックスか、あるいは事実とされる主張が曖昧である傾向がある

・我々の世界観は偽りの暴露が有効なのはどのくらいなのか、に影響する

・我々の行動への神話の否定の影響は複雑である。このまとめはこの詳細については検討していない、間違いを暴くことが信念の正確さにどう影響するのかに焦点を絞った。

・このレビューではファクトチェックは市民に情報を与えることに役立つこと、バックファイヤー効果は普通というよりむしろ希であることを示唆する。どのようなファクトチェック内容が最も効果的かを理解するにはさらなる根拠が必要である。

(そんなにたくさんの研究があるわけではない。事実を伝えられると困る人達がバックファイヤー効果や欠如モデルをことさら強調するような)

 

-あなたはしわ取り目的で高圧酸素チャンバーに入りたい?

So You Want to Pop Into a Hyperbaric Oxygen Chamber to Rid Yourself of Wrinkles?

Jonathan Jarry M.Sc. | 16 Jan 2020

https://mcgill.ca/oss/article/health-pseudoscience/so-you-want-pop-hyperbaric-oxygen-chamber-rid-yourself-wrinkles

いくつかの営利目的のクリニックがこの酸素で満たした金属管を若返りの秘薬として宣伝しているがその根拠はない

 

-THE LANCETエディトリアル

オーストラリアが燃えている

Australia on fire

THE LANCET VOLUME 395, ISSUE 10219, P175-176, JANUARY 18, 2020

 

THE LANCETワールドレポート

山火事はオーストラリアの医療システムの弱点をあらわにする

Bushfires expose weaknesses in Australia's health system

Sophie Cousins

THE LANCET VOLUME 395, ISSUE 10219, P175-176, JANUARY 18, 2020

医師らは準備ができていなかった、気候変動は健康問題とは考えられてこなかった

主な健康影響は呼吸器と心血管系だが精神衛生にも影響する可能性がある

(オーストラリアはもともと頻繁に山火事が起こっていたのだけれど今回はその規模が前例がないほど)

2020-01-16

[EFSA]意見等

-Disporotrichum dimorphosporum DXL株由来食品酵素エンド‐1,4‐β‐キシラナーゼ 及びβ‐グルカナーゼの安全性評価

Safety evaluation of the food enzyme endo‐1,4‐β‐xylanase and β‐glucanase from Disporotrichum dimorphosporum strain DXL

EFSA Journal 2020;18(1):5975  10 January 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5975

キシラナーゼ(4‐β‐d‐キシランキシラノヒドロラーゼ, EC 3.2.1.8)とβ‐1,4 結合に対するグルカナーゼ活性を持つこの食品酵素は、DSM Food Specialities B.V.社が非遺伝子組換え菌Disporotrichum dimorphosporum DXL株で生産した。この食品酵素は醸造工程での使用を意図している。最大使用量とEFSAの包括的欧州食品データベースの個別データに基づき、この食品酵素への食事暴露―総固形有機物量(TOS)は最大0.167 mg TOS/kg 体重 (bw) /日と推定された。遺伝毒性試験は安全上の懸念を生じなかった。全身毒性はラットの90日間反復経口投与毒性試験で評価された。パネルは、無毒性量(NOAEL)を最大量の199 mg TOS/kg bw /日と確認し、推定した食事暴露と比較すると暴露マージンは少なくとも1,100となる。既知のアレルゲンに対して、特定されたキシラナーゼとβ-グルカナーゼのアミノ酸配列の類似性が検査された。2つのエンド‐1,4‐β‐グルカナーゼと2つのエンド‐1,4‐β‐キシラナーゼにマッチは見つからなかった。だが、3つ目のエンド‐β‐1,4‐グルカナーゼでは、検索の結果、3つのダニタンパク質配列と一致した。労働環境で呼吸器感作したヒトでの吸入後に、エンド‐1,4‐β‐キシラナーゼ及び β‐グルカナーゼに対する偶発的なアレルギー反応事例が報告されているものの、経口暴露後のキシラナーゼまたはβ-グルカナーゼに対するアレルギー反応は文献に報告されていない。パネルは、食事暴露によるアレルギー感作や誘発反応のリスクは除外できないが、そのようなことが起こる可能性は低いと考えた。提出されたデータに基づき、パネルは、この食品酵素は意図した使用条件で安全上の懸念を生じないと結論した。

 

-香料グループ評価61改訂2(FGE.61Rev2)に関する科学的意見:EFSA がFGE.03Rev2で評価したアセタール類に構造的に関連する、JECFA が(第57回、第63回、第68回会合で)評価した脂肪族アセタール類の考察

Scientific Opinion on Flavouring Group Evaluation 61 Revision 2 (FGE.61Rev2): consideration of aliphatic acetals evaluated by JECFA (57th, 63rd and 68th meetings) structurally related to acetals evaluated by EFSA in FGE.03Rev2

EFSA Journal 2020;18(1):5923  9 January 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5923

EFSAの食品添加物及び香料に関するパネルは、EC規則No 1565/2000に概説されている手順を用いて香料グループ評価61 (FGE.61)に属する12の香料物質を評価するよう求められた。9物質はすでにFGE.61とFGE.61Rev1で検討されている。残りの3物質はFGE.200Rev1で遺伝毒性に関しては明らかにされており、このFGE.61改訂2で検討される。この物質は、構造活性相関、現行の使用による摂取量、毒性学的懸念の閾値(TTC)、代謝と毒性に関する入手可能なデータに関する情報をまとめた段階的アプローチで評価された。12物質のいずれも、「Maximised Survey‐derived Daily Intake」(MSDI)法に基づいて推定された食事摂取量で安全上の懸念を生じない。香料物質の安全性評価に加えて商材の仕様書も検討され、適切だと分かった。9香料物質では、より詳細な暴露評価を必要とするこれらの香料物質を確認し、それにより評価を最終化するための改変型理論的添加最大一日摂取量(mTAMDI)を算出するには、なお使用量が必要とされる。

 

-香料グループ評価71改訂1(FGE.71Rev1)に関する科学的意見:FGE.05Rev3で評価した香料物質に構造的に関連する、JECFAが(第63回、第69回会合で)評価した、脂肪族直鎖、α,β‐不飽和アルコール類、アルデヒド類、カルボン酸及び関連するエステル類の考察

Scientific Opinion on Flavouring Group Evaluation 71 Revision 1 (FGE.71Rev1): consideration of aliphatic, linear, α,β‐unsaturated alcohols, aldehydes, carboxylic acids, and related esters evaluated by JECFA (63rd and 69th meeting) structurally related to flavouring substances evaluated in FGE.05Rev3

EFSA Journal 2020;18(1):5924 9 January 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5924

EFSAの食品添加物と香料に関するパネルは、EC規則No 1565/2000の手続きを用いて香料グループ評価71 (FGE.71)に割り当てられた39香料物質を評価するよう求められた。9物質はすでにFGE.71で検討されている。残りの30物質はFGE.200Rev1で遺伝毒性に関しては明らかにされていて、この改訂で検討される。この物質は、構造活性相関、現行の使用による摂取量、毒性学的懸念の閾値(TTC)、代謝と毒性に関する入手可能なデータに関する情報をまとめた段階的アプローチで評価された。39物質のいずれも、「Maximised Survey‐derived Daily Intake」(MSDI)法に基づいて推定された食事摂取量で安全上の懸念を生じない。香料物質の安全性評価に加えて商材の仕様書も検討され、2物質を除いて適切だと分かった。これらの2物質には立体異性混合物の組成に関するデータが必要とされる。9つの香料物質には通常及び最大使用量を提出する必要がある。2香料物質では、「改変型理論的添加最大一日摂取量」(mTAMDI)推定量がその構造クラスⅠのTTCを超過している。それゆえ、評価を最終化するために、これらの11物質の使用と使用量に関する追加情報を提出する必要がある。

 

[ODS] The Scoop 消費者向けニュースレター -  2019 冬

The Scoop-winter 2019

Winter 2019

https://ods.od.nih.gov/News/The_Scoop_-_Winter_2019.aspx  

スクープは何?ダイエタリーサプリメントに関するQ&A

ビタミンとミネラルの摂取上限 - 知っておくべきこと

多いほど良い、は正しいのか?ビタミンとミネラルに関してはそうではない。身体はこれらの栄養素を、例えば、食べ物の分解、骨やDNAの作成、筋肉の収縮促進及び免疫の維持など多くのことにおいて必要とする。しかし、必要以上に摂取する理由はなく、いくつかの栄養素は大量に摂取すると危険があることがある。

ビタミンやミネラルにはそれぞれ、健康のため摂取すべき1日の推奨量がある。またそれらの多くに、いわゆる「耐容上限摂取量」あるいはULがある。UL以上の摂取は健康問題を引き起こす可能性がある。それ以外のビタミンやミネラルはどの程度服用しても安全なように思えるが、いくつかは特定の状況下に限られたULがある。

以下で、ビタミンやミネラルの推奨量や耐容上限摂取量(ULs)に関する詳細についてのODSのファクトシートを読むことができる。(https://ods.od.nih.gov/factsheets/list-VitaminsMinerals/

どのビタミンやミネラルがどのように分類されるのか?以下に詳細がある:

UL設定のある栄養素: カルシウム、コリン、銅、フッ化物、ヨウ素、鉄、マンガン、モリブデン、ニッケル、リン、セレン、ビタミンB6、ビタミンC、ビタミンD及び亜鉛

医療従事者がもっと多く摂取するよう勧めるのでないならば、健康問題を避けるためにこれらの栄養素は毎日UL以下に維持するべきである。例えば、ビタミンB6を非常に高用量摂取すると深刻な神経損傷を引き起こし、鉄の過剰摂取は命に関わることがある。

これらの栄養素のULには食品、飲料、栄養強化食品(多くの朝食用シリアルを含む)及びダイエタリーサプリメントを含む。しかし、食品と飲料だけでULを超過することはあまりないだろう。

ダイエタリーサプリメントや栄養強化食品摂取に限り、UL設定のある栄養素: 葉酸、マグネシウム、ナイアシン及びビタミンE

これらのビタミンやミネラルは、食品や飲料に天然に含まれているものは、健康問題を引き起こすことはないだろう。しかし、サプリメントや栄養強化食品からULを超えた量を摂取した場合は問題になることがある。

特定の形態に限り、UL設定のある栄養素: ビタミンA

ビタミンAは2つの主要な形態で存在する:動物由来食品(肉、鶏肉、魚及び乳製品)に存在する既成ビタミンA―レチノールやレチニル・パルミテート; とベータカロテン(果物、野菜及びその他の植物食品)。ダイエタリーサプリメントは両方の形態を含むことがある。

大量摂取により妊娠中の先天性欠損症や肝臓障害のような健康問題を引き起こすことがあるので、既成ビタミンAに限りUL設定がある。(前駆体の)ベータカロテンは、大量摂取によりこれらの問題を引き起こすことはないので、ULの設定はない。

UL設定のない栄養素:ビオチン、クロム、パントテン酸、リボフラビン、チアミン、ビタミンB12及びビタミンK

これらの栄養素は大量に摂取しても、安全性の懸念は確認されていない。しかし、医療従事者が勧めるのでないならば、推奨量以上摂取する理由はない。

結論は?

ほとんどのビタミンやミネラルはULとして知られる上限があるので、推奨量とULの間には安全な摂取量の範囲が存在する。ダイエタリーサプリメントや栄養強化食品の表示を見て、含まれるビタミンやミネラルの量を確認すること。サプリメントを倍飲んだり、製品表示にある服用量以上摂取したりしないよう注意すること。そして、もし必要であるなら、どのサプリメントが自分にとって効果的であるか医療従事者と話し合うこと。

推奨量やULに関する詳細についてのビタミンやミネラルのファクトシートを読むこと。(https://ods.od.nih.gov/factsheets/list-VitaminsMinerals/

 

[CFIA]新たな連邦食品安全要件が新鮮な果物と野菜で発効

New federal food safety requirements now in force for fresh fruits or vegetables

January 15, 2020

https://www.canada.ca/en/food-inspection-agency/news/2020/01/new-federal-food-safety-requirements-now-in-force-for-fresh-fruits-or-vegetables.html

本日から、カナダ国民のための食品安全規則が新鮮な果物と野菜を取り扱う事業で発効。

 

[CFIA]可能な限り強力な食品安全システムの構築

Building the strongest food safety system possible

2020-01-15

https://www.inspection.gc.ca/chronicle-360/food-safety/building-the-strongest-food-safety-system-possible/eng/1579046901926/1579046902411

カナダ国民のための食品安全規則2年目において様々な食品部門で新たな要件が始まる。

(あとで)

 

[FSAI] ボトル入り飲料水

Bottled Water

15/1/2020

https://www.fsai.ie/faq/bottled_water.html

ボトル入り飲料水に関する情報の更新。

ナチュラルミネラルウォーター、スプリングウォーター、その他の水、コーデック規格等各種定義や基準の説明

 

[FDA]安全性臨床試験は減量用医薬品Belviq, Belviq XR (ロルカセリン)のがんリスク増加の可能性を示す

Safety clinical trial shows possible increased risk of cancer with weight-loss medicine Belviq, Belviq XR (lorcaserin)

01-14-2020

https://www.fda.gov/drugs/drug-safety-and-availability/safety-clinical-trial-shows-possible-increased-risk-cancer-weight-loss-medicine-belviq-belviq-xr

現時点でがんの原因は不明だが、このリスクを知っておいて欲しい。試験結果の評価を継続し、レビューが終わったら最終結論と助言を報告する

ロルカセリンは2012年にFDAが認可した満腹感を増やし食べる量を減らす医薬品。エーザイ。

(肥満治療薬って難しい)

 

[Codex]Gyanendra Gongalが東南アジアの食品安全のためのWHO地域アドバイザーに任命される

Gyanendra Gongal appointed WHO Regional Adviser for food safety in South-East Asia

15/01/2020

http://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1257652/

ネパール出身。インタビュー

 

[PHE]イングランドの子どもの鉛暴露について更新:2018年の事例

HPR 14(1) 15 January 2020

Update on lead exposure in children in England: 2018 cases

https://www.gov.uk/government/publications/health-protection-report-volume-14-2020/hpr-volume-14-issue-1-news-15-january#update-on-lead-exposure-in-children-in-england-2018-cases

2018年1月1日から12月31日までのサーベイランス事例をまとめた年次報告書を発表。

16才未満で血中鉛濃度が≥0.48μmol/L (≥10μg/dl)の場合PHE健康保護チームによる管理が必要とされ鉛の暴露減の同定と除去が行われる。

2018年は45例が同定された。

・73%はサーベイランスに参加しているラボからの直接報告で、11例は他のルートでPHEに通知された

・検出された症例数は国際集団調査に基づく予想より少ない

・典型的な症例は1-4才、男の子、より貧困地域

重要な知見と助言は以下

・異食や他の手を口に持っていく癖のある子どもが鉛のある環境にいる場合最も暴露リスクが高い

・公衆衛生介入レベル以上の血中鉛濃度事例はPHEに報告するように

Lead exposure in children: surveillance reports

https://www.gov.uk/government/publications/lead-exposure-in-children-surveillance-reports

 

[NASEM]食品と医薬品の安全性を向上させるために、規制機関はリスクに基づいた意思決定を採用すべき、新しい報告書は言う

To Improve Food and Drug Safety, Regulatory Agencies Should Adopt Risk-Based Decision-Making, Says New Report

Jan. 15, 2020

http://www8.nationalacademies.org/onpinews/newsitem.aspx?RecordID=25651&_ga=2.103986307.2099187025.1579140854-345994072.1579140854

NASEMの新しい報告書では、国連持続可能な開発目標の一つである2030年までに国民全てが医療を受けられる、を達成するためには、各国の食品と医薬品の規制システムが全体として強化される必要がある、という。この報告書では質の高い安全な食品と医薬品が世界中で入手できるようにするために世界中の規制機関が採用できる戦略と枠組みを助言し、最も大きなリスクのある分野を同定した。

またこの報告では米国の政府機関、国際開発援助供与者、WHOが食品と医薬品の規制担当者の、特に低から中所得国の、能力を強化するためにできることを助言した。そのような投資は優先順位の高い医薬品やワクチンのWHOの認可と品質管理プロセスの拡大;食品と医薬品の品質の迅速スクリーニングツールの開発;規制機関のパフォーマンスの評価の改善、を優先すべきである。

一つの国の食品や医薬品の問題は、世界中の公衆衛生、社会、経済に影響する可能性がある。安全でない食品は年に40万人以上の人々を殺しその治療と生産性の損失で世界的に1100億ドルのコストになる。サハラ以南のアフリカだけで、質の悪い医薬品は子どもの肺炎での7万人の不必要な死亡とマラリアでの8500-20000人の死亡を毎年引き起こしている。

この報告書は以前の2012年のNAS報告書をベースにしている。その報告の後、世界的に中流が増え疾患と障害の主要因が変わり都市部の人口が増えたことにより規制の風景は相当進化した。こうした変化がより安全な食品と医薬品への消費者の需要を増やし、その帰結として規制担当者の時間とリソースの需要も増えた。

「より強力な国の規制ステムへの投資と、彼らの焦点をどこに置くべきかについてのより良い協力が公衆衛生を改善する」とこの報告書の作成委員会委員長Catherine Wotekiアイオワ州立大学食品科学と人栄養学部教授は言う。「こうした投資は政府、医療システム、食品および医薬品業界にポジティブな波及効果があるだろう」

低から中所得国が直面している最大の課題の一つは質の高い医薬品へのアクセスが限定的であることである(略)

非公式な食品や医薬品の市場が多くあることもまた現在の規制担当者にとって別の大きなリスクとなる。低から中所得国では冷蔵設備のない屋台や売店での販売が食品の約80%を占める。薬局の無い地方などでは非公式な医薬品販売業者がしばしば主流である。規制担当機関は販売業者の認証や許可、消費者教育、規制対象製品の競合増加などを含むリスク削減戦略を検討すべきであると報告書は助言する。

たとえリソースが豊富であっても、どんな規制機関でも食品や医薬品の安全性問題の規模や展望を推定するのは困難である。この報告では開発援助者は、食品や医薬品の偽装や汚染の可能性を検出する安価な迅速スクリーニング技術に投資することを推奨する。

国の規制機関はまたどのタスクを自分で取り扱うか、あるいは国際協調に適してるか、州や地方に任せるべきかを決める必要がある。例えば新規医薬品の認可は自国でレビューすることもできるが近隣諸国と共同あるいは信頼できる他国機関の評価を受け入れることもできる。

この報告ではNIHはFDAと国際開発庁(USAID)と協力してGlobal Centers of Excellence in Regulatory Scienceネットワークを設立することを勧めている。このセンターは低から中所得国の大学や共同体と協力して運営し、地域の製品安全性のニーズを研究したり地域の製造や品質管理を改善する戦略を提供したりする。

また規制機関は彼らのパフォーマンスが他国と比べてどのくらい優れているかを理解することが必須である。開発援助者は各国が規制ベンチマーク評価に参加するインセンティブを与えるべきである

Stronger Food and Drug Regulatory Systems Abroad

January 15, 2020

http://www.nationalacademies.org/hmd/Reports/2020/stronger-food-and-drug-regulatory-systems-abroad.aspx

 

(日本は食品のレギュラトリーサイエンスのリソースが圧倒的に不足。リスクに基づいた決定をしようにもエビデンスを得る手段が貧弱。大学の専門科はなく欧州から獣医が足りないと言われ国際会議に学位を持った人が出ない。インチキ健康食品の研究者だけたくさんいる)

 

論文

-オンラインのプロバイオティクスの健康上の利益についての主張に注意

Be wary of online probiotic health-benefit claims

15-JAN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-01/f-bwo010820.php

プロバイオティクスについての情報を提供するほとんどのウェブサイトは信頼できず、病気に効果があるという主張の根拠はしばしばマウス実験

Frontiers in Medicineに発表されたBrighton and Sussex医科大学の Pietro Ghezzi教授らの報告

Online Information on Probiotics: Does It Match Scientific Evidence?

https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fmed.2019.00296/full

 

-欧州の年間の膀胱がんの5%と飲料水中の化合物暴露が関連

Exposure to chemicals in drinking water associated with 5% of annual bladder cancer burden in Europe

15-JAN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-01/bifg-etc011320.php

バルセロナグローバルヘルス研究所(ISGlobal)がEnvironmental Health Perspectivesに発表した飲料水中トリハロメタンに関する研究。水道水のデータをアンケートと文献調査などで集め(実測していない)、各国の膀胱がんデータから推定した

(推定に推定を重ねたもの)

 

その他

-フランスの葡萄園は新しい農薬フリーゾーンのために土地を失うことを恐れる

French vineyards fear losing land to new pesticide-free zones

2020年1月9日

https://www.euractiv.com/section/agriculture-food/news/french-vineyards-fear-losing-land-to-new-pesticide-free-zones/

2020年1月1日からフランスで導入されている農薬フリーゾーンが耕作地を失う葡萄園を怒らせ、一方市民はまだ不十分だと考えている

農薬フリーゾーンあるいは非処理地帯は、植物保護製品の有害影響から人々を守る解決法として出てきたが現実に実施すると農家も住民も満足していないようだ。

住宅の近くで農薬を散布することを禁止する、農薬フリーゾーンは農地と家の間の安全地帯を定義する。2019年秋にパブリックコメントを行い12月29日に指令が発せられ、背の低い野菜や穀物などは5m、果物やブドウなどは10mとされた。このような規制を持っている国は欧州でも僅かで、農業大臣は「進歩」だという。

しかし一部の環境活動家たちの要求する150mとはかけ離れている。また農家もそれにより使えなくなる農地の分の補償はない。全ての農薬が対象なので有機農業で使っている銅も同じ。農薬フリーゾーンで使える唯一の例外はバイオコントロールのみでそれは十分ではない。

(有機農業推進のために農薬を必要以上に悪者だと宣伝した結果、有機農業で使っている農薬もダメって言われるのはむしろ当然なのでは。農業自体が悪とみなされている)

 

-豊かな人々は貧しい人々より約10年長く健康でいる

Rich people are staying healthy for almost a decade longer than poor people

By Rob Picheta, CNN January 15, 2020

https://edition.cnn.com/2020/01/15/health/life-quality-wealth-nine-years-difference-scli-intl-wellness/index.html

研究者らは英国と米国の50才以上の25000人以上のデータを解析し、寝たきりや料理ができないなどの加齢に関連する障害なくどれだけ長生きできるかを予想する最大の社会経済要因は富であることを発見した。豊かな人は約10年健康を享受する

 

-農学のAIDSモーメント

Agronomy’s AIDS Moment

Posted by RISKMONGER on JANUARY 16, 2020

https://risk-monger.com/2020/01/16/agronomys-aids-moment/

2020年1月16日にNorthamptonshireで開催された英国独立作物コンサルタント協会年次技術会合での話のノート。残念ながら実際のスピーチの方が面白いよ!

George MonbiotのApocalypse Cow(肉を食べることがどんなに悪いことかを示すドキュメンタリー)を見て、私はこれが農業技術コミュニティーにとって重要なターニングポイントであったと認識した。Monbiotは現代の(産業的)農業を人間と自然が直面する大いなる邪悪として描く。もし地球が生き残りたかったら、今後20年以内に止めなければならない。

Guardianの活動家でコラムニストのMonbiotは英国の放送時間の30分を使って農家を毒を加えるもの、自然の敵、そして生物多様性と低炭素の未来のためには最大の障害として描く。彼は偽善者で(完全菜食主義だが子鹿を撃って食べる)Extinction Rebellion(環境団体)の死のカルトのメッセージ:我々は全ての農業をやめて英国の田舎の自然が自己回復するのに任せる必要がある に忠実な視野狭窄である。

彼によると我々は肉だけではなくチーズ、卵、バターも諦める必要がある。農業が自然と気候と生物多様性を破壊したのだから、止めるべきは農業である、完全に。

何故農業を攻撃するのか?

多くの人が自分で育てることをしなくなり、食糧危機を経験したことがなく、農業団体のロビー活動が貧弱だったために農家の意見は届いていない。

AIDS:予防原則が十分でない場合

Risk-MongerはAIDS世代(AIDSが社会的危機だった時代を経験)である。AIDSの予防的対策(セックスをしない)は意味が無く製薬会社が封じ込めの手段を見つけた。完治方法は見つかっていないが科学技術により生活を続けることができハルマゲドンは回避された。

現在の農学の危機はそのAIDSの時代と似ている。地球を救うために肉や卵や乳製品を諦めることなく農業技術によって問題を解決できることを示す必要がある

(いろいろ略。欧米の活動家たちは自分たちが大量に肉食べていながら、消費量の少ない他国に対してもう食べるなってよく言えるよな、とは思う)