2020-01-16

[EFSA]意見等

-Disporotrichum dimorphosporum DXL株由来食品酵素エンド‐1,4‐β‐キシラナーゼ 及びβ‐グルカナーゼの安全性評価

Safety evaluation of the food enzyme endo‐1,4‐β‐xylanase and β‐glucanase from Disporotrichum dimorphosporum strain DXL

EFSA Journal 2020;18(1):5975  10 January 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5975

キシラナーゼ(4‐β‐d‐キシランキシラノヒドロラーゼ, EC 3.2.1.8)とβ‐1,4 結合に対するグルカナーゼ活性を持つこの食品酵素は、DSM Food Specialities B.V.社が非遺伝子組換え菌Disporotrichum dimorphosporum DXL株で生産した。この食品酵素は醸造工程での使用を意図している。最大使用量とEFSAの包括的欧州食品データベースの個別データに基づき、この食品酵素への食事暴露―総固形有機物量(TOS)は最大0.167 mg TOS/kg 体重 (bw) /日と推定された。遺伝毒性試験は安全上の懸念を生じなかった。全身毒性はラットの90日間反復経口投与毒性試験で評価された。パネルは、無毒性量(NOAEL)を最大量の199 mg TOS/kg bw /日と確認し、推定した食事暴露と比較すると暴露マージンは少なくとも1,100となる。既知のアレルゲンに対して、特定されたキシラナーゼとβ-グルカナーゼのアミノ酸配列の類似性が検査された。2つのエンド‐1,4‐β‐グルカナーゼと2つのエンド‐1,4‐β‐キシラナーゼにマッチは見つからなかった。だが、3つ目のエンド‐β‐1,4‐グルカナーゼでは、検索の結果、3つのダニタンパク質配列と一致した。労働環境で呼吸器感作したヒトでの吸入後に、エンド‐1,4‐β‐キシラナーゼ及び β‐グルカナーゼに対する偶発的なアレルギー反応事例が報告されているものの、経口暴露後のキシラナーゼまたはβ-グルカナーゼに対するアレルギー反応は文献に報告されていない。パネルは、食事暴露によるアレルギー感作や誘発反応のリスクは除外できないが、そのようなことが起こる可能性は低いと考えた。提出されたデータに基づき、パネルは、この食品酵素は意図した使用条件で安全上の懸念を生じないと結論した。

 

-香料グループ評価61改訂2(FGE.61Rev2)に関する科学的意見:EFSA がFGE.03Rev2で評価したアセタール類に構造的に関連する、JECFA が(第57回、第63回、第68回会合で)評価した脂肪族アセタール類の考察

Scientific Opinion on Flavouring Group Evaluation 61 Revision 2 (FGE.61Rev2): consideration of aliphatic acetals evaluated by JECFA (57th, 63rd and 68th meetings) structurally related to acetals evaluated by EFSA in FGE.03Rev2

EFSA Journal 2020;18(1):5923  9 January 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5923

EFSAの食品添加物及び香料に関するパネルは、EC規則No 1565/2000に概説されている手順を用いて香料グループ評価61 (FGE.61)に属する12の香料物質を評価するよう求められた。9物質はすでにFGE.61とFGE.61Rev1で検討されている。残りの3物質はFGE.200Rev1で遺伝毒性に関しては明らかにされており、このFGE.61改訂2で検討される。この物質は、構造活性相関、現行の使用による摂取量、毒性学的懸念の閾値(TTC)、代謝と毒性に関する入手可能なデータに関する情報をまとめた段階的アプローチで評価された。12物質のいずれも、「Maximised Survey‐derived Daily Intake」(MSDI)法に基づいて推定された食事摂取量で安全上の懸念を生じない。香料物質の安全性評価に加えて商材の仕様書も検討され、適切だと分かった。9香料物質では、より詳細な暴露評価を必要とするこれらの香料物質を確認し、それにより評価を最終化するための改変型理論的添加最大一日摂取量(mTAMDI)を算出するには、なお使用量が必要とされる。

 

-香料グループ評価71改訂1(FGE.71Rev1)に関する科学的意見:FGE.05Rev3で評価した香料物質に構造的に関連する、JECFAが(第63回、第69回会合で)評価した、脂肪族直鎖、α,β‐不飽和アルコール類、アルデヒド類、カルボン酸及び関連するエステル類の考察

Scientific Opinion on Flavouring Group Evaluation 71 Revision 1 (FGE.71Rev1): consideration of aliphatic, linear, α,β‐unsaturated alcohols, aldehydes, carboxylic acids, and related esters evaluated by JECFA (63rd and 69th meeting) structurally related to flavouring substances evaluated in FGE.05Rev3

EFSA Journal 2020;18(1):5924 9 January 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5924

EFSAの食品添加物と香料に関するパネルは、EC規則No 1565/2000の手続きを用いて香料グループ評価71 (FGE.71)に割り当てられた39香料物質を評価するよう求められた。9物質はすでにFGE.71で検討されている。残りの30物質はFGE.200Rev1で遺伝毒性に関しては明らかにされていて、この改訂で検討される。この物質は、構造活性相関、現行の使用による摂取量、毒性学的懸念の閾値(TTC)、代謝と毒性に関する入手可能なデータに関する情報をまとめた段階的アプローチで評価された。39物質のいずれも、「Maximised Survey‐derived Daily Intake」(MSDI)法に基づいて推定された食事摂取量で安全上の懸念を生じない。香料物質の安全性評価に加えて商材の仕様書も検討され、2物質を除いて適切だと分かった。これらの2物質には立体異性混合物の組成に関するデータが必要とされる。9つの香料物質には通常及び最大使用量を提出する必要がある。2香料物質では、「改変型理論的添加最大一日摂取量」(mTAMDI)推定量がその構造クラスⅠのTTCを超過している。それゆえ、評価を最終化するために、これらの11物質の使用と使用量に関する追加情報を提出する必要がある。

 

[ODS] The Scoop 消費者向けニュースレター -  2019 冬

The Scoop-winter 2019

Winter 2019

https://ods.od.nih.gov/News/The_Scoop_-_Winter_2019.aspx  

スクープは何?ダイエタリーサプリメントに関するQ&A

ビタミンとミネラルの摂取上限 - 知っておくべきこと

多いほど良い、は正しいのか?ビタミンとミネラルに関してはそうではない。身体はこれらの栄養素を、例えば、食べ物の分解、骨やDNAの作成、筋肉の収縮促進及び免疫の維持など多くのことにおいて必要とする。しかし、必要以上に摂取する理由はなく、いくつかの栄養素は大量に摂取すると危険があることがある。

ビタミンやミネラルにはそれぞれ、健康のため摂取すべき1日の推奨量がある。またそれらの多くに、いわゆる「耐容上限摂取量」あるいはULがある。UL以上の摂取は健康問題を引き起こす可能性がある。それ以外のビタミンやミネラルはどの程度服用しても安全なように思えるが、いくつかは特定の状況下に限られたULがある。

以下で、ビタミンやミネラルの推奨量や耐容上限摂取量(ULs)に関する詳細についてのODSのファクトシートを読むことができる。(https://ods.od.nih.gov/factsheets/list-VitaminsMinerals/

どのビタミンやミネラルがどのように分類されるのか?以下に詳細がある:

UL設定のある栄養素: カルシウム、コリン、銅、フッ化物、ヨウ素、鉄、マンガン、モリブデン、ニッケル、リン、セレン、ビタミンB6、ビタミンC、ビタミンD及び亜鉛

医療従事者がもっと多く摂取するよう勧めるのでないならば、健康問題を避けるためにこれらの栄養素は毎日UL以下に維持するべきである。例えば、ビタミンB6を非常に高用量摂取すると深刻な神経損傷を引き起こし、鉄の過剰摂取は命に関わることがある。

これらの栄養素のULには食品、飲料、栄養強化食品(多くの朝食用シリアルを含む)及びダイエタリーサプリメントを含む。しかし、食品と飲料だけでULを超過することはあまりないだろう。

ダイエタリーサプリメントや栄養強化食品摂取に限り、UL設定のある栄養素: 葉酸、マグネシウム、ナイアシン及びビタミンE

これらのビタミンやミネラルは、食品や飲料に天然に含まれているものは、健康問題を引き起こすことはないだろう。しかし、サプリメントや栄養強化食品からULを超えた量を摂取した場合は問題になることがある。

特定の形態に限り、UL設定のある栄養素: ビタミンA

ビタミンAは2つの主要な形態で存在する:動物由来食品(肉、鶏肉、魚及び乳製品)に存在する既成ビタミンA―レチノールやレチニル・パルミテート; とベータカロテン(果物、野菜及びその他の植物食品)。ダイエタリーサプリメントは両方の形態を含むことがある。

大量摂取により妊娠中の先天性欠損症や肝臓障害のような健康問題を引き起こすことがあるので、既成ビタミンAに限りUL設定がある。(前駆体の)ベータカロテンは、大量摂取によりこれらの問題を引き起こすことはないので、ULの設定はない。

UL設定のない栄養素:ビオチン、クロム、パントテン酸、リボフラビン、チアミン、ビタミンB12及びビタミンK

これらの栄養素は大量に摂取しても、安全性の懸念は確認されていない。しかし、医療従事者が勧めるのでないならば、推奨量以上摂取する理由はない。

結論は?

ほとんどのビタミンやミネラルはULとして知られる上限があるので、推奨量とULの間には安全な摂取量の範囲が存在する。ダイエタリーサプリメントや栄養強化食品の表示を見て、含まれるビタミンやミネラルの量を確認すること。サプリメントを倍飲んだり、製品表示にある服用量以上摂取したりしないよう注意すること。そして、もし必要であるなら、どのサプリメントが自分にとって効果的であるか医療従事者と話し合うこと。

推奨量やULに関する詳細についてのビタミンやミネラルのファクトシートを読むこと。(https://ods.od.nih.gov/factsheets/list-VitaminsMinerals/

 

[CFIA]新たな連邦食品安全要件が新鮮な果物と野菜で発効

New federal food safety requirements now in force for fresh fruits or vegetables

January 15, 2020

https://www.canada.ca/en/food-inspection-agency/news/2020/01/new-federal-food-safety-requirements-now-in-force-for-fresh-fruits-or-vegetables.html

本日から、カナダ国民のための食品安全規則が新鮮な果物と野菜を取り扱う事業で発効。

 

[CFIA]可能な限り強力な食品安全システムの構築

Building the strongest food safety system possible

2020-01-15

https://www.inspection.gc.ca/chronicle-360/food-safety/building-the-strongest-food-safety-system-possible/eng/1579046901926/1579046902411

カナダ国民のための食品安全規則2年目において様々な食品部門で新たな要件が始まる。

(あとで)

 

[FSAI] ボトル入り飲料水

Bottled Water

15/1/2020

https://www.fsai.ie/faq/bottled_water.html

ボトル入り飲料水に関する情報の更新。

ナチュラルミネラルウォーター、スプリングウォーター、その他の水、コーデック規格等各種定義や基準の説明

 

[FDA]安全性臨床試験は減量用医薬品Belviq, Belviq XR (ロルカセリン)のがんリスク増加の可能性を示す

Safety clinical trial shows possible increased risk of cancer with weight-loss medicine Belviq, Belviq XR (lorcaserin)

01-14-2020

https://www.fda.gov/drugs/drug-safety-and-availability/safety-clinical-trial-shows-possible-increased-risk-cancer-weight-loss-medicine-belviq-belviq-xr

現時点でがんの原因は不明だが、このリスクを知っておいて欲しい。試験結果の評価を継続し、レビューが終わったら最終結論と助言を報告する

ロルカセリンは2012年にFDAが認可した満腹感を増やし食べる量を減らす医薬品。エーザイ。

(肥満治療薬って難しい)

 

[Codex]Gyanendra Gongalが東南アジアの食品安全のためのWHO地域アドバイザーに任命される

Gyanendra Gongal appointed WHO Regional Adviser for food safety in South-East Asia

15/01/2020

http://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1257652/

ネパール出身。インタビュー

 

[PHE]イングランドの子どもの鉛暴露について更新:2018年の事例

HPR 14(1) 15 January 2020

Update on lead exposure in children in England: 2018 cases

https://www.gov.uk/government/publications/health-protection-report-volume-14-2020/hpr-volume-14-issue-1-news-15-january#update-on-lead-exposure-in-children-in-england-2018-cases

2018年1月1日から12月31日までのサーベイランス事例をまとめた年次報告書を発表。

16才未満で血中鉛濃度が≥0.48μmol/L (≥10μg/dl)の場合PHE健康保護チームによる管理が必要とされ鉛の暴露減の同定と除去が行われる。

2018年は45例が同定された。

・73%はサーベイランスに参加しているラボからの直接報告で、11例は他のルートでPHEに通知された

・検出された症例数は国際集団調査に基づく予想より少ない

・典型的な症例は1-4才、男の子、より貧困地域

重要な知見と助言は以下

・異食や他の手を口に持っていく癖のある子どもが鉛のある環境にいる場合最も暴露リスクが高い

・公衆衛生介入レベル以上の血中鉛濃度事例はPHEに報告するように

Lead exposure in children: surveillance reports

https://www.gov.uk/government/publications/lead-exposure-in-children-surveillance-reports

 

[NASEM]食品と医薬品の安全性を向上させるために、規制機関はリスクに基づいた意思決定を採用すべき、新しい報告書は言う

To Improve Food and Drug Safety, Regulatory Agencies Should Adopt Risk-Based Decision-Making, Says New Report

Jan. 15, 2020

http://www8.nationalacademies.org/onpinews/newsitem.aspx?RecordID=25651&_ga=2.103986307.2099187025.1579140854-345994072.1579140854

NASEMの新しい報告書では、国連持続可能な開発目標の一つである2030年までに国民全てが医療を受けられる、を達成するためには、各国の食品と医薬品の規制システムが全体として強化される必要がある、という。この報告書では質の高い安全な食品と医薬品が世界中で入手できるようにするために世界中の規制機関が採用できる戦略と枠組みを助言し、最も大きなリスクのある分野を同定した。

またこの報告では米国の政府機関、国際開発援助供与者、WHOが食品と医薬品の規制担当者の、特に低から中所得国の、能力を強化するためにできることを助言した。そのような投資は優先順位の高い医薬品やワクチンのWHOの認可と品質管理プロセスの拡大;食品と医薬品の品質の迅速スクリーニングツールの開発;規制機関のパフォーマンスの評価の改善、を優先すべきである。

一つの国の食品や医薬品の問題は、世界中の公衆衛生、社会、経済に影響する可能性がある。安全でない食品は年に40万人以上の人々を殺しその治療と生産性の損失で世界的に1100億ドルのコストになる。サハラ以南のアフリカだけで、質の悪い医薬品は子どもの肺炎での7万人の不必要な死亡とマラリアでの8500-20000人の死亡を毎年引き起こしている。

この報告書は以前の2012年のNAS報告書をベースにしている。その報告の後、世界的に中流が増え疾患と障害の主要因が変わり都市部の人口が増えたことにより規制の風景は相当進化した。こうした変化がより安全な食品と医薬品への消費者の需要を増やし、その帰結として規制担当者の時間とリソースの需要も増えた。

「より強力な国の規制ステムへの投資と、彼らの焦点をどこに置くべきかについてのより良い協力が公衆衛生を改善する」とこの報告書の作成委員会委員長Catherine Wotekiアイオワ州立大学食品科学と人栄養学部教授は言う。「こうした投資は政府、医療システム、食品および医薬品業界にポジティブな波及効果があるだろう」

低から中所得国が直面している最大の課題の一つは質の高い医薬品へのアクセスが限定的であることである(略)

非公式な食品や医薬品の市場が多くあることもまた現在の規制担当者にとって別の大きなリスクとなる。低から中所得国では冷蔵設備のない屋台や売店での販売が食品の約80%を占める。薬局の無い地方などでは非公式な医薬品販売業者がしばしば主流である。規制担当機関は販売業者の認証や許可、消費者教育、規制対象製品の競合増加などを含むリスク削減戦略を検討すべきであると報告書は助言する。

たとえリソースが豊富であっても、どんな規制機関でも食品や医薬品の安全性問題の規模や展望を推定するのは困難である。この報告では開発援助者は、食品や医薬品の偽装や汚染の可能性を検出する安価な迅速スクリーニング技術に投資することを推奨する。

国の規制機関はまたどのタスクを自分で取り扱うか、あるいは国際協調に適してるか、州や地方に任せるべきかを決める必要がある。例えば新規医薬品の認可は自国でレビューすることもできるが近隣諸国と共同あるいは信頼できる他国機関の評価を受け入れることもできる。

この報告ではNIHはFDAと国際開発庁(USAID)と協力してGlobal Centers of Excellence in Regulatory Scienceネットワークを設立することを勧めている。このセンターは低から中所得国の大学や共同体と協力して運営し、地域の製品安全性のニーズを研究したり地域の製造や品質管理を改善する戦略を提供したりする。

また規制機関は彼らのパフォーマンスが他国と比べてどのくらい優れているかを理解することが必須である。開発援助者は各国が規制ベンチマーク評価に参加するインセンティブを与えるべきである

Stronger Food and Drug Regulatory Systems Abroad

January 15, 2020

http://www.nationalacademies.org/hmd/Reports/2020/stronger-food-and-drug-regulatory-systems-abroad.aspx

 

(日本は食品のレギュラトリーサイエンスのリソースが圧倒的に不足。リスクに基づいた決定をしようにもエビデンスを得る手段が貧弱。大学の専門科はなく欧州から獣医が足りないと言われ国際会議に学位を持った人が出ない。インチキ健康食品の研究者だけたくさんいる)

 

論文

-オンラインのプロバイオティクスの健康上の利益についての主張に注意

Be wary of online probiotic health-benefit claims

15-JAN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-01/f-bwo010820.php

プロバイオティクスについての情報を提供するほとんどのウェブサイトは信頼できず、病気に効果があるという主張の根拠はしばしばマウス実験

Frontiers in Medicineに発表されたBrighton and Sussex医科大学の Pietro Ghezzi教授らの報告

Online Information on Probiotics: Does It Match Scientific Evidence?

https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fmed.2019.00296/full

 

-欧州の年間の膀胱がんの5%と飲料水中の化合物暴露が関連

Exposure to chemicals in drinking water associated with 5% of annual bladder cancer burden in Europe

15-JAN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-01/bifg-etc011320.php

バルセロナグローバルヘルス研究所(ISGlobal)がEnvironmental Health Perspectivesに発表した飲料水中トリハロメタンに関する研究。水道水のデータをアンケートと文献調査などで集め(実測していない)、各国の膀胱がんデータから推定した

(推定に推定を重ねたもの)

 

その他

-フランスの葡萄園は新しい農薬フリーゾーンのために土地を失うことを恐れる

French vineyards fear losing land to new pesticide-free zones

2020年1月9日

https://www.euractiv.com/section/agriculture-food/news/french-vineyards-fear-losing-land-to-new-pesticide-free-zones/

2020年1月1日からフランスで導入されている農薬フリーゾーンが耕作地を失う葡萄園を怒らせ、一方市民はまだ不十分だと考えている

農薬フリーゾーンあるいは非処理地帯は、植物保護製品の有害影響から人々を守る解決法として出てきたが現実に実施すると農家も住民も満足していないようだ。

住宅の近くで農薬を散布することを禁止する、農薬フリーゾーンは農地と家の間の安全地帯を定義する。2019年秋にパブリックコメントを行い12月29日に指令が発せられ、背の低い野菜や穀物などは5m、果物やブドウなどは10mとされた。このような規制を持っている国は欧州でも僅かで、農業大臣は「進歩」だという。

しかし一部の環境活動家たちの要求する150mとはかけ離れている。また農家もそれにより使えなくなる農地の分の補償はない。全ての農薬が対象なので有機農業で使っている銅も同じ。農薬フリーゾーンで使える唯一の例外はバイオコントロールのみでそれは十分ではない。

(有機農業推進のために農薬を必要以上に悪者だと宣伝した結果、有機農業で使っている農薬もダメって言われるのはむしろ当然なのでは。農業自体が悪とみなされている)

 

-豊かな人々は貧しい人々より約10年長く健康でいる

Rich people are staying healthy for almost a decade longer than poor people

By Rob Picheta, CNN January 15, 2020

https://edition.cnn.com/2020/01/15/health/life-quality-wealth-nine-years-difference-scli-intl-wellness/index.html

研究者らは英国と米国の50才以上の25000人以上のデータを解析し、寝たきりや料理ができないなどの加齢に関連する障害なくどれだけ長生きできるかを予想する最大の社会経済要因は富であることを発見した。豊かな人は約10年健康を享受する

 

-農学のAIDSモーメント

Agronomy’s AIDS Moment

Posted by RISKMONGER on JANUARY 16, 2020

https://risk-monger.com/2020/01/16/agronomys-aids-moment/

2020年1月16日にNorthamptonshireで開催された英国独立作物コンサルタント協会年次技術会合での話のノート。残念ながら実際のスピーチの方が面白いよ!

George MonbiotのApocalypse Cow(肉を食べることがどんなに悪いことかを示すドキュメンタリー)を見て、私はこれが農業技術コミュニティーにとって重要なターニングポイントであったと認識した。Monbiotは現代の(産業的)農業を人間と自然が直面する大いなる邪悪として描く。もし地球が生き残りたかったら、今後20年以内に止めなければならない。

Guardianの活動家でコラムニストのMonbiotは英国の放送時間の30分を使って農家を毒を加えるもの、自然の敵、そして生物多様性と低炭素の未来のためには最大の障害として描く。彼は偽善者で(完全菜食主義だが子鹿を撃って食べる)Extinction Rebellion(環境団体)の死のカルトのメッセージ:我々は全ての農業をやめて英国の田舎の自然が自己回復するのに任せる必要がある に忠実な視野狭窄である。

彼によると我々は肉だけではなくチーズ、卵、バターも諦める必要がある。農業が自然と気候と生物多様性を破壊したのだから、止めるべきは農業である、完全に。

何故農業を攻撃するのか?

多くの人が自分で育てることをしなくなり、食糧危機を経験したことがなく、農業団体のロビー活動が貧弱だったために農家の意見は届いていない。

AIDS:予防原則が十分でない場合

Risk-MongerはAIDS世代(AIDSが社会的危機だった時代を経験)である。AIDSの予防的対策(セックスをしない)は意味が無く製薬会社が封じ込めの手段を見つけた。完治方法は見つかっていないが科学技術により生活を続けることができハルマゲドンは回避された。

現在の農学の危機はそのAIDSの時代と似ている。地球を救うために肉や卵や乳製品を諦めることなく農業技術によって問題を解決できることを示す必要がある

(いろいろ略。欧米の活動家たちは自分たちが大量に肉食べていながら、消費量の少ない他国に対してもう食べるなってよく言えるよな、とは思う)