2020-06-23

[BfR]食品中のフランに関するQ&A

Questions and answers on furan in food

Updated BfR FAQ of 28 May 2020

https://www.bfr.bund.de/en/questions_and_answers_on_furan_in_food-128365.html

フランは食品を加熱する際に形成される可能性のある揮発性化合物である。特に高濃度のフランは、密閉容器内で高温にさらされるコーヒーやインスタント食品など焙煎食品に含まれている。

ラットとマウスの試験では、高用量のフランががんを誘発している。動物実験で実際にフランがどのようにがんの原因となっているかはまだ決定的に解明されていない。更に、ラットの試験からフランの長期摂取は肝傷害の原因となる可能性があると示されている。

そのため、食習慣から多量のフランを定期的に摂取する特定の消費者グループはリスクにさらされている可能性がある。これは特に、そのまま喫食可能なベビーフードを定期的に摂取することで比較的高濃度のフランに暴露している可能性のある乳児に当てはまる。

消費者は食習慣を通じて食品由来のフランの摂取量を変えることができる。さらに、適度な状態で調理することで食品調理中のフランの形成を大幅に最小化できる(「焦がさないで、きつね色にしよう」)。撹拌すると食品由来の揮発性フランの気化は促進される。

フランとは?

フランは食品を加熱する際に生じる可能性のある揮発性の高い物質である。このためフランは「熱による汚染物質(heat-induced contaminant)」とも呼ばれる。

フランは食品中にどのように生じる?

フランがどのように食品中に生じるかについては、食品の成分組成により異なる可能性があり、いくつかの可能性が考えられている。加熱の工程が関連するすべての形成経路の基になる。

特に、炭水化物(グルコース、フルクトース、ラクトースなど)、アミノ酸(セリン、システインなど)、アスコルビン酸とその誘導体、多価不飽和脂肪酸の熱分解や、加熱過程中のカロテノイドの熱酸化がフランを形成する可能性があると、様々な研究が示している。

どの食品に特に高濃度のフランが含まれている?

フランは様々な食品に検出されている。特に高濃度のフランは焙煎した食品 (コーヒー、ココア、ナッツ、トーストしたパン、ポップコーンなど)あるいは密閉容器で加熱された食品(缶詰、調理済み食品、ベビーフードなど) に含まれている。

フラン摂取に特に寄与している食品は?

乳幼児は主にインスタント食品からフランに暴露している。穀物やシリアル製品(朝食用シリアルなど)は子供や青年によるフランの摂取に最大に寄与している。コーヒー摂取は成人のフラン摂取の主な原因と考えられている。

食品中のフランの発生は新しい現象?

食品中のフランの発生は新しい現象ではない。フランは食品の調理中に生じるが、多くは数十年も使用されている保存食品の加熱過程にも生じる。

フランはなぜ懸念の原因となるのか?

ラットとマウスの長期試験で、高用量のフランががんを誘発している。更にラットの試験で、フランの長期摂取は肝臓に損傷を与える可能性があることが示されている。

そもそもフランが動物実験でどのようにしてがんの原因になり、肝臓に損傷を与えるかは、まだ決定的に解明されていない。入手可能なデータを基にして、酸化ストレス、間接的な発がんメカニズム(エピジェネティック変化、酸化的DNA傷害)などの様々な作用メカニズムだけでなく、直接遺伝毒性発がん性メカニズム(DNAと反応の早いフラン代謝物cis-2-butene-1,4-dial (BDA)との付加体生成)が議論されている。

現在、ヒトのフランの影響に関する信頼できる情報がない。だが、フランの長期摂取がヒトのがんの発症につながる可能性もある。

フランが引き起こす健康リスクとは?

欧州食品安全機関(EFSA)は2017年に食品中のフランが引き起こす健康リスクの包括的評価を発表した。入手可能なデータを基にして、EFSAは、フランの発がん性の影響として、遺伝毒性の作用メカニズム (フラン代謝物cis2-butene-1,4-dial (BDA)とDNAの反応による付加体形成) を排除できなかった。現在の知見では、十分確実に健康リスクが増加しないと仮定できる値以下の遺伝毒性発がん性物質の閾値を導出することはできない。そのため、EFSAはフランに耐容一日摂取量(TDI)を設定していない。

最終的にEFSAは、食習慣により大量のフランに定期的に暴露している特定の消費者グループには健康リスクがありうると結論した。

フランはベビーフードにも検出されている。赤ちゃんは特にフランのリスクがある?

ベビーフードのフラン濃度が比較的高いため、乳児は他の年齢グループよりも体重kg当たり平均してより高い濃度に暴露している。乳幼児期に高濃度のフランを一時摂取することが実際に特定の健康リスクを引き起こすかどうかは、現時点では入手可能な情報に基づいて確実に評価できない。だが、乳児は一般に特に感受性の高い人口集団で、そのためベビーフードのフラン量は予防策として削減した方が良い。

フランはどのようにして削減できる?

消費者は食習慣を通じてフランの摂取に影響を与えることができ、また食品の調理中にフランの形成を大幅に最小化することもできる。

・一般的に、食品に関する潜在的な健康リスクは、様々な食品を選ぶという一般的な助言に従うことで削減できる。そうすることで、時々食品中に生じることが予想される潜在的に有害な様々な物質への偏った暴露を予防することが出来る。これに関して、特に多量のフランを含む食品に特別な注意が払う必要がある。

・乳幼児は主にそのまま喫食可能なベビーフードからフランに暴露している。穀物とシリアル製品(朝食用シリアルなど)は子供と青年のフランの摂取に最大の貢献している。成人ではコーヒーの摂取がフランへの最も重要な暴露源である。

・食品を炒ったり焦げ目をつける際に、褐色の色合いが増すとフラン濃度はかなり上がる。そのため、ここでの助言は「焦がさないで、きつね色にしよう」である。

・フランは揮発性物質なので、加熱中に食品を撹拌し、その後もふたを開けた容器に入れることで濃度を低減化できる。このような条件で、揮発性のフランはよりよく気化する。

・これらの食品は調理中に加熱しすぎなければ、新鮮な食材から調理された食品にはごく少量のフランしか存在しない。これはベビーフードにも当てはまる。

 

[EFSA]フルピラジフロン及びDFAの輸入トレランス設定、既存MRLs改訂および条項12 MRLレビューを受けた確証データの評価

Setting of import tolerances, modification of existing maximum residue levels and evaluation of confirmatory data following the Article 12 MRL review for flupyradifurone and DFA

EFSA Journal 2020;18(6):6133  19 June 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6133

EC規則No 396/2005の条項6に従って、申請者Bayer CropScience AG社 と Bayer SAS社は、様々な作物の有効成分フルピラジフロンとその代謝物質ジフルオロ酢酸(DFA)の輸入トレランスを設定し、既存のEU最大残留基準(MRLs)を改訂するために、オランダの国立管轄機関に2件の要請を提出した。この申請には、EC規則No 1107/2009のフルピラジフロンのピアレビューの枠組みで入手できないと確認された残留物に関する確証データを評価するための要請も含まれている。意図した、認可した使用を支持する提出されたデータは、ウチワサボテンとホップ以外の検討中のすべての作物のフルピラジフロンとDFAのMRL提案を導出するのに十分なことが分かったが、グレープフルーツ、ザクロ果実、ブドウの葉、チコリには、適切なMRLを決定するために更なるリスク管理議論が推奨されている。更に、EFSAは輪作で栽培できる作物のDFA残留物を処理するための様々な選択肢を検討するためにリスク管理の議論を推奨した。算出された家畜の給餌負荷から、動物性品目中のフルピラジフロンとDFAの既存のEUのMRLsを改訂する必要があることが示された。植物と動物マトリクスのフルピラジフロンとそのDFAの残留物を管理する執行のための適切な分析法が入手可能である。提出されたデータはEU農薬ピアレビューの枠組みで確認された残留物に関するデータの不足に対処するのに十分だと考えられ、そのため、EU規則2016/1902のDFAとフルピラジフロンのMRLsに設定された脚注は削除された。消費者暴露評価に基づき、急性消費者暴露の懸念はトマト、メロン、セロリ、加工したキクヂシャには除外できなかった。そのため、これらの作物のフルピラジフロンの既存のMRLsを上げることは推奨されない。これらの4つの作物には、フルピラジフロンの以前の使用から生じる土壌からの残留物の取り込みを反映して、DFAのMRL提案が導出された。EFSAは残りの植物由来および動物由来の品目について、フルピラジフロンの意図されたEUの使用と米国やカナダで認可された使用、並びに結果として生じるDFAの残留は、毒性学的参照値を超える慢性や急性の消費者暴露とはならず、そのため消費者の健康リスクを起こしそうもないと結論した。

 

[EU]RASFF Week25-2020

警報通知(Alert Notifications)

中国産セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)抽出物の多環芳香族炭化水素(PAH4の合計: 250 µg/kg)、フランス産生きたザルガイ(Donax Trunculus)の下痢性貝毒(DSP) (オカダ酸=501 µg/kg)、中国産トウガラシのオクラトキシンA (39 µg/kg)、中国産裏ごしスプーンからの一級芳香族アミンの溶出(>0.64 mg/kg)、ベトナム産オランダ経由冷凍真空パックキハダマグロロイン(Thunnus albacares)のヒスタミンによる食品由来アウトブレイク(410; >1600 mg/kg)、スウェーデン産食品サプリメントからのビタミンB6の高摂取量(50 mg/日)、チェコ共和国産ミューズリーのオクラトキシンA (7 µg/kg)、パキスタン産デンマークで包装した有機玄米のアフラトキシン(B1 = 20.6 µg/kg)、

注意喚起情報(information for attention)

スペイン産チルドアンチョビ(Engraulis encrasicolus)のヒスタミン(最大 196 mg/kg)、ウクライナ産ホエイパウダーの禁止物質クロラムフェニコール(0.22 µg/kg)、エクアドル産バナナのイマザリル( 0.694 mg/kg)、トルコ産ペッパーのブプロフェジン(0.223 mg/kg)、スペイン産チルドメカジキロイン(Xiphias gladius)の水銀(2.26 mg/kg)、ベトナム産キャラメルの摂取による窒息リスク及び未承認カラギーナン(E407)未承認、ポーランド産チルド家禽肉のドキシサイクリン(142.72 µg/kg)、ベトナム産ミニゼリーカップの摂取による窒息リスク及び未承認のカラギーナン(E407)・寒天(E406)・コンニャク(E425)・グアーガム(E412)・キサンタンガム(E415)及びジェランガム(E418)未承認、

フォローアップ用情報(information for follow-up)

ウクライナ産飼料用乾燥不活性酵母の異物混入の疑い(表示されていない尿素: 0.96 %)、ドイツ産飼料用酸化亜鉛のダイオキシン(>1 pg WHO TEQ/g)、ルーマニア産ハンガリー経由食品サプリメントの未承認新規食品成分テアクリン、ポーランド産チョコレートの未承認新規食品成分カンナビジオール(CBD)、

通関拒否通知(Border Rejections)

トルコ産ペッパーのホスチアゼート(0.178 mg/kg)、トルコ産乾燥イチジクのアフラトキシン(B1 = 19.6 / Tot. = 24.1 µg/kg;Tot. = 62 µg/kg)、アルゼンチン産ピーナッツのアフラトキシン(B1 = 7.9 / Tot. = 9.2 µg/kg)、アルゼンチン産ピーナッツ穀粒のアフラトキシン(Tot. = 4 µg/kg)、ウガンダ産ペッパーのシペルメトリン(1.6 mg/kg)・ラムダ-シハロトリン(1.2 mg/kg)及びクロチアニジン(0.096 mg/kg)、イラン産ピスタチオ穀粒のアフラトキシン(B1 = 27.5; Tot. = 30.3 µg/kg)、インド産チリパウダーのアフラトキシン(B1 = 26.4 µg/kg)、インド産冷凍茹でバナメイエビの禁止物質ニトロフラン(代謝物質)フラゾリドン(AOZ) (AOZ > VR)、トルコ産ペッパーのクロルピリホス(0.144 mg/kg;0.099 mg/kg)、インド産トウガラシのクロロタロニル(0.05 mg/kg)及び未承認物質フィプロニル(0.02 mg/kg)、

 

[EU]査察報告

-管理団体―インドで操業する認可CBが適用するオーガニック製品基準と管理手段

Control Body 2020-7037―Organic production standards and control measures applied by a recognised CB operating in India

20/05/2020

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4283

2020年1月28日~2月6日までインドの管理団体が適用したオーガニック生産基準と管理手段を評価するための査察。全ての管理者は年一回検査を受けており、追加検査とサンプリングのために十分な件数が選ばれている。追加管理のための管理者の選択が不十分、検査中に綿密な検証がされていないといった弱点があるが、大した問題ではない。インドで運営されているこのシステムやウェブベースのトレーサビリティシステムは、管理団体がオーガニックに由来しない輸入製品を認定していないという合理的な保証を与えている。

 

-クロアチア―オーガニック生産と表示

Croatia 2019-6710―Organic production and labelling

20/05/2020

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4284

2019年9月24日~10月3日までクロアチアで実施した、オーガニック生産とオーガニック製品の表示に関する管理を評価するための査察。クロアチアには登録されている全てのオーガニック管理者を含む適切な管理システムがある。管理は、管轄機関に正式に認可、承認、管理されている管理団体に委任されている。だが、州検査官の監視は弱点を検出できず、十分な件数のリスクに基づいた追加検査やサンプルがない。フォローアップや違反事業者への措置は満足のいくものではない。違反検出をすぐに通知するよう求められていない。管理者が保留されることはめったにない。これは管理システムの効果を減らしている。

 

-ドイツ―動物の飼料に昆虫の利用

Germany 2019-6646―Use of insects in animal feed

19/05/2020

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4285

2019年11月11~15日にドイツで実施した、動物用飼料としての昆虫と昆虫由来製品の生産、販売、取引に関する要件の実行を保証するために、動物の副産物(ABP)と飼料に関するEU規則に求められる手段を評価するための査察。昆虫の養殖、取り扱い、加工を行う管理者と飼料用昆虫タンパク質の生産管理者の登録と認可を管理する既存のシステムは、管理者の規則遵守の効果的な検証を可能にしているが、関連する認証生産者には適用されていない。公的管理はリスクに基づき、設定された頻度に従って実行されている。微生物検査のサンプリングやTRACESの昆虫加工動物性タンパク質(PAP)の積荷の到着確認に欠点はあるものの、該当する要件は適切に実行されている。動物副産物(ABP / PAP)に関する問題への助言が含まれていないが、管轄機関はすでに対処するための活動計画を提示している。

 

-ボツワナ―EU輸出用生鮮牛肉

Botswana 2020-6936―Fresh bovine meat intended for export to the European Union

13/05/2020

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4282

2020年1月27~31日に欧州委員会の保健衛生・食の安全総局が実施した査察。EU輸出用生鮮牛肉生産の公的管理と認証システムが適切な保証を提供しているかどうかを評価した。管轄機関には動物の健康や食品安全に関して必要な全要素を含む適切な法的枠組みがある。施設の衛生基準や、生存中や検死の検査の管理は満足のいくもので、適切なトレーサビリティシステムがある。以前の査察報告書の助言への対処活動は十分実行された。2つの問題点が見つかった。

 

[FDA]FDAはある種の食品の輸出認証にQRコードを加える

FDA Adds QR Code to Certain Export Certificates for Food

June 22, 2020

https://www.fda.gov/food/cfsan-constituent-updates/fda-adds-qr-code-certain-export-certificates-food

米国から輸出されるヒト食品向けの二つのタイプの輸出認証("外国政府への認証Certificate to a Foreign Government" と "輸出可能認証Certificate of Exportability")に、2020年6月29日からQRコードを加えて認証の真正性を簡単に確認できるようにする

 

[FDA]コロナウイルス(COVID-19)更新:

Coronavirus (COVID-19) Update: Daily Roundup June 22, 2020

https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/coronavirus-covid-19-update-daily-roundup-june-22-2020

(一部のみ)

メチレンブルー製品をCOVID-19の予防や治療用に誤解を招く宣伝で売っていたNorth Isle Wellness Centerに警告文書を送付

(メチレンブルースプレーでコロナウイルスからシールドする、等。白点病なの?)

 

[COC]2020年3月12日の議題とペーパー

12 March 2020: agenda and papers (ZIP, 1.02MB)

https://www.gov.uk/government/groups/committee-on-carcinogenicity-of-chemicals-in-food-consumer-products-and-the-environment-coc

・スコーピングペーパー-腫瘍微小環境とその発がん性における役割

がんは遺伝子あるいはエピジェネティックイベントにより誘引されるという研究の歴史から発がん性リスク評価のための試験法は突然変異や遺伝毒性を誘発する能力を観察するよう開発されてきた。しかし近年、遺伝子やエピジェネティック変化の役割は重要であるが、遺伝子の関係しないイベントも関与していることが示唆されている。Hanahanらはそれをがんの10の特質としてまとめている。そのうちのいくつかは、例えば炎症や血管新生や免疫応答の変化は、がんになる前の細胞の近くにいる異なる細胞によって影響され、微小環境の役割への関心が増してきた。化学物質の発がん性評価においては、伝統的パラダイムは遺伝毒性のない化合物や内分泌攪乱のようなものを考慮する場合に問題となる。COCは発がんプロセスにおける腫瘍微小環境の役割を含む先進的アプローチを検討している

・改定ガイダンス二次案(G05):発がん性の用量反応において出発点を同定し強さを推定する

EFSAやWHOのベンチマーク用量モデリングやTTCアプローチのガイダンス改定を反映

・ホライズンスキャンニング

IARCのシフト労働評価は化学物質の発がん性評価にどう影響するか、動物モデルやin vitro、in silicoデータ、新たなアプローチ等を用いた将来の発がん性評価、細胞の微小環境、疫学研究におけるメンデルランダム化、強力な非遺伝毒性発がん物質、等

・2019年COC年次報告書

 

[RIVM]砂糖入り飲料の価格プロモーション禁止:有効性の示唆。文献研究

Banning price promotions on sugar-sweetened beverages: indications for effectiveness. A literature study into the effectiveness of banning price promotions, marketing, and advertising

23-06-2020

https://www.rivm.nl/publicaties/effectiviteit-van-verbod-op-prijsaanbiedingen

報告書。本文オランダ語

 

[USDA]受粉媒介者を新しい脅威から守る-オオスズメバチAsian Giant Hornet初めての米国での目撃

Protecting Pollinators from A New Threat – First-Ever U.S. Sightings of Asian Giant Hornet

Posted by Elizabeth Hill,  Jun 22, 2020

https://www.usda.gov/media/blog/2020/06/22/protecting-pollinators-new-threat-first-ever-us-sightings-asian-giant-hornet

2019年冬にワシントン州で確認されている。見たら報告

 

[FTC]FTCはオンラインで「リスクのないお試し」との詐欺的宣伝に騙された消費者に総額870万ドル以上の返金小切手を送っている

FTC Sending Refund Checks Totaling More Than $8.7 Million to Consumers Defrauded by Deceptively Marketed Online “Risk-Free Trial” Offers

June 22, 2020

https://www.ftc.gov/news-events/press-releases/2020/06/ftc-sending-refund-checks-totaling-more-87-million-consumers

オンラインでの「リスクフリー」お試しに署名したところ実際には全額を課金され知らずに高価な継続購入プランに参加させられていた187425人の消費者に返金小切手を郵送中

Triangle Media Corporationはこの手法でスキンクリームや電子タバコ、ダイエタリーサプリメント等各種商品を宣伝販売していた。

 

[WHO]WHOは人々にMr.ビーンの必須COVID-19チェックリストを使って警戒を続けるよう再確認

The World Health Organization reminds public to remain vigilant through Mr Bean’s Essential COVID-19 Checklist

22 June 2020

https://www.who.int/news-room/detail/22-06-2020-the-world-health-organization-reminds-public-to-remain-vigilant-through-mr-bean-s-essential-covid-19-checklist

アニメーション動画。声はRowan Atkinson

 

論文

-イラン、Golestanの最近のがん発生率傾向と短期予測2004–2025

IARC

Recent cancer incidence trends and short-term predictions in Golestan, Iran 2004–2025

23 June 2020

https://www.iarc.fr/news-events/recent-cancer-incidence-trends-and-short-term-predictions-in-golestan-iran-2004-2025/

イラン北東部の上部消化器がんの多い地域での最近の主要ながんの傾向と短期的予想。2025年までに食道がんは減少するだろうが他の主要ながんは増加するだろう。人口構造の変化が37.8%の寄与でリスク要因の変化は23.5%の寄与

Cancer Epidemiol,

 

-乳がんの個別化早期検出と予防:ENVISIONコンセンサス声明

IARC

Personalized early detection and prevention of breast cancer: ENVISION consensus statement

22 June 2020

https://www.iarc.fr/news-events/personalized-early-detection-and-prevention-of-breast-cancer-envision-consensus-statement/

Nature Reviews Clinical Oncologyに発表された乳がんの個別化早期検出と予防欧州共同体(ENVISION)によるコンセンサス声明。根拠に基づいた個別介入を可能にするためには既存の乳がん検診や予防計画の利益と害を改善すべきでそのために必要な4つの優先的研究分野を同定

 

-コロラドとワシントン州の娯楽用大麻法と交通事故死亡率の変化との関連, 2005-2017

Association of Recreational Cannabis Laws in Colorado and Washington State With Changes in Traffic Fatalities, 2005-2017

Julian Santaella-Tenorio et al.,

JAMA Intern Med.   June 22, 2020 doi:10.1001/jamainternmed.2020.1757

https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/fullarticle/2767647

娯楽用大麻法はコロラドでは交通事故死の増加と関連するがワシントンではそうではなかった

 

-尿検査があなたの食事の質と-それがあなたの身体にベストフィットかどうかを明らかにする

Urine test reveals quality of your diet -- and whether it's the best fit for your body

22-JUN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-06/icl-utr062220.php

米国の1848人の尿の46のいわゆる代謝物を分析した結果がNature Foodに発表された。

例えば飲酒とある種の代謝物には関連があり、柑橘類、果糖、ブドウ糖、ビタミンCの摂取と関連する代謝物もある。ギ酸やナトリウムは肥満や高血圧と関連する。24時間x2の間に尿中に排泄された代謝物と食べたものの関連を確立できれば食事と健康の理解が深まる。 また二番目の研究では19人に4つの食事に従うよう求め尿を「指紋」として使うことを検討した。全く同じ食事をしても尿中代謝物混合物はヒトによって異なる。

Nutriome–metabolome relationships provide insights into dietary intake and metabolism

https://www.nature.com/articles/s43016-020-0093-y

(urinary metabolic profile is more stable within individuals than reported dietary patternsって書いてあるから食事評価には使えないのでは。ナトリウムは食べた量を反映するのだとしても)

 

-作物への抗生物質使用がこれまで考えられていたより多いことを新しい研究が明らかにする

New study reveals use of antibiotics on crops is more widespread than previously thought

22-JUN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-06/c-nsr061720.php

CABI Agriculture and Bioscienceに発表された論文では、年に63トンのストレプトマイシンと7トンのテトラサイクリンが東南アジアでコメに散布されていると推定している

作物アドバイザーのうち相当な割合で昆虫の害に効果のない抗生物質を勧めている。量は医療用や動物用に比べると少ない。

 

-地上の植物の研究がナノプラスチックが組織に蓄積することを示す

Research in land plants shows nanoplastics accumulating in tissues

22-JUN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-06/uoma-ril062220.php

Nature Nanotechnologyに発表された研究。蛍光標識した電荷の異なるナノプラスチックを土に混ぜてシロイヌナズナを育てた結果。

 

その他

-Scienceニュース

「悪夢だ」。如何にしてブラジルの科学者がクロロキンの政争に巻き込まれたか

‘It’s a nightmare.’ How Brazilian scientists became ensnared in chloroquine politics

By Lindzi WesselJun. 22, 2020 ,

https://www.sciencemag.org/news/2020/06/it-s-nightmare-how-brazilian-scientists-became-ensnared-chloroquine-politics

いくつかの大規模試験が残念な結果を示し、クロロキンあるいはヒドロキシクロロキンがCOVID-19の魔法の治療薬になるかもしれないという希望は色あせた。しかしブラジルの研究グループにとって、物語はまだ終わっていない。

4月にブラジルのHeitor Vieira Dourado 熱帯病財団の臨床研究者Marcus LacerdaらのチームがクロロキンがCOVID-19患者の死亡率を上げる可能性を示した研究を発表した。それ以降、彼らは患者に高用量クロロキンを与えて中毒にしたと非難されている。ソーシャルメディアでの攻撃、中傷記事、殺すという脅迫、そして法廷への訴えなどなどでLacerdaらは疲弊している。ほかの科学者等はこの出来事に怯えている。しかしこの試験で患者の約半分が高用量を投与されて重大な副作用、死亡すらしていることは予期できなかったわけではない。ドイツTübingen大学のPeter KremsnerはLacerdaらの試験は「危険な高用量」を使った試験のうちの一つだという。他の研究者には当時は合理的だったという人もいる。

Lacerdaらが試験を始めたのは3月後半で、ブラジルManausの患者が爆発的に増えていてクロロキンへの期待が高かった時期である。計画では440人の患者を集めて半分にはクロロキンを1日2回600mgを10日間、合計12g、もう半分には1日1回900mgその後4日間450mg合計2.7gを投与する。この試験の独立したデータ安全性モニタリングチームが高用量群で死亡率が急増したを見て研究者らに高用量群の試験の中止を警告した。当時81人が参加して高用量群で7人、低用量群で4人が死亡した。結果が報告されたときにはそれぞれ16人と6人に増加していた。そして4月11日のプレプリントはNew York Timesを含む国際メディアで報道された。そして4月14日に米国のマーケティング企業のCEO であるMichael James Coudreyが研究者らを非難するツイートをした。患者をモルモット扱いして高用量を与えた、信じられない無責任と。その3日後、ブラジルの大統領の息子Eduardo Bolsonaroが同様のメッセージをツイートし、研究者らを「左派の医療活動家」としてこの研究はBolsonaro政権が認可したCOVID-19の有効な治療薬の評判を落とす試みだとした。そして検察からの調査となった。

ブラジルの研究者らは既に科学への攻撃が激しいブラジルでは、明日は我が身と心配している。

クロロキンの適切な用量については実際に科学の問題がある。ただLacerdaらの問題の一部は彼らがそれを極めて高用量だとは認識していなかったようにみえることである。

 

2020-06-22

[EFSA]意見等

-種子及び果実のスパイスのラムダ-シハロトリンの既存MRLsの改訂

Modification of the existing maximum residue levels for lambda‐cyhalothrin in seed and fruit spices

EFSA Journal 2020;18(6):6110  18 June 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6110

EC規則No 396/2005条項6に従って、申請者Syngenta Agro GmbH社は、種子および果実のスパイスのラムダ-シハロトリンの既存最大残留基準(MRL)を改訂するためにドイツの国立管轄機関に要請を提出した。要請に応じて提出されたデータは種子スパイスおよび果実スパイスのMRL提案を導出するのに十分だと分かった。リスク評価結果に基づき、EFSAは報告された農業生産工程管理によるスパイス類のラムダ-シハロトリンの使用から生じる残留物の短期及び長期摂取は消費者の健康リスクになりそうもないと結論した。だが、スパイスの滅菌処理で形成される化合物の毒性評価が保留されているため、消費者暴露計算は暫定的なものとみなされている。

 

-以前は Lecanicillium muscarium Ve6株だった有効成分Akanthomyces muscarius Ve6株の農薬リスク評価ピアレビュー

Peer review of the pesticide risk assessment of the active substance Akanthomyces muscarius strain Ve6, formerly Lecanicillium muscarium strain Ve6

EFSA Journal 2020;18(6):6121  18 June 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6121

規制の枠組みで必要とされる、確認された不足情報がリストアップされた。懸念が確認された。

 

-メタフルミゾンの既存MRLsのレビュー

Review of the existing maximum residue levels for metaflumizone according to Article 12 of Regulation (EC) No 396/2005

EFSA Journal 2020;18(6):6123  17 June 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6123

更なる検討が必要で、消費者暴露の削減手段も考慮する必要がある。

 

-フルベンジアミドの既存MRLsのレビュー

Review of the existing maximum residue levels for flubendiamide according to Article 12 of Regulation (EC) No 396/2005

EFSA Journal 2020;18(6):6150  16 June 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6150

更なる検討が必要で、消費者暴露の削減手段も考慮する必要がある。

 

-各種作物のオキサチアピプロリンの輸入トレランス設定

Setting of import tolerances for oxathiapiprolin in various crops

EFSA Journal 2020;18(6):6155 16 June 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6155

EC規則No 396/2005に従って、申請者Du Pont (UK)は、米国で認可されている使用を支持して各種作物の有効成分オキサチアピプロリンの輸入トレランスを設定するために、英国の国立管轄機関に要請を提出した。要請に応じて提出されたデータは、柑橘類、ブラックベリー、ラズベリー、白菜、バジル、食用花、アスパラガスへの最大残留基準(MRL)提案を導出するのに十分なことが分かった。デューベリー、ジャガイモ、サツマイモには、MRL提案の導出を妨げるデータの不足が見つかった。定量限界(LOQ) 0.01 mg/kgで妥当性が確認された植物本体のオキサチアピプロリンの残留物を管理するのに利用可能な執行のための分析法が得られた。リスク評価結果に基づき、EFSAは報告された農業生産工程管理によるオキサチアピプロリンの使用から生じる残留物の長期摂取は消費者の健康リスクになりそうもないと結論した。

 

-メプチルジノカップ(DE‐126)の既存MRLsのレビュー

Review of the existing maximum residue levels for meptyldinocap (DE‐126) according to Article 12 of Regulation (EC) No 396/2005

EFSA Journal 2020;18(6):6157  16 June 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6157

更なる検討が必要。

 

-全ての動物種用飼料添加物としてのPediococcus pentosaceus DSM 16244株の認可更新申請の評価

Assessment of the application for renewal of the authorisation of Pediococcus pentosaceus DSM 16244 as a feed additive for all animal species

EFSA Journal 2020;18(6):6166  15 June 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6166

 

-七面鳥肥育用または交配のための育成用、豚肥育用およびマイナー豚種用飼料添加物としてのFSF10000 およびFLF1000 (3‐フィターゼ)の安全性と有効性

Safety and efficacy of FSF10000 and FLF1000 (3‐phytase) as a feed additive for turkeys for fattening or reared for breeding, pigs for fattening and minor porcine species

EFSA Journal 2020;18(6):6015  15 June 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6015

 

-産卵鶏用、七面鳥交配用、鶏交配用、マイナー家禽種の卵生産目的と交配用のOptiPhos® PLUS (6 フィターゼ)の安全性と有効性

Safety and efficacy of OptiPhos® PLUS (6 phytase) for laying hens, turkeys for breeding, chickens for breeding, minor poultry species for egg production purposes and breeding

EFSA Journal 2020;18(6):6161 15 June 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6161

 

[BfR] 日焼け止め製品に関するQ&A

Questions and answers on sunscreen products

https://www.bfr.bund.de/cm/349/sun-cream-and-similar-products-are-there-health-risks.pdf

 日焼け止め製品や類似製品―健康リスクはあるか?

2019年12月19日付で日光遮断作用製品に関するBfRのFAQ

日差しが強いとき、日焼けは避けられない。その状況を避け、予防するため、皮膚への直射日光を避けることあるいは皮膚へ日焼け止め製品を塗ることが推奨される。日焼け止めにより、紫外線が熱に変換されることで皮膚を保護することができる。これは紫外線フィルター物質の助けにより起こる。化粧品に使用される紫外線フィルター物質は、日焼け止め製品の紫外線フィルターとしての使用が最大濃度まで安全であるかどうか評価する、EUの評価手続きを経なければならない。BfRは紫外線フィルターの健康リスクの可能性に関して重要なよくある質問をいくつかまとめた。

どのように日焼け止めは効果があるのか?

日焼け止め製品はフィルター物質を含む。それらは、太陽の紫外(UV)線を皮膚まで到達させない。有機化合物と鉱物(物理的な)の紫外線フィルター物質は明確に区別しなければならない。有機化合物フィルターの場合、分子が太陽放射を吸収し、熱に変換する。そのような例はケイ皮酸の誘導体である。それに対し、鉱物の日焼け止めは二酸化チタンあるいは酸化亜鉛を含む。これらの顔料は小さい鏡のように日光を反射する。日焼け止め製品は化学物質と鉱物の紫外線フィルター物質の両方を含むことが多い。日焼け防止指数(SPF)は製品が太陽光線からどの程度保護できるかを示す。皮膚のタイプにもよるが、数値が高いほど、あなたは太陽の下にいられる。

日焼け止め製品の紫外線フィルターはどの程度危険なのか?

現在の科学的知見では、EUで入手できる日焼け止め製品による健康被害は予測されていない。理由:評価された紫外線フィルター物質を含む製品のみがEUで販売されるため。消費者安全科学委員会(SCCS)による評価は、事前に最大濃度で日焼け止め製品の紫外線フィルター物質としての安全な使用を確認しなければならない。現時点では、EUでは30のフィルター物質が、使用が許可されている。

日焼け止め製品はどのように評価されるか?

日焼け止めを含む化粧品はEUでは認可の必要がない。しかし、それぞれの使用成分や製品で安全評価は実施されなければならない。着色剤や保存料とともに、紫外線フィルター物質に適用される追加の要件;化粧品に関するEU規則(EC)No 1223/2009 (EU CPR)の関連する附属書の欧州委員会の消費者安全科学委員会によるリスク評価に基づき、リストにあるなら3つの物質グループは化粧品でのみ使用することができる。(附属IV:化粧品で許容される着色剤のリスト、附属V:化粧品で許容される保存料のリスト、附属VI:化粧品で許容される紫外線フィルター物質のリスト)。手続きの一環として、消費者安全科学委員会(SCCS)は物質の健康ハザードの可能性を評価する。この根拠は、すべての重要な毒性情報が示されなければならない科学的データであり、皮膚を介して体内に侵入することができる物質かどうか、またその量に関する情報である。データが不十分な場合、消費者安全科学委員会は追加の研究を要請する。製造業者は、対象濃度においての使用で推測されるリスクのない紫外線フィルター物質のみを使用することができる。承認された物質はEU CPRのリストに載っている。

2019年5月の「JAMA」専門誌に発表された米国食品医薬品局の研究が、化学物質の紫外線フィルターは皮膚を介して血流に侵入するという結論を出している。この結果をどのように解釈するか?

FDAの調査は米国の法律を背景に考えなければならない。日焼け止め製品は米国では店頭販売の医薬品として販売されている。血液中の紫外線フィルター物質の量を制限した必要条件を遵守する製品のみ認可される。血漿中の濃度は0.5 ng/ml未満でなければならない。数値がこれより高いと、製造業者は毒性試験結果を提供しなければならない。そのような試験結果を提出した企業がこれまで全くなく、FDAは規制値の遵守をレビューした。これに対し、EUは、紫外線フィルター物質は、最大血中濃度に関する情報を含め、検査され(例えば物質が血流に移行するかどうかの確認)、評価されなければならない。これは以下を意味する:現在の科学の知見では、欧州市場で入手できる日焼け止め製品からの健康被害は予測されない。

日焼け止め製品は例えば、紫外線フィルター物質の二酸化チタンのようなナノ物質を含むことがある。これらナノ物質に対してどのような疑問があるか?

日焼け止め製品中に紫外線フィルター物質として使用されるナノ粒子は、EU委員会の科学専門家会議である消費者安全科学委員会(SCCS)により評価されなければならない。

ナノ粒子の皮膚接触もよく研究されている。研究で、例えば、ナノ二酸化チタンは化粧品で使用される形態でヒトの血流に入り込むことはできないと証明されている。入手できる知見に基づき、消費者安全科学委員会(SCCS)は結論に達した:日焼け止め製品の25%上限濃度での紫外線フィルター物質としてのナノ二酸化チタンでは、健康リスクは起こりそうにない。これは健康的で、傷がなく、日焼けした皮膚に適用される。疾患により損傷を受けた皮膚(アレルギー疾患、にきび、神経性皮膚炎)の患者は専門家に相談しなければならない。消費者安全科学委員会(SCCS)はその結論は吸入による肺暴露につながらない使用方法(例えばクリーム、ローション)に限定している。

紫外線フィルターはリップスティックやリップバームにも使用される。これは危険なのか?

唇は顔のほかの皮膚よりも紫外線により敏感に反応する。そのため、多くのリップスティックやリップバームは紫外線フィルター物質を含む。現在の知見では、リップスティックによる紫外線フィルター物質の摂取は非常に少量でしかないという結論になるだろう。BfRは現在の科学の知見では健康被害はありそうにないと考える。紫外線フィルター物質の4-メチルベンジリデンカンファーは、安全性マージン(MoS)が化粧品において認可最大濃度(4%)では十分でないと考えるため、BfRはリップスティックやリップバームへの使用を避けることを推奨する。安全性マージンは、動物実験における有害影響を引き起こさない用量を消費者に吸収される用量で割った結果である。安全性マージンは動物とヒトの違いを考慮し、ヒトの個人差を考慮する必要がある。100以上の値が一般的に十分であるとみなされる。

日焼け止め製品の紫外線フィルター物質はがんのリスクを上昇させるか?

現在の科学の知見では、紫外線フィルター物質はがんのリスクを上昇させない。ドイツがん研究センターの情報では、日焼け止め製品の紫外線フィルター物質によるがんリスクの上昇を疑う理由となる臨床研究の形での証明も科学文献もない。

どの日焼け止め製品と紫外線フィルター物質が推奨されるか?

BfRは科学的なリスク評価を実施する。いかなる個別の製品も推奨できないし、推奨しない。多くの日焼け止め製品で何らかの形で混合されている紫外線フィルターの場合も同様である。基本的に:現在の科学の知見では、欧州市場で入手できる日焼け止め製品から健康被害は予測されない。日焼け止め製品は紫外線から完全に保護するものではないことを注意しなければならない。最適な保護は皮膚を覆う衣服という布地による日光からの保護である。体の覆われていない部分は日焼け止め製品で覆うべきである。これは特に子供に当てはまる。2歳までの乳幼児は直射日光に当たらないようすべきである。

ドイツ連邦放射線防護庁もウェブサイトで紫外線放射に対する正しい保護の仕方についてヒントを挙げている:

https://www.bfs.de/EN/topics/opt/uv/protection/protection_node.html

BfRウェブサイトでのより詳しい情報:

2017年8月15日付二酸化チタンに関するBfRのFAQ(ドイツ語)

https://www.bfr.bund.de/de/titandioxid___es_besteht_noch_forschungsbedarf-240812.html

紫外線フィルターとしての酸化亜鉛(BfR意見書No. 037/2010年6月18日、ドイツ語)

https://www.bfr.bund.de/cm/343/sonnenschutzmittel_zinkoxid_als_uv_filter_ist_nach_derzeiti gem_kenntnisstand_gesundheitlich_unbedenklich.pdf

2007年7月17日日光遮断作用製品に関する情報(ドイツ語):

http://www.bfr.bund.de/de/presseinformation/2007/13/immer_auf_ausreichenden_sonnensch utz_achten_-9678.html

 

[HK] 包装かにペースト付ロブスターのサンプルは食品表示規則に違反している

Prepackaged lobster meat with crab paste sample in breach of food labelling regulation

Tuesday, June 16, 2020

https://www.cfs.gov.hk/english/press/20200616_7995.html

食品安全センター及び食物環境衛生省は、韓国産包装かにペースト付ロブスターのサンプルが食品に認められていない二酸化硫黄を検出したと発表した。

 

[TGA] ニコチンを含む電子タバコの輸入禁止

Prohibition on importing e-cigarettes containing vaporiser nicotine

19 June 2020

https://www.tga.gov.au/behind-news/prohibition-importing-e-cigarettes-containing-vaporiser-nicotine

禁止により影響を受ける個人、医療関係者及び輸入業者向けの情報提供に関するQ&A。

 

-リキッドニコチンを含む電子タバコの入手

Accessing e-cigarettes containing liquid nicotine

19 June 2020

https://www.tga.gov.au/accessing-e-cigarettes-containing-liquid-nicotine

上記製品の輸入に関する制限がある。オーストラリア政府は蒸気ニコチンを含む電子タバコに関する態度を強化する提案及び蒸気ニコチンを含む電子タバコの輸入禁止に関する情報。

 

[FSA] FSA理事会は「食品供給の上で重要な仕事」のための食品及び飼料産業に敬意を表する

FSA Board pays tribute to food and feed industries for ‘an outstanding job in keeping food on the shelves’

18 Jun 2020

https://www.food.gov.uk/news-alerts/news/fsa-board-pays-tribute-to-food-and-feed-industries-for-an-outstanding-job-in-keeping-food-on-the-shelves

FSA理事会でCOVID-19パンデミックが主要な議題の一つであり、その中で、消費者への食品供給に貢献する食品及び飼料業界に従事する人に感謝を示した。

 

[FSAI] アイルランドにおけるジン及びジン製品の表示に関する新たなガイドライン

New Guidance for Labelling of Gin and Gin Products in Ireland

Thursday, 18 June 2020

https://www.fsai.ie/news_centre/press_releases/gin_and_gin_products_guidance_18062020.html

FSAIは本日ジン及びジン製品の広告販売において使用される販売用語に関する新たなガイドラインを発表した。

 

[FDA]コロナウイルス(COVID-19)更新

Coronavirus (COVID-19) Update: Daily Roundup June 19, 2020

June 19, 2020

https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/coronavirus-covid-19-update-daily-roundup-june-19-2020

一部のみ

・詐欺的CBD製品の販売に警告文書送付

・FDAの“removed” 検査リストに掲載されている抗体検査の使用を止めるよう検査機関の職員や医療従事者に文書を送付

 

[FDA]警告文書

- Project 1600 Inc.

June 18, 2020

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/project-1600-inc-608349-06182020

コロナウィルス疾患2019(COVID-19)に関連する未承認かつ不正製品。CBD製品を含む。

 

[NTP]テクニカルレポート公表

-トリス(クロロプロピル)リン酸塩のSD(Hsd:Sprague Dawley SD)ラットでの出生前発達試験(強制経口試験)

Prenatal Development Studies of Tris(chloropropyl) Phosphate in Sprague Dawley (Hsd:Sprague Dawley SD) Rats (Gavage Studies)

https://ntp.niehs.nih.gov/publications/reports/dart/dart01/index.html

難燃剤。発達毒性の根拠はない

 

-4-メチルシクロヘキサンメタノールのSD(Hsd:Sprague Dawley SD)ラットでの出生前発達試験(強制経口試験)

Prenatal Development Studies of 4-Methylcyclohexanemethanol in Sprague Dawley (Hsd:Sprague Dawley SD) Rats (Gavage Studies)

https://ntp.niehs.nih.gov/publications/reports/dart/dart02/index.html

2014年にElk川で流出事故、明確な発達毒性がある

 

-ビンポセチンのSD(Hsd:Sprague Dawley SD)ラットとニュージーランドホワイト(Hra:NZW SPF)ラビットでの出生前発達試験(強制経口試験)

Prenatal Developmental Studies of Vinpocetine in Sprague Dawley Hsd:Sprague Dawley SD) Rats and New Zealand White (Hra:NZW SPF) Rabbits (Gavage Studies)

https://ntp.niehs.nih.gov/publications/reports/dart/dart03/index.html

ダイエタリーサプリメントとして販売されている

明確な発達毒性がある(着床後死亡、心室中隔欠損・胸腰部肋骨過剰・胸部錐体骨化不完全)

 

-酒石酸ジメチルアミノエタノールのSD(Hsd:Sprague Dawley SD)ラットでの出生前発達試験(強制経口試験)

Prenatal Developmental Studies of Dimethylaminoethanol Bitartrate in Sprague Dawley (Hsd:Sprague Dawley SD) Rats (Gavage Studies)

https://ntp.niehs.nih.gov/publications/reports/dart/dart04/index.html

難燃剤。発達毒性の根拠はない

 

[IARC]IARCニュースレター:6月号発行

IARC Newsletter: June issue now available

18 June 2020

https://www.iarc.fr/news-events/iarc-newsletter-june-issue-now-available/

季刊

 

[ASA]我々は消費者をオンラインでより良く守るために詐欺広告警報システムを開始

We've launched a Scam Ad Alert system to help better protect consumers online

ASA News 16 Jun 2020

https://www.asa.org.uk/news/ASA-launches-scam-ad-alert-system-to-help-better-protect-consumers-online.html

Facebookと Googleを含むデジタル広告やソーシャルメディアプラットフォーム大手と協力して英国詐欺広告警報UK Scam Ad Alertシステムを発表した。

新しいシステムはオンラインでの有償の詐欺広告を複数のプラットフォームから取り下げるのに役立つ。消費者も詐欺報告ができる

 

[Codex]何故食品安全が彼らの仕事なのか科学者が説明する

Scientists explain why food safety is their business

19/06/2020

http://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1294582/

JEMRA

 

[USDA]データは言う-酪農は変わった

Data Say…Dairy Has Changed

Posted by Sue King, Public Affairs Director, National Agricultural Statistics Service in Research and Science Jun 18, 2020

https://www.usda.gov/media/blog/2020/06/18/data-saydairy-has-changed

1935年の農業調査によると、1934年、520万の農場の2460万頭の乳牛が107億ガロンのミルクを作り出していた。

2017年の農業調査では54,599の農場に950万頭の乳牛がいる。別の乳生産報告によると23州の870万頭の乳牛が235億ガロンのミルクを生産した。

乳牛一頭が毎日作るミルクの量が約1.2ガロンから7.4ガロンになっている

農業の革新により驚くべき生産効率の増加をもたらしている

 

[FSANZ]食品基準通知

Notification Circular 127-20

22 June 2020

https://www.foodstandards.gov.au/code/changes/circulars/Pages/Notification%20Circular%20127-20.aspx

認可とフォーラム通知

加工助剤としてのGM Aspergillus niger由来グルコアミラーゼとアルファアミラーゼ

 

[FTC]FTCはFCOVID-19の予防や治療に有効だと根拠のない宣伝をしている業者にさらに30の警告文書を送っている

FTC Sends Letters Warning 30 More Marketers to Stop Making Unsupported Claims That Their Products and Therapies Can Effectively Prevent or Treat COVID-19

June 18, 2020

https://www.ftc.gov/news-events/press-releases/2020/06/ftc-sends-letters-warning-30-more-marketers-stop-making

これまでの合計で警告文書250になった

(今回警告した会社のカテゴリのみ)

CBD

エッセンシャルオイル

赤外線

ビタミン静注とオゾン/酸素療法

経口ペルオキシドゲル

パルス電磁場療法

幹細胞治療

サプリメント、ビタミン、コロイド銀

 

論文

-国際研究が過去十年でペット用の食事が生/自家製にシフトしていることを示す

International study indicates shift to raw/home-made food diet for pets over past decade

18-JUN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-06/b-isi061720.php

そのような餌の与え方は健康上の問題の可能性と関連する、著者は警告

多くの犬猫はまだ普通のウェットまたはドライフードを与えられているものの、生/自家製フードへの明瞭なシフトがある、特にオーストラリアで。Vet Record。

人間の食事法の流行を反映して完全菜食、ナチュラル、昔からの、穀物フリー、自家製、生などのものをペットに与えたがるオーナーがいる。英語圏での調査。

(猫に野菜しか与えないとか、虐待)

 

-EUの安全性規制が英国の電子タバコ使用者にどう影響したか

How EU safety legislation has affected UK vapers

18-JUN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-06/uoea-hes061720.php

2017年にEUのタバコ製品指令が導入され、電子タバコの液体容量やニコチン濃度の上限、健康警告などが決められた。電子タバコ使用者はこの規制に概ね安心したが、一部はより強い製品を求めてブラックマーケットに向かった。

Tobacco Use Insightsに発表

 

-毎日の激しい運動は寿命を延ばすのではなく縮めるかもしれない

Strenuous daily exercise may shorten, not prolong, longevity

18-JUN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-06/tiot-sde061820.php

東工大による、歌舞伎役者の寿命が長唄、茶道落語家より短いというPalgrave Communicationsに発表された研究

(運動のせいなんだろうか?)

 

-座っていることが独立してがん死亡率を予測することを研究が示す

Study shows sedentary behavior independently predicts cancer mortality

18-JUN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-06/uotm-sss061820.php

座っている時間30分を運動に置き換えることががん死亡リスク低下に関連する

JAMA Oncology に発表されたアメリカ成人3万人以上からなる長期健康研究REGARDS試験の解析。がんの部位に関する情報はない

 

-コロナウイルス:世界のフードシステムを強化する注意喚起

Coronavirus: A wake-up call to strengthen the global food system

19-JUN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-06/iifa-caw061920.php

収穫量は十分だったがロックダウンによるサプライチェーンの撹乱が一部の地域での食糧不足を招いた。世界的に相互につながった複雑なフードシステムの課題にアプローチするにはシステムアプローチが必要。One Earth

 

-英国成人の4人に1人はロックダウンの後飢餓と栄養不良の可能性のリスクがある

One in four UK adults at risk of hunger and potential malnutrition following lockdown

20-JUN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-06/nu-oif061920.php

Feeding BritainとNorthumbria大学ヘルシーリビングラボの調査によると成人の25%がパンデミック中に食品へのアクセスに困難を経験した。

Food and coping strategies during the COVID-19 pandemic

https://healthylivinguk.org/2020/06/19/food-and-coping-strategies-during-the-covid-19-pandemic/

1000人程度のアンケート調査

 

-COVID-19に関連する考え、自宅にいる命令、必須でないビジネスの閉鎖、公衆衛生ガイダンスへの一般の人々の態度-米国、ニューヨーク市、ロサンゼルス、2020年5月5-12日

Public Attitudes, Behaviors, and Beliefs Related to COVID-19, Stay-at-Home Orders, Nonessential Business Closures, and Public Health Guidance — United States, New York City, and Los Angeles, May 5–12, 2020

Mark É. Czeisler et al.,

CDC Weekly / June 19, 2020 / 69(24);751–758

https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/69/wr/mm6924e1.htm?s_cid=mm6924e1_w

公衆衛生対策は概ね支持されている

(マスクも含めて8割程度は支持。マスクは絶対しないと回答した15%程度がむしろどういう人達なのか興味深い)

 

その他

-ニュースを一目で

News at a glance

Science  19 Jun 2020:Vol. 368, Issue 6497, pp. 1292-1294

・PubMedがプレプリントを追加

bioRxivなどのプレプリントサーバに投稿された論文を追加する。1年のパイロット期間はCOVID-19パンデミック関連のプレプリントをインデックスする。ユーザーは検索結果からプレプリントを除外することができる。

 

-CFI

WALMARTホメオパシー詐欺訴訟:CENTER FOR INQUIRYは判事の不可解な却下に上訴する

WALMART HOMEOPATHY FRAUD LAWSUIT: CENTER FOR INQUIRY TO APPEAL JUDGE’S INEXPLICABLE DISMISSAL

June 15, 2020

https://centerforinquiry.org/press_releases/walmart-homeopathy-fraud-lawsuit-center-for-inquiry-to-appeal-judges-inexplicable-dismissal/

CFIがWALMARTに対してホメオパシー製品を医薬品と同じように陳列して売っているのは世界最大規模の消費者詐欺だと訴えていた件。2020年5月20日に却下されたので上訴

 

-Consumer Reports

FDAのサプリメント警告システムは致命的な限界がある

FDA's Supplement Warning System Has Deadly Limitations

By Ryan Felton May 27, 2020

https://www.consumerreports.org/dietary-supplements/fdas-supplement-warning-system-has-deadly-limitations/

有害事象報告システムCAERSについて

報告が任意であるため過小報告、サプリメントのリコールにつながったことがほとんどない、等消費者を守る能力があまりにも小さい

 

-広告されているようなものではない:水に流せるティッシュに対する訴訟

Not As Advertised: The Case Against Flushable Wipes

Jonathan Jarry M.Sc. | 18 Jun 2020

https://www.mcgill.ca/oss/article/general-science/not-advertised-case-against-flushable-wipes

現在報道されている訴訟事例(オーストラリアでACCCがクリネックスの「水洗トイレに流せる」ウェットティッシュに対して下水を詰まらせ害をなすリスクがあると訴えている)は、いわゆるトイレに流せるティッシュはトイレに流すべきではないことを教える。だからYouTubeの科学番組大手がティッシュは本当に流せると主張する企業とスポンサー契約を結んだことに驚いた。そこで私は、しばしば曖昧な「パーソナルクリーニング」用に販売されている流せるティッシュの不穏な歴史について検討することにした。

流せるティッシュの中核は繊維で、それをいろいろな方法で強化し結合している。比較のために、トイレットペーパーは木材と化学物質を煮て木パルプを作って水と組み合わせて作る。水に流せるティッシュの環境上の懸念は主にプラスチック(合成繊維)で、あなたは知らないかもしれないが通常この種のものには入っている。流せるものと流せないものの違いは何だろうと思うかもしれないが答えはそんなに違わない、である。世界中の58種類の類似製品を実験室で調べてみた研究で、著者らは流せるものと流せないものを明確に分ける技術的根拠はないと結論している。理由は「流せる」の基準がないことかもしれない。

最近トロントのRyerson 大学の研究グループが南オンタリオで販売されている101の製品を調べた。半分は流せると宣伝されていた。実験室でトイレと配水管を作って実験したところ結果はひどいものだった。調べた項目の一つは分散性で、それは製品がどれだけ簡単に小さくバラバラになるかどうかであるが、完全にバラバラになったのは11製品のみでそれは全てトイレットペーパーだった。他のウェットティッシュやお尻ふきは分解しなかった

(以下略。トイレにはトイレットペーパー以外は流さない、のが無難)

 

-コロナウイルスデマ、そして科学者はどうやってそれとの戦いを援助できるか

Natureキャリア特集

Coronavirus misinformation, and how scientists can help to fight it

Nic Fleming  17 JUNE 2020

https://www.nature.com/articles/d41586-020-01834-3

COVID-19についてのインチキ治療薬や神話やフェイクニュースは命に関わる。ここに反撃している科学者を紹介する

アオサを食べたり殺菌剤を注射してもCOVID-19予防にはならない。息を10秒止められるかどうかはSARS-CoV-2の検査ではない。ロシアのプーチン大統領はパンデミック対策のために住人が屋内に留まるようモスクワに500頭のライオンを放ったりしていない。

COVID-19の世界的拡大はWHOがインフォデミックと呼ぶものを伴った

デマの世界

虚偽の医学的主張が害を最小化するための重要な焦点となる。例えば台湾のファクトチェックセンターはニセの治療薬や検査についての主張を否定するのに大部分の時間を使っている。

嘘を広める人達の中には単に間違っている人もいるがAlex Jonesのように金儲けのために行っている人達もいる

デマを見分ける8つの方法

・疑わしい出所 あいまい、追跡不可能な情報源

・単語の間違い スペルミスや文法がおかしい

・情動を伝える 怒りや喜びなどの感情を惹起させる

・金か黄鉄鉱か? 本物のスクープは滅多にない

・虚偽のアカウント 

・過剰に拡散を求める

・お金の流れを見る それを信じると誰が儲かるか考える

・ファクトチェックのチェック 過去の見出しを見て記事は最後まで読む。疑わしかったらファクトチェックサイトを探す、既に嘘だと認定されているかもしれない

(一部のみ。一番最初に日本初のアオサデマが紹介されていて、デマ対策をやっている人達としては日本人は出てこないのが全くもって残念)

 

-Lancetの編集者からの厳しいCOVID-19の本-大急ぎで作られたが役立つ

Nature書評

Scathing COVID-19 book from Lancet editor — rushed but useful

Stephen Buranyi

https://www.nature.com/articles/d41586-020-01839-y

Richard Hortonが最も豊かで最も力があり科学の進歩した二つの国のリーダーが何故こんなにひどい結果になったのかを酷評する

The COVID-19 Catastrophe: What’s Gone Wrong and How to Stop It Happening Again Richard Horton Polity (2020)

コロナウイルスの危機が始まってから、Lancetの編集長Richard Hortonは英国の公共空間中で猛烈な批判を続けてきた。BBCの番組で、Guardian紙上で、英国が世界で2番目に多い一人あたりのCOVID-19死者を出した政府の失敗を批判した。自分自身の議論-Andrew Wakefieldの詐欺的論文を出版したことやイラク戦争反対や気候変動に関する政治的行動-も避けることはない。そして今回本を出した。この本では米国と英国の大惨事を何度もとりあげる:どうして世界で最も豊かで、力があって、科学の進歩した国がこんなに失敗しているのか?単純な答えはリーダーにあるが、Hortonはそこに留まらない。科学者側にも失敗があったと彼は言う

 

-Natureニュース

殺人により、数学者は同僚に警察の仕事をボイコットするよう強く求める

Mathematicians urge colleagues to boycott police work in wake of killings

19 JUNE 2020  Davide Castelvecchi

https://www.nature.com/articles/d41586-020-01874-9

1400人以上の研究者が予測的取り締まりアルゴリズムやその他のモデルを使った仕事を止めるよう呼びかける文書に署名

アメリカの数学者グループが同僚に警察との共同作業を止めるよう呼びかける手紙を書いた。特に批判されているのは予測的取り締まりという、犯罪が起こる前に防止しようという数学に基づいた技術である。近年数学者や統計学者、計算機科学者等が大量のデータを使って犯罪を減らすのに役立つと主張するアルゴリズムを開発してきた。それらは警察で使われていてその有効性には異論が多い。しかし米国の治安維持活動には構造的な人種差別があることから、数学者がそのようなやり方で警察と一緒に働くべきではない、人種差別を「科学的に」装うことがあまりにも簡単だからだ。

(既に実用化されていることにびっくり。黒人がよく捕まっているのだから黒人を疑え、という話になるのは目に見えている。Evilが多すぎる)

 

-インドでは女性の方が多くCovid-19で死んでいる?

Are more women dying of Covid-19 in India?

Soutik Biswas

https://www.bbc.com/news/world-asia-india-53104634

世界ではCovid-19による死亡は男性の方が多い。しかしインドでは困惑することがおこっている。インドと米国の科学者による新しい研究で、男性が感染者の大部分なのに女性の死亡リスクが男性より高い。感染した人のうち死亡する女性は3.3%で男性が2.9%である。40-49才の年齢では女性は3.2%、男性は2.1%死亡する。5-19才の年齢での死者は女性のみである。しかしデータはインドでの診断のしかたの文脈で精査が必要である

 

-ONS(英国国家統計局)

宗教グループ別コロナウイルス(COVID-19)関連死、イングランドとウェールズ;2020年3月2日から2020年5月15日

Coronavirus (COVID-19) related deaths by religious group, England and Wales: 2 March to 15 May 2020

19 June 2020

https://www.ons.gov.uk/peoplepopulationandcommunity/birthsdeathsandmarriages/deaths/articles/coronaviruscovid19relateddeathsbyreligiousgroupenglandandwales/2marchto15may2020

自己申告による宗教グループ別のCOVID-19関連死。年齢調整死亡率が最も高いのはイスラム教徒、他の宗教より高いのはユダヤ教徒、ヒンズー教徒、シーク教徒。最も低いのは無宗教。

 

人種

Coronavirus (COVID-19) related deaths by ethnic group, England and Wales: 2 March 2020 to 15 May 2020

19 June 2020

https://www.ons.gov.uk/peoplepopulationandcommunity/birthsdeathsandmarriages/deaths/articles/coronaviruscovid19relateddeathsbyethnicgroupenglandandwales/2march2020to15may2020

 

障害

Coronavirus (COVID-19) related deaths by disability status, England and Wales: 2 March to 15 May 2020

https://www.ons.gov.uk/peoplepopulationandcommunity/birthsdeathsandmarriages/deaths/articles/coronaviruscovid19relateddeathsbydisabilitystatusenglandandwales/2marchto15may2020

2020-06-18

[ANSES]食品中ナノ物質:同定と消費者の健康リスク評価を改善するためのANSESの助言

Nanomaterials in food: ANSES's recommendations for improving their identification and better assessing consumer health risks

09/06/2020

https://www.anses.fr/en/content/nanomaterials-food-ansess-recommendations-improving-their-identification-and-better

1990年代以降、日用品、特に食品に組み込まれるナノ物質は、その特定の性質によりますます増加している。現在、日常生活で工業ナノ物質の急増に直面し、その同定、ヒトの健康や環境への影響、規制方法について多くの質問を受けている。ANSESは特にこの話題に興味を持ち、2006年以降、ナノ物質に関する専門家評価報告書を数件発表している。ANSESは現在これに沿って、ナノ物質を含む食品の健康リスクを評価する最良のアプローチを見つけ出す方法とともに、食品中に存在する工業ナノ物質のレビューを提供している。

過去30年以上、製造業、特に食品産業は、その特定のナノスケールの特性により、工業ナノ物質の使用を開発している。その使用についての懸念を考慮して、ANSESは、食品総局(DGAL)、保健衛生総局(DGS)、労働総局(DGT)、リスク予防総局(DGPR)、競争・消費者問題・不正防止総局(DGCCRF)から、この問題を調査する正式な要請を受けた。ANSESの専門家評価作業は現在、食品産業の工業ナノ物質の主な使用を確認している。

食品の見た目とおいしさを改善する添加物として(その構造、色、食感を変更することによる、例:リン酸三カルシウム(E341iii)や非結晶シリカ(E551))

包装の安全性を改善する食品と接触する物質として(例:ナノシルバーが提供する抗菌機能)

最後に、ナノ粒子の形状で存在する可能性のある栄養機能のある成分が確認された(例:適切なカルシウム含有量を達成するために乳児用粉ミルクに使用される炭酸カルシウム)。

フランスで2013年以降義務付けられている、ANSESが管理するR-Nano登録によるナノ粒子ステータスの物質の報告で、年間のナノ粒子物質100g以上の製造業者、輸入業者、販売業者は、この物質の固有性(identity)、取扱量、用途を申告する必要がある。これらの義務に関わらず、食品産業のナノ物質の同定やトレーサビリティは現在まだ制限されている。だが、それらは健康リスク評価の重要な段階である。

37の工業ナノ物質を参照、ほとんどの食品分類が含まれる

科学的文献に発表されたデータに基づき、ANSESは食品添加物あるいは食品成分として使用される37物質を参照した。ナノ粒子の存在が証明されたと考えられるもの(7物質:炭酸カルシウム、二酸化チタン[1]、水酸化酸化鉄、ケイ酸カルシウム、リン酸三カルシウム、合成非結晶シリカ、有機および複合化合物)、あるいは疑わしいもの(30物質、アルミニウム、銀、金、リン酸マグネシウム、クエン酸鉄アンモニウム、ナトリウム、カリウム、脂肪酸のカルシウム塩など)。

食品中のナノ物質の存在は電子顕微鏡法などの高度な分析技術を用いて特徴づけることが出来る。それからこれらのツールは、食品添加物として意図的に組み込まれたり、成分に本質的に存在する場合に工業ナノ物質を同定できる。しかし、特定の物質に観察された物理化学的不均一性(サイズ、粒度分布など)や、表示やラベルに関する情報不足は、ナノ物質の存在をこの同じ物質を含むすべてのバッチや最終製品に外挿できないことを意味する。

食品データベース(OQALI及び the GNPD)によると、およそ900の食品に、「工業ナノ物質の存在が証明された物質」として分類された、少なくとも1つの添加物や成分が組み込まれている。しかしこれは必ずしもナノ物質がすべての製品やバッチに存在することを意味するわけではない。最も関係のある懸念される食品サブセクターは、乳児用粉ミルク(25.6%)、焼菓子(15.6%)、朝食用シリアル(14.8%)、シリアルバー(12.9%)、冷凍菓子とデザート(10.9%)である。ANSESは、この調査がフランスの酸化チタン(E171)疑惑の前に実施されたことを指摘した。

評価のこの段階で、ANSESは食品中のナノ物質の使用のレビューを実施した。次の段階ではこれらの物質が引き起こす消費者の健康リスクの可能性を研究する。

食品中のナノ物質のリスクについての不確実性を考慮して、ANSESはこの主題の以前の専門家評価の助言を繰り返し述べている。特に、食品中のナノ物質の不必要な使用を避け、機能性と有効性が同等なナノ物質の無い安全な製品を促進させることで消費者暴露は制限されると呼び掛けている。

消費者のナノ物質の健康リスク評価の改善

ANSESは、工業ナノ物質の特性には、食品中にそれらを含む物質の健康リスク評価に合わせたアプローチが必要だと信じている。これに関連した、その後のナノサイエンスとナノテクノロジーの申請評価に関するEFSAのガイダンスの発表で、ANSESは製造された物質に最適なリスク評価を決めるのに役立つアプローチを提案している。そのため、このアプローチは、標準またはナノ特有のリスク評価が必要かどうか決めるのに使われる可能性がある。

ANSESは、物質の選択にこのアプローチを適用し、ナノ特有のリスク評価方法論を提供する計画を立てている。最初の結果は2021年初めまでに予想されている。

この専門家の枠組み内で、ANSESは「工業ナノ物質」という言葉の独自の分類を頼りにした。

工業ナノ物質は、使用目的のために人が生産した、少なくとも一つの大きさが1~100 nm(ナノスケール)の構成粒子で全体あるいは一部から成る、有機、無機、あるいは複合性質の素材である。

これらの粒子の比表面積やナノスケールの特性が大きければ、構成粒子の大きさは100 nmより大きい可能性がある。

構成粒子は、ナノスケールよりはるかに大きい可能性がある粒子の強凝集体(aggregates)や弱凝集体(agglomerates)の形で見つかることがある。

ナノスケールの破片が製造工程で意図せず生成される物質がこの分類の範囲に含まれる。

[1] この添加物、酸化チタン(E171)を含む食品のフランスでの販売は、2020年1月1日から一年間出荷停止になっている。

追加情報

食品中のナノ物質に関するANSESの意見及び報告書(フランス語)

12 May 2020

https://www.anses.fr/en/system/files/ERCA2016SA0226Ra.pdf

 

[HK] CFSは輸入サーモンのサンプルを検査する

CFS takes samples of imported salmon for testing

Monday, June 15, 2020

https://www.cfs.gov.hk/english/press/20200615_7990.html

CFSとFEHDは本日、最近のメディアで新型コロナウィルスがサーモンを調理するまた板から検出されたという話があり、追跡調査を行った。現在の科学情報では食品を介して、ヒトが新型コロナウィルスに感染するエビデンスはない。予防的措置として、CFSは輸入サーモンサンプルの検査を行った。

 

[HK] 法令違反

冷凍菓子が栄養表示規則に違反

Frozen Confection not in compliance with nutrition label rules

Friday, June 12, 2020

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20200612_7987.html

日本産抹茶餅アイスが、糖分7.7g /100gという申告のところ、糖分20.4g /100gであった。

 

[TGA]警告

-Herbal Blue capsules

15 June 2020

https://www.tga.gov.au/alert/herbal-blue-capsules

製品は表示されない成分シルデナフィル、タダラフィルを含み違法である。製品写真あり。

 

-偽のCialis 20mg tablets

Counterfeit Cialis 20mg tablets

16 June 2020

https://www.tga.gov.au/alert/counterfeit-cialis-20mg-tablets

製品は表示されない成分シルデナフィル含む。製品写真あり。

 

[NSW] リコール

Natural Spring Water Work Out Water 1L

16 June 2020

https://www.foodauthority.nsw.gov.au/news/recalls/natural-spring-water-work-out-water 1l

Who-Rae Pty Ltd社は、Natural Spring Water Work Out Water 1Lがキャップを外した際、上部が折れる包装上の問題の可能性があるため回収措置。製品写真あり。

 

[FSA] FSA理事会

FSA Board Meeting: 17 June 2020

17 June 2020

https://www.food.gov.uk/news-alerts/news/fsa-board-meeting-17-june-2020

オンライン開催

 

-FSAはEU離脱後に消費者を守るための科学の役割の概要を示す

FSA outlines role of science in protecting consumers’ interests post-EU transition

17 June 2020

https://www.food.gov.uk/news-alerts/news/fsa-outlines-role-of-science-in-protecting-consumers-interests-post-eu-transition

Guy Poppy教授は6年の任期を終え、主任科学アドバイザーとしては最終報告

RISK ANALYSIS

https://www.food.gov.uk/sites/default/files/media/document/fsa-digital-csa-report-final.pdf

一部のみ

2021年1月1日から、食品と飼料の安全に関するEU規制から英国の法律に移行する。それまでEFSAや欧州委員会が行ってきた作業の多くがFSAの業務になる

FSAにはリスクアナリシスを行う能力がある。

欧州では予防原則があらゆる議論の中核となっていて、不確実性を理由に予防原則を正当化してきた。不確実性や多様性を考慮して、我々にはもっと良い明確なリスク管理についての決定ができる。

(EFSAから英国が抜けるのは痛い)

 

[FSA] Kepak Foodsは封の問題のためRustlers and Feasters Hot Dogsを回収措置

Kepak Foods recalls Rustlers and Feasters Hot Dogs because of faulty seals

12 Jun 2020

https://www.food.gov.uk/news-alerts/alert/fsa-prin-28-2020

Kepak Foodsは包装上の密封の問題のため Rustlers Classic Hot Dog 146ge、Rustlers 2 Classic Hot Dogs 271g 及び Feasters Hot Dog 140geを回収している。

 

[FSA] 新型コロナウィルスの感染経路としての食物あるいは食品接触物質のリスクに関する定量的リスク評価

Qualitative risk assessment on the risk of food or food contact materials as a transmission route for SARS-CoV-2

12 June 2020

https://www.food.gov.uk/research/research-projects/qualitative-risk-assessment-on-the-risk-of-food-or-food-contact-materials-as-a-transmission-route-for-sars-cov-2

リスクの疑問:英国の消費者にとって新型コロナウィルスの源あるいは感染経路になる食品、食品接触物質あるいは食品包装のリスクについて。

(研究報告)

 

[FDA]コロナウイルス(COVID-19)更新:FDAは抗体検査の不適切なマーケティングをし、公衆衛生をリスクに晒している企業に警告文書を送付

Coronavirus (COVID-19) Update: FDA Issues Warning Letters to Companies Inappropriately Marketing Antibody Tests, Potentially Placing Public Health at Risk

June 17, 2020

https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/coronavirus-covid-19-update-fda-issues-warning-letters-companies-inappropriately-marketing-antibody

緊急時に規制の柔軟性を提供することは詐欺を認めることを意味しない

例えば完全に自宅で検査できる、この検査は認可されている、などの不適切な誤解を招く主張はアメリカ人の健康をリスクに晒す

現時点でFDAが認可した自宅でできるCOVID-19抗体検査キットは存在しない

 

[FDA]リコール

ニューヨークブルックリンのRONG SHING TRADING NY INC. はXi Zhi Liang Fruit Jelly Cup 21.1oz (600g)を回収措置

RONG SHING TRADING NY INC. of Brooklyn, NY is Recalling its 21.1oz (600g) of Xi Zhi Liang Fruit Jelly Cup

June 11, 2020

https://www.fda.gov/safety/recalls-market-withdrawals-safety-alerts/rong-shing-trading-ny-inc-brooklyn-ny-recalling-its-211oz-600g-xi-zhi-liang-fruit-jelly-cup

窒息の問題があるため、こんにゃくパウダー入りの小さいゼリーは輸入許可されていないため、RONG SHING TRADING NY INC. はXi Zhi Liang Fruit Jelly Cup 21.1oz (600g)を回収措置。

 

[FDA]警告文書

-www.outoftheboxremedies.com

June 10, 2020

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/wwwoutoftheboxremediescom-608263-06102020

コロナウィルス疾患2019(COVID-19)に関連する未承認かつ不正製品。

 

-Morningstar Minerals LLC

June 1, 2020

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/morningstar-minerals-llc-599745-06012020

未承認の医薬品、不正表示、ダイエタリーサプリメント不純品、不正表示の問題。

 

- Cali Rice Valley Inc.

May 29, 2020

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/cali-rice-valley-inc-605184-05292020

水産食品HACCP、食品CGMP規則違反、不純品、衛生管理の問題

 

-NutraCap Labs LLC

May 21, 2020

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/nutracap-labs-llc-604298-05212020

ダイエタリーサプリメント不正表示、不純品、安全でない食品添加物の問題。

 

[Codex]COVID-19パンデミック中の食品安全を確保する-コーデックスオブザーバーの見解

Ensuring food safety during the COVID-19 pandemic - a Codex observer view

17/06/2020

http://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1294263/

科学とコーデックスガイドラインが食品事業を助ける

国際食品微生物規格委員会事務局Leon Gorris

 

[NASEM]妊娠・授乳中の栄養:新しい根拠を探る-ワークショップ

Nutrition During Pregnancy and Lactation: Exploring New Evidence - A Workshop

June 2020

https://www.nationalacademies.org/our-work/nutrition-during-pregnancy-and-lactation-exploring-new-evidence-a-workshop

NASEMは30年前に妊娠中の栄養(IOM,1990)と授乳中の栄養(IOM,1991)をレビューしている。その後栄養や食生活の科学に進歩があり2020年1月29-30日に食品栄養部会がワークショップを開催した。その概要報告。

 

[PHE]イングランドのアルコール起因率:更新

Alcohol-attributable fractions for England: an update

Published 12 June 2020 Last updated 17 June 2020

https://www.gov.uk/government/publications/alcohol-attributable-fractions-for-england-an-update

報告書

https://assets.publishing.service.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attachment_data/file/892809/Relative_risk_for_alcohol_and_alcohol_attributable_fractions_report_16062020.pdf

アルコールは一連の慢性疾患の主要リスク要因である。しかし飲酒しないヒトと比べた飲酒による慢性疾患発症の推定リスクはもう何年も更新されていない。そこで飲酒に関連する疾患の相対リスク(relative risks:RRs)についての最も最近の根拠を同定することを目的とした。さらに病気のうち飲酒に起因すると考えられる割合であるアルコール起因率(alcohol attributable fractions:AAF)の2013年の推定を更新した。

(結果は年齢別・性別・疾患ごと等で表とグラフで掲載されている)

 

[IARC]屋内でバイオマスや灯油を燃やすことはいくつかの消化器系がん発症リスクの高さと関連する

Indoor burning of biomass and kerosene fuels is associated with higher risk of developing several types of digestive cancers

17 June 2020

https://www.iarc.fr/news-events/indoor-burning-of-biomass-and-kerosene-fuels-is-associated-with-higher-risk-of-developing-several-types-of-digestive-cancers/

Environmental Health Perspectivesに発表された新しい研究は、家庭でバイオマスや灯油を燃やすことは、特に煙突のないストーブを使って、消化器のいくつかのがんの発症リスクを増やす強力な根拠を提供する。テヘラン大学医学部消化器病研究所が2004年に開始したGolestanコホート研究の50045人を10年以上フォローアップした。

インフォグラフィックやQ &Aあり

 

[フィンランド食品局]ゼリー菓子の窒息リスク

Risk of choking from jelly confectionery

June 17/2020

https://www.ruokavirasto.fi/en/private-persons/information-on-food/product-recalls/risk-of-choking-from-jelly-confectionery/

窒息リスクのあるゼリー菓子がフィンランドで販売されていた

食品添加物に関する規制Regulation (EC) No 1333/2008によりE 400, E 401, E 402, E 403, E 404, E 406, E 407, E 407a, E 410, E 412, E 413, E 414, E 415, E 417, E 418, E 425 およびE 440はミニカップゼリーに使えない。

製品は台湾産、写真あり

 

論文

-我々に100種の異なるトマトをもたらしたDNAのトリック

The DNA tricks that gave us 100 different kinds of tomatoes

17-JUN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-06/cshl-tdt061520.php

トマトの品種間の遺伝子多様性の包括的解析が、これまでわからなかった23万もの大規模なDNAの違いを明らかにした。トマト植物が進化するにつれてDNAの断片が欠落し、重複し、再配置された。こうしたゲノムの「構造的多様性」が風味や収量や形を変え、トマトの膨大な多様性につながる。Cell

 

-アボカドオイルの82%が酸敗あるいは他のオイルが混ぜられている

Study finds 82 percent of avocado oil rancid or mixed with other oils

17-JUN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-06/uoc--sf8061720.php

食品科学者が消費者と産業を守るために基準が必要という

アボカドが人気で需要が高まっていてアボカドオイルが心疾患や脳卒中リスクを下げるタイプの脂質とビタミンやミネラルが多いと宣伝されている。しかし米国で販売されているアボカドオイルの多くは質が悪く誤表示あるいは他の油脂を混入されている。Food Controlに発表された研究によると調べた検体のうち82%は期限前に酸敗しているあるいは他の油が混ぜられている。3つの事例では「ピュア」あるいは「エキストラバージン」アボカドオイルと表示されていたものはほぼ100%大豆油であった。

(健康食品として高値で売られているようなものはいつだってろくなのはないけど)

 

-中国のCOVID-19アウトブレイク期間に排出が大きく減ったが予期せぬ大気汚染があった

During the COVID-19 outbreak in China, marked emission reductions, but unexpected air pollution

17-JUN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-06/aaft-dtc061720.php

衛星と地上からの観察を組み合わせてCOVID-19ロックダウン中の中国の大気汚染の変化を調べた。ある種の汚染物質の排出は最大90%減ったものの、粒子状物質の汚染は予期せず増加した。Science

 

-100才研究が長寿の鍵は住環境かもしれないことを示唆する

Centenarian study suggests living environment may be key to longevity

17-JUN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-06/wsu-css061720.php

International Journal of Environmental Research and Public Health に発表されたワシントン州の死亡率データに基づく研究

 

-ラッシュアワーに通勤している女性は高濃度の汚染物質に暴露されている

Women commuting during rush hour are exposed to higher levels of pollutants

17-JUN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-06/gmu-wcd061720.php

Environmental Researchに発表されたパーソナル大気汚染モニターと車に取り付けたモニターを使ってPM2.5暴露を測定した研究。ワシントン都市部に住む平均年齢26才の46人の女性の48時間データを集めた。PM2.5暴露量は移動距離にはあまり関係なくラッシュアワーの移動で暴露が多い

 

その他

-Natureニュース

コロナウイルスはどのくらい致死的なのか?科学者は答えに近づく

How deadly is the coronavirus? Scientists are close to an answer

16 JUNE 2020

https://www.nature.com/articles/d41586-020-01738-2

致命率(IFR、感染した人のうちの死亡者の割合)についての現時点での概要

 

-何故こんなにもたくさんのインドネシアの子どもたちがコロナウイルスで死んでいるのか?

Why are so many Indonesian children dying from coronavirus?

By Max Walden and Hellena Souisa

https://www.abc.net.au/news/2020-06-18/why-are-so-many-indonesian-children-dying-from-coronavirus/12356444

インドネシア当局がコロナウイルスの制限を緩和しようとしている中、医師らはインドネシアでは子どもたちが特に脆弱なようだと警告する

オーストラリア保健省によると、COVID-19は子どもでは成人より感染も重症化もしにくいようだがそれでもかかるという。マレーシア、ベトナム、シンガポールでは18才未満の死者はいない。オーストラリアで最も若い死者は42才のフィリピン人男性である。

しかしインドネシアでは既に100人以上の子どもたちが死亡している。どうして?

インドネシア子ども保護委員会によると5月22日時点で子どもの確認症例は715人で疑いあるいは観察下にあるのは17000人以上。公式数字では確認症例中28人が死亡。多くの感染は家族から。しかしインドネシア小児科医協会が独自に数えたところでは子どものCOVID-19死亡疑いは6月1日時点で少なくとも160人。

(栄養不良のせいではないか、医療、受動喫煙等)

 

-新しいCOVID-19治療薬デキサメタゾンを違法にオンラインで購入するのは「危険」

Buying New COVID-19 Treatment Dexamethasone Illegally Online 'Dangerous'

BY KASHMIRA GANDER ON 6/17/20

https://www.newsweek.com/buying-new-covid-19-treatment-dexamethasone-illegally-online-dangerous-1511408

医療の専門家が警告

火曜日に英国のオックスフォード大学の研究者らがデキサメタゾンが人工呼吸器につながれたCOVID-19患者の死亡を1/3、酸素が必要な患者の死亡を1/5減らすと発見したと発表した後、米国のデキサメタゾン関連Google検索が急増し、その中には「購入」「オンライン購入」「COVID予防」のような単語も含まれていた。一部の検索はこの薬物を売る会社の株を買うことに関連するようだったが「どこでデキサメタゾンが買えるの」「市販デキサメタゾン」などの検索はそれを使用しようとしていることを示唆する。米国ではデキサメタゾンは医師の処方でのみ入手できる。一般人は違法サイトからデキサメタゾンを買うべきではない

 

-SMC NZ

国境でのCOVID-19-専門家の説明

COVID-19 at the borders – Expert Briefing

Published: 18 June 2020

https://www.sciencemediacentre.co.nz/2020/06/18/covid-19-at-the-borders-expert-briefing/

SMCはニュージーランドの国境でのCOVID-19コントロール努力についてのオンラインメディア説明会を開催した。専門家はオタゴ大学のPatricia Priest准教授

音声および一部議事録

専門家として望むのはウイルスを持った人は誰ひとりとして国内に入れないことだ、と述べている。ただそれは不可能だろうとも。

 

新たなCOVID-19症例-専門家の反応(更新)

New COVID-19 cases – Expert Reaction (Updated)

18 June

https://www.sciencemediacentre.co.nz/2020/06/16/new-covid-19-cases-expert-reaction/

6月13日に到着してオークランドの隔離施設にいた男性一人が確認されてまたニュースになっている

追加のコメントでは心理学者が今回の事象を「安全な繭が破られて」怒りと失望と不安になっている状態と説明している

(一人陽性になるたびに失望した、失敗だ、って言われるのかぁ)