2021-12-28

本年はこれが最後です。

1月は4日からの予定です。

今年もお世話になりました。

皆様が良い年を迎えられますように。

 

その他

-何故ある種の重金属は食べても大丈夫なのか?

Why are certain heavy metals okay to eat? (video)

27-DEC-2021

https://www.eurekalert.org/news-releases/938923

ACS動画シリーズ

鉄は必須で金は反応せず鉛や水銀は有害

これが最後で次はポッドキャストを始めるとのこと

 

-FSAは福島チェックを終了するよう助言することを検討

FSA considering advising end to Fukushima checks

December 27, 2021

https://www.foodsafetynews.com/2021/12/fsa-considering-advising-end-to-fukushima-checks/

FSAの福島産製品輸入検査を止める提案を知らせるニュース。

珍しくコメントがついていて、「日本のメディアの朝日が、福島原子力発電所メルトダウンでセシウム137だけではなく約1000種類の放射性物質が放出されたと情報源が言っている、と言った」と書いてある。放射性核種が1000種類とか大発見だろうに。原子力専門家を自称する人。

 

-アメリカ人は「超加工」食品中毒で、それは我々を殺している

Americans Are Addicted to 'Ultra-Processed' Foods, and It's Killing Us

BY ADAM PIORE ON 12/08/21

https://www.newsweek.com/2021/12/17/americans-are-addicted-ultra-processed-foods-its-killing-us-1656977.html

newsweekのDecember 17 2021号の表紙がToxic Foodで、写真はビッグサイズのハンバーガー

この中で加工食品の有害性を証明したと紹介されている研究が以下

Ultra-Processed Diets Cause Excess Calorie Intake and Weight Gain: An Inpatient Randomized Controlled Trial of Ad Libitum Food Intake

Kevin D Hall et al.,

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31105044/

加工していない食品と「超加工食品」を自由に食べさせたら、加工食品だと1日約500kcal多く食べて体重が増えてそれに伴って各種パラメーターが変化した、という研究。

だから全て加工が悪いと著者がnewsweekで主張している。むしろそのことに驚く。何が何でも食べ過ぎが悪いとは言いたくないんだ?

(著者はNIDDKの研究者で数学モデルが専門)

そして問題はこの手の主張が政治力をもっていて世界の主流だとされていること。

 

-CDCは一般人向けに推奨隔離検疫期間を更新して短縮

CDC Updates and Shortens Recommended Isolation and Quarantine Period for General Population

December 27, 2021

https://www.cdc.gov/media/releases/2021/s1227-isolation-quarantine-guidance.html

現在のCOVID-19とオミクロン変異株の知見に基づき、CDCはCOVID-19感染者の推奨隔離期間を10日から5日に短縮する。検査陽性者は5日隔離し、症状がなければその後5日間はマスクをして隔離を終了しても良い。濃厚接触者は5日間の隔離とその後5日間の厳密なマスク使用、あるいは5日間の隔離が不可能なら10日間良くフィットするマスクを常に使用。(N95指定とかではなくサージカルマスクの上から布マスク等でもいいらしい)

(またマスクしている人=感染者のイメージを固定させるような。)

 

-イングランドでは新年前にさらなる制限はしない、Sajid Javid確認

Covid: No further restrictions in England before New Year, Sajid Javid confirms

By Daniel Keane

https://www.standard.co.uk/news/uk/covid-sajid-javid-no-restrictions-new-year-b973996.html

人々は大晦日の祝賀を楽しめる。注意は呼びかける

クリスマス期間の最新感染・入院者データを見た後でBoris Johnson首相がトップ科学アドバイザーの説明を受けて決定した

(感染者は12月25日113628人、26日103558、27日98515人)

 

-Covid:フランスはオミクロン急増の中規制強化

Covid: France tightens restrictions amid Omicron surge

https://www.bbc.com/news/world-europe-59805829

土曜日の新たな感染者が10万人を超え、1月3日から可能な人はリモートワーク、屋内イベントは2000人までに制限する。しかし大晦日の夜間外出禁止は行わない

2021-12-27

[EFSA]意見等

-新規食品としてのトンカットアリの根抽出物の安全性

Safety of Eurycoma longifolia (Tongkat Ali) root extract as a novel food pursuant to Regulation (EU) 2015/2283

EFSA Journal 2021;19(12):6937  22 December 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6937

(科学的意見)

このNFはトンカットアリ(Eurycoma longifolia Jack)の乾燥した根のチップスから調整した標準化水抽出物で、申請者は最大200 mg/日の量で食品サプリメントとして使用することを提案している。対象集団は妊婦と授乳中の女性を除く成人集団である。このNFの特徴的な成分はグリコサポニン(40–65%)とユーリコマノン(0.8–1.5%)である。また、カンチン-6-オンアルカロイドとイソスコポレチン(クマリン)も含まれる可能性がある。このNFは2009年以降様々な国際市場に存在している。パネルは、このNFの染色体異常誘発性を示す、提出されたin vitro染色体異常検査の陽性結果に留意した。要請されたフォローアップin vivo哺乳類アルカリ性コメットアッセイで、このNFは、最初の接触部位(胃や十二指腸)の組織で、調べた最大量(2,000 mg/kg体重(bw))で陽性結果を示した。調べた組織の病理学的評価から、このコメットアッセイの陽性結果は細胞毒性よりも遺伝毒性によることが示された。これらをまとめると、パネルは、このNFはDNA損傷を誘発する可能性があり、特に最初の接触部位である組織には局所的に懸念されると結論した。パネルはこのNFの安全性はどんな使用条件でも立証されないと結論した。

 

-新規食品としてのミジンコウキクサ粉末の安全性

Safety of Wolffia globosa powder as a Novel food pursuant to Regulation (EU) 2015/2283

EFSA Journal 2021;19(12):6938  22 December 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6938

(科学的意見)

ミジンコウキクサは水生植物で、水レンズ豆科の38種類のうちの1つで、5つの属(すなわちSpirodela、Landoltia、Lemna、Wolffiella、Wolffia)で構成されている。このNFは管理された状況でミジンコウキクサ植物の栽培で生産された。このNFの主な構成成分はタンパク質、食物繊維、脂肪である。パネルはこのNFの微量元素や汚染物質の濃度は、この植物の耕作条件や肥料の組成に大きく依存すると言及した。このNFは様々な食品分野の食品成分や食品サプリメントとして使用することを意図している。対象集団はもっぱら成人が摂取することを意図した食品サプリメントを除いて、一般集団である。パネルは、マンガン摂取に関する懸念を除き、このNFの組成を考慮して、提案した使用条件で、このNFの摂取は栄養的に不利ではないとした。このNFで提出された亜慢性毒性試験は多くの重要な知見を明らかにし、パネルは中間用量(6.5 g/kg体重(bw) /日)を無毒性量(NOAEL)とした。タンパク質濃度を基にして、パネルはこのNFの摂取はアレルギー反応を引き起こす可能性があると考えた。パネルは、食品成分や食品サプリメントとして使用するこのNF由来マンガンの摂取量の増加は安全上の懸念であり、このNFの安全性は立証できないと結論した。

 

[FDA]FDAはMoor Herbsの乳幼児向け「ヘルシービューティー」エンジェルフォーミュラに警告

FDA Alert on “Healthy Beauty” Angel Formula Intended for Infants and Children by Moor Herbs

December 23, 2021

https://www.fda.gov/food/alerts-advisories-safety-information/fda-alert-healthy-beauty-angel-formula-intended-infants-and-children-moor-herbs

目的

FDAは、Moor Herbs社のエンジェルフォーミュラがFDAの乳児用調整乳の栄養、食品表示及び他の要件に合わないため、この製品の利用や購入を止めるよう両親や保護者に助言している。この製品は乳児用調整乳(すなわち、生後12ヶ月未満の子供用の母乳の完全あるいは一部代替を目的とした製品)として販売されているが、この製品に必要な市販前の乳児用調整乳の通知がFDAに提出されていない。

問題の概要と範囲

FDAはMoor Herbs社のエンジェルフォーミュラのサンプルを購入し、乳児用調整乳として販売されているにもかかわらず、テストの結果、その特定の栄養や表示条件に合わなかったと判断した。製品を検査した際、鉄、ナトリウム、カリウムの含有量は許可されている最大量をはるかに上回り、それにより鉄の過剰摂取および/または電解質の不均衡を起こす可能性がある。さらに、この製品にはビタミンDが含まれておらず、ビタミンD不足は骨が柔らかく弱くなって、くる病になる可能性がある。

この企業は、乳児用調整乳を製造する企業への条件である州の免許なく製品を製造し続け、FDAに登録していなかった。さらに、ミシガン州の農業農村開発省は2021年8月にMoor Herbs社製品を押収し、この企業に改善命令を出した。だが、Moor Herbs社は命令に反して製品を販売し続けていた。現時点で、この製品の利用に関連する有害事象はFDAに報告されていない。

FDAの対策

2021年12月22日にFDAはMoor Herbs社との議論後に、共にこの製品を自主回収している。FDAは「ヘルシービューティー」エンジェルフォーミュラの購入を避けるよう、また家庭にあるこれらの製品を廃棄するよう消費者に助言するために、この公衆衛生の助言を発表している。

消費者への助言

Moor Herbs社のエンジェルフォーミュラを購入した乳児の両親や保護者は、この製品の使用を中止し、廃棄すること。FDAは消費者にこの製品の問題を報告するよう奨励している。これらの製品を使用し、子供の健康を心配する乳児の両親や保護者は担当医に連絡すること。

FDAへの問題報告

苦情や有害事象(病気や深刻なアレルギー反応)を報告するためにできることは:

直接この問題について人と話したい場合は、FDAの消費者苦情調整係に電話すること。

オンラインで任意の電子MedWatchフォームを完成すること。

FDAに郵送できる任意のMedWatchフォーム用紙を完成すること。

(健康意識の高いお母さん向けの植物でできたミルク代用品、と表示されている)

 

[EU]RASFF 2021(1219-1225)

警報通知(Alert Notifications)

中国産大麦若葉粉末のエチレンオキシド、ドイツ産原料ハンガリー産乾燥ディルチップスのリニュロン、フィリピン産チリ風味インスタント麺の未承認物質エチレンオキシド、ベトナム産アジアパールフクロタケ(Asian Pearl Straw Mushroom)のクロルピリホス及びフィプロニル、ハンガリー産ガチョウの胸肉フィレ及びもも肉のダイオキシン及びダイオキシン様PCBs、スペイン産ナイロン製穴あき杓子からの一級芳香族アミン(アニリン)の溶出、スペイン産有機パプリカ粉末のベンゾ(a)ピレン及び多環芳香族炭化水素、オランダ産ハーブブレンドのエチレンオキシド、トルコ産乾燥イチジクのアフラトキシン、オランダ産カモミールティーのピロリジジンアルカロイド、クロアチア産ポーランド経由有機大豆のブタクサの種子高含有、トルコ産オレガノのピロリジジンアルカロイド、韓国産オランダ経由即席インスタント麺の野菜フレークの未承認物質エチレンオキシド、ブラジル産オランダ経由種なし白ブドウの未承認物質マトリン、中国産 HPMCカプセルの2-クロロエタノール、トルコ産ブルガリア経由煎った殻付きピスタチオのアフラトキシン、スペイン産食品サプリメントの未承認物質エチレンオキシド、ギリシャ産種抜きグリーンオリーブのバッチの二酸化硫黄(SO2)非表示、オランダ産煎ったピーナッツフレーバーリキッドの2-クロロエタノール、

注意喚起情報(information for attention)

インド産ガラムマサラの多環芳香族炭化水素、タイ産乾燥冷凍ホソヒラアジのヒスタミン、モロッコ産ザクロの未承認物質オメトエート及びジメトエート、ロシア産クリスピーピーナッツキャンディーのアフラトキシン、オランダ産原料ベトナム産解凍調理済バナメイエビの亜硫酸塩非表示、インド産クロタネソウ種子のクロルピリホス及びヘキサクロロベンゼン、南アフリカ産グレープフルーツのプロピコナゾール、モロッコ産豆のオキサミル、アルゼンチン産レモンのプロピコナゾール、スリランカ産motta karuppan米の未承認物質トリシクラゾール、アイルランド産有機生乳チェダーチーズのヒスタミン、トルコ産煎った塩味殻付きピスタチオのアフラトキシン及びオクラトキシンA、インド産ブラッククミンシードの未承認物質クロルピリホス、トルコ産カリフォルニアペッパーの未承認物質クロルピリホス、

通関拒否通知(Border Rejections)

トルコ産生鮮ペッパーのホスチアゼート、トルコ産殻付きピスタチオのアフラトキシン、中国産アカシア蜂蜜の未承認物質マトリン、ブラジル産茹でピーナッツ穀粒のトリクロピル、イラン産皮付き乾燥リンゴのプロパルギット、イラン産乾燥タンジェリンのエチオン、イラン産乾燥レッドオレンジのプロピコナゾール及び未承認物質クロルピリホス、イラン産乾燥オレンジのプロピコナゾール、ジョージア産ヘーゼルナッツのアフラトキシン、アゼルバイジャン産ヘーゼルナッツのアフラトキシン、トルコ産パプリカのアセタミプリド及び未承認物質クロルピリホス-メチル、トルコ産オレンジのクロルピリホス-メチル及びフェンバレレート、インド産パーボイルドバスマティ米の未承認物質クロルピリホス、エジプト産殻付きピーナッツのアフラトキシン、米国産ピーナッツ穀粒のアフラトキシン、トルコ産殻付きピーナッツのアフラトキシン、トルコ産殻を取ったピスタチオのアフラトキシン、中国産英国経由メラミン皿からのホルムアルデヒドの溶出、中国産子供用陶器マグからの鉛の溶出、トルコ産生鮮マンダリンのクロルピリホス-メチル、トルコ産生鮮ペッパーのクロルピリホス-メチル、トルコ産生鮮オレンジのプロクロラズ・未承認物質クロルピリホス-メチル及びエスフェンバレレート、

 

[HK] 硝酸塩と亜硝酸塩 - 添加するべきか、すべきでないか?

Nitrate and Nitrite – To Add or Not to Add?

15 Dec 2021

https://www.cfs.gov.hk/english/multimedia/multimedia_pub/multimedia_pub_fsf_185_02.html

なぜ食品に硝酸塩や亜硝酸塩が含まれるのか?

硝酸塩と亜硝酸塩は窒素循環の一部として天然に発生し、土壌、水及び食品に含まれる。硝酸塩は植物の成長にとって必須栄養素であり、容易に亜硝酸塩に変換され、元に戻る。硝酸塩は葉物野菜に最も含有量が多く、ほとんどの野菜に含まれる。硝酸塩と亜硝酸塩は肉類など他の食品にも少量ながら天然に含まれる。

ヒトは長い間、肉の保存料として硝酸塩と亜硝酸塩を使用してきた。亜硝酸塩は食品保存のための有効成分であり、一方、硝酸塩は食品中の細菌に還元されて亜硝酸塩に変換後、保存機能を発揮する。硝酸塩と亜硝酸塩は加工肉の安全性を保つために重要であり、現在のところ、費用対効果の高い代替品はない。

また、硝酸塩と亜硝酸塩は加工肉の色を引き立たせる。亜硝酸塩はまず筋肉の色素、ミオグロビンと反応する一酸化窒素を生成する。それは加熱すると、特徴的なピンク色の原因となる。また、硝酸塩と亜硝酸塩は、保存中の酸化による異臭の発生を防止する。

硝酸塩と亜硝酸塩は安全か?

硝酸塩はヒトの腸内で亜硝酸塩に変換され、その後、内因性ニトロソ化を引き起こす可能性があり、生成されるN-ニトロソ化合物による健康への有害影響が懸念される。

国際がん研究機関(IARC)は加工肉を「ヒトに対する発がん性がある」と分類する。IARCは、摂取された硝酸塩及び亜硝酸塩の発がん性を評価し、特定の条件下で硝酸塩及び亜硝酸塩がニトロソアミンなどのN-ニトロソ化合物を生成し、動物実験においてがんの原因となる可能性があるという考察に基づき、「ヒトに対しておそらく発がん性がある」と分類している。しかし、食品中の硝酸塩や亜硝酸塩自体がヒトのがんの原因であるエビデンスは不十分であり、限定的である。また、加工肉の摂取と発がんリスクの増加との関連には、他の要因の可能性もある。例えば、加工肉を火にかける高温調理は、発がん又は発がんが疑われる物質の多環芳香族炭化水素や複素環芳香族アミンなどの化学物質を生成する。この関連性についてはまだ十分に解明されていないが、加工肉はナトリウム(塩分)や飽和脂肪酸を多く含むことが多いため、過剰摂取を避けるべきである。

FAO/WHO合同食品添加物委員会は、硝酸塩と亜硝酸塩の安全性を評価し、メトヘモグロビン血症などの健康への有害影響がない量に基づくガイダンス値を示した。欧州食品安全機関は,食品添加物としての亜硝酸塩の使用に伴う体内でのニトロソアミンの生成を推定し、許容量で食品に添加される亜硝酸塩及び硝酸塩の許容値の使用は安全であると結論づけている。

香港の硝酸塩及び亜硝酸塩の規制管理について

香港では、硝酸塩と亜硝酸塩は、塩漬け肉を含む特定の食品において、指定された量でのみ使用が許可される。包装食品に硝酸塩や亜硝酸塩を使用する場合は、食品医薬品(組成と表示)規則の要件に従って成分表に表示しなければならない。

 

[WHO]出版物

Publications

WHO飲料水質ガイドラインの開発のためのバックグラウンド文書

22 December 2021

-ニッケル

Nickel in drinking-water

https://www.who.int/publications/i/item/WHO-HEP-ECH-WSH-2021.6

-アスベスト

Asbestos in drinking-water

https://www.who.int/publications/i/item/WHO-HEP-ECH-WSH-2021.4

-マンガン

Manganese in drinking-water

https://www.who.int/publications/i/item/WHO-HEP-ECH-WSH-2021.5

-銀

Silver in drinking-water

https://www.who.int/publications/i/item/WHO-HEP-ECH-WSH-2021.7

 

[DWI]飲料水報告書2021

Drinking Water 2021

https://www.dwi.gov.uk/what-we-do/annual-report/drinking-water-2021/

第二四半期報告書発表

209件の規制違反が報告されている

微生物、濁り、放射性物質(シリー諸島でアルファ線とベータ線とラドン、コーンウォールはもともとバックグラウンドが高い)等

 

英国政府

COVID-19モデラーが最悪の結果しか見ないというのは事実ではない

It’s not true COVID-19 modellers look only at worst outcomes

24 December 2021

From:Government Office for Science and Sir Patrick Vallance

https://www.gov.uk/government/speeches/its-not-true-covid-19-modellers-look-only-at-worst-outcomes

The Timesに2021年12月24日に発表された記事

ワクチン学は我々にブースターの重要性を教え、ウイルス学は気道や肺でのウイルスの複製速度の違いを教える。疫学は人々の間での拡散の速度や割合に知見を与える。同時に臨床データのモニタリングはオミクロンの重症度を見定めようとする。非常に多くの異なる要因が関係するため、疫学モデラーはその全てを解明しようとする困難な仕事をもつ。彼らは異なるたくさんのシナリオをモデル化しようとしている。モデラーは常に広範な可能性についての仮定をするが最悪の場合のみをモデル化しているわけではない。SAGEの仕事は「合理的な最悪シナリオ」を含む助言を提供することで、答えや指示を提供することではない

(いろいろ略。疫学モデルへの風当たりが強いようだ。予言みたいに報道するから。)

 

その他

-クリスマスツリーは本物と偽物のどちらが環境により優しい?

Is it more environmentally friendly to get a real or fake Christmas tree?

Ada McVean B.Sc. | 23 Dec 2021

https://www.mcgill.ca/oss/article/environment-general-science/it-more-environmentally-friendly-get-real-or-fake-christmas-tree-0

本物の木の方が明らかに良さそうだと思えるかもしれないがそれほど簡単ではない。ツリー自体の環境負荷を最小にしたいなら人工のツリーを2-9年使うのがいい。しかし何より大事なのは家の近くで買うことだ。ツリーそのものよりあなたの移動の方がはるかに環境影響が大きいので。

(北米だと車で相当な距離を運ぶんだろう)

 

-酸素添加水を飲む意味はあるか?

Is there any point in drinking oxygenated water?

Joe Schwarcz PhD | 23 Dec 2021

https://www.mcgill.ca/oss/article/health-and-nutrition-you-asked/there-any-point-drinking-oxygenated-water

シンプルな答えはノー!

しばしばアスリートを標的にした「酸素水」販売業者が効果を宣伝しているが理論的にも実験的にも意味は無い。さらに酸素水周辺には汚染により大気の酸素濃度が減っているからスーパー酸素水で補充しなければならないという馬鹿げた主張もある。全くのナンセンスである。他にも「酸素をマイクロカプセル化した水クラスター中に安定化」「水分子の酸素摂取能力を強化」「酸素の半径より小さいO2, O4, O5, O6 および O7を使用」のような戯言が宣伝されている。騙されないように。

2021-12-24

[EFSA]新規食品としてのターメリック(ウコン)由来テトラヒドロクルクミノイドの安全性

Safety of tetrahydrocurcuminoids from turmeric (Curcuma longa L.) as a novel food pursuant to Regulation (EU) 2015/2283

EFSA Journal 2021;19(12):6936  22 December 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6936

(科学的意見)

申請者は妊婦と授乳中の女性以外の成人に最大用量 300 mg/dayで食品サプリメントにこのNFを使用することを提案した。NFの組成と提案した使用条件を考慮すると、このNFの摂取は栄養的に不利ではない。このNFに遺伝毒性に関する懸念はない。このNFで実施された90日間経口毒性試験と生殖/発達毒性スクリーニングテストに基づき、パネルは安全量 2 mg/kg体重/日を導出している。対象集団ではこの量は140 mg/日に相当し、これは申請者が提案した使用量よりも少ない。パネルは、このNF、ターメリック(ウコン)由来テトラヒドロクルクミノイドは対象集団に140 mg/日で安全だと結論した。

 

[BfR]食品サプリメントのクルクミン:許容一日摂取量を超えている可能性がある

Curcumin in food supplements: Acceptable daily intake may be exceeded

14 December 2021

https://www.bfr.bund.de/cm/349/curcumin-in-food-supplements-acceptable-daily-intake-may-be-exceeded.pdf

ターメリックやクルクミンはスパイスや食品添加物(E100)として知られているだけではない。食品サプリメントにも、よくクルクミンの多い抽出物としてウコンの根茎の成分が含まれることがある。さらに、ペッパーのピペリンやピペリンの多い抽出物もこれらの製品に加えられることがある。ピペリンはクルクミンの生物学的利用能を高める可能性があり、クルクミンがより体内に吸収される。

食品添加物(E100)としてのクルクミンの評価の文脈の中で、欧州食品安全機関(EFSA)はクルクミンの許容一日摂取量(ADI) 3 mg/kg 体重 (bw)/日を導出した。ADIは、健康への検出可能なリスクなく生涯にわたって毎日摂取できる物質の量を規定する。ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は、食品中のクルクミンによる、特にクルクミン強化食品サプリメントによる健康リスクの評価の基礎としてこの値を用いた。長期的に、全ての供給源からのクルクミンの総摂取量は3 mg/kg bw/日を超えてはならない。食品サプリメント以外に、食品添加物やスパイスもクルクミン源になる可能性がある。長期間この値を超過した場合、わずかでも、健康有害影響が生じる可能性がある。これは特に感受性の高い人に当てはまる。

特に、BfRはクルクミンの生物学的利用能を高めるためにピペリンが添加されている、クルクミン含有食品サプリメントの摂取に関連する可能性のある健康リスクを評価した。だが、そのような製品の正確な成分はかなり多様な可能性があるため、BfRの観点からは一般的な評価はできない。評価は常に組成の知られている特定の製品について行うべきである。この文脈で、生物学的利用能を改善したクルクミンを含む製剤の毒性に関する研究も基本的に必要である。ここでの1つの側面は、これらの製品が肝臓に損傷を与える可能性があるという問題で、それにはまだ十分に答えることができない。肝臓に損傷を与える影響の可能性はすでに、たいていはピペリンの添加によって生物学的利用能を改善したクルクミン含有製品で観察されている。だが、いくつかの事例では、これらの製品には(一部)この原因となる可能性のある他の成分も含まれている。

 

[BfR]恐怖の果実

Fruits of fear

14.12.2021

https://www.bfr.bund.de/en/press_information/2021/48/fruits_of_fear-291110.html

BfR2GO最新号は残留農薬への恐怖について

・流行しているが注意して 蜜蝋コート布

・植物保護製品は意図した通りに使われれば懸念とはならない

・化学なしにははたらかない

(EUの農場から食卓まで戦略を批判している)

・食品添加物

・リスクの可視化

・コロナウイルスは我々がデータをもっとよく理解する必要があることを示している 我々は単にそこにあるというだけで不完全なデータをあまりにも過大に評価する

・ヘンプ周辺の誇大宣伝 THCとCDB

・香料

・ビタミンD

・フォローアップミルク、幼児用ミルク

・輸送時の危険

・ニコチンパウチ

・PFAS

・(実験用)マウスの福祉

 

[BfR]コロナモニター

BfR-Corona-Monitor | 21–22 December 2021

https://www.bfr.bund.de/cm/349/211221-bfr-corona-monitor-en.pdf

(クリスマスが近いせいか外出や友人に会うこと等が増えている)

 

[FSA]FSAは致死の体重減少物質DNPを販売した男性への判決を歓迎する

FSA welcomes sentencing of man for supplying lethal weight loss substance DNP

21 December 2021

https://www.food.gov.uk/news-alerts/news/fsa-welcomes-sentencing-of-man-for-supplying-lethal-weight-loss-substance-dnp

2,4-ジニトロフェノール(DNP)という非常に毒性の強い工業薬品を販売し、減量のためのダイエット製品として違法に販売した男性に判決が下された。

 

[FSA]FSAの国家食品犯罪ユニットは、繁忙期であるクリスマスの時期に、企業が詐欺から身を守るための支援を行う

The FSA’s National Food Crime Unit supports businesses to protect themselves from fraud, over the busy festive period

22 December 2021

https://www.food.gov.uk/news-alerts/news/the-fsas-national-food-crime-unit-supports-businesses-to-protect-themselves-from-fraud-over-the-busy-festive-period

英国食品安全基準庁(FSA)の国家食品犯罪ユニットは、食品詐欺防止のため「食品偽装レジリエンスツール」の利用を企業に呼びかけ、個々のニーズに基づいたヒントやアドバイスを提供する。

 

[FSAI] 食品表示 - 消費者に提供される情報に関する規則改正についてのEUのパブリックコメント募集

Food Labelling – EU Public Consultation on the Revision of Rules on Information Provided to Consumers

Wednesday, 22 December 2021

https://www.fsai.ie/news_centre/food_labelling_consultation_22122021.html

欧州連合(EU)は、消費者への食品情報の提供(FIC)に関する規則(EU)No 1169/2011の改訂について意見募集。市民、専門家、非専門家の関係者の意見を収集する。

 

[FSAI]リコール

-The Little Milk Co.はヒスタミン濃度が高いため、Organic Irish Cheddarをリコール

Recall of a Batch of The Little Milk Co. Organic Irish Cheddar due to Elevated Levels of Histamine

Wednesday, 22 December 2021

https://www.fsai.ie/news_centre/food_alerts/little_milk_co_organic_cheddar.html

The Little Milk Co.は、ヒスタミン濃度が高いため、アイルランド産オーガニックアイリッシュチェダーチーズをリコール。製品写真あり。

 

-安全でない濃度のデルタ-9-テトラヒドロカンナビノール(THC)が含まれていたため、Kama Hemp CBDアクティブカプセルをリコール

Recall of Kama Hemp CBD Active Capsules Due to the Presence of Unsafe Levels of Delta‐9‐tetrahydrocannabinol (THC)

Thursday, 23 December 2021

https://www.fsai.ie/news_centre/food_alerts/kama_hemp_cbd_active_capsules.html

安全でない濃度のデルタ-9-テトラヒドロカンナビノール(THC)が含まれていたため、 アイルランド産Kama HempのCBD アクティブカプセルをリコール。製品写真有り。

 

-安全でない濃度のデルタ-9-テトラヒドロカンナビノール(THC)が含まれていたため、Global Botanics CBDペーストをリコール

Recall of a Batch of Global Botanics CBD Paste Due to the Presence of Unsafe Levels of Delta‐9‐tetrahydrocannabinol (THC)

Thursday, 23 December 2021

https://www.fsai.ie/news_centre/food_alerts/global_botanics_cbd_paste.html

安全でない濃度のデルタ-9-テトラヒドロカンナビノール(THC)が含まれていたため、 アイルランド産Global Botanics のCBDペーストをリコール。製品写真有り。

 

[FDA] FDAはFSMAの特定の適用除外を説明するガイダンスを更新する

FDA Updates Guidances that Explain Certain Exemptions from FSMA

December 21, 2021

https://www.fda.gov/food/cfsan-constituent-updates/fda-updates-guidances-explain-certain-exemptions-fsma

 米国食品医薬品局(FDA)は、FDAのジュースHACCP(危害分析重要管理点)、シーフードHACCP、低酸性缶詰の規制の対象となる食品生産者向けに、FDA食品安全強化法(FSMA)の規則とFSMA以前の規則の関連を説明する3つのガイダンス文書を更新した。

https://www.fda.gov/regulatory-information/search-fda-guidance-documents/guidance-industry-juice-haccp-and-fda-food-safety-modernization-act

 

https://www.fda.gov/food/guidance-documents-regulatory-information-topic-food-and-dietary-supplements/seafood-guidance-documents-regulatory-information

 

https://www.fda.gov/food/guidance-documents-regulatory-information-topic-food-and-dietary-supplements/acidified-low-acid-canned-foods-guidance-documents-regulatory-information

 

[FDA]FDAは喫煙者のニコチンへの暴露と摂取を減らすのに役立つタバコ製品の販売を許可する

FDA Authorizes Marketing of Tobacco Products that Help Reduce Exposure to and Consumption of Nicotine for Smokers Who Use Them

December 21, 2021

https://www.fda.gov/food/cfsan-constituent-updates/fda-updates-guidances-explain-certain-exemptions-fsma

 米国食品医薬品局(FDA)は、22nd Century Group Inc.社の燃焼式フィルター付き紙巻きタバコ製品を、喫煙者のニコチンへの暴露と摂取を減らすのに役立つリスク低減タバコ製品(MRTPs)として販売を許可した。MRTPとして認可された初の燃焼式タバコであり、また、特定の物質の「暴露量低減」令を受けた2番目のタバコ製品である。

 

[FDA]警告文書

Wholly Liquid Nutritional Supplements LLC

DECEMBER 09, 2021

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/wholly-liquid-nutritional-supplements-llc-617324-12092021

未承認の医薬品、不正表示の問題。

 

The Famous Lartigue Seafood

DECEMBER 13, 2021

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/famous-lartigue-seafood-622879-12132021

水産食品HACCP、食品CGMP規則違反、不純品、衛生管理の問題。

 

Sarita's Tortilla Factory, Inc

NOVEMBER 22, 2021

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/saritas-tortilla-factory-inc-617384-11222021

食品CGMP違反、調理、包装、衛生管理、不純品の問題。

 

[FDA]FDAは中国の新しい施設登録要件に基づく食品の輸出を促進するための措置を講じる-政令248

FDA Takes Steps to Facilitate the Export of Food under China’s New Facility Registration Requirements – Decree 248

December 21, 2021

https://www.fda.gov/food/cfsan-constituent-updates/fda-takes-steps-facilitate-export-food-under-chinas-new-facility-registration-requirements-decree

情報更新。FDAは、中国税関総署(GACC)に対し、Export Listing Module(ELM)を通じて、中国での登録勧告を求めた米国の事業所のリストを提供した。

 

[FDA]FDAはスコンブロトキシン(ヒスタミン)生成魚と水産物の腐敗とヒスタミンに関するコンプライアンス方針ガイドの草案を発行する

FDA Issues Draft Compliance Policy Guide for Decomposition and Histamine in Scombrotoxin (Histamine)-forming Fish and Fishery Products

December 23, 2021

https://www.fda.gov/food/cfsan-constituent-updates/fda-issues-draft-compliance-policy-guide-decomposition-and-histamine-scombrotoxin-histamine-forming

FDAは、魚及び水産物の腐敗及びヒスタミンに関する現行のCPG Sec.540.525を改訂するコンプライアンス政策ガイド(CPG)草案を発行。

https://www.fda.gov/regulatory-information/search-fda-guidance-documents/cpg-sec-540525-draft-scombrotoxin-histamine-forming-fish-and-fishery-products-decomposition-and

 

[ヘルスカナダ]ヘルスカナダはカナダの大麻使用についての新たなデータを発表

Health Canada releases new data on cannabis use in Canada

December 23, 2021  

https://www.canada.ca/en/health-canada/news/2021/12/health-canada-releases-new-data-on-cannabis-use-in-canada.html

2021カナダカンナビス調査(CCS)の結果を発表。この調査は2017年から行っていて2021年は4月から6月にデータを集めた。この調査は大麻法の影響を評価するのに使われる

重要な知見は

・カナダ人の10人中7人は信頼できる情報を得ていると感じている

・毎日又はほぼ毎日使用している人が20-24才で2020年の23%から2021年の29%に増加した

・過去12ヶ月に大麻を使用した16才以上は2020年の27%から2021年の25%に低下した

・使用法は喫煙が最も多いが減少し、ベーピング、飲む、皮膚に塗るが増加

・使用者の半分以上が合法的入手

・パンデミックが使用に幾分かの影響を与えている

・大麻使用後に運転した人は16%

 

論文

-労働環境でのホルムアルデヒド暴露は後の認知問題に関連

Exposure to formaldehyde at work linked to cognitive problems later

22-DEC-2021

https://www.eurekalert.org/news-releases/938496

Neurology®に発表されたフランスの研究

 

-SCIENCE VOLUME 374|ISSUE 6575|24 DEC 2021

表紙はPromise in a pill

昨年がワクチンへの期待で今年(来年)は医薬品

SARS-CoV-2への作用メカニズムの違う医薬品が数種類使えるようになってきたのでここから

 

エディトリアル

みためほど簡単ではない

It’s not as easy as it looks

  1. HOLDEN THORP

SCIENCE • 23 Dec 2021 • Vol 374, Issue 6575 • p. 1537

COVID-19パンデミックへの対応に関するたくさんのコミュニケーションの失敗や誤解の中、科学者は自分の仕事を人々に説明するのをもっと上手くやるよう要請されてきた。米国ではオバマ大統領の科学アドバイザーだったJohn Holdrenは全ての科学者がコミュニケーションの訓練を受けて熟達のコミュニケーターになるべきとまで言った。一見良さそうだが可能か?

 

ニュースを一目で

・汚染に取り組む国連委員会?

国連環境総会が2022年2月に、IPCCをモデルにした化学汚染と廃棄物に関するリスクを研究する科学助言団体を作る提案に投票する予定である。1800人以上の科学者が支持の署名をしている

・中国がGM作物認可に動く

 

-食物繊維とプロバイオティクスが腸内マイクロバイオームと悪性黒色腫の免疫療法応答に影響する

Dietary fiber and probiotics influence the gut microbiome and melanoma immunotherapy response

CHRISTINE N. SPENCER et al.,

SCIENCE • 23 Dec 2021 • Vol 374, Issue 6575 • pp. 1632-1640

免疫チェックポイント阻害剤による治療を受けている悪性黒色腫の患者は、食物繊維を多くとってプロバイオティクスを使わないことが最も治療効果があるようだという観察研究

 

-Natureニュース

研究者は途上国でのCOVIDワクチン躊躇が増加していることを恐れる

Researchers fear growing COVID vaccine hesitancy in developing nations

23 December 2021  Smriti Mallapaty

https://www.nature.com/articles/d41586-021-03830-7

科学者は予防接種していない人たちの集団が新たな変異株の発生源になる可能性を心配

ワクチン躊躇は中から高所得国では長い間問題として認識されていた。しかし入手できないことの方が遙かに大きい問題である、世界で最も貧しい国々の一部で、ワクチンを受けたくないことも大きな問題になっていると研究者は言う。南アフリカ、タンザニア、コンゴ民主共和国、パプアニューギニア、ネパールなどが含まれる。

躊躇の理由の一部は世界共通だが地域による違いもある。安全性、政府や医療への信頼、不正確な情報の拡散状況、アクセス不平等、等。