[EFSA]新規食品としてのターメリック(ウコン)由来テトラヒドロクルクミノイドの安全性
Safety of tetrahydrocurcuminoids from turmeric (Curcuma longa L.) as a novel food pursuant to Regulation (EU) 2015/2283
EFSA Journal 2021;19(12):6936 22 December 2021
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6936
(科学的意見)
申請者は妊婦と授乳中の女性以外の成人に最大用量 300 mg/dayで食品サプリメントにこのNFを使用することを提案した。NFの組成と提案した使用条件を考慮すると、このNFの摂取は栄養的に不利ではない。このNFに遺伝毒性に関する懸念はない。このNFで実施された90日間経口毒性試験と生殖/発達毒性スクリーニングテストに基づき、パネルは安全量 2 mg/kg体重/日を導出している。対象集団ではこの量は140 mg/日に相当し、これは申請者が提案した使用量よりも少ない。パネルは、このNF、ターメリック(ウコン)由来テトラヒドロクルクミノイドは対象集団に140 mg/日で安全だと結論した。
[BfR]食品サプリメントのクルクミン:許容一日摂取量を超えている可能性がある
Curcumin in food supplements: Acceptable daily intake may be exceeded
14 December 2021
ターメリックやクルクミンはスパイスや食品添加物(E100)として知られているだけではない。食品サプリメントにも、よくクルクミンの多い抽出物としてウコンの根茎の成分が含まれることがある。さらに、ペッパーのピペリンやピペリンの多い抽出物もこれらの製品に加えられることがある。ピペリンはクルクミンの生物学的利用能を高める可能性があり、クルクミンがより体内に吸収される。
食品添加物(E100)としてのクルクミンの評価の文脈の中で、欧州食品安全機関(EFSA)はクルクミンの許容一日摂取量(ADI) 3 mg/kg 体重 (bw)/日を導出した。ADIは、健康への検出可能なリスクなく生涯にわたって毎日摂取できる物質の量を規定する。ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は、食品中のクルクミンによる、特にクルクミン強化食品サプリメントによる健康リスクの評価の基礎としてこの値を用いた。長期的に、全ての供給源からのクルクミンの総摂取量は3 mg/kg bw/日を超えてはならない。食品サプリメント以外に、食品添加物やスパイスもクルクミン源になる可能性がある。長期間この値を超過した場合、わずかでも、健康有害影響が生じる可能性がある。これは特に感受性の高い人に当てはまる。
特に、BfRはクルクミンの生物学的利用能を高めるためにピペリンが添加されている、クルクミン含有食品サプリメントの摂取に関連する可能性のある健康リスクを評価した。だが、そのような製品の正確な成分はかなり多様な可能性があるため、BfRの観点からは一般的な評価はできない。評価は常に組成の知られている特定の製品について行うべきである。この文脈で、生物学的利用能を改善したクルクミンを含む製剤の毒性に関する研究も基本的に必要である。ここでの1つの側面は、これらの製品が肝臓に損傷を与える可能性があるという問題で、それにはまだ十分に答えることができない。肝臓に損傷を与える影響の可能性はすでに、たいていはピペリンの添加によって生物学的利用能を改善したクルクミン含有製品で観察されている。だが、いくつかの事例では、これらの製品には(一部)この原因となる可能性のある他の成分も含まれている。
[BfR]恐怖の果実
Fruits of fear
14.12.2021
https://www.bfr.bund.de/en/press_information/2021/48/fruits_of_fear-291110.html
BfR2GO最新号は残留農薬への恐怖について
・流行しているが注意して 蜜蝋コート布
・植物保護製品は意図した通りに使われれば懸念とはならない
・化学なしにははたらかない
(EUの農場から食卓まで戦略を批判している)
・食品添加物
・リスクの可視化
・コロナウイルスは我々がデータをもっとよく理解する必要があることを示している 我々は単にそこにあるというだけで不完全なデータをあまりにも過大に評価する
・ヘンプ周辺の誇大宣伝 THCとCDB
・香料
・ビタミンD
・フォローアップミルク、幼児用ミルク
・輸送時の危険
・ニコチンパウチ
・PFAS
・(実験用)マウスの福祉
[BfR]コロナモニター
BfR-Corona-Monitor | 21–22 December 2021
https://www.bfr.bund.de/cm/349/211221-bfr-corona-monitor-en.pdf
(クリスマスが近いせいか外出や友人に会うこと等が増えている)
[FSA]FSAは致死の体重減少物質DNPを販売した男性への判決を歓迎する
FSA welcomes sentencing of man for supplying lethal weight loss substance DNP
21 December 2021
2,4-ジニトロフェノール(DNP)という非常に毒性の強い工業薬品を販売し、減量のためのダイエット製品として違法に販売した男性に判決が下された。
[FSA]FSAの国家食品犯罪ユニットは、繁忙期であるクリスマスの時期に、企業が詐欺から身を守るための支援を行う
The FSA’s National Food Crime Unit supports businesses to protect themselves from fraud, over the busy festive period
22 December 2021
英国食品安全基準庁(FSA)の国家食品犯罪ユニットは、食品詐欺防止のため「食品偽装レジリエンスツール」の利用を企業に呼びかけ、個々のニーズに基づいたヒントやアドバイスを提供する。
[FSAI] 食品表示 - 消費者に提供される情報に関する規則改正についてのEUのパブリックコメント募集
Food Labelling – EU Public Consultation on the Revision of Rules on Information Provided to Consumers
Wednesday, 22 December 2021
https://www.fsai.ie/news_centre/food_labelling_consultation_22122021.html
欧州連合(EU)は、消費者への食品情報の提供(FIC)に関する規則(EU)No 1169/2011の改訂について意見募集。市民、専門家、非専門家の関係者の意見を収集する。
[FSAI]リコール
-The Little Milk Co.はヒスタミン濃度が高いため、Organic Irish Cheddarをリコール
Recall of a Batch of The Little Milk Co. Organic Irish Cheddar due to Elevated Levels of Histamine
Wednesday, 22 December 2021
https://www.fsai.ie/news_centre/food_alerts/little_milk_co_organic_cheddar.html
The Little Milk Co.は、ヒスタミン濃度が高いため、アイルランド産オーガニックアイリッシュチェダーチーズをリコール。製品写真あり。
-安全でない濃度のデルタ-9-テトラヒドロカンナビノール(THC)が含まれていたため、Kama Hemp CBDアクティブカプセルをリコール
Recall of Kama Hemp CBD Active Capsules Due to the Presence of Unsafe Levels of Delta‐9‐tetrahydrocannabinol (THC)
Thursday, 23 December 2021
https://www.fsai.ie/news_centre/food_alerts/kama_hemp_cbd_active_capsules.html
安全でない濃度のデルタ-9-テトラヒドロカンナビノール(THC)が含まれていたため、 アイルランド産Kama HempのCBD アクティブカプセルをリコール。製品写真有り。
-安全でない濃度のデルタ-9-テトラヒドロカンナビノール(THC)が含まれていたため、Global Botanics CBDペーストをリコール
Recall of a Batch of Global Botanics CBD Paste Due to the Presence of Unsafe Levels of Delta‐9‐tetrahydrocannabinol (THC)
Thursday, 23 December 2021
https://www.fsai.ie/news_centre/food_alerts/global_botanics_cbd_paste.html
安全でない濃度のデルタ-9-テトラヒドロカンナビノール(THC)が含まれていたため、 アイルランド産Global Botanics のCBDペーストをリコール。製品写真有り。
[FDA] FDAはFSMAの特定の適用除外を説明するガイダンスを更新する
FDA Updates Guidances that Explain Certain Exemptions from FSMA
December 21, 2021
米国食品医薬品局(FDA)は、FDAのジュースHACCP(危害分析重要管理点)、シーフードHACCP、低酸性缶詰の規制の対象となる食品生産者向けに、FDA食品安全強化法(FSMA)の規則とFSMA以前の規則の関連を説明する3つのガイダンス文書を更新した。
[FDA]FDAは喫煙者のニコチンへの暴露と摂取を減らすのに役立つタバコ製品の販売を許可する
FDA Authorizes Marketing of Tobacco Products that Help Reduce Exposure to and Consumption of Nicotine for Smokers Who Use Them
December 21, 2021
米国食品医薬品局(FDA)は、22nd Century Group Inc.社の燃焼式フィルター付き紙巻きタバコ製品を、喫煙者のニコチンへの暴露と摂取を減らすのに役立つリスク低減タバコ製品(MRTPs)として販売を許可した。MRTPとして認可された初の燃焼式タバコであり、また、特定の物質の「暴露量低減」令を受けた2番目のタバコ製品である。
[FDA]警告文書
Wholly Liquid Nutritional Supplements LLC
DECEMBER 09, 2021
未承認の医薬品、不正表示の問題。
The Famous Lartigue Seafood
DECEMBER 13, 2021
水産食品HACCP、食品CGMP規則違反、不純品、衛生管理の問題。
Sarita's Tortilla Factory, Inc
NOVEMBER 22, 2021
食品CGMP違反、調理、包装、衛生管理、不純品の問題。
[FDA]FDAは中国の新しい施設登録要件に基づく食品の輸出を促進するための措置を講じる-政令248
FDA Takes Steps to Facilitate the Export of Food under China’s New Facility Registration Requirements – Decree 248
December 21, 2021
情報更新。FDAは、中国税関総署(GACC)に対し、Export Listing Module(ELM)を通じて、中国での登録勧告を求めた米国の事業所のリストを提供した。
[FDA]FDAはスコンブロトキシン(ヒスタミン)生成魚と水産物の腐敗とヒスタミンに関するコンプライアンス方針ガイドの草案を発行する
FDA Issues Draft Compliance Policy Guide for Decomposition and Histamine in Scombrotoxin (Histamine)-forming Fish and Fishery Products
December 23, 2021
FDAは、魚及び水産物の腐敗及びヒスタミンに関する現行のCPG Sec.540.525を改訂するコンプライアンス政策ガイド(CPG)草案を発行。
[ヘルスカナダ]ヘルスカナダはカナダの大麻使用についての新たなデータを発表
Health Canada releases new data on cannabis use in Canada
December 23, 2021
2021カナダカンナビス調査(CCS)の結果を発表。この調査は2017年から行っていて2021年は4月から6月にデータを集めた。この調査は大麻法の影響を評価するのに使われる
重要な知見は
・カナダ人の10人中7人は信頼できる情報を得ていると感じている
・毎日又はほぼ毎日使用している人が20-24才で2020年の23%から2021年の29%に増加した
・過去12ヶ月に大麻を使用した16才以上は2020年の27%から2021年の25%に低下した
・使用法は喫煙が最も多いが減少し、ベーピング、飲む、皮膚に塗るが増加
・使用者の半分以上が合法的入手
・パンデミックが使用に幾分かの影響を与えている
・大麻使用後に運転した人は16%
論文
-労働環境でのホルムアルデヒド暴露は後の認知問題に関連
Exposure to formaldehyde at work linked to cognitive problems later
22-DEC-2021
https://www.eurekalert.org/news-releases/938496
Neurology®に発表されたフランスの研究
-SCIENCE VOLUME 374|ISSUE 6575|24 DEC 2021
表紙はPromise in a pill
昨年がワクチンへの期待で今年(来年)は医薬品
SARS-CoV-2への作用メカニズムの違う医薬品が数種類使えるようになってきたのでここから
エディトリアル
みためほど簡単ではない
It’s not as easy as it looks
- HOLDEN THORP
SCIENCE • 23 Dec 2021 • Vol 374, Issue 6575 • p. 1537
COVID-19パンデミックへの対応に関するたくさんのコミュニケーションの失敗や誤解の中、科学者は自分の仕事を人々に説明するのをもっと上手くやるよう要請されてきた。米国ではオバマ大統領の科学アドバイザーだったJohn Holdrenは全ての科学者がコミュニケーションの訓練を受けて熟達のコミュニケーターになるべきとまで言った。一見良さそうだが可能か?
ニュースを一目で
・汚染に取り組む国連委員会?
国連環境総会が2022年2月に、IPCCをモデルにした化学汚染と廃棄物に関するリスクを研究する科学助言団体を作る提案に投票する予定である。1800人以上の科学者が支持の署名をしている
・中国がGM作物認可に動く
-食物繊維とプロバイオティクスが腸内マイクロバイオームと悪性黒色腫の免疫療法応答に影響する
Dietary fiber and probiotics influence the gut microbiome and melanoma immunotherapy response
CHRISTINE N. SPENCER et al.,
SCIENCE • 23 Dec 2021 • Vol 374, Issue 6575 • pp. 1632-1640
免疫チェックポイント阻害剤による治療を受けている悪性黒色腫の患者は、食物繊維を多くとってプロバイオティクスを使わないことが最も治療効果があるようだという観察研究
-Natureニュース
研究者は途上国でのCOVIDワクチン躊躇が増加していることを恐れる
Researchers fear growing COVID vaccine hesitancy in developing nations
23 December 2021 Smriti Mallapaty
https://www.nature.com/articles/d41586-021-03830-7
科学者は予防接種していない人たちの集団が新たな変異株の発生源になる可能性を心配
ワクチン躊躇は中から高所得国では長い間問題として認識されていた。しかし入手できないことの方が遙かに大きい問題である、世界で最も貧しい国々の一部で、ワクチンを受けたくないことも大きな問題になっていると研究者は言う。南アフリカ、タンザニア、コンゴ民主共和国、パプアニューギニア、ネパールなどが含まれる。
躊躇の理由の一部は世界共通だが地域による違いもある。安全性、政府や医療への信頼、不正確な情報の拡散状況、アクセス不平等、等。