[ヘルスカナダ] 助言等
-LinkGlobal Food Inc.により回収されている未承認の「Yunnan Baiyao 歯磨き粉」は処方薬を含み、深刻な健康リスクを引き起こす可能性がある
Unauthorized "Yunnan Baiyao Toothpaste" is being recalled by LinkGlobal Food Inc. because it contains a prescription drug and may pose serious health risks
October 4, 2019
https://healthycanadians.gc.ca/recall-alert-rappel-avis/hc-sc/2019/71191a-eng.php
ヘルスカナダは未承認の「Yunnan Baiyao 歯磨き粉」は処方薬(トラネキサム酸)を含み、深刻な健康リスクを引き起こす可能性があるため回収しており、市民に注意を呼び掛けている。製品は中国語で包装や表示がされている。製品写真あり。
- Passion Fem; Natura-One Passion Femの製品回収措置(2019-10-04)
Passion Fem; Natura-One Passion Fem (2019-10-04)
October 4, 2019
https://healthycanadians.gc.ca/recall-alert-rappel-avis/hc-sc/2019/71211r-eng.php
一部製品に表示されない成分シルデナフィルを含む。
-Centrum Multigummies Multi + Antioxidantの製品回収措置(2019-09-30)
Centrum Multigummies Multi + Antioxidant (2019-09-30)
September 30, 2019
https://healthycanadians.gc.ca/recall-alert-rappel-avis/hc-sc/2019/71181r-eng.php
一部製品の分析が規格外。
[ODS] ファクトシート更新
マンガン
Manganese
Fact Sheet for Consumers
October 8, 2019
https://ods.od.nih.gov/factsheets/Manganese-Consumer/
新規追加。
[FSAI] 野生の狩猟肉を提供する狩猟者
Hunters Supplying Wild Game
2/10/2019
https://www.fsai.ie/faq/hunters_supplying_wild_game.html
食品法とヒト消費用の野生の狩猟肉を提供する狩猟者についての情報更新。
[FDA]FDAはFSVP(外国供給業者検証プログラム)に従い、必要な記録リストを発表する
FDA Publishes List of Records Required Under FSVP
October 7, 2019
https://www.fda.gov/food/cfsan-constituent-updates/fda-publishes-list-records-required-under-fsvp
輸入業者が作成し維持しなければならないFSVP記録を確定するのに役立つよう、FDAはFSVP規則により要求される記録リストを利用できるようにした。
[FDA]警告文書
- Ibitta Enterprises, Inc.
September 27, 2019
ダイエタリーサプリメントのCGMP違反、不純品、不正表示の問題。
- Herbal Healer Academy, Inc.
September 12, 2019
未承認の医薬品、ダイエタリーサプリメントの不純品、不正表示の問題。
[FDA] ADM Animal NutritionはMoorMan’s® ShowTec® Lamb Creep DCを回収措置
ADM Animal Nutrition Recalls MoorMan’s® ShowTec® Lamb Creep DC
October 04, 2019
ADM Animal Nutritionは羊用飼料の製品に高濃度の銅を含む可能性があるため、自主回収措置。
[フィンランド食品局]種子部門は既に次の世紀を見ている-100年ごとのセミナーの概要
The seed sector already looks into the next century - proceedings from the centennial seminar
October 8/2019
フィンランドの種子監視は9月10日に100周年を祝った。そのイベントで将来を見越したプレゼンが行われた。
プレゼン資料がダウンロードできる
(気候変動や食料安全保障などの課題に対して種子の交配方法を制限すべきでないという主張をしている人がいる。ゲノム編集のこと)
[FSANZ]食品基準通知
Notification Circular 98–19
9 October 2019
http://www.foodstandards.gov.au/code/changes/circulars/Pages/NotificationCircular9819.aspx
大麦穀粒のイマザピルのMRLを0.05 ppmから0.7 ppmにすることについて2019年10月24日まで意見募集
[Codex]コーデックス基準:質の同義語
Codex standards: a synonym for quality
08/10/2019
http://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1237179/
論文
-子ども時代初期に魚を食べると疾患リスクが減る
Fish in early childhood reduces risk of disease
8-Oct-2019
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-10/nuos-fie100419.php
Nutrientsに発表されたノルウェーの調査。約1才の時に魚を食べていた子どもは6才の時に親が報告する湿疹や喘息の率が低い。
-誰が健康について事実を語っているか?
Who is telling the truth about their health?
8-Oct-2019
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-10/iifa-wit100719.php
研究者や政策決定者は健康に関する質問をするときに自己申告に頼ることがしばしばある。IIASAの研究者らがこの手のデータの信頼性を調べたところ、国や年齢によって自己申告データにはバイアスが大きいことを発見した。PLOS ONE
南欧州の人達は実際より健康だと申告する傾向があり高齢者は不正確率が高い。教育レベルも関係する。自己申告データで比較をする場合には注意が必要。
-The Lancet:低所得4ヶ国における出産時の女性の不当な扱いの根拠
The Lancet: Evidence of mistreatment of women during childbirth in four low-income countries
8-Oct-2019
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-10/tl-pss100719.php
ガーナ、ギニア、ミャンマー、ナイジェリアで出産時の女性2016人の観察と産後の女性2672人の調査で、1/3以上の女性が不当な扱い(身体的あるいは言葉による虐待、差別、烙印、虫、合意やプライバシーの欠如など)を受けていて若く教育レベルの低い女性のリスクが高い。
-「ダークネット」のフェンタニルのリスク
Fentanyl's risk on the 'darknet'
9-Oct-2019
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-10/w-fro100819.php
Contemporary Economic Policy に発表された2014年から2016年のダークネットのオピオイド購入についての解析によると、ベンダーは2014年はフェンタニルを同程度の用量のヘロインに比べて90%値引きの価格をつけていた。さらに2014年から2016年の間にフェンタニルの小売価格は50%減って致死量を買うのに1ドルから2.5ドルになった。
価格低下の傾向を止めたのはダークネット市場への米国の法的対応より中国におけるフェンタニル製造抑制対応であることを示唆する。
その他
セロリジュース:スーパースターかスーパー気まぐれな流行か?
Celery Juice: Superstar or Super Fad?
by Wellness Letter October 07, 2019
https://www.berkeleywellness.com/healthy-eating/food/article/celery-juice-superstar-or-super-fad
最新の「万能薬」として今セロリジュースが流行っている。ソーシャルメディアやインスタグラムで#celeryjuiceを検索すると17500の投稿がある。Gwyneth PaltrowのライフスタイルウェブサイトGoopで毎朝セロリジュースを飲むことを勧め、スーパーモデルのMiranda Kerr や俳優の Busy Philippsも勧めている。多くのジュースチェーンでセロリジュースを提供し瓶詰め製品がスーパーマーケットに並んでいるそして「デトックスジュースクレンズ」の成分としても売られている。
推奨者たちはまるでカルト団体の一員のようで、セロリジュースが中枢神経系に効果があって鬱や記憶障害などに効く、肝機能を助ける、血糖を下げる、毒素を排出する、炎症を抑制する、関節炎を緩和する、腸の健康によい、がんを抑制する、自己免疫疾患を治す、妊娠能力を上げる、そして何より肌を輝かせる、と宣伝する。
健康のためにセロリに関心を寄せるのは新しいことではない。1800年代後半にBrown博士のCel-Rayというセロリベースの炭酸飲料がお腹の調子の薬として宣伝販売された。中国やインドの伝統医療では高血圧などの治療にセロリが使われた。現在の主要プロモーターの一人はAnthony Williamで、自称「世界のセロリムーブメントの創始者」で、インスタグラムのフォローワーは200万人を超える。しかし彼は科学や医学や健康の正規の訓練を受けていない。
(セロリの研究データ略)
基本:もし好きなら、セロリジュースは適量ならバランスのとれた食生活の一部になることはできる-ただし普通の野菜ジュース以上の利益があるという根拠はない。そしてどんな野菜ジュースも万能薬ではない。
そして慢性疾患については確実にAnthony Williamがセロリジュースブログで言うような救世主ではない。彼はそのブログの内容が「正確で、完全え、最新であることを保証しない」と白状している。この自称世界のセロリジュース創始者ですら保証できないというのに、どうして他の人が信用できるだろう?
-世界の野生動物取引の膨大な大きさが明らかになる
Natureニュース
Sweeping extent of global trade in wild animals revealed
07 October 2019
https://www.nature.com/articles/d41586-019-02978-7
ほ乳類、鳥類、両棲類、爬虫類の包括的研究が、約1/5の脊椎動物が世界中で売買されていることを発見
取引されている種は売り買いされていないものより絶滅が危惧されるものである可能性が高い。売買されたせいで絶滅危惧になったのか珍しいから売買されているのかを評価するのは困難だが、この知見は「警鐘をならすもの」である。
(写真はセンザンコウ)
-重炭酸ナトリウム(重曹)ががんを治すと言ったナチュロパスが保健監視機関から永久追放
Naturopath who said bicarbonate soda cures cancer banned for life by health watchdog
Melissa Davey Thu 3 Oct 2019
ニューサウスウェールズ医療苦情委員会(HCCC)は、Barbara O’Neillががん患者に化学療法を避けるように、病気の母親に抗生物質を使用するなと言ったことを発見して医療行為を禁止した
Barbara O’Neillは自称ナチュロパスで栄養士で、国際的に講義をしたり本を書いたり動画を投稿したりしながらクイーンズランド、ビクトリア、NSWの治療院で働いている。HCCCは「O’Neill氏は極めて選択的な情報を提供することでがん患者などの脆弱な人々を誤解させていることを認識していない。O’Neill氏はがんの治療や予防接種を避けるよう薦めることで、個人の健康に壊滅的な影響を与える可能性がある」。またHCCCの調査でO’Neillには何の資格も学位もないことがわかった。O’Neillはセブンスデー・アドベンティスト協会のメンバー。
(この人のナチュラルヒーリングの本、アマゾンで5スターが87%と高評価。サクラなのかそういう人が多いのか)
-トマトに含まれる化合物と精子の質を調べた研究への専門家の反応
SMC UK
expert reaction to study looking at a compound found in tomatoes and sperm quality
October 8, 2019
European Journal of Nutritionに発表された研究が、調理したトマトに含まれる化合物で精子の質が改善できると報告する
Edinburgh大学生殖健康MRCセンター研究グループリーダーRod Mitchell博士
現在生殖能力に問題のある男性の精子の質を改善する方法は限られていて、主にライフスタイルを変えることである。この研究は健康な男性で短期間ラクトリコピンを投与した時の精子の質への影響を調べた。この物質の影響は先に調べられて精子の質を改善するかもしれないと示唆されたが無作為化されていないなどの欠点があり、それに対応しようとして今回の研究が行われた。サプリメントとニセ錠剤を無作為にわりつけて3か月間投与し試験の終わりに精子を数えた。一次エンドポイントである動く精子の濃度には差がなかった。しかし見た目が正常な精子の割合や泳ぐのが早い精子が有意に増えていた。それが生殖能力に影響するかどうかはこの研究からはわからない。
この結果はさらなる研究を求めるものだが、そのような試験には生殖能力に問題のある男性を含め、妊娠と子どもが生まれることを達成できるかどうかを決められるようにすべきだろう。
全体として、この研究は、食事要因が精子の質に影響するという考え方を支持するものだが精子の質には禁煙や健康体重維持などの他の要因も関連することがわかっている。従って健康的ライフスタイル維持が重要であろう。
UCL上級統計学者Graham Wheeler博士
この研究の一次アウトカムである動く精子濃度がラクトリコペン12週間で改善するという根拠は弱く、従ってこの研究を根拠にラクトリコペンが精子の質を改善するという著者らの主張はやや誤解を招く。この研究では各群で精子の質の変化を別々に検討していて、警告すべきこととして、RCTの本質である投与群と対照群の変化を直接比較していない。従ってラクトリコペンの影響が本当にプラセボより良いかどうかは言えない。解析対象はたった56人の男性で、この数は統計学的に正当化できない。全ての参加者は健康な男性である。またラクトリコペンの作用メカニズムも不明でそのようなサプリメントが不妊男性に利益があるかどうかはわからない。
Southampton大学生殖医学教授Ying Cheong教授
このRCTは一部サプリメント企業からの資金提供を受けて行われた。一次アウトカムに有意差はなくサブ解析で幾分かの観察結果を得た。この研究は我々の知識を増やすがラクトリコペンサプリメントが生殖能力を改善するかどうかはわからない。エンドポイントを子どもが生まれることにすればもっとインパクトがあっただろう。トマトは生殖のためではなく美味しいから食べるのである。
CARE Fertility創設者で会長Simon Fishel教授
この研究は尊敬する科学者グループによる興味あるものだが、生殖能力については以下の問題点がある
・健康な男性で行われたので実際に問題のある男性で調べる必要がある
・精子の質が良くても受精できない男性もいるし精子の質が悪くても自然に父になる男性もいるという事実は、男性の生殖能力には精子の運動や形だけでは説明できないものがあることを示す
・この研究は極めて小規模
現実に不妊の男性にはまだ適用できない
英国男性病学会長でQueen’s University Belfast生殖医学名誉教授Sheena Lewis教授
健康なボランティアによる小規模研究で、不妊の男性に当てはめるのは難しい。臨床的アウトカムは調べられていない。