2020-07-01

[EFSA]意見等

-子豚用、他の育ち盛りの豚用、鶏肥育用、他の家禽肥育用、観賞鳥用TechnoSpore® (Bacillus coagulans DSM 32016株)の安全性と有効性

Safety and efficacy of TechnoSpore® (Bacillus coagulans DSM 32016) for piglets, other growing Suidae, chickens for fattening, other poultry for fattening and ornamental birds

EFSA Journal 2020;18(6):6158 25 June 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6158

 

-24‐エピブラシノリドの農薬リスク評価ピアレビュー

Peer review of the pesticide risk assessment of the active substance 24‐epibrassinolide

EFSA Journal 2020;18(6):6132  23 June 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6132

情報不足が確認された。懸念は確認されなかった。

 

-各種作物と動物由来製品のフロニカミドの輸入トレランス設定

Setting of import tolerances for flonicamid in various crops and products of animal origin

EFSA Journal 2020;18(6):6136  23 June 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6136

植物と動物本体のフロニカミドの残留物を管理するのに利用可能な執行のための分析法が得られた。EFSAはフロニカミドの最新の消費者リスク評価を更新し、承認されたフロニカミドの米国の用途は毒性学的参照値を超える急性あるいは慢性の消費者暴露とはならず、そのため、消費者の健康へのリスクになりそうもないと結論した。

 

[ASA]CBD-簡単な(大麻の)歴史と混乱しない方法

CBD – A potted history and how not to hash up

CAP News 26 Jun 2020

https://www.asa.org.uk/news/cbd-a-potted-history-and-how-not-to-hash-up.html

カンナビジオール(CBD)含有製品の消費者意識は最近高まっており、これらの製品の宣伝が増えている。CBD製品は経口製剤として販売されるのが最も一般的である。CBD含有製品は分類するのが難しい場合がある。だが、CBD製品が関連するすべての規則や法令に従っていることを保証するのは販売会社の責任である。

分類と主張に関する上位のヒントを挙げる

違法な物質

CBD製品には大麻の主な精神活性化合物であるTHCを微量含むものがある。そのためCBD含有製品の販売会社は内務省のファクトシートを考慮して製品を市場に出す前に専門的な法的助言を求めた方が良い。

医薬品

英国医薬品医療製品規制庁(MHRA)は英国の医薬品規制機関である。薬効があると提示されているCBD含有製品は医薬品として分類される可能性があり、市販前に認可が必要である。販売会社はCBD含有製品に役立つ付属書(付属書10)を含むMHRAガイダンスノート8を読む必要がある。十分に検討したうえで販売会社がその製品の状態についてまだわからないことがあれば、MHRAはさらなる助言を提供できる可能性がある。

MHRAの認可のない販売会社はCBD含有製品の宣伝に薬効を主張してはならない。

新規食品

医薬品以外の製品はEU規則では新規食品として分類される可能性がある。新規食品は販売前に正式な認可を必要とする。

これに関する詳細なガイダンスを探している販売会社は英国食品基準局(FSA)のカンナビジオール(CBD)のガイダンスを考慮する必要があり、その製品の法的立場に確信がなければ、FSAに連絡する必要がある。

食品

製品が上記の分類のいずれにも該当しなければ、「食品/ 食品サプリメント」と考えられる。食品はそれ自体がEU規則の対象で、CAPコードのセクション15に該当する。

EU規則のリストに掲載されている認可を受けた特定の健康強調表示だけが、その製品が使用条件を満たしている場合のみ、食品の宣伝に使用できる。全体として製品よりも成分に関して主張する必要があり、言い回しの柔軟性は許されるもののそれは消費者の理解を深めるための変更でなければならず、言い換えた主張は同じ意味を持たなければならず、認可された主張を誇張してはならない。広く漠然とした一般的な健康強調表示は、関連する特定の認可された健康強調表示を伴う必要がある。

だが要件はそこで終わることはなく、その製品が「食品/ 食品サプリメント」であれば、販売会社はセクション15や健康強調表示と食品に関する私達の助言文書を習熟しなければならない。

この点に関する詳細は、CBD製品に関する助言オンライン文書参照。

あなたの製品が間違いなく食品サプリメントである、あるいはMHRAの医薬品認可があるなら、私達のコピー助言チームはCAPコードに関連した放送以外の宣伝に関するオーダーメイドの助言を提供することも可能である。

 

[FDA]FDAはホメオパシーと表示されている未承認注射薬の製造業者4社に警告

FDA Warns Four Manufacturers of Unapproved Injectable Drugs Labeled as Homeopathic

June 16, 2020

https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/fda-warns-four-manufacturers-unapproved-injectable-drugs-labeled-homeopathic

患者の健康に重大なリスクとなりうる違法なもので注射薬には特に懸念している。さらに問題なのは有毒成分を含むと表示されていることである

現在ホメオパシーと表示されて販売されている医薬品でFDAが認可したものはなく、FDAはそれらが現代の安全性と有効性と品質の基準を満たすことを保証できない

これらの企業が販売している医薬品の多くにはホミカ、ベラドンナ、水銀、鉛などの有毒な可能性のある成分が含まれると表示されている。これらを直接血中に注射することは重大な害をもたらす可能性がある

(ホメオパシーに注射用なんかあった?)

 

[USDA]フランスの科学的報告書がグリホサート使用禁止は不耕起持続可能農業に害を与えることを発見

FAS

French Scientific Report finds banning Glyphosate use harms no-till sustainable agriculture

June 22,2020

https://apps.fas.usda.gov/newgainapi/api/Report/DownloadReportByFileName?fileName=French%20Scientific%20Report%20finds%20banning%20Glyphosate%20use%20harms%20no-till%20sustainable%20agriculture_Paris_France_06-17-2020

フランス政府の農業研究所(INRAE)が、グリホサート禁止はフランスの農家の不耕起および保全農業の生産コストをあげる可能性があると報告。慣行栽培の耕す土地では生産コストは上がるだろうが影響はそれほど大きくない

フランスは2022年までにグリホサートを禁止する予定だが農家はそれが農業に与える負の影響を強調したこの報告などで政府の再検討や延期を望んでいる

 

[RIVM]予防接種率増加、HPVさえ著しく

Vaccination rate increased, HPV even significantly

06/30/2020

https://www.rivm.nl/en/news/vaccination-rate-increased-hpv-even-significantly

ここ5年で初めて国の予防接種計画による予防接種を受けた子どもたちの数が僅かに増加した。2019年予防接種計画年次報告書による。

DKTPは2才時点で92.6%、BMRは93.6%。2017年生まれの子どもの90.8%が国の計画の全ての予防接種を受けている。2005年生まれの少女のHPV予防接種は7.5%から53%に増加、14才以降に受けた人も含むと58.5%

 

論文

-欧州からのプラスチックリサイクルがアジアの水に捨てられていることを研究が発見

Study finds that plastic recycling from europe being dumped in Asian waters

30-JUN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-06/nuoi-sft063020.php

リサイクル用に輸出されたプラスチックの最大31%が全くリサイクルされていない

GALWAYアイルランド国立大学がEnvironment Internationalに発表した研究。欧州で分別したプラスチックゴミの46%が輸出されていて、それらは主に東南アジアのゴミ管理能力の乏しいところで最終的に海洋のゴミとなっている

 

-研究者らは持続可能でないクマ製品の使用の消費者基盤を発見

Researchers discover unknown consumer base for unsustainable bear product use

29-JUN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-06/sdzg-rdu062920.php

新米および妊娠中の母親が妊娠関連の病気に熊の胆レメディを使っている

Journal of Ethnobiology and Ethnomedicineに発表されたSan Diego Zoo Globalの研究者らのカンボジアでの調査

(密猟問題)

 

-軽い飲酒は脳機能を守るかもしれない

Light drinking may protect brain function

30-JUN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-06/uog-ldm063020.php

JAMA Network Openに発表されたアメリカの中高年の研究。軽度飲酒の定義は男性の場合週に15杯以下女性は8杯以下。

「この研究は認知機能低下を予防するために飲酒を勧めるものではない」

(メディアが喜んで報道している)

 

-自称ペニシリンアレルギーのための抗生物質の変更は不必要な可能性が高い

Many antibiotic substitutions for self-reported penicillin allergies likely unnecessary

30-JUN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-06/mgh-mas063020.php

JAMA Internal Medicine。ペニシリンにアレルギーがあると報告した入院患者にはしばしば別の抗生物質が投与されるがこれらの人の多くはペニシリンアレルギーであることが確認できない

(ペニシリンアレルギーが有名なのでそう信じている人が多い)

 

その他

-Scienceニュース

アメリカ人のちょうど50%がCOVID-19ワクチンを接種する予定。残りを説得する方法

Just 50% of Americans plan to get a COVID-19 vaccine. Here’s how to win over the rest

By Warren Cornwall Jun. 30, 202

https://www.sciencemag.org/news/2020/06/just-50-americans-plan-get-covid-19-vaccine-here-s-how-win-over-rest

コロナウイルスワクチンはまだないのに、活動家は既に攻撃の準備ができている

米国で初めて新型コロナウイルスが確認された1月20日から数日以内に反ワクチン活動家はこのウイルスは詐欺で予防接種で金儲けをするための陰謀だとTwitterに書いていた。

それから約半年後、世界中の科学者がワクチン開発を急ぐ中、まだ認可されたワクチンはなく公衆衛生機関はワクチン接種を推進するキャンペーンはまだやっていない。しかし健康コミュニケーションの専門家は今から受容のための地ならしが必要だという、なぜなら反ワクチン活動家のデマが氾濫しているからだ。

ソーシャルネットワークにおける反ワクチングループのダイナミクスを研究しているGeorge Washington大学の物理学者Neil Johnsonは、活動家たちが既に過熱状態になっている、という。ここ一二ヶ月でワクチンについて質問するフェイスブックのページの10%が既に反ワクチンに見解を変更したと彼は推測している。

米国での最近の世論調査ではワクチンを受けると回答したのはたった50%で、1/4が決めかねている。ウイルスのリスクが高いコミュニティの一部で疑いが深い:黒人では40%がワクチンを受けないと回答している。フランスでは26%がコロナウイルスワクチンは接種しないだろうという。

パンデミックの前から、世界中の公衆衛生機関はますます洗練された反ワクチン運動に対抗するのに苦労してきた。どんなコロナウイルスワクチンでも、さらにハードルが高いだろう。安全な使用歴がないからだ。

(以下略。)

 

-安全なグリルのために、この技をやってみて

For Safer Grilling, Try This Trick

by WELLNESS LETTER  July 01, 2020

https://www.berkeleywellness.com/healthy-eating/food-safety/article/safer-grilling-try-trick

この夏のより安全なバーベキューのために、肉やチキンや魚をグリルする前に酢で味付けして。Meat Scienceに発表されたポルトガルの研究によると、そうすることでこれらを高温で加熱したときにできる発がんの可能性のある物質暴露を減らせる。

研究者らはポークロインステーキを炭火バーベキューで焼く(200℃10分、一回ひっくり返す)直前に霧吹きで酢を片側5回スプレーした。酢の種類により、肉のPAHが92%も減った

 

 

2020-06-30

[HSA]警告

-オンラインで販売されている'Serifa Beauty Solidmolid'と 'LKS Coffee'に禁止物質が含まれ有害影響を与える

HSA Alert: 'Serifa Beauty Solidmolid' and 'LKS Coffee' Sold Online Found to Contain Banned Substance, Causing Adverse Effects

29 JUNE 2020

https://www.hsa.gov.sg/announcements/press-release/hsa-alert-'serifa-beauty-solidmolid'-and-'lks-coffee'-sold-online-found-to-contain-banned-substance-causing-adverse-effects

シブトラミンを検出、製品の写真は添付ファイル

 

-'Clinic K'と 'RO Slim Booster'には禁止物質、'Rozell Detox'には強力な下剤が検出された

HSA Alert: 'Clinic K' and 'RO Slim Booster' Found to Contain Banned Substance, 'Rozell Detox' Detected with Potent Laxative

22 Jun 2020

https://www.hsa.gov.sg/announcements/press-release/hsa-alert-clinick-roslimbooster-rozelldetox

シブトラミンとセンノシド、製品の写真は添付ファイル

 

[CFIA]最前線:COVID-19パンデミック中の重要なサービスを提供する

On the frontlines: delivering vital services during COVID-19

June 2020

https://www.inspection.gc.ca/chronicle-360/global-leader/on-the-frontlines-delivering-vital-services-during/eng/1593113653344/1593113653750

COVID-19中、CFIA職員を含めた最前線で働く人々について。

 

[FSAI] Breakfast Bite:食品安全トレーニング

Breakfast Bite: Food Safety Training

Wednesday, 24 June 2020

https://www.fsai.ie/Breakfast_Bite_Training_08_07_2020.html

小規模事業者向けのオンラインウェビナー。

 

[FSS] 食品事業者及び従業員向けCOVID-19ガイダンス

Food Standards Scotland training tool helps local authorities and industry cater to consumers with food allergies

23 Jun 2020

https://www.foodstandards.gov.scot/news-and-alerts/food-standards-scotland-training-tool-helps-local-authorities-and-industry-cater-to-consumers-with-food-allergies

FSSは製造業やケータリングにおける食品アレルゲンについての意識向上のため、新たなオンライントレーニングツールを作成した。

 

[SFA] ドリアンの安全性

Safety of Durians

Friday, June 12, 2020

https://www.sfa.gov.sg/food-information/risk-at-a-glance

導入

ドリアンは「フルーツの王様」としても知られるが、独特の強いにおいと殻の鋭いとげで知られている。シンガポールでは、ドリアンは丸ごと売られるかあるいは割って、封された持ち帰り用の箱に包装されている。ドリアンの季節は毎年6月から9月の間で、ドリアン愛好者はさまざまな種類のドリアンを享受できる。

ドリアンの需要が多いため、農家の中には、より大きく生長させ、より良い見た目のために基準値超過のあるいは禁止されている農薬を使用する人もいるかもしれないという懸念がある。

この記事はドリアンの安全性に関する詳しい情報とどのように食べるのが安全かを述べる。

ドリアン栽培で使用される農薬はどうか?

栽培中、農家は環境中のさまざまな害虫を殺すために、作物に被害を与え、作物生産の減少になる農薬を作物に使用するかもしれない。

いくつかの一般的な農薬は殺虫剤(害虫を殺す)、殺菌剤(菌を殺す)及び除草剤(雑草を殺す)である。

ドリアン栽培において、農薬は一般的にスプレー散布され、農薬の飛沫が作物にかかる。

農薬は高濃度で、長期間摂取される場合、ヒトに有害になることがある。免疫システムを弱体化させる、さらに疾患に感染しやすくなるといった慢性的な影響につながる可能性がある。それゆえ、農家はヒトの健康に害を引き起こさない濃度で、農薬を使用することが求められる。

シンガポールのドリアンは食べて安全なのか?

シンガポールの食品が食べて安全であることを保証するため、SFAには食品に残留する可能性のある許可された農薬の残留量を制限する規則がある。

SFAは、SFAの食品安全性監視計画の一環として、ドリアンを含め食品中の残留農薬の検査を定期的に行う。食品はSFAの調査や食品安全性検査で合格と認められない場合、販売が許可されない。

ドリアンに対するSFAの検査では残留農薬は大部分が殻に検出されることが示されてきた。ドリアンの果肉に残留農薬が検出される場合には、残留農薬は安全な基準内の非常に低い濃度である。

ドリアンはSFA認可の輸入業者により輸入されなければならない。食品販売業者は販売する食品がSFA規制を受けていること、安全かつ衛生的に調理、加工されていること、食品安全性を維持していることを保証する責任がある。

どのように自分の役割を果たすか

消費者は購入したドリアンが食べて安全であることを保証する役割を果たすことができる。以下の注意事項に従うこと:

ドリアンの購入

・丸ごとのドリアンは、ドリアンの殻がかけたり、割れたりしていないことを確認すること。

・茎の色を見て、ドリアンの新鮮具合を確認すること。収穫されたばかりのドリアンは緑色あるいは明るい色の茎であるが、収穫され日にちの経ったものは酵素的褐変により黒い茎である。

・例えば、ドリアンの果肉部を取り扱うときは手袋を変える、あるいは殻からドリアンの果肉部を切り取るための衛生的なナイフを使用するといった、適切な食品衛生管理を行う販売業者から購入すること。

・包装されたドリアンは、ドリアンの果肉が汚染を防ぐために封された容器に入れてあることを確認すること。

・ドリアンをオンラインで購入する場合、注意して決めること。購入前に情報を確認し、評判のいいところから購入するようにすること。

ドリアンの食べ方と保管

・素手でドリアンの殻を扱ったり、割ったりした後は、素手でドリアンの果肉を食べる前に、手を完全に洗うこと。可能なら、ドリアンを割るとき手袋をつけること。

・素手でドリアンを食べながら、ドリアンの殻を触らないようにすること

・食べないドリアンは、2日から4日以内に食べる場合は冷蔵庫に保管し、それより長い期間保管する場合は冷凍すること。ドリアンの果肉の乾燥やにおいの拡散を防ぐため、密閉容器を使用するこ

 

[EU]EU再開

Re-open EU

https://reopen.europa.eu/en

EU各国の旅行や安全性に関する情報をまとめたサイト

行き先の国を選ぶと移動に関する条件等の情報が見られる

 

[UK]COVID-19迅速エビデンス要約:COVID-19にビタミンD

NICE

COVID-19 rapid evidence summary: vitamin D for COVID-19

Evidence summary [ES28]

Published date: 29 June 2020

https://www.nice.org.uk/advice/es28/chapter/Key-messages

COVID-19の治療や予防のためにビタミンDサプリメントを摂ることを支持する根拠はない。しかし全ての人は英国政府の助言(1日平均10マイクログラム相当のビタミンDを摂ること)に従うように

 

[Defra]Defraの食品廃棄イニシアチブが成果を出す

Defra food waste initiatives bear fruit

26 June 2020

https://www.gov.uk/government/news/defra-food-waste-initiatives-bear-fruit

国中の団体がDefraの数百万の資金を使って余った食品を再配布し廃棄を減らした

 

[RIVM]欧州北部の大気中放射性物質

Radioactive substances in the air over Northern Europe

06/28/2020

https://www.rivm.nl/en/news/radioactive-substances-in-the-air-over-Northern-Europe

2020年6月前半、微量の人工放射性物質が欧州北部のいくつかの計測所で観察された。スウェーデン、ノルウェー、フィンランドの放射線防護機関がこのことをウェブで報告している。RIVMは入手可能なデータからこの発生源を推測した。

ノルウェーではI131が、スウェーデンとフィンランドではセシウム134、セシウム137、コバルト60、ルテニウム103が検出されている。量は非常に少なく、環境や健康への影響はない。オランダでは人工放射性物質は検出されていない。RIVMは放射能の測定を継続的に行っている。

検出された放射性物質は人工であり、この組み合わせからは原子炉の燃料に異常があったことで説明可能である。発生源の計算からは東南方向から観測地点に到着したことを示す。距離は不明であり可能性のある地域は広大で特定地域はわからない

 

[RIVM]COVID-19(新型コロナウイルス)についての最新情報

Current information about COVID-19 (novel coronavirus)

06/29/2020

https://www.rivm.nl/en/novel-coronavirus-covid-19/current-information

7月1日から、新型コロナウイルスの検査陽性者数、入院数(COVID-19患者)、死亡者数の日々の更新を止める。より多くの情報からなる週ごとの更新に変更する。週報は毎週火曜日に発表される。最初の週報は7月7日の予定である。日々の数値を含むオープンデータはデータ専用サイト(https://data.rivm.nl/geonetwork/srv/dut/catalog.search#/home)から公開される

(オランダは上手。6月から検査を拡大したこともあり検査で陽性になった人と入院が必要な人を明確に分けることをずっとやってきて、政府は入院患者を前面にして発表してきた。検査陽性でも自宅療養が基本なので後で入院する人もいる。しばらく入院者一桁なのでもう一週間単位でいいだろうと。検査陽性者は6月29日は78で大体100弱を維持していてWHOにはそれが報告されている。欧州の他の国でも報告は週一に変えたところがある)

 

[FDA]コロナウイルス(COVID-19)更新

Coronavirus (COVID-19) Update: Daily Roundup June 29, 2020

https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/coronavirus-covid-19-update-daily-roundup-june-29-2020

FDAはFTCと合同で香港にあるSuperHealthGuard and Loyal Great International, Ltd社に警告文書を発行。オンラインで米国の顧客にCOVID-19の予防・診断・治療に関する誤解を招く宣伝で各種製品を販売するのを止めるよう求めた

(中国では認められているTCM(Lianhuaqingwenカプセル(连花清瘟胶囊))を販売)

 

[FSANZ]食品基準通知

Notification Circular 128-20

30 June 2020

https://www.foodstandards.gov.au/code/changes/circulars/Pages/Notificationcirc128-20.aspx

認可とフォーラム通知

アルコールの妊娠警告表示-レビュー

 

論文

-男性機能増強サプリメントを飲み込んだ後の重症低血糖アウトブレイク-バージニア、2019年8-11月

Outbreak of Severe Hypoglycemia After Ingestion of a Male Enhancement Supplement — Virginia, August–November 2019

CDC MMWR / June 19, 2020 / 69(24);740–743

https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/69/wr/mm6924a3.htm?s_cid=mm6924a3_w

コンビニで販売されていた“V8”というダイエタリーサプリメントの使用後に極端な低血糖になる患者が複数報告された。症例定義にあう患者は17人、製品からは糖尿病の治療に使われるスルホニル尿素経口血糖降下薬グリブリドが検出された

症例の記述と製品の写真あり、錠剤の形はシルデナフィルに類似

 

-オハイオ州立大学の研究が運動が母乳の赤ちゃんへの利益を増やすことを発見

Ohio State study finds exercise increases benefits of breast milk for babies

29-JUN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-06/m-oss062420.php

Nature Metabolismに発表された150人の妊娠中と産後の女性の運動量を追跡した研究。妊娠中に活動的だった母親の母乳中3SL (sialyl(α2,3)lactose)量が多い

 

-未殺菌ミルクは良いことより害の方が大きいかもしれない

Raw milk may do more harm than good

29-JUN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-06/uoc--rmm062920.php

米国の小売店で販売されている実殺菌ミルクは、室温に放置すると大量の抗菌剤耐性遺伝子を保有する。Microbiome

 

-世界のCOVID-19の運動への影響:記述研究

Worldwide Effect of COVID-19 on Physical Activity: A Descriptive Study

Geoffrey H. Tison et al.,

https://www.acpjournals.org/doi/10.7326/M20-2665

スマホアプリArgus (Azumio)の2020年1月19日から6月1日までの歩数計データを用いた解析。187カ国455404人のデータが提供され、世界全体ではパンデミック宣言後平均歩数は減っているが地域により大きな差がある

(日本も含まれる、グラフあり。)

 

-ヒトでパンデミックを起こす可能性のある豚インフルエンザ系統が中国の豚から検出されることが増えている

Scienceニュース

Swine flu strain with human pandemic potential increasingly found in Chinese pigs

By Jon CohenJun. 29, 2020 ,

https://www.sciencemag.org/news/2020/06/swine-flu-strain-human-pandemic-potential-increasingly-found-chinese-pigs

PNAS

 

その他

-Natureニュース

世界で二番目に恐ろしいエボラのアウトブレイクがコンゴ民主共和国で終わった

World’s second-deadliest Ebola outbreak ends in Democratic Republic of the Congo

26 JUNE 2020  Amy Maxmen

https://www.nature.com/articles/d41586-020-01950-0

この流行で2000人以上が亡くなったが、初めてこのウイルスへのワクチンが広く使われた

アウトブレイク期間中に30万人以上にエボラワクチンが接種された

さらに抗体をベースにした二つの医薬品mAB114とREGN-EB3が感染後すぐ入院した人達の死亡率を劇的に下げた

(コンゴ北東部のアウトブレイク。コンゴでは別にもう一件エボラアウトブレイク発生中)

 

-Boris Johnsonが国民にダイエットを勧め、胃バンドがメニューに

Gastric bands on menu as Boris Johnson puts nation on diet

Caroline Wheeler and Rosamund Urwin Sunday June 28 2020,

https://www.thetimes.co.uk/article/gastric-bands-on-menu-as-boris-johnson-puts-nation-on-diet-vccfrdvjs

首相がCovid-19の第二波の影響を抑えるための肥満対策として肥満手術をより広範に行うことが含まれる。自身も死にそうになって劇的に肥満対策に目覚めてダイエット中の首相は来月英国民のウエストを減らすための計画の概要を示す予定。

(Boris Johnson首相は入院時のBMIが36程度だったと報道されている)

 

-英国中の警察がロックダウンが緩和される「スーパーサタデー」の暴動を抑えるために心の準備

Police across UK braced to quell disorder as lockdown eased on ‘Super Saturday’

https://www.standard.co.uk/news/crime/police-braced-disorder-super-saturday-lockdown-eased-a4482866.html

フラストレーションが溜まった人々が7月4日の土曜日に再開されるパブやレストランやその他公共施設で「新たな自由」を楽しもうとしていることに警戒

Brixtonで水曜日の夜に違法なブロックパーティーを止めさせようとした警官が数十人傷害されるなどの事件がおこっている

(肥満は手術しないとダメなレベルで警察を動員しても言うことを聞かない人達がいるのに数理モデルではロックダウンと緩和を繰り返すとこうなる、と論文書くのが世界トップレベルの公衆衛生学なのかという疑問が。自分ですら従わない前提条件で計算した結果に何の意味が?)

 

-何故ニュージーランドは行き詰まりのリスクがあるのか

Why NZ risks becoming a Covid-free cul-de-sac

Jun 29 2020 Luke Malpass

https://www.stuff.co.nz/national/politics/opinion/121968524/why-nz-risks-becoming-a-covidfree-culdesac

NZが多大な犠牲を払ってCovidを排除したところに最近の帰国者の輸入症例と検疫での不手際があり、与党も野党もいかに外部から入ってくるものに厳しく対応するかを競うしか選択肢がなくなった。

(オーストラリアとすら行き来できない)

 

2020-06-29

[EU]RASFF Week26-2020

警報通知(Alert Notifications)

オランダ産チョコレートの未承認物質テトラヒドロカンナビノール(THC) (969 µg/kg)及び未承認新規食品成分カンナビジオール(CBD) (318 mg/kg)、イタリア産赤ワインのオクラトキシンA (3.88 µg/kg)、スペイン産乾燥イチジクのアフラトキシン(B1 = 32; Tot. = 90 µg/kg)、ドイツ産炭酸カフェイン入りコーラ味飲料入りボトルの破損と爆発のリスク

注意喚起情報(information for attention)

2,4-ジニトロフェノール (DNP)のオンライン販売、米国産食品酵素の未承認遺伝子組換え微生物DNA、モルドバ産グリーンウォルナットチンキの多環芳香族炭化水素(PAH4の合計: 1.93 µg/kg)・トルエン(161 mg/l)及びキシレン(505 mg/l)、スペイン産スロベニア経由解凍キハダマグロフィレのヒスタミン(1333.9 mg/kg)、インド産冷凍キハダマグロのヒスタミン(387 mg/kg)、ドイツ産解凍マグロステーキの水銀(1.27 mg/kg)、

フォローアップ用情報(information for follow-up)

ニュージーランド産食品酵素の未承認遺伝子組換え微生物DNA、フランス産未承認遺伝子組換えα-アミラーゼ酵素、ドイツ産食品酵素の未承認遺伝子組換え微生物DNA、ポーランド産食品酵素の未承認遺伝子組換え微生物DNA、エクアドル産飼料用エビ粉末の亜硝酸ナトリウム(E250)高含有(96.9 mg/kg)及び未承認飼料添加物エトキシキン(E324) (0.42 mg/kg)、イタリア産トマトペーストのアルテルナリオール(32.6 µg/kg)及びテヌアゾン酸(2713 µg/kg)、オランダ産飼料用CBDオイルの未承認飼料添加物カンナビジオール(CBD)、ドイツ産チューインガムの未承認新規食品成分カンナビジオール(CBD)、チェコ共和国産動物用CBDオイルの未承認飼料添加物カンナビジオール(CBD)、

通関拒否通知(Border Rejections)

トルコ産ペッパーのブプロフェジン(0,120 mg/kg)・ピリダベン(0,079 mg/kg)及びホルメタネート(1,181 mg/kg)、中国産未承認遺伝子組換え(CryIAb-gene SYBR®Green陽性)有機米麺、アルゼンチン産飼料用ピーナッツのアフラトキシン(B1 = 40.6 µg/kg)、トルコ産ペッパーのフェナミホス(0.088 mg/kg)、ウクライナ産小麦粉のデオキシニバレノール(DON) (1063.39 µg/kg)、

 

[HK]スナック類の糖の多さのワナにはまらないように

Avoid High Sugar Traps in Snacks

Last revision date: 17 Jun 2020

https://www.cfs.gov.hk/english/multimedia/multimedia_pub/multimedia_pub_fsf_167_02.html

「エネルギーバー」や「スナックバー」として販売されている調理済食品は健康的な選択肢だと考える人もいるが、実は糖度が高い(>15g sugars/100g)。「糖のワナ」にはまらないように、このような製品の賢い選び方や健康的な食生活の維持方法を探る。

図1:市販されている様々な製品の糖度は大きく異なる。

糖度の高いBar 1:バー1本を食べると砂糖の推奨一日摂取量のほぼ半分に達する。

糖度の低いBar 2:バー1本を食べると推奨一日摂取量の約12%に達する。

エネルギーバー―健康か誇大広告か?

調理済製品は素早く便利で人気がある。多くのポケットサイズのバーは、穀物、ナッツ、乾燥フルーツ、タンパク質および植物タンパク質を含み、「栄養バー」「エネルギーバー」「タンパク質バー」「ミネラル代替バー」「朝食シリアルバー」「ダイエットバー」など様々な名前で販売されている。エネルギーバーはヘルシーで栄養価のある食事の代替品、あるいは運動後のエネルギー補充といった印象を与えている。

他の食品同様、エネルギーバーはタンパク質、炭水化物、脂質等のマクロ栄養素や、ビタミン類、ミネラル類、必須脂肪酸などの微量栄養素から成る。オート麦や米などに含まれる澱粉や食物繊維などの複合炭水化物(すなわち多糖類)や、スクロース、グルコース、フルクトースなど単炭水化物(すなわち単糖類や二糖類)を含むことがある。砂糖やポリデキストロース、ソルビトールなどの甘味料、マルトデキストリンなどの食品添加物は、食感や甘さのレベルを改善するためにバーに添加される。アスリートの血糖値を適度なレベルに保つのに役立つと主張する一方で、キャンディーバーやパンで生じるのと大差ないくらい血糖値を急上昇させ、その後急速に減少させるエネルギーバーもある。

バーの事実を消化する:栄養表示を読もう

糖類はエネルギーを提供する単炭水化物(単糖類と二糖類)である(糖類1gは4 Kcalを提供する)。遊離糖類を多く含む食品からの過剰なカロリーは、不健康な体重増加や肥満の一因となったり、糖尿病や他の非伝染性疾患のリスクを高めたりする。遊離糖類は、製造業者、料理人、消費者が食品に添加する全ての単糖類及び二糖類のことで、ハチミツ、シロップ、フルーツジュースに天然に存在する糖類も加わる。

包装正面の大きな宣伝文句に消費者が混乱する可能性があるが、一日に推奨される遊離糖類摂取量を超えないように努力するために、成分表を読み製品を比較することを勧める。個人のニーズや活動量に合わせ、また体重管理のために、製品を選択する際に栄養表示を読むと糖含有量とカロリーをよりよく理解できる。

運動後には、炭水化物、タンパク質、水を補充する必要がある。リンゴやバナナなどの持ち運びできる果物はちょうどよく、素早くエネルギーを提供する健康的な選択肢である。間食を選択する際には、カロリー密度の高いエネルギーバーはふさわしい選択肢ではないことを心にとめ、新鮮な果物やトマトなどの健康的な選択肢を検討した方が良い。

 

[BfR]BfR 2 GO

https://www.bfr.bund.de/cm/364/bfr-2-go-issue-1-2020.pdf

科学広報誌

電子タバコ特集

他コロナウイルス、ゲノム編集のリスク認知、シガテラ、フードサプリメント、有機栽培で使用されているBacillus thuringiensisの安全性(オーガニックは無害を意味しない)等

 

[WHO]第一回WHOインフォデミック学会議

1st WHO Infodemiology Conference

30 June – 16 July 2020

https://www.who.int/news-room/events/detail/2020/06/30/default-calendar/1st-who-infodemiology-conference

COVID-19パンデミックの文脈で、「インフォデミック」現象は協調した対応が必要なレベルにまでエスカレートしている。インフォデミックは、流行期に正確なものとそうでないもの両方の情報が過剰になることである。そのため人々が必要な時に信頼できる情報源を見つけるのが困難になる。たとえ人々が質の高い情報にアクセスできても、推奨される行動をとるには乗り越えなければならない障害がある。流行をおこしている病原体のように、デマはさらに早く拡散して健康のための緊急対応に複雑さを増やす。

インフォデミックは排除できないが管理することはできる。インフォデミックに効果的に対応するためにWHOはデマや誤情報を予防し検出し対応するための根拠に基づいた新たの対策を採用し開発し妥当性を評価することを呼びかけている。

この会議において「インフォディック学infodemiology」はインフォデミックを管理するための科学と定義する。この意見募集の目的は関連研究と効果的方法の蓄積とこの分野の発展に必要な公衆衛生研究を同定することである

 

[FSANZ]食品基準ニュース

Food Standards News June 2020

https://mailchi.mp/2ce58f90651a/food-standards-news-june-2020?e=3a1e1487d6

世界食品安全デー2020、栄養成分計算機更新、議会アレルギーとアナフィラキシーの報告書発表、PFAS小委員会公聴会にFSANZが参加して情報提供、JECFA史上初のバーチャル会合6月1-12日、等

 

-オーストラリア議会 健康高齢者福祉スポーツに関する常設委員会

アレルギーの綱渡り

Walking the allergy tightrope

May 2020

https://www.aph.gov.au/Parliamentary_Business/Committees/House/Health_Aged_Care_and_Sport/Allergiesandanaphylaxis/Report

 

[FDA]コロナウイルス(COVID-19)更新:

Coronavirus (COVID-19) Update: Daily Roundup June 26, 2020

https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/coronavirus-covid-19-update-daily-roundup-june-26-2020

詐欺的COVID-19製品を販売している企業に警告文書を発行

次亜塩素酸水皮膚スプレー

(もともとナチュラルでオーガニックの万能アンチエイジング等と宣伝していたもの)

 

[NASEM]効果的肥満コミュニケーションを進化させる:ワークショップの概要

Advancing Effective Obesity Communications: Proceedings of a Workshop

2020

https://www.nationalacademies.org/our-work/roundtable-on-obesity-solutions

2019年9月16日に開催したNASEMの肥満解決法円卓会議による公開ワークショップの概要。

 

論文

-1990年から2017年までの世界の甲状腺がん負担

Global Burden of Thyroid Cancer From 1990 to 2017

YuJiao Deng et al., JAMA Netw Open. 2020;3(6):e208759.

https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2767676

世界で増加傾向、地域により差がある

 

-ガス調理器暴露は血圧を下げる可能性がある、研究が発見

Gas cooker exposure can lower blood pressure, study finds

26-JUN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-06/kcl-gce062620.php

Circulation Researchに発表されたKing's College Londonのチームによる二酸化窒素の心血管系への影響研究。家庭用ガス調理器のそばは空気中の二酸化窒素濃度が10倍に増加しそばにいることで45分後から5mmHg血圧が下がる。また血中亜硝酸塩濃度も15分後から15%増加する

 

-COVID-19予防のための物理的距離をとる、フェイスマスク、目の保護

Physical distancing, face masks, and eye protection for prevention of COVID-19

C Raina MacIntyre Quanyi Wang

THE LANCET VOLUME 395, ISSUE 10242, P1950-1951, JUNE 27, 2020

https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(20)31183-1/fulltext

2009年のH1N1パンデミックから2014年の西アフリカのエボラ流行、そして現在のCOVID-19パンデミックに至るまで、フェイスマスクやレスピレーターを含む各種呼吸器保護法の選択は盛んに議論されてきた。WHOやCDCやその他機関によるCOVID-19ガイドラインでは1-2mの距離をとることについては一貫しているがフェイスマスクやレスピレーターについては矛盾していた。この相違は根拠が不確実であることとSARS-CoV-2の伝染の仕方について合意されていなかったことを反映する。目の保護についてはさらにデータは不確実である。従ってLancetに発表されたDerek Chuらの系統的レビューとメタ解析は重要である。解析可能なRCTは存在しないがChuらは172の観察研究を系統的にレビューしSARS、 MERS 、COVID-19およびベータコロナウイルス類の44の比較研究から入手可能な根拠を厳密に合成した。

その知見は、医療と地域と両方で1mの物理的距離はリスクを82%削減する(調整オッズ比 [aOR] 0·18, 95% CI 0·09–0·38)。1m追加するごとに3mまで相対的保護は2倍以上になる。ほとんどの病院ガイドラインが根拠にしている1-2mの距離をとることは1940年代の時代遅れの知見と2020年の大きなドロップレットが8mも飛ぶことがあるという実験に基づいている。

マスクとレスピレーターは感染リスクを85%下げ、地域より医療現場での効果が大きいと報告している。この違いには医療では主にN95レスピレーターが使用されていることが寄与している。また医療従事者にとって重要な知見は目の保護で感染が78%減るということである。

この知見はユニバーサルフェイスマスクの使用と距離をとることを支持する。

(一部のみ)

Chu DK Akl EA Duda S et al.

Physical distancing, face masks, and eye protection to prevent person-to-person transmission of SARS-CoV-2 and COVID-19: a systematic review and meta-analysis.

Lancet. 2020; (published online June 1.)

https://doi.org/10.1016/S0140-6736(20)31142-9

(社会的socialではなく物理的physical距離をとるという用語を選んでいる様子。そのほうがいいだろうという意見は初期からあった)

 

-Natureニュース

「流行は極めて早く拡大している」:インド政府のアドバイザーがコロナウイルス危機の悪化を恐れる

‘The epidemic is growing very rapidly’: Indian government adviser fears coronavirus crisis will worsen

Priyanka Pulla  26 JUNE 2020

https://www.nature.com/articles/d41586-020-01865-w

Jayaprakash Muliyilはコロナウイルス感染が国内で急増しているという、そして驚くほどの死亡率の低さは誤解を招く可能性がある

インドのこれまでのCOVID-19確認症例は45万を超え、世界で4番目になった。デリーやムンバイなどの大都市は特に影響が大きく、病院は重症患者を受け入れるのに苦闘している。この感染急増は3月25日に始まった2ヶ月半の全インドロックダウンで経済と生活を激しく毀損したあとにおこった。一部の研究者らは政府がこの期間に準備することに失敗したという。インドは苦労しているが、流行の真の大きさはわからないだろう。死亡登録は不完全で死者の数や死因は不正確である。このことが報告されている死亡率の低さに疑問を提示する

Tamil Nadu州のVelloreにあるChristian Medical Collegeの疫学者Jayaprakash Muliyilはインド政府にCOVID-19サーベイランスについて助言してきた。Natureはインタビューした。

(以下インドの状況についてのインタビュー。ロックダウンは正しくなく、多くの人の人生を破壊しその帰結を修復できていない、ロックダウンの効果は人々にCOVID-19を知らせることだった、感染症が理解されていない、等)

 

その他

-COVID-19を予言すると宣伝されている魔法の指輪

The Magical Ring That Was Claimed to Predict COVID-19

Jonathan Jarry M.Sc. | 26 Jun 2020

https://mcgill.ca/oss/article/covid-19-health-technology/magical-ring-was-claimed-predict-covid-19

感染症状が出る3日前に予言できたらどうなる?予言者が「スマートリング」を宣伝販売しているがその主張は空虚である

NBAバスケットボールシーズンがフロリダに帰ってきて、スポーツジャーナリストが選手にはCOVID-19早期警報システムとして最新技術による300ドルの指輪をする選択肢があるという。それはWest Virginia大学のチームと協力した未発表の研究に基づくとメーカーが宣伝している。プレスリリースによると彼らの作った「デジタルプラットフォーム」で、指輪から得たデータを人工知能が解釈してCOVID-19の症状を「最大3日前に」検出できるという。私はこれについて調べてみることにした。

問題の指輪はフィンランドのOura Healthという会社のもので、指輪は心拍数、心拍変動、皮膚の温度、歩数を測定し、付属のアプリに供給する。この種の個人データで何かをするのは興味深く思うかもしれないが、同様の機器は既にあり多くが引き出しにしまわれていること、データが多ければ多いほど良いわけではないことを思い出そう。習慣を変えてより良いものを維持するのは極めて難しい。Ouraリングは病気を予想するようにはデザインされていない。私はWest Virginia大学とOura Healthに連絡してみたがレスポンスはない

(以下類似の研究等の解説略。機器そのものはもともと売ってたもの

https://japanese.engadget.com/nba-oura-smartring-july-055003426.html

 

-コンシューマーラボ

製品レビュー ニンニクサプリメントレビュー

Garlic Supplements Review

6/26/20

https://www.consumerlab.com/reviews/garlic-supplements/garlic/

検査の結果強度に大きな差があった-一部のものはほとんどあるいは全くニンニクが入っていない

(アリシンとアリインとSACを測定している。ニンニクはスパイスとして普通に料理に使う、以外のことはやらないほうがいい)

 

-英国の子どもの肥満はロックダウンで悪化

Britain’s childhood obesity crisis made worse by lockdown

Sunday June 28 2020

https://www.thetimes.co.uk/article/britains-childhood-obesity-crisis-made-worse-by-lockdown-d9pqnpfd3

先週3人の子どもたちの学校に戻る準備をしていたとき、母親は問題を発見した:誰も制服に入らなかったのだ。子どもたちはロックダウンの間スナックを食べていた。

 

-6月初めに再開した行列のできたミシガンの大学のバーでのアウトブレイクで85人以上がコロナウイルスに感染

More than 85 people are infected with coronavirus after outbreak at Michigan college bar that saw lines out the door when it reopened at the start of June

29 June 2020

https://www.dailymail.co.uk/news/article-8469445/More-85-people-infected-coronavirus-outbreak-Michigan-college-bar.html

6月8日にHarper's Restaurant and Brewpubが再開、バーは距離をとろうとしたがドアの外、道路に行列ができた。バーは再び閉鎖

(写真や店からの報告等がある。並ぶときはマスクして、と書いてあるけど誰もしてなさそうだし屋内も混雑していたようだ。そして「オーガニックでグルテンを減らした職人が醸造したビール」を宣伝する店のわかってない感。こっち↓のニュースは屋内の様子の写真

酒飲んで音楽にあわせて踊る場所らしい。日本もだけど「飲食店」とひとまとめにされると普通のレストランが気の毒。

https://www.news.com.au/lifestyle/health/health-problems/coronavirus-us-80-people-infected-after-visiting-packed-pub/news-story/51f0e85e00dc5163250027426e0d65f9

 

-Covid-19:中国はアウトブレイクの中、伝統薬を推す

Covid-19: China pushes traditional remedies amid outbreak

By Pratik Jakhar BBC Monitoring

https://www.bbc.com/news/world-asia-53094603

科学者がCovid-19ワクチン開発に競争する一方、北京は中医(TCM)を治療法として推進する

中国政府が最近公表した白書によると、中国のCovid-19症例のうち92%が何らかの形でTCMで治療されたという。中国ではTCMは世代を超えてとても人気で、専門家は国内にも海外にも拡大したい。しかし医療の専門家はその有用性を疑ったままである

 

-バイエルがジカンバドリフト訴訟で和解

Bayer Settles Dicamba Drift Lawsuits

By Jackie Pucci June 24, 2020

https://www.cottongrower.com/cotton-news/bayer-settles-dicamba-drift-lawsuits/

6月24日の109億ドルの巨額のラウンドアップ訴訟の補足のように、バイエルはジカンバドリフト訴訟でも最大4億ドルの支払いで和解する予定。