2021-05-06

[EFSA]農薬の累積暴露評価の結果に関する優先順位付け方法の影響の可能性

Potential impact of prioritisation methods on the outcome of cumulative exposure assessments of pesticides

EFSA Journal 2021;18(4):EN-6559 27 April 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-6559

この報告書では農薬の累積暴露評価の結果に関する優先順位付け方法の潜在的な影響を述べている。この方法は累積評価グループ(CRAs)設定の面倒な作業を減らすことを目的としている。優先順位付け方法は2段階からなる:1)優先順位の低い物質の同定、2)優先される臓器の同定。第1段階は、神経系の急性影響や甲状腺の慢性影響に関する単一物質のハザード比(HQ)の閾値に基づき、優先順位の低い物質の同定を目的としている。このために、210物質と10調査での慢性と急性のHQsの確率論的計算が行われたる。4つの異なる閾値、すなわち、暴露の99パーセンタイルでHQ 0.1以上、または暴露の99.9パーセンタイルでHQ 0.01、0.1、0.2以上、で優先される農薬が維持されていた。第2段階では、神経系と甲状腺の評価グループ(AGs)が集められ、これらの臓器で得たリスク指標が特定の影響でより高次AGsのリスクと比較された。標的臓器レベルでの重大影響を用いたAGsのリスク評価(すなわち物質の健康影響に基づく指標値を用いる)は実現可能と結論づけられた。優先順位付けの閾値が対象となる臓器レベルでのAGsに、また、特定影響レベルでのAGsに適用された。物質を保持するために99.9パーセンタイルでHQ 0.1以上の優先順位付けの閾値がこれらのAGsに利用できた。それは、総暴露マージンにの実質的な影響を与えることなくAG神経系の物質の数を50%に、AG甲状腺の物質の数を70%に減らした。結論として、優先順位付け方法は、高レベルの保護を提供しながら、CRAを簡素化するために使用でき、費用対効果の高いアプローチに貢献する可能性がある。

 

 

[EU]RASFF 25/04/2021~01/05/2021

警報通知(Alert Notifications)

オーストリア産食料品ではない一般的なセントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)、ナイジェリア産チリペッパー粉末の未承認着色料オレンジⅡ(>0,50 mg/kg)、ギリシャ産オレンジのクロルピリホス(0,06 mg/kg)、エクアドル産冷凍エビの串焼きの亜硫酸塩非表示、ドイツ産食品サプリメントのβカロチンの含有量増加、エジプト産ディルの葉芽のクロルピリホス(0,18 +/ 0,088 und 0,17 +/- 0,087 mg/kg)、インド産有機グアーの未承認物質エチレンオキシド(3,2 mg/kg)、オランダ産スパイスペーストの未承認物質エチレンオキシド(1,8 mg/kg;0.27 mg/kg;0.19 mg/kg)、ドイツ及びオランダ産オランダから発送した米粉のアフラトキシンB1(5,7 ± 2,5 µg/kg)、フランス産クルクマの不適格分析結果(ETO含有)、フランス産グリーンペッパーの不適格分析結果(エチレンオキシド1,89 mg/kg含有)、シリア産ゼリーミニカップの窒息リスク、インド産グアーガムのエチレンオキシド(0,57 mg/kg)、ウズベキスタン産リトアニア経由レーズンのオクラトキシンA(17.7 ± 1.8 µg/kg)、エジプト産オレンジのクロルピリホス-エチル(0.027+-0.013 mg/kg)、スペイン産カニの亜硫酸塩非表示及び添加物法違反(132 mg/kg)、ゴマ種子のエチレンオキシド、タイ産オランダ経由センノシド高含有茶、中国産有機スピルリナ粉末のエチレンオキシド(0,068 mg/kg)、

注意喚起情報(information for attention)

シリア産酢漬けのカブのローダミンB(10 mg/kg)、コートジボワール産チルドブリ(Seriola carpenteri)フィレの水銀(0,7 +/- 0,11 mg/kg)、ラオス産パセリのクロルピリホス(0,032 mg/kg)・残留農薬(0,04 mg/kg)・未承認物質フィプロニル(0,013 mg/kg)・未承認物質ヘキサコナゾール(0,039 mg/kg)・ルフェヌロン(0,074 mg/kg)および未承認物質フェントエート(0,008 mg/kg)、イラン産ディルの未承認物質カルベンダジム(0.65 mg/kg)・クロルピリホス-メチル(1.1 mg/kg)およびテトラコナゾール(0.055 mg/kg)、エジプト産ペッパーの未承認物質クロロタロニル(0.31 mg/kg)、インド産飼料添加物用原料のテトラサイクリン(174 / 84 / 81 / 45 mg/kg)、パキスタン産レーズンのオクラトキシンA(99.8 µg/kg)、シンガポール産カイエンヌペッパーのアフラトキシンB1(9,0 µg/kg, 8,8 µg/kg)、中国産食品サプリメントの未承認物質タダラフィル(147 g/kg)およびシルデナフィルチオノ類似物(244 g/kg)、

フォローアップ用情報(information for follow-up)

オランダ産鳥用飼料のカンタキサンチン、産出国不明食品サプリメントの未承認新規食品成分イカリソウ、中国産生鮮梨のクロルピリホス(0,023 +/- 0,012 mg/kg)、

通関拒否通知(Border Rejections)

英国産ニオイテンジクアオイ抽出物含有飲料、トルコ産生鮮ペッパーのピリダベン(1.512+/-0.756 mg/kg)、トルコ産生鮮ペッパーのクロルピリホス-メチル(0,096+/-0,048 mg/kg)及びテブフェンピラド(0,162+/-0,081 mg/kg)、中国産ゴマ種子のエチレンオキシド(0.31±0.15 mg/kg)、ウガンダ産ペッパーの未承認物質カルベンダジム(0,88 ± 0,44 mg/kg)および未承認物質プロフェノホス(0,026 ± 0,013 mg/kg)、トルコ産生鮮ペッパーのホスチアゼート(0.260+/-0.130 mg/kg)、セネガル産ピーナッツバターのアフラトキシン(B1= 9,4 µg/kg, total= 10,7 µg/kg)、イラン産ピスタチオの法の限度を超えたアフラトキシン(total= 14.7 µg/kg, B1= 12.0 µg/kg)、インド産ピーナッツ穀粒のアフラトキシン(B1= 16 µg/kg, total= 17 µg/kg)、ボリビア産ピーナッツのアフラトキシン(B1= 9.5 and 4.4 µg/kg, total= 11 µg/kg)、イラン産トルコから発送したピスタチオのアフラトキシン(total= >24.0 μg/kg ± 25.9 % µg/kg, B1= >24.0 μg/kg ± 20.4 % µg/kg)、エジプト産ザクロの未承認物質シフルトリン(0.16 mg/kg)、トルコ産ペッパーのテブフェンピラド(0,476+/-0,238 mg/kg)、ベトナム産乾燥ホンダワラ及び乾燥アイリッシュモスの未承認新規食品成分(海藻)、ジョージア産ヘーゼルナッツのアフラトキシンB1(9,79 ± 2,45 µg/kg)、エジプト産生鮮オレンジのクロルピリホス(0,022+/-0,011 mg/kg;0,023+/-0,012 mg/kg)、エジプト産ピーナッツのアフラトキシン(B1= 20 µg/kg, total= 23 µg/kg)、アルバニア産イチゴのテブコナゾール(0,090 +/-0,045 mg/kg)、エジプト産生鮮オレンジのクロルピリホス(0,082 +/- 0,041;0,084 +/- 0,042 mg/kg)、

 

[NASEM]PFAS検査と健康アウトカムについてのガイダンス

Guidance on PFAS Testing and Health Outcomes

https://www.nationalacademies.org/our-work/guidance-on-pfas-testing-and-health-outcomes?mc_cid=3a8cee3865&mc_eid=7331362e8f

臨床対応者向けタウンホールミーティング開催案内

検査を誰にどう行うのか、その結果をどう伝えどう助言するのか、検査の害などについて

 

 

論文

-食事からの終末糖化産物摂取と肝胆道がんリスク:多国コホート研究

IARC

Dietary intake of advanced glycation endproducts and risk of hepatobiliary cancers: a multinational cohort study

4 May 2021

https://www.iarc.who.int/news-events/dietary-intake-of-advanced-glycation-endproducts-and-risk-of-hepatobiliary-cancers-a-multinational-cohort-study/

International Journal of Cancerに発表されたEPIC研究。食事からのAGEs摂取量の多さは肝細胞がん(HCC)と逆相関、胆嚢がんとは正の関連。

HCCとAGEsの逆相関は著者等の仮説とは違うが、関連は頑健であった。

 

-学校向けの新しいガイドラインは食品の禁止をしないよう助言

New guidelines for schools recommend against food bans

5-MAY-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-05/mu-ngf050321.php

職員には食物アレルギーの教育をしてアナフィラキシー治療用のエピネフリンを用意

Journal of Allergy and Clinical Immunologyに発表された保育園や学校でのアレルギー予防管理実践ガイドライン

特別な場合を除き、「ナッツフリー学校」や「ミルクフリーテーブル」のような全校制限は勧めない

(カナダはアレルギーの人がいるとその食材の禁止みたいな対策をやるところがあった。日本ではあまり聞いたことがない。)

 

-PTSDは過剰診断されているか?

Is PTSD overdiagnosed?

5-MAY-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-05/b-ipo050421.php

専門家が今週のBMJで議論する

 

-COVID-19についての初期の専門家の予想はどのくらい正確だったか、そして一般人と比べてどうか?

How accurate were early expert predictions on COVID-19, and how did they compare to the public?

5-MAY-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-05/uoc-haw050421.php

2020年4月に英国の専門家140人と一般人2086人に、2020年末までにCOVID-19感染者や死者がどのくらいで、その予想の信頼度はどのくらいかを尋ねた。PLOS ONEに発表されたその結果は、パンデミックの予想がどれほど難しいかを明らかにした。

(意地悪な研究)

 

-国際専門家グループが「ポストバイオティクス」の同意した定義を発表

International group of experts publish consensus definition of 'postbiotics'

5-MAY-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-05/isaf-igo050521.php

新しい論文が新興カテゴリーであるポストバイオティクスの重要な特徴を明らかにし、それがプロバイオティクスとどう違うのかを明確にする

Nature Reviews Gastroenterology & Hepatologyに発表

ポストバイオティクスは「宿主に健康上の利益をもたらす、生きていない'inanimate'微生物および/またはその成分からなる調整品」

ポストバイオティクスは必ずしもプロバイオティクス由来である必要はない

酪酸や抗生物質のような、微生物由来の精製品もポストバイオティクスになると考える人もいるかもしれないが、それらは化合物名で呼ぶべきである

ポストバイオティクスは既に長い間日本で市販されている

 

-多くの消費者が食品の日付表示を誤解している、しかし自信を持って使っている

Many consumers misinterpret food date labels, yet use them with confidence

6-MAY-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-05/e-mcm050421.php

Journal of Nutrition Education and Behaviorに発表された米国成人の調査。

賞味期限と消費期限の違いは、教材を読んだ後でも自信たっぷりに間違う。

(食品に日付が書いてあったら自動的にそれを過ぎたらダメだと理解されるということなんだろう)

 

-WHO紀要

Bulletin of the World Health Organization

Volume 99, Number 5, May 2021, 321-404

https://www.who.int/bulletin/volumes/99/5/en/

 

-エッセンシャルオイル関連発作(EORS):成人のエッセンシャルオイルと発作についての多施設前向き研究

Essential oil related seizures (EORS): A multi-center prospective study on essential oils and seizures in adults

ThomasMathew et al.,

Epilepsy Research Volume 173, July 2021, 106626

https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0920121121000796

ユーカリや樟脳のようなけいれん誘発性エッセンシャルオイルの局所使用による発作の調査。4病院で、始めて発作を起こした患者にエッセンシャルオイルの使用について尋ねたところ4年間で55人の患者が同定された。

 

-認識されている食物不耐の心理学的、臨床的、社会心理学的関連の系統的レビュー

A systematic review of psychological, clinical and psychosocial correlates of perceived food intolerance.

De Petrillo A, et al.,

J Psychosom Res. 2021 Feb;141:110344.

認識されている食物不耐(PFI)は3-35%の人が報告するが食物アレルギーの有病率は0.9-3%である。PFIは一貫して女性に多くしばしば消化管および消化管以外の身体的健康問題を伴うが心理学的要因との関連は一貫しない。限定的な質の高い研究では心理学的要因を示唆するがさらなる質の高い研究が必要。

 

-COVID-19パンデミック中に汚染のあるハンドサニタイザーを飲んでメタノール中毒で死亡する地理的に異なる事例

A Geographically Distinct Case of Fatal Methanol Toxicity from Ingestion of a Contaminated Hand Sanitizer Product During the COVID-19 Pandemic.

Overbeek DL et al.,

J Med Toxicol. 2021 Apr;17(2):218-221.

米国南西部のアウトブレイクについて。飲んだ理由は家族に飲酒を隠すためで、アルコール使用疾患の再発。

(アル中の人の周りにアルコールを置くのは危険)

 

Nature

-ニュース

マイクロプラスチックはどこにでもある-しかしそれらは有害なのか?

Microplastics are everywhere — but are they harmful?

04 MAY 2021  XiaoZhi Lim

https://www.nature.com/articles/d41586-021-01143-3

科学者は海洋動物と我々の中にあるこの小さなプラスチックの研究を急ぐ

環境エンジニアDunzhu Liはプラスチック容器に入った昼食を電子レンジで温めていたが、同僚と一緒にプラスチック容器からお湯にマイクロプラスチックが出ることを発見してから止めた。Trinity College DublinのLiらは哺乳瓶にお湯を入れて振ると赤ちゃんが百万個以上のマイクロプラスチックを飲みこむと計算した。

Liらが知らないことはそれが危険なのかどうか、である。誰もが砂や埃を吸い込んだり食べたりしていて、それにプラスチックが少し加わると害があるのかどうかわからない。飲み込んだもののほとんどは消化管を通り過ぎるだけで終端から出るだろう、と英国Exeter大学の環境毒性学者Tamara Gallowayはいう。Liは「リスクの可能性は高いかもしれない」という。

研究者らはマイクロプラスチックの害の可能性について約20年心配してきた-多くは海洋生物への影響だが。

規制担当者は人々の健康へのリスクを定量化するための一歩を踏み出した。カリフォルニア州環境保護庁の一部門であるカリフォルニア水資源管理委員会は飲料水中のマイクロプラスチック濃度を定量する標準法を発表した世界初の規制当局である。しかし定量よりさらに難しいのは健康影響評価である。マイクロプラスチックの形状や化学組成は多様で、特定素材での実験が環境中に存在するものの影響と同じである可能性は低い。

一つだけ明確なことは、問題は大きくなる、ということである。

有害影響の機序

研究者らは有害影響を起こしうる可能性についていくつかの理論を提示している。細胞内に入るほど小さければ異物として刺激性があるかもしれない。アスベストやPM2.5、PM10のように。しかし空気中のPM10の量はマイクロプラスチックの数千倍以上である。

化学毒性を生じるには大きなマイクロプラスチックのほうが量が多いので可能性は高くなる。しかし放出量は体内滞留時間によるだろう、それはわかっていない。また汚染物質を吸着するとしても、動物は食品からそのようなものを飲み込んでいて、もしマイクロプラスチックが汚染を吸着するなら排出に役立つ可能性もある。科学者は汚染物質を吸着したマイクロプラスチックの有害性について合意していない。

(以下長い記事。)

 

-米国で初めて遺伝子組換え蚊が放出される

First genetically modified mosquitoes released in the United States

03 MAY 2021 Emily Waltz

https://www.nature.com/articles/d41586-021-01186-6

Oxitecが何年にもわたる住人の抵抗と複雑な規制の後、議論の多い野外試験を開始

規制認可と人々の受容を求めて10年、米国で初めて遺伝子組換え蚊が放出される。Florida Keysで今週始まった実験は、ジカ熱やデング熱、チクングニヤ熱、黄熱のような病気を運ぶネッタイシマカAedes aegyptiの抑制方法を調べる。英国に本社があるOxitecはこれまでブラジル、パナマ、ケイマン諸島、マレーシアで野外試験を行っている。

Florida Keysの蚊のうち約4%がネッタイシマカであるが、ほぼ全ての蚊が媒介する病気の原因である。組換え雄は子どもに伝えられると雌が幼生初期に死亡する遺伝子をもつ。雄の子どもは死なないが将来世代にさらに遺伝子を伝えるキャリアになる。雌が死ねば死ぬほどネッタイシマカの数は減るだろう

Florida Keys蚊コントロール地域(FKMCD)では2009年以降デングとジカ熱の地域流行がおこっている。GM蚊は殺虫剤の代用である。近年耐性のために使える殺虫剤が減ってきていた。そのため新しい方法を必要としている。しかし住民の一部は激しく反対した。破壊活動を恐れて、蚊の箱を置く場所は非公開。

 

-中国のCOVIDワクチンは世界へ-しかし疑問は残る

China’s COVID vaccines are going global — but questions remain

04 MAY 2021   Smriti Mallapaty

https://www.nature.com/articles/d41586-021-01146-0

WHOは中国の二つのワクチンの世界的使用のレビューを行っていて間もなく決定されるだろう。しかし発表された試験データは少ないままである。

WHOは中国の二つのワクチンの認可を検討中だが、中国の5つのワクチンは既に使われている

 

-エディトリアル

インド、ブラジル、そして科学を二の次にすることの人的損失

India, Brazil and the human cost of sidelining science

04 MAY 2021

https://www.nature.com/articles/d41586-021-01166-w

 

-ワールドビュー

インド政府はCOVIDについて科学者の意見を聞くべき

Indian government should heed its scientists on COVID

30 APRIL 2021  T. V. Padma

https://www.nature.com/articles/d41586-021-01140-6

(インドの疫学モデルでパンデミックは終わったと予想された、とあるので聞いていたつもりなのかもしれない。AYUSH省もホメオパシーが有効と言ってたし)

 

Scienceニュース

「ハードルが多すぎる」:インドの科学者がCOVID-19データを公開するよう政府に請願

‘There are so many hurdles.’ Indian scientists plead with government to unlock COVID-19 data

By Priyanka PullaMay. 4, 2021

https://www.sciencemag.org/news/2021/05/there-are-so-many-hurdles-indian-scientists-plead-government-unlock-covid-19-data

政府機関が集めた検査やゲノム配列データへのアクセスを改善するよう求めた、インドの740人の科学者が署名した公開文書が4月29日に発表された。

次の日に政府の主任科学アドバイザー事務所のK. VijayRaghavanが問題を認識しアクセス改善を約束するメモを公表した。しかし一部の科学者は疑っている

 

THE LANCET

-メルケルの新たなロックダウン権力を巡る議論

Controversy surrounds Merkel's new lockdown powers

Rob Hyde

THE LANCET WORLD REPORT| VOLUME 397, ISSUE 10285, P1610, MAY 01, 2021

議会で承認を得てドイツ首相はCOVID-19抑制のために地方にロックダウンを強制できるようになった

第二次世界大戦後にできたドイツの1949憲法は、中央政府によるコントロールの権限を制限して地方自治体に任せるようにデザインされた。71年後、ドイツの各州は半自治となっている。先週まではドイツの16の州は独自のCOVID-19対策を行うことができた。その結果が州により異なる規制だった。感染率が急増してメルケル首相は16州知事にドイツ全域でのより厳しいロックダウンという彼女の指示に従うことを求めた。それができないとわかって、彼女は方針を変えて議会に地方自治体を強制ロックダウンさせる法的権限を求めた。これは大きな議論を呼び、投票日には1万人の抗議者と2200人の警察官の衝突が起こり、警官29人が怪我をし230人が逮捕された

(以下賛否両論。州ごとの規制の違いより、規制に反対する人の行動が問題、で閉める)

 

-専門家がインドのCOVID-19を巡る自己満足を批判

Experts criticise India's complacency over COVID-19

Anoo Bhuyan

THE LANCET WORLD REPORT|VOLUME 397, ISSUE 10285, P1611-1612, MAY 01, 2021

患者と死亡者が急増しているのに大規模集会が認められていて専門家は対応の計画性と柔軟性の無さを批判する。ニューデリーからAnoo Bhuyanがレポートする

 

-スウェーデンのCOVID-19戦略再び

The Swedish COVID-19 strategy revisited

Mariam Claeson, Stefan Hanson

THE LANCET VOLUME 397, ISSUE 10285, P1619, MAY 01, 2021

2020年12月にスウェーデンのCOVID-19パンデミック対応について、世界的優良規範に従うように書いたがスウェーデンはそうしなかった。今回再びスウェーデンに休校や厳しい対策を求める。

 

その他

-コンシューマーラボ

製品レビュー:カリウムサプリメント

Potassium Supplements Review

05/01/2021

https://www.consumerlab.com/reviews/potassium-supplements-review/potassium/

カリウムサプリメントに注意。問題が見つかった

表示の2.5倍量、溶出しない、など

 

-COVIDは似非科学の最悪の事態を作り出した

COVID Has Created a Perfect Storm for Fringe Science

By David Robert Grimes on April 26, 2021

https://www.scientificamerican.com/article/covid-has-created-a-perfect-storm-for-fringe-science/

それは常に我々とともにあった、しかしパンデミックの時に、それは増幅されて深刻な害を引き起こす

COVIDに関するデマの爆発はパンデミックの一側面を規定する。ウイルスそのものの脅威と一緒に、インフォデミックは我々に影を落とす。そのこと自体はよく知られている、しかしあまり知られていないのは見かけ上の「専門家」が危険な空想を振りまいていることである。危機の初期から、有名な科学者がソーシャルメディアでデマをふりまき教祖となっている。

例えば昨年3月、医師Thomas CowanがCOVID-19は5G電磁波が原因だと主張した。ドキュメンタリーPlandemicではウイルス学者Judy Mikovitsがコロナウイルスは計画されていたデマだと主張して数百万人のビューを集めた。ノーベル賞受賞者Luc MontagnierもCOVIDは作られたと主張した。ヒドロキシクロロキンからイベルメクチンやビタミンDや代替療法まで、効果のない治療法を宣伝する医師や研究者はたくさんいる。ワクチン反対団体も世界中にあって、例えば「世界医師同盟“World Doctors Alliance”」などがある。

疑似専門家の増加は、我々の情報の扱い方の変化の症状であろう。自分自身が情報のキュレーターになる傾向が高くなるにつれて、これまでの伝統的情報チェック機能が脇に追いやられるようになった。その結果、分断が進み、事実と意見の区別がしにくくなり、バイアスの影響が大きくなる。

我々は「科学」と「科学者」を区別する必要がある。個々の「科学者」は無謬とはほど遠く、人間的な動機で動く。しかし「科学」は根拠の総合である

(一部のみ。)

 

-イチョウはCOVID-19治療法として示されていない

Ginkgo Has Not Been Shown to Treat COVID-19

Jonathan Jarry M.Sc. | 5 May 2021

https://www.mcgill.ca/oss/article/covid-19-health/ginkgo-has-not-been-shown-treat-covid-19

サプリメント業者に騙されないように

サイエンスコミュニケーション界隈でますます良く聞くようになった単語がある:pre-bunking(事前デマ否定)である。デマや誇大宣伝は多く、我々は遅れまいとしているが、プレバンキングは事前に人々にインチキの兆候を警告することである。心理的予防接種のようなものである。

そこで少し試みてみよう。数日前にイチョウの葉での実験室での研究論文が出版された。これはCOVID-19治療薬の開発のごく初期段階であるが、サプリメントの宣伝に使われるだろう。彼らはCOVID-19治療や予防のナチュラルな方法、と宣伝するだろうがそのようなことは示されていない

(以下長い説明)

 

-民間臍帯血バンクの「一生に一度の」ギャンブル

The “Once-in-a-Lifetime” Gamble of Private Cord Blood Banks

Jonathan Jarry M.Sc. | 29 Apr 2021

https://www.mcgill.ca/oss/article/health/once-lifetime-gamble-private-cord-blood-banks

一部の企業が誇大宣伝満載であなたに臍帯血をお金を払って冷凍しなければ、と思い込ませている

かつて死体を冷凍保存する「クライオニクス」が流行したときのことを思い出す。今流行しているのは臍帯血バンクである。あなたがもうすぐ親になる予定ならその広告をみたことがあるだろう。企業に初期費用1000ドルと毎年の料金を払うと、いつかあなたの子どもが恐ろしい病気になった時のために臍帯血を保存できるという。それは科学的に妥当なのか?

(以下説明略。役にたつ可能性は極めて低い)

 

-「私は銃を持ったボディーガードと一緒にいなければなりませんでした」―パンデミックの間に起きた研究者への攻撃

2021年4月15日 Nature Medicine 27, 4 doi: 10.1038/s41591-021-01314-9

https://www.natureasia.com/ja-jp/nm/27/4/s41591-021-01314-9

(ここでは特にクロロキンを巡る状況が取り上げられている)

 

-NZ SMC

この国にとって乾燥した冬は何を意味する?-専門家の反応

What would a dry winter mean for the country? – Expert Reaction

05 May 2021

https://www.sciencemediacentre.co.nz/2021/05/05/what-would-a-dry-winter-mean-for-the-country-expert-reaction/

ニュージーランドは乾燥した冬を迎えようとしている。その影響は?以下の分野について専門家の意見を求めた

地方のコミュニティーと農業にとって

水文学

環境

(専門家の意見略)

 

シドニーからニュージーランドへのフライト一時停止--専門家の反応

Flights paused from Sydney to NZ – Expert Reaction

06 May 2021

https://www.sciencemediacentre.co.nz/2021/05/06/flights-paused-from-sydney-to-nz-expert-reaction/

NSWでリンク不明の感染者が一人みつかったため

 

2021-04-30

[EFSA]意見等

-オープンMCRA実現可能性研究

Feasibility study Open MCRA

EFSA Journal 2021;18(4):EN-6515 27 April 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-6515

複数の暴露ルートから複数の化学物質に複合暴露するリスクを評価するためのモンテカルロ法(MCRA)ウェブプラットフォームで実行したモデルの透明性と利用しやすさを改善するための実現可能性調査の結果が示された。

 

-8‐ヒドロキシキノリンの既存MRLsのレビュー

Review of the existing maximum residue levels for 8‐hydroxyquinoline according to Article 12 of Regulation (EC) No 396/2005

EFSA Journal 2021;19(4):6566 26 April 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6566

さらなる検討が必要。

 

-認可更新のためのすべての動物種用all‐rac‐α酢酸トコフェリル(ビタミンE)からなる飼料添加物の評価(DSM)

Assessment of a feed additive consisting of all‐rac‐alpha tocopheryl acetate (vitamin E) for all animal species for the renewal of its authorisation (DSM)

EFSA Journal 2021;19(4):6529 23 April 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6529

 

-産卵鳥以外のすべての鳥種用の安息香酸、ギ酸カルシウム、フマル酸の製剤(AviMatrix Z)からなる飼料添加物の安全性と有効性(Novus Europe S.A. / N.V)

Safety and efficacy of a feed additive consisting of a preparation of benzoic acid, calcium formate and fumaric acid (AviMatrix Z) for all avian species other than laying birds (Novus Europe S.A. / N.V)

EFSA Journal 2021;19(4):6528 23 April 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6528

 

-すべての動物種用硫酸第一鉄リシネートからなる飼料添加物の安全性と有効性(Phytobiotics Futterzusatzstoffe GmbH)

Safety and efficacy of a feed additive consisting of ferrous lysinate sulfate for all animal species (Phytobiotics Futterzusatzstoffe GmbH)

EFSA Journal 2021;19(4):6545  23 April 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6545

 

[EU]委員会職員作業文書 EUの植物繁殖体の生産と販売に関する既存の規制を更新する選択肢についての調査

COMMISSION STAFF WORKING DOCUMENT

Study on the Union’s options to update the existing legislation on the production and

marketing of plant reproductive material

29.4.2021

https://ec.europa.eu/food/sites/food/files/plant/docs/prm_leg_review_swd-2021-90.pdf

2019年11月8日に欧州委員会は、EUの植物繁殖体の生産と販売に関する既存の規制を更新する選択肢についての調査(PRM 調査)の提出を求めた。その調査から現行規制に一貫性がなく断片化していて解釈の余地があることなどがわかった。2007-2008年の調査の知見が現在でもあてはまる。しかしながら2013年以降種子生産や交配部門では新たな技術が開発され、農業では持続可能性の要求が高まり、気候変動に適応するための保全の必要性も増加している。今後の選択肢として、選択肢ゼロ:何もしない、選択肢1:規制の一貫性を改善し持続可能性のための特別な対策を導入する、選択肢2:遺伝資源へのアクセスを改善し一貫したやりかたで持続可能性目標に対応するため技術の発展に対応する柔軟性を与える、を提示

 

[EU]電子タバコについての最終意見

FINAL OPINION ON ELECTRONIC CIGARETTES

https://ec.europa.eu/health/scientific_committees/consultations/public_consultations/scheer_consultation_10_en

SCHEERが電子タバコについての最終意見を発表した。

電子タバコは使用者にとって、呼吸器への局所刺激性傷害リスクについて中程度の重みの根拠があり、また健康への有害影響、特に心血管系への、があるという中程度だがますます増加する根拠がある。さらにニトロソアミンへの長期累積暴露とアセトアルデヒドとホルムアルデヒドへの暴露による呼吸器への発がん性について弱から中程度の根拠がある。他に受動喫煙に関連するいくつかのリスクについて弱から中程度の根拠がある。

電子タバコが若者の喫煙への入り口になるという中程度の根拠があり、香料が電子タバコの魅力と開始に相当な寄与をすることについては強い根拠がある。一方で喫煙者が禁煙する役に立つことには弱い根拠があり喫煙量を減らすことについての根拠は弱から中程度。

 

[FSANZ]食品基準通知

Notification Circular 154-21

29 April 2021

https://www.foodstandards.gov.au/code/changes/circulars/Pages/Notificationcircular154-21.aspx

意見募集

加工助剤としてのBacillus subtilis由来β-ガラクトシダーゼ(酵素)の認可申請について2021年6月4日まで意見を受け付ける

 

-意見募集-新しい由来の加工助剤

Call for comment - Processing aid from a new source

29/04/2021

https://www.foodstandards.gov.au/media/Pages/Call-for-comment---Processing-aid-from-a-new-source.aspx

β-ガラクトシダーゼは既に認可されていて長い使用歴があるが、同じ酵素をGM Bacillus subtilis系統で生産する申請があった

 

[ANSES]フランス人のためのビタミンとミネラルの新しい食事参照値発表

Publication of the new dietary reference values for the vitamin and mineral intake of the French population

News of 23/04/2021

https://www.anses.fr/en/content/publication-new-dietary-reference-values-vitamin-and-mineral-intake-french-population

主に食事から得られるビタミンやミネラルは、私達の健康、成長、身体の機能に欠かせない。ANSESは栄養ニーズを満たすために必要なビタミンやミネラルの摂取量を規定する食事摂取基準を更新している。これらの値は栄養と健康分野のすべての専門家が用いる参照値となる。

集団ごとの食事摂取基準

ANSESは現在、成人のビタミンやミネラルの摂取量の食事摂取基準を最終化している。これには2016年には入れることができなかったビタミンやミネラルも含まれている。同時にANSESは、乳児、子供、青年、妊婦、授乳中の女性、高齢者といった特定集団の食事摂取基準を再評価している。 これらの値は2001年以降更新されていなかった。

本日発表する値はフランスの健康な人々のビタミンやミネラルの新たな基準値である。医療従事者が利用でき、特に個別の予防的食事モニタリングや治療支援に役立つ。公衆衛生目的で、特にビタミンやミネラルの摂取量が不十分あるいは過剰な人数を推定したり、食事摂取ガイドラインを設定するために保健当局も利用できる。

ビタミンDやB9のニーズを満たすことは依然として公衆衛生問題である

2019年にはフランスの成人の70%以上がなおビタミンDを十分に摂取しておらず、6.5%は欠乏していた。医療制度を通してビタミンD栄養強化食品や個人向けサプリメントを提供する以外に、ビタミンDの必要量は次のことで満たせる。

・日光を浴びる:昼前や午後に15~20分間肌を日光にさらすことで、十分なビタミンDの一日摂取量を得る。

・ビタミンDの豊富な食品を食べる。脂っこい魚(ニシン、イワシ、サーモン、サバ)、アンズタケ、セップ茸、アミガサタケなどの特定のキノコ類、ビタミンDを強化した乳製品、卵黄、ダークチョコレート、バター、マーガリンなど。

胎児の先天性異常のリスクを防ぐために、妊娠する可能性のあるすべての女性はビタミンB9を十分摂取することが不可欠である。このアプローチは計画外の妊娠を考慮に入れているため保護的である。豆類、緑の葉物野菜、酵母フレーク、小麦胚芽、卵黄がビタミンB9の優れた供給源である。

基準値を食習慣に適応させる研究

これらの食事摂取基準の基礎となる研究は、主に西洋型の食事状況で実施された。他の状況や他の食習慣、特に海外でこれらの基準値を適応させるには研究が必要である。

追加情報

・ビタミンやミネラルの栄養ガイドライン更新の最終化に関するANSESの意見及び報告書(フランス語)

ANSES OPINION & REPORT on finalisation of the nutritional guideline update for vitamins and minerals

https://www.anses.fr/fr/system/files/NUT2018SA0238Ra.pdf

 

[BfR]消費者健康保護:大部分の人は科学を信頼している

Consumer health protection: Majority of the population trusts science

26.04.2021

https://www.bfr.bund.de/en/press_information/2021/17/consumer_health_protection__majority_of_the_population_trusts_science-271596.html

ドイツ人の約2/3は消費者の健康を守るのに科学を信頼していることが、ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)の代表的な人口調査である最新の消費者モニターの結果からわかった。消費者アドバイスセンターと消費者団体は同様の高水準の信頼を享受している。これに対して、健康を守ることに関して、政治、メディア、経済を信じているのは6人に1人だけだった。「科学は真実を追究する。回答者の半数以上が食品中のマイクロプラスチックを懸念しているが、現在の知見に基づくと、食品中のプラスチック粒子がヒトの健康リスクを引き起こす可能性は低い」とBfR長官Andreas Hensel医学博士は述べた。

BfRの消費者モニター情報小冊子02/2021

https://www.bfr.bund.de/cm/364/bfr-consumer-monitor-02-2021.pdf PDF-File (947.7 KB)

最新のBfRの消費者モニターの結果から、消費者の健康の話題について人々の関心は一般的に高く、2/3がそれらに関心があることが示された。約半数はそのようなテーマの情報をよく得ている。回答者の22%が自発的に言及した最大の健康リスクは、食品中の糖、脂肪、塩の高含有など特定の栄養群である。不健康な食事とライフスタイル(13%)や、食品中の望ましくない物質や添加物(それぞれ11%)が大分離れて続く。

選択されたテーマについて尋ねると、最大の関心事は食品中の抗生物質耐性やマイクロプラスチックで、57%が抗生物質耐性を、54%が食品中のマイクロプラスチックを懸念している。だが、自らの家庭の食品衛生についての懸念は比較的少ない。10人に1人だけが懸念していて、同時に、ほとんどの回答者-全体のおよそ2/3(66%)がこの分野の十分な情報を得ていると感じている。だが、科学的観点から、家庭の食品衛生の欠如が食中毒の主な原因の1つである。

BfRの消費者モニターについて

知りたいのはどの健康リスクで、心配しているのは何なのか? BfR消費者モニターはこれらの質問への答えを提供している。BfRはこの調査のために、16歳以上の個人世帯に住むおよそ1,000人に、6ヶ月ごとに電話でインタビューした。

近年、BfR消費者モニターのアンケートは高い科学的基準の方法論を確保するために継続的に改良されてきた。この調査では、質問設定が更新され、既存の質問の内容が拡張され、回答スケールの形式が標準化されるなど、根本的な変更が加えられた。そのため、最新の問題は以前の調査結果と比較できない。

 

[BfR]実験動物を守ることに成功:透明性と動物の福祉向上

Success in the protection of laboratory animals: more transparency and animal welfare

23.04.2021

https://www.bfr.bund.de/en/press_information/2021/16/success_in_the_protection_of_laboratory_animals__more_transparency_and_animal_welfare-271827.html

世界実験動物の日にBfRの実験動物3Rの中間評価を行った。

 

[FDA] 急性非ウイルス性肝炎調査-「リアルウォーター」ブランドのアルカリ水

Investigation of Acute Non-viral Hepatitis Illnesses – “Real Water” Brand Alkaline Water (March 2021)

04/16/2021

https://www.fda.gov/food/outbreaks-foodborne-illness/investigation-acute-non-viral-hepatitis-illnesses-real-water-brand-alkaline-water-march-2021

(更新部分のみ)

2021年4月26日、ネバダ州南部保健地区は次のように発表した。「保健地区は追加で可能性の高い6症例(合計で11症例になる)と疑わしい1症例を確認した。最新の確認された症例はすべて成人であり、疑わしい1症例は臨床基準を満たしているが、まだウイルス性肝炎の検査はされていない」

 

-ネバダ州南部保健地区からのプレスリリース

Southern Nevada Health District links additional acute non-viral hepatitis Illness to “Real Water” brand alkaline water

https://www.southernnevadahealthdistrict.org/news-release/southern-nevada-health-district-links-additional-acute-non-viral-hepatitis-illness-to-real-water-brand-alkaline-water/

 

[FDA]消費者情報。手指用消毒液の安全な使用

Safely Using Hand Sanitizer

04/29/2021

https://www.fda.gov/consumers/consumer-updates/safely-using-hand-sanitizer

手指用消毒液の安全な使用、注意事項を紹介。

 

[FDA]よりスマートな食品安全新時代テックトークポッドキャスト

New Era of Smarter Food Safety TechTalk Podcast

https://www.fda.gov/food/new-era-smarter-food-safety/new-era-smarter-food-safety-techtalk-podcast

2021年4月29日のエピソード001 技術が可能にしたトレーサビリティ 掲載

 

[FDA]FDAは命を守るためのエビデンスベースの措置及び将来的な喫煙者世代の予防を約束する

FDA Commits to Evidence-Based Actions Aimed at Saving Lives and Preventing Future Generations of Smokers

April 29, 2021

https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/fda-commits-evidence-based-actions-aimed-saving-lives-and-preventing-future-generations-smokers

中毒と若者の経験を減らし、禁煙を改善し医療格差に取り組むために、メントールたばこ、風味付けたばこを禁止する

 

[FDA]警告文書

-Orphic Nutrition

APRIL 13, 2021

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/orphic-nutrition-612470-04132021

未承認の医薬品、不正表示の問題。

 

[FDA]公示

-Vital Sexは表示されない医薬品成分を含む

Public Notification: Vital Sex contains hidden drug ingredient

4-29-2021

https://www.fda.gov/drugs/medication-health-fraud/public-notification-vital-sex-contains-hidden-drug-ingredient

FDAは精力剤として販売されているVital Sexはシルデナフィル含むため製品を購入、使用しないよう消費者に助言している。製品写真あり。

 

-ErectMaxは表示されない医薬品成分を含む

Public Notification: ErectMax contains hidden drug ingredient

4-29-2021

https://www.fda.gov/drugs/medication-health-fraud/public-notification-erectmax-contains-hidden-drug-ingredient

FDAは精力剤として販売されているErectMaxはシルデナフィル含むため製品を購入、使用しないよう消費者に助言している。製品写真あり。

 

-Enerup Premiumは表示されない医薬品成分を含む

Public Notification: Enerup Premium contains hidden drug ingredient

4-29-2021

https://www.fda.gov/drugs/medication-health-fraud/public-notification-enerup-premium-contains-hidden-drug-ingredient

FDAは精力剤として販売されているEnerup Premiumはシルデナフィル含むため製品を購入、使用しないよう消費者に助言している。製品写真あり。

 

-Tummy Tuck Maxは表示されない医薬品成分を含む

Public Notification: Tummy Tuck Max contains hidden drug ingredient

4-29-2021

https://www.fda.gov/drugs/medication-health-fraud/public-notification-tummy-tuck-max-contains-hidden-drug-ingredient

FDAは精力剤として販売されているTummy Tuck Maxはシブトラミンとフェノールフタレインを含むため製品を購入、使用しないよう消費者に助言している。製品写真あり。

 

[ASA]年次報告書2020-若者と脆弱な人々を守る

Annual Report 2020 - Protecting young and vulnerable people

Annual report 29 Apr 2021

https://www.asa.org.uk/resource/annual-report-2020-protecting-young-and-vulnerable-people.html

我々と、他の多くの機関にとって、2020年は人々の安全を守ることが大事な年だった。我々はCovid-19関連広告については迅速に対応し、活発にオンラインプラットフォームを追跡し、新たに詐欺広告警告システムを開始した。

詳細は年次報告書に

改定あるいは取り下げた広告は36491。2019年から346%増。主な理由はオンライン広告対策

 

[USDA]USDAの科学が食品廃棄を減らす5つの方法

5 Ways USDA Science Reduces Food Waste

Apr 28, 2021

https://www.usda.gov/media/blog/2021/04/28/5-ways-usda-science-reduces-food-waste

1.保存する 長く農産物の生鮮状態を保つ容器の開発

2.自動化 1秒で11個以上のリンゴが選別できるシステムを開発

3.アップサイクリング 傷ついたり小さいリンゴをフルーツバーに

4.食品安全強化 微生物を減らすことが重要

5.消費者教育 廃棄を減らして健康的な食生活を送れるように

 

[HK] 警告

-有毒植物種子に汚染された疑いのある輸入包装冷凍ブロッコリーを食べないよう注意を促す

Not to consume a kind of imported prepackaged frozen broccoli suspected to be contaminated with toxic plant seeds

2021-4-28

https://www.cfs.gov.hk/english/whatsnew/whatsnew_fa/2021_422.html

食品安全センターと食品環境衛生署はニュージーランド産包装冷凍オーガニックブロッコリーがオナモミの種子(毒性物質を含む)に汚染された可能性があると発表した。

 

-スモークサーモンのサンプルが栄養表示規則に違反

Smoked Salmon not in compliance with nutrition label rules

Tuesday, April 27, 2021

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20210427_8635.html

オーストラリア産スモークサーモンサンプルにナトリウムが1000mg/100g申告のところ、1600mg/100g検出された。

 

[SFA] Nanyang工科大学シンガポール、シンガポール食品庁及び科学技術研究庁(A*STAR)は食品安全科学においてシンガポールの能力を構築するために将来に備えた食品安全ハブ(FRESH)を開始する

NTU Singapore, Singapore Food Agency, and A*STAR launch Future Ready Food Safety Hub (FRESH) to build Singapore’s capabilities in food safety science

27th April 2021

https://www.sfa.gov.sg/docs/default-source/default-document-library/ntu-singapore-singapore-food-agency-and-a-star-launch-future-ready-food-safety-hub-(fresh)-to-build-singapore-s-capabilities-in-food-safety-science.pdf

Future Ready Food Safety Hub (FRESH)は、国内外の研究所の食品、科学及び技術の専門家を集め、研究を共有し、新たなパートナーシップと協力を育むことを目的とする。

 

[FSAI] Breakfast Bite 5月12日:食品安全トレーニング―知っておくべき事

Breakfast Bite on 12 May: Food Safety Training –what you need to know

Tuesday, 27 April 2021

https://www.fsai.ie/news_centre/training_breakfast_bite_270421.html.html

オンラインウェビナー。食品事業者の食品安全トレーニング要件の遵守についての説明を行う。

 

[NTP]夜間シフト労働、夜間の光、概日周期攪乱のNTPのレビュー

NTP Review of Shift Work at Night, Light at Night, and Circadian Disruption

April 27, 2021

https://ntp.niehs.nih.gov/whatwestudy/assessments/cancer/completed/shiftwork/index.html

NTPのがんハザード評価で、1)継続する夜間シフト労働は女性の乳がんの原因となり得る、2)ある種の照明条件はがんと関連するかもしれない、と結論

夜間シフト労働は午前12時から5時までの間に3時間働くことと定義され、夜間に強い光にあたる、睡眠障害、食事時間の変化、ストレスなどが含まれる

このページにQ & A等あり

 

[NASEM]ワクチンの重要な公衆衛生上の価値 アクセスと躊躇の問題に取り組む:ワークショップの概要

The Critical Public Health Value of Vaccines

Tackling Issues of Access and Hesitancy: Proceedings of a Workshop (2021)

https://www.nap.edu/catalog/26134/the-critical-public-health-value-of-vaccines-tackling-issues-of

2020年8月17-20日に開催されたワークショップの概要

予防接種は現代のグローバルヘルスへの努力の中で最も成功した努力である。しかしその進捗は近年滞っている。予防接種を受けない理由の主要因にワクチン躊躇がある。また社会経済的にあるいは構造的にアクセス上の障害がある場合がある。

 

-妊娠女性と2-11才の子どもの食品とダイエタリーサプリメントの摂取量評価アプローチ

Approaches to Assessing Intake of Food and Dietary Supplements in Pregnant Women and Children 2 to 11 Years of Age: Webinar Series

https://www.nationalacademies.org/event/05-06-2021/approaches-to-assessing-intake-of-food-and-dietary-supplements-in-pregnant-women-and-children-2-to-11-years-of-age-webinar-series?mc_cid=29092ab2c9&mc_eid=7331362e8f

5月に4回のバーチャルワークショップ

 

[WHO]第4回WHOインフォデミック管理会議:公衆衛生のためのソーシャルリスニングの進歩

4th Virtual WHO Infodemic Management Conference: Advances in Social Listening for Public Health

4 May 2021

https://www.who.int/news-room/events/detail/2021/05/04/default-calendar/4th-virtual-who-infodemic-management-conference-advances-in-social-listening-for-public-health

ソーシャルメディアデータを使って人々の意見を推し量る

5月4-12日の間にオンライン開催

 

[EPA]EPAは環境正義を推進するために有害物質放出一覧を更新する計画を発表

EPA Announces Plan to Update Toxics Release Inventory to Advance Environmental Justice

04/29/2021

https://www.epa.gov/newsreleases/epa-announces-plan-update-toxics-release-inventory-advance-environmental-justice

計画の中には、エチレンオキシドやPFASを含むある種の化合物や施設の報告義務拡大や新しい地域向けツールの提供も含む

 

[EPA]EPAのRegan長官は新しいPFAS評議会を設定

EPA Administrator Regan Establishes New Council on PFAS

04/27/2021

https://www.epa.gov/newsreleases/epa-administrator-regan-establishes-new-council-pfas

Michael S. Regan長官はRadhika Fox筆頭次官補代理を議長とするPFAS評議会"EPA Council on PFAS"をつくる

 

論文

-魚は1950年代からマイクロプラスチックを飲み込んできた

Fish have been swallowing microplastics since the 1950s

29-APR-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-04/fm-fhb042921.php

博物館のコレクションがマイクロプラスチックの歴史を明らかにする

Ecological Applications。魚の腸の内容物の繊維の写真

 

-プランクトンは他のどれにも似ていないゲノムをもつ

Plankton have a genome like no other

29-APR-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-04/kauo-pha042921.php

渦鞭毛藻類と呼ばれる単細胞プランクトンのゲノムは、極めて奇妙でふつうでない構造をしている Nature Genetics

 

-これら「BPAフリー」飲料ボトルは使う前に食器洗い機を通すこと

Pop those 'BPA-free' drinking bottles into the dishwasher before using them

29-APR-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-04/uoc-pt042921.php

BPAフリープラスチックと宣伝されているTritanボトルを10種類購入してBPAが検出されるかどうか、リンスや洗うことで除去できるかをChemosphereに報告。2種類のボトルからBPA溶出を検出し、それを取り除くには食洗機に何回かかけることが最も有効だった。

 

-オンライン公衆衛生デマと戦う

Battling public health misinformation online

29-APR-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-04/uops-bph042921.php

2020年3月にペンシルベニア看護学校の看護科学者を含む女性研究者チームがCOVID-19 デマと戦うためにDear Pandemicソーシャルメディアキャンペーンを開始した。現在それはフェイスブック、ツイッター、インスタグラムで10万以上のフォローワーがある。Public Health Nursingに発表された論文がそのキャンペーンについて記述する

 

Nature

不平等の大きな負担

Inequality’s deadly toll

By Amy Maxmen Photography by Brian L. Frank for Nature

28 April 2021

https://www.nature.com/immersive/d41586-021-00943-x/index.html

一世紀にわたる研究が貧困と差別がいかに病気をみちびくかを示してきた。COVIDは科学をついにこの問題に対応させるか?

11月のはっきりしない天気の日にHardeep SinghはFoster Farms家禽会社のCOVID-19検査システムから、母親がコロナウイルス陽性というテキストメッセージを受け取った。彼の63才の母親はカリフォルニアSan Joaquinバレーの肉包装工場で働いていて、英語が話せずスマートホンを持っていなかったので彼がアラートを受け取った。彼は母親に連絡することができず、彼女は同僚と一緒にチキンの部位を扱い続けた。彼女の上司も彼女に伝えなかった。それどころかシフトを増やした。

Singhは夜になって母親にニュースを伝え、同僚にうつすので仕事に行かないように説得した。しかし隔離中の賃金などについて質問しようとしたが会社の他の誰にも連絡できなかった。Singhの母親はこの工場での400人以上のCOVID-19と診断された従業員の一人になった。米国では食品生産工場と農場で9万人以上がCOVID-19と診断されている。食品部門はエッセンシャルワーカーとみなされている。

しかしこの重要な役割に対価が伴った。ある研究によるとカリフォルニアの食品と農業労働者の昨年の死亡リスクは一般集団より40%高かった。特にラテンアメリカ系食品農業労働者は前年比60%近く死亡が増加した。白人はわずか16%である。

このような格差の原因は、差別、低い賃金、労働時の保護の少なさ、医療へのアクセスの不適切さ、住居や教育の不足が挙げられる。これらが「健康の社会的決定要因」で、少なくとも150年前から知られていた概念であるがパンデミックで再認識された

Singhは「我々は彼らをエッセンシャルと呼ぶが、実際はexpendable使い捨てである」という

(写真と図がたくさんある長い記事。外国人労働者を安価で使い捨てて「オーガニック」とか言ってるハイソな人たちは嫌い)

 

Science

ニュースを一目で

News at a glance

Science  30 Apr 2021:Vol. 372, Issue 6541, pp. 440-442

・遺伝子と細胞治療法試験始まる

米国遺伝子および細胞療法学会が今月発表したところによると、遺伝子・細胞・RNA療法の新たな臨床試験の数が過去4年間で約3倍になった。3月31日時点で約3500の実験的治療法が開発中で、そのうち53%が遺伝子組換え細胞を使っている。標的となる病気はがんが最も多く1200。RNAに関しては多くがワクチンかCOVID治療法。どの治療法でもアメリカが最も多く1400。

・ドーキンスがツイートで賞を失う

アメリカ人道協会がRichard Dawkinsに1996年に与えたHumanist of the Year賞を取り消すことを決定した。2015年にDawkinsが「トランス女性は染色体をもとにすれば女性ではないが、礼儀で“she”を使う」と主張した。

・GM蚊最初の米国での試験

今週からOxitecが遺伝子組換えAedes aegypti蚊をフロリダKeysに12000匹以下放出する

 

-有名科学者が雑誌の編集委員に自分の名前をみつけて驚く

Big-name scientists surprised to find themselves on journal board

By Dennis NormileApr. 28, 2021 ,

https://www.sciencemag.org/news/2021/04/big-name-scientists-surprised-find-themselves-journal-board

雑誌Ecosystem Health and Sustainability (EHS)の編集委員には羨ましいほどの有名科学者が名を連ねている。ただし問題がある:多くは最早EHSに関係ない-かつて関係があったとしても。「雑誌から連絡があったことはない」「そこに名前があるべきではない」

いわゆる搾取的雑誌が編集委員に本人の了解なく科学者の名前を載せるのは珍しいことではない。昨年発表された研究によると、搾取的雑誌と考えられる雑誌の編集委員に名前のあったオーストラリアの科学者約4000人のうち1/4はそれを知らなかった。そのような雑誌を暴露しようとしてある科学者は彼のイヌの名前を編集委員にした。

そのような行為はEHSのようなもっと尊敬されている雑誌でははるかに希であるが、無いわけではない。

 

SMC UK

-体重とCOVID-19重症リスクの関連の可能性、特に若年成人での、を調べた研究への専門家の反応

expert reaction to study looking at a potential link between body weight and risk of severe COVID-19, especially for younger adults

APRIL 29, 2021

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-looking-at-a-potential-link-between-body-weight-and-risk-of-severe-covid-19-especially-for-younger-adults/

The Lancet Diabetes & Endocrinologyに発表された研究がBMIとCOVID-19重症度を調べた

肥満のヒトに予防接種を優先すべきかについてのコメント

BMA公衆衛生医学委員会の前議長、Vaccines in Practice Magazineの元編集長、伝染性疾患管理の引退したコンサルタントPeter English博士

基本的には予防接種は重症リスクの高いヒトを優先する。仮想条件では個人ごとにリスクを評価する意味はあるが、迅速な予防接種を成功させるためのもう一つの重要な基準は複雑にならないようにすること、である。複雑にすると遅くなる。BMIは医療記録への記載が良くないので同定するのは困難だろう。

研究へのコメント

Glasgow大学代謝医学教授Naveed Sattar教授

このデータは体重が余分であることがCOVID-19重症リスク要因であることを支持する圧倒的根拠にさらに加えるものである。新しい知見は、リスクが正常BMIから増加するにつれ直線的にあがることである。重要な質問は、人々が減量するのを助けることが重症化予防になるかどうかである。根拠はそれを示唆する。多くの国がすべきことはライフスタイル介入政策のスケールアップである。

 

-戸外でマスクは必要かどうかについての専門家の反応

expert reaction to whether masks need to be worn outdoors

APRIL 28, 2021

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-whether-masks-need-to-be-worn-outdoors/

BMJに専門家討論が発表された

Reading大学細胞微生物学准教授Simon Clarke博士

屋内でのマスク義務化の根拠は弱い状況証拠のみで、戸外ではさらに疑問である。人々の信頼を得て維持するにはどんな制限であれしっかりした根拠に基づく必要がある

East Anglia大学Norwich医学部医学教授Paul Hunter教授

Cevik博士の言うとおり、戸外ではフェイスマスクは必要ない

Nottingham大学分子ウイルス学教授Jonathan Ball教授

マスクは特定の条件で正しく使えばリスクを減らせる。しかし一般的な着用の利益はそれほど明確でなく、戸外ではさらに不明確である。

 

-集団検査についてのBMJの意見への専門家の反応

expert reaction to BMJ opinion piece on mass testing

APRIL 28, 2021

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-bmj-opinion-piece-on-mass-testing/

SARS-CoV-2無症状感染の集団スクリーニングについてのMike Gill と Angela Raffleの見解がBMJの意見コーナーに発表された

Harvard T.H. Chan公衆衛生大学院疫学助教授Michael Joseph Mina博士

この意見に賛成しない。検査は我々の目で多ければ多いほど良い

(長い反論)

Edinburgh大学感染症疫学教授Mark Woolhouse教授

効果的な大規模集団検査をするにはたくさんの課題があるが、うまくいけば社会的距離対策の必要性が減るのでそのほうがいい

East Anglia大学Norwich医学部医学教授Paul Hunter教授

全く合意。あまりにも高価でそれほど大きな成果はない。リスクの低い地域の中流階級家庭に週に二回検査をするより貧しい地域のリスクの高い家庭の自主隔離を支援した方が良い

 

-NHS 検査追跡 (イングランド)の週毎の統計への専門家の反応:2021年4月15日から21日、特に中学生のラテラルフロー検査陽性のPCRによる判定を巡って

expert reaction to the weekly statistics for NHS Test and Trace (England): 15 April to 21 April 2021, specifically around PCR-adjudication of secondary school pupils’ positive lateral flow test results

APRIL 29, 2021

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-the-weekly-statistics-for-nhs-test-and-trace-england-15-april-to-21-april-2021-specifically-around-pcr-adjudication-of-secondary-school-pupils-positive-lateral-flow-tes/

Cambridge大学MRC生物統計ユニット元プログラムリーダーSheila Bird教授

3月4日から19日の間に学校で援助下で行われたLFT陽性検査結果のPCRによる確認結果がついに公表された。事実が明らかになるのに6週間もかかった。

事実は、LFT陽性のうちPCRで確認されたのは半分以下である。それは2021年3月5日に王立統計学会のCOVID-19タスクフォースが予想したとおりである。これは失敗でありNHS 検査追跡の公衆衛生オウンゴールである。

(以下数字を示して詳細な指摘。週二回抗原検査、PCRによる確認なく自主隔離とすることで不必要な隔離の割合が多くなった。子どもが、週二回の検査をずっと続けられるか?)

 

その他

-イベルメクチンがRCTされた。結果は期待できるものではなかった

Ivermectin Gets A Randomized Clinical Trial. The Results Are Not Promising

By Josh Bloom — April 28, 2021

https://www.acsh.org/news/2021/04/28/ivermectin-gets-randomized-clinical-trial-results-are-not-promising-15514

イベルメクチンはCOVID疑似科学宇宙の「ヒドロキシクロロキンライト」である。この薬物には熱心な推奨者がいるが有効性の根拠は乏しい。今回RCTが追加の(ただし限定的な)この薬がCOVID症状を減らすのに有効ではないという根拠を提供した。

(本分略)

2021-04-29

[ヘルスカナダ] 環境持続可能開発コミッショナーの2021年春の報告書へのヘルスカナダの反応

Health Canada responds to the Spring 2021 Report of the Commissioner of the Environment and Sustainable Development

April 22, 2021

Health Canada responds to the Spring 2021 Report of the Commissioner of the Environment and Sustainable Development - Canada.ca

(声明)

本日、環境持続可能開発コミッショナーは春の報告書を議題にし、ヘルスカナダのナチュラルヘルス製品計画に関する監査の結果を説明した。監査は消費者にとって安全で、効果があり、正確に説明されていることを保証するためにカナダで販売されるナチュラルヘルス製品に焦点を当てた。

カナダはナチュラルヘルス製品に関し世界で最も適切な規制システムをもつ国の1つであり、その基準のいくつかは最も厳しいものである。ヘルスカナダはカナダで販売されるナチュラルヘルス製品が安全で効果的であることを保証する重要性を認識する。

全体として、監査はナチュラルヘルス製品計画の強みと改善点の両方を確認した。ヘルスカナダが安全性と有効性のエビデンスに基づき、ナチュラルヘルス製品を適切に認可していることがわかった。監査はまた、ヘルスカナダが問題に気づくと対策が迅速にとられることも確認した。監査は、付け加えてCOVID-19パンデミック中のナチュラルヘルス製品である手指用消毒液をカナダ国民が入手できるよう供給を増やすヘルスカナダの対策も適切であったと証明した。カナダは平均して前年の6倍というこれらの製品の前例のない需要を経験した。

監査では改善すべき分野も確認した。ヘルスカナダはコミッショナーによるナチュラルヘルス製品の監視強化の助言を歓迎する。ヘルスカナダはすべての助言に対処するためにすでに取り組みを開始しており、品質、広告及び表示の監視強化を含めたナチュラルヘルス製品計画の強化への取り組みを加速させる対策をとっている。これには、カナダ国民が選択肢を知るための正確で信頼できる情報をもつことを保証するためのオンライン広告の監視の強化、恒久的な監査検査計画の開発に役立てることを目的とした検査パイロット計画の着手、製品表示が消費者にとって、明確で一貫したわかりやすい表示になるよう改善するための規制の提案、深刻な健康リスクが生じた場合、ヘルスカナダがカナダ国民の健康と安全性を保護するためのツールをもつ保証が含まれる。

ヘルスカナダの優先事項はカナダ国民の健康と安全である。多くのカナダ国民にとって、ナチュラルヘルス製品は健康的なライフスタイルを維持する重要な部分である。ヘルスカナダはカナダで販売される製品が安全で効果があることを保証するのに役立つようナチュラルヘルス製品計画の継続的な改善を約束する。

 

 

 環境持続可能開発コミッショナーの2021年春の報告書

カナダ会計検査院

2021 Spring Reports of the Commissioner of the Environment and Sustainable Development

April 22, 2021

https://www.oag-bvg.gc.ca/internet/English/parl_cesd_202104_e_43798.html

「Report 2 ナチュラルヘルス製品—ヘルスカナダ」に関して

ニュースリリース

ヘルスカナダの監視は、ナチュラルヘルス製品が安全で効果があることを保証することに及ばなかった。

環境持続可能開発コミッショナーのJerry V. DeMarcoの報告は、ヘルスカナダはカナダで販売されるナチュラルヘルス製品が消費者にとって安全で、有効で正確に説明されていることを保証できていないと結論付ける。ナチュラルヘルス製品は特定の日焼け止め、歯磨き粉とシャンプー、ビタミンとミネラル、プロバイオティクス、ホメオパシーと伝統薬及びアルコールベースの手指用消毒液を含む。

監査は、ヘルスカナダは安全性と有効性のエビデンスを信頼して製品を認可するが、製造の監視と市販製品の監視が不十分であると確認した。例えば、ヘルスカナダは製品が市販前に基準に従い製造されているかの定期検査を実施していなかった。

また、監査は製品の市販後、ヘルスカナダは十分な監視をしていなかったと確認した。監査は88%に誤解を招く可能性がある製品広告を確認し、例えば、疲労軽減、耐久性向上あるいは脂肪燃焼;青年や成人にのみ認可されるのに3歳以上の子どもに推奨されるという誤った表示;医薬品成分の誤った用量といった製品表示があった。

最後にCOVID-19パンデミック中、ヘルスカナダは手指用消毒液のような製品の緊急需要に対応し、深刻な安全リスクの懸念を高めることなく、規制要件の一時的な免除により柔軟に対応した。また、COVID-19関連製品の監視も強化した。

環境持続可能開発コミッショナーの2021年報告書である、「報告書2―ナチュラルヘルス製品-ヘルスカナダ」はカナダ会計検査院のウェブサイトで閲覧できる。(https://www.oag-bvg.gc.ca/internet/English/parl_cesd_202104_02_e_43806.html

詳細はメディアルーム(https://www.oag-bvg.gc.ca/internet/English/med_fs_e_45.html

 

ひとめでわかるまとめ

「報告書2―ナチュラルヘルス製品-ヘルスカナダ」

監査理由

・ナチュラルヘルス製品が広く使用され、国民は製品が安全で、効果があり、適切に情報を与えられることを期待する。

・ヘルスカナダはナチュラルヘルス製品が表示通り安全で効果があることを保証するため、適正製造基準に従う施設での製造を確認する責任がある。

・安全でなく、消費者向け情報が正確かつ完全でない製品は販売されてはならない。

・パンデミック中は、ヘルスカナダが認可した製品を使用することが重要である。

監査結果

・ヘルスカナダはナチュラルヘルス製品が市販前に製造施設が適正製造基準に従っていることを必ずしも確認しなかった。

・ヘルスカナダはナチュラルヘルス製品の市販後は確認をせず、深刻な問題に必ずしもうまく対応しなかった。

・ヘルスカナダは製品表示情報と広告が製品ライセンスの条件を満たすか十分な監視をしなかった。

・ヘルスカナダはCOVID‑19関連のナチュラルヘルス製品に対し、効果的に対応した。

重要事実と数字

・2004年以降、ヘルスカナダは91,000件以上のナチュラルヘルス製品にライセンスを与えた。

・ヘルスカナダは製品が健康にとって深刻あるいは差し迫ったリスクを示す場合を含め、いかなる理由であろうとナチュラルヘルス製品のラベルの変更命令あるいは強制的な回収の権限がない。

・収集したナチュラルヘルス製品の88%は誤解を招く宣伝をされていて、56%は誤解を招く表示がされていた。

・2017から2019年の間、ヘルスカナダは766の有効なライセンスをもつ企業の約6%を調査し、46施設の約半分に有意な健康リスクを確認したため規制措置をとった。

助言の重要点

・ヘルスカナダは認可した市販のナチュラルヘルス製品に対し、インターネット上を含め、リスクベースのアプローチをとらなければならない。

・ヘルスカナダは検査の範囲と頻度を設定し、製品、施設及び追跡活動から生じる問題に関連するリスクを考えるリスクベースの監視と検査計画を作成しなければならない。

・ヘルスカナダは深刻な健康リスクの疑いのある製品の場合、カナダで製品が購入されないことを確認し、必要な情報を入手しなければならない。

助言と対応の全リストは以下。

https://www.oag-bvg.gc.ca/internet/English/parl_cesd_202104_02_e_43806.html#hd2e

国連の持続可能な開発目標「目標3:すべての人に健康と福祉を」

この監査は健康と福祉の目標、特に「すべての年齢層の健康的な生活を保証し、快適な福祉を促進する」必要性を支持する。

 

 

[ヘルスカナダ] リコール

Peace Naturals Project Inc.はCove CBDカンナビス抽出物を回収する

Peace Naturals Project Inc. recalls one lot of Cove CBD cannabis extract

April 23, 2021

https://www.healthycanadians.gc.ca/recall-alert-rappel-avis/hc-sc/2021/75423r-eng.php

Peace Naturals Project Inc.は製品にカンナビス量、包装日、ロットナンバー、内容量を含む情報の表示がないため、Cove CBDカンナビス抽出物を一部回収する。

 

[HK] 法令違反

-包装冷凍bigeye fishのサンプルにPonceau 4Rが検出され、食品表示規則に違反する

Sample of prepackaged frozen bigeye fish detected with Ponceau 4R and not in compliance with food label rules

Monday April 26, 2021

https://www.cfs.gov.hk/english/press/20210426_8634.html

食品安全センターと食品環境衛生署はベトナム産包装冷凍bigeye fishのサンプルに生及び未加工の状態の魚に許可されない着色剤Ponceau 4R(ポンソー4R)を検出したと発表した。

 

-菜心のサンプルに基準値超過の残留農薬

Pesticide residue exceeds legal limit in Choisum sample

Monday April 26, 2021

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20210426_8629.html

菜心サンプルにアセタミプリドが2.42 ppm検出された。

 

[ODS] ファクトシート更新

ビタミンC

Vitamin C

April 21, 2021

https://www.covid19treatmentguidelines.nih.gov/supplements/vitamin-c/

COVID-19治療ガイドラインにて、高用量のビタミンC服用の効果について研究中であると情報更新。

 

ビタミンD
Vitamin D

April 21, 2021

https://www.covid19treatmentguidelines.nih.gov/supplements/vitamin-d/

COVID-19治療ガイドラインにて、ビタミンDに関して情報更新。

 

亜鉛

Zinc

April 21, 2021

https://www.covid19treatmentguidelines.nih.gov/supplements/zinc/

COVID-19治療ガイドラインにて、亜鉛に関して情報更新。臨床試験以外で、COVID-19予防のために食事推奨量以上の亜鉛を使用することは推奨されない。

 

[FSAI] FSAIはカンナビスを含む食用製品(菓子)に警告を発する

FSAI Issues Warning on Edible Products (Sweets) Containing Cannabis

Monday, 26 April 2021

https://www.fsai.ie/news_centre/press_releases/jelly_sweets_warning_26042021.html

FSAIはカンナビス成分を含むゼリー菓子のような食用製品に関連する危険性について消費者に警告を発した。カンナビスオイルを含む菓子を食べ、その副作用により入院する事例が少なくとも1件確認されている。

問題のお菓子はオンラインで購入されTHCが含まれることが警告されていた。THCは有害汚染物質で、どんな食品にも加えられるべきではない。EUではTHCは食品ではなくアイルランドでは規制対象薬物である。

 

[FSAI] トロパン・アルカロイドの可能性のためOrganic Millet Popsを一部回収措置

Recall of Some Batches of Organic Millet Pops due to the Possible Presence of Tropane Alkaloids

Friday, 23 April 2021

https://www.fsai.ie/news_centre/food_alerts/Millet_Pops.html

Independent Irish Health Foods Ltdはトロパン・アルカロイドの可能性のためオランダ産Organic Millet Pops(きびポップ)を一部回収措置。製品写真有。

 

[FSA] 食品飼料の安全(諸修正)規則(北アイルランド)2021に関する意見募集

Consultation on The Food and Feed Hygiene and Safety (Miscellaneous Amendments) Regulations (Northern Ireland) 2021

18 April 2021

https://www.food.gov.uk/news-alerts/consultations/consultation-on-the-food-and-feed-hygiene-and-safety-miscellaneous-amendments-regulations-northern-ireland-2021?navref=search-global-all-1

食品飼料法の適用を保証するための公的管理とその他公的活動、北アイルランドで適用される食品飼料衛生及び安全法の技術的修正、北アイルランド国内法の修正の実施による影響の評価に関連する北アイルランド国内法の提案された修正にステークホルダーの意見を募集する。

 

[FAO]新しいFAOの出版物:オーガニック食品-それはより安全か?

New FAO publication: Organic foods – Are they safer?

31/03/2021

http://www.fao.org/food-safety/news/news-details/en/c/1392279/

オーガニック食品はしばしば消費者から健康的で美味しくて環境に優しいと見なされるが、有機認証は必ずしも安全な食品と同義ではない。オーガニックはその製品がある種の基準に従って作られたことを指し、最終製品の性質や特徴のことではない。

2021年3月にFAOアジア太平洋地域事務局は「オーガニック食品-それはより安全か?」と題する小冊子を発表した。

オーガニックラベルは合成肥料や農薬の使用を禁止あるいは制限する規則に則り、それは消費者にとって魅力的な特徴の一つだが、植物が合成した農薬は使用できるし、それらも高用量ではヒト健康に有害影響があるかもしれない。既存の有機認証に食品安全対策を含めることと有機農業は安全な食品の同義語ではないことを啓発することが、賢明な食品選択推進の重要な一歩である。食品の安全性を保証しつつ有機農業を実施するにはどうすればいいのかの事例がこの小冊子に含まれる

http://www.fao.org/3/cb2870en/cb2870en.pdf

 

(東南アジアに欧州の「理想の農業」を押しつけても無意味なのに代弁者が不足している不幸)

 

[EU]バーチャルイベント告知

精神保健とパンデミック:生活する、ケアする、行動する!

Mental health and the pandemic: living, caring, acting!

https://ec.europa.eu/health/non_communicable_diseases/events/ev_20210510_en

2021年5月10日

COVID-19によって定義される世界で生き、このパンデミック時代にケアを提供するというのは何を意味するのか?

2021年欧州メンタルヘルス啓発週間に行われるバーチャルイベントでは、5つのテーマ-理解する・生きる・ケアする・対応する・行動する-に沿ってCOVID-19のメンタルヘルスへの影響に光をあてる

 

[FTC]FTCは議会でCOVID-19詐欺を抑制するためのFTCの仕事について証言し、消費者にパンデミック関連詐欺やごまかしについて警告する

FTC Testifies before Congress on its Work to Curb COVID-19 Scams and Warn Consumers about Pandemic-related Frauds, Cons, and Swindles

https://www.ftc.gov/news-events/press-releases/2021/04/ftc-testifies-congress-its-work-curb-covid-19-scams-warn

上院商業委員会の消費者保護、製品安全性、データセキュリティ小委員会で証言

 

[IARC]動画:Partha Basu博士がHPV予防接種の重要性について話す

Video: Dr Partha Basu on the importance of HPV vaccination

27 April 2021

https://www.iarc.who.int/news-events/video-dr-partha-basu-on-the-importance-of-hpv-vaccination/

 

[ProMED]原因不明の死亡、ハゲワシ、イヌ-ネパール:(パラシ)中毒疑い、情報求む

Undiagnosed deaths, vulture, dog - Nepal: (PA) poisoning susp, RFI

2021-04-27

https://promedmail.org/promed-post/?id=8331406

Date: Tue 27 Apr 2021 08:11 NPT Source: Katmandu Post [edited]

パラシ地方Jitpur of Ramgram Municipality Ward No. 4で2021年4月21日にいろいろな種類のハゲワシ67羽が池の近くで死んでいるのが発見された。死因を調査中。

ハゲワシの死んでいたところにイヌの遺骸があって、予備的調査では中毒死したイヌの死体を食べたハゲワシが死んだことを示す。検体をカトマンズに送って調べている

地元では野犬の駆除作戦は行っていない

 

[USDA]USDAは遺伝子組換えを用いて開発したトウモロコシの規制解除のための環境影響声明を準備する意向通知にパブリックコメント募集

USDA Seeks Public Input on Notice of Intent to Prepare an Environmental Impact Statement for Deregulation of Maize Developed Using Genetic Engineering

Apr 27, 2021

https://www.aphis.usda.gov/aphis/newsroom/stakeholder-info/stakeholder-messages/biotechnology-news/ge-corn-input

ジカンバ、グルホシネート、キザロホップ、2,4-D、組織特異的グリホサート耐性を持つように改変された、ハイブリッド種子生産用トウモロコシ品種MON 87429について、2021年5月28日まで意見募集

 

NZ EPA

グリホサート:情報要請

Glyphosate: Call for information

https://www.epa.govt.nz/public-consultations/open-consultations/glyphosate-call-for-information/

我々はニュージーランドでの除草剤グリホサートの使用に関する情報を求める。これはグリホサートの使用を巡る規則を変更するかどうかを決めるためのごく最初の段階である。

グリホサートについて

・1970年代からニュージーランドで使われている除草剤

・よく使われていて多くの農業用および消費者用製品の有効成分

・家庭菜園、農家、地域評議会で使われている

・指示と規則に従って使えば安全

求める情報は

・現在の使用やそのベネフィット

・製品の有効性や有害事象、毒性に関する根拠

・いろいろな地域でどう使われているか

・グリホサート製品に関するあなたの見解

2021年8月27日まで

 

論文

-石油産業労働者とオイル生産コミュニティ住人のがんの発生率と死亡率:系統的レビューとメタ解析

IARC

Cancer incidence and mortality among petroleum industry workers and residents living in oil producing communities: a systematic review and meta-analysis

28 April 2021

https://www.iarc.who.int/news-events/cancer-incidence-and-mortality-among-petroleum-industry-workers/

International Journal of Environmental Research and Public Health

いくつかのがんとの関連が報告されている

 

-家庭のエアロゾルが今や全ての英国の乗り物より有害なスモッグ化合物を放出する

Household aerosols now release more harmful smog chemicals than all UK vehicles

27-APR-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-04/uoy-han042721.php

Elementa: Science of the Anthropoceneに発表された揮発性有機化合物(VOC)大気汚染の研究。1990年代と2000年代は英国のVOCの最大の発生源はガソリン車と燃料だった。しかし今では個人が使うパーソナルケア製品のスプレー缶に使われているものが最大になった。高所得国では一人あたり年間平均10缶を使う。それらスプレーを例えば塗るタイプに代えることが推奨される

 

-代用肉は草食動物資源依存を抑制しない

Alternative meats are not suppressing reliance on grazing animal sources

26-APR-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-04/uoo-ama042621.php

オレゴン大学の社会学者が世界のデータを検討して、新たな肉源は摂取量が増えることにつながり環境負荷の高い肉の生産は続くことを発見

Nature Sustainability

魚と家禽の生産を増やしても牛肉の消費は減らないだろうという研究

(鶏肉はあまり代用肉って言わないような?アメリカ人はチキン食べても肉は食べていないと言うの?)

 

-消費者をグリーンになるよう説得する

Persuading consumers to go green

26-APR-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-04/uoh-pct042621.php

研究が、顧客の環境に優しい行動を増やすために事業者のメッセージをより効果的にする方法を同定 Psychology & Marketing

ホテルのタオルの再使用、見た目の悪い野菜の購入などを促すためのメッセージについて

(レストランが、この料理は見た目の悪い野菜で作りました、ってわざわざ言う?)

 

-クラーケンの謎を解く先駆的技術

The pioneering technology that is uncovering the mysteries of the 'Kraken'

27-APR-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-04/orc-tpt042721.php

地球上で最大の深海イカを映像に残すカギは、この生き物の目についての知識だった

日本語翻訳つきTEDトーク

エディス・ウィダー: いかにして巨大イカを見つけたか

https://www.youtube.com/watch?v=rXkOPv3wVZw

 

Nature

-ワールドビュー: COVIDワクチン:反ワクチン攻撃に立ち向かう時

COVID vaccines: time to confront anti-vax aggression

27 APRIL 2021  Peter Hotez

https://www.nature.com/articles/d41586-021-01084-x

コロナウイルスの拡大を止めるには新たな破壊攻撃へのハイレベルな反撃が必要だろう

6ヶ月もかからずに約10億回分のCOVID-19ワクチンが配られたが、反ワクチンデマと科学者を標的にした攻撃が進捗を阻害している。これらの脅威には直接立ち向かわなければならないが、医療コミュニティの専門家や当局だけでは十分でない

私はこれまで多くの米国の公衆衛生の同僚と意見が異なってきた。私は彼らの疾病予防への関与は尊敬しているが、反ワクチン攻撃ににはもっと直接対抗すべきだと言うと反対されてきた。しかし今や反ワクチン勢力は数百のウェブサイトと5800万人のソーシャルメディアフォローワーの帝国を築いている。悪い奴らが勝っている。メッセージだけでは不十分だ

(一部のみ。日本のHPVのように、メディアがほぼ反ワクチンだと負けしかない)

 

-ニュース:「我々は無視されている」:ブラジルの研究者らは壊滅的なCOVID急増の原因として反科学政府を非難する

‘We are being ignored’: Brazil’s researchers blame anti-science government for devastating COVID surge

27 APRIL 2021 Luke Taylor

https://www.nature.com/articles/d41586-021-01031-w

Jair Bolsonaro大統領の政権はこの大規模な公衆衛生の危機の間、科学を損なってきたと研究者らはいう

ブラジルがCOVID-19の最初の患者を検出してから一年以上経って、これまでで最も深刻な事態に直面している。研究者らは最近の急増に打ちのめされ、政府が科学に基づかない対応をしたせいだという。「ブラジルで科学者でいることは悲しく不満が溜まることだ」と疫学者のJesem Orellanaはいう。「死者の半分は予防できた」

ブラジルのこれまでの死者は389000人で、世界全体の13%を占める。世界人口に占める割合は3%以下なのに。

Bolsonaro政権は、根拠のない治療法の宣伝も含めて、パンデミック中に何度も科学的助言に反してきた。

 

Scienceニュース

-フロリダの私立学校がCOVID-19ワクチンを受けようとする教師の職を脅かす

Florida private school threatens jobs of teachers who seek COVID-19 vaccines

By Meredith WadmanApr. 26, 2021 ,

https://www.sciencemag.org/news/2021/04/florida-private-school-threatens-jobs-teachers-who-seek-covid-19-vaccines

多くの大学が学生や職員に、秋に学校に戻る前にCOVID-19ワクチンを受けるよう要求しているが、フロリダの幼稚園前から8年生までの私立学校が逆をいくとThe New York Timesが報道した。この学校は先週教師たちに、予防接種を受けた人が学生にとって危険だという理由でワクチンを受けてはならないと語った。もしもCOVID-19予防接種を受けたら秋に学校には戻れない、とマイアミのCentner Academyの共同設立者Leila Centner(写真)が職員に伝えた。既に予防接種した人は学校では生徒から離す、と手紙にある

ScienceはCentnerがこの学校の270人の学生の両親宛に同様の手紙を送ったことに警戒を覚えた。Centnerは夫である技術起業家David Centnerとともにこの学校を作った。

(手紙はワクチン接種した人の側にいるだけで流産や生理不順になると主張)

 

-コロナウイルス検査をしてパーティーに参加する:オランダの実験的大規模イベントが反発を招く

Get your coronavirus test, join the party: Experimental mass events in the Netherlands draw fire

By Jop de VriezeApr. 27, 2021

https://www.sciencemag.org/news/2021/04/get-your-coronavirus-test-join-party-experimental-mass-events-netherlands-draw-fire

度を超えたパフォーマンスといかれた衣装で知られるEurovision Song Contestが今年新しい機能を得た:COVID-19パンデミックの最中にコンサートなどのイベントが安全に開催できるかどうかの大規模野外実験の会場となる。オランダのロッテルダムで5月18-22日に開催される9つのリハーサルとテレビ中継のあるショーに、それぞれSARS-CoV-2 検査陰性の3500人が参加する。入場を認められた人たちは距離をとらずフェイスマスクなしを選ぶことができる-現在オランダでは屋内公共スペースでは義務になっている。オランダはまだほとんど人はワクチンを接種していない。

このコンテストはオランダ政府と科学者とイベント業界が計画した20の実験的イベントFieldlabの最後となるものである。しかしFieldlabはオランダのCOVID-19感染者数が急増する中で規模を拡大してきたため批判の的となっている。4月24日の1万人の音楽フェスティバルは、反対署名が30万以上集まって開催市であるBredaによって禁止された。そして先週は350人以上の研究者がこの研究を文書で批判した、ピアレビューがなく経緯が不透明で倫理的に問題があると。「科学研究の基本的条件や基準が満たされていないようだ」と著者は書く。

Fieldlabの目的は「参加者、イベント開催者、管理者にとって許容できるリスクを決めること」であるとこの研究に関与しているDelft工科大学の安全保障研究者Bas Kolenはいう。最初のふたつのイベントは500人参加の劇場でのショーとビジネス会議で、2月に行われた。その際研究者らは当時のウイルスの状況とイベント前の検査と換気などの対策から、感染リスクは10万人1時間あたり1と計算した。自宅にいるときと同じ程度である。それから5000人のファンを集めたサッカーの試合のようなより大規模なイベントが続いた。

この研究は医学研究の法的定義を満たさないので医学倫理委員会による認可を必要としない。しかし公開文書の著者等はFieldlabは社会および行動科学の研究のための倫理ガイドラインに従うべきだったという。そのガイドラインでは参加者に情報を与えた上での同意の確認や研究者は個人や社会に与える不利益の可能性について評価することを要求している。「行動科学者が一人も参加していない。参加していたらこんなふうにはならなかっただろう」とアムステルダム大学の心理学者Denny Borsboomはいう。このプロジェクトを率いるRadboud大学の感染症専門家Andreas Vossは、社会科学のガイドラインは義務ではなくチケットには条件が記載されていたという。

批判者はさらにFieldlabによるイベントは全体として安全だとの主張にも疑問を提示する。参加者はイベントの5日後に二回目のCOVID-19検査を受けるよう求められるが、少なくとも25人は陽性だった。しかしほとんどの場合それがイベントで感染したのかどうかはわからない。Fieldlabのリスクの測定は感染者数ではなく、イベントの際に記録した換気や人々の行動を取り入れたモデルによる予想である。モデルには多くの仮定があり限界がある。

Fieldlabのチームは批判に反応してプロトコールやリスクモデルの詳細を公表した。集めたデータはモデラーにとって役に立つだろうと価値を認める科学者もいる。

Eurovisionが観客を迎えるかどうかは現時点では不明

 

その他

SMC NZ

グリホサートに意見募集-専門家の反応

Input on glyphosate sought – Expert Reaction

Published: 28 April 2021

https://www.sciencemediacentre.co.nz/2021/04/28/input-on-glyphosate-sought-expert-reaction/

EPAによる新しいパブリックコメント募集で、企業や一般から除草剤グリホサートの使用についての情報が求められている

グリホサートはラウンドアップのような除草剤に使われているがその環境と健康への影響の可能性について議論がある。

EPAの立場は、オーストラリア、カナダ、米国およびEU同様に、使用規則に従って使えば安全というものである。欧州では現在グリホサートの使用についてレビューが行われている

SMCは専門家のコメントを求めた

環境科学研究所(ESR)飲料水技術部長毒性機序学者Belinda Cridge博士

毒性学者としてグリホサートの毒性に重大な懸念はもっていないがこのような情報提供の呼びかけは歓迎する。我々の化学物質への理解は時間とともに発展し、EPAは常に現在の文献、知識、社会的受容について再評価し続ける責務がある

Canterbury大学毒性学教授Ian Shaw教授

私はEPAが農薬再評価にグリホサートを入れなかったことに驚いた。情報提供要求は、少なくとも関心があることを示すので励みになる。

私の見解はグリホサートのヒトや環境への短期影響は無視できる可能性が高いが長期影響についてはデータが足りない、というものである。しかし入手可能なデータからは長期環境影響と適切な保護具を使用しない労働者への影響を指摘する。一方最近の蜂蜜への残留報道は消費者の健康に負の影響があることはありそうにない。

Otago大学Hugh Adamがん疫学ユニット長Brian Cox准教授

EPAがグリホサートの使用時の暴露をレビューするには適切である。

Massey大学雑草科学上級講師Kerry Harrington博士

欧州のグリホサートを巡る方針が事実ではなく一般人の認識によって左右されているようであるのは心配だ。世界中のほとんどの毒性学者はグリホサートがヒトがんの原因とはなりそうにないということに合意している。

もしグリホサートの使用が禁止されたら、その代用品は有効性が低いあるいは環境への害がグリホサートより大きいだろう。グリホサートの農業での使用は不耕起栽培を可能にし土壌の浸食を減らしてきた。他の除草剤では代替できない。地方も雑草管理が困難になるだろう。NZ EPAがこの機会にニュージーランドでのグリホサートの使用継続が正しいことを再確認することを期待する。

 

-遺伝子組換え栗が反バイオテクノロジー環境保護主義者を引き裂く

GMO Chestnuts Splinter Anti-biotech Environmentalists

Mar 17, 2021  Emma Kovak

https://thebreakthrough.org/issues/food/gmo-chestnut-trees

かつてアメリカの森で優勢だったアメリカグリは、過去一世紀で真菌による胴枯れ病でほぼ根絶された。しかし遺伝子組換えでこれらの木に病気への耐性を与え復活させることができる。歴史的には、環境保護運動の中では遺伝子組換えへの反対が、組換え技術を保全のための道具として使うことを阻んできた。だからSierraマガジンで遺伝子組換え木への期待を綴ったエッセイを読むとは思わなかった。Sierra Clubは遺伝子組換えアメリカグリに賛成する。これまでSierra Clubは全ての遺伝子組換え生物の放出に反対していたにも関わらず。

(保全が目的の人と反対運動が目的の人はここで分かれる)