2021-10-06

[FSA] 朝食用シリアルの栄養成分表示を利用した組成変更の監視を評価した報告書が発表された

New Report Published Evaluating the Use of Nutrition Labels on Breakfast Cereals for Monitoring Reformulation

Wednesday, 29 September 2021

https://www.fsai.ie/news_centre/breakfast_cereals_reforumlation_29092021.html

アイルランド食品安全局(FSAI)は本日、アイルランド市場で販売されている食品の組成変更を監視するために、朝食用シリアルの栄養表示の利用を評価した新しい報告書を発表した。朝食用シリアルの栄養表示は、真の食品組成を示すものとして全面的に信頼することはできず、食品組成変更の取り組みを反映していない可能性があると明らかにした。

FSAIはECのガイドラインの栄養表示許容量に沿った栄養表示の正確さを調べるために、朝食用シリアル(n=200)を調査した。その結果、朝食用シリアルの飽和脂肪、糖分、塩分については、ほとんどがECガイドラインの栄養表示許容量に従い表示されていた。しかし、総脂肪については、14.1%(n=28)の朝食用シリアルがECガイドラインの栄養表示許容量を超えていた。調査結果に基づき、以下の助言を行う。

栄養表示は食品組成変更の取り組みを反映していない可能性があり、組成変更監視プログラムを開発する際に考慮する必要がある。

ナッツとフルーツを含む朝食用シリアルの1サービング分の栄養成分は、シリアル中のナッツとフルーツの配分によることを栄養学的検証では考慮する必要がある。

朝食用シリアルの栄養成分の表示と分析上の成分のばらつきに影響を与える要因は多く、食品業界における追加の調査が必要である。

栄養表示を用いた組成変更監視プログラムは定期的に「事実確認」を行う必要がある。

「Reformulation of breakfast cereals: The accuracy of nutrition declaration on food labels for the monitoring of food reformulation in Ireland(朝食用シリアルの組成変更:アイルランドにおける食品組成変更監視のための、食品の栄養表示の正確さ)」の報告書は以下。https://www.fsai.ie/Cereal_Reformulation/

 

[FSAI] Mama Sitas Lumpiang Shanghai Mixに未承認の農薬であるエチレンオキシドが混入していたことによるリコール

Recall of a Batch of Mama Sitas Lumpiang Shanghai Mix due to the Presence of the Unauthorised Pesticide Ethylene Oxide

Monday, 4 October 2021

https://www.fsai.ie/news_centre/food_alerts/mama_sitas.html

 フィリピンド産Mama Sitas のLumpiang Shanghai Mix(揚げ春巻き用調味料ミックス)が未承認の農薬であるエチレンオキシドを含んでおり、リコール。製品写真有り。

 

[FSA] FSAは政府のゲノム編集計画に反応

The Food Standards Agency responds to government gene editing plans

29 September 2021

https://www.food.gov.uk/news-alerts/news/the-food-standards-agency-responds-to-government-gene-editing-plans

2021年9月29日(水)、George Eustice環境大臣は、遺伝子組換え生物(GMO)の規制上の定義を見直すことを発表した。これは、従来の品種改良によって開発できたであろう遺伝子編集(GE)やその他の遺伝子技術により生産された生物は除外する。

今後、遺伝子組み換えに関する規制が変更される可能性がある。

FSAはゲノム編集を次のように説明する。「ゲノム編集は遺伝子編集とも呼ばれ、植物や動物を含む生物のDNAを改変するための幅広い技術を指す。酵素を使ってDNAを特定の位置で切断し、DNAの一部を追加、削除、置換することができる。ゲノム編集は自然に生じたものや従来の品種改良と同じ変化を導入できるが、より迅速かつ正確である。」

FSAはシステムが可能な限り最新で、適切に新しい技術や科学的発見を考慮することを保証するために、遺伝子技術の規制方法を変更することに大きな利点があると認識する。FSAの主任科学アドバイザーであるRobin May教授は次のように述べた: 「FSAの役割は、遺伝子技術の規制方法が適切で強固なものであり、食品安全を優先し、消費者を保護するという目的にあうよう、英国環境・食料・農村地域省(Defra)や政府内外の関係者と協力することである。FSAは、食品に関して、一般の声を聞き、明確で透明性のある情報を提供し、助言する。最近のGEに関する消費者調査では、一般のこの技術に対する認識は低い。GEの潜在的な利点を認識し、改革を促進し、フードチェーンにおける生産性と環境的な持続可能性を高める機会にしたい政府の意向も理解する。FSAは消費者が選択できることを支持するが、GEあるいはGE食品は、食べて安全であり、消費者が誤解せず、すでに市場にある同様の製品よりも栄養価が低くないと判断された場合にのみ許可される。」

現在、英国ではGE食品は販売されていない。

FSAのウェブサイトで、GE食品に対する消費者の見解、GM食品や新規食品に対する国際的な規制について、「ゲノム編集と食品の未来」の専門家によるホライゾンスキャニングの結果、また、GE専門のページでGE技術についても閲覧できる。

 

[FSA] 新アレルゲン表示法が施行され、数百万人の食物アレルギー患者が恩恵を受ける

Millions with food allergies to benefit as new allergen labelling law comes into force

1 October 2021

https://www.food.gov.uk/news-alerts/news/millions-with-food-allergies-to-benefit-as-new-allergen-labelling-law-comes-into-force

この新しい法律は、直販用に包装されたすべての食品に、14種類の主要アレルゲンを強調したすべての成分リストを表示することを義務づける。

 

[HK] 食品安全センターはスコットランド産冷蔵マテガイの1種が脂溶性マリンバイオトキシンに汚染された可能性があり、市民に消費しないよう呼びかける

CFS urges public not to consume a kind of chilled razor clams imported from Scotland suspected to be contaminated with lipophilic marine biotoxins

Monday, October 4, 2021

https://www.cfs.gov.hk/english/press/20211004_8906.html

食品安全センター(CFS)は、スコットランドから輸入された冷蔵のマテ貝に脂溶性のマリンバイオトキシンが混入している可能性があるため、一般市民に摂取しないよう呼びかけた。

CFSはINFOSANを介してスコットランド当局から通知を受けた。問題の製品が香港に輸入されている

 

[HK] 法令違反

-包装えびせんべいのサンプルが食品表示規則違反Prepackaged Cracker sample in breach of food labelling regulation

Monday, October 4, 2021

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20211004_8908.html

中国産包装えびせんべいのサンプルから、食品添加物tert-ブチルヒドロキノン100 ppmが検出されたが、製品の表示ラベルに記載がなかった。

 

-包装ソーダビスケットのサンプルが食品表示規則違反Prepackaged soda biscuit sample in breach of food labelling regulation

Monday, October 4, 2021

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20211004_8907.html

中国産包装ソーダビスケットのサンプルから、食品添加物tert-ブチルヒドロキノン30 ppmが検出されたが、製品の表示ラベルに記載がなかった。

 

[SFA] 食品の安全性と品質を保証するための冷蔵及び冷凍食品のコールドチェーン管理に関するシンガポールの新基準

New Singapore Standards for Cold Chain Management of Chilled and Frozen

Food to Assure Food Safety and Quality

Friday, 1 October 2021

https://www.sfa.gov.sg/docs/default-source/default-document-library/esg-ssc-sdo-sfa-media-release---new-singapore-standards-for-cold-chain-management-of-chilled-and-frozen-food-to-assure-food-safety-and-quality.pdf

シンガポール基準審議会(SSC)は、シンガポール製造業者連盟-規格開発機関(SMFSDO)とシンガポール食品庁(SFA)と共同で、新基準「SS 668: 2020 Cold Chain Management of Chilled and Frozen Foods(冷蔵及び冷凍食品のコールドチェーン管理)」を発表した。包装済み食品、肉、野菜、果物、魚及び冷蔵食用卵を含む冷蔵及び冷凍食品の管理に関する一般要件と実施規範を定め、コールドチェーンのエコシステムの強化を目的とする。

 

[HSA]COVID-19にイベルメクチンを使うことについての助言

Advisory on the use of ivermectin for COVID-19

5 Oct 2021

https://www.hsa.gov.sg/consumer-safety/articles//details/ivermectin-advisory

HSAはCOVID-19の予防や治療のためにイベルメクチンを輸入しようとする人がいることに気がついている。イベルメクチンは寄生虫感染治療用の処方薬としてのみシンガポールで登録されている。抗ウイルス薬ではなく、COVID-19の予防や治療用には承認されていない。

現時点で適切に行われた臨床試験でイベルメクチンがCOVID-19に対して有効であることを示す科学的根拠はない。2020年にイベルメクチンを含む既存の医薬品がCOVID-19の拡散防止に役立つかどうかを国立大学病院が試験を行ったがイベルメクチンが何らかの効果をもつという根拠は全く見つからなかった。

イベルメクチンの自己投与は健康に危険である可能性がある。消費者はイベルメクチンを使用しないように。

医薬品の違法な販売や供給に関与している業者には厳しい態度で臨む。

 

[FDA]着色添加物認証に関する報告:2021会計年度第4四半期、July 1-September 30

Report on the Certification of Color Additives: 4th Quarter, Fiscal Year 2021, July 1-September 30

10/04/2021

https://www.fda.gov/industry/color-certification-reports/report-certification-color-additives-4th-quarter-fiscal-year-2021-july-1-september-30

 

[FDA] FDAはたばこの新製品販売を目指す企業向けの2つの基本的な規則を最終化する

FDA Finalizes Two Foundational Rules for Companies Seeking to Market New Tobacco Products

October 04, 2021

https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/fda-finalizes-two-foundational-rules-companies-seeking-market-new-tobacco-products

本日、米国食品医薬品局は、新規たばこ製品の市販前審査に関する2つの最終規則を発行した。PMTA(市販前たばこ製品申請)に関する最終規則とSE(質的同等)に関する最終規則を含む。

 

[FDA]リコール

Fromm Family Foods社はビタミンD濃度の上昇により犬用缶詰め食品Four Star Shredded Entréeを自主的リコール

Fromm Family Foods Voluntarily Recalls Four Star Shredded Entrée Canned Food for Dogs Due to Elevated Levels of Vitamin D

October 01, 2021

https://www.fda.gov/safety/recalls-market-withdrawals-safety-alerts/fromm-family-foods-voluntarily-recalls-four-star-shredded-entree-canned-food-dogs-due-elevated

Fromm Family Foods社は、ビタミンDの濃度が高い可能性があり、Four Starブランドの犬用缶詰め食品Shredded Entrée約5,500ケースをリコール。製品写真有り。

 

[FDA] 連邦政府当局がフロリダ州の倉庫から不衛生な状態で保管されていた香辛料および食品添加物製品を押収

Federal officials seize spices and food additive products held under insanitary conditions from a Florida warehouse

October 01, 2021

https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/federal-officials-seize-spices-and-food-additive-products-held-under-insanitary-conditions-florida

 米国食品医薬品局(FDA)は本日、同局に代わり米国連邦保安局が、不衛生な状態で販売されていたFDA規制対象の香辛料及び食品添加物を大量に押収したと発表した。これらの食品には、広くネズミが侵入し、生きた虫や死んだ虫などの他の害虫も付着していた。

 

[MPI]娯楽の釣りの一日上限について意見募集

Feedback sought on daily limits for recreational fishing

06 October 2021

https://www.mpi.govt.nz/news/media-releases/feedback-sought-on-daily-limits-for-recreational-fishing/

現在規制されていない魚にも釣り上限を設定する提案について意見募集。平均すると娯楽で18匹以上の魚を釣るのは3%以下で、多くの娯楽の釣りは影響されない

 

論文

-#ノーメーキャップトレンドは化粧品を使用しないようにさせるのに失敗した

#Nomakeup trend fails to discourage use of cosmetics

5-OCT-2021

https://www.eurekalert.org/news-releases/930559

「ナチュラル」な見た目はあなたが思うより時間と努力が必要

化粧していないように化粧するのには時間とお金がかかる

Journal of the Academy of Marketing Scienceに発表された研究は2009年から2016年の間にTwitterでおこった#Nomakeup運動の盛り上がりと米国の化粧品の売り上げの関係を検討した。その結果この運動は化粧品の売上増加と関連した。

 

-蜘蛛の糸の「ヒーリング作用」とされるものに科学的根拠は無いだろう

Spider silk’s supposed "healing properties" might have no basis in science

5-OCT-2021

https://www.eurekalert.org/news-releases/930011

iScienceに発表された研究で、科学者が蜘蛛の糸に抗生物質様の作用があるという神話の嘘を暴いた。蜘蛛の糸が卵を守るのは抗微生物作用ではなく物理的バリアとしてだろう。

 

-カラーコード栄養表示と警告はより健康的な購入に関連

Color-coded nutrition labels and warnings linked to more healthful purchases

5-OCT-2021

https://www.eurekalert.org/news-releases/929853

PLOS Medicineに発表された、1990年から2021年に発表された134試験のメタ解析

 

-American Journal of Medicineの意見がCOVID-19ワクチンは植物食で強化すべきと言う

American Journal of Medicine commentary says COVID-19 vaccines should be shored up with a plant-based diet

5-OCT-2021

https://www.eurekalert.org/news-releases/930646

ワクチン計画は命を救い、必須であるが不十分で、医療従事者はワクチンに加えて植物ベースの食事を勧めるべき、とPCRMの医師らが主張する

(相変わらずどこにでも出てきてビーガンを薦めるPCRM。)

 

その他

-SMC NZ

3段階計画が残りのNZに意味するのは-専門家Q&A

What the 3-step plan means for the rest of NZ – Expert Q&A

05 October 2021

https://www.sciencemediacentre.co.nz/2021/10/05/what-the-3-step-plan-means-for-the-rest-of-nz-expert-qa/

オークランドのCovid制限の一部が、火曜日深夜から時間をかけて三段階計画で緩和される。しかしこれは残りのNZにとってCovidリスクを増やすか?

オークランドとWaikatoの一部以外でのレベル2制限は十分な保護か?そして排除アプローチから離れることの意味は?

3人の意見。

(排除支持だったのでわりと悲観的。今まで批判してきた他の国と同じようになる可能性があると。患者ゼロでワクチンを完璧にしたかった、ようだ)

 

大規模イベントのCovidワクチンパスポート-専門家の反応

Covid vaccine pass for large events – Expert Reaction

Published: 05 October 2021

https://www.sciencemediacentre.co.nz/2021/10/05/covid-vaccine-pass-for-large-events-expert-reaction/

この夏、早ければ11月から、大規模イベントにはワクチン証明が必要になる

(珍しく法の専門家のコメントがある)

 

-結局塩はいいのか?根拠はノーという

Is salt good for you after all? The evidence says no

October 6, 2021  Clare Collins

https://theconversation.com/is-salt-good-for-you-after-all-the-evidence-says-no-168743

ほとんどの人は塩を減らそうという助言を聞いたことがあるだろう。だから最近のニュースの見出し「食品神話否定:乳製品、塩、ステーキは結局良いかもしれない」は注目された。この見出しのもとになった研究は減塩助言がしっかりした根拠に基づいているかどうかを検討した。前提として現行の1日2.3gのナトリウムという制限はほとんどの人にとって多声不可能であることとそれに質の高い根拠がないことである。著者によると一日3-5gのナトリウムの範囲が最も心臓発作や脳卒中リスクが低く、それ以上でも以下でもリスクは増えるだけである。しかしその主張には多くの矛盾がある

オーストラリア人は一日3.6gのナトリウム、塩で9.2gを摂っていて、目標より多い。そして摂取量を減らすことは可能である。

極めて少ないナトリウム摂取量が心臓の健康に良いかどうかについては研究が必要だが、多すぎる摂取量を減らすことには圧倒的な根拠がある。

 

2021-10-05

[EFSA]意見等

果樹(柑橘類)のダニ駆除剤、殺虫剤、殺菌剤として植物保護に使用されるレモンエッセンシャルオイルの承認のための基本物質申請に関する加盟国とEFSAとの意見募集結果

Outcome of the consultation with Member States and EFSA on the basic substance application for approval of lemon essential oil to be used in plant protection as an acaricide, insecticide and fungicide in fruit trees (citrus)

EFSA Journal 2021;18(10):EN-6873  4 October 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-6873

(技術的報告書)

EFSA が結果をまとめ、個別に受け取ったコメントに関する EFSA の科学的見解を提示した。

 

[COT]食品と飲料包装用の通常のプラスチックの代用品についてのポジションペーパー

Position paper on the alternatives to conventional plastics for food & drinks packaging

August 2021

https://cot.food.gov.uk/sites/default/files/2021-09/BBFCM%20COT%20Position%20Paper_Final%20September%202021.pdf

背景と導入

1.環境に配慮した消費者からの圧力と、気候変動の影響を軽減するためのネットゼロ達成戦略や「ブループラネット効果」(Dunnら、2020年:訳注BBCのドキュメンタリー「Blue Planet II」を見た人のプラスチック消費行動への影響を報告した論文)などにより、近年、従来のプラスチックの代わりとなる食品と飲料包装用のバイオベース素材の開発と使用が世界的に大幅に増加している。

2.これらの代用品は多様で、複雑な素材の組み合わせとブレンドからなる。この素材はたいてい生物(動物、植物、真菌バイオマス)に由来し、一部または全部が自然界で入手できる、またはサトウキビ、トウモロコシ、海藻などのバイオマスから合成された物質でできている。例として、麦わら、ラップの代わりになる蜜蝋ラップ、紙のコーヒーカップ用の竹/籾殻などがあげられるが、それだけではない。

3.代用素材は通常主に3グループに分類される。

.バイオベースのプラスチック:「デンプン、セルロース、リグニンなど、植物ベースの資源に由来するポリマーを使用して作られる」。バイオベースのプラスチックは生分解性に設計できるが、従来の化石ベースのプラスチックと同じ耐久性を持つようにすることもできる。

.生分解性プラスチック:「水、バイオマス、二酸化炭素やメタンなどのガスに分解されできる。生分解性の程度は気温、湿度、微生物の存在、酸素空気などの環境条件による。」

.堆肥化可能な素材:「堆肥化条件で水、バイオマス、ガスに分解される生物分解性プラスチックの一部。工業用の堆肥化条件が最適である。」

4.食品基準庁(FSA)からバイオベースの食品と接触する物質(BBFCMs)についての助言の依頼が増えているため、食品・消費者製品・環境中化学物質の毒性委員会(COT)は入手可能なBBFCMsの毒性情報のレビューはタイムリーだと考えた。以下のポジションペーパーはCOTでの予備的な議論や優先順位の理由、さらなるレビューが必要な個々のBBFCMsの特定などを含む今後の仕事をまとめている。

 

COTの議論とペーパー

5.次の話題の議論が含まれているペーパーがCOTに提示されている。BBFCMsの開発とそれに関連する消費者への潜在的なリスクに着手している限られた研究 (TOX/2020/24 );関連する市販データと報告書(TOX/2020/50 );FSAの食品と接触する物質(FCM)政策チームから受けた質問表(TOX/2020/50)―これらには、竹製カップのホルムアルデヒドや、キチンや小麦などの素材のアレルギーの可能性の存在、キチンやキチンベースのBBFCMsの免疫原性やアレルギー誘発性に焦点を当てた詳細なディスカッションペーパー (TOX/2020/42)など、意図的に添加されていない物質(NIAS)が含まれる。

 

COTの結論

6.COTはBBFCMsに関連する課題と複雑さ、BBFCMsの研究と規制に関するいくつかの限界と知識のギャップを認めている。これには、表示、組成(生分解性など)、汚染物質、規格化が含まれる。メンバーは、市販のBBFCMsの製造及び使用中の化学物質やアレルゲンの汚染、分解、溶出について、また埋め立て地に入り込んだり、廃棄物発電プロセスによるマイクロ/ナノ粒子の形成といった廃棄後の環境への影響について、定量的情報が必要であることを指摘した。従来のプラスチックと同じ安全性基準を満たす、直接食品と接触する用途のBBCFMsを論証するにはごくわずかな根拠しかないことを指摘した。

7.メンバーはBBFCMs中のナノマテリアルの存在に関する情報が一般に不足していることを指摘した。そのため、概して、様々な検査条件で溶出する可能性のある全ての物質(ナノフィラー、可塑剤、抗菌添加剤、 ミクロンおよびナノサイズのプラスチック粒子など)の特定の溶出に関する情報は、潜在的なハザードの特定を改善し、起こりうる暴露の推定を可能にする。これにより、新しい生分解性の包装素材が同等の要件を満たすことをよりよく証明できるようになる。より包括的なリスク評価のために、長期リスク評価を可能にする更なる毒性試験またはアプローチが必要である。

 

健康リスク評価と次の段階へのレビューに優先されるBBFCMs

8.COTは潜在的な健康ハザード、使用範囲、英国の政策関心に基づく健康リスク評価のためにBBFCMsの優先リストに同意した(TOX/2021/01)。レビューされる優先素材は:ポリ乳酸(PLA)、デンプン、竹バイオコンポジット、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)である。これは閉鎖的なリストではなく、同じ基準で、必要ならば他の優先されるBBFCMsが加えられる可能性がある。

9.この優先されるBBFCMsの健康リスク評価は、ヒトの健康への間接的な影響に対処するための環境ハザードを含む、ライフサイクル評価研究の文脈内で検討する必要がある。だが、これは全てがCOTの権限内ではない。環境食糧農村地域省(DEFRA)(及びその専門的科学委員会、有害物質諮問委員会HSAC)、経済協力開発機構(OECD)、環境省がより広い環境への影響を評価している。ヒトの健康への更なる潜在的なハザードを特定するためにこれらの影響を監視する必要がある。

10.食品包装に使用されるインテリジェント包装(スマートパッケージングとしても知られる) とナノ素材は、委員会の作業の一環として政策の優先事項や資力が許す限り更に評価されることになっており、バイオセンサーやナノコーティングも含まれる。

 

[WFP]食品と希望の袋

A bag of food and hope

4 October 2021

https://www.wfp.org/stories/bag-food-and-hope

シンプルな密封アイテムが如何にしてモザンビークの小さな農業コミュニティの食品ロスを減らし生活を守るか

モザンビーク人の最大70%は田舎に住み農業で生活している。世界銀行によるとモザンビークで収穫した食品10kgのうち少なくとも3kgは加工・輸送・貯蔵のまずさで失われる。

Teteの中央部では収穫後に50%が失われる。30%以上は不適切な作物の取り扱いと家庭での貯蔵の不適切さにより収穫から数週間で失われ、汚染や食中毒のリスクが増加する。これに対応するためWFPは密封バッグの使用を推進している

Francisco Tongadzaが6ヶ月前に密封袋に保存したソルガムを初めて開けたとき、信じられなかった。「穀物はまるで新しいもののようだった」。それまで収穫の半分を失っていたのにWFP計画に参加してから真空バッグの訓練を受けて何ヶ月もソルガムを保存できるようになった

(こういうプラスチックは必要だよね?)

 

[BfR]3Gあるいは 2G?規則はどう受け取られたか

3G or 2G? How the rules are received

04.10.2021

https://www.bfr.bund.de/en/press_information/2021/40/3g_or_2g__how_the_rules_are_received-284676.html

BfRコロナモニター

全国での3G規則に加えて、一部では2G規則が適用される。つまりワクチン完了か回復者でのみがイベント参加や施設に入れる。検査陰性はもはや十分ではない。BfRのコロナモニターでは2G規則の支持は3G規則より少ない。

さらにドイツ人はますます社会活動が活発になっている。感染影響への懸念が減少していることは明らかだ

BfR-Corona-Monitor | 28–29 September 2021

https://www.bfr.bund.de/cm/349/210928-bfr-corona-monitor-en.pdf

(ワクチンがほぼ義務、ということらしい)

 

[IARC]世界がん報告の自分のペースでオンライン学習するモジュール更新

Launch of World Cancer Report Updates self-paced e-learning modules

4 October 2021

https://iarc.who.int/news-events/launch-of-world-cancer-report-updates-self-paced-e-learning-modules/

ウェビナーを学習モジュールに変換した。4つのモジュール(HPV予防接種、体重とがん、がんの社会的不平等、COVID-19とがん検診)が無料で使える

 

[USDA]ミツバチを地域の植物や合成餌に適応するよう交配する

Breeding Honey Bees for Adaptation to Regionalized Plants and Artificial Diets

October 4, 2021

https://www.ars.usda.gov/news-events/news/research-news/2021/breeding-honey-bees-for-adaptation-to-regionalized-plants-and-artificial-diets/

(ミツバチは「家畜」なので。一部の人たちが言うような「自然の象徴」ではない。特定の家畜だけ殖やそうという運動はおかしいだろう?)

 

論文

-世界で約3人に1人が2030年にまだ汚染源となる調理用燃料を使っているだろう

Almost one-in-three people globally will still be mainly using polluting cooking fuels in 2030, research shows

4-OCT-2021

https://www.eurekalert.org/news-releases/930272

この数字はサハラ以南のアフリカだと5人中4人に増える

Nature Communications

 

-より良いピザを作るのに科学を使う(ゲストは有名パン屋のPeter Reinhart)

We used science to make better pizza (featuring Peter Reinhart) (video)

4-OCT-2021

https://www.eurekalert.org/news-releases/930415

ACS動画シリーズ

ピザの生地の発酵と焼く時の時間と温度を変えることで美味しくなる話

 

-がんへの道のりを計算する

Calculating the path of cancer

4-OCT-2021

https://www.eurekalert.org/news-releases/930467

PNASに発表された数学的アプローチ

 

その他

-有機食品時限爆弾?発がん性有機農薬硫酸銅がワイン用ブドウ、ジャガイモ、トマト栽培に使われていて「ほぼ全てのフランス人、特に子どもに」発見された

Organic food health time bomb? Carcinogenic organic pesticide copper sulfate used to grow wine grapes, potatoes and tomatoes found in ‘almost entire French population and in particular children’

Gil Rivière Wekstein | Agriculture et Environnement | October 5, 2021

https://geneticliteracyproject.org/2021/10/05/organic-food-health-time-bomb-carcinogenic-organic-pesticide-copper-sulfate-used-in-growing-wine-grapes-potatoes-and-tomatoes-found-in-almost-entire-french-population-and-in-particular-chil/

元記事はフランス語

今年の気候が不順でフランスのブドウ畑の多く、北部のジャガイモ、露地のトマトにうどんこ病が拡大した。有機農業では全ての合成農薬が禁止されているため、白カビに使えるのは銅のみである

2014年4月から2016年3月までに行われたEsteban 研究によると、6-74才の2503人の成人と1104人の子どもの検体で、有機栽培食品を摂取している消費者、特に子どもに、銅が多かった。有機栽培の野菜を週に4回以上食べる人たちの尿中銅濃度は8%高かった。

しかし長い間、ボルドー液のような銅ベースの製品の毒性はタブーであった。

フランス公衆衛生省

Esteban

環境、バイオモニタリング、身体活動及び栄養に関する健康調査

https://www.santepubliquefrance.fr/etudes-et-enquetes/esteban

 

-スリランカの有機法令が如何にして楽園にトラブルを引き起こしたか

How Sri Lanka’s Organic Decree Created Trouble in Paradise

Val Giddings September 23, 2021

https://itif.org/publications/2021/09/23/how-sri-lankas-organic-decree-created-trouble-paradise

熱帯の楽園が台風や地震で危機に陥る話は珍しくないが、有機食品が原因なのは新しい。

 

-Natureニュース

ノーベル医学賞は感覚の生物学を発見した科学者に

Medicine Nobel goes to scientists who discovered biology of senses

04 October 2021  Heidi Ledford & Ewen Callaway

https://www.nature.com/articles/d41586-021-01283-6

身体の細胞が温度と接触を知覚するための受容体を同定したことでDavid Julius とArdem Patapoutianが共同受賞

 

-SMC NZ

オークランドの制限の段階的緩和-専門家の反応

Staged easing of Auckland’s restrictions – Expert Reaction

Published: 04 October 2021

https://www.sciencemediacentre.co.nz/2021/10/04/staged-easing-of-aucklands-restrictions-expert-reaction/

オークランドはアラートレベル3のままだが明日から三段階で一部の制限が緩和される

第一段階では二つの家庭の最大10人の人がマスクして外で交われる。小さい子どもの教育と娯楽と小規模イベントも制限下で可能になる。第二段階では小売店と公共施設が規則の下で再開、集まりは25人に制限。第三段階では50人になって学校が再開する。内閣は各段階で次に行く前に毎週レビューする

6人の専門家の意見

(リスクはゼロではない、感染リスクがあがる、という警告が多い。ワクチン接種率90%以上のためにインセンティブを与えよ、等。子どもの学習機会の損失を心配する人がいない。)

 

-ビクトリアのLatrobe Valleyはロックダウンから出る、州は記録更新の1,763人の新たなCOVID-19

Victoria's Latrobe Valley to exit lockdown as state posts record 1,763 new COVID-19 cases

5 October 2021

https://www.sbs.com.au/news/victoria-s-latrobe-valley-to-exit-lockdown-as-state-posts-record-1-763-new-covid-19-cases/54c72a37-45e6-4187-8c2b-ed7028150982

Daniel Andrews州知事はLatrobe Valley地方の一週間のロックダウンは火曜日の午後11:59に終わると発表。この地方は先週AFLグランドファイナル週末パーティーで感染拡大したため7日間のロックダウンに入っていた。また、新たな感染者数で一日の最高記録1,763人だった。これまでの最高はニューサウスウェールズ州の1603人/日だった。

 

-YouTubeが全ての反ワクチンデマを粛正中。何故こんなにかかったのか?

YouTube is purging all anti-vaccine misinformation. What took so long?

Sept. 30, 2021,  By Ja'han Jones

https://www.msnbc.com/msnbc/youtube-purging-anti-vaccine-misinformation-took-long-rcna2412

YouTubeが水曜日にCovid-19ワクチンについて-そしてその他全てのワクチンについて、デマを拡散する動画とアカウントを追放していると言った。

もう何年もYouTubeは陰謀論や過激なヘイトを認めていると批判されてきたが対応は遅かった。対応は歓迎されるもののこれまであまりにも遅くあまりにも僅かだった。

既にRobert F. Kennedy Jr.を含む有名な反ワクチンアカウントが削除されている。YouTubeによると2020年2月以降危険なコロナウイルスデマに関連する100万以上の動画を削除している。

 

YouTubeは反ワクチンコンテンツの取り締まりを発表、しかし「デマ12傑」の二人はまだいる

YouTube announced a crackdown on anti-vaccine content, but 2 people from the 'Disinformation Dozen' are still on the platform

Kieran Press-Reynolds Sep 30, 2021,

https://www.businessinsider.com/youtube-covid-vaccine-crackdown-disinformation-dozen-christiane-northrup-kelly-brogan-2021-9

 

2021-10-04

[EFSA]EFSAの専門家会議からのニュース速報:食品添加物及び香料に関する科学的パネル(FAF)

Breaking news from EFSA’s expert meetings: Scientific Panel on Food Additives and Flavourings (FAF)

2021/10/01

https://www.youtube.com/watch?v=o2WEgc6zGfk

YouTube動画

 

[EU]RASFF2021(0926-1002)

警報通知(Alert Notifications)

インド産フランス経由ガルシニア・カンボジア抽出物粉末の未承認物質エチレンオキシド、イタリア産食品サプリメントの未承認物質テトラヒドロカンナビノール(THC)及び未承認新規食品カンナビジオール(CBD)、中国産キサンタンの未承認物質エチレンオキシド、中国産食品サプリメントのエチレンオキシド、チェコ共和国産有機ブラウンマスタードシードのクロルピリホス、フィリピン産オランダ経由春巻用シーズニングミックスの2-クロロエタノール、英国産ポーランド経由食品サプリメントのシルデナフィル及びタダラフィル、スリランカ産オランダ経由焼菓子のグリシドール、中国産キサンタンガムのエチレンオキシド、ベルギーで製造した食品サプリメントに使用されたインド産フランス経由有機竹抽出物の未承認物質エチレンオキシド(エチレンオキシドと表現されたエチレンオキシドと2-クロロエタノールの合計)、レバノン産オランダ経由乾燥ディルのプロピコナゾール及び未承認物質クロルピリホス・エチレンオキシド(エチレンオキシドと表現されたエチレンオキシドと1-クロロエタノールの合計)・プロフェノホス及びトリアゾホス、サウジアラビア産ビスケットのアレルゲンとして表記されていない亜硫酸塩、オランダ産CBDオイルのテトラヒドロカンナビノール(THC)、スペイン産ヒヨコマメのクロルピリホス-メチル、クロアチア産イノシシ肉の鉛高含有、

注意喚起情報(information for attention)

ポーランド産肉製品のマデュラマイシン、英国産食品サプリメントのイカリソウ、中国産低脂肪ココアパウダーのベンゾ(a)ピレン及び多環芳香族炭化水素、英国産チリハバネロオレオレジンの未承認着色料トルイジンレッド及びパラレッド、スペイン産チルドメカジキの水銀、イタリア産白い生食用ブドウの未承認物質クロルピリホス、

トルコ産レモンのクロルピリホス-メチル、

通関拒否通知(Border Rejections)

トルコ産ピスタチオ穀粒のアフラトキシン、ジョージア産ヘーゼルナッツのアフラトキシンB1及びアフラトキシン類の合計、中国産メラミン製食器セットからのホルムアルデヒドの溶出、ガーナ産パーム油の未承認着色料スーダンⅣ、ジョージア産ヘーゼルナッツ穀粒の高濃度のアフラトキシン、ジョージア産ヘーゼルナッツのアフラトキシンB1及びアフラトキシン類の合計、エジプト産オレンジの未承認物質クロルピリホス、ウクライナ産インスタント麺スープのエチレンオキシド、イスラム共和国産ピスタチオ穀粒のアフラトキシン、米国産ピーナッツのアフラトキシン、ウガンダ産チリペッパーのジメトエートおよびオメトエート、トルコ産生鮮ペッパーのアセタミプリド、エクアドル産バナナのイマザリル、ウルグアイ産オレンジのプロピコナゾール、ドミニカ共和国産ササゲのクロルピリホス・ジメトエートおよびオメトエート、

 

[FAO]FAOは加盟国に戦略枠組み2022-31履行について更新

FAO updates its Members on the implementation of the Strategic Framework 2022-31

30 September 2021

http://www.fao.org/news/story/en/item/1442101/icode/

持続可能開発目標を実現するには健康的食事とより良い栄養が必須

Latest issue: SOFI 2021

http://www.fao.org/publications/sofi/2021/en/

 

[ARS]USDAのワクチン候補がアフリカブタ熱ウイルスの拡散を阻止するのに成功

USDA's Vaccine Candidate Successful in Blocking Spread of African Swine Fever Virus

Sept. 30, 2021

https://www.ars.usda.gov/news-events/news/research-news/2021/usdas-vaccine-candidate-successful-in-blocking-spread-of-african-swine-fever-virus/

 

[IARC]IARCは2021乳がん啓発月間を記念する

IARC marks Breast Cancer Awareness Month 2021

1 October 2021

https://iarc.who.int/news-events/iarc-marks-breast-cancer-awareness-month-2021/

Breast Cancer Awareness Month 2021

https://iarc.who.int/featured-news/breast-cancer-awareness-month-2021/

各種資料

 

論文

-アリストロキア酸暴露に関連する上部尿路上皮がんの分子プロフィールと尿中バイオマーカー

Molecular profiles and urinary biomarkers of upper tract urothelial carcinomas associated with aristolochic acid exposure

29 September 2021

https://iarc.who.int/news-events/molecular-profiles-and-urinary-biomarkers-of-upper-tract-urothelial-carcinomas-associated-with-aristolochic-acid-exposure/

非侵襲的スクリーニングに使える可能性のあるバイオマーカーをInternational Journal of Cancerに発表

 

-食事制限と摂食障害が女性アスリートの怪我に関連する

Restrictive eating and eating disorders are associated with injuries in female athletes

1-OCT-2021

https://www.eurekalert.org/news-releases/930249

Nutrientsに発表された15-45才の846人の女性アスリートの調査

 

-大麻使用者は精神衛生状態が悪くなるリスクが高い

Cannabis users at ‘much higher’ risk of developing poor mental health

1-OCT-2021

https://www.eurekalert.org/news-releases/930258

Psychological Medicineに発表された英国の研究

 

-研究が余分な体重とCOVID-19死亡率を関連づける

Research associates excess body weight with COVID-19 mortality

1-OCT-2021

https://www.eurekalert.org/news-releases/930350

肥満と死亡率の関連がますます明らかになった。Public Health in Practiceに発表された154カ国55億人の成人のCOVID-19死亡率と余剰体重の解析

 

-サプリメントの安全性再び:新規サプリメントtejocote(テホコテ)による致死に近い過剰使用

Revisiting supplement safety: a near fatal overdose with novel supplement tejocote.

Mudan A, Livshits Z, Lebin J.

Clin Toxicol (Phila). 2021 Jun;59(6):531-532.

米国からの症例報告。

(減量用サプリメントとして売っている根に不整脈誘発と呼吸抑制作用があるらしい)

 

-食品化学物質評価のためのリードアクロス(類推)を支援するためのToxCastデータの可能性を探る

Exploring the Potential of ToxCast Data in Supporting Read-Across for Evaluation of Food Chemical Safety.

Firman JW, , et al.,

Chem Res Toxicol. 2021 Feb 15;34(2):300-312.

ToxCast やTox21のようなハイスループットデータを食品関連化合物の毒性学的類推に採用できるかどうかを検討した。重要な疑問は(1)最も問題となる毒性アウトカムの背景にある生物活性の解明、(2)既存の毒性学的データのギャップを埋める、(3)どの生理活性が実際に外挿できるかについての化学的境界の定義。結果としては化学グループ内で見かけ上活性化される多くの生物学的標的の、妥当性を評価された毒性経路との関連が現時点では欠けている。比較的よく知られているエンドポイントであるエストロゲン活性を選択して探索的ケースステディを行った。

 

-スターフルーツ(Averrhoa carambola)摂取後の腎毒性と神経毒性:逸話的レビュー

Nephrotoxicity and neurotoxicity following star fruit (Averrhoa carambola) ingestion: a narrative review.

Yasawardene P, et al.,

Trans R Soc Trop Med Hyg. 2021 Sep 3;115(9):947-955.

ヒトでのスターフルーツ中毒報告のまとめ。1995年から2020年7月までの間に10の症例シリーズと28の症例報告がPubMedでみつかった(総数136人)。動物実験は8。患者の64%は腎不全の既往がある。神経毒性と腎毒性の主な原因物質はシュウ酸とカランボキシン(Caramboxin)と考えられている

 

-Natureニュース

中国の偽造論文工場取り締まりが加速

China’s clampdown on fake-paper factories picks up speed

01 October 2021  Holly Else

https://www.nature.com/articles/d41586-021-02587-3

不正取り締まりの一環として、中国の研究費出資者は「論文工場」からの偽造論文に関わった研究者に罰を科す、しかしまだ十分ではないと言う人もいる

 

-予防接種と政治を分ける:対応の呼びかけ

Uncoupling vaccination from politics: a call to action

Joshua M Sharfstein et al.,

THE LANCET CORRESPONDENCE| VOLUME 398, ISSUE 10307, P1211-1212, OCTOBER 02, 2021

米国の政治的対立がSARS-CoV-2ワクチン接種の障害となっている。歴史的には反ワクチンは政治への影響は小さかった、なぜならどちらの政治主導者もワクチンの安全性と有効性を強く支持していたから。しかし近年反ワクチン運動が一部の政治家の支持を受け、今や反ワクチン活動団体が他のCOVID-19対策に反対することにも成功した。公衆衛生問題が一旦政治化すると全党派一致に戻るのは困難である。我々は短期的対策として以下の5つを推奨する:メッセンジャーの多様化、広範な専門家を集める、研究への投資、デマ拡散者対応、デマを止める。

 

-英国は神経管欠損を予防するために小麦粉の葉酸強化を導入

UK introduces folic acid fortification of flour to prevent neural tube defects

Paul Haggarty

THE LANCET COMMENT| VOLUME 398, ISSUE 10307, P1199-1201, OCTOBER 02, 2021

30年前にMRCビタミン研究グループが妊娠周辺の女性の葉酸の補充が赤ちゃんの深刻な神経管欠損リスクを減らすことを報告した。この研究により80カ国以上で小麦粉のような主食に葉酸を強化する義務が導入された。最近では2021年7月からニュージーランドが葉酸強化を義務化した。英国では2019年に葉酸強化についてのパブリックコメント募集が行われ2021年9月20日に政府が全粒小麦以外への葉酸強化義務化を発表した。

COVID-19パンデミックがもともと不利な人たちへ影響を与えている今、30年前にわかっていたNTD対策を行うことは時宜に適っている。

 

-学校が戻ったときの撹乱削減のための毎日の抗原検査

Daily antigen testing to reduce disruption when schools return

THE LANCET COMMENT| VOLUME 398, ISSUE 10307, P1196-1197, OCTOBER 02, 2021

Russell M Viner, Archana Koirala

パンデミックの1年半にわたって、このウイルスの拡散における学校の役割について我々はまだよくわかっていない、というのが不愉快な真実である。一方で休校の害については根拠が積み上がっている。

今週号のLancetでBernadette Youngらが学校での毎日の抗原ラテラルフロー検査7日と標準的隔離10日を比較したクラスター無作為化試験を報告している。結果として差はなかった。この研究は限界はあるもののいくつかの知見を提供する。成人のワクチン接種率が高くなると学校での子どもの感染が注目されるのは避けられない。全ての国で学校を開け続けるための現実的で有効な方法を開発することが優先されるべきである。もはや子どもたちの利益ではなく大人のためにのみ(つまり影響を受けやすい成人の感染を減らすために)学校の方針を作ることはできない。

 

その他

-ブロッコリー問題

A Broccoli Conundrum

Joe Schwarcz PhD | 1 Oct 2021

https://www.mcgill.ca/oss/article/health-nutrition/broccoli-conundrum

人生は難しい決定に満ちている。ピザのブロッコリーはオーブンに入れる前に載せるべきか後か?悩む必要はない。スルフォラファンの性質を検討すると少し簡単になる

本や雑誌やウェブサイトで抗がん作用などが宣伝されているスルフォラファンはブロッコリーには入っていない。ブロッコリーが含むのはその前駆体グルコラファニンであり、それがブロッコリーに含まれる酵素ミロシナーゼと接触するとスルフォラファンが放出される

(以下宣伝される効果の根拠等略)

 

-ガラナとは?

What is Guarana?

Joe Schwarcz PhD | 30 Sep 2021

https://www.mcgill.ca/oss/article/health-nutrition-you-asked/what-guarana

もしガラナを見つけたければ、アマゾン川流域の森の中を歩いて、木の上のあなたを見返す目玉を探す

ガラナの実はカフェイン、テオブロミン、テオフィリンを含みアマゾン先住民は欧州人が南米に到達するずっと以前からその興奮作用を知っていた。重量あたりではガラナの実はコーヒー豆の約2倍のカフェインを含む。現在北米ではガラナは最もみつけやすいのはエネルギードリンクの成分として、である。カフェインの刺激作用はもちろん事実だが、ほかの宣伝文句は科学的根拠を欠く。カフェインの摂りすぎやアルコールとの同時使用には注意。

 

-インフルエンザワクチンはCOVID-19にも役に立つ?

Can the Flu Vaccine Also Help With COVID-19?

Jonathan Jarry M.Sc. | 1 Oct 2021

https://www.mcgill.ca/oss/article/covid-19-health/can-flu-vaccine-also-help-covid-19

インフルエンザワクチンはインフルエンザから守るためのものである。科学者はそれがCOVID-19にも直接幾分かの保護を与えるかどうかについて合意できていない

ポイント

・インフルエンザワクチンがCOVID-19リスクを上げるという主張はパンデミック前に出版された間違った計算をした論文に基づくもので事実ではない

・インフルエンザワクチンがCOVID-19に対して僅かな保護作用があるかないかについては矛盾した研究がある

・ある種の感染やワクチンは他の感染への防御をあげるようにみえることがある

 

-「ハイブリッドがやってくる」:細胞培養と植物ベースの混合物

‘Hybrids are coming’:Making the case for cell-cultured and plant-based blend

By Flora Southe,y 21-Sep-2021

https://www.foodnavigator.com/Article/2021/09/21/Hybrids-are-coming-Making-the-case-for-cell-cultured-and-plant-based-blends

植物タンパク質に培養脂肪を加えると味が肉に近くなる

 

-「沈黙の地球」書評:科学者を追い出しオーガニックで全ての人の食料をまかなう-2021年の不気味な懐古主義

'Silent Earth' Review: Scientists Have Been Bought Off, Organic Can Feed Everyone - It's Retro Creepy In 2021

By Hank Campbell | September 30th 2021 Science 2.0

https://www.science20.com/hank_campbell/silent_earth_review_vaccines_no_longer_cause_autism_to_activists_pesticides_do-255690

Dave Goulson(昆虫生態学者)著Silent Earthの書評

ほとんどの人にとって、食料生産と家を持つこととエネルギーに共通点はあまりないが、「科学は大企業の陰謀」だと考えるDave Goulsonにとってはそれは人類が地球をダメにしているという共通点がある。我々の問題の背景にあるがんは資本主義であると彼は考える。

Rachel CarsonはDDTの誤使用が鳥を害していると信じたがGoulsonは我々が生きて存在していることが地球に悪いと主張する。そして彼の尊厳なる偽りの二分法による対策の選択肢は過酷である。人類を選択除去しするか、あるいは優生学を信奉していたJohn Holdren, Paul Ehrlichそして Anne Ehrlichですらその著書「エコサイエンス」で主張していなかったレベルの独裁である。

Goulsonは資本主義が全ての原因であると考える。

(以下略。)

 

-ニュージーランドはCOVID-19排除戦略をやめる

New Zealand drops COVID-19 elimination strategy under pressure from Delta

By Praveen Menon  October 4, 2021

https://www.reuters.com/world/asia-pacific/new-zealand-extends-auckland-lockdown-eases-some-curbs-2021-10-04/

デルタアウトブレイクが続き、月曜日に長く続けてきた排除戦略を破棄し、ウイルスとの共存を探る

喜びと警告、政治的には両側から批判

 

以下関連

Covid-19:オークランド人は何週間もあるいは数ヶ月レベル3に、感染者はさらに、専門家

Covid-19: Aucklanders to be in level 3 for weeks or months, more cases likely – experts

Oct 04 2021

https://www.stuff.co.nz/national/health/coronavirus/300422559/covid19-aucklanders-to-be-in-level-3-for-weeks-or-months-more-cases-likely--experts

オークランドのCovid-19制限脱出ロードマップは、患者数が増え、ステージを抜け出すのに何ヶ月もかかるだろう、と専門家が言う

ロックダウンに入って48日経った月曜日の午後、Jacinda Ardern首相は三段階の制限緩和計画を発表した。オタゴ大学のMichael Baker疫学教授はそれがウイルスを封じ込めるのに十分ではないだろうという。アラートシステムには改訂が必要であるがステージシステムと既存のシステムも不必要に混乱を招くという

Covid-19モデラーのShaun Hendyオークランド大学教授は政府にもっと厳しい対応を期待し、緩和はこの国の排除戦略からの後退を意味すると考える

 

NZに27人の新たな感染が記録され反ロックダウン抗議が集まる

Anti-lockdown protesters rally in New Zealand as 27 new COVID-19 cases recorded

2 October 2021

https://www.sbs.com.au/news/anti-lockdown-protesters-rally-in-new-zealand-as-27-new-covid-19-cases-recorded/3856a495-8b62-4567-995e-14d3d480975b

ロックダウンから約二ヶ月、ここしばらく8-45人の間で感染者が上下している。Jacinda Ardern首相は8月半ばに「短期的に厳密な」全国ロックダウンだといった。しかし7週間ロックダウンのままである。約1000人が「ロックダウンからの自由」を求めて集まった。逮捕や暴力はなかった

 

SMC NZ

Waikatoの町はアラート3レベルに-専門家の反応

Waikato towns enter Alert Level 3 – Expert Reaction

Published: 03 October 2021

https://www.sciencemediacentre.co.nz/2021/10/03/waikato-towns-enter-alert-level-3-expert-reaction/

Raglan と Hamiltonで2人の感染が最近確認されたため今夜Waikato地域の一部がアラート3レベルに入る

8人の意見

これまでレベル2がレベル3になったことはない、レベル3は根絶には不十分、等