[EFSA]農薬:初の累積リスク報告書を発表
Pesticides: first cumulative risk reports published
29 April 2020
http://www.efsa.europa.eu/en/news/pesticides-first-cumulative-risk-reports-published
EFSAは食品中の複数の残留農薬がヒトに引き起こすリスクについて、2つのパイロット評価の結果を発表した。
甲状腺システムへの慢性影響と神経系への急性影響の考察の評価は、EFSAとオランダ国立公衆衛生環境研究所(RIVM)との複数年にわたる共同研究の集大成である。
この文書はEFSAが、国立機関、学会、非政府組織、商工組合を含む様々な関係者からの貴重なフィードバックを受け取る2か月にわたるパブリックコメント募集後に最終化された。方法論を明確化させ、この作業結果を説明するためにブリュッセルで関係者との会議も開催された。
この2つの評価の全体的な結論は、食事からの累積暴露による消費者リスクは、様々な確実性があり、含まれるすべての人口集団で規制措置を行うきっかけとなる閾値以下だということである。(この評価の不確実性分析の使用に関する詳細情報はFAQ参照)
他の器官や身体の機能に関する農薬の影響を含む評価は数年後に続く。EFSAは現在欧州委員会と包括的実行計画を決めている。
背景
この評価で検討された物質は、農薬を「累積評価グループ」(CAGs)に分類するために特別に考案された方法論を用いてEFSAの農薬専門家が特定した。
食品中の農薬の最大基準量に関するEU規則(MRLs)は、MRLsに関する決定は、そのような影響を評価するための方法論が入手可能になり次第、農薬の累積影響を考慮するべきだと規定している。また、農薬の販売を扱う規則は、農薬はヒトに累積影響を含む有害影響があってはならないと規定している。
詳細情報はFAQ参照。
・甲状腺に慢性影響のある農薬の累積食事リスクキャラクタリゼーション
Cumulative dietary risk characterisation of pesticides that have chronic effects on the thyroid
EFSA Journal 2020;18(4):6088 29 April 2020
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6088
・神経系に急性影響のある農薬の累積食事リスクキャラクタリゼーション
Cumulative dietary risk characterisation of pesticides that have acute effects on the nervous system
EFSA Journal 2020;18(4):6087 29 April 2020
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6087
食習慣が重金属摂取に影響する
フィンランド食品局
Eating habits affect the intake of heavy metals
April 27/2020
フィンランド食品局による国のリスク評価は、EUレベルで欧州食品安全機関(EFSA)が以前発表した消費者の暴露推定量をより詳しく説明する。この結果に基づき、一部のフィンランドの労働年齢の成人は、重要でないリスク量を超える量の食品中の重金属に暴露されている。それにもかかわらず、臓器損傷の可能性は低い。フィンランド食品局のリスク評価で、25 - 74歳のフィンランド人の食品や飲料水中のカドミウム、鉛、無機ヒ素、様々な形態の水銀、ニッケル、アルミニウムへの暴露が調査された。重金属の暴露は最も若い年齢集団で最大となり、年齢によって減少した。
平均的な消費者の重金属の最大の暴露源は一般に、パン、各種飲料、コーヒー、魚、貝・甲殻類など、頻繁に大量に食べる食品群だった。
「最も暴露する集団では、平均すると食品中よりも重金属濃度の高い製品が大きな暴露源でもある。例えばヒマワリ種子などの油糧種子は、大量に食べる消費者にとってはカドミウムとニッケルの重要な暴露源となる可能性があり、フードサプリメントの様々な重金属の濃度も考慮した方が良い」とフィンランド食品局リスク評価部門の医学博士で主任研究員及び講師であるJohanna Suomi氏は述べた。
若い女性は重金属に暴露されている
「25 – 45歳のフィンランドの女性は妊娠可能な年齢を過ぎた女性よりも食品から重金属を取り込みやすい。重金属は胎盤を通して胎児に移行する可能性があるため、妊娠中や一部妊娠前の暴露は将来の子供の発育に影響する可能性がある。これらの有害物質の多くは、特に発達中枢神経系を損傷する」とSuomi氏は述べている。
魚や他の魚介類に含まれるメチル水銀への暴露は例外である。FinDiet 2007~2012年のデータによると、65歳以上の人は若いフィンランド人よりも多く魚を食べるため、摂取量が最大だった。
水銀の暴露は人口の大多数で低かったが、25 - 64歳の約1.5 %で、65 - 74歳の人では少し多い3 %でメチル水銀の耐容週間摂取量を超えていた。検査したすべての人で、無機水銀の摂取量は最大耐容週間摂取量より明らかに下で、このリスクは問題にならない。
重金属は骨や内臓を損傷する
カドミウムへの暴露は閉経後の女性の骨粗しょう症のリスク増加に関連している。このリスク評価では、2012年の食品摂取情報に基づいて、45歳以上の女性のおよそ5分の1が、食事で、骨粗しょう症性骨折リスク増加につながる大量のカドミウムを摂取していることが分かった。およそ6%では、このリスクは暴露が少ない人のリスクよりも3倍以上高いことが分かった。
フィンランドの成人の1%未満で、カドミウム暴露はEFSAが規定した最大耐容週間摂取量を超えている。最大値を超えると腎臓の損傷につながる恐れがある。
一部のフィンランド人では、ニッケルアレルギーのある人が食事からの暴露で皮膚症状が出るほど、食品からのニッケルの暴露はとても高い。汚染物質として食品に含まれるアルミニウムは、調査したすべてのグループの最大耐容週間摂取量を依然として下回っている。最大値は検査した動物の中枢神経系への損傷の原因となる量と安全係数に基づいている。
全ての重金属に規定された安全な暴露量があるわけではない
調査した重金属のうち、無機ヒ素と鉛には安全とされる暴露量がない。実際、一部の集団では健康ハザードの低~中程度のリスクに関連している。
井戸水中のヒ素濃度はフィンランドの特定の地域で高い可能性があり、その水を飲む人は飲料水の濃度に基づくリスク評価で推定されるよりも著しく大量のヒ素に暴露する可能性がある。
鉛へのフィンランド人の暴露は少ない、しかしながら食品中の鉛濃度は過去数十年減少している。
暴露推定量は2007~2012年のFinDiet研究で収集した食品摂取情報や、以前の研究プロジェクト、フィンランド食品局のモニタリングデータに基づいて作られ、この濃度データベースは企業の自主検査結果に基づいて編集された。
フィンランド食品局のウェブサイト上の安全な利用のための説明書に従うと、消費者は重金属への暴露を減らすことが出来る。
・「フィンランドの成人の食事による重金属の暴露やアルミニウム暴露についてのリスク評価 (pdf)」 (フィンランド語)、解説(英語)
Risk assessment on the dietary heavy metal exposure and aluminium exposure of Finnish adults (pdf) in Finnish, the description in English.
要約
このリスク評価は、労働年齢や高齢のフィンランド人の、食品や飲料水からのカドミウム、鉛、ヒ素、水銀、ニッケル、アルミニウムへの暴露を調査した。成人は子供より暴露が少なかった(以前の評価:Eviraの調査報告書2/2015)、だが依然として一部の集団で耐容週間摂取量を超えていた。鉛と無機ヒ素の摂取量は健康ハザードを除外できないほどだが、その可能性は低いまたはせいぜい中程度である。肥料のカドミウム含有量は暴露を減らすために国の制限を受けているにもかかわらず、45歳以上の女性の5分の1はカドミウム暴露により骨粗しょう症性骨折のリスクが高い。重金属への最大の食事暴露は妊娠可能な年齢、25–45歳の女性が直面している。しかしながら、このグループの水銀暴露は少ない。
暴露の大きさや供給源に加えて、このリスク評価は消費者の暴露に関する食習慣に確認された変化の影響を調査した。暴露はFindiet 2007~2012年の研究に基づいて評価された。EATLancet委員会の推奨する食事による消費者の暴露への影響も概算された。
・食品の安全な利用のための説明書
Instructions for safe use of foodstuffs
[HK]食品安全センターはソウギョのサンプルに微量のマラカイトグリーンを検出する
CFS finds traces of malachite green in grass carp sample
Wednesday, May 6, 2020
https://www.cfs.gov.hk/english/press/20200506_7934.html
食品安全センター及び食物環境衛生署は、ソウギョのサンプルに1.4 ppbのマラカイトグリーンを検出したと発表した。
[TGA] 安全性警告
-Chinese Family in Hong Kong錠剤
Chinese Family in Hong Kong tablets
7 May 2020
https://www.tga.gov.au/alert/chinese-family-hong-kong-tablets
TGAはChinese Family in Hong Kongと表示された錠剤製品を検査し、表示されない成分シルデナフィルが含まれることを発見した。
-Muses コーヒーパック(Magic Thin)
Muses Coffee (Magic Thin) sachets
6 May 2020
https://www.tga.gov.au/alert/muses-coffee-magic-thin-sachets
TGAはMuses Coffee (Magic Thin) sachetsと表示された製品を検査し、表示されない成分シブトラミンとフェノールフタレインが含まれることを発見した。
-Vitamin B6 (pyridoxine)
6 May 2020
https://www.tga.gov.au/alert/vitamin-b6-pyridoxine
TGAは50mg以下のビタミンB6を毎日服用したり、ビタミンB6を含む製品を1つ以上飲んでいる消費者に末梢神経障害の副作用の可能性に関して注意を呼び掛けている。
[SFA] 安定した食品供給を確保するために地元生産がカギ
Local production key to Ensuring stable food supply
30 April 2020
SFAは2030年までに地元で30%の栄養必要量を生産することを目標とする。
[SFA] 自宅を拠点とする食品事業に対するセーフディスタンシング対策に関するガイドライン
Guidelines for Employers/Managing Agents of Establishments in the Food Sector on Elevated Safe Distancing Measures
Sunday, May 3, 2020
2020年5月12日より、自宅を拠点とする食品事業の一部が、配達に限って再開許可される予定である。
[SFA]セーフディスタンシング対策の引き上げに関する食品施設の従業員/管理者に対するガイドライン
Guidelines for Employers/Managing Agents of Establishments in the Food Sector on Elevated Safe Distancing Measures
Thursday, April 30, 2020
https://www.sfa.gov.sg/covid-19/guidelines-for-employers-ESDM
COVID-19感染リスクを減らすため、2020年4月よりセーフディスタンシング対策が引き上げられた。
[SFA]食品飲料(F&B)業界の従業員のマスクやフェイスシールド着用に関する助言
Advisory on Wearing of Mask or Face Shield by Employees in Food and Beverage (F&B) Establishments
Thursday, April 30, 2020
2020年4月7日より持ち帰りあるいは配達のみ営業。
[SFA]セーフディスタンシング対策
Safe Distancing Measures
Sunday, May 3, 2020
https://www.sfa.gov.sg/covid-19/SDM
食品関連部門の不可欠なサービス業界の安全な距離に関して
[FSA] Top Star Marketing UKは違法な着色剤を含むためGoGo Pan Masalaを回収措置
Top Star Marketing UK recalls GoGo Pan Masala because it contains an illegal dye
5May 2020
https://www.food.gov.uk/news-alerts/alert/fsa-prin-23-2020
Top Star Marketing UK Ltd.は健康リスクの可能性のある違法なローダミンB色素を含むとしてShahzada産業GoGo Fresh & Sweet Pan Masalaを回収している。
[FSA]料理クラブ及びフードバンクの食品安全
Food safety for community cooking and food banks
28 April 2020
https://www.food.gov.uk/safety-hygiene/food-safety-for-community-cooking-and-food-banks
地域コミュニティで食事を調理し分けあう、個人及び団体に対する衛生及びアレルギーに関する助言。
[FSA]食品配達に関する食品安全
Food safety for food delivery
6 May 2020
https://www.food.gov.uk/business-guidance/food-safety-for-food-delivery
持ち帰り食品及び食品配達業界に対する衛生及びアレルギーに関する助言。
[ODS] ODS戦略計画2017-2021
ODS Strategic Plan 2017-2021
2020-05-06
https://ods.od.nih.gov/About/StrategicPlan2017-2021.aspx
2019年ODS年次報告。
[CBC] カナダ産業省競争政策局はCOVID-19の予防、治療を謳う不正販売を取り締まる
Competition Bureau cracking down on deceptive marketing claims about COVID-19 prevention or treatment
2020-05-06
カナダ産業相競争政策局は製品やサービスがCOVID-19を予防治療できると誤解を招く表示をするすべての事業に対し、警告している。
[FSAI]プロバイオティクス健康強調表示
Probiotic Health Claims
6/5/2020
https://www.fsai.ie/faq/probiotic_health_claims.html
プロバイオティクス健康強調表示に関し、情報更新。
[FDA]植物製品安全性コンソーシアムは5月に初回会合
Botanical Safety Consortium to Hold First Meeting in May
May 4, 2020
5月29日ウェブキャスト
[FDA]コロナウイルス(COVID-19)更新:2020年5月5日
Coronavirus (COVID-19) Update: Daily Roundup May 5, 2020
FDAとFTCは詐欺的COVID-19製品の販売者に警告文書を発行
銀を含む製品などを販売していたHoney Colony LLC社とホメオパシー製品を販売していたDr. Dhole’s Sushanti Homeopathy Clinic。
-2020年5月4日
Coronavirus (COVID-19) Update: Daily Roundup May 4, 2020
未承認COVID-19製品を販売していたウェブサイトwww.antroids.comおよび www.foxroids.comの運営者に警告文書
[FDA]警告文書
- Foxroids.com
April 22, 2020
コロナウィルス疾患2019(COVID-19)に関連する未承認かつ不正製品。
以下同様
- Antroids.com
April 22, 2020
- Honey Colony LLC
May 04, 2020
- Dr. Dhole's Sushanti Homeopathy Clinic
May 04, 2020
- Hawaii Pharm LLC
April 24, 2020
ダイエタリーサプリメント、CGMP違反、不純品、不正表示の問題。
- SeaSnax
April 17, 2020
FSVP違反の問題。
- Global Vitality, Inc. dba Enzyme Process International
April 16, 2020
未承認の医薬品、不正表示。
[FDA]パンデミック中の食料品の買い物に関する12のヒント
12 Tips for Grocery Shopping During the Pandemic
May 01, 2020
https://www.youtube.com/watch?v=3TtHg5XgZzI&feature=youtu.be
FDAは消費者が食料品の買い物の安全性に関して疑問に思うことへの助言のビデオを作成した。
[NTP]TR-598 Sprague Dawley (Hsd:Sprague Dawley SD)ラットへの混餌投与パーフルオロオクタン酸の毒性およびがん原性試験
Toxicology and Carcinogenesis Studies of Perfluorooctanoic Acid Administered in Feed to Sprague Dawley (Hsd:Sprague Dawley SD) Rats
https://ntp.niehs.nih.gov/publications/reports/tr/500s/tr598/index.html
テクニカルレポート公表
(この試験のポイントは周産期暴露を加えても離乳後暴露と差がないということ)
[NASEM]フードシステムの革新:食品の将来を形作る-ワークショップ
Innovations in the Food System: Shaping the Future of Food - A Workshop
2019年8月7-8日に開催されたワークショップの報告
システムアプローチ、生産・加工、代用食品、ロジスティック、包装、ドローンによる自動配送、消費者行動、連邦計画と民間部門、データ分析、アクセスと入手可能性、等
[FAO]COVID-19のアフリカの食糧安全保障への影響に関する特別委員会作業開始
Task Force Focusing on Impacts of COVID-19 on Africa’s Food Security Begins Work
05/05/2020
http://www.fao.org/director-general/news/news-article/en/c/1274052/
[IARC]IARCモノグラフ会合-第129巻:ゲンチアナバイオレット、ロイコゲンチアナバイオレット、マラカイトグリーン、ロイコマラカイトグリーン、C.I. ダイレクトブルー 218
7 May 2020
IARC Monographs Meetings – Volume 129: Gentian Violet, Leucogentian Violet, Malachite Green, Leucomalachite Green, and C.I. Direct Blue 218
https://www.iarc.fr/news-events/iarc-monographs-meetings-volume-129/
2021年2月22日から3月5日開催予定
[ASA]点滴静注の広告(コロナウイルス/COVID-19)
Advertising IV Drips (Coronavirus/COVID-19)
CAP News 07 May 2020
https://www.asa.org.uk/news/advertising-iv-drips-coronavirus-covid-19.html
先週我々はMHRAとともに点滴静注の広告(コロナウイルス/COVID-19)への新たな執行通知を発表し、今週はコンプライアンスチームが公平性確保のため標的を定めて執行を開始した。これは多数の事業者がウェブサイトやソーシャルメディアでコロナウイルス/COVID-19の治療や予防に役立つことを宣伝あるいは示唆していることに対応したものである。基本的に、提供者は直接あるいは間接的に点滴のコロナウイルス/COVID-19の予防や治療クレームをしてはならない
[Codex]第43回コーデックス物理的総会はおそらくCOVID-19のためキャンセル
COVID-19 likely to cause cancellation of a physical meeting of 43rd Codex Commission
06/05/2020
http://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1274004/
議長国ブラジルがFAOに2020年7月ローマの会議をキャンセルしオンライン執行委員会の開催を探ることを示唆する手紙を書いた
[WHO]手の衛生デー
Hand Hygiene Day
5 May 2020
https://www.who.int/news-room/events/detail/2020/05/05/default-calendar/hand-hygiene-day
5月5日は手の衛生の日。今年のテーマは“命を救おう:手をきれいにSAVE LIVES: Clean your hands”
詐欺を報告するための新しいCOVID-19苦情フォーム
米国司法省
New COVID-19 Complaint Form for Reporting Fraud
Wednesday, May 6, 2020
https://www.justice.gov/usao-vi/pr/new-covid-19-complaint-form-reporting-fraud
COVID-19に関連する詐欺や騙そうとする試みにあったと思ったら専用電話あるいはフォームで報告できる
NCDF DISASTER COMPLAINT FORM
https://www.justice.gov/disaster-fraud/ncdf-disaster-complaint-form
論文
-乳児用ミルクの強調表示は禁止すべき、専門家が主張
Marketing claims for infant formula should be banned, argue experts
6-MAY-2020
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-05/b-mcf050420.php
The BMJ
乳児用ミルクは150年の歴史で改善してきたがなお母乳に比べると健康リスクに関連する。企業はこれらのリスクを組成の変更で減らそうとし、しばしば栄養強調表示をする。しかしこれにはしばしば根拠がなく母乳推進を毀損する懸念がある
-メキシコの砂糖入り飲料税は3年後の摂取を減らすのに役立った
Mexico's sugary drinks tax has helped cut consumption after just three years
6-MAY-2020
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-05/b-msd050420.php
The BMJ。メキシコは2014年1月1日から1リットルあたり1ペソ(価格で約10%増加)の砂糖入り飲料課税を行った。その後家計調査で購入が減っていることが示されていたが個人の変化についての研究はなかった。そこで平均年齢47才の1770人の保健労働者コホート研究参加者の2004年から2018年のデータを解析した。課税の効果は確認できる
-編集された自分の写真をソーシャルメディアに投稿することは摂食障害のリスクを上げる?
Does posting edited self photos on social media increase risk of eating disorders?
6-MAY-2020
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-05/w-dpe050520.php
International Journal Eating Disordersに発表された研究。見た目をよくするようデジタル編集した写真をインスタグラムに投稿することと摂食障害リスク要因には一貫した直接的関連がある。また編集するしないに関わらず写真を投稿することは不安の大きさに貢献し食事制限や運動強化になる
-人々に社会的距離をとるのに役立てるには明確で、ポジティブで、標的を絞って。政府に強く求める
Be clear, positive, and targeted, to help public stick to social distancing, governments urged
6-MAY-2020
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-05/b-bcp050520.php
権威を振りかざしたり、懲罰的な、対立を生じさせるメッセージは避けるよう専門家が助言。
Journal of Epidemiology and Community Healthに発表された行動の専門家によるコメント
London School of Hygiene and Tropical MedicineのChris Bonell教授ら9人の著者
11の重要なコミュニケーションの基本原則を示す。それは
明確で具体的なガイダンス
「お互いを守る」
「団結」
「私達らしく」
恐怖や嫌悪をもとにしたメッセージは避ける
権威を振りかざしたメッセージは避ける
計画を立てて定期的に見直す
可能にする
メッセージ伝達のスタイル
変化の理論
コ(共同)デザイン
-DDTや他の禁止された農薬がデトロイト地域の黒人女性でみつかる:ボストン大学の研究
DDT, other banned pesticides found in Detroit-area black women: BU study
6-MAY-2020
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-05/buso-dob050620.php
23-35才の黒人女性コホートの半分以上から検出可能な量の有機リン農薬が検出される、おそらくタバコ、アルコール、水由来
Environmental Researchに発表。これら農薬が禁止されたのは970年代から80年代。年齢が高いほど、子どもの時に母乳を与えられていた女性のほうが高濃度
(過去の暴露の名残?)
-シナモン:有害事象の系統的レビュー
Cinnamon: A systematic review of adverse events.
Hajimonfarednejad M, et al.,
Clin Nutr. 2019 Apr;38(2):594-602.
治療目的の使用による有害事象について。最も多いのは消化管疾患とアレルギー反応。
(スパイスや香料としての使用が安全であっても健康上の効果を狙うと有害事象は出る)
-COVID-19時代に不足するリソースを割り当てる
困難な問題への意見表明:Position statement addresses difficult issue: allocating scare resources in COVID-19 era
6-MAY-2020
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-05/ags-psa050620.php
米国老年医学会がJournal of the American Geriatrics Societyに声明発表
乏しい資源の割り当てを決める際に年齢を考慮すべきかどうかについて
(年齢を使うことに反対、と。救われた生存年を使う評価にも反対。複数要因を考慮せよ、と主張しているが年齢だけは使うな、というのはおそらく筋が悪く、広く認められることはないのでは。学会の政治的立場。)
-英国のコメの半分は子どものヒ素基準違反、科学者が警告
Half of UK rice breaches limits on arsenic for children, warn scientists
1-MAY-2020
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-05/uos-hou050120.php
科学者は、調べたコメ品種の半分がこの恐ろしい毒素の最大基準を超えていることから、人々にコメのヒ素含量を警告する表示を求める
Ecotoxicology and Environmental Safetyに発表されたSheffield大学持続可能食品研究所のチームによる研究で、英国で販売されている55のコメのうち28がECの乳幼児用コメ基準を超過していた。発がん物質濃度が高いのは白米より玄米である。また有機栽培の方が非有機栽培よりヒ素濃度が高い。
健康への影響を考えると、1才以下の子どもは後の人生でがんになるリスクを避けるために基準を超過した28のコメ品種は最大1日20g以下に制限すべきである。また英国政府と欧州委員会にコメに5才以下が食べて安全かどうか明確にする表示を推奨した
オープンアクセス
Do arsenic levels in rice pose a health risk to the UK population?
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0147651320304401
(ここでいう基準値は0.1 mg /kgなので日本ではほぼ全部アウトなのでは。)
-太平洋の牡蠣はこれまで考えられていたほど多くのマイクロプラスチックを含まないかもしれない
Pacific oysters may not contain as many microplastics as previously thought
1-MAY-2020
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-05/uow-pom050120.php
ワシントン大学の研究者らがScience of the Total Environmentに発表した研究。これまで牡蠣の組織を溶かしてフィルターにかけて得られた小さな粒子を全てマイクロプラスチックだと考えられてきたが、化学分析をするとそのほとんどはプラスチックではなかった。貝殻のかけらやミネラルや塩、フィルターの繊維などで、プラスチックであることが確認されたのはわずか2%ほど。
-急性腎肝不全の原因と想定される紅麹(デンマーク語)
[Red yeast rice as the presumed cause of acute kidney and liver failure].
Peterslund P et al.,
Ugeskr Laeger. 2019 Sep 30;181(40). pii: V02190107. Danish.
-WHO紀要
Bulletin of the World Health Organization
Volume 98, Number 5, May 2020, 297-372
https://www.who.int/bulletin/volumes/98/5/en/
・展望:家畜への抗生物質使用削減、中国
-炭坑労働者のじん肺新時代:鉱山で数十年、は必要ないかもしれない
A new era of coal workers' pneumoconiosis: decades in mines may not be required
Drew A Harris et al.,
THE LANCET CLINICAL PICTURE| VOLUME 395, ISSUE 10234, E82, MAY 02, 2020
56才の男性がゆっくり悪化する乾いた咳と労作時の息切れでプライマリーケアクリニックから我々の専門家ユニットに紹介された。彼はかつて7年間喫煙し呈茶が10年前に止めていて米国のケンタッキーの地下炭坑で8年間働いていた。26才の時に炭坑の壁が崩れて頭部に傷害を受け発作を発症して止めた。当時の作業内容は天井ボルト打設作業者で防塵マスクは息が苦しいからときちんと装着していなかった
(以下確定診断に至った経緯と組織像)
これまでじん肺は25年以上の炭坑労働者に発症してきたが近年比較的短期間の若い労働者にも重症例が増加している。寄与要因の一つに岩の切断が多くなっていてより多くのシリカに暴露されていることがあるのかもしれない
-コメント オフライン:世界的健康危機?ノー、もっと悪い何か
Offline: A global health crisis? No, something far worse
Richard Horton
VOLUME 395, ISSUE 10234, P1410, MAY 02, 2020
COVID-19に関する状況を主導者たちは「一世紀に一度の世界的健康危機」と呼ぶ。これは二つの点で正確でない。一つは残りの今世紀に何がおこるかわからないこと。もっと悪いことがおこるかもしれない。二つ目は、こちらのほうがより重要だが、健康に関する危機ではなく人生そのものの危機である。我々は近年人類を全能であるかのように想定してきた。人新世Anthropoceneという考えは地球上の生命の将来への影響に人類の活動を大きいとするものでそれは人類が支配権をもつことを想定している。SARS-CoV-2はこの見解の傲慢さを顕わにした。我々は生活の仕方に反省すべき理由はたくさんあるものの、所詮多数の種のうちの一つである
(一部のみ、人新世という考え方が人類の傲慢という意見がLANCETのエディターから出るのが面白い。自然災害の前にはちっぽけな存在でしかないと思い知らされ続けているアジアより古い建物がいつまでも使えている安定した環境で自信たっぷりだった欧州でCOVID-19が深刻なのは皮肉というか)
その他
-グリホサートとCOVID-19: Stephanie Seneff博士再び攻撃(そして失敗)
Glyphosate and COVID-19: Dr. Stephanie Seneff Strikes (Out) Again
Joe Schwarcz PhD | 1 May 2020
MITの計算機科学者で農業や化学や毒性学、生物学の専門ではないがどういうわけか遺伝子組換え食品とグリホサートが社会の多くの病気の原因だと決めたStephanie Seneff博士が、COVID-19の原因をグリホサートにしようとしている。どうやって?バイオ燃料のトウモロコシ由来エタノールが燃えるときに、トウモロコシに使われたグリホサートが残っていて燃えてエアロゾルになって吸入されて免疫系に影響してサイトカインストームをおこすという。根拠は?
グリホサートは187℃で分解するので燃焼したら残らない。バイオエタノールから検出されたこともない。
彼女はまた電子タバコによる肺疾患もグリホサートが原因だと主張している。何故?プロピレングリコールやグリセロールがバイオ燃料生産の副生成物であること、ビタミンEがしばしばGMO大豆を原料にしているからグリホサート汚染があるという。その根拠は?ゼロである。
(いろいろ略。この人がMIT所属という理由で反GMO活動の騎士として持て囃されている。)
-科学的助言に刷新アプローチ
Sense about science
A fresh approach to scientific advice
https://senseaboutscience.org/activities/a-fresh-approach-to-scientific-advice/
Sense about science のTracey Brown会長は金曜日にBoris Johnsonに5月7日のロックダウン方針のレビューを、人々へのコミュニケーションの刷新機会にするよう強く求める手紙を書いた。人々の科学的助言への信頼を毀損しないように、明確さと透明性が進むべき道である
以下手紙全文
重要な部分は
・SAGE(緊急時科学助言グループ)の議事録、委員、拡大計画などが公開されること
・主任科学アドバイザーが彼の助言を公表する
・政府はそれとは別に方針を説明
(しかし英国はスキャンダルになっている
スクープ:政府の科学者Neil Fergusonが既婚の愛人に会うためにロックダウン規則を破って(SAGEを)辞任
Exclusive: Government scientist Neil Ferguson resigns after breaking lockdown rules to meet his married lover
5 May 2020
Neil Fergusonはロックダウンを提言したImperial Collegeのモデリングチームのトップ。
なお一ヶ月前にはスコットランドの医務主任が自宅にいるよう助言されているにもかかわらず別荘に出かけて辞任するという事件がおこっている
Scotland's chief medical officer quits over second home row
科学的助言と政策は別、といっても信頼が毀損されるのは避けられない)
-Neil Ferguson教授がSAGEを辞任することへの専門家の反応
SMC UK
expert reaction to Prof Neil Ferguson resigning from SAGE
MAY 6, 2020
https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-prof-neil-ferguson-resigning-from-sage/
医学研究評議会会長Fiona Watt教授
Neil Ferguson教授は速やかに、そして私の意見では適切に、SAGEを辞任した。それでも彼の主導する世界感染症解析(GIDA)MRCセンターの研究に支障はない。GIDAにはNeilを含む数人の卓越した上級科学者がいる。彼らのCOVID-19パンデミックモデリングへの貢献は英国と世界中にとって非常に重要なままである。
英国科学協会会長Katherine Mathieson
Ferguson教授の辞任は彼の研究の質や政府の研究へのアクセスには影響しないことを科学者は知っている。しかし科学が専門ではない人々はそのことがわからないかもしれない-そしてFergusonの決定による悪影響を心配しているかもしれない。
科学はしばしばたったひとりの天才の秘密の作業だと型にはめてみなされるがそうではなくチームの努力で行われている。既に低下している一般の人々の科学への信頼をつなぎ止めるために、我々にはさらなる透明性と科学が実際にどうやって行われているのか、そしてそれが政府の方針どう使われているのか(ただし指示するのではない)についてのコミュニケーションが必要である。
医学アカデミー会長Robert Lechler卿
私はFerguson教授のSAGE辞任が政府が受け取った助言に実質的影響を与えるとは思わない。私はFerguson教授をその分野の科学者として重要な貢献をしたことを尊敬しているが、我々はチームで科学をしている時代であることを理解するのが重要である。彼は個人としてはチームのリーダーであったが、SAGEに価値あるインプットをしていたのは全体としてのチームである。
彼の決定に関しては、彼のようなプロフィールの人が、特にロックダウンの決定に影響のあったことを考えると、不幸なエピソードであった。私は彼が間違ったと思うし辞任はおそらく正しいだろう。しかし私が強調したいのはこれが現在進行中の政府の意思決定への科学的インプットに実質的影響は予想されないということである。
ある意味この事件は有名になった科学者が人々から注目され監視された帰結である。この種のことは現在は科学者の職務の領域である-我々科学者コミュニティ全員がそのことを理解し考えるだろう。
Bristol大学健康ライフサイエンス副学長John Iredale教授
Ferguson教授の判断の過ちがSAGEの辞任につながったことは残念だが、彼のグループの科学とモデリングは攻撃されるべきではない。
London School of Hygiene & Tropical Medicine医療統計学部薬理疫学教授Stephen Evans教授
Ferguson教授が自分の行動についてそのような判断間違いをしたことは残念である。最近スコットランドで同様の一般への助言と個人の行動の間の矛盾があった。我々全てが行動に一貫性を持つべきであるというのは正しいが、メディアは特定の状況を指さして喜び、他の矛盾は見逃す。
Imperial CollegeのモデリングチームはチームなのでFerguson教授ひとりで行っているわけではない。彼のチームや他のチームがSAGEにインプットしている。Ferguson教授がいなくてもこれまで通り機能するだろう。
我々はみな自分の人生に矛盾を抱えていて明らかにそのうちのいくつかは公衆の目前に晒されたときに大きな影響がある。しかし独りよがりは、特にそれが科学の方法や結果を毀損するために使われるとき、進むべきべき道ではない
(以下略。コミュニケーションにとって大きな障害になるだろうという視点があまり出てこないのがちょっと残念。)
-中国が証明されていない伝統薬に基づくコロナウイルス治療を推進している
Natureニュース
China is promoting coronavirus treatments based on unproven traditional medicines
David Cyranoski 06 MAY 2020
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01284-x
科学者は治療薬が安全で有効であることを示すための厳密な試験データが必要だという
中国政府はCOVID-19治療法として伝統医学を激しく宣伝している。これら中薬は中国の医療システムの主要部分で、イランやイタリアに国際援助として送られてすらいる。しかし中国外の科学者は安全性も有効性も証明されていない治療法を支持するのは危険だという。
(中略)
中国メディアによると中国伝統医薬品局は3つの処方がCOVID-19治療に有効であることが「証明された」という
他の科学者はこれらの処方がCOVID-19に有効だという信頼できる根拠はないという
COVID-19に何が有効か同意がない状況では人々が補完医学を信じることは理解できる、と感染症研究者Paul Offitは言う。しかし代替療法は害を与えることもある。「人々は何もしないより何かをした方が良いと考える。しかし歴史が語るのはそれは事実ではない、ということだ」
WHOは当初伝統薬をCOVID-19治療に使わないようにと言っていた。アウトブレイクの最初の一ヶ月、WHOのウェブサイトの「COVID-2019に有効ではなく害がある可能性がある」リストに掲載されていたが、その後更新され削除された。WHOの広報Tarik Jašarevićは、当初の声明は「広範すぎて、多くの人がCOVID-19の軽い症状を緩和するのに伝統医薬品を使っている事実を考慮していなかった」という
-証明されていないCOVID-19ハーブレメディは薬物耐性マラリアを加速する可能性がある、科学者が警告
Scienceニュース
Unproven herbal remedy against COVID-19 could fuel drug-resistant malaria, scientists warn
By Linda NordlingMay. 6, 2020
マダガスカルで開発されCOVID-19治療薬として宣伝されているハーブトニックはアフリカの薬物耐性マラリアを加速する可能性があると科学者が警告している。いくつかのアフリカの国は有効性が示されていないこの混合物を既に注文した。
Covid-Organicsという名前のこの治療薬はマダガスカル応用研究所(IMRA)が開発したもので主成分はArtemisia annua、アジア原産の抗マラリア薬アルテミシニンのもとになった植物、とされる。先月発売されたとき、マダガスカルのAndry Rajoelina大統領が科学的審査をパスして二人のCOVID-19患者を治したと主張した。これまでマダガスカルのコロナウイルス確認症例は151で死亡者はいない。しかしCovid-Organicsの製法は不明でIMRAは有効性や副作用などのデータは何も報告していない。取材にも反応がない。マダガスカル医学アカデミーは先月の声明でこの薬の科学的根拠はまだないと述べている。そのような警告にもかかわらず、アフリカ諸国のリーダーたちはこの製品を入手したがっている。
(略)
COVID-19への「アフリカの」治療法を待ち望むのはアフリカ社会の一部にある西洋医学への深い不信からくる。報道記事はしばしば力のないアフリカ人での実験的治療法を警告している;3月にはフランスの科学者がコロナウイルスワクチンの試験をアフリカで行うことを示唆してメディアの嵐が吹き荒れた