2019-10-04

[EU]査察

キプロス生きた動物及び動物製品の残留物と汚染物質

Cyprus―Residues and contaminants in live animals and animal products

20/09/2019

http://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4179

2019129日~27日までキプロスで実施した査察。生きた動物と動物製品の残留物と汚染物質の管理実行、残留物の最大残留基準の遵守確認における動物用医薬品や薬用飼料の販売と使用の管理、前回の査察後の是正措置の実行と効果を評価した。いくつかの分野で改善の機会があり、EU要件を順守している。特定の母体/物質の組み合わせに有効な/立証された手段は少ないが、適切な品質管理、頻度、実技検査の十分な関与が研究所の信頼性に貢献している。食品生産動物の動物用医薬品の利用管理など前回同様できていない。

 

[EFSA]確証データを踏まえた硫酸(sulfate)アルミニウムアンモニウム(硫酸(sulphate)アルミニウムアンモニウムとして認可されている)の農薬リスク評価に関する加盟国、申請者、EFSAのパブリックコメント募集結果

Outcome of the consultation with Member States, the applicant and EFSA on the pesticide risk assessment for aluminium ammonium sulfate (approved as aluminium ammonium sulphate) in light of confirmatory data

3 October 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1716

報告担当加盟国ポルトガルが協議結果をまとめ、EFSAの科学的見解と個別に受け取ったコメントの結論を提示している。

 

[HSE]食品中残留農薬:2019年四半期ごとの報告

Pesticide residues in food: quarterly monitoring results for 2019

6 September 2019

https://www.gov.uk/government/publications/pesticide-residues-in-food-quarterly-monitoring-results-for-2019

第一四半期報告

結果の概要

これは2019年の第一四半期報告である。今年のサーベイランス計画では、果物と野菜の調査で最大369の農薬を調査することにしている。この四半期のプログラムは異なる20食品の498サンプルを調査した(全リストについては関連ページ参照)

サンプルのうち28に法的最大残留基準(法律で認められた最大量)を超える残留物が含まれていた。鞘付き豆、キャベツ、チリペッパー、調理済肉、レモン、オクラ、米、イチゴ、チーズの調査でこれらの結果が得られた。全ての結果の要約表は6ページを参照。

塩素酸塩の調査結果にいくつか超過があったが、私達は調理済肉の残留塩素酸塩結果を法律違反として扱う必要があるとは考えておらず、商標名などでそれらを強調することはない。残留塩素酸塩についての現在の最新作業情報はセクション4を参照。

HSEは、残留物が関連する参照(安全)用量を超える摂取につながる可能性があるかどうか判断するために、確認された全ての残留物にスクリーニングリスク評価を実施している。HSEは、実際に確認された残留濃度が安全量を超える摂取となりうる全事例の詳細リスク評価も作成している。私達はリスク評価を含むこれらの知見すべてを注意深く観察している。ほとんどの場合、確認された残留物がその食品を食べた人の健康に影響を与える可能性は低い。レモンのサンプル1件で結果をより詳しく調べる必要があり、これには皮を全て食べたとしても健康上の影響は起こりそうもないと結論した。

*レモンのプロクロラズが最大1.4 mg/kg検出され、ARfD 0.225 mg/kg bwのところ乳児で0.027 mg/kg bwとなる。皮をむけば超過しない

 

[NHS]物議を醸している新たなガイドラインは赤肉を「再びメニューに載せるか」?

Have controversial new guidelines put red meat 'back on the menu'?

Tuesday 1 October 2019

https://www.nhs.uk/news/food-and-diet/have-controversial-new-guidelines-put-red-meat-back-menu/

「赤肉及び加工肉はおそらく健康に有害ではないだろうと主張する最新の研究は、削減をすべきだと主張する専門家の間で論争を引き起こした」とGuardianは報道する。

世界保健機関は現在、ベーコンやサラミのような加工肉をヒトにとってがんを引き起こす(発がん性がある)と分類し、タバコと同様の分類にしており、赤肉は「発がん性がある可能性が高い」と分類している。最も強い関連は大腸がんである。世界がん研究基金は、週に調理後合計約350gから500gになる3皿分以上の赤肉を食べないよう推奨する。また加工肉は食べるとしてもわずかにすることを成人に助言する。

しかし、数多くのこれまでの試験及び観察研究をレビューした研究者の国際的なグループはそのような推奨に対するエビデンスは弱いものであると発見した。研究者は赤肉や加工肉を週に3皿分までに減らすことが、循環器疾患、糖尿病あるいはがんのリスクを少ししか減らさないという結果になることを発見した。研究者は、成人が赤肉や加工肉の「現在の消費を続けるべき」という、ほぼ間違いなく助けにならない、「弱い」助言推奨を提供する。

このレビューの結論が保証される確実性がどの程度あるのかわからない。エビデンスのすべては研究者自身により「低い」あるいは「非常に低い確実性」と評価され、結果は信頼できないことを意味する。

また、循環器疾患やがんのような一般的な健康問題のリスクの小さな削減でも、集団レベルでは大きな差となるだろう。

少なくともより高品質のエビデンスが得られるようになるまで、世界がん研究基金の推奨に従うことは間違いなく賢明だろう。

 

[NHS]母乳が食物アレルギーリスクを上昇させるエビデンスは明確でない

Evidence of breastfeeding increasing food allergies risks not clear-cut

Wednesday 2 October 2019

https://www.nhs.uk/news/pregnancy-and-child/evidence-breastfeeding-ups-food-allergies-risks-not-clear-cut/

「母乳を与えられた乳幼児は食物アレルギーを発症するリスクが二倍以上になるかもしれない」とMail Onlineは報道する。

この見出しは、どのように両親が6か月の乳児に食事を与えているかを質問した日本の研究によるものである:

・全く母乳なし

・母乳のみ

・一部母乳調製粉乳使用との組み合わせ

その後、その子供が5.5歳になるまでに食物アレルギーに関する医療機関での診察を受けたかどうか尋ねた。

母乳のみ与えられた子供は、母乳を全く与えられなかった子供と比較すると、食物アレルギーの可能性が50%増ということがわかった。

しかし、アレルギーは一般的でなく、乳幼児の5-10%のみに影響があり、そのため、これは絶対リスクとしては約3%増加でしかなかった。

 研究者はそれから、子供がアレルギーになりやすいかどうかの指標として、食物アレルギーが湿疹を伴うかあるいは伴わないかどうか調べた。皮膚症状のない食物アレルギーには、母乳を与えるリスクが大きいことを発見したが、皮膚炎のある子供に部分的に母乳を与えることで食品アレルギーのリスクが減った(保護効果)。

全体的な結果は役に立たない混乱するものであった。日本の女性の結果は英国の女性にあまりあてはまらないかもしれないという事実を含め、多くの制限もあった。

母乳を与えることと食物アレルギーの間に直接的な関連があるとしても、母乳によるその他の多くの利点は、この小さなリスクを上回りそうである。これらは、例えば母親の乳がんのような特定のがんのリスクを低下させながら、乳幼児が感染症にかかるリスクを減らすことを含む。

母乳の利点に関しての詳細は以下。(https://www.nhs.uk/conditions/pregnancy-and-baby/benefits-breastfeeding/

 

(NHSによる日本のこの研究への評価は「奇妙な解析を行った役にたたないodd analysisunhelpful」であるが、もと論文は人数が多く情報としては貴重。完全母乳と回答する人が約1/5で高学歴で喫煙者が少ない、とか。交絡要因結構ありそう。離乳食の導入の有無が問題になるけれど可能性としてはこの時期は(2001年生まれ)導入が遅い(慎重にする)ほうが良しとされがちだったのではないか。)

 

[BfR]デジタルツールで残留農薬をより良く評価

Better assessment of pesticide residues with digital tools

02.10.2019

https://www.bfr.bund.de/cm/349/better-assessment-of-pesticide-residues-with-digital-tools.pdf

2019917日に開催されたワークショップの報告

 

[BfR]タトゥーインクについてのFAQ

FAQ about tattoo inks

16 September 2019

https://www.bfr.bund.de/en/faq_about_tattoo_inks-201880.html

 

[FAO]FAOと協力機関はバナナの病気に脅威と戦う国々の援助を強化する

FAO and partners intensify efforts to help countries combat banana disease threat

3 October 2019

http://www.fao.org/news/story/en/item/1235747/icode/

 

[RIVM]Blokhuis大臣:HPVワクチンは少年にも

State Secretary Blokhuis: boys will also be vaccinated against HPV virus

09/30/2019

https://www.rivm.nl/en/news/state-secretary-blokhuis-boys-will-also-be-vaccinated-against-hpv-virus

2021年から、全国予防接種計画に全ての子どもを対象に9才でHPVワクチン接種

 

[CDC]電子タバコに関連する肺傷害についての更新

CDC Telebriefing: Update on Lung Injury Associated with E-cigarette Use, or Vaping

Thursday, October 3, at 4:00 p.m. ET

https://www.cdc.gov/media/releases/2019/a1003-lung-injury.html

議事録

Transcript of CDC Telebriefing: Lung Injury Investigation

Thursday, October 3

https://www.cdc.gov/media/releases/2019/t1003-lung-injury-investigation.html

https://www.cdc.gov/media/releases/2019/s1003-lung-disease.html

2019101日現在、確認および可能性のある患者数1080

症状がでる90日前までに電子タバコで吸った物質の情報がある578人のうち約78%THC含有製品、17%はニコチンのみ。患者の70%は男性、約80%35才未満、16%18才未満。年齢の中央値は23

死亡は18

(特に注目されていない、監視対象でないものの健康被害はこのくらいの規模にならないとわからない、ということ。)

 

[FSSAI]メディアから

-Gandhi Jayantiで、OMCが全国100都市で使用済み油の別目的使用啓発キャンペーンを開始

On Gandhi Jayanti, OMCs launch 1000 Van Movement in 100 cities across the country for creating mass awareness on Repurpose Used Cooking Oil (RUCO)  

[Dated: 02-10-2019]

https://fssai.gov.in/upload/media/FSSAI_News_Gandhi_03_10_2019.pdf

再使用油は健康に悪影響があることを周知させるためにキャンペーン開始

全国で調理油の再使用や繰り返し使用が良く行われていて、調理油は新しい油を加えて使われ続けている。大企業は使用済み油を工業用に廃棄しているが、しばしばそれが小規模業者に安価に売られている。また家庭や道ばたの事業者は使用済みの油を環境に悪いやりかたで処分し、下水管を詰まらせている。

(昔は日本でも変敗した油の問題はあったけれど近頃はきかない)

 

-使い捨てプラスチック:インド食品規制機関は包装ガイドラインを見直す

Single-use plastic: Indias food regulator set to review packaging guidelines

01-10-2019]

https://fssai.gov.in/upload/media/FSSAI_News_Plastic_CNBC_01_10_2019.pdf

FSSAIは食品企業が使い捨てプラスチックの代用品に移行することを促すために包装ガイドラインを見直す計画である。例えば竹やガラスを認めるだろう。

企業はコンポスト可能なプラスチック代用品を示唆しているが規制当局はそれには困難があるという。コンポスト可能なプラスチックを分離してリサイクルする仕組みがないと採用できない

 

[HK]中国レタスのサンプルに基準値超過のカドミウムが検出された

Excessive cadmium found in Chinese lettuce sample

Wednesday, October 2, 2019

https://www.cfs.gov.hk/english/press/20191002_7643.html

食品安全センター及び食物環境衛生署は、中国レタスのサンプルに基準値超過のカドミウム0.17ppmが検出されたと発表した。

 

[TGA]TGA事業計画2019-20

TGA business plan 2019-20

27 September 2019

https://www.tga.gov.au/publication/tga-business-plan-2019-20

2019-2020年のTGA事業計画の公表。

 

[TGA]広告に関する指示通知

Advertising directions notices

3 October 2019

https://www.tga.gov.au/advertising-directions-notices

15 August 2019通知と同様

処方薬及び違法製品、SARMDMAA 及びCardarineを含む製品の広告を中止するよう違反する企業が指名された。

https://www.tga.gov.au/direction-about-advertisements-auzsupps-pty-ltd

https://www.tga.gov.au/direction-about-advertisements-esr-you-pty-ltd

https://www.tga.gov.au/direction-about-advertisements-evolution-supplements

https://www.tga.gov.au/direction-about-advertisement-gumby-gumby-capsules

 

[ヘルスカナダ] Passion X; Bio Power-Xの製品回収措置(2019-09-30)

Passion X; Bio Power-X (2019-09-30)

September 30, 2019

https://healthycanadians.gc.ca/recall-alert-rappel-avis/hc-sc/2019/71163r-eng.php

一部製品に、表示されない成分(シルデナフィル)を含む可能性がある。

 

[ヘルスカナダ] 助言:未承認の製品は深刻な健康リスクを引き起こす可能性がある

Unauthorized products may pose serious health risks

October 2, 2019

http://healthycanadians.gc.ca/recall-alert-rappel-avis/hc-sc/2019/71157a-eng.php

ヘルスカナダは精力剤、減量用、活力剤あるいは「ポッパーズ」として販売されている未承認の健康製品には危険な成分が含まれている可能性があり、深刻な健康リスクを引き起こす可能性がある健康製品に関して市民に助言し、情報を更新している。掲載の製品はアンドロスタ-3,5-ジエン-7,17-ジオン、カフェイン及びシネフリン、DHEADMAAL-ドパ、オキサンドロロン、ラウオルフィア、SARMs、タモキシフェン、ヨヒンビンを含む。製品写真あり。

 

[FDA]リコール

-Mical Seafood Incはヒスタミン中毒の可能性のためにマグロ製品を回収措置

Mical Seafood Inc Recalls Tuna Products for Possible Scombroid Poisoning

October 02, 2019

https://www.fda.gov/safety/recalls-market-withdrawals-safety-alerts/mical-seafood-inc-recalls-tuna-products-possible-scombroid-poisoning

Mical Seafood, Inc.はヒスタミン濃度上昇の可能性のため、冷凍、天然のキハダマグロの角切り、腰肉、マグロ刻み肉及びツナステーキ肉の自主回収を開始した。

 

-Cellect Products Inc.Oglethorpe Ltd.は高濃度のヒ素、鉛を含む可能性があるとして、Cellect Unflavored Powder及びEssentials Factor Cell Synergy Unflavored Powder2製品の自主的な回収措置を発表。

Cellect Products Inc. and Oglethorpe Ltd. Issue Voluntary Worldwide Recall of Cellect Unflavored Powder & Essentials Factor Cell Synergy Unflavored Powder, Lot #041907 Due to Potential Unsafe Levels of Arsenic and Lead

September 30, 2019

https://www.fda.gov/safety/recalls-market-withdrawals-safety-alerts/cellect-products-inc-and-oglethorpe-ltd-issue-voluntary-worldwide-recall-cellect-unflavored-powder

Cellect Products Inc.Oglethorpe Ltd.は高濃度のヒ素、鉛を含む可能性があるとして、サプリメントとして使用されるCellect Unflavored Powder及びEssentials Factor Cell Synergy Unflavored Powdeを回収措置。

 

[FDA]警告文書

- Alternative Laboratories

September 18, 2019

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/alternative-laboratories-586947-09182019

ダイエタリーサプリメント不良品、不良品の問題。製品にDMHA成分が含まれる。

 

-Natural Wonder Products Corp

September 23, 2019

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/natural-wonder-products-corp-592699-09232019

未承認の動物用医薬品、不良品の問題。

 

[FDA]FDADEAは違法にオピオイドを販売するウェブサイト運営者に警告する

FDA and DEA warn website operators illegally selling opioids

September 30, 2019

https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/fda-and-dea-warn-website-operators-illegally-selling-opioids

FDADEAはトラマドールを含むオピオイド鎮痛薬の未承認かつ不正表示の違法な販売をする10のウェブサイトを運営する4つのオンラインネットワークに共同で警告文書を発した。

 

[FDA]FDAの食品安全強化法の実施を通して行われている進捗状況に関する声明

Statement on measuring the progress being made through implementing the FDA Food Safety Modernization Act

September 30, 2019

https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/statement-measuring-progress-being-made-through-implementing-fda-food-safety-modernization-act

 

FDAは特定のFDAプログラムと定期的な情報更新を監視するために使用するツールであるFDA-TRACKの一環の新たな「食品安全ダッシュボード(Food Safety Dashboard)」を開始した。  

https://www.fda.gov/about-fda/transparency/fda-track-agency-wide-program-performance

https://www.fda.gov/about-fda/fda-track-agency-wide-program-performance/fda-track-food-safety-dashboard

 

[FTC]マルチレベルマーケターAdvoCareは違法マルチ商法に関するFTCの訴えに15000万ドルを支払う

Multi-Level Marketer AdvoCare Will Pay $150 Million To Settle FTC Charges it Operated an Illegal Pyramid Scheme

October 2, 2019

https://www.ftc.gov/news-events/press-releases/2019/10/multi-level-marketer-advocare-will-pay-150-million-settle-ftc

会社とその前CEO、そして二人のトッププロモーターはMLMを永久禁止

健康及びウェルネス商品のディストリビューターになれば相当稼げると消費者を信じ込ませて騙した

(サプリメントや食事代用品、ドリンク類を売っている。MLMの商材が健康食品だと健康被害まっしぐらなんだが)

 

論文

-父親になろうとする人は妊娠の6か月前はアルコールを避けるべき

Fathers-to-be should avoid alcohol six months before conception

3-Oct-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-10/esoc-fsa093019.php

European Journal of Preventive Cardiologyに発表された研究

妊娠前3か月あるいは妊娠第一期の飲酒は、全く飲まないことと比べて、先天心疾患リスクを父親の場合は44%母親は16%増加させる。一回で5杯以上と定義される暴飲だとこれが男性52%、女性16%になる。

この結果からQin博士は赤ちゃんが欲しいカップルは、男性は少なくとも妊娠6か月前から、女性は1年前からと妊娠中は禁酒すべきことを示唆するという

 

-便免疫化学検査、S状結腸鏡検査、結腸内視鏡検査と直腸結腸がん検診:臨床ガイドライン

Colorectal cancer screening with faecal immunochemical testing, sigmoidoscopy or colonoscopy: a clinical practice guideline

BMJ 2019;367:l5515

https://www.bmj.com/content/367/bmj.l5515

50-79才の、直腸結腸がんの症状がない、残りの寿命が少なくとも15年の成人に対して、推定リスクが3%以下なら検診は勧めない

(図があるのでそれを見た方が早い、多分現行の多くのやりかたより検診を減らす方向の助言。検診の害も考慮)

 

-ロシアでは、飲酒量と死亡率が密接に関連して減っている

In Russia, declines in alcohol consumption and mortality have gone hand in hand

3-Oct-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-10/joso-ird100119.php

Journal of Studies on Alcohol & Drugs

 

-イングランドでの「前例のない」乳児死亡率の上昇は貧困と関連

An 'unprecedented' rise in infant mortality in England linked to poverty

3-Oct-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-10/uol-ar100219.php

BMJ Open

 

-あなたはただ存在するだけでオフィスの空気をどれだけ汚染している?

How much are you polluting your office air just by existing?

3-Oct-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-10/pu-hma100319.php

数千のセンサーをつけた建物での実験が答えを知っているかも

(学会発表なのだがいろいろおもしろい。現在のオフィス環境では揮発性有機化合物の主な発生源は人間だろうとのこと。人間がいなくなれば有毒物質は減るんだって。で何のために有害物質減らすんだっけ?)

 

-FODMAPsダイエットは炎症性腸疾患の症状を緩和する

FODMAPs diet relieves symptoms of inflammatory bowel disease

2-Oct-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-10/kcl-fdr093019.php

Gastroenterologyに発表された52人のIBD患者を、小麦・乳製品・タマネギ・ニンニクなどを制限する低FODMAP群と通常FODMAP群にわけてお腹の症状を報告してもらった。低FODMAP群は52%が腸症状が緩和されたと報告した。低FODMAP群ではビフィズス菌のような「善玉」とみなされる細菌が減っていた。それでも患者の炎症は増えていないようだった。

(常にお腹の調子が悪いのにニンニクのような刺激の強い物食べる?)

 

-がんデータは発症率、過剰診断、治療の進歩についての知見を提供する

Cancer data provide insights into occurrence, overdiagnosis, and treatment advances

2-Oct-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-10/bawh-cdp093019.php

40年の疫学データの解析は、がんの傾向を見るときには有病率と死亡率を考慮することが重要であることを示す。New England Journal of Medicine

各種のがんのパターンを検討すると、有病率と死亡率が一緒に動く肺がんのようなものと、有病率と死亡率が整合しない過剰診断がおこっているような例とがあることを発見した。がんの負担を知るのにがん有病率は信頼できる指標ではない。がんが増えたのはがんが実際に増加したことを反映するのではなく過剰診断かもしれない。この問題はここ数年問題になっていたが、この論文ではがん有病率には頼れないことを強調する

過剰診断の問題があると思われるのは甲状腺がん、腎臓がん、悪性黒色腫で、がんの有病率が急激に増加しているが死亡率に変化はない。

 

-乳児用ミルクの環境コストは世界的に懸念されるべき

Environmental cost of formula milk should be a matter of global concern

2-Oct-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-10/b-eco100119.php

専門家は母乳を与えることは環境にも必要不可欠という

The BMJImperial College LondonUKRIフューチャーリーダーズフェローNatalie Shenker博士と同僚らは、6か月まで母乳を与えることはミルクを与えることと比べて赤ちゃん一人あたり95-153kg CO2相当量の節約になるという研究を強調して「不必要な乳幼児用ミルクの生産は環境にダメージを与え、世界的懸念とみなすべきである」と主張した。

(ものすごい狂信的プレスリリースなんだけどBMJ大丈夫か?最近食に関しておかしいけどこれは桁違い。ミルクは栄養上不適切と決めつけていて、ミルク禁止して足りないヒトには他人の母乳を与えろって。)

 

-母親の鉛暴露、世代間小児帰過体重/肥満リスクと葉酸

Maternal lead exposure, intergenerational risk of childhood overweight/obesity and folate

2-Oct-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-10/jn-mle100119.php

JAMA Network Openに発表された1442組の母子の観察研究

 

-生涯にわたる屋内日焼けは扁平上皮細胞がんに関連

Lifetime indoor tanning associated with squamous cell carcinoma cancer

2-Oct-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-10/jn-lit100119.php

JAMA Dermatologyに発表された、ノルウェーの約16万人の女性のデータを用いた観察研究。屋内日焼けの累積暴露は、タンニングした年数や開始年齢にかかわらず扁平上皮細胞がんに関連しすることを示唆

 

-電子タバコ関連肺傷害は有毒化合物のフュームが原因かもしれない、研究が発見

Vaping-associated lung injury may be caused by toxic chemical fumes, study finds

2-Oct-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-10/mc-vli100119.php

New England Journal of Medicineに発表されたMayo Clinic による17人の患者の肺生検の検討。ミネラルオイルのような油脂の蓄積による組織傷害はみられなかった

 

-膵臓への真菌侵入ががんリスクとなる

Fungal invasion of pancreas creates cancer risk

2-Oct-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-10/nlh-fio100219.php

ある種の真菌は腸内から膵臓に移動して1000倍以上に増殖し、膵臓がんの増殖を促す。nature102日オンライン発表された。膵臓での真菌混合であるマイコバイオームが、正常細胞を膵管腺がん(PDA)に変える。このがんは通常2年以内に死をもたらす。

マウスと患者での研究で、真菌が膵液の通り道である膵管を逆行して膵臓に到達することを発見した。マウスでは強力な抗真菌薬の投与でPDA腫瘍の重量を減らす

(免疫反応説)

 

その他

-果糖を恐れる必要はない!

No Need to Fear Fructose!

By Angela Dowden — October 3, 2019

https://www.acsh.org/news/2019/10/03/no-need-fear-fructose-14315

かつては無害な単なる果物に含まれる糖だったのに、今や果糖は世界最大最悪の栄養で、我々を太らせ病気にしている。もちろんそんな話はナンセンスだが。

砂糖は栄養分野では最新のbête noire(嫌われ者)である。でもその中でも特に果糖は特別に嫌われている。果物の中に線維やビタミンと一緒にみつかるので果糖は良い評判を得てもよさそうなものだが、「高果糖コーンシロップ」という単語で「有毒」「恐ろしい」と批判されるようになった。最も有名な研究はカロリーの30%を純粋な果糖あるいはグルコースで与えた実験であるがこの研究は再現性が無く現実世界ではおこらない。我々は果糖だけを大量に食べることはない。集団としては我々が全ての砂糖の合計を食べすぎであることに間違いはない-しかし果糖だけの問題ではない。

 

-Science 04 October 2019 Vol 366, Issue 6461

特集は言葉と脳

 

DNAがマイクロバイオームのフロンティアを後押しする

DNA pushes back the microbiome frontier

Jon Cohen, Elizabeth Pennisi

Science  04 Oct 2019:Vol. 366, Issue 6461, pp. 23

過去15年、研究者らは人間の腸、皮膚、口の中にある微生物の多様な動物園がどれだけ健康に影響するかを知るようになってきた。今回二つの研究グループがこの微生物の暗黒物質をより見えるようにした、そのよく知られた性質であるDNAを手がかりに。

一つのチームはDNA配列情報を用いて特定の微生物を単離して実験室で培養する。他のチームはDNAを使って微生物がお互いコミュニケーションをするのに使う化合物を発見する

 

-肉の戦い:赤対白

Battle of the Meats: Red vs. White

Published October 03, 2019 by Wellness Letter 

https://www.berkeleywellness.com/healthy-eating/food/article/battle-meats-red-vs-white

数ヶ月前のニュースの見出しが「コレステロールにとっては、白肉も赤肉と同じくらい悪い、新しい研究が発見」だった。その参照論文がAmerican Journal of Clinical Nutritionに発表された研究で、我々の編集委員の一人のRonald Krauss, MD.によるものである。その研究はAPPROACH(動物と植物タンパク質と心血管系健康)とよばれ、異なる食事の血中コレステロールへの影響を調べたものである。しかし見出しは研究内容を正確に反映していない。

ここにKrauss博士との会話に基づき概要を提示する。

基本:この研究は21-65才の100人以上の健康な成人で、タンパク量を一定にして飽和脂肪の少ない食事(カロリーの約7%)と多い食事(14%)に割り付けた。飽和脂肪の量は乳製品などの脂肪含量を変えたりして調整した。各群で、参加者はそれぞれ4週間、三種類のうちの一種類のプロトコールに無作為の順番で従った:タンパク質源が主に赤肉、主に白肉(鳥肉)、植物(豆・ナッツ・種子・野菜)。シーフードを含むものはない。

結果:タンパク質源がどれであっても飽和脂肪の多い食事は予想通りLDLコレステロール濃度を上げた。しかし同時に、飽和脂肪濃度に関係なく、赤肉と白肉だと植物ベースの食事よりLDL濃度が7%高かった。

限定条項:大規模集団研究では赤肉摂取は飽和脂肪と関係なくCVDリスクと関連することが示唆されているが鳥肉ではそのようなことはない。

結論:この知見は植物ベースの食事へシフトすることを薦めるものだが、それは全く肉を食べるなという意味ではない。赤肉も白肉も栄養豊富な食品で、少なくともたまに食べるぶんには健康的な食生活の一部である。そして根拠は限定的ながら、赤肉の不健康さは飽和脂肪含量だけではないので赤肉より白肉を選んだ方が良いと助言するには十分である。

(この、一部だけ切り取って全部がそうであるかのように主張するやりかたって名前ついてないのかな)

 

-ガーナでは、遺伝子組換えササゲについてたくさんの意見

In Ghana, a Bumper Crop of Opinions on Genetically Modified Cowpea

07.31.2019 / By Ankur Paliwal

https://undark.org/article/genetically-modified-cowpea-ghana/

今年か来年に組換え種子を放出する計画で、意図したとおりに小規模農家の利益になるだろうか?

ガーナや西アフリカではササゲはよく食べられている。植えてから2か月で収穫できるので他の作物が無い時期の隙間を埋める。干ばつにも強い。しかしここ数年Maruca vitrata病害が毎年20-80%の収穫を破壊している。そこで科学者が耐性のGMササゲを作った。

この計画に対し、アフリカの科学者に無料で技術提供したのはモンサント(今はバイエル)だからその目標が人道のためかどうか疑わしいとの批判や社会科学者がGM作物を推進しているのは現地の農業を知らない国際団体だと批判している。ガーナの田舎では農家はそれらの議論は知らず、家族に十分食べさせるためなら新しいアプローチは受け容れるという

(長い記事)

 

-がんの過剰診断増加には早期発見の「非合理的な繁栄」がある

Blame rising cancer overdiagnosis on ‘irrational exuberance’ for early detection

By H. Gilbert Welch October 2, 2019

https://www.statnews.com/2019/10/02/overdiagnosis-cancer-irrational-exuberance-early-detection/

がんについて良いニュースがある-がんの死亡率が過去40年で相当減った。でもあまり良くないニュースもあり:がんと診断される率が上がっている。これは我々の環境中の危険性があがったせいではなく、医療システムの危険性を反映している。

今週のNEJMに私と同僚が過去40年の米国のがん統計を調べた結果を報告した。がんによる死亡率の低下は最良の指標で、これは主に肺がんの減少により、強力な発がん要因である喫煙が減ったおかげである。一方でがんと診断される率が上がったのは病気が増えたのではなく、診断が増えた。

過剰診断が増えれば増えるほど早期検出が喧伝される。一見早期発見で助かったように見える人が増え、彼らが早期発見を主張するからだ。早期発見は医療ビジネスにとっても大きなチャンスである。健康な人々にたくさんの検査をすることで彼らを「患者」にし、医療検査ビジネスを繁栄させている。

(いろいろ略。病気でない人に病気になるかも、と脅して健康食品を売るのも同じやりかた。)

 

-私は反ワクチンで子どもはその犠牲者だった

I was an anti-vaxxer and my children were the ones who suffered

Cristen O'MearaThursday 3 Oct 2019

Twitter: https://twitter.com/MetroUK | Facebook: https://www.facebook.com/MetroUK/

https://metro.co.uk/2019/10/03/i-was-an-anti-vaxxer-and-my-children-were-the-ones-who-suffered-10841665/

今週Matt Hancock保健大臣が予防接種義務化を真剣に考えていると発表した。

彼は反ワクチンの渦に飲み込まれた声の大きい少数派から激しい批判を浴びるだろう-私は自分がそうだったから、知っている。

私が子どもに予防接種をしないと決めたとき、その決定が家族以外の誰かに影響するなんて考えなかった。そして自分が予防接種という概念の「反対派」だとも思わなかった。私はどんな薬にもリスクはあると知っていたし予防接種が自閉症の原因だという説(完全に否定されている)も知っていた。しかし私の選択は疑いと疑念だらけだった。最終的には私が「調べすぎて麻痺した」状態になって何もしないことを選んだ。そして私の間違いを修正したのは2015年に子ども3人を含む家族全員がロタウイルスに感染したときだった。それとディズニーランドでのはしかの流行のニュースを聞いて、自分の選択が間違っていてそのせいで子供たちに辛い思いをさせたことを確信した。私は娘達を深く愛していてただ守りたいと思い、最良の選択をしたかった。失敗したと感じ、ワクチンがある病気からはしっかり守ろうと決めた。ディズニーランドのはしか流行の後、カリフォルニアでは予防接種の法律が変わった。一部の人はそのせいで子どもを学校に行かせない親が増えるのではと恐れたが、そのようなことはおこらなかった。英国もカリフォルニアに続くべきである。

 

-マイクロプラスチックと細胞死についてのプレスリリースへの専門家の反応

SMC UK

expert reaction to press release on microplastics and cell death

October 3, 2019

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-press-release-on-microplastics-and-cell-death/

アムステルダムプラスチック健康サミットで発表された研究がマイクロプラスチックはヒト健康を害する可能性があると報告する

国立海洋学センターマイクロプラスチック研究チームリーダーRichard Lampitt教授

実験の詳細を見ないとこのプレスリリースの見出しが正当かどうか判断できない。もし実験条件が適切なら地球上の全ての物質が、人工だろうと天然だろうと、有害であることを示すことは可能だ。実験の詳細条件が公表されて結果を検討したら科学コミュニティがこの見出しが正しいかどうかを決める立場にあるだろう

(これは要旨すらない)

 

-妊娠女性のビスフェノールA暴露と子どもの肺機能を調べた学会要旨への専門家の反応

SMC UK

expert reaction to conference abstract looking at pregnant women’s exposure to bisphenol A and lung function in children

October 1, 2019

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-conference-abstract-looking-at-pregnant-womens-exposure-to-bisphenol-a-and-lung-function-in-children/

欧州呼吸器学会国際会議で妊娠女性のビスフェノールA暴露と子どもの肺機能低下の関連が発表された

Edinburgh大学生殖健康MRCセンター研究グループリーダーで王立子ども病院小児内分泌相談医Rod Mitchell博士

子宮内での環境暴露とその後の健康影響は科学研究の重要テーマではあるものの、要旨に記された情報からはこの実験の妥当性や知見の意味は判断できない