2022-06-07

[FDA]FDAは新しいダイエタリーサプリメント教育計画を立ち上げる

FDA Launches New Dietary Supplement Education Initiative

June 02, 2022

https://www.fda.gov/food/cfsan-constituent-updates/fda-launches-new-dietary-supplement-education-initiative

米国食品医薬品局(FDA)は、ダイエタリーサプリメントに対する一般の人々の理解を深めるため、「あなたの知識を追加するSupplement Your Knowledge」と題した新たな教育計画を開始する。

ファクトシート、ビデオ及びカリキュラムを使用し、この計画は以下を目的とする:

・サプリメントがどのように規制されているか、その利点とリスクの可能性を含め、消費者がダイエタリーサプリメントについてより詳しく学べるようにすること。

・教育者が高校生に、ダイエタリーサプリメントについて見聞きする情報の正確さと信頼性を評価するための知識を与えること。10代の若者は特に、ダイエタリーサプリメントとは何か、ダイエタリーサプリメントが体に及ぼす潜在的な利益と有害影響について誤解しやすいターゲットである。

・米国医師会と共同で開発した医学生涯教育(CME)プログラムを通じて、医師やその他の医療従事者がダイエタリーサプリメントに関する知識を広げるのを支援すること。このCMEプログラムは、医師がダイエタリーサプリメントがどのように規制されているかを理解し、その使用について患者に情報を提供し、有害事象を認識してFDAに報告できるようにするために開発された。

ビタミン、ミネラル及びハーブなどのダイエタリーサプリメントの使用は、米国の多くの消費者の生活の中で日常的なものとなっている。FDAは消費者が安全で適切に製造され、適切に表示された製品を入手し、ダイエタリーサプリメントの摂取について十分な情報を与えられた上で選択するための知識を得ることを望む。

 

[FDA] 薬とサプリメントの飲み合わせは健康を害する可能性がある

Mixing Medications and Dietary Supplements Can Endanger Your Health

06/02/2022

https://www.fda.gov/consumers/consumer-updates/mixing-medications-and-dietary-supplements-can-endanger-your-health

医薬品とダイエタリーサプリメントを混ぜることの危険性

ダイエタリーサプリメントは広く使われていて、ビタミン、ミネラルの他、アミノ酸、植物性成分及び植物由来成分など、なじみのない物質も含まれる。多くの米国の人が、ダイエタリーサプリメントと医薬品を併用するが、危険かつ生命を脅かすような影響を及ぼす可能性がある。例えば、HIV/AIDS、心臓病、うつ病、臓器移植の治療薬及び避妊用ピルなどは、セイヨウオトギリソウ(St. John’s wort)のサプリメントと併用すると、効果が薄れ、医薬品によっては、深刻な結果になることもある。また、ワルファリン(処方血液凝固抑制剤)、イチョウ葉(ハーブサプリメント)、アスピリン及びビタミンE(サプリメント)は、血液を固まりにくくする作用があり、これらを一緒に服用すると、内出血や脳卒中を引き起こす可能性が高くなる。

「ナチュラル」が「安全」と思い込まないこと

ハーブのサプリメントや魚油など、いわゆる「ナチュラル」製品であれば、危険でないと考える消費者もいる。しかし、「ナチュラル」が必ずしも「安全」とは限らない。例えば、多くの減量用製品は「オールナチュラル」又は「植物性」と表示しているが、その成分は医薬品と相互作用し、特定の疾患のある人にとって危険である可能性がある。

子供や妊娠中及び授乳中の方への注意事項

特に子どもは代謝が独特であり、年齢により物質の代謝速度が異なり、実際に有害事象を引き起こす可能性がある。又、妊娠中や授乳中の場合は、ダイエタリーサプリメントについて、医療従事者に相談することが望ましい。

手術前の注意点

ダイエタリーサプリメントの中には、手術に関連して服用する必要のある医薬品と有害な相互作用を引き起こすものがあり、心拍数、血圧又は出血の危険な変化を避けるため、医療従事者は手術の2~3週間前にサプリメントの摂取の中止を指示することがある。

ダイエタリーサプリメントにおけるFDAの役割とは何か?

FDAはダイエタリーサプリメント業界を監督し、サプリメント製造業者と販売業者が市販前に製品の安全性を確認する責任がある。製造業者は品質基準を満たし、汚染物質や不純物を含まず、表示ラベルが正確な製品を製造することが義務付けられている。FDAはサプリメントが市場に出る前に、有効性を審査しないが、製品に特定の新規ダイエタリー成分が含まれる場合、製造業者は市販前に、成分の有効性でなく、安全性に関するデータを提出しなければならない。FDAは、製品が不純である(例えば、成分が安全でない場合)及び/又は不正表示(例えば、表示が虚偽又は誤解を招く場合)である場合、製造業者に対して措置を講じることができる。ダイエタリーサプリメントとして販売される製品が、疾病の診断、緩和、治療、治癒あるいは予防を意図することを謳う場合、FDAは、医薬品として、違法に販売される製品に対して措置を講じることが適切か考慮することもできる。

サプリメントを使用する前に、医療従事者に相談すること

ダイエタリーサプリメントや医薬品を摂取する前に、医療従事者と相談することが重要である。相談する際は、服用中の製品のリストを持参すること。サプリメントを開始しようと考える場合は、まず医療従事者に相談し、服用中の他のサプリメントや医薬品を伝えること。健康状態に変化があった場合、特に妊娠中、授乳中、最近病気や手術をした場合などは、医療従事者に相談すること。

 

[FAO]FAO と WFPは飢餓が数十カ国の安定を脅かし広範な食料危機が迫ることを警告

FAO and WFP warn of looming widespread food crisis as hunger threatens stability in dozens of countries

06/06/2022

https://www.fao.org/newsroom/detail/fao-and-wfp-warn-of-looming-widespread-food-crisis-as-hunger-threatens-stability-in-dozens-of-countries/en

紛争、極端な天候、経済ショック、COVID-19の長く続く影響、そしてウクライナでの戦争の波及効果、が世界中の何百万人もの人々を貧困と飢餓に押しやっている-世界の食料と燃料の価格が高騰し各国が不安定に近づいていると新しい飢餓ホットスポット報告が言う

 

[NTP]ニュースレター

NTP Update June 2022

https://ntp.niehs.nih.gov/update/index.html

・将来の研究優先課題:精密健康と予想毒性学

4月26-27日、2032年の環境健康科学はどんなものか?についてのワークショップが開催された。Rick Woychik NIEHS所長は、個人の生涯にわたる環境暴露と個人の生物学的感受性を総合的に研究するマルチオミクス(ゲノミクス、プロテオミクス、トランスクリプトミクス、エピゲノミクス、メタボロミクス、マイクロバイオミクス、エクスポソミクス)枠組みが主な焦点になるだろうという

 

[FSSAI]淡水魚と海水魚の天然のホルムアルデヒド基準に関連する2021食品安全基準改定の運用に関する2006食品安全基準法Section 16 (5) とSection 18 (2) (d)の2022年5月31日付の指令

Direction dated 31st May 2022 under Section 18 (2) (d) read with Section 16 (5) of Food Safety and Standards Act, 2006 regarding operationalisation of Food Safety and Standards (Food Products Standards and Food Additives) Amendment Regulations, 2021 relating to limit of naturally occuring formaldehyde in freshwater and marine fish [Updated on:02-06-2022]

https://www.fssai.gov.in/upload/advisories/2022/06/62985a3f29b6dDirection_Freshwater_Marine_Fish_02_06_2022.pdf

淡水魚および海水魚のホルムアルデヒドの基準値に関して。

4.0、8.0、100 (冷凍魚)mg/kgが現行基準

(100 ppmってなんだろう)

 

[EPA]EPAは市販の泡消火器やその他の使用のPFASの全国検査戦略による最初の検査命令を発行

EPA Issues First Test Order Under National Testing Strategy for PFAS in Commercial Fire Fighting Foam and Other Uses

June 6, 2022

https://www.epa.gov/newsreleases/epa-issues-first-test-order-under-national-testing-strategy-pfas-commercial-fire

EPAは6:2 フルオロテロマースルホンアミドベタイン (CASRN 34455-29-3)を最初の命令に選択した。命令を受け取ったのはThe Chemours Company, DuPont De Nemours Inc., National Foam Inc.,及び Johnson Controls Inc.社で、これら企業は命令に従って検査を行いEPAに情報提供する

 

[ODS]NIHの研究はサプリメントの加齢性黄斑変性症を遅らせるベネフィットを確認

NIH study confirms benefit of supplements for slowing age-related macular degeneration

Thursday, June 2, 2022

https://www.nih.gov/news-events/news-releases/nih-study-confirms-benefit-supplements-slowing-age-related-macular-degeneration

10年経って、AREDS2処方はオリジナルの処方に比べて有効性が増した、βカロテンを排除したベネフィット

加齢性眼疾患試験(AREDS とAREDS2)はダイエタリーサプリメントが加齢性黄斑変性(AMD)を遅らせることができることを示した。JAMA Ophthalmologyに発表されたAREDS2の10年のデータを解析した新しい報告によると、AREDS のβカロテンをルテインとゼアキサンチンに代えたAREDS2処方は、βカロテンによる肺がんリスクを減らしただけではなくAMDの進行リスクをより効果的に減らした。

 

HHS監察総監室(OIG)

Abbott 乳児用調整乳リコールに関するFDAの対応

Food and Drug Administration's Actions Regarding the Abbott Infant Formula Recall

June 2022

https://oig.hhs.gov/reports-and-publications/workplan/summary/wp-summary-0000708.asp

OIG がFDAの対応をレビューする

 

論文

-女の子の画面を見る時間、アルコール、睡眠不足:パンデミックが十代にどう影響したか

Screen time, alcohol and poor sleep for girls: How the pandemic impacts our teens

5-JUN-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/954963

BMJ Open に発表されたオーストラリアの十代の2019年から2021年の2年間の健康関連行動調査。

・パンデミック前に比べて、娯楽でのスクリーンを見る時間が多すぎる人が増え(86%から 94%)、果物の摂取不足、飲酒、喫煙が増えた

・ロックダウン下では砂糖入り飲料と自由裁量食品の摂取が減った

・女性で睡眠不足が増えた

・運動不足と野菜不足は変化はないが懸念であることに変わりはない

 

-ガスこんろが如何にあなたの家を汚染するか(動画)

How gas stoves pollute your home (video)

6-JUN-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/954958

ACS動画シリーズ

ガスこんろは屋外大気汚染の法的基準を超える屋内汚染を作り出すことがある。汚染物質がどうやって作られるかの科学と、それについての対策を示す

(ガスを使わないのがベスト、と言ってる。電気にすると汚染は減る、無理なら換気。電気は非化石燃料前提かな)

 

-遺伝子組換えトウモロコシは非標的生物を傷害しない

Genetically modified corn does not damage non-target organisms

6-JUN-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/955036

Environmental Evidenceに発表されたUSDAの研究者によるこれまでで最大規模で質の高い解析

 

AGES(オーストリア保健・食品安全局)

リスクバロメーター 健康と環境

RISIKOBAROMETER  GESUNDHEIT UND UMWELT 2022

https://wissenaktuell.ages.at/download/0/0/9c6f4e975830808f0bab83757e4103d087f462d2/fileadmin/AGES2015/Wissen-Aktuell/Wissen_aktuell_2022/Risikobarometer2022_BF.pdf

Risc Barometer Health and Environment

要約のみ英語

オーストリアの人々のリスク認識と情報のレベルを定期的に調査

 

SMC UK

-肥満治療として週に一回のチルゼパチド投与を調べた研究への専門家の反応

expert reaction to study looking at giving the drug tirzepatide once weekly as a treatment for obesity

JUNE 6, 2022

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-looking-at-giving-the-drug-tirzepatide-once-weekly-as-a-treatment-for-obesity/

NEJMに土曜日に発表された

Cambridge大学MRC代謝疾患ユニット部長臨床生化学と医学教授Sir Stephen O’Rahilly教授

この試験の結果は極めて印象的だ。肥満の人に週一回のチルゼパチド注射は減量手術と同程度の減量を生み出した。副作用は軽度から中程度で一般的に吐き気や嘔吐と関連する。これらの有害影響は試験の時間経過とともに重症度が減る。血液検査からは全ての代謝と心血管系健康のマーカーに改善が見られる。

この研究と、最近の関連する薬剤であるセマグルチドの同様の報告から、肥満の人に天然ホルモンの改変に基づく医薬品を使った治療が安全で有効であるというしっかりした根拠が提供される。

我々は約40年前に人体由来ホルモンが栄養状態にどう反応して脳の食欲や満腹感に作用するのかを理解しようとし始めた。この分野は急速な発展を続けた。これら新薬は、重要な疾患の安全で有効な治療法の開発には、しばしば何十年にもわたる几帳面な基礎科学研究がもとになっていることの特筆すべき例である。

 

-高齢手術患者の飲酒とQOLについての学会発表への専門家の反応

expert reaction to conference presentation on alcohol consumption in older surgery patients and quality of life

JUNE 1, 2022

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-conference-presentation-on-alcohol-consumption-in-older-surgery-patients-and-quality-of-life/

Euroanaesthesia 2022で発表されたポスター要旨で高齢手術患者の飲酒とQOLを調べた

Open大学応用統計学名誉教授Kevin McConway教授

これは通常学会前に公表される要旨をもとに学会発表について意味のあることを言うのは不可能なことを示すよい例である。

(以下長い説明略)

精神医学・心理学・神経科学研究所客員臨床研究員Tony Rao博士

この研究はポスター発表でピアレビューされていない。飲酒量が多いほど気分が上がり社会性が増しストレスが少ないという結論は欠陥がある(flawed)。逆の因果関係を考慮していない。

 

その他

-海草の食品としての利用増加が安全性研究の引き金を引く

More food uses for seaweed sparks food safety research

By News Desk on June 2, 2022

https://www.foodsafetynews.com/2022/06/more-food-uses-for-seaweed-sparks-food-safety-research/

FDAは海草をシーフードでも野菜でもなくスパイスとして規制している。

Maine公共ラジオは「他の食品同様、海草には病原性細菌がいる。しかし他の食品と違って、食品安全リスクを低減するための連邦ガイドラインはほとんどない」

FDAは海草を少量の乾燥物なのでスパイスとみなしているが、それはメイン州の海草の進化を反映していない。いまや昆布やその他の海草は麵やサラダやキムチなどに豊富に応用されている。メインの研究者らは地元の収穫者に対して海草の安全な取り扱いに関する新しいデータを提供しようとしている。これまで海草は食中毒に関連したことはないが研究者らは

 

-バージニア農業生命科学大学

害虫からプロテインへ

食用昆虫が持続可能な食料源として頭角を現す

https://www.magazine.cals.vt.edu/pests-to-protein.html

 

-ヨーロッパは迫り来る食料危機の軽減のために農業革新を支持すべき

Europe must back agricultural innovation to help alleviate looming food crisis

JUNE 1, 2022  By Nicholas Waller

https://www.neweurope.eu/article/europe-must-back-agricultural-innovation-to-help-alleviate-looming-food-crisis/

国連事務局長を含む主導者たちが世界の食料安全保障の状態に警鐘を鳴らしている。欧州は急な不足に直面する可能性は低いものの貧しい国々の食料不足を緩和するために農業生産を増やす道徳的義務がある。環境を保護しつつ生産量を上げるために、欧州はますます洗練されてきた技術革新を採用する決断をすべきである。スリランカの教訓を学ぶべきである

 

-有毒野菜果物?米国の化学物質を怖がらせてお金を集める仕掛けからヒントを得て、汚染されたデマがヨーロッパにやってきた

Toxic fruits and vegetables? Inspired by chemical scare fundraising gimmick in the US, contaminated disinformation comes to Europe

Kevin Folta | June 7, 2022

https://geneticliteracyproject.org/2022/06/07/toxic-fruits-and-vegetables-inspired-by-chemical-scare-fundraising-gimmick-in-the-us-contaminated-disinformation-comes-to-europe/

EWGの‘汚れた12 (Dirty Dozen)’リストに触発されて欧州農薬アクションネットワーク(PAN)が「禁じられた果物Forbidden Fruit」報告書を出した。残留農薬モニタリング報告から、残留農薬が検出されたものを全て危険と分類してオーガニック農産物を買わせようとするもの。

Forbidden Fruit

https://www.pan-europe.info/sites/pan-europe.info/files/public/resources/reports/ForbiddenFruit_01.pdf

 

-農薬は野菜と果物摂取の利益を無しにするか?ノー

Pesticides Negate Benefits Of Fruit And Vegetable Consumption? No

By Cameron English — June 6, 2022

https://www.acsh.org/news/2022/06/06/pesticides-negate-benefits-fruit-and-vegetable-consumption-no-16348

最近の研究が野菜や果物の残留農薬が農産物摂取の栄養上のベネフィットの一部を弱めると示唆する。この結果は心配か?ノー、全く。

Environment Internationalに発表された研究(Volume 159, 15 January 2022, 107024 , Intake of fruits and vegetables according to pesticide residue status in relation to all-cause and disease-specific mortality: Results from three prospective cohort studies)をもとにフランスの新聞Le Mondeが野菜や果物の痕跡程度の残留農薬がそれらを摂取することによる健康上の利益を取り消すことができると報道した。その研究はLe Mondeの主張するようなものではない。

(以下詳細略。残留農薬モニタリングのデータの間違った使い方の例。野菜や果物を食べたくなくなるだけで、誰にも良いことがない「研究」(ハーバード大学とNPO)。公益とは。)

 

-科学技術政策への一般人の意見は価値があるか?

Is Public Input On Science And Technology Policy Worthwhile?

by Henry I. Miller June 6, 2022

https://henrymillermd.org/26252/is-public-input-on-science-and-technology-policy

難解な問題については、それは成績が悪い

パンデミックのまっただ中でも、多くのアメリカ人はCOVID-19だけではなくワクチンや化学物質や(存在しない)ケムトレイルなどなどについて不安であり続けた。COVID-19で100万人以上のアメリカ人が死亡しても米国の人々はワクチンを受けないままである。政治主導者や医学の専門家が勧めているのに多数の州のワクチン接種率が50%に満たない。

Naval War大学のTom Nichols教授によると、我々は「専門性の死」を目撃している:「GoogleやWikipediaやblogによって専門家と一般人、教師と生徒、知っている人と知りたがっている人の境界が無くなっている」

パンデミックは安楽椅子疫学者と感染症専門家を生み出し、政策が関わると些細な問題ではすまなくなった。政策決定者や規制担当者は、専門家以外の人からの意見を聞く義務があり時間とお金を無駄に費やした。情報を持たない、間違った「国民の声」によってますます混乱させられた。

科学は民主主義的ではない。鯨が魚か哺乳類かを決めるのは市民ではない。政府の政策の理由を非専門家が理解できるようにするのは重要だが政策を決めるのに非専門家の意見を聞くのは一般的に非生産的である

デンマークでは「コンセンサス会議」で高度に専門的科学的な問題に非専門家の常識での判断を求めた。結果は一貫して過剰に予防的で革新を不可能にする規制につながった。

他の国でも同様であった。2003年に英国政府は遺伝子組換えについて何百回もの公聴会を開催した。結果は?Mark Hendersonによると「これは最初から最後まで茶番だった。6回に一回はSARSウイルスが中国産の遺伝子組換え綿から来るかもしれないという話題に時間を費やした。宇宙から来る可能性の方が高いのに」。Hendersonによると会議の参加者は反テクノロジー活動家に占められていた。アメリカでも多くの規制案の米国政府のパブリックコメントには量産型の荒らしコメントばかりである。

米国では国立科学財団が市民テクノロジーフォーラムでナノテクノロジーを扱った時、わかったことがある。市民はテクノロジーには一般的に敵対的で心配している、しかし結果が素晴らしければ政府にアクセスを保証するよう求める

政治家は人々に規制上の問題に参加できるとリップサービスをする、たとえそれが複雑な問題の理解を必要とすることでも。規制プロセスには人々の信頼が必要だという。しかしどうやって信頼を保証する?

何十年にもわたる一般の人々の参加呼びかけにも関わらず、原子力、農薬、ナノテクノロジーなどは人々からの信頼を得られていない。根拠に基づいた政策を感情や政治に従属させても人々の受容を増やし革新を促すことはない。