[EU]査察報告
-イスラエル―水産物
Israel 2022-7469―Fishery products
28-07-2023
https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit-report/details/4639
EU輸出用水産物がEU要件に従っていることを確認し、正式に認証するイスラエルの能力を検証するために実施した机上評価の結果。2009年の前回の欧州委員会の査察以降公的管理システムは変わり、保健省もEU輸出用水産物の公的管理に関与している。イスラエルは、EU輸出用水産物に発行されたEUモデルの公的証明書に設定されている健康証明書をサポートできる。だが、水産養殖の公衆衛生管理がないこと、輸入原料のEUの適格性の不十分な検証など、いくつかの欠点を特定した。
-トルコ―卵と卵製品
Türkiye 2023-7888―Eggs and egg products
28-07-2023
https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit-report/details/4638
EU輸出用の卵と卵製品がEU法に従っていることを保証し、トルコの能力を検証するために欧州委員会が実施した評価結果。概して、実施されている公的管理や認証システムは、クラスBの卵と卵製品に関するEU衛生要件を満足に満たしていることが確認された。トルコは国内法をEU法と整合させているため、EUに輸出される卵と卵製品の生産に適用される国内法はEU要件に従っている。
-エストニア―動物の副産物(ABP)及び派生製品(DP)の公的管理
Estonia 2023-7709―Official controls on animal by-products (ABP) and derived products (DP)
06-07-2023
https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit-report/details/4630
2023年3月13~23日にエストニアで実施した、動物の副産物(ABP)と派生製品(DP)のEU法への順守や、違反発見時の管轄機関の能力を評価するための査察。ABPとDPのチェーンに沿った登録・承認システムがあり、公的管理計画はリスクに基づいている。サンプリングを含む管理は定期的に実施され、計画通りに実行されている。にもかかわらず、ABPの扱いや廃棄の評価に違いがあり、ABP工場では管理の事前通告により全体的な効果が弱められている。
[EFSA]意見等
-カルシジオール一水和物の変換係数の導出を含む、ビタミンDの耐容上限摂取量に関する科学的意見
Scientific opinion on the tolerable upper intake level for vitamin D, including the derivation of a conversion factor for calcidiol monohydrate
EFSA Journal 2023;21(8):8145 8 August 2023
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8145
(科学的意見)
欧州委員会(EC)からの2件の要請を受けて、栄養・新規食品及び食物アレルゲンに関するEFSAのパネル(NDA)は、ビタミンDの耐容上限摂取量(UL)の改訂に関する科学的意見を出し、表示目的として、カルシジオール一水和物のビタミンD3への変換係数(CF)を提案するよう求められた。ビタミンDとは、エルゴカルシフェロール(ビタミンD2)、コレカルシフェロール(ビタミンD3)、カルシジオール一水和物を指す。カルシジオール一水和物とビタミンD3の血清25(OH)D濃度の相対的な生物学的利用能や、過剰なビタミンD摂取の優先される有害健康影響、すなわち、持続性高カルシウム血症/高カルシウム尿症と筋骨格の健康に関連するエンドポイント(すなわち、転倒、骨折、骨量/骨密度及びその指標)を評価するために、科学的文献のシステマティックレビューが実施された。入手可能な根拠に基づき、パネルは、表示目的のために、カルシジオール一水和物のCF 2.5を提案している。持続性高カルシウム尿症は、持続性高カルシウム血症よりも過剰なビタミンDの初期症状である可能性があり、ビタミンDの耐容上限摂取量(UL)を基にした重要なエンドポイントとして選ばれた。ヒトにおける2件のランダム化比較試験から、最小毒性量(LOAEL) 250 μg/日が導出され、無毒性量(NOAEL)がないことを考慮して、不確実係数2.5が適用された。急速な骨の形成と成長する時期の青年は成人と比較してビタミンDの耐性が低いと考える理由がないため、成人(妊婦と授乳中の女性を含む)と11–17 歳の青年にUL 100 μgビタミンD等価相当量(VDE)/日が設定された。1–10歳の子供には、身体のサイズが小さいことを考慮して、UL 50 μg VDE/日が設定された。入手可能な摂取データを基にして、高用量のビタミンDを含むフードサプリメントの常用者を除き、欧州人がULを越える可能性は低い。
-EFSA-EU-ANSA危機準備訓練
EFSA – EU‐ANSA crisis preparedness training
EFSA Journal 2023;20(8):EN-8222 8 August 2023
https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-8222
(イベント報告書)
欧州食品安全機関(EFSA)は、2023年に向けて、EU科学的諮問機関連絡会(EU‐ANSA)のメンバーのために年次外部危機準備訓練を利用することを選択した。EFSAは、危機訓練請負業者であるInstinctif Partners社と共に、スペインのビルバオの欧州労働安全衛生機構(EU‐OSHA)のオフィスで、対面で1日半の危機準備訓練イベントを開催した。EU‐ANSAの12機関と欧州委員会(EC)サービスから38人の上級代表者が参加した。この報告書では、このイベントの出来事、内容、結論、助言や参加者の評価を記録している。
-ハチミツのトリフロキシストロビンの既存MRL改訂
Modification of the existing maximum residue level for trifloxystrobin in honey
EFSA Journal 2023;21(8):8189 8 August 2023
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8189
(理由付き科学的意見)
-ジャガイモの1,4-ジメチルナフタレンの既存MRLs改訂
Modification of the existing maximum residue levels for 1,4‐dimethylnaphthalene in potatoes
EFSA Journal 2023;21(8):8190 7 August 2023
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8190
(理由付き科学的意見)
-使用済PETを食品接触物質へとリサイクルするために使用するStarlinger iV+テクノロジーに基づくPCR Ambalajプロセスの安全性評価
Safety assessment of the process PCR Ambalaj, based on the Starlinger iV+ technology, used to recycle post‐consumer PET into food contact materials
EFSA Journal 2023;21(8):8130 7 August 2023
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8130
(科学的意見)
-使用済PETを食品接触物質へとリサイクルするために使用するStarlinger iV+テクノロジーに基づくLerg‐Petプロセスの安全性評価
Safety assessment of the process Lerg‐Pet, based on the Starlinger iV+ technology, used to recycle post‐consumer PET into food contact materials
EFSA Journal 2023;21(8):8133 7 August 2023
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8133
(科学的意見)
-使用済PETを食品接触物質へとリサイクルするために使用するStarlinger iV+テクノロジーに基づくTanrikulu Plastikプロセスの安全性評価
Safety assessment of the process Tanrikulu Plastik, based on the Starlinger iV+ technology, used to recycle post‐consumer PET into food contact materials
EFSA Journal 2023;21(8):8131 7 August 2023
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8131
(科学的意見)
-使用済PETを食品接触物質へとリサイクルするために使用するStarlinger iV+テクノロジーに基づくDialog Diyou PCRプロセスの安全性評価
Safety assessment of the process Dialog Diyou PCR, based on the Starlinger iV+ technology, used to recycle post‐consumer PET into food contact materials
EFSA Journal 2023;21(8):8132 7 August 2023
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8132
(科学的意見)
4件とも同じ
このプロセスから得られるリサイクルPETを室温で長期保存される飲料水を含む全ての種類の食品接触物質の製造に100%使用しても、安全上の懸念とはならない。このリサイクルPETで作られた最終製品は電子レンジやオーブンで使用されることを意図しておらず、そのような利用はこの評価の対象外である。
-使用済PETを食品接触物質へとリサイクルするために使用するGneuss 4テクノロジーに基づくISKOプロセスの安全性評価
Safety assessment of the process ISKO, based on Gneuss 4 technology, used to recycle post‐consumer PET into food contact materials
EFSA Journal 2023;21(8):8158 7 August 2023
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8158
(科学的意見)
-使用済PETを食品接触物質へとリサイクルするために使用するGneuss 4テクノロジーに基づくRE–PETKunststoffrecyclingプロセスの安全性評価
Safety assessment of the process RE–PETKunststoffrecycling, based on Gneuss 4 technology, used to recycle post‐consumer PET into food contact materials
EFSA Journal 2023;21(8):8159 7 August 2023
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8159
(科学的意見)
-使用済PETを食品接触物質へリサイクルするために使用するStarlinger deCONテクノロジーに基づくLanggengプロセスの安全性評価
Safety assessment of the process Langgeng, based on the Starlinger deCON technology, used to recycle post‐consumer PET into food contact materials
EFSA Journal 2023;21(8):8156 4 August 2023
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8156
(科学的意見)
3件とも同じ
このプロセスから得られるリサイクルPETを室温やそれ未満で長期保存される飲料水を含む全ての種類の食品接触物質の製造に100%使用しても、安全上の懸念とはならない。このリサイクルPETで作られた最終製品は電子レンジやオーブンで使用されることを意図しておらず、そのような利用はこの評価の対象外である。
-飼料添加物
Safety and efficacy of a feed additive consisting of endo‐1,4‐β‐xylanase produced by Trichoderma citrinoviride DSM 34663 (Hostazym® X) for use in all poultry species, ornamental birds, all growing Suidae and carp (Huvepharma NV)
EFSA Journal 2023;21(8):8171 4 August 2023
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8171
[NASEM]がん予防とリスク削減の前進を推進する ワークショップの概要
Advancing Progress in Cancer Prevention and Risk Reduction
Proceedings of a Workshop
(2023)
2022年の夏にがん政策フォーラムが開催したワークショップの概要
がんのリスクを減らす根拠のある対策はいくつかある(禁煙、節酒、体重管理、HPVワクチンなど)が実行にはギャップがある、「がん予防」より「がんリスク削減」という表現を、等
その他
-SMC UK
砂糖で甘くした飲料、人工甘味料で甘くした飲料、および肝臓がんと慢性肝疾患を調べた研究への専門家の反応
expert reaction to study looking at sugar-sweetened drinks, artificially-sweetened drinks, and liver cancer and chronic liver disease
AUGUST 8, 2023
JAMAに発表された研究が砂糖で甘くした飲料と人工甘味料で甘くした飲料と閉経期後の女性の肝臓がんと慢性肝疾患リスクを調べた
Bristol大学医学部子どもの健康と集団健康科学センター上級研究員(名誉)Pauline Emmett博士
プレスリリースは正確に科学を反映しているか
イエス
これは質の高い研究か?しっかりしたデータに基づいているか?
この解析は米国で長く行われている研究、Women’s Health Initiativeのデータを用いている。よく行われた質の高い研究である。
既存の根拠と合致するか?
この分野での仕事は多くはないが、米国のもう一つの大規模試験で砂糖入りソフトドリンクの摂取が肝臓がんと関連するという同様の知見を得ている。
交絡要因は考慮しているか?注意すべき重要な限界はないか?
交絡要因は正しく考慮されている。この主な限界は、観察研究で関連を示唆しても因果関係はわからないということだ。
現実世界での意味は?過剰な憶測はされている?
著者らは憶測しないよう慎重である。因果関係はわからないが、我々は多くの根拠から、毎日砂糖入りの飲料を飲む前に、二度考える価値があることを知っている。
Aston大学医学部登録栄養士で上級講師Duane Mellor博士
これは米国の10万人近くの女性の1990年代のソフトドリンク摂取と20年後の肝疾患による死亡あるいは肝臓がんリスクを調べた、観察研究の興味深い解析である。観察研究であるため因果関係は示せない。毎日砂糖入り飲料を飲むことと肝臓がん及び慢性肝疾患による死亡リスクの関連が示されたが、その関連は毎日飲む人と月に3回以下しか飲まない人を比べた場合のみ見られた。週に6回まで砂糖入り飲料を飲む人と月に3回以下しか飲まない人を比べた場合にはリスクの増加はみられなかった。さらに人工甘味料入り飲料を毎日飲んでいた人と月に3回以下しか飲まない人で肝臓がんや肝疾患に関連はなかった。
この研究は交絡要因を考慮したが、肝臓がんによる死亡者の少なさや異なるタイプのソフトドリンクや砂糖や甘味料の測定の限界から、英国などの他の国に当てはめるのは難しい。
この研究は研究開始時点での砂糖入り飲料の摂取のみを考慮していて途中で変わった場合は記録されない。20年の間にソフトドリンクの種類や砂糖含量は変わったがそれが正しくは反映されていないだろう。最後に著者も注記しているが肝炎などの他の肝がんや慢性肝疾患の原因となる可能性のある要因は記録されていないため調整できない。
この研究は毎日砂糖入り飲料を飲むことと肝疾患と肝臓がんによる死亡が関連するかもしれないことを示したが、その関連は明確ではない。しかし他の根拠から、健康のためには砂糖入り飲料の摂取量は制限し続けるべきである。
King’s College London栄養と食事名誉教授Tom Sanders教授
慢性肝疾患と肝臓がんの主な原因は肝炎ウイルスである。酒の濫用も強い関連がある。肥満に関連する代謝異常も米国の主要な肝がんの原因になりつつある。
砂糖の摂りすぎは肝臓の脂肪貯蔵量をふやすため、砂糖入り飲料の影響は砂糖摂取量が十分多ければ因果関係になり得る。しかし報告されている多量摂取群の摂取量は1日一回つまり1日30g以上で、平均100-120g/dの摂取量と比べるとそう多くない。限界の可能性としては開示されていない飲酒/肝炎感染など。
Sugar-Sweetened and Artificially Sweetened Beverages and Risk of Liver Cancer and Chronic Liver Disease Mortality
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2807987
-あなたが疑問を抱くべき「医療ミスが死因の3番目」とその他の統計
‘Medical errors are the third leading cause of death’ and other statistics you should question
BY MARY CHRIS JAKLEVIC | JULY 27, 2023
あまりにもしばしば我々ジャーナリストは患者の安全性に関する警鐘を鳴らすべき統計については批判的吟味スキルを忘れてしまう。
2016年にBMJに発表された、心疾患とがんに続いて米国の死因の三番目が医療ミスだと示唆する論文を例にしよう。この論文は多くのメディアで報道されたが研究の欠陥は報道されなかった。この論文は患者安全研究分野全体への信頼を毀損するリスクがあった。しかしこの医療ミスが大きな死因だという考えは各種団体によって広められ、いつまでも残っている。ジャーナリストだけが悪いのではなく、研究者らもこの誇大な数字を注目を集めるために使い続けた。しかし誇大宣伝は人々を医療から遠ざける害を与える可能性がある
ニュアンスを伝えるために以下を薦める
・不確実性の範囲を伝える
・研究の対象者を検討する
・医療ミスの定義を検討
・別の結果を示す研究も提示する
-Balance of Natureは虚偽の健康強調表示を巡る規制対応の決着に110万ドル支払う
TINA
Balance of Nature to Pay $1.1M to Settle Regulatory Action over False Health Claims
Jul 27, 2023
野菜果物サプリメントが深刻な病気を予防・治療できると嘘の宣伝をしていた