2022-06-22

[EFSA]意見等

-認可更新のための遺伝子組換えダイズA5547‐127の評価

Assessment of genetically modified soybean A5547‐127 for renewal authorisation under Regulation (EC) No 1829/2003 (application EFSA‐GMO‐RX‐020)

EFSA Journal 2022;20(6):7340 20 June 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7340

(科学的意見)

BASF Agricultural Solutions Seed US LLC社から規則 (EC) No 1829/2003に従い申請EFSA‐GMO‐RX‐020の提出を受けて、遺伝子組換え生物に関するEFSAのパネルは、除草剤耐性遺伝子組換えダイズA5547‐127の、EU内の栽培を除く食品や飼料の使用としての認可更新申請の関連で提出されたデータに関する科学的リスク評価を出すよう求められた。この更新申請の関連で受け取ったデータには、市販後環境モニタリング報告書、文献の体系的な調査と評価、更新されたバイオインフォマティクス解析、申請者または申請者に代わって行われた追加の文書や研究が含まれていた。GMOパネルは、認可期間中に確認され、、元の申請の関連で以前に評価されていない、潜在的な新しいハザード、暴露の変化、あるいは新しい科学的不確実性についてこれらのデータを評価した。GMOパネルは、更新申請EFSA‐GMO‐RX‐020に、ダイズA5547‐127に関する元のリスク評価の結論を変えるような新しいハザード、暴露の変化、あるいは科学的不確実性の新たな根拠はないと結論した。

 

-使用済PETを食品と接触する物質にリサイクルするために使用されるStarlinger deCONテクノロジーに基づくKalex Filmsプロセスの安全性評価

Safety assessment of the process Kalex Films, based on Starlinger deCON technology, used to recycle post‐consumer PET into food contact materials

EFSA Journal 2022;20(6):7382  20 June 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7382

(科学的意見)

 

-使用済PETを食品と接触する物質にリサイクルするために使用されるStarlinger deCONテクノロジーに基づくGreiner Packagingプロセスの安全性評価

Safety assessment of the process Greiner Packaging, based on Starlinger deCON technology, used to recycle post‐consumer PET into food contact materials

EFSA Journal 2022;20(6):7389  20 June 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7389

(科学的意見)

2つとも同じ

このプロセスから得られるリサイクルPETを室温で長期保存される全ての種類の食品と接触する物質の製造に100%使用しても、安全上の懸念とはならない。このリサイクルされた PETで作られた最終製品は電子レンジやオーブンで使用されることを意図しておらず、そのような使用はこの評価の対象外である。

 

-子牛の第四胃由来キモシンとペプシンAを含む食品酵素レンネットの安全性評価

Safety evaluation of the food enzyme rennet containing chymosin and pepsin A from calf abomasum

EFSA Journal 2022;20(6):7361  20 June 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7361

(科学的意見)

キモシン(EC 3.4.23.4)とペプシンA(EC 3.4.23.1)を含むこの食品酵素は、RENCO New Zealand社が子牛の第四胃から作成した。この食品酵素はチーズ生産のミルク加工に使用することを意図している。この食品酵素の動物源やその製造から懸念は生じないため、安全な使用摂取歴に基づき、パネルは毒性学的データや食事暴露の推定は必要ないと考えた。文献データに基づき、パネルは、食事暴露によるアレルギー感作リスクや誘発反応は除外できないが、これが起こる可能性は低いと考えた。パネルは、この食品酵素は意図した使用条件で安全上の懸念は生じないと結論した。

 

-食品添加物としてのグリセロール(E 422)の再評価のフォローアップ

Follow‐up of the re‐evaluation of glycerol (E 422) as a food additive

EFSA Journal 2022;20(6):7353  20 June 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7353

(科学的意見)

グリセロール(E 422)は、2017年に以前の食品添加物及び食品に添加される栄養源に関するEFSAのパネル(ANS)に評価された。その評価のフォローアップとして、この意見では、食品添加物及び香料に関するパネル(FAF)が、委員会規則(EU) No 231/2012のE 422のEU規格の修正を支援するために、確認されたデータのギャップに対処している。パネルはE 422に存在する望ましくない不純物のリスク評価を行った。パネルは、4つの有毒元素(ヒ素、鉛、水銀、カドミウム)のEU規格の最高限度は、市販の食品添加物E 422の実際の量に基づいて下げる必要があると結論した。パネルはE 422の規格にアクロレインの数値制限値を設定するよう助言した。E 422の規格に設定された最大限度0.1 mg/kgで、遊離3‐モノクロロプロパンジオールへの潜在的な暴露は健康上の懸念を生じない。パネルは、E 422は植物油脂からのみ得られ、精製グリセロールを得るために蒸留や他の浄化段階などの精製工程を受けることを示す、委員会規則(EU) No 231/2012の定義の改訂を考慮するよう助言した。概して、パネルは、提出された技術的データはグリセロール(E 422)の規格の修正を支援すると結論した。

 

-代替候補としてのシペルメトリンの承認を更新する内部レビューに関する科学的支援

Scientific assistance on the internal review under Regulation (EC) No 1367/2006 of the Commission Implementing Regulation (EU) 2021/2049 renewing the approval of the active substance cypermethrin as a candidate for substitution in accordance with Regulation (EC) No 1107/2009

EFSA Journal 2022;19(6):EN-7222 20 June 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-7222

(技術的報告書)

欧州委員会の要請を受けて、欧州食品安全機関(EFSA)は、規則(EC) No 1107/2009に従って、代替候補としてのシペルメトリンの承認を更新する委員会施行規則(EU) 2021/2049のレビューを求める非政府組織 欧州農薬行動ネットワーク(PAN Europe)が掲げた科学的議論をレビューした。EFSAの評価は関連する科学的要素に焦点を当てており、法的側面はEFSAの権限ではなく、欧州委員会から受けた委任の枠組みではないため、含んでいない。この報告書は、報告担当加盟国ベルギーとの協議後にPAN Europeが掲げた科学的議論の評価結果をまとめている。

 

[Codex]プレスリリース

-SADC加盟国がコーデックスe-ツールの使用と適用について学ぶ

SADC Member States trained on the use and application of Codex e-tools

19/06/2022

https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1539998/

12の南部アフリカ開発共同体(SADC)加盟国(ボツワナ、エスワティニ、レソト、マダガスカル、マラウイ、モーリシャス、モザンビーク、ナミビア、セイシェル、南アフリカ、ザンビア)及びSADC事務局が、2022年5月25日から27日にかけて、コーデックス電子作業部会(EWG)プラットフォームとオンラインコメントシステム(OCS)に関するバーチャル研修を受けた。この研修では、コーデックス規格策定の手続きやプロセス、基礎となる科学的助言など、コーデックスとその作業メカニズムに関する理解を深めるとともに、EWGプラットフォームとOCSの実践的使用を学ぶことにより、コーデックスプロセスへの地域の関与を促進することを目的としている。

 

-モンゴルは国家抗菌剤耐性(AMR)サーベイランスシステムの評価を計画中

Mongolia planning to assess national antimicrobial resistance (AMR) surveillance system

17/06/2022

https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1539859/

2022年6月20日から27日にかけて、モンゴルで食品・農業分野における国の抗菌剤耐性(AMR)サーベイランスシステムの評価が実施される予定である。この活動は、韓国政府が支援する新しいAMRコーデックス文書(ACT)プロジェクト「食品由来AMRの封じ込めと削減を支援するコーデックス規格の実施」の一部であり、AMRのモニタリングと監視に関連するコーデックス規格の世界的、地域的実施を支援する。

*ACT (AMR コーデックス Texts)

https://www.fao.org/antimicrobial-resistance/projects/ongoing/project-10/en/

 

[FSANZ]食品基準通知

Notification Circular 206-22

22 June 2022

https://www.foodstandards.gov.au/code/changes/circulars/Pages/NotificationCircular206-22.aspx

新規申請と提案

・食品添加物としてのローズマリー抽出物-使用拡大

認可と食品閣僚会議通知

・電解質飲料の組成

・園芸要件(ベリー、葉物野菜、メロン)

 

[EPA]EPAはPFAS化合物に新しい飲料水健康助言、健康保護強化のための超党派インフラ法での10億ドルの資金提供を発表

EPA Announces New Drinking Water Health Advisories for PFAS Chemicals, $1 Billion in Bipartisan Infrastructure Law Funding to Strengthen Health Protections

June 15, 2022

https://www.epa.gov/newsreleases/epa-announces-new-drinking-water-health-advisories-pfas-chemicals-1-billion-bipartisan

EPAはGenXとPFBSについて新しい健康助言を設定、PFOAとPFOSについては健康助言を引き下げ

 

-飲料水健康助言(HAs)

Drinking Water Health Advisories (HAs)

JUNE 15, 2022

https://www.epa.gov/sdwa/drinking-water-health-advisories-has

EPAは飲料水安全法(SDWA)の規制対象ではない汚染物質について、有害な健康影響がおこらないと想定される濃度としての健康助言(HAs)を出すことができる。

新たにPFOA、 PFOS、 GenX化合物、 PFBSについてHAを発表した。

PFOAとPFOSについては2016年の更新

-官報

Federal Register / Vol. 87, No. 118 / Tuesday, June 21, 2022 / Notices

https://www.govinfo.gov/content/pkg/FR-2022-06-21/pdf/2022-13158.pdf

PFOA  0.004 ppt

PFOS 0.02 ppt

GenX  10 ppt

PFBS  2,000 ppt

 

[BfR]BfRの概要 事実と数字2021

The BfR in brief: Facts & Figures 2021

21.06.2022

https://www.bfr.bund.de/cm/364/the-bfr-in-brief-facts-and-figures-2021.pdf

従業員1151人、うち科学者534人 予算1億1900万ユーロなど

 

[RIVM]Helmond のVolkstuin Delta 割り当て複合区の菜園作物のPFASのリスク評価

Risk assessment of PFAS in vegetable garden crops from the Volkstuin Delta allotment complex in Helmond

21-06-2022

https://www.rivm.nl/publicaties/risicobeoordeling-van-pfas-in-moestuingewassen-uit-volkstuinencomplex-volkstuin-delta

テフロン加工工場Custom Powdersの北東1150メートルにあるVolkstuin Deltaで家庭菜園で作った野菜果物の摂取によるPFAS暴露を計算した。結果としてそれほど高用量ではなく、今後もこれらの作物を摂取し続けることができる。しかしながらこの菜園の作物は他のPFAS排出源の近くにはない菜園の作物よりはPFAS濃度が高い。菜園のオーナーは店舗での購入を含めて多様な野菜や果物を食べることでPFAS摂取を減らすことができる

 

[RIVM]ニュース

-COVID-19後に長期症状があるのは約2倍

Nearly twice as many cases involving long-term symptoms after COVID-19

06/21/2022

https://www.rivm.nl/en/news/nearly-twice-as-many-cases-involving-long-term-symptoms-after-covid-19

SARS-CoV-2に感染して3ヶ月後、約半数の人が疲労や集中しにくい、臭覚がないなどの症状の一つ以上を報告する。これはCOVID-19にならなかった人の2倍で、他の呼吸器感染症の人の1.5倍

(何にもなくても「疲労」がある人が結構いる)

 

-感染増加傾向は続く

Upward trend in infections continues

06/21/2022

https://www.rivm.nl/en/news/upward-trend-in-infections-continues

 

論文

-「グリーン」農業を巡る大西洋を隔てた争い

The trans-Atlantic conflict over “green” farming

RobertPaarlberg,  Food Policy, Volume 108, April 2022, 102229

https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0306919222000124

・EUの有機農業を拡大するF2F計画は「グリーン」ではない

・EUのGMO拒否は「グリーン」ではない

・CRISPRをGMOのように規制するEUの決定に従う国は少ないだろう

 

-何故自宅でリキュールを蒸留できない?(動画)

Why can’t I distill liquor at home? (video)

21-JUN-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/956477

ACS動画シリーズ

発酵した液体からエタノールのみを蒸留で得るのは簡単そうだが危険で、許可無くやると違法である

 

-心血管系疾患とがん予防のためのビタミン、ミネラル、マルチビタミンサプリメント

USPSTF助言

Vitamin, Mineral, and Multivitamin Supplementation to Prevent Cardiovascular Disease and Cancer

US Preventive Services Task Force

JAMA. 2022;327(23):2326-2333.

https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2793446

2014年の助言更新

・心血管系疾患やがん予防のためのβカロテンあるいはビタミンEの使用はしないよう勧める(D助言)

・心血管系疾患やがん予防のためのマルチビタミンサプリメントの使用のベネフィットと害のバランスを評価する為の根拠が不十分(I声明)

・心血管系疾患やがん予防のための(βカロテンとビタミンEを除く)単独あるいは組み合わせ栄養サプリメントの使用のベネフィットと害のバランスを評価する為の根拠が不十分(I声明)

 

-ビタミン、サプリメントはほとんどのアメリカ人にとって「お金の無駄」

Vitamins, supplements are a ‘waste of money’ for most Americans

21-JUN-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/956274

「あなたを健康にする魔法の錠剤」は存在しない。食事と運動が鍵

上述のUSPSTFの助言を掲載したJAMAのエディトリアル

Multivitamins and Supplements—Benign Prevention or Potentially Harmful Distraction?

https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2793472

 

-米国青少年の社会経済状態別肥満傾向の評価、1999-2018

Evaluation of Obesity Trends Among US Adolescents by Socioeconomic Status, 1999-2018

Ryunosuke Goto  et al., JAMA Pediatr. June 21, 2022

https://jamanetwork.com/journals/jamapediatrics/fullarticle/2793117

社会経済的地位の低い家庭の青少年は、非ヒスパニックの黒人で、肥満、両親が結婚していない、可能性が高い。肥満における社会経済的格差は過去20年で拡大した

 

-TikTokの代用ソーダの流行は歯には厳しい

TikTok’s alternative soda trend could be tough on teeth

21-JUN-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/956617

米国歯科医師会

TikTokで流行しているフレーバーつき炭酸水とバルサミコ酢を混ぜた砂糖無しの「健康的」炭酸飲料代用品は歯のエナメルを腐食する

JADA Foundational Science

 

-フードミクス:我々の食品を知るのに役立つ生体分子を探る

Foodomics: Exploring the biomolecules that will help us get to know our food

21-JUN-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/956640

生物多様性国際同盟と熱帯農業国際センター(CIAT)

食品には26000以上の異なる生化学分子が存在するが、食品組成データベースや研究はそのうちわずか約150に集中している。従って我々が毎日食べる食品には「栄養学的暗黒物質」が多数ある。Frontiers in Nutritionに発表された新しい論文で、オミクス技術を応用した「フードミクスFoodomics」の可能性について概要を記す。

次世代の世界的包括的食品組成データベースは農業と栄養と健康をつなげる新たな研究分野を拓くだろう

 

-多くの研究者がデータを共有するつもりという-でもしない

Natureニュース

Many researchers say they’ll share data — but don’t

21 June 2022 Clare Watson

https://www.nature.com/articles/d41586-022-01692-1

理由としてインフォームドコンセントあるいは倫理委員会の認可がない、見当外れのデータ、他の人がプロジェクトから降りた、などが含まれる

データは共有すると宣言している1792の生命医学論文の著者のうち90%以上がデータ要請に応えなかった。メールへの反応がたった14%で、実際にデータをわたしてくれたのは僅か6.7%

 

その他

Big Fears, Little Risks(動画、約30分)

https://youtu.be/6-DGCOYXqP4

Bruce Ames博士が出ている。30年前の60代の映像も。

他福島第一原子力発電所事故の後に放射能のせいでアメリカ人の半分が2011年に死ぬと騒いだ人、それを受けたドイツの原子力発電停止(とロシア依存)など