2023-11-22

[EU]査察報告

管理団体―中国からEUへの輸出品を認証するためのオーガニック生産規格と管理対策

Control Body 2023-7862―Control Body - Organic production standards and control measures for certifying exports from China to the EU

13-10-2023

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit-report/details/4675

2023年6月15~23日に実施した、管理団体がEUへのオーガニック輸出品の認証に中国での生産規格及び管理対策をどのように適用するかを評価するための査察結果。一般的に管理システムは十分機能しているが、抜き打ち検査の前日通知、検査の大部分はオーガニック加工時以外に実施されているなど、いくつかの欠点が指摘された。深刻ものはなく、概して検査の質は保たれている。管理団体には制裁措置の包括的なカタログがあり、適切なフォローアップが実行された。概して、査察チームは、管理団体が適用する生産規則は委員会が認証しており、管理対策はEUで適用されるものと同等の効果があると結論した。

 

[EFSA]意見等

-遺伝子組換えBacillus subtilis AR‐513株由来食品用酵素グルカン1,4‐α‐マルトヒドロラーゼの安全性評価

Safety evaluation of the food enzyme glucan 1,4‐α‐maltohydrolase from the genetically modified Bacillus subtilis strain AR‐513

EFSA Journal 2023;21(11):8389  20 November 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8389

この食品用酵素グルカン 1,4‐α‐マルトヒドロラーゼ(4‐α‐D‐グルカン α‐マルトヒドロラーゼ EC 3.2.1.133)は、AB Enzymes GmbH社が遺伝子組換えBacillus subtilis AR‐513株で生産した。この遺伝子組換えは安全上の懸念を生じない。この食品用酵素にこの生産菌の生きた細胞やそのDNAは含まれない。4つの製造工程に使用することを意図している:焼成製品、その他のシリアルベース製品、グルコースシロップ、その他のデンプン加水分解物の生産用シリアルとその他の穀物の加工、牛乳と乳製品の植物ベースの類似物の生産用植物及び真菌由来製品の加工。総有機固形物(TOS)の残留量は、グルコースシロップや他のデンプン加水分解物の生産で除去されるため、この工程には食事暴露は算出されなかった。残りの3つの食品工程の、食品用酵素への暴露‐TOSは、欧州人で最大0.2 μg TOS/kg体重/日と推定された。B. subtilis AR‐513株の生産株は安全性適格推定(QPS)アプローチの要件を満たしており、生産工程から懸念となる問題は生じなかったため、毒性学的試験は必要なかった。既知のアレルゲンに対するこの食品用酵素のアミノ酸配列の類似性が調査され、呼吸器系アレルゲンで5件、蚊アレルゲンで1件の一致が見つかった。パネルは、意図した使用条件下で、食事暴露によるアレルギー反応リスクは除外できないが、その可能性は低いと判断した。提出されたデータに基づき、パネルは、意図した使用条件下で安全上の懸念を生じないと結論した。

 

-非遺伝子組換えAspergillus tubingensis AE‐CN株由来食品用酵素カタラーゼの安全性評価

Safety evaluation of the food enzyme catalase from the non‐genetically modified Aspergillus tubingensis strain AE‐CN

EFSA Journal 2023;21(11):8398  17 November 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8398

(科学的意見)

食品用酵素カタラーゼ(hydrogen‐peroxide:hydrogen‐peroxide oxidoreductase; EC 1.11.1.6)は、Amano Enzyme Inc社が非遺伝子組換えAspergillus tubingensis AE‐CN株で生産した。この食品用酵素に生産菌の生きた細胞がないことは証明されなかった。この食品用酵素は5つの食品製造工程で使用することを意図している:焼成製品の生産、卵と卵製品の加工、ジュース以外の果物と野菜製品の生産、チーズの生産及び魚卵の生産。食品用酵素の総有機固形物(TOS)への食事暴露は、欧州人で最大0.325 mg TOS/kg体重/日と推定された。in vitro遺伝毒性試験の結果から、この食品用酵素に、in vivo試験の限界により否定できない染色体異常誘発因子の存在が示された。全身毒性はラットの90日間反復経口投与毒性試験で評価された。パネルは無毒性量を、調べた最大用量の323 mg TOS/kg体重/日とした。既知のアレルゲンに対するこの食品用酵素のアミノ酸配列の類似性が調査され、1件の一致が見つかった。パネルは、食事暴露によるアレルギー反応のリスクは除外できないが、その可能性は低いと判断した。遺伝子毒性試験の結果、生産株由来の生きた細胞が得られないことが証明されなかったため、パネルは、この食品用酵素の安全性を立証できなかった。

 

-非遺伝子組換えPenicillium adametzii AE‐HP株由来食品用酵素α‐l‐ラムノシダーゼの安全性評価

Safety evaluation of the food enzyme α‐l‐rhamnosidase from the non‐genetically modified Penicillium adametzii strain AE‐HP

EFSA Journal 2023;21(11):8395  17 November 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8395

この食品用酵素α‐l‐ラムノシダーゼ(α‐l‐ラムノシド ラムノヒドロラーゼ; EC 3.2.1.40)は、Amano Enzymes Inc社が非遺伝子組換えPenicillium adametzii AE‐HP株で生産した。この食品用酵素にはこの生産菌の生きた細胞は含まれないと考えられている。ジュースやその他果物製品生産用の果物と野菜の加工に使用することを意図している。この食品用酵素への食事暴露‐TOSは、欧州人で最大0.022 mg TOS/kg体重/日と推定された。遺伝毒性試験は安全上の懸念を示さなかった。全身毒性はラットの90日間反復経口投与毒性試験で評価された。パネルは無毒性量を調べた最大用量の300 mg TOS/kg体重/日とし、この値は推定食事暴露量と比較すると、暴露マージンは少なくとも13,636となる。既知のアレルゲンに対するこの食品用酵素のアミノ酸配列の類似性を調査し、一致はなかった。パネルは、この食品用酵素への食事暴露上のアレルギー反応のリスクは除外できないが、その可能性は低いと判断した。提出されたデータに基づき、パネルは、この食品用酵素は意図した使用条件下で安全上の懸念を生じないと結論した。

 

-非遺伝子組換えBacillus amyloliquefaciens HPN 131株由来食品用酵素バシロリシンの安全性評価

Safety evaluation of the food enzyme bacillolysin from the non‐genetically modified Bacillus amyloliquefaciens strain HPN 131

EFSA Journal 2023;21(11):8390  17 November 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8390

(科学的意見)

食品用酵素バシロリシン(EC 3.4.24.28)は、ENMEX SA de CV社が非遺伝子組換えBacillus amyloliquefaciens HPN 131株で生産した。この生産株は、安全性評価への安全性適格推定(QPS)アプローチの資格がある。評価中のこの食品用酵素は、7つの食品製造工程で使用することを意図している:焼成製品、醸造製品、蒸留アルコールの生産用シリアルとその他の穀物の加工、;調整乳タンパク質生産用乳製品の加工;タンパク質加水分解物生産用の肉・魚製品の加工;タンパク質加水分解物生産用の植物及び真菌由来製品の加工;酵母と酵母製品の加工。総有機固形物(TOS)の残留量は蒸留アルコールには引き継がれないため、食事暴露は残りの6つの食品製造工程についてのみ推定された。暴露は欧州人で最大8.302 mg TOS/kg体重/日と推定された。この生産株はQPSステータスの資格があり、この食品用酵素の生産工程から懸念となる問題が生じなかったため、パネルは、アレルギー誘発性の評価以外の毒性学的試験は必要ないと判断した。既知のアレルゲンに対するこの食品用酵素のアミノ酸配列の類似性を調査し、一致はなかった。パネルは、食事暴露によるアレルギー反応のリスクは除外できないが(蒸留アルコール生産を除く)、その可能性は低いと判断した。提出されたデータに基づき、パネルは、この食品用酵素は意図した使用条件下で安全上の懸念を生じないと結論した。

 

-殺菌剤として植物保護に使用する基本物質としてのAllium fistulosumの承認申請についての総合的結論

Overall conclusions on the application for approval of Allium fistulosum as a basic substance to be used in plant protection as a bactericide

EFSA Journal 2023;20(11):EN-8433  17 November 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-8433

(技術的報告書)

欧州食品安全機関(EFSA)は、基本物質に関する規則(EC) No 1107/2009第23条に従って、受け取った申請評価に関する科学的支援を提出するよう欧州委員会から依頼を受けた。この評価は、畑や常設の温室でトマトの播種前の土壌処理用殺菌剤として植物保護に使用する基本物質としてのAllium fistulosum抽出物の申請提出を受けて、欧州委員会からの特定の委託により要請された。この報告書では、加盟国とEFSAとの協議結果をまとめ、申請に関する主な知見や総合的結論を含み、受け取った個別のコメントに関するEFSAの科学的見解を提示した。申請者が提出した説明に基づき、EFSAは、評価した物質をAllium fistulosumと命名すべきだと考えた。

 

[EFSA ]燻製香料:香料に関するEFSAの作業グループ議長Wim Mennes氏とのQ&A

Smoke flavourings: Q&A with Wim Mennes, EFSA’s working group chair on flavourings

16 November 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/news/smoke-flavourings-qa-wim-mennes-efsas-working-group-chair-flavourings

燻製香料は、魚、肉、乳製品などの特定の食品の保存に用いる長年の習慣である伝統的な燻製に代わる役割を果たしている。燻製工程は風味も変える。

燻製香料は同様の保存機能はないが、食品に添加すると燻製風味をつける。

EFSAは、適用される法律に従って、認可更新期限の迫るEU市場の8つの燻製香料の安全性を評価した。

EFSAの香料に関する作業グループの議長であるWim Mennes氏が、この作業の主な調査結果を通して私達を次の段階へと導く。

初めに、燻製香料はどの食品に使用されているのか?

燻製香料は、伝統的な燻製工程に代わるものとして、肉、魚、チーズなどの食品に添加される。だが、スープ、ソース、飲料、ポテトチップス、食用氷、菓子など他の食品にも香料として使われる可能性がある。

EFSAがそれらの安全性を評価した理由は?

燻製香料に関するEFSAの作業はEU規則により定められており、市販可能になる前に燻製香料の安全性を評価しなければならない。また、現在市販されているものは認可期間が終了する前に再評価しなければならない。

今評価中のこの8製品は過去10年間EU市場で販売されており、申請者は、さらに10年間認可を延長するよう欧州委員会に要請している。申請者は、現在EU市場で販売されている他の2製品の認可更新を要請しなかった。

健康上のリスクは何か?

入手可能な科学的根拠に基づき、この8種類の燻製香料のいずれにも遺伝毒性に関する懸念を除外できなかった。

遺伝毒性とは、細胞の遺伝物質を損傷する化学物質の能力である。細胞内の遺伝子情報の変化または変異は、がんや遺伝性疾患などの症状の発症リスクを高める可能性がある。

この種の毒性には、安全なレベルを定義することはできない。

EFSAはすでに過去にこれらの香料を評価したのか?

はい。我々は2009年から2012年にかけて評価し、欧州委員会とEU加盟国がその使用を認可するかどうかの決定に情報提供した。

当時、パネルは提案された使用量で安全性のマージンが不十分だったため、製品の多くに安全上の懸念を指摘した。

このため欧州委員会とEU加盟国は申請者が提案した使用レベルを修正し、より限定的な食品中の使用を認めた。

では、今回何が新しかったのか?

我々は申請者が提出した新たなデータを評価するために最新の方法論を使用した。この方法論は、更新した2021年のEFSAの科学的ガイダンスに記載されているが、最初の評価時には入手できなかったものである。このガイダンスでは、複雑な混合物(燻製香料など)の1つの成分が遺伝毒性と確認された場合、混合物全体を遺伝毒性と見なすよう助言している。

我々は、評価した6種類の燻製香料に遺伝毒性物質が含まれているため、安全上の懸念があると結論した。また、データ不足により他の2種類の安全上の懸念も除外できなかった。

燻製香料についてのEFSAの助言は消費者にとって何を意味するのか?

一般的に、遺伝毒性物質を摂取すると、有害影響のリスクが高まる可能性がある。だが、これらの影響の発現の可能性は、個人の遺伝的特徴や食習慣など、様々な要因による。EFSAは、燻製香料で風味付けした食品を摂取した結果、そのような有害影響が生じる可能性を調査していない。だが、EFSAはその評価への保守的なアプローチを取っていることは注意に値する、つまり、我々はハザードやリスクを推定するのに最悪のシナリオを考慮している。

バランスのとれた食事は、一般的に食品リスクへの暴露の可能性を低減する。肉、魚、野菜などの多種多様な食品で食事のバランスを取ることは、消費者が有害物質の摂取量を低減するのに役立つ。

これから何が起こるのか?

欧州委員会とEU加盟国は、現在市場に出ている燻製香料の適切なリスク管理の選択肢について議論する一環で、EFSAの科学的助言を注意深く検討する予定である。

8種類の燻製香料

SF-001 “proFagus Smoke R714” (以前の名前 “Scansmoke PB 1110”)

SF-002 “Zesti Smoke Code 10”

SF-003 “Smoke Concentration 809045”

SF-004 “Scansmoke SEF7525”

SF-005 “SmokeEx C-10”

SF-006 “SmokEz Enviro-23”

SF-008 “proFagus Smoke R709”

SF-009“Fumokomp Conc.” (以前の名前 “Fumokomp”)

 

科学へのリンク

燻製香料一次製品としてのFumokomp (SF‐009)の認可更新に関する科学的意見

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8370

燻製香料一次製品としてのproFagus Smoke R709 (SF‐008) の認可更新に関する科学的意見

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8369

燻製香料一次製品としてのproFagus Smoke R714 (SF‐001) の認可更新に関する科学的意見

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8363

燻製香料一次製品としてのScansmoke SEF7525 (SF‐004) の認可更新に関する科学的意見

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8366

燻製香料一次製品としてのSmoke Concentrate 809045 (SF‐003) の認可更新に関する科学的意見

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8365

燻製香料一次製品としてのSmokEz C‐10 (SF‐005) の認可更新に関する科学的意見

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8367

燻製香料一次製品としてのSmokEz Enviro‐23 (SF‐006) の認可更新に関する科学的意見

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8368

燻製香料一次製品としてのZesti Smoke Code 10 (SF‐002) の認可更新に関する科学的意見

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8364

 

参照

燻製香料の既存の認可更新のための手続きに関する情報

https://food.ec.europa.eu/safety/food-improvement-agents/flavourings/smoke-flavouring-renewals-existing_en

 

[Codex]プレスリリース

-世界食品安全デーの2023年報告書を発表!

The World Food Safety Day report 2023 is out now!

08/11/2023

https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1661529/

今年の世界食品安全デーに関する報告書が発行され、閲覧可能になった。16ページにわたるこの文書では、今年の世界食品安全デーを祝う世界各地の多種多様なイベントや活動の様子を垣間見ることができる。139カ国で500を超えるイベントが開催された。安全な食品を楽しむことを促進する美食や試食のイベントや、安全で栄養価の高い食品を食べることの健康上の利点を強調するさまざまなスポーツ・イベントが開催された。また、多くの国の団体が街頭や市場に出て、食品の安全性に関する重要な情報を共有する啓発イベントも行われた。

会議とシンポジウムでは、食品安全の専門家と食品業界の専門家が、コーデックス委員会の60周年に合わせた今年のテーマ「食品規格はいのちを救う」を含む、世界食品安全デーの主要トピックについて話し合った。

*World Food Safety Day 2023

https://www.fao.org/documents/card/en/c/cc8441en

 

-Codex60周年/祝うのに遅くはない!

Codex@60 / It’s not too late to celebrate!

14/11/2023

https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1661511/

コーデックス委員会は1963年6月に第1回会議を開催して以来、今年で60周年を迎えた。世界各地で起きていることをいくつか紹介する。年明け早々、FAO/WHO北米・南西太平洋地域部会がフィジーで開催され、フィジーのVatimi T. T. K Rayalu農業・水路大臣やSteve Wearneコーデックス議長を含む代表団がお祝いのケーキを楽しんだ。3月のコーデックス食品添加物部会(CCFA)では、ホスト国である中国による華麗なドラゴンダンスが披露され、4月にはコーデックス食品汚染物質部会(CCCF)もオランダのユトレヒトでケーキで祝った。また、フィンランド政府は5月、首都ヘルシンキで毎年開催された食品産業見本市で「コーデックス-引退から遠く離れて」と題するセッションを開催した。さらにその他の60周年記念の祝賀の催しのいくつかを紹介している。

*CODEX60

https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/about-codex/codex60/en/

 

-世界薬剤耐性啓発週間 / 薬剤耐性問題に取り組むためのグローバルアクション

WAAW 2023 / Global action to tackle the problem of AMR

18/11/2023

https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1663460/

本日スタートした世界薬剤耐性啓発週間(WAAW)2023(11月18日から24日)は、薬剤耐性病原体の出現と蔓延に対処するための意識を高め、行動を促す世界的な取り組みである。WAAW2023のテーマは、2022年から継続して「Preventing antimicrobial resistance together(薬剤耐性を共に予防する)」となっている。このテーマは、抗菌薬の有効性を維持するために、複数のセクターが参加するワンヘルスアプローチの必要性を強調している。AMRの主な要因は抗菌薬の誤用と過剰使用であるため、AMRに対処するには社会全体と多部門からのアプローチを採用することが不可欠である。

<コーデックスの役割>

食品由来AMRは食品安全の問題である。コーデックスの文書には、消費者の健康を守り、食品貿易における公正な慣行を確保するために、意思決定者が取るべき手順と方針が概説されている。食品由来AMRの管理改善は、コーデックスのAMR文書に記載されている活動を通じて達成することができる。現在、食品由来AMRに関する中核文書が3つ作成されている。またFAOは、「コーデックスAMR文書の実施を支援するための行動(ACT)」プロジェクトを実施している。ACTプロジェクトは、コーデックスAMR文書の実施を通じて食品由来AMRに対処するため、世界的・地域的に活動しており、特にボリビア、カンボジア、コロンビア、モンゴル、ネパール、パキスタンに重点を置いている。

 

-第46回コーデックス総会(CAC46)/コーデックス議長がジルパテロールに関する議論の進め方を説明

CAC46 / Codex Chairperson describes how he intends to conduct discussions on zilpaterol

19/11/2023

https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1663294/

コーデックス議長のSteve Wearne氏(英国)は、副議長のAllan Azegele氏(ケニア)、Raj Rajasekar氏(ニュージーランド)、Diego Varela氏(チリ)、及びコーデックス事務局と協議の上、2023年11月27日(月)にイタリア・ローマのFAO本部で開催される第46回コーデックス総会(CAC46)において、牛の成長促進に使用される動物用医薬品ジルパテロール塩酸塩の残留基準値を設定すべきかどうかについて、どのように議論を行う意向であるかを記した、コーデックスメンバー及びオブザーバー宛ての書簡を発表した。

*Steve Wearne議長からの書簡

https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/sh-proxy/en/?lnk=1&url=https%253A%252F%252Fworkspace.fao.org%252Fsites%252Fcodex%252FMeetings%252FCX-701-46%252FLinks%252FNote_to_members_on_zilpaterol_process_at_CAC46-Nov23.pdf

 第46回総会における本議題の手続きに関する提案は次の通り。現在、ジルパテロール塩酸塩のMRLs案はステップ7である。総会では、まずステップ8に進めることへの合意が得られるかを検討し、異議がある場合には投票による単純多数決とする。投票の結果が賛成の場合はステップ8に進め、反対であれば作業の中止又は延期の提案が可能となる。もしステップ8に進んだと仮定すると、次はステップ8でMRL案を最終採択するのか否かの採択を諮ることになる。合意が得られず、異議がある場合には投票による単純多数決とする。投票の結果が賛成の場合はMRLs案をステップ8で最終採択とするが、反対であれば議論終了となる。

 

[FSANZ]食品基準通知

Notification Circular 271-23

22 November 2023

https://www.foodstandards.gov.au/code/changes/circulars/Pages/Notification%20Circular%20271-23.aspx

意見募集

・オーストラリア固有のハチの蜂蜜の定義や規格を含める

2024年1月17日まで

Call for comment to permit the sale of honey produced by Australian stingless bees

Date: 22/11/2023

https://www.foodstandards.gov.au/media/Pages/Call-for-comment-to-permit-the-sale-of-honey-produced-by-Australian-stingless-bees.aspx

 

[ASA]ASA裁定

-ASA Ruling on Kollo Health Ltd

22 November 2023

https://www.asa.org.uk/rulings/kollo-health-ltd-a23-1196136-kollo-health-ltd.html

フェイスブックでの広告で液状コラーゲンサプリメントで皮膚の弾力が維持できてシワが減り、若々しくなるといった根拠のない主張をした。英国では登録されている栄養や健康強調表示しかできない。

会社が提供した根拠には東京周辺で52人の女性に30日にわたって1日10gのNaticol(マリンコラーゲンペプチド)をとった時の自己評価が提出された。ASAは消費者の主観的アンケートは適切な根拠とはならず、規模が小さく参加者の特徴は一般人を代表するものでもないと考える、等複数のデータへの反論がある

 

-ASA Ruling on Organic Burst World SA t/a Organic Burst

22 November 2023

https://www.asa.org.uk/rulings/organic-burst-world-sa-a23-1191380-organic-burst-world-s-a-.html

スピルリナサプリメントがビタミンB12欠乏による白髪を治療するという宣伝に根拠がない。ASAからの照会に企業は回答しない。

 

-ASA Ruling on Cloud City Vapez UK Ltd

22 November 2023

https://www.asa.org.uk/rulings/cloud-city-vapez-uk-ltd-a23-1205196-cloud-city-vapez-uk-ltd.html

TikTokでの、無許可ニコチン含有電子タバコの宣伝

 

-ASA Ruling on ACME Vape Ltd

22 November 2023

https://www.asa.org.uk/rulings/acme-vape-ltd-a23-1205199-acme-vape-ltd.html

同上

 

[FTC]FTCとカリフォルニアは、消費者に先祖についての報告を買うように気を引くために行った無数の間違った情報提示に関してDNA検査会社に裁判命令を得る

FTC, California Obtain Order Against DNA Testing Firm over Charges it Made a Myriad of Misrepresentations to Consumers to Entice Them to Buy Ancestry Reports

November 21, 2023

https://www.ftc.gov/news-events/news/press-releases/2023/11/ftc-california-obtain-order-against-dna-testing-firm-over-charges-it-made-myriad-misrepresentations

CRI Genetics社は詐欺的行為を止め、罰金を払い、消費者に生体情報の削除権を与える

 

[USDA]請願

Petition Submitted by Perdue Farms, LLC

https://www.fsis.usda.gov/policy/petitions/petition-submitted-perdue-farms-llc

肉や家禽の「放し飼い」「牧場で育てた」などの用語を巡って関連コメントがたくさん出されている

直近の食品産業協会(FMI)からの意見は、全ての関係者の参加した透明性の高いやりかたで、時代によって変わる消費者の認識を考慮して表示の規則を決めて欲しいというもの。

 

[NTP]RR-19の要約 生存性とクラスタリング調整したバイナリーデータの傾向検定

Abstract for RR-19

Trend Test for Binary Data with Survivability and Clustering Adjustments

November 2023

https://ntp.niehs.nih.gov/publications/reports/study/abstract-rr-19

子宮内暴露からはじまってそのまま離乳後も暴露を継続するがん原性試験での、きょうだい(同腹)関係の調整に失敗すると有意差のインフレになることがある

 

その他

-Nature

世界の気温上昇を1.5℃以下にするには遅すぎる?7つの図で課題を示す

Is it too late to keep global warming below 1.5 °C?

The challenge in 7 charts

By Jeff Tollefson 21 November 2023

https://www.nature.com/immersive/d41586-023-03601-6/index.html

世界的に合意された目標を達成するチャンスは急速に消失しているが、研究者はいくつかの進歩の兆候があるという

 

COVIDパンデミック中に嫌がらせを受けた微生物学者が大学を訴えた

Microbiologist who was harassed during COVID pandemic sues university

Bianca Nogrady

https://www.nature.com/articles/d41586-023-03518-0

ニュージーランドの裁判事例は公共スピーチがどの程度大学の社会への責務なのかを問う

(Siouxsie Wilesの件、Natureもとりあげた)

 

-クロアチア当局はコカコーラが中毒原因ではないとした

Croatian authorities rule out Coca-Cola poisonings

NOVEMBER 10, 2023

https://www.politico.eu/article/croatian-authorities-rule-out-coca-cola-poisonings/

45人が病気になったと報道されているが実際に中毒になったのはたった一人である、そしてこの事例ではコカコーラ社の所有するフレーバーミネラルウォーターブランドRömerquelleに洗剤及び/または脱脂剤が含まれていて、患者は重症で入院治療中であり犯罪捜査が行われている。他の報道されている事例は誤認の可能性が高い、あるいはコカコーラとは関係ない。