2023-08-07

[BfR]新たなEFSAリスク評価:食品中の一部のミネラルオイル残留物は健康上の懸念が残る

New EFSA risk assessment: Some mineral oil residues in food remain a health concern

27 July 2023

https://www.bfr.bund.de/cm/349/new-efsa-risk-assessment-some-mineral-oil-residues-in-food-remain-a-health-concern.pdf

特に、ミネラルオイルの残留物は、リサイクルされた古紙で作られている場合、段ボール箱やその他の包装材から食品に移行する可能性がある。これが消費者の健康リスクをどの程度伴うかは、専門家の間で何年も議論されてきた。

欧州食品安全機関(EFSA)は最近、新しいデータを含む2012年のリスク評価を更新し、予備的な結果を発表した:食品を介した現在のミネラルオイル飽和炭化水素(MOSH)の摂取量は、既知の知見によると、健康の観点から懸念を引き起こすものではない。しかし、EFSAはまだミネラルオイル芳香族炭化水素(MOAH)の摂取量は、特に乳幼児にとって高すぎると考えている。

ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)はEFSAの結論に同意し、ミネラルオイル成分による食品の汚染は一般的に望ましくないことを強調している。農業生産、輸送、貯蔵及び食品加工におけるより良い手順は、ミネラルオイル成分の摂取量を減らすのに役立つ。包装材、特に紙や段ボールから食品へのそれらの物質の移行は、新鮮な繊維の段ボールとミネラルオイルを含まない印刷インクを使用することで、とりわけ減らすことができる。包装の機能的な障壁は、食品の汚染を防ぐのにも役立つ。

近年の当局と業界の取り組みは、この点でかなり成功した。EFSAの新しいデータでは、すべての集団におけるミネラルオイル成分の1日摂取量は、2012年以降ほぼ半減している。

ミネラルオイルの成分は、さまざまな方法で食品に混入する可能性がある。これは、例えば、承認された食品添加物や食品加工用の添加物に含まれている場合などは予測可能である。また、農業機械による食品汚染、不適切な輸送や加工方法及びフードチェーンに沿った蓄積も起こり得る。リサイクル繊維を使用して製造した紙や段ボール製の包装にも、ミネラルオイルの残留物が含まれている可能性がある。これは、印刷された新聞がリサイクルの原材料として使用されており、ほとんどにミネラルオイルが含まれているためだ。新聞インクはリサイクルの過程で十分に除去できないまま食品包装材になっていた。

検出されたミネラルオイルは、飽和炭化水素(MOSH:ミネラルオイル飽和炭化水素)と芳香族炭化水素(MOAH:ミネラルオイル芳香族炭化水素)の複雑な混合物からなる。

最大約45個までの炭素原子を含むMOSHは、体に吸収されることが知られている。ヒトでは、肝臓や脾臓などの一部の臓器や脂肪組織から検出されている。動物実験では、一部のMOSHが特定の系統のラットの肝臓で沈着や炎症を引き起こすことも示された。ヒトに対するこの知見の関連性は長い間不明であったが、新しいデータに基づき、EFSA2023はその再評価において、観察された影響はこのラット系統に特異的であり、ヒトには関連しないと結論づけた。(https://connect.efsa.europa.eu/RM/s/publicconsultation2/a0l09000006qqHf/pc0400)

非常に高用量を除いて、EFSAはヒトに対するMOSHのいかなる有害影響も同定していない。しかし、データ状況は不完全であり、特に動物における長期研究や、ミネラルオイルの生涯にわたる摂取後のヒト臓器におけるMOSH濃度に関する更なるデータが欠落している。EFSAは、外因性物質の蓄積は基本的に望ましくなく、可能性のある(まだ知られていない)毒性学的影響はMOSHの蓄積によって引き起こされる可能性が最も高いため、臓器及び組織におけるMOSH蓄積の影響に基づいて健康リスク評価を行っている。

EFSAは食品を介した現在のMOSH摂取量は懸念を引き起こさないと結論づけている。BfRの見解では、食品中のMOSH含有量をさらに減らすために、または少なくとも現在のレベルを維持するために、当局や業界の取り組みを継続すべきと考える。

MOAHは、1つ以上の環の芳香環系を有する化合物であり、炭素と水素に加えて硫黄を含むことがある。芳香環はまた、通常、飽和炭化水素の1つ以上の短側鎖または長側鎖を有する。3つ以上の芳香環を有する画分は、変異原性及び発がん性物質がこの画分に存在する可能性があるため、食品中のMOAH量の評価に特に関連する。しかし、食品中のMOAHにおけるこの画分の実際のシェアに関するデータがほとんどないため、EFSAは「最良の場合」と「最悪の場合」の暴露シナリオを作成した。「最悪の場合」のシナリオは、すべての集団グループに、「最良の場合」は特に幼児で頻繁に食べるグループに懸念の原因があった。

MOAHについては、EFSAは主に、食品中に3つ以上の芳香環を有するMOAHの実際の存在量に関するより多くのデータが必要であり、したがってルーチン分析法における改良された方法が必要であると指摘している。さらに、特に1つまたは2つの芳香環を有するMOAHの毒性に関するデータが不足している。

 

[EFSA]意見等

-EFSA内のアプリケーションのトピックモデリングとテキスト分類モデル

Topic modelling and text classification models for applications within EFSA

EFSA Journal 2023;20(8):EN-8212  1 August 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-8212

(外部科学報告書)

この報告書ではEFSAプロジェクトOC/EFSA/AMU/2020/02における4つのケーススタディに関連するトピックモデリングと分類モデルの概要を示す。

 

-非遺伝子組換えBacillus licheniformis T74株由来食品用酵素α-アミラーゼの安全性評価

Safety evaluation of the food enzyme α‐amylase from the non‐genetically modified Bacillus licheniformis strain T74

EFSA Journal 2023;21(8):8160  2 August 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8160

(科学的意見)

この食品用酵素α-アミラーゼ(4‐α‐D‐glucan glucanohydrolase; EC 3.2.1.1)は、Novozymes A/S.社が非遺伝子組換え微生物Bacillus licheniformis T74株で生産した。この生産株は安全性適格推定(QPS)アプローチの資格を満たした。この食品用酵素は8つの製造工程、すなわち、グルコースシロップと他のデンプン加水分解物の生産のためのデンプン加工、蒸留アルコール生産、精製・未精製砂糖の生産、醸造工程、シリアルベースの工程、ジュース生産用果物と野菜の加工、ジュース以外の製品の果物と野菜の加工、乳製品類似物の生産に使用することを意図している。総有機固形物(TOS)の残留量は2つの食品工程(グルコースシロップと他のデンプン加水分解物の生産用デンプン加工、蒸留アルコール生産)中に除去されるため、食事暴露は残りの6製造工程にのみ算出された。欧州人で最大0.291 mg TOS/kg体重/日と推定された。この生産株はQPSアプローチの要件を満たし、この食品用酵素の生産工程から懸念される問題は生じないため、パネルは、毒性学的試験は必要ないと判断した。既知のアレルゲンに対するこの食品用酵素のアミノ酸配列の類似性が調査され、一致はなかった。パネルは、意図した使用条件下で、この食品用酵素への食事暴露上のアレルギー反応リスクは除外できないが(蒸留アルコール生産以外)、その可能性は低いと判断した。提出されたデータに基づき、パネルは、この食品用酵素は意図した使用条件下で安全上の懸念を生じないと結論した。

 

-非遺伝子組換えBacillus paralicheniformis DP‐Dzx96株由来食品用酵素スブチリシンの安全性評価

Safety evaluation of the food enzyme subtilisin from the non‐genetically modified Bacillus paralicheniformis strain DP‐Dzx96

EFSA Journal 2023;21(8):8155  1 August 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8155

(科学的意見)

この食品用酵素スブチリシン(セリン エンドペプチターゼ, EC 3.4.21.62)は、Genencor International B.V.社が非遺伝子組換えBacillus paralicheniformis DP‐Dzx96株で生産した。この食品用酵素中にこの生産菌の生きた細胞は含まれないと考えられた。この食品用酵素は5つの食品製造工程、すなわち、植物や菌類由来タンパク質加水分解物の生産、肉と魚のタンパク質由来タンパク質加水分解物の生産、調理米の生産、組換え肉と魚製品の生産、酵母加工に使用することを意図している。この食品用酵素の生産株には既知の抗菌剤耐性遺伝子が含まれている。医学的に重要な抗菌剤であるバシトラシンがこの食品用酵素に検出された。バシトラシンの存在は抗菌剤耐性細菌の発生リスクを示している。既知のアレルゲンに対するこの食品用酵素のアミノ酸配列の類似性が調査され、呼吸器で3件、食物アレルゲンで2件の一致が見つかった。パネルは、意図した使用条件下で、特にマスクメロンやザクロに感作する人には、この食品用酵素に対する食事暴露上のアレルギー反応リスクは除外できないが、これらの食品の摂取リスクを超えることはないと判断した。バシトラシンの存在により、パネルは、非遺伝子組換えBacillus paralicheniformis DP‐Dzx96株で生産したこの食品用酵素スブチリシンは安全と見なすことはできないと結論した。

 

-非遺伝子組換えBacillus amyloliquefaciens BA株由来食品用酵素α-アミラーゼの安全性評価

Safety evaluation of the food enzyme α‐amylase from the non‐genetically modified Bacillus amyloliquefaciens strain BA

EFSA Journal 2023;21(7):8157 31 July 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8157

(科学的意見)

この食品用酵素α-アミラーゼ(4‐α‐d‐グルカン グルカノヒドロラーゼ; EC 3.2.1.1)は、HBI Enzymes Inc社が非遺伝子組換えBacillus amyloliquefaciens BA株で生産した。この評価中の酵素は6つの食品工程、すなわち、焼成工程、醸造工程、蒸留アルコール生産、グルコースシロップと他のデンプン加水分解物の生産のためのデンプン加工、乳製品類似物の生産、米ベースの食事の生産で使用することを意図している。総有機固形物(TOS)の残留量は蒸留中やグルコースシロップと他のデンプン加水分解物の生産中に除去されるため、食事暴露は残りの4つの食品製造工程にのみ算出された。欧州人では最大4.805 mg TOS/kg 体重/日と推定された。申請者は、この生産株は安全性適格推定(QPS)の基準を満たしていることを証明するための十分なデータや、この食品用酵素の生産菌由来の生きた細胞やDNAがないことの証明を提出しなかった。従って、パネルはこの微生物源の安全性を結論できなかった。暴露マージンは、毒性学的試験がなく算出できなかった。既知のアレルゲンに対するこの食品用酵素のアミノ酸配列の類似性が調査され、呼吸器アレルゲンで2件の一致が見つかった。パネルは、意図した使用条件下で(蒸留アルコール生産以外)、食事暴露によるアレルギー反応リスクは除外できないが、その可能性は低いと判断した。提出されたデータに基づき、パネルは、意図した使用条件下でこの食品用酵素の安全性に関して結論できなかった。

 

-使用済PETを食品接触物質へリサイクルするために使用するPolymetrixテクノロジーに基づくPlastrecプロセスの安全性評価

Safety assessment of the process Plastrec, based on the Polymetrix technology, used to recycle post‐consumer PET into food contact materials

EFSA Journal 2023;21(8):8149 2 August 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8149

(科学的意見)

このプロセスから得られるリサイクルPETを室温やそれ未満で長期保存される飲料水を含む全ての種類の食品接触物質の製造に100%使用しても、安全上の懸念とはならない。このリサイクルPETで作られた最終製品は電子レンジやオーブンで使用されることを意図しておらず、そのような利用はこの評価の対象外である。

 

-使用済PETを食品接触物質へリサイクルするために使用するReifenhäuserテクノロジーに基づくSilver Plasticsプロセスの安全性評価

Safety assessment of the process Silver Plastics, based on the Reifenhäuser technology, used to recycle post‐consumer PET into food contact materials

EFSA Journal 2023;21(8):8165 2 August 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8165

(科学的意見)

このプロセスから得られるリサイクルPETを、特定の意図した用途に応じて、材料や製品の製造にバージンPETと混合して15% ~100%使用しても安全上の懸念とはならない。このリサイクルPETで作られた製品は電子レンジやオーブンで使用されることを意図しておらず、そのような利用はこの評価の対象外である。

 

-使用済PETを食品接触物質へリサイクルするために使用する、Polymetrixテクノロジーに基づくPT Veolia Indonesiaプロセスの安全性評価

Safety assessment of the process PT Veolia Indonesia, based on the Polymetrix technology, used to recycle post‐consumer PET into food contact materials

EFSA Journal 2023;21(7):8147 31 July 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8147

(科学的意見)

このプロセスから得られるリサイクルPETを室温で長期保存される飲料水を含む全ての種類の食品接触物質の製造に100%使用しても、安全上の懸念とはならない。このリサイクルPETで作られた最終製品は電子レンジやオーブンで使用されることを意図しておらず、そのような利用はこの評価の対象外である。

 

-エンドスルファンの最大残留基準(MRLs)の対象を絞ったレビュー

Targeted review of maximum residue levels (MRLs) for endosulfan

EFSA Journal 2023;21(7):8114 27 July 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8114

(理由付き科学的意見)

規則(EC) 396/2005第43条に従って、EFSAは、未承認有効成分エンドスルファンの最大残留基準(MRLs) の引き下げの可能性を考慮して、既存のMRLをレビューする要請を欧州委員会から受けた。EFSAは現行のEU のMRLsの由来を調査した。EUで以前承認された用途を反映した、あるいは使用されなくなったコーデックスの最大残留基準値に基づく既存のEU のMRLsや、もはや必要とされないインポートトレランスには、EFSAは定量下限や代替MRLの引き下げを提案した。EFSAはリスク管理者が適切な判断を下せるよう、改訂したMRLsのリストの指標となる慢性及び急性食事リスク評価を実施した。全ての作物に、EFSAが提案したリスク管理のどの選択肢をEUのMRL法で実施する必要があるかを決めるために、更なるリスク管理の議論が必要である。

 

-食品に関連する健康のリスクと利益の伝達―システマティックレビュー(2018‐2022)

Communication of food‐related health risks and benefits – a systematic review (2018‐2022)

EFSA Journal 2023;20(7):EN-8203 27 July 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-8203

(外部科学報告書)

EFSAからの要請に応えて、食品に関連する健康リスクとベネフィットのコミュニケーションに関する一連の根拠を要約するために、ICFは6つの分野の関連する科学的文献を特定しレビューした。2018年から2022年の間に発表された48の研究から、消費者の食品安全の知識は向上される可能性があることが示された。全体として、欧州の消費者は食品安全情報を積極的に求めており、常に情報を得ることが重要だと考え、食品の安全性とトレーサビリティに高い価値を置いていることが確認された。

 

-飼料添加物

Assessment of the feed additive consisting of Lactiplantibacillus plantarum (formerly Lactobacillus plantarum) NCIMB 30083 for all animal species for the renewal of its authorisation (Chr. Hansen A/S)

EFSA Journal 2023;21(8):8154 3 August 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8154

 

Safety and efficacy of a feed additive consisting of endo‐β‐1,4‐xylanase produced by Komagataella phaffii CGMCC 7.371 (VTR‐xylanase) for all avian species, piglets (suckling and weaned) and minor growing porcine species (Victory Enzymes GmbH)

EFSA Journal 2023;21(8):8150 2 August 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8150

 

Safety and efficacy of a feed additive consisting of an essential oil derived from the fruit of Illicium verum Hook.f. (star anise oil) for use in all animal species (FEFANA asbl)

EFSA Journal 2023;21(7):8182 31 July 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8182

 

Safety and efficacy of feed additives consisting of essential oils derived from the flower buds or the leaves of Syzygium aromaticum (L.) Merr. & L.M. Perry (clove bud oil and clove leaf oils) for all animal species (FEFANA asbl)

EFSA Journal 2023;21(7):8183 28 July 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8183

 

Safety and efficacy of a feed additive consisting of an essential oil derived from Eucalyptus globulus Labill. (eucalyptus oil) for all animal species (FEFANA asbl)

EFSA Journal 2023;21(7):8178 28 July 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8178

 

Assessment of the safety of the feed additives acetic acid, calcium acetate and sodium diacetate for fish (FEFANA asbl)

EFSA Journal 2023;21(7):8176 27 July 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8176

 

Assessment of the feed additive consisting of Lactiplantibacillus plantarum (formerly Lactobacillus plantarum) NCIMB 30084 for all animal species for the renewal of its authorisation (Chr. Hansen A/S)

EFSA Journal 2023;21(7):8167 27 July 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8167

 

[EU]RASFF 2023(0730-0805)

警報通知(Alert Notifications)

トルコ産オランダ経由ゼリーミニカップの未承認カラギーナン(E407)、チェコ共和国産ベビーフードの鉛高含有、フランス産トウモロコシ粉で作ったビスケットのトロパンアルカロイド類超過、スペイン産媚薬蜂蜜スティックのタダラフィル、フランス産発酵生地粉末のトロパンアルカロイド類、ブルガリア産フードサプリメントのシアン化物、ポーランド産ライ麦フレークのアクリルアミド高含有、中国産オランダ経由金属エナメル皿からの鉛の溶出、オランダ産プラムトマトの金属、スペイン産シカとイノシシの肉による食中毒、オランダ産ドイツ経由ライスケーキのアフラトキシン、エジプト産スウェーデン経由ブドウの葉のカルベンダジム・ベノミル・ラムダシハロトリン・ルフェヌロン・メタラキシル・ペンコナゾール・プロピコナゾール及びチオファネートメチル、エジプト産フランス経由レモンのクロルピリホス、タイ産チェコ共和国経由バジルのフィプロニル・プロピコナゾール及びキントゼン、

注意喚起情報(information for attention)

セルビア産桃の未承認物質クロルピリホス、中国産パプリカのクロルピリホス、エクアドル産ドラゴンフルーツのアセフェート及びメタミドホス、カンボジア産ライチのアゾキシストロビン・ジフェノコナゾール・クロラントラニリプロール及びシペルメトリン、ウズベキスタン産BBQ用スパイスの未承認着色料スーダンⅠ、オランダ産海鮮サバのヒスタミン

インド産ブラーミパウダーの鉛及びPAH高含有、ウクライナ産コーングリッツのデオキシニバレノール(複数あり)、ガーナ産燻製魚のベンゾ(a)ピレン及び多環芳香族炭化水素(PAHs)、フランス産マサバのヒスタミン、

通関拒否通知(Border Rejections)

トルコ産生鮮レモンのプロクロラズ(複数あり)、トルコ産ピーマンのクロルピリホス、インド産ピーナッツのアフラトキシン(複数あり)、米国産ピーナッツのアフラトキシン(複数あり)、ウクライナ産未精製ヒマワリ油のクロルピリホス(複数あり)、米国産アラブ首長国連邦経由殻をとったピスタチオのアフラトキシン、中国産菓子の二酸化チタン、中国産野菜の残留農薬、ロシア産甘酸っぱいソースの未承認着色料スーダンⅠ、トルコ産イチジクのオクラトキシンA、パキスタン産米のアフラトキシン、セルビア産パプリカ風味ポテトチップスのアクリルアミド高含有、トルコ産ピーマンのアセタミプリド、トルコ産キャンディーのE124(ポンソー4R、コチニールレッドA)高含有、トルコ産菓子の二酸化チタン(E171)の未承認使用、トルコ産乾燥イチジクのアフラトキシン、インド産様々な調理食品の新規食品(モスビーンVigna aconitifolia)、オーストラリア産アーモンドのアフラトキシン、インド産ボスウェリアセラータ抽出物のエチレンオキシド、インド産野菜と穀物の調理品(テパリービーンズ)の未承認新規食品(モスビーン)、中国産子供用メラミン製寿司箸のメラミンの溶出、中国産食品接触物質のホルムアルデヒド、

 

[FDA]FDAはFDA規制製品のリコールを近代化するための公聴会を発表する

FDA Announces Public Meeting to Modernize Recalls of FDA-Regulated Commodities

August 3, 2023

https://www.fda.gov/food/cfsan-constituent-updates/fda-announces-public-meeting-modernize-recalls-fda-regulated-commodities

米国食品医薬品局(FDA)は、「FDAリコールの近代化リスニングセッション」と題した公開会議を主催する。FDA規制対象製品のリコールの近代化に関連するトピックについて、ステークホルダーが情報とフィードバックを共有する機会を提供する。

 

[FDA]消費者向け情報

-タトゥーの除去:選択肢と結果

Tattoo Removal: Options and Results

08/03/2023

https://www.fda.gov/consumers/consumer-updates/tattoo-removal-options-and-results

タトゥーの除去方法や問題について情報提供する。

 

[ODS]ファクトシート更新

-亜鉛の補充に関するNIH COVID-19治療ガイドライン

NIH COVID-19 Treatment Guidelines on Zinc Supplementation

July 21, 2023

https://www.covid19treatmentguidelines.nih.gov/therapies/supplements/zinc/

 情報更新。

 

[ヘルスカナダ]改定通知

-様々な食品におけるTrichoderma reesei RF5427由来のキシラナーゼを使用できるようにするための許可食品酵素リストの改定に関する修正通知

Notice of modification to the List of Permitted Food Enzymes to enable the use of xylanase from Trichoderma reesei RF5427 in various foods

2023-08-03

https://www.canada.ca/en/health-canada/services/food-nutrition/public-involvement-partnerships/notice-modification-list-permitted-food-enzymes-enable-use-xylanase-trichoderma-reesei-rf5427-various-foods.html

 ヘルスカナダは、様々な食品におけるTrichoderma reesei RF5427由来のキシラナーゼを使用できるようにする許可を求める食品添加物申請の市場前安全性評価を完了した。食品酵素の許可リストを修正し、使用を拡大した。

 

[HK]法令違反

-包装済みとうもろこしのサンプルが栄養表示規則に違反

Prepackaged corn sample not in compliance with nutrition label rules

August 4, 2023 (Friday)

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20230804_10434.html

ハンガリー産とうもろこしのサンプルが総脂肪1.4 g/100 gという表示のところ2.1 g/100 gの検出であった。

 

-包装済みとうもろこしのサンプルが栄養表示規則に違反

Prepackaged peas sample not in compliance with nutrition label rules

August 4, 2023 (Friday)

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20230804_10435.html

オーストラリア産豆のサンプルが総脂肪0.3 g/100 gという表示のところ0.86 g/100 gの検出であった。

 

論文

-慢性腎疾患患者のスターフルーツ摂取に関連する死亡

Death associated with ingestion of starfruit (Averrhoa carambola) in a patient with chronic kidney disease.

Raciti C, et al. Am J Emerg Med. 2023.

74才の慢性腎疾患と糖尿病歴のある患者がスターフルーツ丸ごと2個を食べてしゃっくりがとまらなくなり救急に来たが急速に状態が悪化して亡くなった。米国でのスターフルーツによる死亡例はおそらく初めて。

 

-クラトム誘発性急性肝障害:症例研究とハーブサプリメント規制の重要性

Kratom-induced acute liver injury: A case study and the importance of herbal supplement regulation.

Roma K, et al. J Hepatol. 2023.

米国のクラトム使用に関連する有害事象報告が増加している

 

-母乳育児と市販乳児用調整乳業界の役割

Breastfeeding and the role of the commercial milk formula industry

THE LANCET CORRESPONDENCE| VOLUME 402, ISSUE 10400, P448, AUGUST 05, 2023

Keiko Nanishi Hiroko Hongo

(Lancetの乳児用ミルク販売企業のマーケティングへの批判シリーズへのコメントがいくつか掲載されているがそのうちのひとつ。日本の母親達の要望でようやく実現した液体ミルクの発売開始を悪いことだと思っているようだ。さらに母乳でそだてていても緊急時に備えてミルクを備蓄しておく、という当たり前のことを薦めたくないらしい。緊急時に母乳優先、という団体の人らしいが、災害で母子が一時的にでも離れてしまうことは一切ないと考えているようだ。他のコメントでは母乳育児シリーズの著者が先進国の男性に偏っていることを批判しているものもある)

 

その他

-意見:動物個人主義反対

Opinion: The Case Against Animal Individualism

BY JOHN REID 03.09.2023

https://undark.org/2023/03/09/the-case-against-animal-individualism/

環境管理の努力は、選ばれた少数の種を救うことではなく自然のシステムを守ることを目指すべきである

絶滅危惧種法のような、特定の種のみについて守る価値があるかどうかを議論するのは違う。

 

-ScienceInsider

世界に疾患アウトブレイクを警告する長く続けてきたProMED電子メールサービスが窮地に

Long-running ProMED email service for alerting world to disease outbreaks is in trouble

4 AUG 2023 BYSARA REARDON

https://www.science.org/content/article/long-running-promed-email-service-alerting-world-disease-outbreaks-trouble

お金の問題とスタッフのストライキで研究者や公衆衛生専門家が価値を認めてきた報告が危機に

30年間無料で数万人の購読者に地域の疾患アウトブレイクを共有してきたProMEDが瀕死である。昨日38人のお金を払っている編集者とモデレーターのうちの21人がストライキに入った。彼らの発表した文書によると親機関でスポンサーの国際感染症学会(ISID)からの注目と支援が欠けているため。数週間前にISIDはProMEDが財政危機にあり、存続のために例えば2万人の購読者に支払いを求めるなどの存続策の検討を始めたとしていた。

2022年10月にはISIDは年間100万ドルの運営費の寄付をメンバーに依頼したが7月14日のメールによると2万ドルしか集まっていない

 

-ナットウキナーゼの血栓溶解への期待がよく知っているはずの科学者を惑わす

Nattokinase’s Clot-Busting Promises Sway Scientists Who Should Know Better

Jonathan Jarry M.Sc. | 4 Aug 2023

https://www.mcgill.ca/oss/article/covid-19-critical-thinking-health-and-nutrition/nattokinases-clot-busting-promises-sway-scientists-who-should-know-better

発酵食品のネバネバ由来で心血管系にとっての驚嘆と考えられているが、その良い効果は偏った解釈と誇大宣伝の可能性がある

ナットウキナーゼは学術論文で「強力なオールナチュラルサプリメント」、「驚くほど強力」な血栓融解作用、「魔法の食品」とまで呼ばれた。市販品の宣伝文句は法律の規制によりもっと曖昧で、医薬品のような宣伝はできない。

ナットウキナーゼは愛国心の強い研究者が文化によって影響を受けるもう一つの例である。ナットウキナーゼは存在しない問題の証明されていない解決法になった。

ナットウキナーゼへの関心が始まったのは1980年代にHiroyuki Sumiという研究者が納豆を研究してからだ。Sumiは1987年にナットウキナーゼを発見した。キナーゼはリン酸基を動かすタイプの酵素だがナットウキナーゼはキナーゼではなくプロテアーゼである。Sumiらはナットウキナーゼがプロテアーゼであることを知っていたが何らかの理由でキナーゼと呼んだ。ナットウキナーゼを含む食品は納豆だけではなく、アジアには類似の食品が多く存在する。現在では枯草菌のDNA中のナットウキナーゼをコードする遺伝子が単離されていて工業的に生産できる。ナットウキナーゼサプリメントのレビューにはあらゆる病気に効いたとコメントがあるが学術研究は誇大宣伝にみあわない。

ナットウキナーゼの研究はあまり多くはないがその多くが実験室のもので臨床試験はあまりなく芳しくもない。米国では284もの異なるブランドのナットウキナーゼが販売されているが、この酵素を経口摂取したあとどうなるのかの情報がほとんどない。

ナットウキナーゼについての論文はしばしばマーケティング素材のようで、多くがアジア発である。だから南カリフォルニア大学のチームがRCTを行った結果の論文が読めて嬉しい。それは265人の健康な人にナットウキナーゼサプリメントとプラセボを無作為に割り付けして3年観察した。試験の終了時に、血圧、血中心血管系マーカー、頸動脈の超音波測定において両群に差はなかった。

(以下略)

重要なメッセージ

・ナットウキナーゼは納豆を作る時に細菌が分泌する酵素である

・ナットウキナーゼダイエタリーサプリメントは心血管系疾患を予防すると宣伝しているが、研究はそれを支持しない

・反ワクチンインフルエンサーがCOVID-19ワクチンの「デトックス」方法としてナットウキナーゼを売っているが科学に基づいていない

 

-動画

珪肺の暗黒史

The dark history of silicosis | The Right Chemistry

https://www.youtube.com/watch?v=S12aCBwLWug

 

歯磨き錠剤-大変素晴らしい!

Toothpaste Tablets - Just Ducky!

2023/08/01

https://www.youtube.com/watch?v=QL5Vp_SrI_o

練り歯磨きの代用になる錠剤。歯磨きの時に砕いて水で濡らした歯ブラシでブラッシングする。チューブのゴミが減る

 

オゼンピック-使用者が増えると、心配が増える

Cup o'Joe-Ozempic-More Users, More Worries

2023/08/05

https://www.youtube.com/watch?v=u2VU6rurCPU

使用者増えると有害事象報告が増える。必ずしも因果関係ではないが米国では訴訟がおこされた。