*[NHS] テレビやインターネットの広告は子供にジャンクフード習慣を与えるか?

Does TV and internet advertising feed children's junk food habits

Wednesday October 17 2018

https://www.nhs.uk/news/pregnancy-and-child/does-tv-and-internet-advertising-feed-childrens-junk-food-habits/

「オンラインで過ごす時間が長いほど子供はジャンクフードを買う機会が5分の1増加する」とDaily Telegraphは報道する。

英国のキャンサーリサーチUKの約2500人の子供の調査では、1日30分以上インターネットを使用したり、民放テレビを見たりする子供はよりジャンクフード(脂肪、塩分及び糖分の多い食品)を求めたり、買ったりあるいは食べたりする傾向が強いと観察した。

子供のジャンクフードの消費及び広告のこれまでの研究は、主にテレビを見る習慣を調べてきた。その研究は、放送局規制機関Ofcomによって2008年に作られた、子供のテレビ番組のジャンクフードの広告を規制する一連のガイドラインに組み込まれた。しかし、この研究の著者はストリーミングとオンデマンドメディア及びソーシャルネットワークの時代において、これらのガイドラインは今や更新される必要があるかもしれないと主張する。

研究者は、調査した小学生はインターネットを1週間のうち平均16時間使用することを発見した。子供の使用する5つの最も人気あるウェブサイトのうち4つは、オンライン広告を表示する商用サイトであることがわかった。これは、1週間に平均22時間のテレビ、そのうち12時間は広告を見せる商用チャンネル、を見ることに相当する。

現在は子供の画面を見ている時間に関する英国のガイドラインはない。これらは2019年に予定されている。

カナダのガイドラインでは、子供の画面を見ている時間(テレビ、スマートフォンタブレット及びビデオゲームを含め)は1日に2時間未満に制限すべきだと推奨している。

 

* [NHS] コーヒーを飲むことは酒さの罹患率低下に関連がある

Coffee drinking linked to reduced rates of rosacea

Thursday October 18 2018

https://www.nhs.uk/news/food-and-diet/coffee-drinking-linked-reduced-rates-rosacea/

「1日に少なくとも4杯飲むと20%酒さのリスクを削減するだろう」とMail Onlineは報道する。

酒さはよくあるが、ほとんど理解されていない、一般的には顔の皮膚の紅潮及び炎症を引き起こす炎症性皮膚疾患である。この疾患は再発を特徴としており、症状が消えるまで数週間の厄介なものとなりうる。正確な原因は知られてないが、直射日光、温度、辛い食べ物、アルコール及び温かいカフェイン入りの飲み物を含む様々なものが疾患の引き金として示されてきた。

この研究では、研究者は現在進行中の米国のナースヘルス研究のデータを使用した。コーヒーを定期的に飲むと報告した女性は、コーヒーをめったに飲まない人に比べて、酒さと診断される可能性が低いとわかった。リスクの最も大幅な低下は、1日に4杯またはそれ以上飲む女性で見られ、酒さのリスクが23%低下した。例えばお茶やソーダ及びチョコレートのようなカフェインを含む他のものは、酒さのリスクに関連がなかった。これはコーヒーと比べると少量のカフェインしか含まれていないためだろう。

このサイトを含め多くの健康団体やウェブサイトは疾患の引き金となる可能性としてコーヒーを控えることを勧めているため、これらの結果は驚くべきものだ。これらの結果が今後の研究において再現されるならば、酒さのリスクを低下させるためにコーヒーを控える助言は再考される必要があるかもしれない。

 

*[ODS]更新情報

- 葉酸

Folate

Fact Sheet for Health Professionals 

Updated: October 4, 2018 

https://ods.od.nih.gov/factsheets/Folate-HealthProfessional/

医療関係者向けファクトシート更新:October 4, 2018

https://ods.od.nih.gov/factsheets/Folate-HealthProfessional/#change

全体的にレビューされ、広範囲を改訂。

 

-ビタミンA

Vitamin A

Fact Sheet for Health Professionals 

Updated: October 5, 2018 

https://ods.od.nih.gov/factsheets/VitaminA-HealthProfessional/

医療関係者向けファクトシート更新:October 5, 2018

https://ods.od.nih.gov/factsheets/VitaminA-HealthProfessional/#change

Recommended Intakes部分とTable2の脚注を変更。更新後の栄養とサプリメントファクトラベル及びビタミンAの1日摂取量がこのラベルでどのように変更になるかについて

 

*[HK] 法令違反サンプル結果。包装スノースキン月餅が栄養表示規則に違反している

Prepackaged snowy mooncake not in compliance with Food and Drugs (Composition and Labelling) Regulations

Friday, October 12, 2018

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20181012_7163.html

食品安全センターが検査したところ、マレーシアのChui Lau Heungブランドの“Chui Lau Heung” Mao Shan Wong ドリアンスノースキン月餅において、着色剤のアルラレッドACが製品の食品ラベルに記載がなかった。

 

*[FDA]警告文書

-Gilman Cooperative Creamery Association 10/5/18

October 5, 2018

https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/ucm623591.htm

CGMP違反、薬剤添加飼料、不純品の問題。サンプルにモネンシンが143ppm含まれる。

 

-Farmers Ranchers Coop Assn 10/5/18

October 5, 2018

https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/ucm623060.htm

動物用食品のCGMP違反、薬剤添加飼料、不純品の問題。サンプルにモネンシンが4.2ppm含まれる。

 

-Elwood International, Inc. 9/27/18

September 27, 2018

https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/ucm623049.htm

食品のCGMP違反、製造、包装及び衛生管理、不純品の問題。

 

-Maui Preserved, LLC 8/10/18

August 10, 2018

https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/ucm619362.htm

酸性化食品、Emergency Permit Control法、不純品の問題。

 

*[FDA]リコール。Fat Burners ZoneはシブトラミンのためZero Xtremeを全国的に自主回収

Fat Burners Zone Issues Voluntary Nationwide Recall of Zero Xtreme Due to Presence of Undeclared Sibutramine

October 15, 2018

https://www.fda.gov/Safety/Recalls/ucm623503.htm

Fat Burners ZoneはZero Xtremeカプセルを自主回収。FDAの検査によりZero Xtremeがシブトラミンに汚染されていることがわかった。製品ラベル写真あり。

 

*[FSA] ‘消費期限’ミスのためDunnes Storesは低温ローストターキースライスを回収措置

Dunnes Stores recalls its Slow Roasted Turkey Slices due to incorrect ‘use by’ date

18 October 2018 

https://www.food.gov.uk/news-alerts/alert/fsa-prin-54-2018

Dunnes Stores は、商品のラベルの消費期限が誤っていたため、北アイルランド店からの低温ローストターキースライスを回収措置。

 

*[FAO]家畜の力を持続可能な開発のために利用する

Harnessing the power of livestock to drive sustainable development

17 October 2018,

http://www.fao.org/news/story/en/item/1157729/icode/

FAOの報告書「世界の家畜:畜産部門を持続可能な開発目標をとおして転換するWorld Livestock: Transforming the livestock sector through the Sustainable Development Goals」は、環境負荷を減らしながら世界の人口を食べさせるための生産増加に焦点を絞った。

 

*[COT]2018年10月23日の会議

COT Meeting: 23 October 2018

https://cot.food.gov.uk/cot-meetings/cotmeets/cot-meeting-23-october-2018

ペーパーが掲載されているがPFOAやダイオキシンは掲載されていない

 

*[FTC]FTCは幹細胞療法クリニックによる詐欺的健康宣伝を止める

FTC Stops Deceptive Health Claims by a Stem Cell Therapy Clinic

October 18, 2018

https://www.ftc.gov/news-events/press-releases/2018/10/ftc-stops-deceptive-health-claims-stem-cell-therapy-clinic

被告は「羊膜幹細胞療法」がパーキンソン病黄斑変性脳性麻痺自閉症を含む重大な疾患を治療できるという科学的根拠を欠く

カリフォルニアの医師と彼の管理する二つの会社に対して今後の宣伝禁止と331万ドルの支払いと患者への通知で合意した

 

-消費者向けブログ

FTCは詐欺的幹細胞療法宣伝に狙いを定める

FTC takes aim at deceptive stem cell therapy claims

October 18, 2018

https://www.consumer.ftc.gov/blog/2018/10/ftc-takes-aim-deceptive-stem-cell-therapy-claims

人々は毎年何十億ドルものお金を効果のない健康関連製品や治療法に使っている。お金をだまし取られるだけではなく、時間と、健康すら失う。

FTCはカリフォルニアにある再生医療グループRegenerative Medical Group、テレヘルス医療グループTelehealth Medical Groupと創始者 Dr. Bryn Jarald Hendersonは高値で偽りの希望を売っていたという。彼らはソーシャルメディアとウェブサイトであらゆる健康問題を治療できるとして最大15000ドルをとっていた。しかしその根拠はなかった。

 

-企業向けブログ

証明されていない幹細胞療法宣伝を止めさせる

Stemming unproven stem cell therapy claims

By: Lesley Fair | Oct 18, 2018

https://www.ftc.gov/news-events/blogs/business-blog/2018/10/stemming-unproven-stem-cell-therapy-claims

この会社のYou Tubeの動画には11才の脳性麻痺の少女が被告の治療を受けて初めて言葉を発したというものがある。

(日本もひどいんだけど。)

 

*[USDA]USDAは洪水に影響された地域のための食品安全tipsを提供

USDA Offers Food Safety Tips for Areas Affected by Flooding

Oct. 18, 2018

https://www.fsis.usda.gov/wps/portal/fsis/newsroom/news-releases-statements-transcripts/news-release-archives-by-year/archive/2018/nr-101818-01

主に電源喪失による冷蔵庫の温度と汚染水との接触

(今回はテキサス地方に洪水警報が出たため。何かあると常にリリースしている)

 

*[ヘルスカナダ]カナダは大麻を合法化し厳しく規制する

Canada legalizes and strictly regulates cannabis

October 17, 2018

https://www.canada.ca/en/health-canada/news/2018/10/canada-legalizes-and-strictly-regulates-cannabis.html

大麻を若者の手にわたさないための古い方法は効果がなかった。犯罪組織の収入源になり若者は大麻を使い続けた。今や子どもが大麻を買うのはタバコより簡単である。

カナダ政府は専門家との協議を経て新しい法的枠組みを履行する。合法化し厳しく規制することで大麻へのアクセスを制限する

(以下略)

 

-大麻公衆教育活動

Cannabis Public Education Activities

October 17, 2018

https://www.canada.ca/en/health-canada/news/2018/10/backgrounder-cannabis-public-education-activities.html

(建前では大麻を遠ざけるのが目的、って言ってるんだけど明らかに大麻コミュニティは消費増加を期待して喜んでるよね。)

 

*[USDA]USDAは遺伝子組換え低ゴシポール綿の規制解除を発表

APHIS

USDA Announces Deregulation of GE Low-Gossypol Cotton

Oct 16, 2018

https://www.aphis.usda.gov/aphis/newsroom/stakeholder-info/sa_by_date/sa-2018/sa-10/ge-cotton

ゴシポールは綿が自分を害虫や病気から守るための天然化合物で、このGE品種は植物でのゴシポール濃度を保護できる量に維持しつつ種子の量を相当減らした。これにより綿実油の精製コストが下がり、絞り粕の食品や飼料としての利用が拡大できる。

APHISは害虫リスク評価案と環境評価案を作成して2018年8月1日からパブリックコメントを募集し、全ての意見を考慮して有意な影響はないと結論した(finding of no significant impact ; FONSI)。

 

*[FSSAI]祝祭中のミルクと乳製品の安全性確保のための特別対策

Special drive for ensuring safe milk and milk products during festivals. (Uploaded on: 17.10.2018)

https://fssai.gov.in/dam/jcr:e398090d-5181-4995-8193-34eba3ba4db4/Letter_SpecialDrive_Milk_17_10_2018.pdf

人々の乳製品の安全性と品質への信頼は低い。ミルクは日持ちせず、乳製品は適切に取り扱わないと腐りやすく乳業界には異物混入がみられる。こうした異物混入は需要が供給を上回る祭日期間に増加する。そのため担当者には特に監視強化を求める

項目としてミルクに水、尿素、粉ミルク、界面活性剤、石けん、植物油、各種殺菌剤類を加える、バターやギーに安い脂肪を加えるなどをあげている

 

*[Codex]潘 基文が世界食品安全デーを支援

Ban Ki-moon encourages Codex for World Food Safety Day

17/10/2018

http://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1158145/

国連事務総長潘 基文が、韓国大田で開催されている国際乳業連合世界乳業サミットの際にTom Heilandtとの会合で世界食品安全デーを作ることに賛意を表した

 

*[論文]論文

-突然変異細胞は我々の生涯にわたって組織にコロニーをつくる

Mutant cells colonize our tissues over our lifetime

18-Oct-2018

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-10/wtsi-mcc101718.php

中年になるまでに、健康な人の食道の半分胃以上はがん遺伝子に変異のある細胞に取って代わられていることを科学者が発見した。Science。

全ての人は生涯を通じて遺伝子突然変異を蓄積していく。普通の組織のこのような変異は体細胞突然変異とよばれがんへの第一歩あるいは加齢に関係する。

科学者は初めて食道の健康な細胞が、平均すると20代では細胞一つあたり数百の突然変異だったものが人生の後半では2000以上に増加することを発見した。しかしそのうち10程度の変異のみが他の細胞との競合で有利にはたらく。研究チームは正常な食道組織のうちの変異細胞集団を同定するために標的化全ゲノム配列決定を使った。ほぼ全ての食道がんに検出されるTP53突然変異遺伝子は正常細胞の5-10%には既にあること、一方NOTCH1遺伝子変異は約半分の正常食道細胞にみつかりがん細胞より正常細胞に数倍よくみられる。正常な年をとった食道はこれまでがんと関連があるとされてきた変異をもつ細胞の濃密なパッチワークである。

がんに関連するとされてきた遺伝子変異の一部は正常細胞におどろくほどたくさん存在する。意味を理解するにはほど遠いがいつか役にたつことを期待する。

 

-新しい発見はアスリートの血液ドーピングを暴ける

New finding could unmask blood doping in athletes

18-Oct-2018

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-10/du-nfc101818.php

古い血球と新しい血球を区別するRNAの変化

自分の血液を輸血する血液ドーピングの識別。British Journal of Haemotologyに発表。

 

-第5回Chapman大学アメリカ人の恐れているもの調査では政府の腐敗がトップ

Government corruption tops 5th annual Chapman University survey of American fears

18-Oct-2018

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-10/cu-gct101818.php

恐れているのは

  1. 政府職員の腐敗(73.6 percent)
  2. 海川湖の汚染 (61.6 percent)
  3. 飲料水汚染 (60.7 percent)
  4. 将来のための十分なお金がない (57 percent)
  5. 愛する人の重い病気 (56.5 percent)
  6. 愛する人の死 (56.4 percent)
  7. 大気汚染 (55.1 percent)
  8. 植物や動物の種の絶滅 (54.1 percent)
  9. 地球温暖化と気候変動(53.2 percent)
  10. 医療費の高さ (52.9 percent)

超常現象を信じるか、については、幽霊や古代文明は半数以上が信じている

(トランプ政権がEPAを目の敵にしているため環境汚染への不安が前回より増えたとのこと)

 

-専門学会はガイドラインや疾患定義声明を書くべきではない

Professional Societies Should Abstain From Authorship of Guidelines and Disease Definition Statements

Circulation: Cardiovascular Quality and Outcomes

John P.A. Ioannidis

https://www.ahajournals.org/doi/pdf/10.1161/CIRCOUTCOMES.118.004889

高血圧、糖尿病などの多数の病気の治療や予防のガイドラインがそれを専門にしている人たち「だけ」で書かれることの問題点

(特定の治療法を推したり学会の狭い視点に偏ったりする。)

 

-UToledo研究が精製食物繊維、腸内細菌、肝臓がんの関連を発見

UToledo research finds link between refined dietary fiber, gut bacteria and liver cancer

18-Oct-2018

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-10/uot-urf101718.php

食物繊維はどんなものでも良いという常識を疑う研究

イヌリンのような精製可溶性食物繊維を添加した食品が多く販売されているが、Cellに発表された新しい研究は疑問を提示する。イヌリンがマウスの肥満に役にたつかどうかを調べていて、確かにイヌリンを含む餌はマウスの肥満を抑制したが、6か月で肝臓がんになった。がんになったマウスは腸内細菌が変わっていた。著者は食品に精製食物繊維を添加することは最近行われ始めたことで、リスクと利益についてはまだよくわからない、という。

 

-毒か薬か?

Toxin or treatment?

Jennifer Couzin-Frankel

Science  19 Oct 2018:Vol. 362, Issue 6412, pp. 278-282

特集

アレルギー反応予防のために少量のピーナッツを摂取することについて。不安は無くならない

減感作療法臨床試験が始められているが、参加者の多くは恐怖を感じている。免疫療法を行っている医師によると、それは初めて中華料理店Chinese restaurantsに行くことや自宅で勉強していた子どもが学校に行くようなものだという。

(本筋ではないがChinese restaurantsがどういう目で見られているかが伺える。中華料理店症候群に蔑視のニュアンスがあるということ)

そして減感作療法の最も悲劇的な事例として2017年の神奈川子ども病院ミルクアレルギーでの死亡例。調査中のため取材に対してコメントできないと言われた。(あまりにも急速に量を増やしすぎたのではないかと示唆されてはいるが)

治療法としてはまだ初期段階なのでこれから。

(アレルギー真面目に研究している人にとって、スギ花粉米でアレルギー治療とかありえないんだよね、恐ろしすぎて)

 

-マイクロプラスチックの環境影響は不明、研究が示唆

The impact of microplastics on the environment unclear, study suggests

17-Oct-2018

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-10/uoy-tio101518.php

300以上の世界的研究をレビューし、マイクロプラスチックが環境に有害なのかそうでないのかを結論するには根拠が十分ではない、と科学者が言う。環境中で測定されたマイクロプラスチックと実験室で調べられているものに大きな「ミスマッチ」があるという。実際に環境中に検出されているものはサイズも大きく実験室で有害影響が報告されている濃度より何桁も少ない。Environmental Toxicology and Chemistry

 

-シーフードのオメガ3脂肪酸は健康的な加齢と関連

Omega 3 fatty acids found in seafood linked to healthy aging

17-Oct-2018

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-10/b-o3f101518.php

The BMJ。1992-2015の米国心血管系健康研究参加者2622人、開始時の平均年齢74才、女性63%、の血中n-3多価不飽和脂肪酸濃度と健康的加齢(大きな慢性疾患や精神・身体的障害がないこと)を検討。EPA濃度が最も高い群は最低の群より不健康な加齢リスクが24%低かった。ドコサペンタ塩酸も同様だったがドコサヘキサエン酸と植物由来のアルファリノレン酸には関連がなかった

 

-専門家が赤ちゃんを段ボール箱に入れることについて安全上の懸念を表明

Experts raise safety concerns about cardboard baby boxes

17-Oct-2018

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-10/b-ers101518.php

The BMJで専門家が乳児を段ボール箱で寝かせることが宣伝されているが安全性や乳児突然死の予防効果に根拠はないと警告。フィンランドでは1930年代から妊娠中の女性に段ボールベビーボックスが配られている。それが英国の一部で無料配布されるようになった

 

米国でも注意

CPSC Statement on Cardboard Baby Boxes

https://www.cpsc.gov/CPSC-Statement-on-Cardboard-Baby-Boxes

 

-母乳は乳児を抗生物質耐性菌から守る

Breastfeeding protects infants from antibiotic-resistant bacteria

17-Oct-2018

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-10/uoh-bpi101718.php

Nature Communicationsに発表されたヘルシンキ大学の研究。少なくとも6か月母乳を与えられた乳児と全く与えられなかったあるいはより短期間母乳を与えられた乳児の腸内細菌を比較すると、耐性菌数が前者のほうが少なかった。また出産時に抗生物質を使った母親の子どもは乳児の腸内の耐性菌量が多い。そして母乳にも抗生物質耐性菌が含まれている。母子16組の母乳と便を細菌DNAで調べた結果。

 

-インドと中国の排出を排除すると人々の命が数年延びる

Eliminating emissions in India and China could add years to people's lives

17-Oct-2018

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-10/hjap-eei101718.php

世界人口の1/3以上を占める中国とインドの人たちは、地球上で最も大気汚染の酷い地域に住んでいる。大気汚染の主な寄与因子は石炭火力発電所である。ハーバード大学の研究で発電所からの有害な排気を除けば中国では年1500万年、インドでは1100万年の人命が救える。Environment International

 

-研究は養殖エビを巡る懸念に挑戦する

Study challenges concerns around imported farmed shrimp

17-Oct-2018

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-10/uos-scc101718.php

一部の消費者団体が輸入エビは質が低いと主張しているが、専門家がEUのデータを用いてリスク評価を行った結果、他のシーフードと同じくらい安全であることが示された。Aquacultureに発表。著者のNewton博士は言う:輸入養殖エビはEUで一部の消費者団体から評判が悪く、それがしばしば主流メディアやインターネットに反映されている。最初に養殖エビが輸入されるようになってから数十年、環境への悪影響や社会的不正義などについてのネガティブな逸話が繰り返されてきた。その中には熱帯の養殖エビは汚染水で大量の化学物質を使っているので人体に悪影響があるというものがある。Newton博士はRASFFの18年分のデータを用いて特定の有害物質のADIを超過するかどうかを調べた。

18年の間に、エビの輸入量は増えたが警告の数は著しく減っている。しかしRASFFのデータとメディア報道を比べると、主流メディアは警告数と類似傾向であるがインターネットはネガティブな逸話のままで改善されたことは反映されていない。そうしたウェブサイトは輸入ではなく地元のものを食べようと宣伝している

(「地元産を食べよう、輸入品は危険」、は政治運動。だからって嘘を言ってもいいわけないのに。)

 

-プロバイオティクスの安全性-保証はない

Probiotic Safety—No Guarantees

Pieter A. Cohen

JAMA Intern Med.  Published online September 17, 2018. doi:10.1001/jamainternmed.2018.5403

https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/article-abstract/2702973

人類はこれまでヨーグルトやチーズ、キムチ、ザワークラウトのような食品中に含まれる細菌を食べてきたが、単離した生きた細菌をプロバイオティクスとして大量に販売するようになったのは比較的最近の現象である。米国でプロバイオティックサプリメントとして販売されている生きた微生物は有効性どころか安全性の根拠も必要ない。健康な人にとって有用かどうかは確立されていない。特に免疫機能が低下している人たちで、菌血症などの有害事象が数十報告されている。しかし危害を追跡するシステムはない。製造業者はしばしばGMPに従っていない。さらに市販商品の表示と中身が一致しない。未熟児がプロバイオティックサプリメントに含まれる真菌で死亡している。

 

*Natureから

-雑誌のブラックリスト:仕組みを示して

Journal blacklists: show your working

EDITORIAL  16 October 2018

http://www.nature.com/articles/d41586-018-07033-5

使うべきあるいは避けるべき学術雑誌リストは透明な基準に基づくべき

(主に中国のブラックリストの基準がわからないことが懸念)

 

-最大のパンデミックリスク?間違った情報の拡散

The biggest pandemic risk? Viral misinformation

WORLD VIEW  16 October 2018

Heidi J. Larson

http://www.nature.com/articles/d41586-018-07034-4

世界最悪のインフルエンザ流行から1世紀経って、間違った情報の急速な拡散が公衆衛生にとって必須のワクチンへの信頼を毀損している、Heidi J. Larsonが警告する

1918年の今月、インフルエンザによる死亡率はピークを迎えていた。流行全体で5億人が感染し5000万人から1億人が死亡した。当時の世界人口の約3%である。それから一世紀、ワクチンの進歩によりインフルエンザ、はしか、風疹、ジフテリア、ポリオの大流行は希になった。しかし人々は病気のリスクを過小評価している。昨年の冬に米国で推定8万人がインフルエンザとその合併症で亡くなったことを知っている人はほとんどいない。そのうち183人はインフルエンザ関連であることが確認されているこどもたちの死亡で、そのうち80%は予防接種を受けていなかった。

次に大規模アウトブレイクがおこるとしたらそれは予防手段がないせいではないだろうと私は予想する。デジタル技術が可能にした、伝染性の感情がワクチンへの信頼を毀損するだろう。ソーシャルメディアに溢れる矛盾した情報、間違った情報、意図的に歪められた情報は世界的公衆衛生上の脅威と認識されるべきである。

ではどうすればいい?私が主導しているワクチン信頼プロジェクトは、ワクチンに関するうわさや恐怖情報の早期兆候を検出し、雪だるま式に巨大になる前に対応する。国際チームは人類学、疫学、統計、政治科学などの専門家からなる。我々はニュースやソーシャルメディアをチェックし世論調査を行う。これまでワクチン信頼指数Vaccine Confidence Indexを開発して態度を追跡している。

ワクチンを巡る感情は移ろいやすいので効果的アウトリーチには監視が必須である。2016年には我々はワクチンの安全性についての疑いが最も高い地域としてヨーロッパを同定した。EUは我々にこの夏の再調査を依頼し、今月結果が発表される。フィリピンではワクチン安全性への信頼が2015年の82%から2018年に21%に低下した。新しいデング熱ワクチンへの正当な懸念がもちあがったためである。そして既に確立されている破傷風、ポリオなどの予防接種率が急減した。

我々は間違った情報をいくつかのレベルに分類するのが役にたつことを発見した。最もダメージが大きいものの一つはバッドサイエンスである:医学的資格のある人が根拠のない恐怖あるいは誇大な説を主張する。典型的な例が悪名高いAndrew Wakefieldによる1998年の論文発表である。彼の医師免許は剥奪され論文は取り下げられたにもかかわらず、Wakefieldは反ワクチン活動に存続し続けている。彼の存在が2017年のミネソタ州でのはしかアウトブレイクなどに寄与したことに専門家の合意がある。

二つ目に危険なカテゴリーには本やサービスやその他の製品の売ってお金を儲けるために反ワクチン議論を利用する場合である(Wakefieldもワクチンが信頼されないほうが儲かる特許をもっている)

そして次は反ワクチン議論を政治利用しようとする人たちからの間違った情報である。人々を分断する。

次がソーシャルメディアでの間違った情報を拡散する「スーパースプレッダー」である。よくある主張はワクチンによると疑われる反応(典型的には同時におこったこと)が確認されているというもの。最後に常にあり続ける間違った理解あるいは不適切な情報である。

ソーシャルメディアに標的を絞った対策は間違った情報と戦うことができる。デンマークアイルランドではHPVワクチンで障害を負ったと主張する少女達のグループがソーシャルメディアやテレビで証言し、デンマークでは予防接種率が200年の90%以上から2005年の20%以下に落ち込んだ。それに対応してデンマークの公衆衛生担当者は病気のリスクを強調し子宮頸がんで妻や母を失った人たちの物語を宣伝した。またフェイスブックのページで親たちの疑問に答えた。アイルランドでも同様にソーシャルメディア対策が行われ2018年の予防接種率は2017年から6%増加した。

全てのタイプの間違った情報に有効な単一の方法はない。特に既に懐疑の種を植え付けられた人には。教材やリソースは重要であるが限定的で、公衆衛生や教育キャンペーンはしばしば既存の認識に対応するのではなく自分たちが言いたいことを根拠にしているため足りない。対話が必要である。聞くことと参加することを含めなければならない。もし1918年のインフルエンザのような恐ろしい病気が発生して人々のワクチン懐疑が今のままだったら、恐ろしい病気が広がってしまうのでもっと上手くやらなくてはならない。

(間違った情報は病原体のようなもの、というのは食品安全でもまさにそうなのだけれど、全然勝てそうにない。まともな予算はつかず成果として評価もされない。)

 

-カナダでの大麻の合法化が科学にとって意味すること

What legal weed in Canada means for science

17 October 2018

Elie Dolgin

http://www.nature.com/articles/d41586-018-07037-1

詳細な記事。研究はしやすくなる(というか今まであまり研究できなかったので都合の悪い事実もわかるかも)

 

-書評 腐った肉とビン入りホルムアルデヒド:食品安全の戦い

Rotten meat and bottled formaldehyde: fighting for food safety

Felicity Lawrence

http://www.nature.com/articles/d41586-018-07038-0

毒小隊:二十世紀の変わり目のある化学者の食品安全を求めるひたむきな運動The Poison Squad: One Chemist’s Single-Minded Crusade for Food Safety at the Turn of the Twentieth Century,  Deborah Blum , Penguin Press (2018)

不味い真実:如何にして食品企業が我々の食べるものの科学を歪めてきたかUnsavory Truth: How Food Companies Skew the Science of What We Eat , Marion Nestle,  Basic (2018)

の2冊をFelicity Lawrenceが称賛する

最初の本はHarvey Washington Wileyによる人体実験Poison Squadの話。当時まだ冷蔵庫は普及していなくて企業はいろいろなものを食品に入れていた、それを人体実験で有害性を証明して食品安全のための法律を作ることにつなげた。

Marion Nestleの本は現在の話。食品企業が宣伝するチョコレートミルクで認知機能向上とかブルーベリーが勃起不全予防とかの「研究」が如何にダメかを告発する。

 

*その他

-4才の息子がインフルエンザで死亡した母親が親に訴える

Mum's plea to parents after four-year-old son dies from flu

Elizabeth Di Filippo Yahoo Lifestyle19 October 2018

https://au.lifestyle.yahoo.com/mums-plea-parents-four-year-old-son-dies-flu-201729646.html

インフルエンザで死亡した4才の息子の母親が他の人たちに予防接種をするよう強く勧める。2017年の12月、症状がでてから48時間も経たずに亡くなった。母親によると数週間以内にインフルエンザの予防接種を受ける予定だった。今彼女はさらなる悲劇を防ぐために予防接種を薦めるミッションを遂行している。彼女は医者だったのにインフルエンザのリスクを認識していなかった。そのような間違った認識をしているのは彼女だけではないことを発見した。

 

-アリゾナは反ワクチン保護者からの苦情でワクチン教育計画をキャンセル:「立法者は我々が愚かだと考えている?」

Arizona cancels vaccine education program after anti-vax parents complain: 'Do lawmakers think we're stupid?'

Erin Donnelly Yahoo LifestyleOctober 19, 2018

https://www.yahoo.com/lifestyle/arizona-cancels-childrens-immunization-education-program-following-protest-anti-vax-parents-lawmakers-think-stupid-152158206.html

個人的信仰によりワクチンをしないという例外規定の申請数が増加していることを懸念して情報提供を計画していたが約120の個人や家族が苦情を申し立ててキャンセルされた。

アリゾナのワクチン除外規定には医師の署名が必要なく、個人の信仰で簡単に免除できる

 

-雄マウスのニコチン使用と子の認知機能への専門家の反応

SMC UK

expert reaction to nicotine use in male mice and offspring’s cognitive ability

October 17, 2018

http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-nicotine-use-in-male-mice-and-offsprings-cognitive-ability/

PLOS Biologyに発表された研究が、ニコチンに暴露された雄マウスの子はヒトのADHD自閉症に関連する行動をすることを示した

King’s College London精神病学心理学神経科学研究所ポスドク研究員Susanna Roberts博士

このマウスで行われた研究は父親がタバコを吸うことが子どもに影響するかどうか、という重要な問題に関するものである。多くの研究が母親に集中している。この結果はニコチン暴露が世代を超えて影響する可能性を示す。しかし興味深い結果ではあるがヒトにあてはめるのは難しい。再現性の確認とヒトでの研究が必要である

Queen Mary University of Londonタバコ依存研究ユニット長Peter Hajek教授

プレスリリースはヒトとマウスが違うことを無視している。12匹の8-10週のマウスに12週間大量のニコチンを強制的に吸収させたことが精子を酷く傷つけたように見える。このような研究がヒトにあてはまることはめったにない。

 

-良いミームからクリスピークリームまで:英国の大学インテリは拡散されているおもしろ画像が子どもを太らせるという

From dank memes to Krispy Kremes: British uni eggheads claim viral lol pics make kids fat

By Shaun Nichols in San Francisco 19 Oct 2018

https://www.theregister.co.uk/2018/10/19/correlation_isnt_causation/

ダイエットの助言を人気のあるインターネット画像から得るのは間違った考え

(この記事は以下の議会文書を紹介するため)

ミームによる動機付け-若者へのインターネットミームの影響を解析する

MEMEotive - Analysing the Effects of Internet Memes on Young

Teenagers’ Health and Health Behaviours

http://data.parliament.uk/writtenevidence/committeeevidence.svc/evidencedocument/science-and-technology-committee/impact-of-social-media-and-screenuse-on-young-peoples-health/written/87284.pdf

健康に関連するインターネットのミームは望ましくない行動を普通のことにしてしまう可能性がある

 

-EPAの化学物質再評価-ニュースから

SMC NZ

EPA’s reassessment of chemicals – In the News

Published: 17 October 2018

https://www.sciencemediacentre.co.nz/2018/10/17/epas-reassessment-of-chemicals-in-the-news/

NZ EPAが優先化合物リスト39を発表した。主に殺虫剤、防カビ剤、除草剤である

しかしグリホサート、1080、ネオニコチノイド、臭化メチルは含まれない。環境大臣Eugenie SageがEPAラウンドアップの追加を検討するよう8月に要請したにもかかわらず。EPA長官Dr Allan Freethはラウンドアップは他の40物質よりリスクが大きいとは考えられなかったと話している

以下メディア報道など

Priority chemicals list

https://www.epa.govt.nz/industry-areas/hazardous-substances/chemical-reassessment-programme/priority-chemicals-list

2,4Dやベンゾピレンも含まれる