*[EFSA]EFSAのフォーカルポイント:欧州食品の安全性の10年にわたるネットワーク
EFSA Focal Points: a decade of networking for European food safety
15 October 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/press/news/181015
この10年間、EFSAのフォーカルポイントは、EU加盟国大使として行動し、食品の安全性に関する国境を越えた協力のネットワークとして活動している。これを記念して、新しいインタラクティブ年表がこのネットワークの主要な成果を強調している。
2008年に設立されたフォーカルポイントのネットワークは、EU全28加盟国、アイスランド、ノルウェー、スイスのオブザーバー、加盟候補国のメンバーから成る。情報交換、ネットワーク形成、契約を促進し、EUのリスク評価能力を構築し、視野を広げ、EFSAと加盟国が実施する科学的作業の奉仕活動を拡大する重要な役割も担っている。
建設的協力
フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)のフランスのフォーカルポイントのCoralie Bultel氏は述べた。「協力が今まで以上に必要とされる時に、フォーカルポイントは、日常的に、絶えず前向きな雰囲気で、欧州レベルで『協力』を実現するために作業している。」
ノルウェー食品環境科学委員会(VKM)でフォーカルポイントを代表するGisle Solstad氏は付け加えた。「フォーカルポイントを代表する作業は、欧州に渡る消費者の食品の安全性を強化することを目的とした、戦略的な作業と生産能力強化に対する多次元・多文化のアプローチへの、やりがいのある有益な機会を提供している。」
インタラクティブ年表
*[EFSA]意見等
-テフルベンズロンの条項12 MRLレビューに従う確証データの評価
Evaluation of confirmatory data following the Article 12 MRL review for teflubenzuron
EFSA Journal 2018;16(10):5427 15 October 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5427
データのギャップを取り扱うために、葉物野菜に関する新しい代謝研究、標準的な加水分解状態で残留物の特性を調査する研究、動物由来製品のテフルベンズロンの残留物を決める有効な分析手段が提出された。データのギャップは十分対処されたと考えられている。提供された新情報はテフルベンズロンに行うリスク評価の改訂を必要としない。
-綿実と動物製品のメピコートの既存MRLs改訂
Modification of the existing maximum residue levels for mepiquat in cotton seeds and animal commodities
EFSA Journal 2018;16(10):5428 15 October 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5428
植物と動物製品のメピコートクロリド残留物を有効な定量限界(LOQ)0.01 mg/kgで管理できる適切な分析手段が利用できる。EFSAはリスク評価結果に基づき、報告された農業慣習によってメピコートクロリドの使用から生じる残留物の短期及び長期摂取が消費者の健康リスクを引き起こす可能性は低いと結論した。
*IAEA
-干ばつが発生しやすい地域で、新しい突然変異種のササゲがジンバブエの農家を救う
New Mutant Cowpea Variety Helps Zimbabwe’s Farmers in Drought Prone Areas
12 Oct 2018
ジンバブエの農場経営者は、核技術を用いて育てた新品種を使用することで、ササゲの収穫量で10-20%の増量を計上している。IAEAと国際連合食糧農業機関(FAO)の支援で開発されたこの新品種は、2017年11月に発売された。乾燥耐性と虫害抵抗性が増し、特に干ばつがより発生しやすい地域では、農業経営者が気候変動の影響によりよく対処できるようになったことが示された。
CBC5と呼ばれる新種のササゲは、作物の役に立つ新たな特性を生じさせるためによく用いられる工程である照射を用いて開発された(作物の突然変異育種参照)。
-IAEAの専門家が福島第一原子力発電所近くの海水、海底堆積物、魚のサンプルを収集
IAEA Experts to Collect Seawater, Marine Sediment and Fish Samples near Fukushima Daiichi Nuclear Power Station
05 Oct 2018
国際原子力機関(IAEA)の専門家は、福島県沿岸水域の海水、海底堆積物、水産物のサンプルを収集するために今月日本を訪問する。10月9-19日の任務では、この計画に含まれている日本の研究所による放射能データの収集と分析の品質保証を支援することを目的としている。
放射能分析の研究所間の比較のため、東京電力福島第一原子力発電所(NPS)周辺の海洋サンプルを収集するのは2014年以降8回目のIAEA訪問となる。
このチームにはモナコのIAEA環境研究所の職員2名が含まれている。福島第一原子力発電所近くの海水と海底堆積物を収集するのに加えて、このチームはデータの信頼性と比較評価の範囲を拡大するために、福島県の漁師が捕獲したサンプルを再度収集する予定である。
この訪問は、東京電力福島第一原子力発電所1~4号機の廃炉措置に向けた長中期計画表に関するIAEA国際ピアレビュー任務による2013年の報告書の中で、海洋モニタリングに関して行われた助言に対するフォローアップ活動であり、このプラントの廃炉措置を計画実行する日本の努力をレビューするものである。
IAEAは、2014年から2016年に実施した6研究所間の比較とサンプリング任務をレビューした報告書を2017年7月に発表した。福島第一原子力発電所近くの海水、海底堆積物、魚のサンプルを分析した日本の研究所は信頼できるデータを作り出したと結論した。
*[AVA]業者は「オーガニック」「平飼い」の主張を実証できなければならない
Traders must be able to substantiate 'organic', 'cage-free' claims
9 October 2018
私達はMr Cheng Choon Fei'sの記事(高価格を調べる「放し飼い」「平飼い」卵の主張;9/29)に言及する。
シンガポールで販売されている食品は、私達の食品の安全性の要求を満たさなければならない。
だが、業者は製品を差別化するために、例えば「オーガニック」や「平飼い」の表示を付けて、その食品の生産方法に関する追加情報を出してもよい。
これらの業者は、例えばオーガニック認証などの文書を提示することで、自らの主張を立証できることを確認する責任がある。
シンガポール農食品・獣医庁(AVA)は、「オーガニック」などの主張に使用するために、国際食品規格団体コーデックス委員会が設定したガイドラインや基準を採用している。
食品規則において、有機栽培で生産しているという主張を表示する食品は、コーデックスのガイドラインに従った検査や認定システムの下で認定団体に正式に設定され、認定されなければならない。
食品が偽装表示されていることが分かると、AVAは輸入業者に対して強制措置をとることになっている。
卵に関しては、シンガポールで販売されている新鮮な生食用卵を生産する家禽農場は、AVAに認定、あるいは認可される必要がある。
鳥インフルエンザウイルスを運ぶ恐れのある野鳥に暴露する屋外範囲に家禽が接近できるため、「平飼い」卵の輸入は、現在バイオセキュリティーの懸念により制限されている。
だが、納屋で外に出さないで飼育した家禽の「平飼い」の卵は、シンガポールで販売を許可されている。
食品の安全性と品質の保証には、政府、食品企業、消費者の協力が必要である。
一般人は優れた判断力を持つ消費者になることで役割を果たせる。
食品表示上の主張について疑問を抱く消費者は、さらなる情報を求めて企業に連絡してみるとよい。
これらの主張が誤っているという疑いがあるなら、AVA (www.ava.gov.sg)へ意見を提出することもできる。
問題の記事
高価格を調べる、「放し飼い」「平飼い」の卵の主張
Look into high prices, claims of 'free-range', 'cage-free' eggs
PUBLISHED SEP 29, 2018, 5:00 AM SGT
スーパーマーケットでは、異なる値段をつけた様々な種類の卵をよく見つける。
最近、値段に大きな差があることに興味をひかれた。
例えば、放し飼い卵やオーガニック卵6個入りの箱は$3.20で、標準の10個入りの箱は$2.65だった。
前者と後者の単価の違いは実に100%で、1個0.26セントと比べて0.533セントである。
シンガポール消費者協会は、放し飼い卵とオーガニック卵の卸売業者がどうしてこの高価な請求を正当化しているのか調査するべきである。
シンガポール農食品・獣医局(AVA)は、鳥インフルエンザなどの病気のため卵を含む家禽製品を規制している。
それは、シンガポールで販売されている全ての卵は、囲われ制限された環境で育てられ、自由に歩きまわることが許されない鶏のものでなければならないことを意味している。
そのような適切な制限付きで、「平飼い」や「放し飼い」と表示されている卵が店頭に並ぶだろうか?
消費者には鳥かごや小屋の空間に関する情報や詳細を確認する手段がないため、消費者はこれらの卸売業者のなすがままである。
もう一つ、雌鶏用飼料がAVAに規制されておらず、どの卸売業者でも、そのような声明を証明する義務なく卵が特別だと主張できるという問題がある。
良質の卵を高値で販売することは卸売業者の透明性が求められ、消費者はその卵や鶏肉についてもっと知る権利がある。
*欧州と世界で水銀汚染は問題であり続ける
欧州環境機関(EEA)
Mercury pollution remains a problem in Europe and globally
Published 19 Sep 2018
https://www.eea.europa.eu/highlights/mercury-pollution-remains-a-problem
EEAの報告書によると、過去及び現在の水銀放出は環境とヒト健康に有意なリスクであり続けている。欧州での新たな水銀排出は石炭を燃やすことであるが、欧州環境に沈着する水銀の約半分は欧州以外から来る
報告書「欧州環境の水銀-欧州と世界の優先課題」は水銀汚染の問題と世界的課題を記述する。
水銀のリスクが最も大きいのは魚を含む動物が毒性の高い水銀を取り込む川、湖、海である。ヒトは主に大型の補食魚を食べることで水銀に暴露される
*[USDA]2006年以降損失率が増えているにも関わらず、米国のミツバチのコロニー数は安定している
USDA ERS
Despite Elevated Loss Rate Since 2006, U.S. Honey Bee Colony Numbers Are Stable
October 01, 2018
(ミツバチは死んでいる、と減っていないが両立するのは増やしているから)
*[論文]論文
-気候変動は干ばつへのより良い適応を要求する
Climate changes require better adaptation to drought
16-Oct-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-10/au-ccr101618.php
欧州の将来の機構は熱波の多さと干ばつの拡大が特徴であろう。いずれも作物の生産に影響するが、特に問題なのは干ばつで、トウモロコシのような春まきの作物に影響するだろう。農家や植物ブリーダーは新しい品種や作物生産システムや灌漑システムの開発を急ぐ必要がある。Nature Communications
-何故中国香港台湾の母親達は帝王切開を選ぶのか
Why mothers in mainland China, Hong Kong and Taiwan choose cesarean delivery
16-Oct-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-10/p-wmi101018.php
中国香港台湾の帝王切開率は30%以上で、想定より多い。PLOS Medicineに発表された研究によると女性達は妊娠後期と分娩後のほうが妊娠初期より帝王切開のほうが良いという。理由は痛みへの恐怖、関係者との敵対的関係、分娩時のケアがひどいという信念。一人っ子政策も寄与している可能性がある。
-2040年には我々はどのくらい健康か?
How healthy will we be in 2040?
16-Oct-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-10/ifhm-hhw101518.php
新しい健康予想研究:最悪シナリオでは、全ての国の半分近くの平均寿命が下がるだろう
例えば中国は2016年の平均寿命は76.3才で世界195ヶ国中68井であるが2040には81.9才になって39位になるだろう。米国は2016年は78.7才で43位だが2040年には79.8才になって64位に落ちるだろう。
The Lancetに発表
(1位スペイン、日本はあまり延びずに2位になると予想。タバコやワクチンなど公衆衛生弱いからね、特に男性の成績が悪い)
*その他
-この自閉症の父親は反ワクチンに警告
This autism dad has a warning for anti-vaxxers
By Julia Belluz Updated Oct 16, 2018,
https://www.vox.com/science-and-health/2018/10/16/17964992/vaccine-autism-book-peter-hotez
なぜワクチン研究者が反ワクチン運動と戦っているのか
ほとんどのアメリカの親は子どもに予防接種をしている。しかしCDCによると2才以下で全く予防接種していない子どもが過去20年で4倍になった。2001年に推奨されている予防接種を2才まで全く受けていない子どもは0.3%だったのに2015年は1.3%になった。地域によっては最大40%の子どもが予防可能な病気から守られていない。
新しい本「ワクチンはレイチェルの自閉症の原因ではないVaccines Did Not Cause Rachel’s Autism」でPeter Hotezはその起源を1998年のAndrew Wakefieldに遡る。その直前に1992年生まれの娘が自閉症と診断されていた。必要に迫られてデータを探り、ワクチンと自閉症の関連がいかに疑わしく、ほとんどの研究者はそう考えていないことを知った。しかしこうしたメッセージはしばしばワクチンを疑う声にかき消された。
Julia Belluzが著者にインタビューする
(略。本を書いた動機が、公衆衛生が反ワクチン運動との戦いに負けつつあると感じたから、とのこと。ワクチンの研究をしていたため反ワクチンの言い分に反論したら組織的嫌がらせにあった)
-「リアル主婦」スターTamra Judgeはたった一ヶ月でケトダイエットを止める:「私はもう止めた」
'Real Housewives' star Tamra Judge quit the keto diet after only a month: 'I just fell off the wagon'
https://www.businessinsider.com.au/tamra-judge-quit-keto-diet-keto-flu-2018-10
8月に流行のダイエット法を始めて1か月で“ケトインフルエンザketo flu”になってやめた
ケトインフルエンザはよく知られた副作用で、疲労、めまい、便秘のようなインフルエンザ様症状が出ること
-何故10代とカフェインが危険な組み合わせになりうるのか
Why teens and caffeine can be a dangerous combination
Casey Seidenberg Oct 17 2018
カフェインのパワー
どのくらいなら健康的?
カフェインの欠点
カフェインとアルコール
カフェインの表示
よくある飲み物のカフェイン量
(若者向けの解説記事)
-薬物依存の破壊的影響を記した若い母親の追悼が拡散される
Young mother's obituary describing devastating effects of drug addiction goes viral
By Rachel DeSantis | NEW YORK DAILY NEWS | Oct 16, 2018
http://www.nydailynews.com/news/national/ny-news-drug-addiction-obit-goes-viral-20181016-story.html
10月7日に30才で薬物依存で死亡したMadelyn Linsenmeirの悲しい追悼が拡散されている。16才の時にフロリダの高校のパーティーでOxyContinを初めて試してからの薬物依存の恐ろしさが記述されている。
-インドの科学者がガンジス川を救うためにガンジースタイルのハンガーストライキを行って死亡
Scienceニュース
Indian scientist dies after Gandhi-style hunger strike to save the Ganges River
By Sanjay KumarOct. 16, 2018
先週インドの主導的環境保護主義者の一人Guru Das Agrawalが、政府にガンジス川をきれいにすることを約束させようと111日の断食後に死亡した。86才。
ガンジス川にはたくさんの水力発電所ができ水の流れが阻害され、たくさんの村や都市が大量の水を使い大量の排水を流しているため、環境保護主義者達は長い間非難してきた。
Narendra Modi現首相は2014年の選挙で「母なるガンジス川」を回復すると言ったが、過去4年間対策しなかったとAgrawalは8月にModiに手紙を書いている。実際Modiがやってきたのは川に悪影響を与える無数のプロジェクトだった。Agrawalは6月22日からハンガーストライキを始め、要求事項の中にはガンジス川の全ての水力発電を止めることが含まれていた。Agrawalの以前の抗議は成功している。例えば2009年には当時のManmohan Singh首相がBhagirathi川での水力発電計画を中止した。しかしModiは何の反応もしなかった。
-中国は議論の多い「質の悪い」雑誌のブラックリストを期待する
Natureニュース
China awaits controversial blacklist of ‘poor quality’ journals
16 October 2018 David Cyranoski
https://www.nature.com/articles/d41586-018-07025-5
しかし一部の研究者はその方針は研究の質を高くしないだろうと言う
中国政府が雑誌のブラックリストを作る提案をして5か月だったがまだ発表されていない。
しかし一部の研究者は認可リストのほうが良いだろうという