[EFSA]意見等

-(EZ)‐1,3‐ジクロロプロペンの農薬リスク評価ピアレビュー

Peer review of the pesticide risk assessment of the active substance (EZ)‐1,3‐dichloropropene

EFSA Journal 2018;16(11):5464 19 November 2018

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5464

結実野菜(トマト、ペッパー、ナス、キュウリ、ズッキーニ、メロン、スイカ)の殺線虫剤としての代表的な用途の評価。情報不足と懸念が確認された。

 

-タウ-フルバリネートの既存MRLsのレビュー

Review of the existing maximum residue levels for tau‐fluvalinate according to Article 12 of Regulation (EC) No 396/2005

EFSA Journal 2018;16(11):5475  16 November 2018

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5475

さらなる検討が必要。

 

-ピコリナフェンのMRLレビューを受けた確証データの評価

Evaluation of confirmatory data following the Article 12 MRL review for picolinafen

EFSA Journal 2018;16(11):5489  16 November 2018

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5489

提出された新情報から、大麦、オーツ麦、ライ麦、小麦用及び動物由来製品用の既存のMRLsの改訂が必要とされた。ピコリナフェンに実施されたリスク評価が改訂された。消費者の摂取の懸念は確認されなかった。

 

-ダイズのピラクロストロビンの既存MRLsの改訂

Modification of the existing maximum residue levels for pyraclostrobin in soyabean

EFSA Journal 2018;16(11):5466  19 November 2018

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5466

現在使用されている値より低い、検証された定量限界(LOQ) 0.01 mg/kgで検討中の作物のピラクロストロビンの残留物を管理する適切な実施分析手段が得られた。報告された農業規範によるピラクロストロビンの使用から生じる残留物の短期及び長期摂取は消費者の健康リスクになりそうもない。

 

-各種穀物のピラクロストロビンの既存のMRLs改訂および輸入トレランス設定

Modification of the existing maximum residue levels and setting of import tolerances for pyraclostrobin in various crops

EFSA Journal 2018;16(11):5488 19 November 2018

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5488

申請者BASF SEはドイツの国立管轄機関に2件の要求を提出した。1件は、各種作物のピラクロストロビンの既存の最大残留基準(MRL)を改訂し、サトウキビとアメリカの柿に輸入トレランスを設定すること、2件目はパイナップルとパッションフルーツ(maracujas)の輸入トレランスを設定することである。この要求を支持するために提出されたデータは、マンダリン、グレープフルーツ、レモン、ライム、パッションフルーツ、パイナップル、開花アブラナ、キャベツ、ラムズレタス、クレソン、他のスプラウト、ランドクレス、ルッコラ、レッドマスタード、ベビーリーフ、アーティチョーク、リーキのMRL提案を導出するのに十分であることが分かった。オレンジ、アメリカの柿、ホウレンソウと同様の葉物、サトウキビには、MRL提案の導出を妨げるデータのギャップが確認された。提出されたデータには、レタスとトウモロコシのグループの属する作物用の既存のMRLsを、使用目的に合わせるために改訂しなければならないという証拠がなかった。エンダイブには、この使用目的では潜在的な消費者の健康リスクを除外できない残留物になりそうだと分かったため、MRLは提案されなかった。EFSAは、評価済みの報告された農業規範によるピラクロストロビンの使用から生じる残留物の短期摂取は、予期される摂取量が毒性参照値を超えることが分かっても、エンダイブ以外は消費者の健康へのリスクになりそうもないと結論した。既存の及び提案された新しいMRLsを考慮して、消費者の長期摂取の懸念は確認されなかった。

 

[EFSA]ダイオキシンと関連するPCBs:耐容摂取量改訂

Dioxins and related PCBs: tolerable intake level updated

20 November 2018

https://www.efsa.europa.eu/en/press/news/181120

EFSAは、環境汚染物質が食品や飼料に低水準で存在する、ダイオキシンとダイオキシン様PCBsへの食事暴露は健康上の懸念であるという以前の評価の結論を確認した。欧州各国のデータから、全年齢集団でEFSAの新しい耐容摂取量の超過が示されている。

ダイオキシンとダイオキシン様PCBsは、何年もの間環境に残り続け、フードチェーンではたいてい動物の脂肪組織に低水準で蓄積する、有毒化学物質である。食品及び飼料中の存在は、公的機関と企業の努力のおかげでこの30年間で減少している。

EFSAのフードチェーンの汚染物質に関する専門家パネル(CONTAM)は、食品及び飼料中のこれらの物質から、ヒトと動物の健康へのリスクのEFSAの最初の包括的レビューを完成した。欧州委員会は、各種科学助言団体が設定した許容摂取量の相違についての2015年のレビューを受けて、このリスク評価をEFSAに求めた。

新しい許容摂取量

リスク評価はヒトに見られる影響を考慮し、裏付けとなる証拠として動物実験のデータを使用した。EFSAは、使用方法やデータの理解を深めるために、欧州各国の全国のパートナーと共に、ヒトの(「疫学的な」)研究の利用を含む科学的アプローチを議論した。

CONTAM パネルおよびダイオキシンの作業グループの議長であるRon Hoogenboom医学博士は、「パネルは食品中のダイオキシン及びダイオキシン様PCBsの新しい許容週間摂取量[TWI]を2ピコグラム*/ kg体重に設定した。減少の主な理由は、毒性に関する新しい疫学的な実験に基づく動物データや、規定時間を超えてヒトの体に予測される量の、より詳細なモデリング技術が入手可能になったからである。」と述べた。

この新しいTWIは2001年に欧州委員会の以前の食品科学委員会が設定した以前のEU許容摂取量の7分の1である。

精液の質の低下

「この新しいTWIは精液の品質についての影響に対して保護的で、これらの汚染物質はヒトの血液において最低量で健康への有害影響がみられる」とHoogenboom医学博士は付け加えた。

このTWIは、娘に対する息子の男女比の低さ、新生児及び歯の発達エナメル欠陥におけるより高濃度の甲状腺刺激ホルモンなど、ヒトの被験者の研究で観察された他の影響に対しても保護的である。

全年齢の暴露がTWI超過

欧州各国のほとんどの年齢集団の平均食事暴露に主に寄与しているのは、魚(特に脂肪分の多い魚)、チーズ、家畜肉である。

Hoogenboom医学博士は、「平均及び高い暴露は、青年、成人、老人の新しいTWIで、それぞれ最大5~15倍である。幼児と10歳までの子供は、このTWIの同じ範囲で超過している」と述べた。

パネルの助言

Hoogenboom医学博士は述べた、「これらの超過は健康上の懸念であるが、最も有害なダイオキシン様PCBの毒性は過大評価されている恐れがある。このような物質の毒性を算出する時には、「毒性等価係数」(TEFs)として知られる国際的に承認されている値を使用する。

パネルは新しい科学的データを考慮してダイオキシンとダイオキシン様PCBsのTEFsのレビューを支持する。毒性が低いことが確認されると、消費者の懸念は減少するだろう」。

EFSAの意見へのフォローアップ

高水準の消費者保護を保証するEFSAの科学的助言を受けて、欧州委員会とEU加盟国はリスク管理手段について意見を交わす予定である。

*ピコグラムは1グラムの1兆分の1(あるいは10−12)である。

・飼料と食品中のダイオキシンとダイオキシン様PCBsの存在に関する動物とヒトの健康のリスクに関する科学的意見

EFSA Journal 2018;16(11):5333  20 November 2018

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5333

 

・食品と飼料のPCDD/Fs とDL-PCBsについてのEFSAの意見に関する説明会

Parma, Italy, EFSA 13 November 2018

https://www.efsa.europa.eu/en/events/event/181113

 

追加情報

ダイオキシンは熱や工業過程によって発生する望まれない副産物である。1980年代にEUで禁止される前に、PCBsには多数の産業用途があった。ダイオキシンと毒物学的性質を共有するため、12種類のPCBsが「ダイオキシン様PCBs」と呼ばれている。詳細はダイオキシンとダイオキシン様PCBsに関するテーマを参照。

 

-食品と飼料中にダイオキシン及びダイオキシン様PCBが存在することに関連する動物とヒト健康リスク

Risk for animal and human health related to the presence of dioxins and dioxin‐like PCBs in feed and food

http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5333

欧州委員会がEFSAに食品と飼料中にダイオキシン(PCDD/Fs)及びダイオキシン様PCB(DL‐PCBs)が存在することに関連する動物とヒト健康リスクについての科学的意見を求めた。実験動物と疫学研究のデータをレビューし、ヒトで観察された影響をもとにヒトのリスク評価をすることに決め、動物のデータはサポートとして扱うことにした。重要な影響(クリティカルエフェクト)を生前生後暴露後の精子の質とした。重要研究のNOAELは9才の時に採取した血中脂肪中PCDD/F‐TEQs に基づく7.0 pg WHO2005‐TEQ/g fatだった。DL‐PCBsのTEQsを含めると関連がなかった。トキシコキネティクスモデルを用い、母乳からの暴露と子どもの時の摂取量が2倍多いことを考慮し、青少年と成人の毎日の暴露量は0.25 pg TEQ/kg bw/day以下であるべきと推定された。CONTAMパネルはTWI を 2 pg TEQ/kg bw/weekとした。欧州諸国の存在と摂取量データから青少年、成人、高齢者、超高齢者の平均及びP95総TEQ摂取量は2.1から10.5, および 5.3から 30.4 pg TEQ/kg bw/weekと異なり、相当なTWI超過があることを示した。幼児や子どもは高齢集団より暴露量が多いがそれはTWIを導出する時に考慮されている。総TEQに比べてPCDD/F‐TEQのみだと平均して2.4および2.7倍平均及びP95暴露量が低い。

 

9才の時に7.0 pg WHO2005‐TEQ/g fatになる条件として、母乳中濃度が5.9 pg TEQ/g fatで1年間授乳(その時の母親の暴露量が0.25 pg TEQ/kg bw per day)、それから毎日食品由来で0.5 pg TEQ/kg bw摂取と計算している

 

(2 pg TEQ/kg bw/weekはEPAの RfD  0.7 pg/kg b.w. per dayの半分くらい

日本は4 pg TEQ/kg体重/日、H27年度の摂取量は0.64 pg TEQ/kg体重/日(全年齢層)

日本人のダイオキシン暴露量は昭和の頃に多くてそれからひたすら減っているのだけれど、その間精子の質が良くなったという話は聞かないけど。逆の脅し文句なら山ほどある。)

 

-実験動物のPCDD/Fs 及びDL‐PCBsの毒性に関する広範な文献検索、関連性の選択、研究のデータ抽出

Extensive Literature Search, Selection for Relevance and Data Extraction of Studies Related to the Toxicity of PCDD/Fs and DL‐PCBs in Experimental Animals

20 November 2018

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1137

ポリ塩化ジベンゾジオキシン(PCDD)、ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDFs)、ダイオキシン様ポリ塩化ビフェニル(DL‐PCBs)は環境、食事、ヒトの組織の至る所に検出されている。欧州食品安全機関(EFSA)のCONTAMパネルは、食品と飼料中のダイオキシン及びダイオキシン様PCBsの存在に関するヒトと動物の健康のリスクに関する科学的意見の任務を欧州委員会から受けた。ヒトのリスク評価のハザード同定及び特徴化段階の準備作業を支援するために、EFSA広範な文献検索(ELS)に続いて関連評価やデータ抽出をwca環境社に外部委託した。wcaはEFSAの要求に従って、実験動物の17の2,3,7,8‐置換ダイオキシン(PCDDs)及びフラン(PCDFs)と12のDL‐PCBsの毒性に関連する研究を検索する2つ合わせた検索方法を開発した。広範な文献検索ではWeb of Science、PubMedでそれぞれ4,544件と 559件の記事を検索した。全部で4,921件の記事がDistillerSR®に取り込まれた。関連する研究論文は2人の経験豊かな毒物学者によって正副2通の資格審査に基づいて選定された。定義済みの関連情報は、DistillerSR®データベースの272件の参考文献から抽出された。

 

-Berkeley MadonnaへのラットとヒトのTCDDのPBPKモデリングコードの実施及び検証

Implementation and verification of PBPK modelling codes of TCDD in rats and humans into Berkeley Madonna

20 November 2018

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1374

ラットとヒトのTCDD用PBPKコードはBerkeley Madonnaで適切に運用できると結論できた。

 

[ANSES]野生のキノコの摂取による中毒の増加:油断しないで!

An increase in poisonings due to wild mushroom consumption: be vigilant!

News of 09/11/2018

https://www.anses.fr/en/content/increase-poisonings-due-wild-mushroom-consumption-be-vigilant-0

フランス中毒管理監視センター(CAP-TVs)に報告された野生のキノコの摂取による中毒数の増加に応えて、ANSESと健康総局(DGS)は野生のキノコ採集への警告を出し、守るべき良い事例を再認識させている。

9月と10月前半の気候状況(乾燥、高温)は野生のキノコの成長を促さなかったが、ここ2週間の涼しく湿った状況はより好都合で、その結果観察された中毒事例数は急激に増加している。

中毒管理センターでは、7月から10月半ばまで週に5~60事例が記録されたのに対し、ここ2週間に全部で249の中毒事例が記録されている。

この種の中毒は深刻な健康上の影響(深刻な消化障害、移植を必要とするような肝障害)が起こる可能性があり、死に至るおそれさえある。2018年7月以降に7件の深刻な事例が記録されていて、そのうち4件はここ2週間に起こった。

多くの事例で、中毒は他の食用キノコと混同した結果起こり、従って、くろうとにも時折採取する人にも警戒が重要である。

毎年のように定期的に観察されるこれらの事例に応えて、ANSESとDGSは主な助言を繰り返している。

・よく知っているキノコだけを採取する:非常に有毒なキノコ類には食用種と酷似しているものがある。

・採取したキノコの状態や識別に少しでも疑いがあるなら、専門家に検査してもらうまで食べないように。専門家あるいは地方の菌類学協会や団体に助言を求められる。

・識別しやすいように良い状態の見本だけを採取し、キノコ全体(柄と傘)を採ること。

・汚染された場所(道端、工業地帯、ごみ処理地)の近くのキノコの採取は避ける。

・有毒キノコ類と食用キノコを混ぜないように、収穫したキノコを種類ごとに注意深く分けておくこと。

・キノコは箱や木箱に分けて置いておき、腐敗が早まるのでビニール袋に入れないこと。

・採取後には徹底的に手を洗うこと。

・冷蔵庫に適切な状態でキノコを分けて保管し、せいぜい採取した2日以内に食べること。

・適量の野生のキノコを徹底的に調理してから食べること、生では決して食べないように。

・自分で採取した野生のキノコを子供に食べさせないように。

調理前に自分のキノコの写真を撮るのは貴重な行動である!中毒事例では、写真は中毒管理センターの薬剤師や医師が適切な治療を決定するのに役立つ。

野生のキノコを食べた後に1つ以上の症状(主に下痢、嘔吐、吐き気、震え、めまい、視覚障害など)が現れたら、すぐに救急医療サービス(フランスでは 15番)または、あなたの地域の中毒管理センターに電話し、キノコを食べたことを説明すること。

症状は一般的に摂取した12時間以内に表れ始め、患者の状態は急速に悪くなる。

症状が出たら、最後の食事の時間や最初の症状が出た時間を書き留めたり、識別のために採取したものの食べ残しをとっておくことが役に立つ。

ANSESは中毒管理センターのデータを用いて、野生のキノコによる中毒の季節的監視を実施している。

 

[CDC]血中鉛濃度の高い子どもの家庭調査でのスパイス、ハーブレメディ、式典用パウダーの鉛-ノースカロライナ、2011-2018

Lead in Spices, Herbal Remedies, and Ceremonial Powders Sampled from Home Investigations for Children with Elevated Blood Lead Levels — North Carolina, 2011–2018

Weekly / November 23, 2018 / 67(46);1290–1294

https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/67/wr/mm6746a2.htm

子どもの血中鉛濃度は減少しているが一郡で増加が報告された。BLLs ≥5 μg/dLの子どもが2013年に27人だったのが2017年に44人になった。この多くは新しい家に住んでいたが、スパイス、ハーブレメディ、式典用パウダーの鉛濃度が高かった。

食用でないもので最も高濃度だったのはクムクムkumkum (平均= 12,185 mg/kg; range = 0.4–140,000), シンドールsindoor (平均= 41,401 mg/kg; range = 0.1–130,000),および surma (68,000 mg/kg)

食品ではサフロンサプリメント (2,764 mg/kg;), Balguti Kesaria (アーユルベーダ医薬品) (220 mg/kg;), およびターメリック (平均 = 66 mg/kg; range = 0.1–740)

 

[RIVM]ウェブサイト改訂

Work in progress - new look and feel RIVM website

11/21/2018

https://www.rivm.nl/en/news/work-in-progress-new-look-and-feel-rivm-website

 

[PHE]砂糖とカロリーの削減に人々からの圧倒的支持

Overwhelming public support for sugar and calorie reduction

20 November 2018

https://www.gov.uk/government/news/overwhelming-public-support-for-sugar-and-calorie-reduction

PHEの調査で、政府が食品企業と協力して食品をより健康的なものにすることを10人中約9人が支持

・10人中9人以上が英国にとって肥満は問題だと考えていて79%はそれがNHSに負の影響を与えていると信じている

・肥満より大きな懸念だと考えられているのはがんと精神衛生のみ

・肥満の責任は個人や家庭(90%)が最大だと考えているが食品企業(80%)や政府(72%)も責任がある

・不健康な食品を健康的なものに置き換えることには87%が支持

 

[COT]2018年12月4日の会議の議題とペーパー

COT Meeting: 04 December 2018

Last updated:  20 November 2018

https://cot.food.gov.uk/cot-meetings/cotmeets/cot-meeting-04-december-2018

ペーパーはまだ

議題は電子タバコ、乳幼児用食品中汚染物質と4, 15-ジアセトキシスシルペノール、葉酸の耐用上限量、子どもや青少年のエネルギードリンク、など

 

[Codex]新しいチームが栄養委員会を運営

New team running nutrition committee

21/11/2018

http://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1171340/

コーデックス栄養特殊用途食品部会(CCNFSDU)が2018年11月26-30日ベルリンで開催される

 

-記念碑的食品衛生議論がパナマで始まる

Landmark food hygiene discussions begin in Panama

13/11/2018

http://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1169901/

コーデックス食品衛生部会(CCFH)が50回目

 

[FDA]FDAはダイエタリーサプリメントとして販売されているチアネプチンを含む製品に対応

FDA Takes Action on Products Marketed as Dietary Supplements Containing Tianpetine and Warns Consumers

November 20, 2018

https://www.fda.gov/Food/NewsEvents/ConstituentUpdates/ucm626153.htm

(タイトルの綴りは単なる間違いだと思う、本文はtianeptineなので)

2018年11月20日にFDAはチアネプチンを含むと表示されたダイエタリーサプリメントを販売していた2社に警告文書を発行した。

FDAはチアネプチンに関連する重大な有害事象を複数承知している。消費者は知らないうちにチアネプチン依存症になる可能性があり、この成分を含む全ての商品を避けるべきである。特にオピオイド依存疾患(OUD)治療効果を謳うものは。有害事象の可能性に加えて、根拠のない宣伝文句を頼りにすることはOUD患者が回復するのを遅らせより大きな過剰使用や死亡リスクを負わせる可能性がある。

チアネプチンは食事成分ではなく食品添加物として認められておらずGRASでもなく、その効果の宣伝からは未承認医薬品とみなされる。

 

[FSANZ]食品基準通知

Notification Circular 65–18                 

22 November 2018

http://www.foodstandards.gov.au/code/changes/circulars/Pages/NotificationCircular6518.aspx

意見募集

・乳児用ミルクやフォローアップミルクに2’-O-フコシルラクトース (2’-FL)を単独又はラクト-N-ネオテトラオース (LNnT)と組み合わせて使用することについての許可申請

・加工助剤としてのBacillus subtilis由来ラクターゼ

いずれも2019年1月17日まで

 

(いわゆるオリゴ糖。母乳に存在する成分を遺伝子組換え微生物系統を使った発酵で作ったもの。2.4 – 3.0 g/Lで安全性のみならずビフィズス菌を増やす作用とそれによる一定の感染防御効果を認めている。免疫調節は根拠無しとされている。)

 

[BfR]食品中のマイクロプラスチック- 科学者と一般の人々の間の数多くの回答されていない疑問

Microplastics in food - many unanswered questions among scientists and the general public

33/2018, 22.10.2018

https://www.bfr.bund.de/en/press_information/2018/33/microplastics_in_food___many_unanswered_questions_among_scientists_and_the_general_public-205564.html

BfR消費者モニター:半数以上の市民が食品中のマイクロプラスチックに関して懸念している。

市民全体の75%は食品が安全なものとみなしているが、食品中のマイクロプラスチックに関してより多くのドイツ市民が懸念を示しつつある。BfRによって実施される定期的な市民調査である最新のBfR消費者モニターが示すように、6ヶ月前と比較してこのトピックはよく知られるようになり、より多くの市民がこれに関して懸念するようになった。以前は45%が食品中のマイクロプラスチックに関して懸念していたが、今ではこの数字は11ポイントパーセンテージが上昇し、全回答者の半分以上になった。BfRにとっては市民の認識が科学的な推測と相違するかどうかに特に関心がある。これまでの研究から、例えば実際に魚の消費を通して消費者がどのくらいのマイクロプラスチックの粒子を取り込むか正確に計測することはできない。マイクロプラスチックはとりわけ一般的に食されない魚の消化管で検出されてきた。「食物連鎖内のマイクロプラスチックの実際の危険性を評価するために、より信頼できるデータが必要である。BfRは現在、腸を介してのマイクロプラスチックの摂取と健康への影響の可能性に関する研究を行っている」とBfR所長Professor Dr. Dr. Andreas Henselは説明する。

 たとえ抗菌剤耐性であろうとマイクロプラスチックであろうと、消費者はどんな健康リスクを知っていて、何を懸念するのか。代表的な消費者調査として、6ヶ月ごとのBfR消費者モニターは、どのようにドイツ語を話す市民が健康リスクを認識するかという質問について知る手がかりとなる。そのために、14歳以上のドイツに家庭があるおおよそ1,000人がBfRの意向を受けて電話でインタビューされた。

回答者は、不健康な食事あるいは誤った食事だけでなく、喫煙、気候及び環境汚染を最も大きな健康リスクとみなしている。選択した話題に関して問われると、サルモネラ、遺伝子組換え食品、抗菌剤耐性及び植物保護製剤の残留が上位の認識度にあり、その次に食品中のマイクロプラスチック、食品包装材のアルミニウム及び一酸化炭素と続いた。抗菌剤耐性とマイクロプラスチックは大部分の回答者が懸念する2大テーマである。最後の調査と比較すると、市民はマイクロプラスチックに関して懸念がずっと大きくなり、11ポイントパーセンテージが上がった。また、半数以上がサルモネラを懸念している。比較として、今年初めて質問事項となり回答者の大部分が知らない一酸化炭素は、市民の3分の1にとってしか懸念でなかった。

玩具は前回の調査同様安全と思われているが、安全性の感覚は繊維製品や化粧品はわずかに下落した。回答者の大多数はドイツの国家機関が消費者の健康を守っていると信頼している。

BfR消費者モニターは、世論で多くの注目を集めるテーマに専念する一方、例えばカンピロバクターや食品中のカビあるいは遺伝子構造の標的改変のための最新の方法である「ゲノム編集」のような、それほどの焦点ではないがそれでもやはり関連ある疑問を分析する。2018年の第一回目の調査のように、これらのテーマは一般の人の認識の中にはほとんどみられず、それゆえそれほど懸念を引き起こさない。同様に、家庭において食品衛生は消費者の意識において小さな役割しか果たさない。

 

-BfR消費者モニター08/2018

BfR Consumer Monitor 08/2018

https://www.bfr.bund.de/cm/364/bfr-consumer-monitor-08-2018.pdf

 

[BfR]マイクロプラスチックに関するQ&A

Questions and Answers on Microplastics

BfR FAQ of 1 December 2014

https://www.bfr.bund.de/en/questions_and_answers_on_microplastics-192775.html

https://www.bfr.bund.de/cm/349/questions-and-answers-on-microplastics.pdf

 現代はプラスチック抜きの世界はほとんど考えられない。世界のプラスチック生産は成長を続け、ますます多くのプラスチックが環境に入り込んでいる。このプラスチック汚染の問題は水界生態系においてかなり前から知られている。

マイクロプラスチックは大部分が環境で検出されている小さなプラスチックの粒子や繊維である。プラスチックの分解は非常に遅いので、プラスチックの破片は環境中に蓄積するだろうと想定されなければならない。マイクロプラスチックの食物連鎖への考えられる取り込みを介して、消費者の健康へのリスクの可能性が現在社会的関心のテーマである。

以下に、BfRはマイクロプラスチックに関するよくある質問に回答する。

マイクロプラスチックとは何か?

マイクロプラスチックという用語は様々な由来、大きさ及び化学成分の小さなプラスチック粒子を表す。マイクロプラスチックの大きさは文献で一様に定義されておらず、たいてい0.001 mmから5 mmより小さい範囲である。

一般的に2種類のマイクロプラスチックに区別されていて、すなわち一次及び二次マイクロプラスチックである;

            一次マイクロプラスチックはプラスチックベースの粒状とペレット(樹脂ペレット/レジンペレット)の形に産業的に製造される。ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレン・テレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン(PP)、ポリアミド(ナイロン)及びエチレン酢酸ビニル(EVA)のような様々な合成高分子が使用される。

            二次マイクロプラスチックは化学物質により、また例えばプラスチックの袋やプラスチック製ボトルのような製品の経年劣化や分解過程により形成される。二次マイクロプラスチックが環境中のマイクロプラスチックの主な原因の一つとなる。

マイクロプラスチックはどのようにして環境に入り込むか?

一次マイクロプラスチックはプラスチック製品の製造中、粒状あるいはレジンペレットとして使用される。それらはまた、特に産業用サンドブラスティング装置、クリーニング用のり及びいくつかの化粧品において使用される。下水処理場設備は十分にこれらの粒子をろ過して取り除けないので、大部分が水中に戻る。

プラスチック汚染のもう一つの原因は、消費者の不注意な行動である。何気なく捨てる包装、袋、ボトル、缶などが最終的には環境中のゴミになる。プラスチックはほとんど分解しないので、無期限に環境中にとどまる。二次マイクロプラスチックはまた、経年劣化と分解によって、通常ポリエステルあるいはポリアクリル系繊維でできている生地のフリースのような合成衣類から生じることもある。そのような繊維の着衣や洗濯の際、マイクロファイバーが大気中や下水に放出されるということが示されている。

なぜプラスチックの微小粒子が化粧品に使われるのか?

マイクロプラスチックの粒子は汚れ、死んだ角質あるいは歯垢の低刺激除去を行うために、シャワージェル、スクラブ剤/ピーリング製品及び歯磨き粉のような製品に使用される。

化粧品中のマイクロプラスチックの使用は表示しなければならないか?

化粧品の成分のすべてが成分リスト(INCI List)に濃度が高い順にリスト化されている。しかし、成分がマイクロプラスチック粒子あるいはマイクロビーズとして化粧品に添加されているかどうかを明らかにする必要はない。

マイクロプラスチック粒子を製造するために、エチレンのような原料は粒子を形成するために大きな合成物に重合させられる。「クレンジングビーズ」としての使用に加え、ポリエチレンポリマーもまた粘性を管理するためあるいはフィルムの形成を助けるために化粧品に添加される。しかし、これらの目的のために使用されるポリエチレンは粒子というより液体である。そのため、成分リストからは原料の物理的な特性に関する情報は何も得られない。

プラスチックから成る微小粒子を含む化粧品を使用すると、消費者は健康リスクに直面するか?

シャワージェル、ピーリング剤、歯磨き粉などによるマイクロプラスチック粒子の皮膚からあるいは意図しない経口摂取により健康リスクが発生し得るかどうかに関しては、BfRが取り組んできた疑問である。BfRは、マイクロプラスチック粒子は1マイクロメートル(1 μmは0.001 mmに相当する)より大きいピーリング剤及びシャワージェルで使用されるので、消費者にとっての健康リスクはありそうにないと考える。製品が目的通りに使用されるならば、この大きさの粒子の健康かつ傷のない皮膚を介しての吸収はないと思われる。歯磨き粉を飲み込んだとしても、ビーズの分子の大きさでは胃腸から吸収はされない。摂食粒子は排泄物として排泄されるだろう。さらに健康に影響する量のエチレンが、消化管を通過するポリエチレンのマイクロプラスチック粒子から放出されることはないだろう。より詳細な化粧品のポリエチレンプラスチック粒子の安全性評価は、以下で詳しく見ることができる:

http://www.bfr.bund.de/cm/349/polyethylene-containing-microplastic-particles.pdf

マイクロプラスチック粒子は食品に含まれる可能性があるのか?

食品中のマイクロプラスチック粒子の様々な混入経路あるいは発生、組成、粒子の大きさ及び量に関する情報には限界がある。マイクロプラスチックは原則として様々な経路で環境中に入り込むことができる。それゆえ、マイクロプラスチックは大気、海水、地表水及び地下水を介して食品に最終的に移行できるだろうというのは仮定の話として可能であるように思える。

2013年に蜂蜜中のマイクロプラスチックの検出に関してメディア報道があった。しかし、必要な分析データの公表は不完全であり、現在まで1件の論文発表しかない。加えて、この論文はマイクロプラスチックではなく合成断片や繊維に言及している。2014年にマイクロプラスチックはビールやミネラルウォーターで検出されたと報道があったが、発見された粒子の化学成分は正確に言えば、特定されなかった。分析は典型的に採取されていないサンプルに基づいていたため、ドイツの市場で入手できる食品の平均的な濃度の推定ができない。

BfRは魚、イガイ及びカニに含まれるマイクロプラスチック粒子の発生に関するいくつかの文献を評価した。フランス、ベルギー及びオランダの海岸でサンプル採取されたムラサキイガイは、貝身1 gあたり2マイクロプラスチック粒子であった。フィラメント状のプラスチック粒子は、どこ由来の貝であるかによるが、天然の北海イガイや商業的に取引されるイガイの身10 gあたり2.6から6.1粒子という数量で見られた。魚のマイクロプラスチック粒子の発生に関する研究の大部分は消化管の内容物を調べる。しかし、魚の胃や腸は一般に食されないので、この吸収ルートを介して消費者のマイクロプラスチック粒子の摂取に関して、引き出すことができる結論はない。甲殻類に関するこの点の信頼できるデータは存在しない。

日用品や食品中のマイクロプラスチックを発見するための分析手法はあるか?

現在のところ、マイクロプラスチックの統一された定義がなく妥当性が確認された分析法はない。すなわち、マイクロプラスチックを同定し、定量的に分析でき、広く認識された検査法がない。プラスチックの様々な広範囲の原料のため、マイクロプラスチックの定性分析(すなわちプラスチック原料の同定)と特に定量分析(すなわち測定される微小粒子の数量)をより困難にする。マイクロプラスチックを特定し、定量化するための様々な分析法が現在専門家によって話し合われている。

BfRはマイクロプラスチックに関してどう取り組んでいるか?

2013年BfRにおいて、ムラサキイガイや牡蠣(Crassostrea gigas)中のマイクロプラスチック粒子の摂取の研究が開始された。主要な目的は当初、汚染標準物質を作成するために、定義された粒子によるイガイの汚染のために標準プロトコルを作成することだった。確立した方法を使用し、様々なサイズ、形及び原料のプラスチック粒子により、バルト海のムラサキイガイや牡蠣の汚染の可能性が確実に十分あった。貝におけるマイクロプラスチック粒子の摂取スピードと分布の初期の実験結果は、公表されたデータとちょうど合致している。経口摂取に関する追跡研究とさまざまな組織中の吸収された微小粒子の影響の可能性が考えられている。

ドイツ連邦水域研究所及びドイツ連邦環境庁と一緒にBfRは2014年7月に連邦政府内でマイクロプラスチックのテーマに関する初めての部門間の会議を開始した。12の異なる部門の研究機関の代表が参加した。それぞれの研究機関がマイクロプラスチックに関する研究優先順位や科学的専門知識を提示し、評価概念の構築のための共同のアクションプランが話し合われた。その際、例えばマイクロプラスチックのライフサイクルのような不可欠な側面が考慮され、重要な疑問について考案された。

ムラサキイガイにおけるマイクロプラスチック粒子の摂取と排出に影響を与える要因を特定する研究は現在BfRが行っている。さらに水中及び貝の組織の中のマイクロプラスチックの定性的かつ定量的検出に対する方法が開発中である。

 

[論文] 論文

-食事摂取量測定の失敗は食事と病気の関係について架空の話を作り上げる

The Failure to Measure Dietary Intake Engendered a Fictional Discourse on Diet-Disease Relations

Edward Archer et al.,

Front. Nutr., 13 November 2018

https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fnut.2018.00105/full

食事中の砂糖や塩や脂肪やコレステロールの健康影響とされるものについての論争は、当然ありうる妥当性のある根拠からの科学的推論の違いによるものではなく、何十年にもわたる深刻な欠陥のある明確に誤解を招く疫学研究による。過去60年間、疫学研究者らは食事摂取量を測定しない疫学手法で食事が慢性疾患の主な要因であると想定した何万もの論文を発表してきた。実際の摂取量を測定する代わりに、疫学者は妥当性を検証されていない言葉や文章での食べたと考えられる記憶の報告を集めた

以下略

(栄養研究への批判。手法だけではなく論文の書き方(都合のいい文献だけ引用するとか)や医食同源のようなナイーブな思い込みなど広範にわたる)

 

その他

-2018 Maddox賞

Senseaboutscience

Maddox Prize 2018

http://senseaboutscience.org/activities/maddox-prize-2018/

水温上昇による珊瑚礁のダメージを告発したTerry Hughes教授と自然療法に関する各種記述をしたもとナチュロパスのBritt Hermes

 

-スペインは健康センターでの代替医療禁止を計画

Spain plans to ban alternative medicine in health centres

Wed 14 Nov 2018

https://www.theguardian.com/world/2018/nov/14/spain-plans-ban-alternative-medicine-health-centres

スペイン政府は健康センターから鍼やホメオパシーのような代替医療を根絶する計画を発表した。またスペインの大学で代替医療が教えられることも避けたい

この問題は最近いくつかの死亡例が話題になって保健大臣への圧力が増えたことによる。

一例が21才のMario Rodriguezが、がんをビタミンで治すと主張するナチュロパスを信じて病院での白血病の治療を中止して死亡した。死の床で彼は「お父さん、私は間違えた」と言ったと彼の父Julian Rodriguezが報告している。