2019-08-07

[NHS]子供の「Fussy eating(偏食)」は「摂食障害のリスクを増加させる」-しかし、その増加はとても小さいものである

'Fussy eating' in children 'increases risk of eating disorders' – but increase is very low

Tuesday 6 August 2019

https://www.nhs.uk/news/pregnancy-and-child/fussy-eating-in-children-increases-risk-of-eating-disorders-but-increase-is-very-low/

「食事に関して、食べ過ぎる子、少しずつ食べる子あるいは食の好みにこだわりがある子はティーンエージャーで摂食障害になる可能性が高いかもしれない」とMail Onlineは報道する。そのウェブサイトのニュースは、英国の両親と子供を調査する長期的な研究プロジェクトのデータに基づいた最新の研究についての報道である。

研究者は両親に子供の食事のパターンを記録するよう求めた;特に少食、過食あるいはfussy eating(偏食)(新しいものを試すことを嫌がり、特定の食品のみを食べたがる子供と定義する)を調査した。

その後研究者はこれらのパターンと10代で報告される摂食障害と関連があるかを16歳の時点で調べた。

研究者は特定の子供の食事習慣のリスク増加を発見したが、まず第一に、子供の摂食障害発症のリスクはわずか1%であった。偏食の子と過食の子は1-2%リスクが高くなっただけであった。常に少食だった少女は特に拒食症のリスクがわずかに高くなった(6%)。しかし、これらすべては非常に低いリスクである。

両親や保護者はこの話に過剰に心配になるべきでなく、子供のうちは食事が乱れることはよくあることである。

 

[Codex]コーデックスは分析・サンプリング法を先導する

Codex leading the way in methods of analysis and sampling

17/07/2019

http://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1202156/

 コーデックス分析・サンプリング法部会(CCMAS)は、コーデックス規格に用いられている分析法に簡単にアクセスできるワンストップショップを作成するため、基幹文書を更新中である。分析・サンプリング法規格(CXS234)は、コーデックス規格への適合性を保証するために必要な分析法を提供することで、他の多くの規格をサポートしている。このCXS234の新しい全体構造が2019年7月のコーデックス総会(CAC42)で採択され、CXS234をコーデックスの分析法に関する単一の参照規格にしようという新しい取り組みが始まる。

分析法は規格の分析条項を確認する

例としてバターの乳脂肪を取り上げる。コーデックスオブザーバーの国際酪農連盟(IDF)の科学・規格プログラムマネージャー、Aurélie Dubois-Lozier氏は次のように説明する。「バターのコーデックス規格(CXS279)の規定では、バターの乳脂肪含有量は最低80%m/mでなければならないとしている。」CXS234は、この要件を検証するために国際標準化機構(ISO)とIDFから1つずつ、2つの方法を推奨している。「このようにタイプI又はタイプIIとして分類された分析法は、貿易紛争の際に使用されることを想定した参照法である。」と彼女は述べた。

ブラジルとウルグアイ(作業部会の共同議長国)は、CXS234に記載されている情報を他の規格に調和させ、コーデックス食品規格に記された分析条項についての適合性を評価するための分析法に関する単一の参照規格となるようCXS234の見直しを実施した。

米国石油化学者協会(AOCS)の技術サービス担当ディレクターでコーデックスオブザーバーであるScott Bloomer氏は、この作業がなぜ必要なのかを説明した。「CXS234には15の品目カテゴリーがあり、カテゴリー内の一部の分析法は特別な目的があって更新されてきたかもしれないが、およそ20年間、カテゴリー全体としての見直しはされていない。」AOCSはCXS234の油脂カテゴリーを見直す作業を引き受けた。油脂カテゴリーには7つの品目と約96の分析法が含まれていた。世界中から多くの科学者のボランティアによる助けを借りて、各分析法が、それぞれの目的に適しており、正しくリストに記載され、同等とされた分析法が真に同等であり、タイプが正しく分類されているようにするために見直しを行った。

適切であり続ける

「社会が変化しても適切であり続ける努力が必要だ」とBloomer氏は言う。CXS234の見直し作業を行うことで、各規格と、そしてその規格について検証するための分析法が、本当に正しく、指定された品目と分析条項を適切に検査できるものとなるだろう。

CCMASは、オブザーバーによる労力と専門知識が非常に重要となるコーデックスのシステムを明確に体現している。AOCSなどの規格開発機関(SDO)は、分析化学に関する世界トップクラスの専門家や、油脂の分析などさまざまな特殊分野の専門家など、多くの優秀な人材とつながっている。Dubois-Lozier氏は、「IDFは、乳製品、分析法、規格化の専門家を通じてCXS234の見直しに貢献することを優先事項とした。これはCXS234に記された分析法の正確さと適用性を確実にし、そうすることで、乳製品に関するコーデックス規格を補完する信頼できるツールとなる。」と述べた。

CCMASの議長であるハンガリー国立食品安全局の食品安全研究所所長Attila Nagy氏は、「CXS234の改定が部会の最も重要な作業となった」と述べた。データベース化が計画されており、「改定によって、品目、分析条項及びその他のデータについての新しい構造がつくられ、簡素化された。政府や検査機関は、分析作業に最も適した最新の分析法を見つけられるようになるだろう」と述べた。

ワンストップショップ

コーデックス規格に適合しているかの確認には、コーデックスが推奨する分析法が特に重要となる。コーデックス事務局のVerna Carolissen氏は以下のように述べた。「分析法(規格)を最新かつ適切で、簡単にアクセスできる状態に保つことが重要である。これを我々は、分析法に関するワンストップショップというかたちで達成しようとしている。そしてこれは、コーデックスのメンバーとSDOの支援と献身があって初めて可能となるものであり、この作業を支援する新しいガイダンスによって合意はより容易になるはずである。」

今日までの進歩が、共同作業の価値を示しており、いかにメンバー国の深い関与がコーデックス作業における革新的な取り組み、例えば品目グループに関連して分析法の更新を容易にする作業パッケージの開発など、につながるかを表している。

コーデックス事務局は、規格改定作業と、今後の政府及びその他の利害関係者による規格採用の両方を補佐するこの革新のプロセスを支援している。「コーデックス規格が現在と将来のニーズを満たす」ことを確保するという点でCCMASの作業が先導し、「やるべきことは、まだ沢山ある」とCarolissen氏は述べた。

 

[BfR]一部の抹茶に高濃度アルミニウム

High aluminium levels in some matcha tea samples

25 July 2019

https://www.bfr.bund.de/cm/349/high-aluminium-levels-in-some-matcha-tea-samples%20.pdf

 抹茶で高濃度のアルミニウムが検出され始め、BfRは抹茶を定期的に消費するヒトの健康リスクを評価した。過去5年間にドイツ国内のみで抹茶関連の165製品が記録され、その中には茶(39%)だけでなく、その粉末を使用したスムージーやアイスティー、ビスケット、ケーキ、シリアルなどの製品も含まれる。

 アルミニウムは抹茶を含めて茶で何度も検出されている。アルミニウムは地殻に含まれる最も一般的な金属で、土壌を介して植物に存在する。消費者は、加工・未加工食品、食品包装材、化粧品など他からもアルミニウムを摂取しているが、ヒトでの主な経口暴露源は飲料水を含む食品である。アルミニウムを多量に長期的に摂取すると神経系、生殖能、骨の発達に障害を与える可能性がある。EFSA(2008)は耐容週間摂取量を1 mg/kg体重と導出している。

 ドイツでの抹茶や茶粉末の摂取量に関する利用可能なデータがないため、抹茶の消費量にしては過剰推定ではあるが、健康評価には緑茶の消費量を用いた。総合的に、影響を受ける緑茶及び抹茶の消費者の割合は非常に少ない。

 ドイツ連邦政府のモニタリング機関から、BfRは3つの抹茶中のアルミニウム濃度データとして1743、1775、2350 mg/kgを提供された。5つのシナリオを設定して暴露評価を実施した。緑茶の摂取量データを利用して、他の摂取源がないとした場合に、アルミニウム濃度が測定されたうちの最大である抹茶を定期的に長期間摂取する成人ではTWIを超える可能性がある。

 全ての摂取源からのアルミニウム摂取量に関する現在入手可能なデータに基づくと、一部の集団では長期的にEFSAが導出したTWI(1 mg/kg体重)の2倍以上になる可能性がある。その上さらに、消費者にとってのこの状況を考えると、茶のような一つの食品を定期的に(毎日)摂取することによる追加のアルミニウム摂取は、定期的摂取でそれだけでもTWIの相当な割合を占める、あるいは明確に超過するので、毒性学的観点から許容できない。入手可能なデータに不足があるため、健康リスク評価には大きな不確実性があり、さらなる研究が必要である。

 最後に、非常に数少ない検体による評価であり、抹茶の通常のアルミニウム濃度での健康リスクや、食品としての抹茶の総合的な健康評価に関する結論は出せないことを強調している。

BfRリスクプロファイル

一部の抹茶に高濃度アルミニウム(Opinion No. 027/2019)

‒            影響を受けるグループ:一般集団

‒            生涯を通じてアルミニウム含有抹茶を毎日摂取することにより健康障害を受ける可能性:5段階のうち三番目(可能性がある:Possible)

‒            その健康障害の重篤度:重篤化は希

‒            利用可能なデータの信頼性:3段階のうち一番下(低い、多数の重要なデータがない又は一貫性がない)

‒            消費者によるコントロールの可能性:4段階の下から二番目(避けることでコントロール可能)

 

[BfR]トウアズキ、トウゴマとその仲間―エキゾチックなお土産は有毒な植物の種子を含む可能性がある

Jequirity bean, castor oil plant & Co. – exotic souvenirs can contain poisonous plant seeds

BfR Communication No. 024/2019 of 3 July 2019

https://www.bfr.bund.de/cm/349/jequirity-bean-castor-oil-plant-%26-co-exotic-souvenirs-can-contain-poisonous-plant-seeds.pdf

美と危険が同時に―この表現は多くの有毒植物の種子に当てはまる。色鮮やかで魅力的な外見のおかげで、種子が、ジュエリー製造の装飾や、楽器やおもちゃの飾りとして使われることもある。そのような製品はいくつかの国の商店街やお土産市場で見つけられ、ドイツ人観光客にも人気がある。素敵な記念品を探す休日の行楽客は、種子由来健康リスクに気付いていないことが多い。

一例に、国により多くの他の名前を持つ「トウアズキ」がある。その種子には世界で最も強力な植物毒の一つ、アブリンが含まれる。75 μg (マイクログラム)、種子たった一つで、成人に重度の中毒を引き起こすのに十分なアブリンが含まれている。子供では75 μg~150 μgの用量で死に至ることがあり、乳児の致死量はかなり低い。嘔吐、下痢、痙攣を伴う重度の胃炎、かなりの脱水症状を伴う腎臓及び循環障害、中枢神経系の麻痺、数時間から2日間後に死亡することすらある。

この種子を丸ごと飲み込んでも、頑丈な外殻のおかげで中毒リスクは低い。だが、ジュエリーを作るために穴をあけられたり、誤って口の中で噛んだりして殻が破損していたら、植物毒素が放出されることがある。トウアズキを他の食用の種子と間違えるリスクもある。例えば、あるドイツ人観光客は、トウアズキを含むことが判明したカラフルなペッパーミックスをチュニジアから持ってきた。

別の有毒な植物成分の例は「トウゴマ」である。紅葉するため装飾用の観賞植物として公園や庭でよくみられる。ここでは、「奇跡の木」や「キリストの手のひら」としても知られるこの植物の全ての部分に強力な毒リシンが含まれ、中毒の兆候はアブリンと似ている。この植物の豆のような形をした種子は球状のとげのある実にあり、高濃度のリシンを含んでいる。それらはジュエリー製造にも使用され、特に子供がうっかりナッツと間違えることがある。

経口摂取後の致死量は1 mg/kg体重(およそ5~10粒のトウゴマの種子に相当する)の範囲と推定されている。数個(3~5粒)のトウゴマを噛んで摂取しただけで、子どもでは致命的な中毒を起こす可能性がある。

マメ科植物の実に由来する装飾用「天然ビーズ」の範囲は広く、オルモシア(ワイルーロ)、タンキリマメ、テキサスマウンテンローレル、レッドサンダルウッドなどの他の植物の種子にも当てはまる。いくつかの植物では、現在、含まれる成分の毒性影響に関する情報はほとんどない(例:アルカロイド)。

この理由から、BfRは、エキゾチックな国々において植物種子で装飾された製品を購入する際に、あるいはペッパーミックスの場合のように、誤って食用成分を含むと信じているものに特別な注意を払うよう、特に観光客に助言している。

(カラー写真あり)

 

[BfR]マイクロプラスチック:事実、研究、未解決の問題

Microplastics: Facts, research and open questions

FAQ to the BfR of 5 June  2019

https://www.bfr.bund.de/en/microplastics__facts__research_and_open_questions-192775.html

(以前のQ&Aへの追加部分のみ)

食品を介したマイクロプラスチック粒子の摂取を通じて健康障害は起こりうるのか?

 最新の入手可能な知見によると、食品中のプラスチック粒子にヒトへの健康リスクがあるのか評価されていない。BfRで実施した多様なモデル粒子を用いたマイクロ粒子の経口摂取に関する初期の独自試験では、小腸組織への傷害は見られなかった。データが不足しているため、小腸壁へのマイクロプラスチックの影響の総合的な評価ではなく、その後のリスク評価もできていない。

 マイクロプラスチックの知見については、今後数年間のうちに著しく増え、起こりうる健康リスクのより良い評価が可能になるだろうと予想される。

 そして、1 mmより小さいマイクロプラスチック粒子は腸管を通って完全に排泄されることも推測されてきた。より小さな粒子の体内での全身分布については、これまでほとんど知られていない。EFSAによると、150 µm未満(1 µmは0.001 mm)の粒子は基本的に小腸壁を通過できるが、1.5 µm未満の粒子のみが体内に分布する可能性がある。入手可能な試験では、齧歯類において0.04~0.3%と小腸での吸収は少ないことが示されている。体内での全身分布についてはほとんどわかっていない。ヒトへのマイクロプラスチックの影響に関する公表資料は現在ない。

マイクロプラスチックはその他の望まれない物質の輸送担体となりうるか?

 物質がマイクロプラスチックに吸着することが報告されている。例えば、ポリ塩化ビフェニル類(PCB)や多環芳香族炭化水素(PAH)は、物理学的な表面特性によりマイクロプラスチックと作用しうる。物質が吸着したマイクロプラスチック粒子の摂取がヒト暴露に実際に寄与するのかはまだ研究されていない。粒子に結合した汚染物質が再び放出されるのかどうか、それともそれら汚染物質は粒子と永遠に結合したままなのかは、どちらも十分に研究されていない。

 EFSAのモデル計算によると、二枚貝に含まれる汚染マイクロプラスチック粒子の摂取を介したPCBとPAHの一日摂取量は、他の摂取経路に比べて、PCBではたったの0.006%、PAHは0.004%未満である。極端なシナリオとして、7 µgマイクロプラスチック/kg二枚貝を含む二枚貝を毎日225 g摂取し(900粒子相当)、高濃度のPCBとPAHが消費者に完全に移行されるという状況を仮定した。

 

[FDA]FDAはがんやアルツハイマー病、オピオイド離脱症状、痛み、ペット不安症の治療を根拠なく謳った未承認カンナビジオール製品の販売業者に警告する

FDA warns company marketing unapproved cannabidiol products with unsubstantiated claims to treat cancer, Alzheimer’s disease, opioid withdrawal, pain and pet anxiety

July 23, 2019

https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/fda-warns-company-marketing-unapproved-cannabidiol-products-unsubstantiated-claims-treat-cancer

 本日FDAは、がんやアルツハイマー病、オピオイド離脱症状、痛み、ペット不安症、その他の状態や疾病を治療する製品であると根拠なく謳った未承認のカンナビジオール(CBD)含有製品をオンライン上で違法に販売したとして、マサチューセッツ州ウェイクフィールドのCuraleaf Inc.に対して警告文書を送付したことを報告する。FDAは、当該業者に対して改善の方法について15営業日内に返答するよう要請している。

 大麻及び大麻由来成分、特にCBDを含む製品への関心が高まり、FDAはこれまでも、そして今後も、CBD由来製品の規則を策定するために組織全体で協力的に取り組み続けていく。FDAは高レベルの内部作業グループを設立し、さまざまなCBD製品の合法販売についての道筋を探索している。特に安全性に関する情報の収集と評価の作業が重要だと考えている。

 CBD製品は、オイルドロップ、カプセル、シロップ、茶、局所ローションやクリームといった多様な形態があり、オンラインを介して販売されるため米国全土で購入できる状況である。FDAは1つの処方薬を承認したが、それ以外に承認したCBD製品はない。CBD製品の根拠のない宣伝は、消費者を適切な診療、治療、支援などの重要な医療処置から遠ざけることになるだろう。FDAは、ペットを飼う人達に向けても、CBD製品について警告し、ペットの適切な治療については獣医師に相談することを勧める。承認された動物向け大麻及び大麻由来成分はない。

 

[ODS]The Scoop 消費者向けニュースレター- 2019 夏

The Scoop - Summer 2019

https://ods.od.nih.gov/News/The_Scoop_-_Summer_2019.aspx

スクープは何?ダイエタリーサプリメントに関するQ&A

  1. 私の17才の娘がベジタリアンになることを決心した。私は彼女が鉄不足になるのではないかと心配している。彼女は鉄サプリメントを摂取すべきなのか?
  2. そのことを決めるには、かかりつけの医療関係者に聞くのが最善である。10代の少女にとって鉄の一日推奨量は15 mgである。肉や家禽類、水産物、そして豆類やナッツ、野菜などに鉄が多く含まれている。他に、多くの鉄強化パン、シリアル、その他の穀類製品には鉄が添加されている。ベジタリアンは食品から十分な鉄を摂取することができる。しかし、植物性の食品に含まれている鉄の型は体に吸収されにくい。そのため、ベジタリアンは、そうでない人達のおおよそ2倍量の鉄を摂取する必要がある。
  3. ビタミンB6はPMSの症状を緩和するか?
  4. ビタミンB6は月経前症候群(PMS)に役立つかもしれないが、科学者達は確信していない。いくつかの研究は、ビタミンB6のサプリメント(一日に約80 mg)を摂取することがPMSの症状を緩和させるだろうことを示している。しかし、そのことを確認するにはより多くの研究が必要である。そして重要なこととして、サプリメントでビタミンB6を過剰に、成人なら一日に100 mg以上、摂取すると重度の神経系障害や他の問題を生じる可能性がある。
  5. 私の息子はADHDであり、医薬品は使用したくないと考えている。役立つサプリメントはあるのか?
  6. 多くの親が、ダイエタリーサプリメントが子供達の注意欠陥・多動性障害(ADHD)に役立つのかどうか知りたがっている。残念ながら、ほとんどのサプリメントは役立たず、いくつかのサプリメントは危険でさえある。もしダイエタリーサプリメントのような自然療法を考えているなら、関係機関の情報を見たり、医療関係者に相談しよう。

 ビタミンとミネラルはADHD向けの最も一般的なサプリメントである。もし息子さんが欠乏症であれば、医療関係者は食事の変更や特定のダイエタリーサプリメントの摂取を勧めるかもしれないが、必要でない摂取や過剰な摂取には有害となる可能性があることを覚えておこう。

ニュース

           カンナビジオール(CBD)やその他の大麻由来化合物を含む製品の人気が急上昇している。だが、それらの有効性や安全性、品質、規制についての疑問にはまだ答えがでていない。違法製品もあり、有害な作用を引き起こす可能性さえある。FDAが消費者向け情報を更新した。https://www.fda.gov/consumers/consumer-updates/what-you-need-know-and-what-were-working-find-out-about-products-containing-cannabis-or-cannabis

           NIH助成研究はビタミンDサプリメントが2型糖尿病を予防しないことを発見した。2型糖尿病の発症リスクが高い米国成人2,423名を対象にした研究。https://www.nih.gov/news-events/news-releases/nih-funded-trial-finds-vitamin-d-does-not-prevent-type-2-diabetes-people-high-risk

 

[ヘルスカナダ]情報更新:ヘルスカナダはアプリコットカーネルの摂取のリスクに関して国民に再度注意を喚起する

Information Update - Health Canada reminds Canadians about the risks of consuming apricot kernels

July 25, 2019

https://healthycanadians.gc.ca/recall-alert-rappel-avis/hc-sc/2019/70545a-eng.php

 ヘルスカナダはアプリコットカーネルの摂取によるシアン化物中毒のリスクに関して市民に再度注意を呼び掛ける。

 アプリコットカーネルには食べるとシアン化物が遊離するアミグダリンを天然に含む。ヒトの体は、少量のシアン化物なら排泄できるが、多量の場合にはシアン化物中毒になり、死亡する可能性もある。ヘルスカナダは国民をシアン化物中毒のリスクから保護するために、カナダ国内で食品として販売されるアプリコットカーネルに含まれる抽出可能なシアン化物の総量について最大基準値(20 ppm)を設定した。この最大基準値は、食品中の汚染物質及び混入物質のリストに加えられ、2020年1月25日に発効となる。発効日以前は、子供には決して食べさせてはならず、成人は一日に3粒未満にすること、そして砕いて他の食品と混合すること、という助言を継続する。

*Notice of Modification to the List of Contaminants and Other Adulterating Substances in Foods to Add a Maximum Level for Cyanide in Apricot Kernels

https://www.canada.ca/en/health-canada/services/food-nutrition/public-involvement-partnerships/modification-permitted-maximum-level-cyanide-apricot-kernels.html

 

[HK] 法令違反サンプル結果。ミニ上海菜サンプルの一つに基準値超過の残留農薬

Pesticide residue exceeds legal limit in baby Shanghai greens sample

Tuesday August 6, 2019

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20190806_7568.html

食品安全センターが検査したところ、ミニ上海菜サンプルにおいて、クロルピリホスが最大残留基準値0.1ppmのところ、0.34ppm検出であった。

 

[FDA]警告文書

-Atlantic Bakery Ltd. d.b.a. Old School Bakery

Jul 12, 2019

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/atlantic-bakery-ltd-dba-old-school-bakery-580244-07122019

食品CGMP規則違反、製造、包装または衛生管理、不純品の問題。

 

-Sinu Co., Ltd

Jul 24, 2019

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/sinu-co-ltd-585410-07242019

水産食品HACCP、食品CGMP規則違反、不純品、衛生管理の問題。

 

-Premium Production LLC

Jul 29, 2019

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/premium-production-llc-579705-07292019

ダイエタリーサプリメントのCGMP違反、不純品の問題。

 

-U.F.S. Industries, Inc. d.b.a. Sally Sherman Foods  

Jul 30, 2019

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/ufs-industries-inc-dba-sally-sherman-foods-580946-07302019

水産食品HACCP、食品CGMP規則違反、不純品、衛生管理の問題。

 

[FAO]気候変動に直面してアフリカの食糧安全保障にはより大きなレジリエンス(回復力)が必要

Greater resilience needed for African food security in the face of climate change

6 August 2019

http://www.fao.org/news/story/en/item/1204149/icode/

FAOや世界銀行等が協賛しルワンダ政府がホストを務めたアフリカ食糧安全保障リーダーシップ対話。

農家は常にイノベーターでなければならない。情報、技術、投資が必要で、革新の対話に参加すべきである。

(変化を拒否し農家を蚊帳の外におくEUがアフリカに影響力をもっているのが現状)

 

[FSSAI]メディアから

FSSAIの包装中へのおもちゃ指令の後、Nagpurの子どもがおもちゃを飲み込んで病気になった

After FSSAI’s toy in pack directive, Nagpur kid ingests toy, falls il  

05-08-2019

https://fssai.gov.in/upload/media/FSSAI_News_Toy_FNB_05_08_2019.pdf

FSSAIが食品事業者に対して食品包装の中におもちゃを含めないように助言した直後に、Nagpur市の子どもが贈り物としてもらった食品パッケージの中に入っていたおもちゃを飲み込んで病気になった。この報告を受けてFDA Maharashtraは食品事業者に、さらなる指示があるまでその製品の製造を中止するよう求めた。問題の製品はRock and Roll -Taggy Corn Rings。

(どういういれかただったのかわからないけれどスナックの袋の中に入れるのはさすがにダメだろう。チョコエッグは微妙。食玩は間違えないと思うけど)

 

論文

-母子の健康と栄養:PLOS Medicine特集号の第一週

Maternal and child health and nutrition: Week 1 of the PLOS Medicine Special Issue

6-Aug-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-08/p-mac073019.php

妊娠中に糖尿病、貧血、過体重だと女性の出産関連合併症リスクが高く、子どもが大きくなってからの健康にも影響する。数週間続く特集。

 

-USPSTFは症状のない成人への膵臓がん検診についてはまだ薦めない

USPSTF still recommends against screening for pancreatic cancer in asymptomatic adults

6-Aug-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-08/jn-usr080119.php

JAMA.2004年の助言を再確認

 

-ハンバーガーはそれほどアメリカ産ではないってどういう意味?

What do you mean the hamburger isn't all that American?

6-Aug-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-08/icft-wd080119.php

科学者とグラフィックデザイナーが協力して魅力的で情報が伝えられる、驚くようなビジュアルで研究のコミュニケーションを強化する

食品と農業分野の研究室にグラフィックデザイナーとメディアコンテンツクリエーターを協力させてコミュニケーションの強化を試みた。Nature Communications Biologyに発表。

https://www.nature.com/articles/s42003-019-0516-1

グラフィクスは以下から

https://datadryad.org/resource/doi:10.5061/dryad.7j5d5t0

 

-食事由来コリンは認知症リスク低下に関連

Dietary choline associates with reduced risk of dementia

6-Aug-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-08/uoef-dca080619.php

American Journal of Clinical Nutritionに発表された、フィンランドの約2500人の42-60才の男性を1984-1989年以降平均22年フォローした研究。ホスファチジルコリンの摂取量が最も多い男性は最も低い男性より28%認知症リスクが低かった。ホスファチジルコリンの主な摂取源は肉と卵。

 

-情動的支援をする動物の流行傾向

The growing trend of emotional support animals

6-Aug-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-08/uonm-tgt080619.php

研究者らは認証のための標準評価を提案

食品小売店にイヌ、飛行機の客室にネコ、コーヒーショップにトリ-情動サポート動物(ESAs)とよばれるコンパニオン生物が、これまで動物がいなかった場所にますます増えている。情動疾患や精神疾患と診断されている人の情動援助のために「認証された」動物を提供することが増えている一環である。米国心理学会のProfessional Psychology: Research and Practiceの論文で、Jeffrey Younggrenらがガイドラインを提案している。

(効果についてで、食品衛生とか感染症の考慮はされてない、盲導犬並に認めるとなると大変そう・・だって鳥なんかあちこちにおとしものする)

 

その他

-米国の科学者への信頼は軍と同程度

Natureニュース

US trust in scientists is now on par with the military

06 August 2019

Heidi Ledford

https://www.nature.com/articles/d41586-019-02389-8

研究者への信頼は増加している可能性があるが、研究不正や利益相反への懸念は残る

Pew Research Centerが行った4000人以上の調査結果が8月2日に発表された。

(グラフ有り。軍、宗教指導者、ニュースメディア、政治家が比較対象。)

 

-人間対地球:人新世を定義するためのクエスト

Natureニュース特集

Humans versus Earth: the quest to define the Anthropocene

06 August 2019  Meera Subramanian

https://www.nature.com/articles/d41586-019-02381-2

研究者らは新しい地質学的時代を指定できるかもしれない核の破片や水銀汚染、その他人類の活動の足跡を探っている

カナダのCrawford湖は小さいのに深いため水が完全に混ざることが無く泥の層が約1000年の過去を反映したものになっている。世界には他にも人新世の始まりの指標になる可能性があるとして研究されている場所がある。人新世はまだ公式に認められていない地質学的年代である。

 

-赤肉と鳥肉摂取と乳がんリスクを調べた研究への専門家の反応

SMC UK

expert reaction to study looking at red meat and poultry consumption and breast cancer risk

August 7, 2019

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-looking-at-red-meat-and-poultry-consumption-and-breast-cancer-risk/

International Journal of Cancerに発表された研究で、赤肉摂取は女性の乳がんリスクを増やすかもしれないが、家禽肉は保護的に働くかもしれないと報告する

Royal Marsden NHS財団トラスト腫瘍学コンサルタント栄養士Clare Shaw博士

この研究は質が高いものの、プレスリリースにはいくつか保留したい-そして論文にはいくつかの限界があるため報道には注意すべきである。

プレスリリースはたくさんの他の要因-飲酒、運動、喫煙-について正確に述べていない、論文では言及しているのに。これらの要因を考慮すると赤肉と乳がんリスクに有意な関連はなくなる。さらにこの研究の参加女性は全て近親者ががんである。このことはのべるべきである。この研究は関連であって因果関係ではない。また食事についての質問は最初に一回だけでありその後7年は評価されていない。

Cambridge大学がん疫学教授Paul Pharoah教授

関連は因果関係ではないことを思い出すのはいつだって重要である。著者らはプレスリリースと論文で因果関係を仄めかす言葉を使っているが、因果関係は確立されていない。

このような弱い関連は僅かなバイアスで簡単に生じる。あるいは交絡でも。赤肉の摂取量を減らす理由はたくさんあるが、この研究は食生活を変える理由にはならない。

King’s College Londonがん疫学准教授Mieke Van Hemelrijck博士

この研究では赤肉摂取と乳がんリスクの関連を示しているがこのリスクは相対リスクであることに注意。つまり23%のリスク増と言っているが絶対リスクは小さい。さらに姉妹が乳がんの女性の研究である-従って一般人にあてはまるのかはわからない。そして観察研究なので因果関係は主張できない

 

(オーストラリアSMCからのコメントは以下に

Poultry protection: Eating chicken may defend against breast cancer

Wed 7 Aug 2019

https://www.scimex.org/newsfeed/poultry-protection-eating-chicken-may-defend-against-breast-cancer

プレスリリースのタイトルは「赤肉を鳥肉に代えれば乳がんリスクが減るかも」なので因果関係を主張

Substituting poultry for red meat may reduce breast cancer risk

7-Aug-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-08/w-spf080619.php

これは出版社からのプレスリリース、著者はNIEHSのDale P. Sandler博士でこのシスタースタディでこんな発表もしている

Association Between Organic Food Consumption and Breast Cancer Risk: Findings from the Sister Study (P18-038-19)

https://academic.oup.com/cdn/article/3/Supplement_1/nzz039.P18-038-19/5517295

わりと雑に因果関係を主張する人達のようだがNIEHSの疫学部門の主任。)