2018-12-19

[ヘルスカナダ]ヘルスカナダは一回に提供される風味付き精製アルコール飲料のアルコール量を制限することを提案

Health Canada proposes action to restrict the amount of alcohol in single-serve flavoured purified alcohol beverages

December 18, 2018 

https://www.canada.ca/en/health-canada/news/2018/12/health-canada-takes-action-to-restrict-the-amount-of-alcohol-in-single-serve-flavoured-purified-alcohol-beverages.html

ヘルスカナダは新しく拡大中の飲料:アルコール量が多く一回分が大容量で販売される風味付き精製アルコール飲料、によるリスクを懸念している。これらは特に若者に公衆衛生上のリスクとなり、意図せぬ過剰摂取で入院することに関連がある。

本日一回分の容器で提供されるアルコール量を相当減らすために食品医薬品規制を改定する提案をした。提案では1000mL以下の容器に入ったアルコールの量は25.6mL以下に制限する。750 mL以上のガラス容器に入ったものは通常複数杯分なので例外となる。

 

(メディア報道によると商品名としてFCKED UPのような「カフェイン入りアルコール飲料568 mL缶」のようなものが標的らしい

Health Canada takes steps to restrict amount of alcohol allowed in sugary premixed beverages

https://www.cbc.ca/news/canada/montreal/health-canada-proposed-alcohol-sugary-restrictions-1.4950995)

 

[FDA]抗菌剤管理が改善したことを反映する食用動物への抗菌薬の販売/配布が低下しているというFDA2017年の報告についてのScott Gottlieb長官の声明

Statement from FDA Commissioner Scott Gottlieb, M.D. on the FDA’s 2017 report on declining sales/distribution of antimicrobial drugs for food animals, a reflection of improved antimicrobial stewardship

December 18, 2018

https://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm628737.htm

今年初めFDAAMR対策2019戦略を発表した。そして今日CVMが食用動物に使うための抗菌剤の販売/配布2017要約報告書で2016年から2017年の間に医学的に重要な抗菌剤の動物への使用のための販売と配布が33%減ったことを嬉しく思う。ピークだった2015年からは41%減である

(長い声明)

 

[FSANZ]食品基準通知

Notification Circular 69–18                 

18 December 2018

http://www.foodstandards.gov.au/code/changes/circulars/Pages/NotificationCircular6918.aspx

認可とフォーラム通知

・ワインの食品添加物としてのポリアスパラギン酸カリウム

申請却下

・未殺菌ミルクで作った英国農場風チェダーチーズ(の輸入販売)

・チーズの製造に未殺菌ミルクを使うこと

 

-食品基準ニュース

Food Standards News - December 2018

https://mailchi.mp/foodstandards/food-standards-news-october18-1298829?e=21527ddb09

イベント案内、FSANZの仕事の紹介、ハッピー(で安全)な祭日を!

 

論文

-これまでで最も強い根拠が慢性疲労症候群と過度に活発な免疫系を関連させる

Strongest Evidence Yet Links Chronic Fatigue Syndrome And an Overactive Immune System

CARLY CASSELLA  18 DEC 2018

https://www.sciencealert.com/chronic-fatigue-syndrome-might-be-caused-by-an-overactive-immune-system

King's College Londonの研究者らがPsychoneuroendocrinologyに発表した研究。

慢性C型肝炎患者55人にインターフェロンαで治療をしたところ18人が正常に回復せず長く続く疲労を発症した。18人は治療前と中の免疫応答が大きかった。つまり免疫系の過剰な活性化が長く続く疲労の原因である可能性がある。しかし奇妙なことに、治療後6ヶ月経って過剰な免疫応答は全て消失したのに一部の患者は続く疲労に苦しんでいた。その患者の免疫系は健康な人と差はなかった。慢性疲労症候群が発症したようだ。

(免疫系を「強化」してはいけないらしい?)

 

-減塩と心不全 系統的レビュー

Reduced Salt Intake for Heart Failure  A Systematic Review

Kamal R. Mahtani, et al.,

JAMA Intern Med.  2018;178(12):1693-1700.

https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/article-abstract/2712563

質の高い根拠(RCT)はない

減塩と心不全:不確実性が大きすぎる-試験をしよう

Sodium Restriction in Heart Failure: Too Much Uncertainty—Do the Trials

Clyde W. Yancy,

JAMA Intern Med.  2018;178(12):1700-1701

https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/article-abstract/2712558

(減塩の、しっかりしたRCTで心臓のエンドポイントまで観察する研究とは?対照群と塩以外で同じ食事を何年も、というのがどうすれば実施できるのか想像しがたいし介入群と対照群はもろわかるよね。盲検は無理でその時点で「質が低い」になるけど)

 

-レジまわりの食品政策が食生活を変えるかも、研究が発見

Checkout aisle food policies may change diets, study finds

18-Dec-2018

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-12/p-caf121118.php

英国ケンブリッジ大学の研究者らがPLOS Medicineに今週発表した新しい研究によると、スーパーのレジの周辺におく食品を規制するとお菓子やチョコレート、ポテトチップなどの購入が減る。

 

-伝統薬の研究はサハラ以南のアフリカで現代医薬品があるにもかかわらず使用が多いことを発見

Study of traditional medicine finds high use in Sub-Saharan Africa despite modern medicine

18-Dec-2018

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-12/uots-sot121718.php

BMJ Global Healthに発表されたサハラ以南のアフリカでの伝統的補完代替医療TCAMの使用に関する系統的レビュー。相当多く使われていてその理由は「普通の医薬品」が手に入らないから、だけではない。ナイジェリアとエチオピアでは94%までがTCAMを使用、平均は60%弱。最も多いのはハーブなどで次が信仰に基づくヒーリング。利用者は一般的に社会経済的地位と教育レベルが低い可能性が高い。医療提供者には使っていることを伝えていない。普通の医療が使えるようになるとTCAMも同時に増えることが観察されている

 

-持ち帰り容器-私達の大好きなファストフードの包装の環境コスト

Takeaway containers -- the environmental cost of packing our favorite fast-foods

18-Dec-2018

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-12/uom-tc-121818.php

新しい研究によるとEUだけで年に202500万の持ち帰り容器が使われている。捨てられる容器のリサイクル方法を見つけれられれば温室効果ガスの排出が年に55000台の車により生じるのと同じくらい減らせる。容器の種類による比較では発泡スチロールがアルミやプラスチックより二酸化炭素排出量が少ない。再利用可能なタッパーウエアなら18回以上使えば発泡スチロールより二酸化炭素排出量が少なくなる。

Journal of Cleaner Production

 

その他

-ジャンクサイエンスは儲かる産業になった。誰がそれを止めるだろう?

Junk Science Has Become a Profitable Industry. Who Will Stop It?

By S. Stanley Young & Henry Miller

November 26, 2018

https://www.realclearscience.com/articles/2018/11/26/junk_science_has_become_a_profitable_industry_110810.html

我々はニュースの見出しを信じるべきだろうか?「毎日コーヒーを4杯飲むと脂肪リスクが減る」?「マウスウォッシュは糖尿病の引き金を引く」?脂肪はもっと多く食べるべきなのか減らすべきなのか?配偶者がいるほうが長生きするというデータについてはどうすればいい?

この種の科学研究と称するものの結論は毎月変わり「専門家」の助言も変わる。しかしそのほとんどは欠陥のある研究に基づき昼間のテレビ番組にふさわしい話題を作る。間違った研究は社会に直接コストとなる。それは連邦政府のお金が使われているからだ。そして間違った政策につながると間接的に負担になる。特に悪名高いのが社会科学である。

(以下学術雑誌やアカデミアの問題点指摘。結果がわかってから仮説を作るHypothesis After the Result is Known, HARKingという用語があるんだな)

 

-「公平じゃない」:オーストラリア最大の反ワクチンホットスポットの中で

I don’t think it’s fair’: Inside Australia’s biggest anti-vaccination hot spot

December 19, 201810

https://www.news.com.au/lifestyle/parenting/babies/i-dont-think-its-fair-inside-australias-biggest-antivaccination-hotspot/news-story/157f30402faee0845602184f524434f3

海辺の町Byron Bayは予防接種率が最低で子どもの教育に悪影響が出ている。昨晩の7.30の番組ではこの町の反ワクチン運動の影響を検討した。

Byron BayMt Warning Community幼稚園では子供たちの半分が予防接種をしていない。新しい州政府の方針で予防接種をしていない子どもは幼稚園に通えなくなった。このことで親たちが重要な教育を受けられないと心配している。さらに予防接種をしている子供たちにとっても、地元の幼稚園が閉鎖されることで影響を受ける可能性がある。

予防接種の全国平均は94.62%なのにこの反ワクチンホットスポットでは約1/3が予防接種を受けていない。反ワクチンの母親はそれでも自分たちが犠牲者だと言い、(幼稚園に行けないのは)「公平じゃない」という。

反ワクチンは既に運動から産業になっている。ナチュラルセラピストからオーガニック食品店、ウェルネスコーチやヨガ教室まで、それはライフスタイルである。

「予防接種をしなければ公共の学校に行けない」方針は一部の親の予防接種を推進したが多くはそれだけでは動かない。百日咳で子どもが死亡したByronの母親Toni McCafferyは予防接種推進活動に参加している。

 

-Natureニュース

2018年を形作った科学ニュース

2018 in news: The science events that shaped the year

https://www.nature.com/articles/d41586-018-07685-3

気候変動関連-山火事、政治、裁判

ポピュリズム変動-ブラジル、イタリア、ハンガリー

正しい角度-グラフェンの驚くべき性質、単位

ゲノム編集ベビー

研究者のいじめやハラスメント

学術論文のオープンアクセス

私を月に連れて行って

など

 

今年の10

Nature’s 10

https://www.nature.com/immersive/d41586-018-07683-5/index.html

Yuan Cao グラフェンのカウボーイ

Viviane Slon 人道の歴史家

He Jiankui CRISPRのならず者

Jess Wade 多様性の王者(Wikipediaのマイノリティの記事を何百も書いた)

Valérie Masson-Delmotte 地球を監視(IPCC報告に関与)

Anthony Brown 星の地図を書く人

Bee Yin Yeo:環境の援軍 (マレーシアの科学環境大臣)

Barbara Rae-Venter DNA探偵

Robert-Jan Smits オープンアクセスの主導者

Makoto Yoshikawa 小惑星ハンター