2020-03-10

[EFSA飼料と食品中の塩素化パラフィンのリスク評価

Risk assessment of chlorinated paraffins in feed and food

EFSA Journal 2020;18(3):5991  9 March 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5991

欧州委員会は、飼料と食品中の塩素化パラフィン(CP)の存在に関する動物やヒトの健康のリスクについての科学的意見をEFSAに求めた。実験動物のデータがレビューされ、CONTAMパネルは、SCCP(短鎖CP)と MCCP(中鎖CP)の混合物の反復投与毒性試験での標的臓器として肝臓、腎臓、甲状腺を確認した。子ども犬の生存率の低下と皮下の血腫/出血もMCCP混合物の重大な影響として確認された。検査したLCCP(長鎖CP)混合物では、肝臓が標的臓器として確認された。パネルは、SCCPsとMCCPsの参照用量BMDL10としてオスのラットの腎炎の発生増加について 2.3 mg/kg bw/日、オスとメスのラットの相対腎臓重量の増加について36 mg/kg bw /日を選択した。LCCPsには、ヒトにあてはまる基準点は確認できなかった。トキシコキネティクスと毒性学的データベースに限りがあるため、パネルは健康に基づくガイダンス値の導出は適切ではないと結論した。いくつかの魚種のSCCPs と MCCPsの発生に関する限られたデータだけがEFSAに提出された。LCCPsのデータは提出されなかった。それゆえ、堅固な暴露評価と完全なリスクキャラクタリゼーションは実施できなかった。魚の摂取だけに基づく予備的のリスクキャラクタリゼーションが実施され、算出された暴露マージンは、この限られたシナリオで健康上の懸念がないことを示唆した。パネルは、他の食品からのCPsの寄与により、食事暴露はより高いだろうと注意した。パネルは家畜、馬、ペットの基準点を確認できなかった。飼料の発生データはEFSAに提出されなかった。そのため、これらの動物種のいずれについてもリスクの性質決定を行えなかった。

(注:SCCP C10-12、MCCP C14-17、LCCP C22-26)

 

-飼料と食品中の塩素化パラフィンのリスク評価案に関するパブリックコメント募集結果

Outcome of a public consultation on the draft risk assessment of chlorinated paraffins in feed and food

9 March 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1815

意見は2019年12月17日にCONTAM本会議で採択され、EFSA Journalで発表された。

 

[EFSA]食品中のアフラトキシンのリスク評価

Risk assessment of aflatoxins in food

EFSA Journal 2020;18(3):6040  9 March 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6040

EFSAは食品中のアフラトキシンの存在に関する公衆衛生リスクについての科学的意見を出すよう求められた。このリスク評価はアフラトキシンB1 (AFB1)、AFB2、AFG1、AFG2、AFM1に限定された。この評価ではアフラトキシンの発生に関する200,000以上の分析結果が使用された。穀物と穀物ベース製品が全年齢クラスでAFB1への平均慢性食事暴露に最大の貢献をし、一方で「液体牛乳」や「発酵乳製品」はAFM1の平均暴露の主な貢献者だった。アフラトキシンは遺伝毒性で、AFB1はヒトの肝細胞癌(HCCs)の原因になることがある。CONTAMパネルは、AFB1暴露後のオスのラットのHCC発生率が10%のベンチマーク反応を示す0.4 μg/kg 体重 (bw) /日のベンチマーク用量信頼限界の下限値(BMDL)を選択し暴露マージン(MOE)アプローチで使用した。ヒトのデータからのBMDLの算出は適切ではなく、代わりに、2016年の食品添加物に関するFAO/WHO合同専門委員会で推定されたがんポテンシー(強度)が使用された。AFM1には、AFB1と比較して0.1のポテンシー係数が使用された。AFG1、AFB2、AFG2には、in vivoデータはポテンシー係数を導出するには十分ではなく、これまで同様AFB1に等しいと想定された。AFB1暴露のMOE値は5,000~29の範囲で、AFM1では100,000~508だった。算出されたMOEsはAFB1では10,000以下で、いくつかの調査では、特に若い年齢グループでは、AFM1でも10,000以下だった。これは健康上の懸念がある。AFB1 と AFM1への暴露を受けて、ヒトに推定されたがんリスクはMOEsから出された結論に従っている。この結論は全5種類のアフラトキシンへの複合暴露にも当てはまる。

 

-食品中のアフラトキシンのリスク評価案についてのパブリックコメント募集結果

Outcome of a public consultation on the draft risk assessment of aflatoxins in food

9 March 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1798

意見は2020年1月30日にCONTAM本会議で採択され、EFSA Journalで発表された。

 

[EFSA]意見等

-新規食品としての酵母Yarrowia lipolyticaのクロム強化バイオマスの安全性

Safety of chromium‐enriched biomass of Yarrowia lipolytica as a novel food pursuant to Regulation (EU) 2015/2283

EFSA Journal 2020;18(3):6005  6 March 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6005

欧州委員会の要請を受けて、EFSAの栄養・新規食品及び食品アレルゲンに関するパネル(NDA)は、EU規則2015/2283に従って新規食品(NF)としての酵母Yarrowia lipolyticaのクロム強化バイオマスについての意見を出すよう求められた。このNFは乾燥して加熱殺菌されたY. lipolyticaのクロム強化バイオマスである。この酵母種は天然に広く存在し、環境や食品中に見られ、2018年にこの酵母のバイオマスをベースとした食品や飼料製品などの生産目的で安全性適格推定(QPS)ステータスとされた。塩化クロムが存在する時の生産工程、発酵は、この酵母の加熱殺菌段階を含んでいて、結果的にこのNFに生存能力のあるY. lipolyticaはないことになる。このNFの最大総クロム含有量は、Cr(III)として存在するクロムで23 μg Cr/gである。申請者は食品サプリメントとしてこのNFの使用を提案した。申請者が提案した対象集団は3歳以上の一般人で、最大提案使用量は3~9歳の子供には2 g/日、それ以上は4 g/日である。このNFの提案使用量で、背景となるクロムの多い食事に加えて、このNFにより提出されたクロムの合わせた摂取量は、全ての対象集団グループのクロム(III)の耐容一日摂取量(TDI)をはるかに下回る。パネルは、このNF、酵母Y. lipolytica,のクロム豊富なバイオマスは、提案した使用条件で安全だと結論した。

 

-確証データを踏まえたイソピラザムの農薬リスク評価に関する加盟国、申請者、EFSAとの協議結果

Outcome of the consultation with Member States, the applicant and EFSA on the pesticide risk assessment for isopyrazam in light of confirmatory data

6 March 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1811

英国が協議結果をまとめ、EFSAの科学的見解と個別に受け取ったコメントの結論を提示した。

 

-Lactobacillus reuteri DSM 17938株とLactobacillus reuteri ATCC PTA 5289株の組み合わせを含む口腔内分散性トローチと正常な歯肉機能:健康強調表示の評価

Orodispersible lozenges containing a combination of Lactobacillus reuteri DSM 17938 and Lactobacillus reuteri ATCC PTA 5289 and normal gum function: evaluation of a health claim pursuant to Article 13(5) of Regulation (EC) No 1924/2006

EFSA Journal 2020;18(3):6004  6 March 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6004

スウェーデン当局を経てEC規則No 1924/2006条項13(5)の健康強調表示の認可のために提出されたBioGaia AB社からの申請を受けて、EFSAの栄養・新規食品及び食品アレルゲンに関するパネル(NDA)は、Lactobacillus reuteri DSM 17938株とLactobacillus reuteri ATCC PTA 5289株の組み合わせを含む口腔内分散性トローチと正常な歯肉機能に関する健康強調表示の科学的実証に関する意見を出すよう求められた。この申請の範囲は新しく開発された科学的証拠に基づく健康強調表示に該当するという提案がなされた。パネルはLactobacillus reuteri DSM 17938株とLactobacillus reuteri ATCC PTA 5289株の組み合わせを含む口腔内分散性トローチは、十分に性質決定されていると考えた。通常の歯肉機能の維持は有益な生理学的効果である。結論を出すことができた、歯肉炎だが歯周炎のない被験者の適切な歯肉の結果(プロービング時の出血(PoB)や歯肉炎指数(GI))について提案された使用条件(すなわち、1日に2回摂取)でL. reuteriを含むトローチの効果を調査した2つの研究のうち、1つはBoPや他の歯肉の結果に大きな効果を示し、1つは効果を示さなかった。1つのトローチを毎日使用する1つの研究で効果は見られなかった。提案した使用条件で、歯肉炎だが歯周炎ではない被験者の改変GI(及びBoPやGIではない)を調査した、あるいは歯周炎患者で実施された3つの研究は、歯肉機能に関するL. reuteriトローチの効果を支持する。慢性歯周炎患者の歯肉炎の結果を改善することができるL. reuteriを含むトローチの摂取によるメカニズムに数件の証拠が提出されているが、この主張の対象集団(すなわち歯周炎のない被験者)にそのようなメカニズムがあてはまるかどうかは不確かである。Lactobacillus reuteri DSM 17938株とLactobacillus reuteri ATCC PTA 5289株の組み合わせを含む口腔内分散性トローチの摂取と正常な歯肉機能の維持の因果関係を立証するには、提出された証拠は不十分だとパネルは結論した。

 

[IARC]世界がん報告:がん予防のためのがん研究-印刷物で入手可能

World Cancer Report: Cancer Research for Cancer Prevention – now available in print format

9 March 2020

https://www.iarc.fr/news-events/world-cancer-report-cancer-research-for-cancer-prevention-now-available-in-print-format/

印刷されたものの販売とPDFでの無料ダウンロードが可能

 

[FSSAI]メディアコーナー

コロナウイルスはシーフードやチキンやマトンを介して拡散しない

Coronavirus Is Not Spread Through Sea Foods Chicken And Mutton

09-03-2020

https://fssai.gov.in/upload/media/FSSAI_News_Corona_Herald_09_03_2020.pdf

FSSAIの長官G S G Ayyangarが木曜日に、コロナウイルスはチキンやマトンやシーフードを食べることで広がるという科学的根拠はない、と言い、ウイルスは高温では生存できないだろうと主張した。

彼は「これは基本的に動物のウイルスである。どうやって広がるかを調べるのは科学者に任せよう。しかし我が国は熱帯の国で気温が35-36度に上がればウイルスは生きられない。冬が終わって気温が上がることを神に祈ろう」と言った

(途中から???後半で自分は科学者だと言っている。)

 

[FTC]FTC、FDAは7つの企業に対して根拠のないコロナウイルス予防や治療効果を宣伝したことに警告文書を送った

FTC, FDA Send Warning Letters to Seven Companies about Unsupported Claims that Products Can Treat or Prevent Coronavirus

March 9, 2020

https://www.ftc.gov/news-events/press-releases/2020/03/ftc-fda-send-warning-letters-seven-companies-about-unsupported

(アロマやハーブやコロイド銀など。FDAの警告文書参照)

-消費者向けブログ

FTC & FDA:詐欺的コロナウイルス治療販売業者に警告

FTC & FDA: Warnings sent to sellers of scam Coronavirus treatments

March 9, 2020 by Colleen Tressler

https://www.consumer.ftc.gov/blog/2020/03/ftc-fda-warnings-sent-sellers-scam-coronavirus-treatments

先月私達はあなたにコロナウイルスを取り巻く恐怖を悪用した詐欺に注意するよう呼びかけた。今日は更新。FTCとFDAはコロナウイルス予防や治療を宣伝している製品を売っている7社に合同で警告文書を送った。

コロナウイルス対策にはCDCの助言を参考にするように。

 

[EU]SCHEER ファクトシート

何故危険な可能性のあるフタル酸が医療機器に使用できて、誰がその使用を正当だと決めている?

Why are potential dangerous phthalates allowed in medical devices, and who decides if their use is warranted?

https://ec.europa.eu/health/sites/health/files/scientific_committees/docs/citizens_phthalates_en.pdf

リスクベネフィット解析のガイドラインについての紹介

 

[FDA]ホメオパシーと表示してある医薬品;FDAのスタッフと企業向けのガイダンス案

Drug Products Labeled as Homeopathic; Draft Guidance for Food and Drug Administration Staff and Industry

https://www.regulations.gov/document?D=FDA-2017-D-6580-4828

2020年3月23日まで意見募集中

(既に約5万のコメントが届けられていてホメオパシー団体が規制強化反対運動中。相変わらず尋ねられている具体的内容に関係なく団体の主張(ホメオパシーを選ぶ自由)をコピペするだけ。パブコメは多数決ではないのに活動家は常にこういう使い方をする。何かやった気になってそれが権力に無視された、という演出をしたいだけ?)

 

[FSANZ]食品基準通知

Notification Circular 117-20

10 March 2020

https://www.foodstandards.gov.au/code/changes/circulars/Pages/Notification117-20.aspx

認可とフォーラム通知

加工助剤としてのGM Trichoderma reesei由来キシラナーゼとグルコースオキシダーゼ

 

論文

-納税者のお金を環境と公共の利益のためにより多く使う

More taxpayers' money for the environment and public benefit

9-MAR-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-03/gcfi-mtm030620.php

欧州共通農業政策(CAP):3600人以上の研究者らが考慮すべき科学を要請

現在EUが今後7年の農業政策への資金提供ガイドラインを決めている。欧州は年間予算の約1/3を農業と地方の発展に使っている。これらの公共投資は主に農家の収入保障に使われていて、その中には集約的農業も含まれる。

世界生物多様性評議会(IPBES)は生物多様性の消失の最大の原因は集約的農業だという。欧州の多くの科学者が2020年以降のCAPは現在の提案では不適切であるとしてPeople and Nature最新号に意見表明を行った。最優先事項は農家への収入保障を社会の期待に応えた行動に対する見返りに変更すること

(「農業」を食料生産のためのものではなく「環境」のためにお花畑を作るものにしたいらしい。食料は外国から輸入するから?)

 

-服を着ると洗ったときより多くの微小繊維を環境に放出する可能性がある

Wearing clothes could release more microfibres to the environment than washing them

9-MAR-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-03/uop-wcc030920.php

ひとりの人が1年間に環境中に放出するポリエステルマイクロ繊維は洗うことで約3億、ただ着ているだけで約9億。Environmental Science and Technology。著者らはマイクロプラスチック汚染は衣類から直接空中に放出されるものを考慮していないので過小推定だと主張。

(「マイクロプラスチック」は塩や水からみつかっているものよりたくさん自分の服から直接吸ってるだろうと)

 

その他

-Sense about science

2020年John Maddox賞候補者推薦開始

Nominations for the John Maddox Prize 2020 open

https://senseaboutscience.org/activities/nominations-for-the-john-maddox-prize-2020-open/

2020年5月11日まで

 

-英国のキャノーラの減少はネオニコの禁止のせい

U.K. canola decline blamed on neonic ban

March 5, 2020  By Robert Arnason

https://www.producer.com/2020/03/u-k-canola-decline-blamed-on-neonic-ban/

2012年には英国の農家は約180万エーカーの油糧菜種を植えていた。しかし過去8年、栽培面積は一貫して減少し、2019年には130万、2020年には104万になるだろう。

収量は変わらないが栽培面積は減った。その最大の理由の一つはネオニコチノイドである、いやネオニコが無いことである。ネオニコ種子処理を失って油糧種子を育てるのが困難になった。欧州は2013年にミツバチにとって魅力的な花を咲かせる作物に、ミツバチへのリスクの可能性があるとしてネオニコを禁止した。

一部の環境団体はネオニコは作物生産に必要ないと主張する、なぜなら欧州の禁止以降収量が減っていないから、と。しかしそれは全体をみていない話である。英国のデータでは2013年から2019年の間に収量は一定である、しかし数千エーカーの畑は毎年収穫されていない、昆虫の害が大きいため。もし全ての栽培面積と最終的に得られた収穫重量を出せば、収量は恐ろしく減っている。そして英国の油糧種子栽培者が減った。諦めたのだ。残った農家はおそらく優良生産者でそのことが平均収量をあげる。

生産者は主要害虫であるキャベツノミハムシ(cabbage stem flea beetles)に苦労している。ネオニコ禁止以降この害虫の管理はますます困難になっている。そして残念なことに一部の農家はピレスロイドを過剰に使っている。もう一つの対策としては害虫耐性遺伝子を導入すること。

英国のEU離脱でEUの規制から逃れる可能性はあるがそれはおこるのだろうか?

(ミツバチを守るための規制でミツバチの餌が減ったという話。)