[ProMED]原因不明の疾患-インド(第6報):(アンドラプラデシ)有機塩素殺虫剤疑い、情報求む
Undiagnosed illness - India (06): (AP) fatal, organochlorine pesticide susp, RFI
2020-12-09
https://promedmail.org/promed-post/?id=8003669
[1]から[6]まであるうちの一部
2020年12月5日の午後3:30、Eluru自治区のKandrika Gudemの熱や頭痛や嘔吐、下痢、嘔吐、外傷などの経験が無い45才の男性がけいれんを報告。それから多数の人がけいれんを報告。一部は嘔吐も。午後7時から11時の間に同様の症状が合計100人で報告。
12月6日は210症例、12月7日は30例、これまで340例報告。168人は退院し1人死亡
生体や食品等の検体は分析中。
WHOから専門家が派遣される予定
[WHO]WHOは世界の主要な死亡と障害の原因を明らかにする: 2000-2019
WHO reveals leading causes of death and disability worldwide: 2000-2019
9 December 2020
本日発表したWHOの2019世界健康推定によると10大死因のうち7が非伝染性疾患
1位は依然として心疾患
Global Health Estimates (GHE)
https://www.who.int/data/global-health-estimates
論文
-伝統薬への野生哺乳類の使用
The use of wild mammals in traditional medicine
9-DEC-2020
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-12/w-tuo120720.php
出版されている研究の解析から、世界中で565種の哺乳類が伝統薬の原材料として使われていることが同定された。特にアジア、アフリカ、ラテンアメリカで。Mammal Reviewに発表されたこの解析によるとそのうち155は絶滅のおそれがある
-英国政府のcovid-19アドバイザーの利益相反は開示されていない
Conflicts of interest among the UK government's covid-19 advisers are not transparent
9-DEC-2020
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-12/b-coi120820.php
BMJの探求の試みは阻止された
英国政府のパンデミック対応に助言を与えている医師や科学者や大学人の利益相反についてはほとんどわかっていない。BMJはそれを追求しようとしたが阻止された
covid-19パンデミック中の決定については、個人保護具から検査キット、ワクチン協定に至るまで、議論の多い、時に矛盾する政策決定がなされてきたため透明性を求める声が大きくなった、とフリーのジャーナリストPaul D Thackerは書く。SAGEのメンバーについては開示されたが彼らの経済的利益相反は開示されていない。BMJが開示請求したが拒否された
(当初はSAGEメンバーすら非公開だったから)
-鳥に聞け:違法ダイエット錠剤DNPは長期的にはあなたを殺すかもしれない
Listen to the birds: illegal diet pill DNP might kill you on the long run
9-DEC-2020
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-12/uot-ltt120920.php
DNPは違法な減量薬だがインターネットでは販売され死亡者も報告されている。フランスのCNRS/ストラスブール大学のStier博士等のチームがキンカチョウ(鳥)で4年以上DNP投与した長期試験を行った。急性毒性が出ずに僅かに代謝を増加させる影響を与える量を投与し、一見健康的で特に老化が早まる兆候もなかったが、寿命が20%短くなった。ヒトでは15年に相当する。
Comparative Biochemistry and Physiology Part C: Toxicology & Pharmacology
-グリホサートは将来世代の病気を予測するバイオマーカーを作り得る
Glyphosate can create biomarkers predicting disease in future generations
9-DEC-2020
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-12/wsu-gcc120920.php
Epigeneticsに発表された、グリホサート暴露されたラットの精子には将来世代を病気にするヒストンの特徴を誘発すると主張する論文。著者はMichael Skinner。
(メチル化やヒストンのエピジェネティック変化を介して世代を超えて毒性影響が引き継がれるという主張は内分泌攪乱物質ブームの時からずっとSkinnerの研究室から発表されつづけている。物質が常に流行を追いかけていて、ダイオキシン、ビンクロゾリン、アトラジン、そして最近はグリホサート。他の研究室で再現できないことも変わらず。最初に注目されたのが2005年のScienceだからもう20年近く、物質を変えて同じことを言い続けている。この説が本当なら人類は世代を重ねるごとに不健康になるはず。なおこの分野の大御所といったところなのでこの界隈では化学物質の有害影響が世代を超えることが既定事実。環境系はこういう人が結構主流。)
その他
-Natureアートレビュー
数十億ユーロの脳プロジェクトの内部崩壊を描いたドキュメンタリー
Documentary follows implosion of billion-euro brain project
07 DECEMBER 2020 Alison Abbott
https://www.nature.com/articles/d41586-020-03462-3
In Silico
監督: Noah Hutton Sandbox Films (2020)
2013年10月、私はスイスローザンヌでのヒト脳プロジェクトの開始イベントにNatureの代表として参加した。私はこのプロジェクトの真のミッションを理解したかったがイライラが募るばかりだった。その後このプロジェクトの壮大な失敗と分散が明らかになった。
Noah Huttonのドキュメンタリー映画In Silicoはその欧州委員会が華々しく宣伝したプロジェクトの背景がどのようなものだったのかについての感触を捉えている。それはヒトの脳の働きについての理解を飛躍的に進めると誇大宣伝されていたが、実際には欧州全体に怒った神経科学者を残した。しかし何がそんなに間違っていたのかはわかりにくい。
Huttonは2009年に22才でHenry Markramの話に惚れ込み、やがてヒト脳プロジェクトを率いることになったHenry Markramに毎年10年にわたって記録する許可をとった。そのときはまさかこうなるとは全く予想していなかった。2010年に最初の記録を始めた
(以下略)
-Scienceニュース
メキシコのコロナウイルス皇帝はCOVID-19が急増して批判に直面
Mexico’s coronavirus czar faces criticism as COVID-19 surges
By Rodrigo Pérez Ortega Dec. 9, 2020
https://www.sciencemag.org/news/2020/12/mexico-s-coronavirus-czar-faces-criticism-covid-19-surges
2月からずっとコロナウイルスについての記者対応を行ってきたメキシコの予防健康増進次官Hugo López-Gatell Ramírez。Johns Hopkins大学の疫学のPh.Dを取得してH1N1にも対応してきた。大統領より有名にすらなったが国の患者数が増えると批判も増えた
検査の少なさ(根本原因は資金不足)、予想が当たらなかったこと、国境封鎖に反対したこと(当時はそれが共通見解だった)、マスクは偽りの安心感を与えるので他の対策をしなくなるとして義務化しなかったことなど
-SMC NZ
2020十大科学ニュース
Top Ten Science Stories of 2020
10 December 2020
https://www.sciencemediacentre.co.nz/2020/12/10/top-ten-science-stories-of-2020/
コロナウイルス関連トップ10
・新型コロナウイルスの出現
・ニュージーランドで初の患者
・ロックダウンから根絶まで
・ロックダウンの影響
・感染拡大阻止
・ゲノム配列からウイルスを追跡
・他の病気への影響
・治療の開発
・有効なワクチンの展開
・インフォデミック
ウイルス以外のトップ10
・娯楽用大麻と安楽死の国民投票
・気候変動を計算する
・火事、干ばつ、洪水との戦い
・DARFIELD地震から10年
・災害予測とリスクコミュニケーション
・サイバー攻撃を受ける
・月の水-そして金星に生命?
・先住民の知識を優先する
・科学研究における不平等
・NZの将来の科学への出資