2021-02-03

[EU]査察報告

-インド―ハーブとスパイス類のアフラトキシン管理と微生物汚染

India―Aflatoxin control and microbiological contamination in herbs and spices

01/02/2021

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4332

2020年2月25日~3月4日までインドで実施した、EU輸出用香辛料の公的管理システムが、微生物汚染を予防しEU法の汚染(アフラトキシン)基準内であるという保証を提供できるかどうか評価し、ナツメグやチリなど追加措置の対象となる香辛料に特に注意して以前の査察の助言をフォローアップし、ウコン抽出物を含む特定の食品サプリメントに関連する肝炎のアウトブレイクの緊急警告通知をフォローアップするための査察。管轄機関は以前の査察以降対策を講じ、助言のほとんどは効果的に対処されている。だが、生産者の微生物学的安全性と検査がこの管理システムに含まれていないため、EU輸出用香辛料がEC規則の条件に従って生産されていることを保証できない。HACCPに基づくプログラムがすべての香辛料の輸出業者に必須ではないため、信頼性に疑問がある。訪れた輸出施設で生産されたウコン抽出物とEUの肝炎のアウトブレイクとに関係はない。

 

-管理団体―トルコで管理している認可CBが適用するオーガニック生産基準と管理対策

Control Body 2020-7039―organic production standards and control measures applied by a recognised CB operating in Turkey

28/01/2021

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4330

2020年9月14~25日にトルコで実施した、管理団体のオーガニック生産基準と管理対策の適用を評価するための査察。COVID-19パンデミックのため、この査察は文書交換とビデオ会議によりリモートで行われた。管理団体には、職員の能力と公平性を確保し、作業を計画しモニターするための適切な文書化手順があり、リモートでの査察方法で評価される限り一般に包括的で適切である。検査や非オーガニックの種子の損傷と管理者の違反のフォローアップに欠点が確認されたが、概して、管理団体はEUと同等効果の管理手段を適用している。

 

[EU]EU保健政策プラットフォームウェビナー-欧州の子宮頸癌根絶への道のり

EU Health Policy Platform webinar - Europe’s path to eliminating cervical cancer (5 February 2021, 14.00–15.00 CET)

https://ec.europa.eu/health/sites/health/files/policies/docs/ev_20210205_ag_en.pdf

 

[EFSA] ワン –ヘルス、環境、社会 – 2022年会議

ONE – Health, Environment, Society – Conference 2022

1 February 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/news/one-health-environment-society-conference-2022

2022年6月21-24日―ブリュッセルおよびオンライン

予定を空けておいて!

食品システムは目下、気候変動との戦いから生物多様性の損失を食い止め廃棄物の削減まで、私たちの直面する多くの重要な課題の交差点にある。

このような課題に対処するには、国連の開発目標や欧州委員会のグリーンディールの核心にある持続可能な未来への目標に設定されているように、緊急の行動が必要である。EFSAは他のEU機関、加盟国、国際パートナーと協力してこれらの目標の支援に取り組んでいる。

これらの課題に対応するために、リスク評価科学は今後数年間でどのように展開するだろうか?ヒト、動物、環境の健康は表裏一体だという証拠が増えている。つまり、リスク評価科学は食品/飼料の安全性に限定することはできないことを意味している。「one health-one environment」アプローチに軸を置くには、より広い観点で捉える必要がある。

2022年6月21-24日ブリュッセルで開催されるONE – Health, Environment, Society ―2022年会議の科学プログラムが、欧州疾病予防管理センター(ECDC)、欧州化学庁(ECHA)、欧州環境庁(EEA)、欧州医薬品庁(EMA)、欧州委員会共同研究センターと協力して形成されるのはそのためである。

EU加盟国、EFSAの国際パートナーや科学者たちも、この科学プログラムを共同開発するために招待される。

多様な背景と専門知識を持つ科学者たちを集めることで、この会議は知識を共有する重要な機会となり、EUの政治的議題に関する重要な話題を扱う、重要な議論に貢献するだろう。

持続可能性の指針に従って、この会議はリモートで参加できる混成形式で開催されるため、旅行の排出量を削減しながら幅広い支援活動を確保する。

主なテーマと目標

・持続可能性のより広い観点から食品および飼料の安全性を検査すること。

・リスク評価科学で可能な開発を探ること。

・将来の戦略目標やレギュラトリーサイエンスの方向性を振り返ること。

・EUグリーンディールなどの新たな政策目標やその戦略の実施に寄与すること。

主な日程

・2021年5月/6月:口頭およびポスター発表の摘要の募集開始

・2021年9月:摘要提出期限

・2022年1月:登録開始

・2022年6月21-24日:会議

プログラム、登録、摘要募集についての詳細は後ほど。

会議のウェブサイトに注意して、詳細情報が入手でき次第通知してほしい場合は、登録ボタンをクリックして連絡先を送ってください。

共同科学プログラムに関するさらなる情報は、パートナーのウェブサイトで入手可能。

 

[FAO]水産と養殖は世界の農業食糧システム転換の重要な一部である、とFAO事務局長は言う

Fisheries and aquaculture are a critical part of global agri-food systems transformation, says FAO Director-General

http://www.fao.org/news/story/en/item/1371547/icode/

第34回FAO水産委員会

 

-世界の水産と養殖業はCOVID-19パンデミックで大きな打撃を受けたとFAOの報告書は言う

Global fisheries and aquaculture hard hit by COVID-19 pandemic, says FAO report

2 February 2021

http://www.fao.org/news/story/en/item/1372095/icode/

報告書

The impact of COVID-19 on fisheries and aquaculture food systems

 

-海の種を守りつつ貿易を促進する

Promoting trade while protecting marine species

01/02/2021

http://www.fao.org/fao-stories/article/en/c/1371399/

データはリスクにある種を強調し貿易需要管理に役立つ

 

[RIVM]新しい変異が計画を撹乱

New variants disrupt plans

02/02/2021

https://www.rivm.nl/en/news/new-variants-disrupt-plans

1月27日から2月2日の週のオランダのCOVID-19検査陽性は28628人でその前の週から20%減少。1月23日に発効した夜間外出禁止と訪問制限の影響はまだ明確ではない。英国変異の拡大が最も早い

 

[NASEM]効果的で質の高いがん検診の開発と実施の進歩を進める ワークショップの概要

Advancing Progress in the Development and Implementation of Effective, High-Quality Cancer Screening

https://www.nap.edu/catalog/26019/advancing-progress-in-the-development-and-implementation-of-effective-high-quality-cancer-screening

がん検診の目的は治療が奏功する可能性の高い、症状が出る前の、早期に発見することでがんの死亡率や有病率を減らすことである。しかしそれにはリスクもある。不必要なフォローアップ検査や手術につながる可能性のある偽陽性や、命に関わらないあるいは症状が出ることのない異常を発見して治療することによる身体的、心理的、経済的害などである。

がん検診の改善のための課題と機会を検討した。

 

[ProMED]COVID-19 更新(45):ニセの検査結果&ワクチン、食肉工場変異、WHO

COVID-19 update (45): fake test result & vaccine, meat plant variant, WHO

2021-02-02

https://promedmail.org/promed-post/?id=8157286

[1] 旅行のためのニセの陰性証明

旅行者にニセの検査陰性証明を売る人たちがいることを欧州記事警察機構が警告

[2]中国ニセワクチン

中国当局がCOVID-19への「ニセのワクチン」を作っていた犯罪集団を取り締まっていると報道されている

(以下略)

 

[DHSC]英国バイオバンクCOVID-19抗体研究:最終結果

UK Biobank COVID-19 antibody study: final results        

3 February 2021

https://www.gov.uk/government/statistics/uk-biobank-covid-19-antibody-study-final-results

2万人以上のコロナウイルス抗体を調べ、イングランド、スコットランド、ウェールズでの6ヶ月にわたるウイルスの拡大を追跡した研究。

毎月自宅でフィンガープリックで血液サンプルを採取しその際症状等も調査した。

最も意味のある知見は、感染経験のある人の99%は3ヶ月後に抗体があり、88%は6ヶ月抗体を維持していたこと。

抗体のある人は試験開始時の2020年5/6月には6.6%だったが11/12月には8.8%になった

抗体のある人の24%は完全に無症状

 

論文

-今やフィラデルフィアのオピオイド過剰使用による死亡の1/3に動物用鎮静剤が関与

Vet tranquilliser now implicated in third of fatal opioid overdose cases in Philadelphia

2-FEB-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-02/b-vtn012921.php

Injury Preventionに発表。キシラジン。ヒトでの使用はFDAに認可されていない

ストリートネームは'tranq'で、キシラジンにヘロインとフェンタニルを入れたものを'tranq dope'と呼んでいる

 

-以前の年と比較したCOVID-19パンデミック中の日本の自殺の評価

Assessment of Suicide in Japan During the COVID-19 Pandemic vs Previous Years

Haruka Sakamoto et al., JAMA Netw Open. 2021;4(2):e2037378.

https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2775740

2020年と2016-2019年の自殺による死亡の横断研究。男性では10-11月、女性では7-11月に自殺が増加し、男性では30才以下、女性では30才以下と30-49才で特に多い

 

-珊瑚の減少-日焼け止めはスケープゴート?

Coral decline -- is sunscreen a scapegoat?

2-FEB-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-02/soet-cd-020121.php

近年日焼け止め成分の珊瑚への影響に関心が高まり、一部の規制機関は有機UVフィルターを含む日焼け止めを販売禁止した。Environmental Toxicology and Chemistryに最近発表された論文はUVフィルターの珊瑚への影響についての科学文献をまとめた。その結果確かに環境中にUVフィルターは存在するがそれが珊瑚礁に意味のある害をおこしているという根拠は限られている。しかし現在入手できるデータは不足しているため結論を出すには環境曝露や毒性データが必要である。

 

-生存のコツ:正常体重から始めてゆっくり体重を増やす

Survival tip: Start at normal weight and slowly add pounds

2-FEB-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-02/osu-sts020121.php

研究がゆっくり過体重になった人が最も長生きであることを発見

生涯BMIが正常範囲の人より長生き。

最も死亡率が高いのは肥満として成人を始めてさらに体重を増やし続けた人。

Annals of Epidemiologyに発表されたFramingham Heart Studyのオリジナルコホート4576人(1948年から2010年)とその子ども3753人(1971年から2014年)のデータを使った研究。

 

-THE LANCET Oncology

全ての命を平等に:がん手術、COVID-19、そして危機にあるNHS

Valuing all lives equally: cancer surgery, COVID-19, and the NHS in crisis

THE LANCET Oncology EDITORIAL| VOLUME 22, ISSUE 2, P155, FEBRUARY 01, 2021

英国のCOVID-19感染が増え続けNHSは過去72年の歴史の中で最も圧迫されている。ほとんどのICUがCOVID-19患者で埋まりがんの手術がキャンセルされている。それなのに民間部門では緊急ではないケアが続けられていることはショッキングである。2020年3月に始まった最初のロックダウンではイングランドの民間病院は全てNHSイングランドと協定を結んだが、その高額な民間部門の能力の2/3は使われなかった。残念ながらこの協定は英国政府が資金を出し渋ったため更新されなかった。がんの緊急手術をキャンセルしたことのコストや生命への影響は過小評価されてはならない。全ての患者の命は等しく重要である。

(英国政府、検査にはいくらでもお金使うのにこういうのケチってるんだ。)

 

がんムーンショット2.0

Cancer Moonshot 2.0     

David B Agus et al.,

THE LANCET Oncology COMMENT| VOLUME 22, ISSUE 2, P164-165, FEBRUARY 01, 2021

2016年にオバマ政権下でJoe Biden副大統領ががんムーンショットイニシアチブを主導した。その成果を引き継ぎさらに薦めるためにがんムーンショット2.0を。

 

がんと気候変動:がんケアの環境影響

Cancer and climate change: the environmental impact of cancer care

Sarah Briggs et al.,

THE LANCET Oncology CORRESPONDENCE| VOLUME 22, ISSUE 2, E38, FEBRUARY 01, 2021

気候変動とがんについてのレビューに対する意見。気候変動でがんの疫学が変わるかもしれないという話題に、がんの治療あるいは医療が環境に与える影響への考察が足りない。より大きな倫理的問題として、基礎的な治療や予防すら受けられない人々に気候変動の負担を押しつけた上での、ごく一部の患者の利益にしかならない膨大な環境負担をかけた最新治療法の開発が正当化できるのか?

 

その他

-コンシューマーラボ

COVID-19予防にどのマスクがベストで布、使い捨て、N95 、KN95はどう比較する?眼鏡が曇るのを止めるには?

Which is the best mask to prevent COVID-19 and how do cloth, disposable, N95, and KN95 masks compare? How can I stop glasses from fogging?

Initially Posted: 05/05/2020 | Last Updated: 01/30/2021

https://www.consumerlab.com/answers/how-to-make-covid-19-mask-at-home-as-effective-as-n95/make-a-mask/?login=success

米連邦法によるマスク義務化や欧州諸国の1月の性能基準要求などについて更新。オーストリアが最も厳しく、N95とKN95レベルを要求

(情報量が多い。化学繊維のマスクをするとマイクロプラスチックを吸い込む懸念に対して、なんてのもある)

 

ワクチンについて

How do COVID-19 vaccines from Pfizer and Moderna differ? How, when and where do I get the COVID-19 vaccine?

Initially Posted: 12/19/2020 | Last Updated: 02/02/2021

https://www.consumerlab.com/answers/comparison-of-covid-19-vaccines/covid-19-vaccines/

(基本的に受けるよう強く勧める内容。)

 

-何故北の先進国がブルキナファソのGMOの問題に焦点をあわせるのか?

Why do academics in the Global North focus on Burkina Faso’s problems with GMOs?

BY JOSEPH OPOKU GAKPO JANUARY 27, 2021

https://allianceforscience.cornell.edu/blog/2021/01/why-do-academics-in-the-global-north-focus-on-burkina-fasos-problems-with-gmos/

ブルキナファソでは2008年に最大80%も収量が落ちるワタアカミムシガの幼虫耐性のBt綿の栽培を認可した。国の調査ではBt品種は農家の農薬使用を最大70%減らし生産性は約22%増加した。小規模農家の平均収益も51%増加した。しかし綿加工業者が新品種の綿の繊維が短いと苦情を言ったため2016年に政府が非GMに戻した。

ReuterがそれをGM綿がアフリカで「トラブルの種を蒔いた」と報道し世界中で話題になった。私は又聞きでこの状況を聞き、この目で確認しようと2017年10月にブルキナファソに行った。

私が話を聞いた農家の一人は私にあなたはユニークだと言った。これまで彼に会いに来た「英語を話す外国人」は欧米の白人だったのに私は近所のガーナから来た黒人だったから。

私は彼がたくさんの外国人に取材されたことに驚きはしなかった。ブルキナファソはGM技術を否定するための頼りになる例となっていたから。反GM会議は必ずブルキナファソを取り上げ、ケニアやウガンダ、ナイジェリア、ガーナなどのGM作物開発を行っている国には反GM活動家がブルキナファソを挙げてGMが悪い理由としていたから。

しかしブルキナファソの現場では、農家はGMを歓迎していた。加工業者は繊維の長さと品質を懸念していたがGM綿がなくなって苦しんでいた。私にとっては農家の声が問題だったので彼らの見解を明確に記録した。

(農家の声略)

2018年2月に私がブルキナファソを離れた数ヶ月後、ブルキナファソ綿生産者全国組合がプレスリリースでGM綿支持の声明を出した。これが事実である。

何故私がこの話を再び書く必要があると感じたのか、は最近私が尊敬する二人の学者が発表した論文を読んだからである。それはブルキナファソのBt綿の成功物語は不完全であると主張する。ブルキナファソはGM綿を使用しなくなったのに成功物語が続いているのは不快だという。

しかしブルキナファソはガーナの私の家から歩いて行ける距離であり、私の取材した農家の声は今でも聞ける。成功物語が嘘だという根拠は無い

さらに重要なのはアフリカのGM技術採用に関してより大きな全体を見ることだ。2017年時点で、バングラデシュ、ブラジル、南アフリカ、アルゼンチン、スーダン、インドを含む途上国の小規模農家が全世界のGM作物栽培の53%以上を占める。2018年だけでもGM作物は農家の直接収入を189億5000ドル加え、その53%が途上国の農家に行っている。

なのになぜGM議論において特に先進国の自称「中立の学者」が、アフリカのGM作物は失敗だと言い続けるのか?南アフリカでは95%のトウモロコシ、大豆の87%、綿のほぼ100%がGMなのに?

(一部のみ)

 

-SMC UK

イングランドとウェールズのONSアルコール特異的死亡データについての専門家の反応

expert reaction to ONS data on alcohol-specific deaths in England and Wales

FEBRUARY 2, 2021

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-ons-data-on-alcohol-specific-deaths-in-england-and-wales/

ONSが2001-2009年および2020年の第3四半期までのイングランドとウェールズのアルコールによる死亡データを発表した

Edinburgh大学公衆衛生教授でSPECTRUMコンソーシアム会長Linda Bauld教授

これらの数字は非常に心配で悲しいが予想されていなかったものではない。パンデミック初期から、一部の人はステイホーム中に飲酒量を減らしたものの他の人は酒量が増えた。増えたのは既に飲酒習慣のあった人たちである。この死亡者の増加には何週間にもわたる飲酒増加が寄与した。さらに治療などの必須のサービスが受けられなかったことが一部の人たちにとって致死的だった。それらは予防できる過剰死で、パンデミックによる間接的害をはっきり思い出させる。今後のことを考えると、公衆衛生は感染症に対応するだけではないことを再確認することが必要である。この国の危機から脱出する道のりにおいて、アルコールの害に対応するための介入が必要である。それはアルコールによる死亡だけではなく、がんのようなアルコールが原因で誘発されるより広範な家族や社会への害についても、である。

(2020年第3四半期までのアルコールによる死亡が前年同期間に比べて16.4%増加した(5460人)。第1四半期は変化はない)