[WHO]世界食品安全の日2021
World Food Safety Day 2021
https://www.who.int/campaigns/world-food-safety-day/2021
-2021年6月7日は、世界食品安全の日-
今年のテーマ「健康な明日のために、今、安全な食品を」は、安全な食品の生産と消費が、ヒト、地球、経済に即時的かつ長期的な利益をもたらすことを強調する。ヒト、動物、植物、環境、経済の健康との体系的なつながりを認識することが、未来のニーズに応えることにつながる。
食品の安全性は、政府、生産者、消費者が共有する責任であり、我々が口にする食品が安全で健康的なものであるためには、農場から食卓まで、すべての人に果たすべき役割がある。食品の安全はすべての人に関わる事柄である。
行動しよう
・安全を確保しよう-政府は全ての人のために安全で栄養のある食品を確保しなければならない。
・安全に育てよう-農家や食品製造者は優良規範を採用する必要がある。
・安全に保とう-事業者は食品の安全を確実にしなければならない。
・何が安全かを知ろう-消費者は安全で健康的な食品について学ぶ必要がある。
・食品安全のためにチームを組もう-安全な食品と健康のために一緒に取り組もう。
*イベントの紹介、各種キャンペーン用資料やグッズなどの掲載あり
<以下関連>
【国連】World Food Safety Day 7 June
Why improving food safety is important
https://www.un.org/en/observances/food-safety-day
【Codex】FAO, WHO and Codex celebrate World Food Safety Day 2021 with a virtual talk about science
http://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1410537/
2021年6月7日の「世界食品安全の日」に、FAO、WHO及びコーデックス事務局が、オンラインイベントを開催した。冒頭のビデオメッセージで、FAOのQU Dongyu長官とWHOのTedros Adhanom Ghebreyesus長官は、誰もが健康な明日のために、今、安全な食品を手に取ることができるようにするための行動を世界に呼び掛けた。さらに、メインイベントとして、主席科学者のIsmahane Elouafi博士(FAO)とZsuzsanna Jakab博士(WHO)によるオンライン・ディスカッションを開催した。
*WORLD FOOD SAFETY DAY 2021
http://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/world-food-safety-day/wfsd-homepage/en/
*Events on the World Food Safety Day
http://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/world-food-safety-day/wfsd-homepage/en/
世界各地で行われた世界食品安全の日のイベントを紹介。
【EC】World Food Safety Day: Statement by Commissioner Stella Kyriakides
https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/STATEMENT_21_2880
Stella Kyriakides保健・食品安全委員が世界食品安全の日への祝辞を発表。
【EFSA】EFSA launches ‘EU Choose Safe Food’ campaign on World Food Safety Day
https://www.efsa.europa.eu/en/news/efsa-launches-eu-choose-safe-food-campaign-world-food-safety-day
この夏、欧州食品安全機関(EFSA)は、「EUは安全な食品を選ぶ(#EUChooseSafeFood)」コミュニケーションキャンペーンを開催する。私達の食品の背後にある科学についての認識を高め、安全確保のために働く科学者のことを伝えることを目指す。全体的な目標は、市民が毎日の食品の選択をよく考え信頼して行えるようになることである。
【BfR】World Food Safety Day puts the focus on the global importance of high-quality food, 04.06.2021
BfR長官のAndreas Hensel博士は、「高品質の食品と飼料を安全に毎日提供することは、製品チェーンにかかわる全ての人にとって大きな課題である」と述べる。世界食品安全の日に際して、博士は食品の偽装行為に注意を向けている。意図的に異物混入された製品は世界の問題で、しばしば健康リスクもある。BfRは、最新の分析技術とソフトウェア技術を駆使して伝統的な地中海料理のトレーサビリティと真正性の管理を可能にするためのEUの研究プロジェクト「MEDIFIT」に参加している。
【米国FDA】World Food Safety Day
https://www.fda.gov/food/consumers/world-food-safety-day
米国食品医薬品局(FDA)は、世界食品安全の日のイベントを祝し、専用ウェブサイトを開設して消費者が食品由来疾病を防ぐのに役立つリソースを提供する。Frank Yiannas副長官が米国環境保健協会/環境保健オーストラリアのイベントで世界食品安全の日の重要性を伝えた動画も公開する。
【USDA】Safe Food Now for a Healthy Tomorrow
https://www.usda.gov/media/blog/2021/06/07/safe-food-now-healthy-tomorrow
【HK】Food Safety Day 2021
https://www.cfs.gov.hk/english/whatsnew/whatsnew_act/Food_Safety_Day_2021.html
香港食品安全センターの新たな広報キャンペーンは、生あるいは加熱不十分の食品安全の問題をテーマにして、生及び加熱不十分の食品の消費や食中毒に関連する特有のリスクに対する市民の意識を向上させる。
【FSSAI】FSSAI stays committed to ensure Food Safety for a Healthy Future
政府関係者の祝辞を紹介。またFSSAIは、世界食品安全の日を祝う一環として、「安全で、健康的な、持続可能な食事」をメッセージとして、創造性を競う学童向けのオンラインチャレンジ「Eat Right Creativity」の勝者を発表した。全国から26,000件の応募があった。
[EU]査察報告
-ウルグアイ―動物用医薬品の管理を含む生きた動物および動物製品の残留物と汚染物質
Uruguay 2020-6998―residues and contaminants in live animals and animal products including controls on veterinary medicinal products
06/05/2021
https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4353
2020年10月1日~12月2日にウルグアイで実施した、EU輸出用生きた動物と動物製品の残留物と汚染物質の公的管理の効果を評価した査察結果。ウルグアイが承認した残留物モニタリング計画はEUの要件に従って計画実行されているが、研究所の計画と実践は累積的に残留物管理システムの効果を弱めている。動物用医薬品の公的管理システムは、EUと違いがあるにもかかわらず保証を支えている。エストラジオール17-ベータが含まれている畜牛と羊肉の確認手段がないこと、EUで認可されていない寄生虫駆除剤(フィプロニルなど)の違反割合が高いことに早急に対処する必要がある。
[EFSA]EFSAは世界食品安全デーに「EUが選ぶ安全な食品」キャンペーンを開始
EFSA launches ‘EU Choose Safe Food’ campaign on World Food Safety Day
7 June 2021
https://www.efsa.europa.eu/en/news/efsa-launches-eu-choose-safe-food-campaign-world-food-safety-day
我々の科学
あなたの信頼
自信をもって食べ物を選ぼう
#WorldFoodSafetyDay
食品には多くの形がある。大きいもののあれば小さいものもある。美しく光沢のあるものもあれば、そうでないものもある。おいしいものもあれば… それは好みの問題だ。だが、好きであろうとなかろうと、産地がどこであろうと、食品が安全であることを信頼できる。それは科学のおかげである。
欧州の消費者はフードチェーンのリスクに関して、世界最高水準の保護と情報提供を受けている。EUの食品安全システムにより、すべての欧州市民は、食べ物がどのように生産、加工、包装、表示、販売されているか知る権利を与えられている。このシステムの一環で、EFSAの公正な専門家は、食品リスクを評価するために科学的データや研究をレビューしている。また、相互接続するフードチェーンの中で、EFSAは、欧州人が安心して食事を楽しむことができるように、欧州全域の国立食品安全機関、国のパートナー、国際団体と協力している。
#EUChooseSafeFood
この世界食品安全デーに、EFSAは2021年の夏中実施予定の#EUChooseSafeFoodキャンペーンを開始する。食品の背後にある科学についての認識を高めることや、その安全を確認するために働く科学者の話を伝えることを目的としている。全体的な目標は毎日の食品選びについて市民に批判的思考を促すことである。
さらなる情報は新しいウェブサイト#EUChooseSafeFood参照。
#EUChooseSafeFood
https://campaigns.efsa.europa.eu/EUChooseSafeFood/#/
欧州の科学者はあなたの安全な食品の味方
食品の安全性について知りたいけれど、その情報がどこにあるかわからない?
ここにあなたへの答えがある。表示の読み方を学ぶことから、製品が消費されるのに適した期間を調べ、アレルゲンについてもっと知り、食品の栄養強調表示を理解する方法まで―私達はあなたが安心して食事を楽しめるよう考えをまとめる手助けができる。
食べ物を心から楽しむには、それが安全だと信頼する必要がある。科学のおかげで信頼できる!
EUの食品安全システムは世界最高水準である。EUの意思決定者は、店舗や市場にとってどの製品が安全で健康的か、あるいは消費者に健康リスクをもたらすかどうかについて、科学者に専門的家の助言を頼っている。欧州食品安全機関(EFSA)の仕事は、EU全域の独立した科学者達と協力して、この分野の最新の根拠に基づく優れた科学的助言を提供することである。EFSAの助言は、農場や工場から食卓まで、食品関連リスクから欧州人を保護するのに役立つ、EU規則と法律の基本である。
進化し続けるフードチェーンの中で、どの産地からのものでも欧州の食品は安全だと消費者を安心させるために、EFSAの科学者たちは科学的発展や新たな研究を継続的に追っている。
6月7日にEFSAは世界食品安全デーを祝う。この特別な日に、私達はEFSAが支援する、欧州の消費者が自信をもって食品を選べるようにすることを目的とした、EUが選ぶ安全食品キャンペーンの開始を発表することをうれしく思う。このキャンペーンは2021年の夏中実施する予定である。
乞うご期待!ウェブサイトの毎日の食事選びに役立つヒントとコツの更新をチェックしてください。
食品安全のための欧州の協力
相互接続した世界では食品安全は国境で止まらないため、EUの食品安全システムの成功の重要な側面は大陸全体での協力関係にある。
欧州や国家レベルのパートナーは、潜在的なリスクから私達の食品の安全性まで、欧州人を守るために積極的に協力している。
EFSAは科学的データの収集、モニタリング、コミュニケーション活動について、国立食品安全機関らと調整し、緊密に協力している。
EFSAはまた、食卓に安全な食品を届けるための共通の取り組みに参加させるために、消費者を代表する機関、食品業界、NGOsなど他の関連団体と定期的に会合している。
コミュニケーションツールキットを確認してご参加ください!
[EFSA]意見
すべての動物種用酢酸からなる飼料添加物の安全性と有効性
Safety and efficacy of a feed additive consisting of acetic acid for all animal species
EFSA Journal 2021;19(6):6615 7 June 2021
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6615
(科学的意見)
[ANSES]フィプロニルを含む抗寄生虫薬はウサギに有害
Antiparasitics containing fipronil are toxic to rabbits
03/06/2021
https://www.anses.fr/en/content/antiparasitics-containing-fipronil-are-toxic-rabbits
フィプロニルを含む抗寄生虫薬は、ペットのウサギに報告された薬物有害反応のほぼ1/3を占めている。これらのイヌやネコへの使用を目的とした製品をウサギに投与してはならない。
2013年1月から2020年12月の間に、ANSESはフィプロニルベースの抗寄生虫薬の投与後にウサギに報告された137件の有害反応の報告を受け取った。このうち66件が深刻と見なされ、33件の死亡が報告された。これらの抗寄生虫薬はイヌやネコでの使用は承認されているが、ウサギには有毒である。それらは一般的な反応(食欲不振、無気力)や、時には致命的になることもある消化器や神経の疾患(けいれん)を起こす可能性がある。ピペット製品などの濃縮製剤は特に有毒である。数滴肌に垂らしたりなめたりするだけで、十分深刻な影響を起こす可能性がある。
思いがけず暴露した場合、その動物を洗うこと
ANSESはウサギの飼い主に、犬猫用のフィプロニルを含む動物用医薬品でペットを治療しないよう注意喚起している。思いがけず暴露した場合の助言は、イヌ用の抗寄生虫薬に暴露したネコの場合と同じである。つまり飼い主は、まだ有害反応が起きていなくても、温水と石けんや洗浄液で動物を洗い、直ちに獣医の助言を求めた方がよい。
家で1種類以上の動物を飼う飼い主は、抗寄生虫薬処置を施した部位が乾くまで、ウサギを治療中のイヌやネコから遠ざけておき、確実にウサギがそれを舐めないようにすること。
追加情報
・動物用医薬品使用後の有害反応を報告するには(フランス語)
To report an adverse reaction following the use of a veterinary drug
https://pharmacovigilance-anmv.anses.fr/
[BfR]健康リスクについてのファクトチェック
A fact check on health risks
02.06.2021
https://www.bfr.bund.de/en/press_information/2021/24/a_fact_check_on_health_risks-275093.html
2021年6月5日、科学の長い夜(LNDW)イベントの一環としてBfRが菜食主義、食中毒、タトゥーを検討する
[BfR]当局とメディアの間のCOVID-19コミュニケーション
COVID-19 communication among authorities and the media
31.05.2021
2021年6月1日に、Ilmenau工科大学とBfRがドイツ、欧州、米国でのCOVID-19パンデミックのリスクコミュニケーションについて調べる3年間の国際研究プロジェクトを始める。三つの重要な質問は、(1)政府や保健機関は人々にCOVID-19や関連する保護対策についてどのような声明やメッセージを出したか?(2)メディアはパンデミックと政府のメッセージをどう伝えたか?(3)人々はパンデミックとリスクメッセージをどう認識したか?
[RIVM]全ての地域で低下傾向続く
Downward trend continues in all areas
06/08/2021
https://www.rivm.nl/en/news/downward-trend-continues-in-all-areas
COVID-19陽性者、入院およびICU入院数は減り続けている。明確にポジティブである。
これまで1100万回の予防接種を行ったが、完全に予防接種が終わったオランダ人はまだ5人中1人だけである
-COVID-19ワクチンは極めて有効:高齢者の検査陽性、入院、死亡は大きく低下
COVID-19 vaccination very effective: major drop in positive tests, hospital admissions and deaths among older people
06/08/2021
自宅に住む75才以上の高齢者は二回目の予防接種の3週間後からは検査陽性は82%守られる。入院と死亡からは94%守られる。
予防接種が始まって8週間、自宅および施設に住む高齢者の検査陽性、入院、死亡は大きく低下。
[ASA]ASA裁定
-ASA Ruling on Anthony Grant t/a Resonator.uk
09 June 2021
https://www.asa.org.uk/rulings/anthony-grant-g21-1101401-anthony-grant.html
ウェブサイトとフェイスブックで、電子バイオレゾナンス装置「レゾネーター」が人体に影響することなく悪い細菌やウイルスを殺すのでワクチンの代わりになる、等と宣伝。MHRAが認めていない医療機器
-ASA Ruling on Kentucky Fried Chicken (Great Britain) Ltd t/a KFC
09 June 2021
若い黒人男性がヒップホップミュージックで踊るCMについて植民地時代のアメリカで黒人奴隷がフライドチキンを好んだというネガティブなステレオタイプで侮辱的であると苦情が寄せられたがASAは支持しない
[FSA]FSA理事会-2021年6月
FSA Board Meeting - June 2021
https://www.food.gov.uk/about-us/fsa-board-meeting-june-2021
議題から一部
主任科学アドバイザーからの年次科学報告
FSA 21-06-04 - Annual Science Update From the FSA’S Chief Scientific Adviseras
昨年の主な科学「一里塚」
・ push to webアプローチ(オフラインの接触によりオンラインで回答してもらうやりかた)を採用した「食品とあなたFood and You 2」調査
・行動研究、微生物サンプリング、詳細リスクアナリシスを含むCOVID-19対応
・食品過敏症研究
・21世紀のフードチェーン規制のためのデータとデジタルイノベーションの利用
・国際食品レギュラトリーアナリシス会議
・FSAリスクコミュニケーションツールキット
・ホライゾンスキャン
2021年1月1日から(EU離脱の)移行期間が終わってFSAの新しいリスクアナリシスプロセスが始まった・
政府機関の主任科学アドバイザー全員が、政府主任科学アドバイザーであるSir Patrick Vallanceのもとで毎週会合を行っている。さらに個別にDefraやDHSCのような分野の重なる政府機関の主任科学アドバイザーと会合している
ホライゾンスキャン年次更新
HORIZON SCANNING ANNUAL UPDATE
2021年5月の概要(図)
現在から2年以内:新たな貿易相手、食料不足、新しい事業モデル、迅速に変わる規制の光景、植物や昆虫のような新たな蛋白源、使い捨てプラスチックの新たな代用品
2-5年:ゲノム編集
5年以上:気候変動の影響、培養肉
将来の英国フードシステムに影響を与える可能性のある新興技術
EMERGING TECHNOLOGIES THAT WILL IMPACT ON THE UK FOOD SYSTEM
屋内農業、食品3Dプリンティング、食品副産物、新規非加熱加工、新しい農薬、代用蛋白源、代用飼料、GM植物家畜微生物、培養畜産物、ゲノム情報に基づいた農業あるいは個別栄養、インテリジェント包装、ナノテクノロジー包装、再利用可能あるいはゼロ包装、デジタルツールなどの概要
リスク評価年次報告書
Annual Report on Risk Assessmentas
2021年1月1日以降のリスク評価案件
小規模ブロイラー屠殺所のカンピロバクター、冷却されていない肉や内臓、生物材料食品接触物質中の竹成分、お茶の多環芳香族炭化水素
日本からの食品輸入による消費者への放射線リスク評価を開始している。この評価は2021年後半にCOMAREが精査する予定
論文
-フードシステムは排出削減のために膨大な機会を提供する、研究が発見
Food systems offer huge opportunities to cut emissions, study finds
8-JUN-2021
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-06/eiac-fso060821.php
食品生産由来の温室効果ガスは系統的に過小評価されている、研究が言う
Environmental Research Lettersの持続可能なフードシステム特別号の一部
FAOのプレスリリース
Off-farm activities are a growing share of food-system greenhouse gas emissions
8 June 2021,
http://www.fao.org/news/story/en/item/1402118/icode/
-牛が従順なほど脳が小さい
Scienceニュース
The tamer the cow, the smaller the brain
By Michael Price Jun. 8, 2021
https://www.sciencemag.org/news/2021/06/tamer-cow-smaller-brain
野生のイノシシと家畜の豚を比べると豚のほうが頭が小さいことなどに気がつくだろう。科学者はヒツジや豚、犬、猫などの家畜化された動物は野生の動物より脳が小さいことを知っていた。今回牛の系統別の大規模研究が、ヒトとの相互作用により耐えられる品種のほうが脳が小さいことを明らかにした。闘牛は野生同様に脳が大きい。乳牛は最も脳が小さい。
Proceedings of the Royal Society B
-コロンビアの和平協定が生物学的に多様な熱帯雨林の森林破壊を増やした
Peace accord in Colombia has increased deforestation of biologically-diverse rainforest
8-JUN-2021
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-06/osu-pai060821.php
Global Environmental Changeに発表されたオレゴン州立大学の新しい研究によると、2016年のコロンビアの和平協定によりアンデス-アマゾン地域で行われていた内戦が終わり森林が農業に使われるようになって熱帯雨林の保全が脅かされている。「平和にはこれまで理解されていなかった環境コストがある」とOSUの地理学者Wrathallはいう。
(環境正義のためなら平和より紛争状態のほうが人が増えなくていいと。キャンセルカルチャーで揚げ足とる一方でこういうことは平気で言うんだ)
-飲酒は妊娠のチャンスの減少と関連
Drinking alcohol is linked to reduced chances of pregnancy
8-JUN-2021
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-06/esoh-dai060721.php
Human Reproductionに発表された女性の生理周期と飲酒の記録からの研究
-地方と都市の死亡率のギャップは過去20年で3倍になった
Gap between death rates in rural and urban areas tripled during past two decades
8-JUN-2021
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-06/bawh-gbd060721.php
違いは主に中年白人の死亡率増加による。黒人の死亡率が全体として最も高いことに変わりはないが、白人との差は半分になった。JAMA
オピオイド過剰使用のようないわゆる「絶望の病」や肺疾患や心血管系疾患のような慢性の病気にによる死亡率が大都市より地方で高いことが知られている。1999年から2019年の間に年齢調整死亡率が地方と都市部の両方で低下したが、死亡率の差は劇的に拡大した。
-COVID-19パンデミック中の喫煙の変化を研究が明らかにする
Study reveals changes in cigarette smoking during the COVID-19 pandemic
8-JUN-2021
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-06/mgh-sr060821.php
一部の人はストレスで喫煙量が増え、一方COVID関連の心配により減らしたり禁煙したりした人もいる。Journal of General Internal Medicineに発表されたアメリカの研究。
平均年齢53才の、かつて禁煙臨床試験に参加した694人の調査。パンデミック中に喫煙量が増えたと回答したのは32%、減ったには37%、変化なしが31%
喫煙がCOVID-19の感染や重症化リスクを上げると信じていたのは68%で、リスク認知が高いことは禁煙への関心の高さと関連した。
-公衆衛生におけるマイクロバイオーム科学のための枠組み
A framework for microbiome science in public health
Jeremy E. Wilkinson, et al.,
Nature Medicine volume 27, pages766–774 (2021)
https://www.nature.com/articles/s41591-021-01258-0
ヒトのマイクロバイオーム科学は迅速に進展し、基礎科学、臨床応用、集団の健康に組み込まれるレベルに達した。従って公衆衛生研究者や政策決定者が現在と将来のマイクロバイオーム関連の機会を生かし最良の実践のために対応することができるようになった。ここに公衆衛生におけるマイクロバイオームに関する研究、教育、解釈、サイエンスコミュニケーションのために検討すべきことの概要を示す
(食中毒菌のWGSをルーチンでする基盤すらできていない日本ではインチキサプリが野放しにされて終わりになるのでは。)
その他
-Natureニュース
COVID研究所リーク説:科学者が知っていることと知らないこと
The COVID lab-leak hypothesis: what scientists do and don’t know
08 June 2021 Amy Maxmen & Smriti Mallapaty
https://www.nature.com/articles/d41586-021-01529-3
リーク説に根拠は無いが何故否定できないのか?
画期的アルツハイマー薬認可は研究コミュニティーを混乱させる
Landmark Alzheimer’s drug approval confounds research community
08 June 2021 Asher Mullard
https://www.nature.com/articles/d41586-021-01546-2
多くの科学者がBiogenのaducanumabが有効だという十分な根拠は無いという
(患者団体が欲しがったから、でいいのかな。丸山ワクチンみたいになるのだろうか)
-フィプロニル卵スキャンダルの一環でベルギーで3人が判決
Three sentenced in Belgium as part of fipronil egg scandal
June 9, 2021
https://www.foodsafetynews.com/2021/06/three-sentenced-in-belgium-as-part-of-fipronil-egg-scandal/
2017年のフィプロニル事件に関与したことでベルギーで3人が1年から18ヶ月の懲役刑判決を受けた。アントワープの裁判所で7人の個人と4つの会社が裁判にかけられた。
ベルギーとオランダの卵からフィプロニルが検出された件で、当局の調査によりフィプロニルを含むDega-16を販売したネットワークが同定された。使っている物質を隠すために、許可のない取引相手にニセのラベルが使われた。数百の養鶏場がこの製品を使い始めた。
ルーマニアからフィプロニルを輸入してDega-16を許可なく販売したAgro Remijsenという会社のPatrick Remijsenとそのパートナーが有罪となった。Patrick Remijsenは3年の服役そのうち2年は執行猶予、罰金20万ユーロ、パートナーは執行猶予18ヶ月と罰金2万ユーロ。まだ控訴は可能。
またDega-16を使った企業一つが有罪。裁判所はこの会社がラベルと違うものが含まれることを知っていて使ったと判断した。この会社の経営者は執行猶予18ヶ月と罰金2万ユーロ。
他の人や会社はDega-16がフィプロニルを含むことを知っていたことが証明されなかった
この事件では400万ユーロ以上の補償金が農家や被害者に支払われている。
今年4月にはオランダの2人の容疑者が1年の判決を受けている。オランダの養鶏場でフィプロニルを使ったChickfriend と Chickcleanの経営者である。2015年から2017年の間に、オランダの全ての養鶏場の約20%を彼らがクリーニングした。