[WHO]食品安全システムの強化とグローバルな協力に向けて:食品安全のためのWHO世界戦略2022-2030の開始
Towards stronger food safety systems and global cooperation
Launch of WHO Global Strategy for Food Safety 2022-2030
17 October 2022
https://www.who.int/news/item/17-10-2022-towards-stronger-food-safety-systems-and-global-cooperation
WHOは10月17日、第75回世界保健総会で加盟国により採択された「食品安全のためのWHO世界戦略2022-2030 - 決議WHA75(22)」を公表した。今回更新された食品安全のためのWHO世界戦略は、より安全で健康的な世界に向けた、そして多分野にわたる協力と革新的な公衆衛生アプローチの強化に向けた一歩でもある。
食品安全のための世界戦略は、食品安全システムを継続的に強化してグローバルな協力を促進することにより、食品由来疾患(FBD)の負荷軽減のための、優先順位付け、計画、実施、監視及び定期的な評価への取組について加盟国を導きサポートするために策定された。策定にあたり、加盟国や各国政府機関、国連機関、その他の政府間組織、学術機関、非政府組織、民間セクターの団体、公衆衛生や食品安全に従事する個人からの包括的な協議プロセスを介して受理したフィードバックも反映している。
この世界戦略は、食品管理システムの強化、意思決定を支援するための根拠(データと科学)、利害関係者の関与とパートナーシップの促進ということについて、現行の食品安全のためのFAO戦略的優先事項2022-2031の原案と複数の戦略的優先事項が共通している。協調させようとすることで、共同実践計画や調整計画の開発につながるだろう。
さらに、この戦略は、SDGsの達成にも貢献するものであり、世界がSDGsに向けた進捗を振り返る2030年に見直される予定である。
今回の世界戦略では、次のような相互に関連し互いにサポートする5つの戦略的優先事項を特定している。
国の食品管理システムを強化する:食品に関する法律、基準、ガイドライン、人材、緊急時対応能力等の枠組みをつくるなど、食品管理システムの重要なインフラと要素を整備し改善する。これが基盤となる第1の戦略であり、加盟国の食品管理システムをより効果的にするための戦略が、次の4つである。
グローバルな変化と食品システムの変革に起因する食品安全の課題を特定し、対応する
リスク管理の意思決定において、フードチェーンの情報、科学的根拠、リスク評価の利用を向上させる(増やす):食品安全のリスク管理は科学に基づいている。データの収集、利用、解釈が、根拠に基づく食品安全システムを構築するための基盤となる。
利害関係者の関与とリスクコミュニケーションを強化する:食品安全の責任は共有するもので、食品システムの全ての利害関係者が共同で取り組む包括的なアプローチが必要である。
国内と国際的な食品貿易に不可欠な要素として食品安全を推進する:食品安全は、社会経済的地位による影響を受ける複雑な問題である。国内市場と国際貿易の両方で安全な食品へのアクセスを確実に増やすために、食品安全システムは、全てのレベル(国内市場、輸入、輸出)での実施において費用対効果が高い必要がある。
加盟国は、この世界戦略で特定された戦略的優先事項と戦略目標に基づいて自国の食品安全システムを適切に修正、再設計又は強化する必要がある。ただし加盟国の食品安全システムはさまざまな開発段階にあるため、戦略的行動の優先順位は自国の状況に合わせて調整する必要がある。そのためこの世界戦略では、4ステップからなる、加盟国が自国の食品安全戦略を策定、更新、実施するための一般的なアプローチを提示している。さらに、世界戦略の進捗をモニタリングするための指標やツールも紹介している。
ステップ1:自国の状況を解析する(基本方針や介入すべき対象を特定する)
ステップ2:食品安全に関する国の戦略と行動計画を策定する
ステップ3:策定した国の戦略と行動計画を実施する
ステップ4:実施状況を定期的にレビューし、必要に応じて計画と戦略を調整する
*WHO global strategy for food safety 2022-2030: towards stronger food safety systems and global cooperation
12 October 2022
全文をダウンロード可
*Global Food Safety Strategy Q&A
Date: December 7, 2022 2:00 PM - 3:00 PM CET
https://www.whofoodsafety.org/events/2599?network_id=who-food-safety-community-of-practice
2022年12月7日2:00 PM - 3:00 PM CET、食品安全のWHO世界戦略2022-2030に関するQ&Aがバーチャル開催される。
[Codex]プレスリリース
-第22回CCASIA:地域のための戦略的な食品安全の優先事項を議論するために準備する
CCASIA22 / meeting prepares to discuss strategic food safety priorities for the region
11/10/2022
https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1608317/
第22回アジア地域調整部会(CCASIA)が2022年10月12-21日に開催される。会合はバーチャルで開催されるが、議長のJing TIAN氏(中国)は参加する地域の全ての加盟国に向けて次のように呼びかける。「積極的に参加し、互いに関心のある課題を議論するために、コーデックス戦略計画2020-2025の枠組みのもと地域の優先事項と活動を確認し、地域規格の調和を促進しよう。」
CCASIAでは次の地域規格の策定が提案されている:バチルス属を使って発酵させた大豆製品、植物の葉で包んだ調理米、急速冷凍餃子。その他、新規作業として、調理米、アジアの伝統的菓子、缶詰粥の地域規格の策定が提案されている。
コーデックスの地域会合は、地域全体で協力し、各国が貴重な経験を共有するための絶好の機会である。FAOのMasami Takeuchi氏は、パンデミック以降、強力な協力体制による回復力と持続可能性を築くことが、これまで以上に重要になっていると考えており、FAOとWHOの長年の協力関係が国や地域の食料・農業・健康部門にとって優れたロールモデルを提供できるような実りある会議となることを期待している。
コーデックス事務局のLingping ZHANG 氏は次のように述べている。「この会合は、地域の国々が集結し、コーデックス戦略計画へのコミットメントを再確認するための絶好の機会である。そして、この部会は新規規格に関する作業提案が非常に積極的であり、作業の優先事項としての重要性と適時性の観点から提案の価値を評価するために、コーデックスのルールに従って真摯に取り組むことを期待している。」
*CCASIA22
https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/meetings/detail/en/?meeting=CCASIA&session=22
-第22回CCASIA:世界の食品安全のために食品貿易と技術的協力を促進する
CCASIA22 / promoting food trade and technological cooperation for global food safety
14/10/2022
https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1608892/
第22回CCASIAが2022年10月12-21日にバーチャルで開催される。中国国家衛生委員会の副委員長であるLei Haichao氏がビデオメッセージで参加者を歓迎し、地域調整国としての役割を積極的に実行し、加盟国間の技術、パートナーシップ、交流を促進するというホスト国政府のコミットメントを強調した。またコーデックス議長を担うSteve Wearne氏が次の通り述べた「我々の第1の戦略的目標は、メンバーによって特定された現在の新しく重要な課題へ取り組むことである。これは、各地域調整部会の基本的な問題であり、地域調整部会はその地域にとって最も重要で、視点を共有し、行動を呼び掛けることが必要な食品安全と品質に関する問題を議論する時間と空間を提供する必要がある。」
基調講演は、この第1戦略目標を詳しく説明する機会となった。前副議長であるインドネシアのPurwiyatno Hariyadi博士は、食品システムの変革は、食品の入手可能性や量を増加させるだけでなく、安全で栄養のある手頃な価格の食品を提供できることを目標に設計されるべきである、と述べた。
中国食品安全リスク評価センター長のLi Ning博士は、気候変動、食品の異物混入(adulteratin)、そして消費者の認識による、食品安全の新たなリスクとともに、地域のコミュニケーションと協力を強化することの重要性を強調した。
-スパイス部会がサフラン、ナツメグ、トウガラシ・パプリカの新規規格を提供する
Spices committee serves up new standards on Saffron, Nutmeg and Chilli Peppers and Paprika
09/10/2022
https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1608021/
第6回コーデックススパイス・料理用ハーブ部会が、サフラン、ナツメグ、トウガラシ・パプリカの規格について、2022年11月に開催予定の総会へ最終採択を諮ることとなった。さらに、カルダモン、乾燥果実・ベリー類のスパイスのためのグループ規格についても議論が前進した。
*CCSCH6
https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/meetings/detail/en/?meeting=CCSCH&session=6
-ライブイベント:食品安全のためのWHO世界戦略2022-2030
17/10/2022
https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1609220/
2022年10月17日、WHOが第75回世界保健総会で採択された「食品安全の世界戦略2022-2030」を公表したことを記念して、ウェビナーを開催した。
-ライブイベント:コーデックスにおけるオブザーバーとの連携
Live event / Working with Observers in Codex
18/10/2022
https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1608150/
2022年11月21日から第45回総会(CAC45)が開催されるにあたり、オブザーバーがどのようにコーデックスで積極的な役割を果たせるのかを探る2時間のライブイベントを2022年10月21日 (13:00-15:00 CEST)に開催する。
パネルディスカッションでは、コーデックスの議題に関する現在の課題について検討する。参加者は、コーデックスとの連携がどのように相互利益につながるのか、そして、どうすれば国際食品規格の策定においてオブザーバーが最適な役割を演じ、関与することができるかを学ぶ。さらに、国連機関、政府間組織、非政府組織、産業界から消費者までの幅広い分野のゲストを迎え、世界食品安全デーやコーデックス60周年などの今後の取組についての最新情報も聞くことができる。
[EFSA]FAQ:標的突然変異誘発、シスジェネシス、イントラジェネシスで生産した植物のリスク評価の規準
FAQ: Criteria for risk assessment of plants produced by targeted mutagenesis, cisgenesis and intragenesis
18 October 2022
本日発表された声明の中で、EFSAの科学者は、標的突然変異誘発、シスジェネシス、イントラジェネシスの遺伝子工学の技術を用いて生産した植物のリスク評価を支援するために、6つの主な規準を提案した。欧州委員会は私達に、新しいゲノム技術に関する進行中の政策イニシアチブをサポートするための科学的助言を要請した。
標的突然変異誘発、シスジェネシス、イントラジェネシスとは?
DNAを改変、除去、導入することにより生物の遺伝子構造を変える遺伝子工学技術、工程である。
標的突然変異誘発とは、ゲノムの選択した標的部位に特定の突然変異を誘発させる技術の説明に用いられる包括的な用語である。遺伝子を導入することなく変異を生じさせる。
シスジェネシスとは、ある生物の遺伝子を、同一種又は近縁種の配列で改変することを指す。その新しい配列には、植物のブリーダーが利用できる一連の全遺伝情報の遺伝子プールに、すでに存在する配列の正確なコピーが含まれている。
イントラジェネシスとは、同一種又は近縁種の異なる配列を組み合わせて生物の遺伝子を改変することを指す。この新しい配列には、ブリーダーの遺伝子プールにすでに存在する配列を再編したコピーが含まれている。
新しいゲノム技術で生産された植物は、確立されたGM技術や従来の品種改良で生産された植物とどう違うのか?
新しいゲノム技術で生産された植物には、自然に、あるいは従来の品種改良で生じうるような小さな変化しか起こらないものもある。また、過去20年間に使用された確立された遺伝子組換え技術で生産された植物と似たような、複数の広範な改変が起こり得るものもある。
標的突然変異誘発、シスジェネシス、イントラジェネシスで生産した植物によるリスクを評価するために、専門家はどのような規準を用いるよう提案している?
EFSAの科学者が提案した規準はEFSAの声明に記載されている。6つの規準のうち最初の4つは、レシピエント植物に導入された遺伝子改変の分子的特性に関連する。彼らが評価するのは:
・外来の(外因性)DNA配列が存在するか
・存在するなら、その配列はブリーダーの遺伝子プールに由来するかどうか
・その配列はどのように組み込まれたか、例えばランダムなのか、標的か?
・新たに導入された配列によって、宿主植物の遺伝子が「中断」(分裂)されたか
規準1から4は、シスジェニックやイントラジェニックの配列が宿主植物の遺伝子を変化させたかどうかを判断するためにデザインされた。変化させていない、又は外来遺伝子が影響を受けてもリスクが特定されていない場合は、さらに2つの規準が適用される:
・過去に使用されたこと(使用歴)はあるか?
・もしなければ、このDNA配列の改変バージョン(対立遺伝子)の構造と機能を注意深く評価する必要がある。
これらの最後の2つの規準は標的突然変異誘発で生産した植物にも当てはまる。
「使用歴」は何を指し、どのように評価できるのか?
新たに改変されたDNAバージョン(対立遺伝子)がすでに自然界に存在する可能性があるため、使用歴の評価はシスジェニック、イントラジェニック、標的突然変異誘発の比例リスク評価の重要な部分であるという必要がある。この概念は2001年以前に開発されたGMOsの評価で十分確立されている。使用歴の証明は、ある植物の一部あるいは全てが、かなり長い間、消費者への有害影響をもたらすことなく食事(食品及び/又は飼料と派生製品)で消費されていること、また新たな使用による暴露は「歴史的な」使用の範囲内であること、という根拠に基づいている。同様のアプローチは環境へのリスクを評価するのにも使用されている。新たに改変されたDNA配列(対立遺伝子)の使用歴が十分証明できない場合は、その構造と機能を注意深く評価しなければならない(提案された規準のステップ6)。
この声明はオフターゲット効果の問題に対処している?
オフターゲット効果とは、ゲノムの意図された以外の位置に導入された、意図しない変異のことである。新たに改変されたDNA配列の標的化が成功した植物では、オフターゲット効果などの意図しない影響の可能性は、ランダム導入や従来の品種改良と比較して大幅に低下している。そうなると、リスク評価のデータ要件はケースバイケースで減らされる可能性がある。
欧州委員会はなぜEFSAにこの科学的助言を求めたのか?
委員会は、この分野の以前の科学的意見や関連するEFSAのガイダンス文書の結論を検討し、新しいゲノム技術を用いて生産された植物のリスク評価において考慮すべき関連規準を提案するよう要請した。この科学的文書は、GM植物の評価、シスジェネシスやイントラジェネシス、標的突然変異誘発、合成生物学によって開発された植物の評価、バイオテクノロジーから生まれた食品や飼料製品のアレルギー誘発性とタンパク質の安全性評価を取り扱っている。
トピック:バイオテクノロジーの新たな進歩(背景とEFSAの以前の科学的成果との関連性)
https://www.efsa.europa.eu/en/topics/topic/new-advances-biotechnology
EFSAの作業は、新しいゲノム技術に関する欧州委員会の進行中の政策イニシアチブを支援する。詳細は欧州委員会のウェブサイト参照。
新しいゲノム技術に関連したEFSAの役割は?
EFSAの仕事は、人、動物、環境に対する食品の安全性を評価することである。標的突然変異誘発、シスジェネシス、イントラジェネシスで生産した植物のリスク評価の規準に関するEFSAの声明は、食品や飼料中、そして環境におけるこれらの技術によるリスクをケースバイケースで評価するための、堅固な科学に基づく枠組みを確立するための最初の一歩となる一連の作業を要約している。既存のリスク評価の方法論を適用できる部分をリストアップし、また現行のアプローチとデータ要件におけるギャップを強調することも含まれている。欧州の農業がどのように発展するべきか、あるいはより持続可能なフードシステムといった政策目標を達成するために新しい技術が必要かどうかについて述べるのはEFSAの役割ではない。EFSAは食品がEUの消費者にとって安全であることを保証するために、遺伝子工学分野のリスク管理者を支援する技術的支援や科学的助言を継続的に提供する。
EU市民は食品生産で新しいゲノム技術の使用について認識したり懸念したりしている?
最近の2つのEFSAの調査(食品安全に関する2021年のフラッシュポールと2022年のユーロバロメーター)から、EU市民の間で新しいゲノム技術の認識が低いことが明らかになった。ユーロバロメーターによると、食品生産での新しいバイオテクノロジーの使用は、市民の懸念として頻繁に言及されるものではなく、この問題を認識しているのはたった8%であり、彼らの食品安全に関する5つの懸念うちの1つであることが示された。フラッシュポールでは、「どんなリスクが起こり得るのか」が市民の重要な情報のギャップであり、約2/3(69%)の人はそのことについてもっと知りたいと願っていることが明らかとなった。
新しいゲノム技術に関するEFSAの作業についてどうしたらもっと調べられるか?
EFSAは2022年12月12日に、この話題に関心のある利害関係者らと公開会議を開催する予定である。このイベントでEFSAは、新しいゲノム技術のリスク評価や科学的側面のみに的を絞ったインタラクティブなパネルエディスカッションで参加者に貢献して欲しい。
声明:標的突然変異誘発、シスジェネシス、イントラジェネシスで生産した植物のリスク評価のための規準
Statement: Criteria for risk assessment of plants produced by targeted mutagenesis, cisgenesis and intragenesis
EFSA Journal 2022;20(10):7618 20 October 2022
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7618
シスジェネシスとイントラジェネシスによって開発された植物に関する更新された科学的意見
Updated scientific opinion on plants developed through cisgenesis and intragenesis
EFSA Journal 2022;20(10):7621 18 October 2022
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7621
[COT] 2022年10月25日の会合
COT Meeting: 25th October 2022
https://cot.food.gov.uk/COTMeeting25thOctober2022
-PFASについてのさらなる作業についての初期文書
Initial paper on further work on PFAS
https://cot.food.gov.uk/Initial%20paper%20on%20further%20work%20on%20PFAS
COTは、パー及びポリフルオロアルキル化合物(PFAS)について、これまで何度か検討しており、欧州食品安全機関(EFSA)の意見に関する意見も最近公表した。COTは、UKの関係省庁が行うヒトの健康リスク評価を支援するために、さらにどのようなガイダンスを提供できるのか諮問された。
PFASを徹底的に評価することは重要な作業であり、時間もかかると考えられる。従って、より短期的には、子供や母乳を与えられていない乳児も含めてEFSAの耐容週間摂取量(TWI)を超過する懸念について評価を実施する関係省庁に即時的な助言を提供する暫定的なポジションペーパーを作成することが有用であろう。さらに、他のPFASの検討に関する即時的なガイダンス(例:グループ化、リードアクロスアプローチ)を提供することも可能であろう。そのため、COTメンバーには次のことを考えて欲しい:暫定的なポジション声明を作成し、その後、より長い一連のペーパーを継続するというCOTの提案で十分だと思うか?COTの検討に役立つ他の観点はあるか?この段階で、特に焦点を置く又は脇に置くことが出来るエンドポイントはあるか?SETE(Epidemiological and Toxicological Evidence)アプローチは今回の検討に有用であるか?このトピックの検討にサブグループは有用か?特定の研究プロジェクトで埋めることができるデータギャップはあるか?など。
-ターメリックとクルクミンのヒト健康へのリスクの可能性についての最初の声明案
First draft statement on the potential risk to human health of turmeric and curcumin
17 October 2022
(更新部分のみ)
英国食品基準庁(FSA)は、生鮮/粉末ターメリック及びそのサプリメントの摂取に関連する事故を監視してきた。これらの事故を踏まえ、また、これらの製品の組成や汚染の可能性をめぐる不確実性に鑑み、COTは、様々な形態のターメリック及びクルクミンがヒトの健康に及ぼすリスクについて意見を求められている。
最近2021年のFera Science Ltd調査以降、FSAはさらに70のターメリックスパイス粉の鉛分析を委託した。これらは、FSAの小売化学品安全及び輸入食品サーベイランスの年次プログラムの一部として含まれた。
2022年7月の会合以降、ミセル化のナノ粒子やマイクロ粒子などの他の「新規」サプリメントタイプのいくつかは、薬物動態そして活性化学物質(例:クルクミノイド)の生物学的利用能に与える影響について、さらに詳細に調べる必要があることを強調した。これは今後、独自のトピックとして新しいディスカッションペーパーを作成することを決定した。最も懸念される分野であり、このようなサプリメントは、将来的にさらに普及する可能性があるため、サプリメント市場のごく一部を構成する可能性ではあるが、さらなる詳細が必要である。
付属書Aとして添付された声明は、食品及びサプリメントの消費におけるターメリックを「従来の」サプリメント(すなわちアジュバント化合物ピペリンの有無にかかわらないクルクミノイド/オレオレジン抽出物)として、2019年から現在までの委員会の議論と結論をまとめたものである。
この声明には、他のCurcuma種によるターメリック粉末の混入(adulteration)、アゾ染料、そして2022年3月のCOT会議で議論された30製品の調査後に報告された微量元素データのさらなる評価に関する詳細も含む。
この声明は、フランス食品・環境・労働衛生安全庁(ANSES)が最近発表した「ターメリックを含むフードサプリメントの摂取に伴う有害影響」に関する報告書の意見を参照している。報告書の全文は現在フランス語版しかないため、現時点では結論の見出しのみを参照することができる。また、イタリアの保健当局によるこの話題に関する最新情報も掲載されている。
[FSA]Food Hygiene Rating Schemeのデータにアクセスする方法を変更する
We are changing how you can access Food Hygiene Rating Scheme data
21 October 2022
https://www.food.gov.uk/news-alerts/news/fhrs-api-v1-update
英国食品基準庁(FSA)は食品衛生評価制度 (FHRS) アプリケーションプログラミングインターフェース (API)へのアクセス方法を更新した。
[FDA]警告文書
- El Gordo Spices, LLC
SEPTEMBER 30, 2022
水産製品のHACCP、食品CGMP、不純品、衛生管理の問題。
-Lakpura LLC
OCTOBER 24, 2022
新型コロナウイルス(COVID-19)に関連する未承認の医薬品、不正表示。アーユルヴェーダ製品を含む。
[FDA]プレスリリース等
-有害事象報告に関する調査:French Lentil & Leek Crumbles(2022年6月)
Investigation of Adverse Event Reports: French Lentil & Leek Crumbles (June 2022)
10/25/2022
2022年10月21日、米国食品医薬品局(FDA)は製品に関連する393件の報告及び消費者苦情を受けている。本製品のどの成分が疾病を引き起こしたかを評価するための調査・研究は継続しており、より詳しい情報が入手可能になり次第提供する予定である。
-FDAは食品由来の疾患やその他の有害事象から消費者を保護するために活動する
FDA Works to Protect Consumers from Foodborne Illness and other Adverse Events
10/26/2022
3人の食品プログラムのリーダーによる、複雑でグローバルな食品システムにおける潜在的な危険から消費者を守るために日々直面している課題と可能性に関する対談。
-消費者向け情報 ハロウィンの安全に関するヒント:コスチューム、キャンディ、カラーコンタクトレンズ
Halloween Safety Tips: Costumes, Candy, and Colored Contact Lenses
10/24/2022
ハロウィンでの食品安全、衣装やメイク、コンタクトレンズに関する注意事項を紹介する。
-ブラックリコリス:Trick or Treat?
Black Licorice: Trick or Treat?
10/24/2022
https://www.fda.gov/consumers/consumer-updates/black-licorice-trick-or-treat
ハロウィンでのブラックリコリスの食べ過ぎに注意喚起する。
動画
(ハロウィンっぽい。日本人はそんなに食べないと思うけれど)
-CVM GFI #258動物用食品、タイプA薬用品及び薬用飼料中のトレーサーの使用
CVM GFI #258 Use of Tracers in Animal Food, Type A Medicated Articles, and Medicated Feeds
10/18/2022
動物用食品、タイプAの薬用品及び薬用飼料におけるトレーサーの使用に関するガイダンス。
-FDAは外国食品施設または外国政府による検査拒否に関する最終ガイダンスを発行する
FDA Issues Final Guidance on Refusal of Inspection by a Foreign Food Establishment or Foreign Government
October 20, 2022
米国食品医薬品局 (FDA)は、FDAの検査を拒否したとみなす外国の食品施設または外国政府による行動、行為及び声明を記述したガイダンスを発行した。
-食品分析試験所認定(LAAF)に関するFSMA最終規則
FSMA Final Rule on Laboratory Accreditation for Analyses of Foods (LAAF)
10/19/2022
最終規則では、LAAFプログラムへの参加の認定機関(AB: Accreditation Body)及び研究所が満たす必要のある適格要件と、FDAがプログラムをどのように管理および監督するかについての手順が規定されている。LAAFプログラムの仕組みとFAQを紹介。以下、最終規則ガイダンス。
https://www.fda.gov/media/162315/download
[ヘルスカナダ]通知等
-乳児用調製乳の供給制限に関する家族向け情報
Information for families on the limited supply of infant formula
2022-10-24
https://www.canada.ca/en/health-canada/services/infant-care/infant-formula/shortage.html#a1
乳児用調製乳の供給制限に関する情報の更新。
-改定通知
乳酸カルシウムとアルギン酸ナトリウムのカプセル化非標準アルコール飲料への使用拡大のための他の使用が認められている許可食品添加物リストへの変更通知
Notice of Modification to the List of Permitted Food Additives with Other Accepted Uses to Extend the Use of Calcium Lactate and Sodium Alginate to Encapsulated Unstandardized Alcoholic Beverages - Reference Number: NOM/ADM-0192[2022-10-21]
2022-10-21
ヘルスカナダは、アルギン酸カルシウム膜結合球に封入されたウイスキーベースのカクテルの製造に乳酸カルシウムとアルギン酸ナトリウムを使用に関する食品添加物申請の安全性評価を完了した。食品添加物の許可リストを修正し、使用を拡大した。
-基準改定
栄養表示参照文書更新のための変更通知-1日摂取量の表
Notice of modification to update the incorporated by reference document entitled nutrition labelling – Table of daily values
October 20, 2022
ヘルスカナダは、栄養素の基準値または推奨摂取量(DV:1日あたりの値)を定めた栄養成分表の特定の年齢層に対するカリウムとナトリウムの値を修正した。乳幼児6~12ヶ月 乳児:6~12ヶ月 カリウムのDV 860 mg、1〜4歳の子ども:ナトリウムのDV 1200 mgとカリウムのDV 2000 mg、他のすべての年齢層:カリウムのDV 3400 mg。
[HK]法令違反
-包装済みニベの切り身冷凍サンプルから基準値を超える重金属汚染が検出される
Metallic contaminant exceeds legal limit in prepackaged frozen yellow croaker fish fillet sample
Friday, October 21, 2022
https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20221021_9872.html
食品安全センター(CFS)は中国産包装済みニベの切り身冷凍サンプルから、基準値0.1 ppmを超える無機ヒ素が0.326 ppm検出されたことを発表した。
-新鮮牛肉のサンプルから二酸化硫黄が検出される
Fresh beef sample found to contain sulphur dioxide
Wednesday, October 19, 2022
https://www.cfs.gov.hk/english/press/20221019_9867.html
食品安全センター(CFS)は新鮮な牛肉のサンプルから、新鮮な肉への使用が許可されていない保存料である二酸化硫黄が194.2 ppm検出されたことを発表した。
-包装済みのアップルクリスプのサンプルが栄養表示規則に違反
Prepackaged apple crisps sample not in compliance with nutrition label rules
Oct 20, 2022 (Thursday)
https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20221020_9870.html
中国産アップルクリスプ(リンゴの焼き菓子)のサンプルがナトリウム19 mg/100 gという表示のところ、64 mg/100 gの検出であった。
[HK]リコール情報
-Rappel Conso of France-硝酸塩濃度が規制基準に適合していないため、フランスMamilaféブランドのPetit pot bringelleのリコール通知
Rappel Conso of France – A notice regarding recall of Mamilafé brand of Petit pot Bringelle in France due to nitrates level not complying with regulatory standards.
20 October 2022
https://www.cfs.gov.hk/english/rc/subject/files/20221020_1.pdf
(ナスのピューレ?)
[HK]ニュースレター
Food Safety Focus
19 Oct 2022
https://www.cfs.gov.hk/english/multimedia/multimedia_pub/multimedia_pub_fsf.html
掲載項目
-食品インシデント監視体制
-持ち帰りや食事の配達における食品の安全性
-冷凍牛肉を正しく解凍
-高リスク集団におけるリステリア感染のリスク
[SFA]Global Summit on Regulatory ScienceにおけるDr Tan Lee Kim食品局局長兼副CEOの発言
Speech by Dr Tan Lee Kim, Director-General, Food Administration & Deputy CEO, at the Global Summit on Regulatory Science
19 October 2022
「食品及び医療製品のためのナノテクノロジーの進歩:イノベーション、安全性及び基準」をテーマとするGlobal Summit on Regulatory ScienceでのDr Tan Lee Kimの発言。
[FAO]魚のことを考える、魚を食べる
Fish on our mind, fish on your plate
25/10/2022
https://www.fao.org/fao-stories/article/en/c/1609482/
FAOの新しい魚のデジタルレシピ本「Fish: Know it, cook it, eat it」の紹介
トップで紹介されているのは日本のしめ鯖
(素人調理にはちょっとハードルが高いような。アニサキスは?)
[USDA]APHISは規制状態レビュー回答を発表:Infinite Enzymes, Inc., 社のトウモロコシと J.R. Simplot ジャガイモ
APHIS Issues Regulatory Status Review Responses: Infinite Enzymes, Inc., Corn and J.R. Simplot Potato
October 21, 2022
https://www.aphis.usda.gov/aphis/newsroom/stakeholder-info/sa_by_date/sa-2022/rsr-corn-potato
それぞれの詳細は以下から
Regulatory Status Review Table
https://www.aphis.usda.gov/aphis/ourfocus/biotechnology/regulatory-processes/rsr-table/rsr-table
その他
-Natureニュース
ハワイで禁漁区を作った後、マグロ捕獲率が急増
Tuna catch rates soared after creation of no-fishing zone in Hawaii
20 October 2022 Giorgia Guglielmi
https://www.nature.com/articles/d41586-022-03352-w
膨大な大きさの保護区とその形が集団回復に役立つ可能性がある
Scienceに発表されたハワイ諸島北西部の周辺でのキハダマグロとメバチマグロの10年分の漁業データが示す
-補完療法としてのバイオエネルギー療法:がん患者の治療の悪影響を緩和する有効性を評価する系統的レビュー
Bioenergy therapies as a complementary treatment: a systematic review to evaluate the efficacy of bioenergy therapies in relieving treatment toxicities in patients with cancer
Hauptmann, M. et al. J Cancer Res Clin Oncol (2022).
バイオエネルギー療法にはレイキ、タッチ療法、ヒーリングタッチ、ポラリティセラピーなどが含まれる
根拠に欠ける
-臍帯血銀行Viacordのレビュー:疑わしい自閉症宣伝その他の懸念
Review of cord banker Viacord: dubious autism claims & other concerns
By Professor Paul Knoepfler, Ph.D. / September 6, 2022
https://ipscell.com/2022/09/review-of-cord-banker-viacord-dubious-autism-claims-other-concerns/
Viacordは最も有名な営利目的の臍帯血バンクで、そのレビューからは懸念がある
臍帯血細胞が自閉症治療に役立つといった宣伝をしている