[EFSA]意見等
合成生物学から得た遺伝子組換え植物の分子特性解析や環境リスク評価のための既存のガイドラインの妥当性評価
Evaluation of existing guidelines for their adequacy for the molecular characterisation and environmental risk assessment of genetically modified plants obtained through synthetic biology
EFSA Journal 2021;19(2):6301 5 February 2021
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6301
合成生物学(SynBio)は、新しい生物学的システムの開発や、生きた細胞に新しい機能を与えることを目的とした、工学と生物学の境界領域における学際的な分野である。EFSAは、既存のリスク評価のガイドラインの妥当性を確認するために、農業食品におけるSynBio開発を評価し、更新ガイドラインが必要かどうか決めるよう欧州委員会に依頼された。この意見の範囲は、栽培または食品や飼料の目的で使用することを目的とした、SynBioから得た遺伝子組換え植物などの分子特性解析や環境リスク評価を含んでいる。食品以外についての科学委員会によるSynBioに関する以前の作業(2014, 2015年)が利用され、この任務に関連する最も現実的な今後のSynBioの事例を特定するためにEFSAに委託されたホライズンスキャニング演習のアウトプットで補完された。このホライズンスキャニングでは欧州委員会の食品以外についての科学委員会により以前に確認された6つのSynBio分類に加える他の部門/進歩を特定しなかった。近い将来(今後10年)市場に出る植物SynBio製品は、既存の遺伝子組換えやゲノム編集技術を用いた開発にSynBioアプローチを適用する可能性が高いと、この演習から示された。その上、この科学的意見のスコーピング作業をさらに支えるために、3つの架空のSynBio ケーススタディが遺伝子組換え生物に関するパネル(GMO)の作業グループによって選ばれた。この選ばれた事例を用いると、EUの規制の枠組みや既存のEFSAのガイドラインの条件は、特定の条件がすべての製品に当てはまるわけではないが、今後10年間で開発されるSynBio製品のリスク評価に適切であると、GMOパネルは結論した。GMOパネルは、SynBioの開発が進化するにつれて、それらが適切で十分だと確認するために、ガイドラインを調整する必要があるかもしれないと認めた。
-合成生物学から得た遺伝子組換え植物の分子特性解析や環境リスク評価の妥当性のための既存のガイドラインの評価に関する科学的意見案についてのパブリックコメント募集結果
Outcome of the public consultation on the draft Scientific Opinion on the evaluation of existing guidelines for their adequacy for the molecular characterisation and environmental risk assessment of genetically modified plants obtained through synthetic biology
5 February 2021
https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-2000
最終意見は2020年10月15日のGMOパネルの第139回本会議で採択され、EFSA Journalで発表された。
-プロピコナゾールのMRLレビュー条項12に従う確証データの評価
Evaluation of confirmatory data following the Article 12 MRL review for propiconazole
EFSA Journal 2021;19(2):6405 5 February 2021
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6405
概して、SYN547889, NOA436613, CGA118244, CGA118245, CGA91304 , CGA91305にまだデータのギャップがあるため、入手可能な情報は2,4‐ジクロロ安息香酸に変換可能な代謝物の毒性学的プロファイルの特徴を記すのに十分ではない。
-提出された確証データを踏まえた有効成分スピロキサミンの農薬リスク評価ピアレビュー
Peer review of the pesticide risk assessment for the active substance spiroxamine in light of confirmatory data submitted
EFSA Journal 2021;19(2):6385 5 February 2021
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6385
ブドウ、小麦、ライ小麦、ライ麦、大麦、オート麦の防カビ剤としてのスピロキサミンの代表的な利用の評価に基づいて結論に達した。ピアレビューされた書類の入手可能な研究や文献に由来し、規制リスク評価の使用に適切であることが提示されたと信頼できるエンドポイントから結論された。
[EU]RASFF Week 05-2021
警報通知(Alert Notifications)
モロッコ産スペイン経由冷凍イワシ胴体のヒスタミン(最大 571.19 mg/kg)、中国産有機殻をとったソバの実のアフラトキシン(B1 = 22.6; Tot. = 22.6 µg/kg)、オランダ産冷凍全形コウイカのカドミウム(3 mg/kg)、フィリピン産オランダ経由多種穀物スナックのグリシジルエステル類(1763 µg/kg)、ルーマニア産食品サプリメントの禁止成分エフェドラ、スリランカ産ドイツ経由有機黒コショウ粉末の多環芳香族炭化水素(156.3 µg/kg)、ポーランド産飼料用ソバのブタクサの種子高含有(329 mg/kg)、トーゴ産チリペッパー粉の未承認着色料オレンジⅡ(>0.5 mg/kg)、スペイン産ポルトガルで包装した冷凍の切って炒めたピーマンの未承認物質クロルピリホス(0.037 mg/kg)、タイ産スウェーデン経由乾燥キノコの亜硫酸塩(830 mg/kg)非表示、オンライン販売されている2,4-ジニトロフェノール (DNP)、
注意喚起情報(information for attention)
スペイン産オレンジの未承認物質クロルピリホス-メチル(0.35 mg/kg)、スペイン産チルド調理済バナメイエビの亜硫酸塩高含有(314 mg/kg)、トルコ産粉末ターメリックのアフラトキシン(B1 = 14.9 / B1 = 12.3 µg/kg)、インド産冷凍調理済殻をとったナミクダヒゲエビの亜硫酸塩(61.1 mg/kg)非表示、ポーランド産食品サプリメントの照射非表示、インド産ワサビノキ(未成熟の種鞘)のチオファネートメチル(0.32 mg/kg)、スリランカ産ツボクサおよびツルノゲイトウのアゾキシストロビン(0.15 mg/kg)および未承認物質クロルピリホス(0.036 mg/kg)・プロフェノホス(67 mg/kg)・フィプロニル(0.17 mg/kg)、
フォローアップ用情報(information for follow-up)
韓国産オーストリア経由スパイスの効いた海藻の未承認成分(エゴマ油)、エクアドル産未承認新規食品成分イレクス・グアユサ、オンライン販売されているCBDオイルの未承認新規食品成分カンナビジオール(CBD)、エクアドル産スペイン経由チルド茹でバナメイエビの亜硫酸塩高含有(191 mg/kg)、中国産ドイツ経由シイタケの亜硫酸塩非表示(620 mg/kg)、
通関拒否通知(Border Rejections)
エジプト産ピーナッツのアフラトキシン(B1 = 89; Tot. = 110 µg/kg;B1 = 22.7; Tot. = 25.2 µg/kg;B1 = 67; Tot. = 83 µg/kg)、トルコ産瓶入りブドウの葉のピリメタニル(1.3 mg/kg)・メタラキシル(0.022 mg/kg)・シプロジニル(0.057 mg/kg)・ペンコナゾール(0.046 mg/kg)・アセタミプリド(0.054 mg/kg)・テブコナゾール(0.15 mg/kg)・シモキサニル(0.073 mg/kg)・ファモキサドン(0.074 mg/kg)・ジメトモルフ(3.1 mg/kg)・ジフェノコナゾール(0.27 mg/kg)・アゾキシストロビン(0.6 mg/kg)・メトラフェノン(2.0 mg/kg)・シフルフェナミド(0.023 mg/kg)・フルキサピロキサド(0.093 mg/kg)・アメトクラジン(4.6 mg/kg)および未承認物質クロルピリホス(0.13 mg/kg)・ジチオカルバメート(29.6 mg/kg)・クロルピリホス-メチル(0.13 mg/kg)、トルコ産レモンの未承認物質クロルピリホス-メチル(0.084 mg/kg)、トルコ産有機乾燥イチジクのアフラトキシン(B1 = 30.8; Tot. = 47.47 µg/kg;B1 = 7; Tot. = 23 µg/kg;B1 = 17; Tot. = 22 µg/kg;B1 = 43; Tot. = 63 µg/kg;B1 = 8.7 µg/kg;B1 = 68.89; Tot. = 128.26 µg/kg)、トルコ産ピスタチオのアフラトキシン(B1 = 25; Tot. = 29 µg/kg)、中国産グリンデリア抽出物の照射非表示、ドミニカ共和国産ペッパーの未承認物質トリアゾホス(0.022 mg/kg)、トルコ産ペッパーの未承認物質クロルピリホス-メチル(0.116 mg/kg)、エジプト産オレンジの未承認物質ジメトエート(0,041 mg/kg)、トルコ産マンダリンの未承認物質クロルピリホス(0.144 mg/kg;0.160 mg/kg)、トルコ産生鮮ペッパーのホスチアゼート(0.156 mg/kg)、トルコ産レモンの未承認物質クロルピリホス(0.086 mg/kg)およびフェンバレレート(0.237 mg/kg)、トルコ産オレンジの未承認物質フェンバレレート(0.203 mg/kg)およびクロルピリホス-メチル(0.045 mg/kg)、トルコ産マンダリンの未承認物質フェンバレレート(0.324 mg/kg)およびクロルピリホス-メチル(0.142 mg/kg)、ウズベキスタン産乾燥アプリコットの亜硫酸塩高含有(3278 mg/kg)、トルコ産ペッパーのピリダベン(1.053 mg/kg)およびエトキサゾール(0.066 mg/kg)、ウガンダ産ペッパーのシペルメトリン(1.7 mg/kg)、
エチレンオキシドの検出:警報通知 5件、注意喚起情報 2件、フォローアップ用情報 1件、通関拒否通知 1件
[HK] 法令違反
-包装冷凍菓子が食品医薬品規則に違反
Prepackaged Frozen Confection not in compliance with Food and Drugs (Composition and Labelling) Regulations
Friday, February 5, 2021
https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20210205_8499.html
タイ産包装冷凍菓子に製品表示にない着色剤カルモイシンが検出された。
-チェリートマトのサンプルから基準値超過の残留農薬の検出
A Cherry tomato sample detected with pesticide residue exceeding legal limit
Friday, February 5, 2021
https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20210205_8498.html
チェリートマトからピリプロキシフェン1.9 ppmが検出された。
[FSS] 報告によるとロックダウンにより家庭での調理に移行したがさらなる変化が求められることを示す
Report shows lockdown shift to home cooking but change still needed
2 FEBRUARY 2021
FSSは2020年1月から7月のスコットランドにおける食品と飲料購入に関してCOVID-19 の影響を明らかにする新たな報告書を公表した。ロックダウン前と比較し、40%の人が一から調理し、29%の人が野菜の摂取量が増え、より健康的になった一方、44%の人がスナック、ビスケット、菓子の摂取量が増えた。
[FSA]肉の公的規制のためのコロナウイルス対策
Covid response measures for meat official controls
5 February 2021
https://www.food.gov.uk/business-guidance/covid-response-measures-for-meat-official-controls
消費者の安全と動物の福祉を保護しながら食品供給チェーンを維持することに役立つよう、食肉処理場に関する肉の公的規制に関する情報。
[FSA]食品接触物質認可ガイダンス
Food contact materials authorisation guidance
4 February 2021
https://www.food.gov.uk/business-guidance/regulated-products/food-contact-materials-guidance
食品接触物質認可要件と申請時に必要なものについての情報。
[FSAI] 竹製品抽出物を含むプラスチック食品接触物質
Plastic Food Contact Materials Containing Substances Derived from Bamboo
4/2/2021
https://www.fsai.ie/faq/bamboo_contact_materials.html
FAQに竹製品抽出物を含むプラスチック食品接触物質に関する新規情報追加。
(あとで)
[ヘルスカナダ] リコール
-Obijiブランドのパーム油はスーダンIVのため回収措置
Obiji brand Palm Oil recalled due to Sudan IV
February 1, 2021
https://healthycanadians.gc.ca/recall-alert-rappel-avis/inspection/2021/74949r-eng.php
-One Degree Organic FoodsブランドのGluten Free Sprouted Rolled Oatsは包装上の欠陥と酸敗臭のため、回収措置
One Degree Organic Foods brand Gluten Free Sprouted Rolled Oats recalled due to packaging integrity defects and rancidity
February 1, 2021
https://healthycanadians.gc.ca/recall-alert-rappel-avis/inspection/2021/74945r-eng.php
[FDA]女性向け:FDAは心疾患予防のためのヒントを提供する
For Women: The FDA Gives Tips to Prevent Heart Disease
02/03/2021
https://www.fda.gov/consumers/consumer-updates/women-fda-gives-tips-prevent-heart-disease
FDAは女性向けに心疾患予防のためのリスクを減らす8つのヒントを情報提供する。
[ODS] よくある質問
Frequently Asked Questions (FAQ)
February 5, 2021
https://ods.od.nih.gov/HealthInformation/ODS_Frequently_Asked_Questions.aspx
よくある質問の更新。
[FDA]警告文書
- American Global Health Group, LLC
January 22, 2021
未承認かつ不正製品の問題。アロエ成分製品を含む。
- Entia Biosciences, Inc
January 06, 2021
未承認かつ不正製品の問題。きのこ成分製品、ダイエタリーサプリメントを含む。
-Prairie Dawn Herbs
DECEMBER 10, 2020
未承認かつ不正製品の問題。ハーブ製品を含む。
欧州プラットフォームは食品安全においてより緊密な協力へと進む道を開くだろう
フィンランド食品局
A European platform will pave the way forward towards a closer collaboration in food safety
February 5/2021
2021年1月にEUが資金提供したFOODSAFETY4EUプロジェクトが始まった
このプロジェクトの目的は、欧州における食品安全システム(FSS)関係者のネットワークを構築するための複数関係者プラットフォームをデザイン、開発、発表することである
[FSSAI]メディアコーナー
FSSAIは食品事業者に脂肪塩砂糖なしの「加工食品」強化の規則について通知する
FSSAI notifies FBOs regarding rules to fortify ‘processed food’ sans fat, salt & sugar
05-02-2021
https://www.fssai.gov.in/upload/media/FSSAI_News_FBO_FNB_05_02_2021.pdf
シリアルやベーカリー、フルーツジュースなどの強化加工食品についての規則を通知する。
「強化加工食品」は、穀物やミルクなどの強化食品から作られて600kcalあたり一日所要量の15-30%の微量栄養素を提供する食品。ただし高脂肪砂糖塩食品は除く
(栄養不良対策と肥満対策をごっちゃにするからこんなことになる。栄養不良の子どもには脂肪も砂糖も大事な栄養。これだとユニセフの「Plumpy'nut」が悪いものみたいに)
[NTP]ニュースレター
NTP Update February 2021
https://ntp.niehs.nih.gov/update/index.html
環境中化学物質の母親への影響
J Womens Health (Larchmt). 2021 Feb;30(2) はNIHの女性の健康研究オフィスが調整した特集号。空気や水、消費者製品、食品由来の汚染物質の妊娠、出産、産後の健康への影響に関して。
[NASEM]COVID-19ワクチンへの信頼を増すためには、意思決定者は人々からの支持を紹介し、推奨をてこに、躊躇している個人に焦点を絞って、地域と協力する必要がある
To Increase Confidence in COVID-19 Vaccines, Decision-Makers Need to Showcase Public Support, Leverage Endorsements, Focus on Hesitant Individuals, and Engage Communities
February 3, 2021
批判者に集中することなく全ての人を説得しようとせず支持を強調する、等
-COVID-19ワクチンへの信頼を構築する
BUILDING COVID-19 VACCINE CONFIDENCE
https://www.nap.edu/resource/26068/interactive/
集団免疫を達成するにはCOVID-19ワクチンへの強い要求を確実にすることが重要である。しかし米国成人の31%は予防接種に躊躇している。COVID-19ワクチンへの信頼を構築するには参画と明確で透明なメッセージが中心的役割を果たす。国、州、地域レベルで多様な戦略がある。
社会学専門家行動ネットワーク(SEAN)からの新しいガイダンス
(強固な反対者はどうせ変わらないから説得しない、と)
[NASEM]全ての蛇口から質の高い水を ワークショップの概要
Quality Water from Every Tap Proceedings of a Workshop–in Brief (2021)
https://www.nap.edu/catalog/26069/quality-water-from-every-tap-proceedings-of-a-workshop-in
2019年11月21-22日に開催されたワークショップの概要。
小規模で人口が減少しているために適切な資源や専門性が欠ける地域の水道システムの直面する課題を特に
論文
-The Lancet Public Health:フランスの最初のCOVID-19波後に行った調査で労働年齢の約1/3がワクチンを拒否する可能性を示す
The Lancet Public Health: Survey taken after France's first COVID-19 wave indicates almost one-third of working-age people could reject a vaccine
5-FEB-2021
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-02/tl-pss020421.php
2020年7月の調査では29%がどんなCOVID-19ワクチンも拒否する可能性がある。生産国や有効性などの条件により変わる
-パンデミックは途上国に「膨大な」経済的、人的影響を引き起こした、研究が言う
Pandemic caused 'staggering' economic, human impact in developing counties, research says
5-FEB-2021
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-02/uoc--pc020421.php
収入の低下、食事の減少、教育の後退などがおこった
Science Advancesに発表されたカリフォルニア大学の研究者らによるアフリカ、アジア、南アメリカの家庭の電話調査をもとにした研究。
中から低所得国では多くの国が過去20年に成長してきたがCOVID-19パンデミックによる経済危機がそれを脅かしている。パンデミック初期には途上国は年齢が若いため影響をあまり受けないだろうと想像されていたが、政府がロックダウンやその他の対策を行ったことで広範な経済影響があった。
-ガルシニアカンボジアの肝毒性
Hepatotoxicity caused by Garcinia cambogia.
Mas Ordeig A, Bordón García N.
Gastroenterol Hepatol. 2020 Mar;43(3):134-135.
-ターメリック誘発性肝毒性の希な症例
A rare case of turmeric-induced hepatotoxicity.
Chand S, , et al., Intern Med J. 2020 Feb;50(2):258-259.
急性肝炎の62才白人女性の症例。2型糖尿病と既往の乳がん治療のホルモン療法のための医薬品に加えて健康のためとターメリック錠剤を約10ヶ月使用していた。ターメリックサプリメントの使用を中止して劇的に改善
-長期高用量ビタミンDによる高カルシウム血症のグルココルチコイドとビスホスホン酸での治療
Long-term hypervitaminosis D-induced hypercalcaemia treated with glucocorticoids and bisphosphonates.
Houghton CC, Lew SQ. BMJ Case Rep. 2020 Apr 29;13(4):e233853.
ビタミンD 不足と診断されたために5万IUのビタミンDサプリメントを毎日数ヶ月使用して高カルシウム血症になった症例。最初はカルシトニンと点滴で治療したが症状が再発したためグルココルチコイドとビスホスホン酸での治療を追加
(これは最初の助言が言葉足らずだったのか市販品のリスクを認識していなかったのか)
-スロベニア人の食事からのトランス脂肪酸摂取量
Dietary Intake of trans Fatty Acids in the Slovenian Population.
Zupanič N, et al., Nutrients. 2021 Jan 12;13(1):207
スロベニアは2018年に工業由来トランス脂肪酸を禁止した
食事調査から、トランス脂肪酸摂取量は総エネルギー摂取量の0.38-0.50%で、主な摂取源はバターや肉製品だった。従って現在スロベニア人の食事中トランス脂肪酸は主に天然由来になっている。
-ククルビタシン中毒
[Food poisoning by cucurbitacines].
Jung C, et al., Dtsch Med Wochenschr. 2020 Jul;145(14):988-990.
苦いズッキーニを食べて救急に来た66才女性の症例報告。症状は頻脈、血圧低下、眠気、下痢、血便、脱水、吐き気、嘔吐。点滴を行い2日後に再び食べられるようになった
本文ドイツ語
-グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ欠損患者の高用量ビタミンC誘発性メトヘモグロビン血症と溶血性貧血
High dose vitamin C induced methemoglobinemia and hemolytic anemia in glucose-6-phosphate dehydrogenase deficiency
Yat Hei Lo, Ka Leung Mok.Am J Emerg Med 2020 Nov;38(11):2488.e3-2488.e5.
片側顔面痙攣の代替療法として30gのビタミンC静注後黄疸と暗色尿と息切れで来院した75才女性の症例報告。メトヘモグロビン血症と溶血性貧血と診断されたが後に自覚していないG6PD欠損が確認された
-オーストラリアの受動喫煙法的判断から30周年
30th anniversary of Australian legal ruling on second-hand smoke
Neil Francey
THELANCET PERSPECTIVES|THE ART OF MEDICINE| VOLUME 397, ISSUE 10273, P466-467, FEBRUARY 06, 2021
1990年代以前にはタバコを吸う場所は一般的に制限がなかった。オーストラリアでは1991年2月7日に連邦債判事Trevor Morlingが判決を下してからそれが変わった。裁判所はオーストラリア消費者団体連合会とオーストラリアタバコ会社機関との裁判で受動喫煙が喫煙しないヒトの肺がんや喘息、子どもの呼吸器疾患を引き起こすことを認めた。この決定は世界の上級審によるこの種のものでは最初だった。
(以下略。タバコ会社の悪行のせいで全ての企業は悪、みたいになってるのでまともな企業はタバコ会社と付き合いたくない。ところが日本ではこういう非道なことをやったのは企業ではなく農水と財務省。)
-COVID-19コントロール対策のベネフィット-リスク評価を求める
Calling for benefit–risk evaluations of COVID-19 control measures
Günter Kampf, Martin Kulldorff
THELANCET CORRESPONDENCE|ONLINE FIRST
Published:February 04, 2021
政府のロックダウンは相当な健康被害を伴った。例えば米国の急性虚血性脳卒中の緊急治療は2019年2-3月に比べて2020年2-3月で相当少なかったため治療が遅れた。歴史的ベースラインに比べて英国の介護施設とホスピスの2-6月の死者は急性冠不全症候群、脳卒中、心不全の増加を伴って増加した。がんでも同様である
政府の制限は友人や家族による伝統的な支援手段も破壊した。物理的距離をとることと接触を制限することは多くの人にとって深刻なストレスとなり自殺リスクを増やした可能性がある。
我々は全ての科学者、公衆衛生担当者、ジャーナリスト、政治家に、政府のCOVID-19コントロール対策の短期的長期的健康への負の影響の大きさを測り検討することを要請する。COVID-19をコントロールしようとしながた、同時に身体的精神的健康の全ての側面を考慮する必要がある。
(数値等略)
その他
-製品レビュー エキナセアサプリメントレビュー
コンシューマーラボ
Echinacea Supplements Review
Initially Posted: 02/06/2021
https://www.consumerlab.com/reviews/echinacea-review/echinacea/
多くのサプリメントが失格だった
4製品は総フェノール量が表示から期待される量含まれず(一つは2%以下)、2製品はエキナセアの量を表示すらしていない
-Qアノンを追跡する:如何にしてTrumpが陰謀論研究をひっくり返したか
Natureニュース
Tracking QAnon: how Trump turned conspiracy-theory research upside down
04 FEBRUARY 2021 Jeff Tollefso
https://www.nature.com/articles/d41586-021-00257-y
辺縁の考えを主流にすることで、前米国大統領はソーシャルメディアとマスメディアの操作についての新しく危険な教訓を教えた
ワシントン大学の社会学者Kate Starbirdらのチームはソーシャルメディアでのデマの拡散を調べていて、陰謀論のスーパースプレッダーである「Qアノンシャーマン」ことJake Angeliのことは何年も監視していた。1月6日の国会議事堂乱入で世界中に有名になった角のある頭飾りを着けた男である。StarbirdらはTwitter や Facebookなどからデータを集めて現代ポピュリズムについて学ぼうとしている。
陰謀論研究者コミュニティで議論になっていることの一つがトランプ大統領はQアノン信奉者を増やしたのかあるいは既に信者だった人を勢いづけたのか、がある。世論調査からはQアノン信者は少ないままである。しかし世論調査は必ずしも過激派を把握していないと主張する人もいる
多くのデマ研究者が、インターネットには新しい規制が必要であることは明白だという・「マスメディアの門番の力は今やプラットフォーム企業に移った。彼らは何をしているのかについてより透明にする必要があり、我々にはガードレールがどんなものか彼らが知るように規制する必要である」
(一部のみ)
-性とジェンダーについて、The New England Journal of Medicineはその科学的任務を放棄した
On Sex and Gender, The New England Journal of Medicine Has Abandoned Its Scientific Mission
Published on December 23, 2020 written by Colin Wright
世界で最も権威ある医学雑誌と考えられているNEJMが、出生証明書の性別の欄を臨床上の有用性がなくインターセックスやトランスジェンダーの人々にとって有害な可能性があるので再考すべきと主張する論説を掲載したことについての長い記事
(Failed Assignments — Rethinking Sex Designations on Birth Certificates
December 17, 2020 N Engl J Med 2020; 383:2399-2401)
(イデオロギーで事実を変えられると考える人たちが医学でも増えた?COVIDのトレーサーが、対象者に生物学的性ではなく自認している性を尋ねた、というコメントがあってびっくり。男女で病気のリスクが違うのに、リスク判断できないだろうに)
-SMC UK
ダッシュボードに提示されたピアレビューされていないモデルが英国では予防接種計画がこのまま進めば7月には集団免疫に到達すると示唆することへの専門家の反応
expert reaction to non-peer reviewed modelling presented on a dashboard suggesting that herd immunity may be reached in the UK in July if the vaccination programme stays on track
FEBRUARY 4, 2021
UCLのモデリングに基づくサマリーダッシュボードが英国では予防接種計画がこのまま進めば7月には集団免疫に到達するだろうと示唆
エジンバラ大学感染症疫学教授Mark Woolhouse教授
現時点では英国のCOVID-19予防接種計画で集団免疫にいつ到達するか、あるいは到達するかどうかすら推定するのは極めて難しい。UCLの研究は7月に集団免疫に到達する可能性を強調するがこれは極めて不確実である。そのモデルによると早ければ5月後半、より悲観的には全く達しない。予防接種の影響について言うには早すぎる。今後数週間で今より明確になるだろう
London School of Hygiene & Tropical Medicine感染症疫学准教授Adam Kucharski博士
不幸なことに、この解析に使われたモデリングアプローチは自信過剰で過剰に楽観的な予測をした前科がある。9月初めに「英国データの最良のモデルが第二波の死亡率は最初のピークより少ないことを予測する」といった。9月後半には「最悪のシナリオでも死亡のピークは11月に数十人で百単位にはならない」と著者が主張した。
現在ワクチンの有効性や効果持続期間、新型の特徴、対策を強化するのか緩和するのかなど多くの不確実性がある。しかしオンラインの説明ではこのような不確実性をどう取り入れたのかは不明である。モデルはいろいろな想定をしてダイナミクスの可能性を探るには有用なツールだが、重要なのはそのような想定を明示することで、そして過去のモデルで明らかになったバイアスは新しい結果を発表する前に対処されるべきである。
(UCLのモデルhttps://www.fil.ion.ucl.ac.uk/spm/covid-19/forecasting/
こういうの、研究者の倫理を疑う。でもイギリスずっとこんな感じ。)
-「アメリカの前線医師」を敬遠しよう
Back Away From “America’s Frontline Doctors”
by Joe Schwarcz PhD 4 Feb 2021
Lee Merritt医師は良い整形外科医かもしれないが、COVID-19の科学については危険な立場である。見てみよう。
陰謀論を主張する医師グループ“America’s Frontline Doctors”の一員でマスク反対をはじめたくさんの問題のある動画を作っているLee Merritt医師について。“America’s Frontline Doctors”の創設者Simone Gold医師は1月6日の国会議事堂攻撃に参加したことで逮捕されている
-ミトコンドリアの恍惚についてだらだら話す牧師
The Droning Preacher of Mitochondrial Ecstasy
Jonathan Jarry M.Sc. | 4 Feb 2021
Zach Bush博士は細菌論をスピリチュアリティで否定する、健康教祖業界の成長株である。
時に科学の専門家が天啓を受けて方向を転換し疑似科学の教祖となることがある。ノーベル賞を2回受賞したLinus Paulingが2021年のインターネットでビタミンC大量投与で多くの病気が治ると宣伝してサプリメントを販売していることを誰が想像しただろうか。
Zach Bush博士もそのような人物で、内科医として内分泌学や代謝を学び緩和ケアの研修医を経て今は何万人ものフォローワーにインターネットでウイルスは病気の原因ではないと説教をしている。彼は現代科学の知識を利用しておおよそ事実のような話をする。
彼の説は、かつて地球上の生命はバランスがとれていてウイルスは母なる自然によるソフトウェアの更新に過ぎなかった。しかし我々が50年前に環境を汚染したため健康が損なわれた。母なる自然とのつながりを年戻すことが必要だと高価なサプリメントを売っている。
(長い記事。グリホサート危険、だからサプリを買え、もやっている)