[FDA]FDAはCBDとダイエタリーサプリメントに関連する3件の市民請願への回答を発表
FDA Issues Response to Three Citizen Petitions Related to CBD and Dietary Supplements
January 26, 2023
本日、米国食品医薬品局(FDA)は、FDAがカンナビジオール(CBD)製品をダイエタリーサプリメントとして販売することを許可する規制を発行するよう求めた、米国大衆薬協会(CHPA)、米国栄養評議会(CRN)、米国自然製品協会(NPA)による3件の市民請願の請求を退けた。法律の規定により、特定の医薬品成分をダイエタリーサプリメントとして販売することは禁止されているため、CBD製品をダイエタリーサプリメントとして合法的に販売できる経路を提供するにはそのような規制が必要なのである。FDAの回答では、入手可能な科学的根拠に照らして、CBD製品がダイエタリーサプリメントとして適切な安全性基準をどのように満たすことができるかが明らかではないため、そのような規制作りを開始するつもりはない、と説明している。別の市民請願にはCBDとダイエタリーサプリメントに関連する他の要求が含まれており、それらは全て徹底的にレビューされ、それぞれFDAの回答で対処された。
さらにFDAは、CBD製品の規制経路の可能性を探索するために、機関を横断する大麻製品委員会の広範な作業に関する声明を本日発表した。その声明では、FDAが既存のダイエタリーサプリメントや従来の食品の経路がCBDに適しているとは考えていないことや、CBD製品を利用したいという消費者の要望と、これらの製品に存在するリスクをよりよく管理するために必要な規制監督とのバランスをとって、新たな経路を開発するために議会と協力することに関心があることを説明している。
※参考：米国大衆薬協会(CHPA)の請願
https://www.regulations.gov/document/FDA-2019-P-5394-0001
※参考：米国大衆薬協会(CHPA)へのFDAの回答
https://www.regulations.gov/docket/FDA-2019-P-5394/document
※参考：米国栄養評議会(CRN)の請願
https://www.regulations.gov/document/FDA-2020-P-1582-0001
※参考：米国栄養評議会(CRN)へのFDAの回答
https://www.regulations.gov/docket/FDA-2020-P-1582/document
※参考：米国自然製品協会(NPA)の請願
https://www.regulations.gov/document/FDA-2022-P-0600-0001
※参考：米国自然製品協会(NPA)へのFDAの回答
https://www.regulations.gov/docket/FDA-2022-P-0600/document
-FDAの声明：FDAは、食品やサプリメントの既存の規制の枠組みはカンナビジオールに適していないと結論し、今後新たに議会と協力する
FDA Concludes that Existing Regulatory Frameworks for Foods and Supplements are Not Appropriate for Cannabidiol, Will Work with Congress on a New Way Forward
January 26, 2023
Statement From: Janet Woodcock, M.D.
Principal Deputy Commissioner - Office of the Commissioner
カンナビジオール（CBD）製品の市場が拡大していることから、米国食品医薬品局は、CBD製品の規制経路の可能性を探索するためにハイレベルの内部作業グループを招集した。本日FDAは、慎重なレビューを経て、CBD製品を利用したいという個人の要望と、リスクを管理するのに必要な規制監督とのバランスをとって、CBDの新たな規制経路が必要だと結論したことを発表する。FDAはこの問題に関して議会と協力するための準備ができている。本日、我々はCBD製品をダイエタリーサプリメントとして販売することを許可するための規制作りを実施するようFDAに求める3件の市民請願も退けている。
CBDの使用には、特に長期使用で様々な安全上の懸念が生じている。肝臓に有害な可能性、特定の医薬品との相互作用、男性の生殖器系に有害な可能性があることが研究から示されている。CBD暴露は子供や妊婦など特定の感受性の高い集団に関しても懸念される。
新たな規制経路は、CBD製品に関連するリスクを管理・最小化するための予防対策や監視を提供することで消費者に利益をもたらす。リスク管理手段には、明確な表示、汚染物質の阻止、CBD含有量の制限、子供の摂取リスクを軽減するための最低購入年齢などの対策がある。さらに、新たな経路により特定の動物用CBD含有製品の入手や監視を提供することもできる。
FDAの既存の食品及びダイエタリーサプリメント局は、CBD製品に関連する多くのリスクを管理するのに限られた手段しか提供していない。法の下では、CBDを含むどの物質も、ダイエタリーサプリメントや食品添加物として合法的に販売するために特定の安全性基準を満たさなければならない。
私が議長を務める作業グループは、CBDをベースにした医薬品Epidiolexに関連する研究、発表されている科学的文献、公的記録に提出した情報、FDAが実施・委託した研究を綿密に調べた。入手可能な根拠を考慮すると、CBD製品がダイエタリーサプリメントや食品添加物としての安全性基準をどのように満たせるかは明らかになっていない。例えば、害を及ぼす前にどのくらいの量、どのくらいの期間、CBDを摂取できるかを判断するための適切な根拠は見つかっていない。従って、ダイエタリーサプリメントや従来の食品にCBDの使用を許可する規制作りを追求するつもりはない。
CBDは動物にもリスクをもたらすため、人はCBDを与えられた動物由来の肉、ミルク、卵を通して知らないうちにCBDに暴露する可能性がある。CBD製品がどのようにして動物食品中の物質の安全性基準を満たすことができるかは明らかにされていないため、我々は動物食品にCBDの使用を許可する規制作りも追求するつもりはない。新たな規制経路は特定の動物用CBD含有製品の入手や監視を提供することができる。
FDAは、適切であれば、州の規制パートナーと協力して、国民を守るためにCBDや他の大麻由来製品への対策を継続する。我々はリスクをもたらす製品を特定し、我々の権限内で活動しながら、入念に市場の監視を継続する。FDAは、国民の健康と安全を守るこれらの製品の機関を横断する規制戦略を策定するために、議会と協力するのを楽しみにしている。
[EU]査察報告
-トルコ―EU輸出用二枚貝の生産に適用される管理システムの評価
Türkiye 2021-7257―evaluate the control systems in place governing the production of bivalve molluscs intended for export to the European Union
31-01-2023
https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit-report/details/4566
2021年10月4～15日にリモートで、2022年5月9～13日に現地で実施した、トルコのEU輸出用二枚貝の衛生証明書を評価し、前回の査察の是正措置の実行と効果を確認するための査察。2015年の査察以降一定の進歩があった。当局内の中央レベルに高い能力があり中央当局により調整されている。バイオトキシン検査に重大な弱点があり、軟体動物に存在するバイオトキシンの量が過小評価される可能性がある。微生物学的調査が不十分で、生産地域の誤判別や二枚貝の収穫の不適切な処理につながる可能性がある。特に、施設の構造と運営両方に重要な欠点があるため、これらの施設から輸出された製品に食品安全の懸念が生じる。
[EU]SCCS最終意見 化粧品のアルミニウムの安全性－提出III
SCCS - Safety of aluminium in cosmetic products - Submission III
2 February 2023
https://health.ec.europa.eu/publications/sccs-safety-aluminium-cosmetic-products-submission-iii_en
消臭用品、制汗剤、リップスティック、練り歯磨き以外の製品にアルミニウム化合物が使われることは安全か？
以下の使用は安全だと考える
・スプレーではない製品では表4と6に示された最大濃度
・スプレー製品では直径10μm未満の粒子/小滴が総エアロゾル化粒子/小滴中20%を超えない条件で表4に示された最大濃度。日焼け止めエアロゾルスプレーはカバーしない
（表4は石けんやマスカラ等24種類、表6はその他含む12種類）
２．化粧品、医薬品、食品からの総暴露に関する情報を考慮した上で化粧品へのアルミニウム化合物の使用について科学的懸念はあるか？
アルミニウムはCMR 1A あるいは Bに分類される物質ではないので、この安全性評価では化粧品での使用による暴露のみを考慮した。
しかし提出された情報は化粧品以外からのアルミニウムの現実的暴露シナリオを提供し、このシナリオでは食品からの暴露が安全性評価で使った化粧品からの暴露と同程度の寄与であると推定できる。推定は保守的であるが、化粧品と化粧品以外の総暴露量は、最も高い暴露量の消費者では安全性の上限を超えている可能性がある。
総暴露量の推定に関して
・多くの人にとっては食品が主なアルミニウムの暴露源である
・制酸剤を使用している人が最もアルミニウム暴露量が多い（桁が違う）
・化粧品由来は平均で総暴露量の7-9%、P95で20-23%
・化粧品からの暴露のメインルートはこのシナリオでは吸入だが恐らく過剰推定
・JECFAのTWI 2 mg/kg bw/weekは体内全身暴露量1.8 μg/kg bw/dayと同等、化粧品の寄与は少ない
[EFSA]意見等
-馬と家禽用デオキシニバレノールの毒性に関する情報の評価
Assessment of information as regards the toxicity of deoxynivalenol for horses and poultry
EFSA Journal 2023;21(2):7806 2 February 2023
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7806
(科学的意見)
-遺伝子組換えStreptomyces violaceoruber AS‐10株由来食品用酵素ホスホリパーゼA2の安全性評価
Safety evaluation of the food enzyme phospholipase A2 from the genetically modified Streptomyces violaceoruber strain AS‐10
EFSA Journal 2023;21(2):7458 1 February 2023
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7458
(科学的意見)
食品用酵素ホスホリパーゼA2 (phosphatidylcholine 2‐acylhydrolase EC 3.1.1.4)は、Nagase (Europa) GmbH.社が遺伝子組換えStreptomyces violaceoruber AS‐10株で生産した。この遺伝子組換えは安全上の懸念を生じない。この食品用酵素にこの生産菌の生きた細胞やそのDNAは含まれない。4つの食品製造工程、すなわち、卵加工、焼成工程、油脂の脱ガム、チーズ生産のミルク加工で使用されることを意図している。総有機固形物(TOS)の残留量は油脂の脱ガムで除去されるため、食事暴露は残りの3つの食品製造工程にのみ算出された。この食品用酵素に対する食事暴露―TOSは欧州人で最大0.41 mg TOS/kg 体重/日と推定された。遺伝毒性試験は安全上の懸念を示さなかった。全身毒性はラットの90日間反復経口投与毒性試験で評価された。パネルは、無毒性量を調べた中間の用量191.2 mg TOS/kg体重/日とし、推定した食事暴露と比較して、暴露マージンは460以上となった。既知のアレルゲンに対するこの食品用酵素のアミノ酸配列の類似性が調査され、一致はなかった。パネルは、意図した使用条件下で、食事暴露によるアレルギー感作リスクと誘発反応は除外できないが、これが起こる可能性は低いと考えた。提出されたデータに基づき、パネルは、意図した使用条件下でこの食品用酵素は安全上の懸念を生じないと結論した。
-食品接触物質に使用する「石油由来のワックス、パラフィン系及び精製あるいは合成炭化水素原料由来、低粘度」の安全性評価
Safety assessment of ‘waxes, paraffinic, refined, derived from petroleum‐based or synthetic hydrocarbon feedstock, low viscosity’ for use in food contact materials
EFSA Journal 2023;21(2):7761 1 February 2023
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7761
(科学的意見)
食品接触物質、酵素及び加工助剤に関するEFSAのパネル(CEP パネル)は、脂肪分の多い食品と接触する物質への使用拡大を求める、「石油由来のワックス、パラフィン系及び精製物あるいは合成炭化水素原料由来、低粘度」(FCM No. 93)の安全性を評価した。代表的なワックス1% (w/w)を含む低密度ポリエチレンサンプルからの移行を食品模擬物質で検査した。脂肪分の多い食品模擬物質では、ミネラルオイル飽和炭化水素類(MOSH) ≤ C35の移行は142 mg/kg食品で、プラスチックFCMの総溶出移行限度を超えている。少なくとも2つの環を持つミネラルオイル芳香族炭化水素類(MOAH)は、製造工程中に大部分が除去される。様々な一連の根拠に基づき、パネルは、2つ以上の共役芳香環を持つMOAHが存在する可能性への懸念は除外できると結論した。遺伝毒性試験や多環芳香族炭化水素(PAHs)の含有量に基づき、この物質に遺伝毒性の懸念は生じない。入手可能なトキシコキネティックデータから、MOSHの蓄積は限定的だと示された。Sprague–Dawley ラットの90日間反復経口投与毒性試験で、調べた最大用量9 g/kg体重/日まで有害影響は観察されなかった。入手可能な結果から、FCM No. 93は内分泌活性がないことが示された。慢性毒性と発がん性に関して提供された情報は限られており、これらのエンドポイントの結論を出すには不十分だった。そのためCEPパネルは、意図した調べた使用条件下で、食品への移行が5 mg/kg未満であることを保証するレベルで使用する場合、この物質は消費者への安全上の懸念を生じないと結論した。
-欧州市民の海藻類と塩生植物類の摂取による重金属への食事暴露とヨウ素の摂取量
Dietary exposure to heavy metals and iodine intake via consumption of seaweeds and halophytes in the European population
EFSA Journal 2023;21(1):7798 31 January 2023
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7798
(科学報告書)
EFSAは、欧州市民の重金属（ヒ素、カドミウム、鉛および水銀）への食事暴露とヨウ素の摂取に対する海藻と塩生植物の摂取との関連性を評価した。2011–2021年のサンプリングに基づき、カドミウム2,093件、鉛1,988件、総ヒ素1,934件、無機ヒ素(iAs) 920件、総水銀1,499件、ヨウ素1,002の分析データが入手できた。塩生植物類、海藻類及び海藻関連製品についての食事の機会は、EFSAの包括的欧州食品摂取量データベースで合計697件 確認された（欧州19カ国、468人の対象者）。成人の「消費者のみ」の海藻の摂取によるカドミウムの暴露推定量は、以前の食事全体を考慮した暴露推定量の範囲内だったが、iAsと鉛の暴露推定量は、以前の成人集団の食事全体からの暴露量の10%～30%だった。海藻類は、例外はあるものの、主に有機ヒ素を指す、総ヒ素の重要な供給源としても見なされている。ヨウ素については、海藻の摂取から、コンブとノリの「消費者のみ」で20 μg/kg体重/日以上の平均摂取量が確認された。重金属類への食事暴露とヨウ素の摂取量について、将来、海藻の摂取量（「1人当たり」）の増加の影響は、海藻類の摂取に強く依存する。海藻類の「消費者のみ」の重金属とヨウ素の摂取量の暴露推定量は、全集団の選択した海藻ベースの食品での代替シナリオの推定量と同等だった。これらの結果から、様々な重金属類への総暴露量とヨウ素の摂取量における現在の海藻類の摂取の関連性が強調されている。海藻の摂取と重金属への暴露やヨウ素の摂取量との関係をよりよく理解するために、様々な分野で追加の研究の必要性に向けての助言が提供される。
-エテホンの農薬リスク評価ピアレビュー
Peer review of the pesticide risk assessment of the active substance ethephon
EFSA Journal 2023;21(1):7742 31 January 2023
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7742
(農薬の結論)
情報不足と懸念が確認された。
-脂肪の蒸留残渣の農薬リスク評価ピアレビュー
Peer review of the pesticide risk assessment of the active substance fat distillation residues
EFSA Journal 2023;21(1):7811 31 January 2023
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7811
(農薬の結論)
情報不足と懸念が確認された。
[COT]2023年2月7日の会合
COT Meeting: 7th February 2023
Last updated: 02 February 2023
https://cot.food.gov.uk/COT%20Meeting%3A%207th%20February%202023
・緑茶カテキンによる肝毒性についての二次声明案
背景
緑茶サプリメントを使用した結果有害影響を被ったという一連の報告を受けてEFSAが2018年に緑茶カテキンの安全性を評価し意見を採択した。エピガロカテキンガレート(EGCG)1日800mg以上をサプリメントで使用することは血中トランスアミナーゼの有意な上昇を示す根拠があると結論した。この意見の後欧州委員会は緑茶カテキンの使用を制限または禁止する規制改定を提案している。また英国と欧州の食品サプリメント業界はリスク管理対策の可能性について多数の懸念を提示してきた。そこでFSAはCOTに評価を依頼した。
お茶からピロリジジンアルカロイドが検出されている（ハーブティーよりは少ない）
これは雑草の汚染によるものなのでGAPと雑草管理を含む品質管理向上が必要
いくつか新しい研究が発表されているが不確実性が大きくさらなる研究が必要
2018年のEFSAの結論を否定する新たなデータはないが、感受性の高い人がこれ以下で有害影響を生じる可能性は否定できない。NOAELやHBGVは設定できない。
[NASEM]デマに対抗し科学への信頼を構築するノーベル賞サミットが5月24-26日に開催される
Nobel Prize Summit on Countering Misinformation and Building Trust in Science To Be Held May 24-26
February 2, 2023
ノーベル賞受賞者をはじめとする世界の有名専門家やリーダーを集めて、科学・科学者・その組織への人々の信頼を毀損するデマをどう止めるかについて世界的対話をするノーベル賞サミット「真実、信頼、そして希望」が開催される
米国科学科でミートノーベル財団共催。対面とオンラインのハイブリッド。
Nobel Prize Summit
https://www.nobelprize.org/events/nobel-prize-summit/2023/#tab-content/
論文
-マイクロプラスチックの先を見る、オレゴン州立大学の研究者らはコットンと合成マイクロ繊維が水棲生物の行動と成長に影響することを発見
Looking beyond microplastics, Oregon State researchers find that cotton and synthetic microfibers impact behavior and growth of aquatic organisms
1-FEB-2023
https://www.eurekalert.org/news-releases/978472
近年マイクロプラスチックの環境影響が相当注目されているが、オレゴン州立大学の科学者たちは綿や合成素材由来マイクロ繊維も同様に水生生物の行動と成長に影響することを発見した。Frontiers in Marine Scienceに発表された研究ではモデル動物としてインランドシルバーサイド（魚）とアミ（甲殻類）への影響を調べた
オレゴン州では最近新しい洗濯機には微小線維濾過システムが義務化された。この研究の著者のSusanne Brander准教授は洗濯機と乾燥機にフィルターを要求する法律が必要だろうという。「コットンを使うのを止めるのが答えではないが繊維の放出にはさらなる啓発とより良い管理が必要だ」という。
（ハザードベースでマイクロプラスチック危険などと言っていると人間がいなくなれば人為による影響はなくなる、にしかならない。なお人為によらない災難は相変わらず全ての生物に起こり続ける模様）
-専門家は子どもの漫画Beanoにジャンクフードブランドの宣伝を止めるよう強く求める
Experts urge kids’ comic the Beano to stop promoting junk food brands
1-FEB-2023
https://www.eurekalert.org/news-releases/978216
英国の子ども向けウェブサイトのコンテンツが砂糖と塩と脂肪の多い食品のクイズを多く扱っている。例えば「マクドナルドクイズ」「食品ロゴクイズ」など。「人類はどれだけ長くビールを醸造してきたか？」のようなアルコールを扱ったクイズすらある。これは「信じがたいほど無責任で、変更を求める」。
オークランド大学の集団の栄養とグローバルヘルス教授でメルボルンの世界肥満センター名誉教授のBoyd SwinburnはBeanoにアルコール、ファストフード、お菓子、ソフトドリンク、超加工食品のような子どもに悪い製品を紹介しないように方針を変えなければならないと呼びかける。BMJ
（ジョークではないらしい）
-PETA科学グループ資金提供は科学者にヒトの肺切片へのアクセスを拡大する革新的方法を可能にする
PETA Science Group funding allows scientists revolutionary way to expand access to human lung slices
2-FEB-2023
https://www.eurekalert.org/news-releases/978513
動物実験を減らすためヒト組織を使う。一人分の肺から数千のスライスができ、それをバンクとして希望者に提供
（凍結解凍切片で吸入の代わりにはならないだろうけれど、動物実験をしないなら人間を使うしかないのはそう）
-ソーシャルメディアで真の物語が勝つことができる、研究が発見
True stories can win out on social media, study finds
2-FEB-2023
https://www.eurekalert.org/news-releases/978583
過去の研究はオンラインでは嘘の方が事実より早く多くの人に伝わることが示されていたが、新しい研究はもう少し希望が持てる。Redditでファクトチェック後事実とされたニュースの方が虚偽とされたものよりポジティブな反応を受けた。
PNAS Nexus
（ファクトチェックはしないといけないのか）
-2023年の医学を形作る11の臨床試験
11 clinical trials that will shape medicine in 2023
Carrie Arnold & Paul Webster
Nature Medicine volume 28, pages2444–2448 (2022)
Published: 23 December 2022
https://www.nature.com/articles/s41591-022-02132-3
Nature Medicineは主導的研究者に2023トップ臨床試験を尋ねた
その一つが減量のための地中海食
これまで肥満または過体重の人の心血管疾患リスクを下げるのにカロリーを減らした健康的な食事と運動による減量と体重維持が有効であることを示した試験はなかった。糖尿病の人を対象にした米国のLook AHEAD試験は体重では介入群に有意差が達成された者の心血管系イベントと死亡リスク削減効果がなかったために約10年のフォローアップ後に中止された。
スペインの研究者が伝統的地中海食が持続可能な長期アプローチになる可能性があると考えて臨床試験を実施中
-SCIENCE VOLUME 379|ISSUE 6631|3 FEB 2023
ニュースを一目で
News at a glance:
420-421
・長期Covidの報告が減る
Kaiser Family財団の調査では、2022年6月にCOVID-19感染者の19%が長期後遺症Long Covidを報告したが1月にはこの数字が11%に低下した。これは一部の人が回復したこと、後遺症発症率も時間とともに下がったことを示唆する。米国では約6%がLong Covid
・幻覚が鬱に取り組む
幻覚剤ジメチルトリプタミンが初期臨床試験で大鬱治療に期待できることが示された、と医薬品メーカーが発表した
米国の科学者はリスクの高い研究の監視強化に備える
U.S. scientists brace for greater scrutiny of risky research
BY JOCELYN KAISER 02 FEB 2023: 422
連邦資金で有害微生物やその他生物兵器ができそうな危険なものを扱う科学者には政府からの監視が強化される
その他
-食品としての海藻の食品安全リスク管理への北欧アプローチ
A Nordic approach to food safety risk management of seaweed for use as food
https://pub.norden.org/temanord2022-564/
https://norden.diva-portal.org/smash/get/diva2:1729775/FULLTEXT01.pdf
欧州では海藻を使った経験は少なく、食べたときにヒト健康に与えるリスクやベネフィットについてあまりわかっていない。従ってリスク管理は課題である。食品安全確保、統一した管理と取引、革新と部門の成長のために生産者と一般の人々の両方にガイダンスが必要である。世界や欧州内でも北欧は伝統や食文化、海の水質、使う海藻の種類が異なるため北欧アプローチが要請された。
この報告書は主に既にわかっている化学及び微生物ハザードを扱っている。
現在の知見では、最も重要な食品安全上のハザードはヨウ素、カドミウム、無機ヒ素である。他に考慮すべき重要なハザードとしては鉛、水銀、加熱製品のBacillus spp、ダルス（紅藻）のカイニン酸、アレルゲンである。その他可能性のあるハザードについても議論した。
現在のデータが限られていることに注意すべきである
（どう評価してもヒジキはハイリスク・・何故健康食品扱いされているのか）
-パンデミック中のオンライン食品配達の食品安全リスクを評価する
Evaluating the Food Safety Risk of Online Food Delivery During the Pandemic
https://www.youtube.com/watch?v=j9TTwfFrdKU
動画。台湾の状況
-50人以上の科学者が、ボストン大学とフロリダインターナショナル大学がワクチンや作物バイオテクノロジーについてのデマを拡散している哲学者Vandana Shivaのイベントを開催することに疑問を提示
50+ scientists challenge Boston College, Florida International for hosting philosopher Vandana Shiva, disseminator of science disinformation on vaccines and crop biotechnology
February 2, 2023
2月6日にボストン大学、2月8日にフロリダインターナショナル大学がVandana Shivaの講演会を開催
（Shivaは飢えや渇きや病気や恐怖のない世界を目指してワクチンやGMに反対しているそうだから人間が肉体を捨てることを望んでいるのでは）
-メモ
沖縄市の産業廃棄物処分場や農業用水から高濃度のＰＦＯＳ検出（沖縄）
（NHK、2023年2月2日）
https://www3.nhk.or.jp/lnews/okinawa/20230202/5090021816.html
所沢ダイオキシン騒動を思い出す。基地周辺の農産物は危険！みたいな主張が出たらまさに学習しないということになるけれど。
ダイオキシンは「史上最強の毒物」(https://www.nies.go.jp/kanko/news/18/18-6/18-6-03.html)、PFASは「永遠の化学物質」と二つ名を与えられているけれどどちらも事実ではない
強すぎる言葉は科学者の使うものでは無く扇動家の使うもの
