2023-04-05

[EU]「水枠組み指令優先物質の環境基準案」についてのポジションペーパー

SCHEER - Position Paper on "Draft Environmental Quality Standards for Priority Substances under the Water Framework Directive"

3 April 2023

https://health.ec.europa.eu/publications/scheer-position-paper-draft-environmental-quality-standards-priority-substances-under-water_en

一連の環境基準案についての一貫性や手法の改善等の指摘

 

[EU]銀亜鉛ゼオライト 意見募集のための予備的意見

Silver Zinc Zeolite (CAS No. 130328-20- 0, EC No. 603-404-0)

https://health.ec.europa.eu/publications/silver-zinc-zeolite-cas-no-130328-20-0-ec-no-603-404-0_en

化粧品の保存料や脱臭剤としての使用の安全性について。意見は2023年6月5日まで

ナノ粒子は含まない

 

[RIVM]布製品の安全なリサイクルは可能だがまだ未熟

Safe recycling of textiles possible, but still in its infancy

04-04-2023

https://www.rivm.nl/en/news/safe-recycling-of-textiles-possible-but-still-in-its-infancy

RIVMはリサイクルされた布製品の安全性について研究した。現時点では、衣類に存在する化学物質がリサイクル中に健康上の問題を引き起こすことはなさそうだが、衣類の分類は重労働で費用のかかる工程である。理由は衣類の生産には多様な素材が使用されているためで、リサイクルの観点からは布製品は簡単に分離できることが重要である。デザイナーは素材の選択の際にこのことを考慮すべきである。

報告書

Textile recycling in the Netherlands. Considerations for ensuring chemical product safety

2023-04-04

https://www.rivm.nl/publicaties/textile-recycling-in-netherlands-considerations-for-ensuring-chemical-product-safety

 

[NASEM]2023年Eric とWendy Schmidt科学コミュニケーション優秀賞の応募者募集

Submissions for the 2023 Eric and Wendy Schmidt Awards for Excellence in Science Communications Are Now Open

https://www.nationalacademies.org/news/2023/04/submissions-for-the-2023-eric-and-wendy-schmidt-awards-for-excellence-in-science-communications-are-now-open

サイエンスコミュニケーター、ジャーナリスト、あるいは一般向けに創造的なオリジナル科学技術医学コミュニケーションを開発した研究者を讃える賞。

「デマが社会に相当な害を与えてきた今、科学コミュニケーターや科学ジャーナリストは最も重要な薬である。」とNASEMのMarcia McNutt会長は言う。「科学についての効果的で正直なコミュニケーションは、人々に情報を伝えるだけでなく人々が自分の人生や地域でしっかりした意思決定をするための力を与える。私たちは科学を全ての人の手の届くものにするために一生懸命な才能のある個人を同定して讃えることを楽しみにしている。」

 

[ASA]ASA裁定

ASA Ruling on Kendal Nutricare Ltd t/a Kendamil

05 April 2023

https://www.asa.org.uk/rulings/kendal-nutricare-ltd-g22-1162944-kendal-nutricare-ltd.html

乳児用調整乳が米国で販売できることについての発表が宣伝に相当し、乳児用調整乳の宣伝禁止基準に違反、フォローアップミルクの宣伝が一見乳児用調整乳のように見えることが違反、夜泣きに役立つといった文言が禁止されている疾患治療効果の宣伝に相当、等。

 

[ASA]助言 食品:プロバイオティクスクレーム

Food: Probiotic claims

Advice online 04 Apr 2023

https://www.asa.org.uk/advice-online/food-probiotic-claims.html

プロバイオティクスは健康強調表示か?

文脈によっては未承認健康強調表示とみなされる。プレバイオティクスも同様。

2013年にASAは「ヤクルトの細菌は生きたまま腸に届くことが科学的に証明されている」という主張について苦情が申したてられたため検討し、提出された根拠をもとに根拠があると判断している。

 

論文

-ハーブダイエタリーサプリメントによる肝毒性:過去、現在、そして未来

Hepatotoxicity due to herbal dietary supplements: Past, present and the future

Bill J Gurley et al., Food Chem Toxicol. 2022 Nov;169:113445.

レビュー。

植物やハーブのダイエタリーサプリメントは市場の全ダイエタリーサプリメントの約30%を占め、単一植物の抽出物や複数の抽出物の混合物である。一般的には毒性学的に安全だが肝障害事例が増加していて、多くは複数成分あるいは異物混入製品が原因であるが-特に懸念されている。これまでのハーブダイエタリーサプリメント誘発性肝障害の目立った事例-エフェドラ、ヒドロキシカット、OxyELITE Pro-NF-や肝毒性が疑われる製品について議論した。この問題に対処するために市販前の安全性対策の導入を提案する

(ホルスコリン、CBD、ターメリック、緑茶抽出物等も取り上げられている。高脂肪食を与えなくても肥満になるNZO/HlLtJマウスが毒性への感受性が高く興味深い、等)

 

-新しい研究が高校生のニコチンべーピングの警戒すべき傾向を明らかにする

New study reveals alarming trend of nicotine vaping among high school students

4-APR-2023

https://www.eurekalert.org/news-releases/985094

カナダの高校生の1/4以上が電子タバコ経験があり12%はニコチン含有電子タバコのみを吸っている

Childrenに発表された9-12年生の38299人のカナダ全国調査の結果。

 

その他

SMC UK

母親の飲料水中リチウム暴露と子どもの自閉スペクラム疾患リスクの関連についての専門家の反応

expert reaction to association between maternal exposure to lithium in drinking water and risk for autism spectrum disorder in offspring

APRIL 3, 2023

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-association-between-maternal-exposure-to-lithium-in-drinking-water-and-risk-for-autism-spectrum-disorder-in-offspring/

JAMA Pediatricsに発表された研究が、デンマークの母親の推定飲料水中リチウム暴露とその子どもの自閉スペクラム疾患疾患リスクを調べた

King’s College London  IoPPN神経発達障害に関する世界展望准教授Rosa Hoekstra博士

これは興味深い論文である。この研究はデンマークの国の患者登録に基づき、つまり臨床的に自閉症と診断された管理データに基づく。従って診断されていないが自閉症の子どもは含まれない。母親の妊娠中の住所の水のリチウム濃度との関連を調べ、いくつかの交絡要因を調整している。デンマーク中の水のリチウム濃度の正確な詳細は提供されていないが首都コペンハーゲンのある地域でリチウム濃度が最も高い。私が著者に問いたいことは、コペンハーゲンに自閉症専門医がいるために比較的診断されやすい可能性はないかということである。著者も言及しているようにさらなる研究が必要である。

Oxford大学発達神経心理学教授Dorothy Bishop教授

環境リスク要因に関する研究の解釈は難しい。もともとの研究計画で多数の要因を評価している場合、偶然リチウムと自閉症に関連が見つかる可能性は高い。リチウムのみとの関連を調べた研究であれば統計的関連にはより説得力がある。疫学では観察研究の事前登録があまりひろがっていないがそれはこの手の関連の頑健さへの信頼を強化するのに役立つだろう。