2023-02-27

[EFSA] 意見等

-食品中の動物用医薬品残留物は再び減少

Veterinary drug residues in food decline again

23 February 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/news/veterinary-drug-residues-food-decline-again

動物と動物由来食品に存在する動物用医薬品や他の物質の残留物は、EUでは減少し続け、遵守レベルは上昇していることが最新のデータで明らかになった。

EFSAの2021年の年次報告書には、加盟国、アイスランド、ノルウェーが報告したデータが含まれている。調べたサンプル数は2020年と比較してわずかに増えた。2021年の違反サンプルの割合は0.17%で、過去12年間に記録された違反の割合0.19%~0.37%の中で最も低い数値だった。2020年の数値は0.19%だった。対象となるサンプル(すなわち違法使用を検出し、最大許容量の違反を検査するためにとられたもの)の全体的な違反レベルも、過去4年間にわたる0.27%-0.35%と比べて、0.24%へと減少した。

この報告書にはホルモン剤、抗菌剤、環境汚染物質、禁止物質、その他動物用医薬品を含む様々な物質グループが含まれている。新しい相互作用データ、可視化ツールを用いて結果をさらに詳しく閲覧できる。

動物用医薬品製品の残留物のモニタリング

約1,300万の分析結果からなる完全データセットは、食品及び飼料の安全性リスク評価における根拠の透明性、再現性、再利用性を改善することを意図したオープンレポジトリである、EFSAの知識の交差点で入手できる。

*EUと欧州原子力共同体からの英国及び北アイルランドの離脱に関する協定の不可欠な部分である、アイルランド/北アイルランドの議定書の第5(4)条と付属書類2第24項に従って、データサンプリングに関するEU要件は、北アイルランドにも適用可能で、この報告書の目的である加盟国という言葉は、北アイルランドに関しては英国を含むこととして読まれる。

 

-非遺伝子組換えAspergillus niger CTS 2093株由来食品用酵素カタラーゼの安全性評価

Safety evaluation of the food enzyme catalase from the non‐genetically modified Aspergillus niger strain CTS 2093

EFSA Journal 2023;21(2):7843 22 February 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7843

(科学的意見)

この食品用酵素カタラーゼ(過酸化水素:hydrogen‐peroxide oxidoreductase; EC 1.11.1.6)は、Shin Nihon Chemical Co., Ltd.社が非遺伝子組換えAspergillus niger CTS 2093株で生産した。この生産菌の生きた細胞はないと考えられる。この食品用酵素は8つの食品製造工程:焼成工程、シリアルベースの工程、コーヒー加工、卵加工、ジュース生産用野菜加工、茶・ハーブ・果物の浸出液の加工、数の子加工、チーズ生産用のミルク加工、で使用することを意図している。この食品用酵素への食事暴露―総有機固形物(TOS)は欧州人で最大3.61 mg TOS/kg 体重 /日と推定された。さらに、アカシアガムが食品添加物として使用される際に、乳児の最大食事暴露、95パーセンタイル 0.018 mg TOS/kg 体重 /日でアカシアガムの生産に使用される。遺伝毒性試験は安全上の懸念を示さなかった。全身毒性はラットの90日間反復経口投与毒性試験で評価された。パネルは、無毒性量を調べた中用量56 mg TOS/kg 体重/日とし、推定した食事暴露と比較して、暴露マージンは16となった。既知のアレルゲンに対するこの食品用酵素のアミノ酸配列の類似性が調査され、呼吸器系アレルゲンで1件の一致が見つかった。パネルは、意図した使用条件下で、食事暴露によるアレルギー反応のリスクは除外できないが、これが起きる可能性は低いと判断した。提出したデータに基づき、パネルは、意図した使用条件下で安全上の懸念を排除するには暴露マージンは不十分だと判断した。

 

[RIVM]コロナウイルスに対する一部の消毒方法は安全ではない可能性がある

Some disinfection methods against the coronavirus may be unsafe

02/23/2023

https://www.rivm.nl/en/news/some-disinfection-methods-against-coronavirus-may-be-unsafe

コロナウイルスのパンデミックの結果、新たに更なる消毒方法が利用できるようになった。これらの製品全てが同じ法律に属するわけではないため、今日市販されている製品には有効性や安全性が独立機関に評価されていないものもある。オゾンやUV-C照射を使用し、暴露リスクが生じる消毒製品は特にそうである。後者のグループにはポータブルUVランプやリストバンドが含まれる。RIVMはこれらの製品の使用を勧めない。オゾンは呼吸器系の問題を起こす可能性があり、UV照射は皮膚や目の炎症などの健康問題を起こす可能性がある。

法律の違いにより安全性や有効性が常に保証されるわけではない

コロナウイルスのパンデミック中に、新たな消毒方法の利用が市場に登場した。RIVMは使用者を守るために、これらの概要を作成し、それらがどの法律に該当するか示した。

殺生物剤、医薬品、医薬機器の安全性と有効性は、独立機関が評価する。オランダ商品法に該当する消毒方法の安全性と有効性は、製造業者が評価するのみである。独立した評価が更なる保証を提供することになる。RIVMはその概要の中で、使用者や販売会社が、どの法律で消毒剤が評価されているかがわかる方法を説明している。

オゾンやUV-C照射は安全ではない可能性がある

UV-C照射を使用するポータブルランプやリストバンドは、オランダ商品法に該当する。RIVMによると、これらの製品は、ヒトや動物がこの照射に多く暴露しすぎる可能性があるため、十分安全ではない。空気や室内空間を殺菌するために使用されるオゾンは、現在、同様に商品法に該当する。多すぎるオゾンは呼吸器系の問題の原因となる可能性がある。

化粧品のクレンジングハンドジェルなどの洗浄製品は消毒剤のように見えるかもしれないが、そうではない。従って、この種の製品は消毒剤として使用しないほうがよい。一方、消毒用ハンドジェルは、確かに消毒剤である。

法律は必ずしも明確ではない

消毒用の製品の中には、どの法律に該当するか必ずしも明確ではないものもある。RIVMは、明確にするために、関連する執行及び承認機関に協力するよう助言している。

消毒剤の効果を調べる必要性

有効な消毒剤は病原菌を殺す。しかし、これは消毒製品の効果を自動的に保証するわけではなく、言い換えると、病原菌が人々の間で伝染しそうもないことを示す。RIVMはコロナウイルスなどの病原菌に対してどの消毒方法が有効かを調査するよう助言している。これにより、不必要な消毒剤の使用を減らし、病原菌がこれらの製品に耐性を持つようになる機会を減らすのに役立つ。

 

[EU]RASFF 2023(0219-0225)

警報通知(Alert Notifications)

オランダ産ジャガイモとシリアル以外の野菜チップスのアクリルアミド、スペイン産ひまわり油漬ケイパー入りアンチョビのヒスタミン、ドイツ産有機ライ麦のオクラトキシンA、ハチミツ製品のシルデナフィル、エクアドル産パッションフルーツの未承認物質クロロタロニル・ビフェントリン・ジメトエート及びメソミル、インドネシア産有機ココナッツ(パーム)シュガーの亜硫酸塩非表示、中国産段ボール皿からのDBP-フタル酸ジブチル・DEHP -フタル酸ビス2-エチルヘキシル及びDIBP-フタル酸ジイソブチルの溶出、マダガスカル産オランダ経由クローブのMOAH、米国産煎った塩味ピスタチオのオクラトキシンA、

注意喚起情報(information for attention)

スリランカ産キハダマグロのヒスタミン、中国産キッチン用鋼フォークからのクロムの溶出及び高濃度の総溶出量、インド産豆のジメトエート及びオメトエート(複数あり)、ボリビア産オランダ経由有機キヌアの未承認物質クロルピリホス、米国産ピーナッツカーネルのアフラトキシンB1、英国産フードサプリメントのヒューペルジンA、ブラジル産家禽肉のクロラムフェニコール、ポーランド産家禽肉のドキシサイクリン、中国産ニンニクのカドミウム、米国産プラスチック容器の揮発性有機成分の溶出、バングラデシュ産兜豆(Lablab purpureus)の未承認物質ジメトエート、ウクライナ産飼料用小麦粒のクロルピリホス、中国産香港から発送したフードサプリメントの未承認物質シルデナフィル及びタダラフィル、トルコ産レモンの未承認物質クロルピリホスメチル、カナダ産フードサプリメントの未承認新規食品トンカットアリ (Eurycoma longifolia)、

通関拒否通知(Border Rejections)

トルコ産生鮮マンダリンのクロルピリホスメチル、レバノン産バスマティ米の未承認物質チアメトキサム及びトリシクラゾール、パキスタン産米の未承認物質ヘキサコナゾール、エジプト産トマトペーストの未承認添加物安息香酸(E210)/ 未承認添加物安息香酸ナトリウム(E211)、インドネシア産ナツメグのオクラトキシンA、エジプト産殻付きピーナッツのアフラトキシン、中国産キャンディーの着色料二酸化チタン(E171)の未承認使用、エジプト産オレンジのプロフェノホス、コロンビア産パッションフルーツ( Passiflora liguralisと Passiflora edulis)の未承認物質クロルフェナピル・メソミル・イミダクロプリド・イプロジオン及びジメトエート、インド産フードサプリメントの未承認新規食品成分インドセンダン( Azadirachta indica)及びコオウレン(Picrorhiza kurroa)、ウクライナ産フードサプリメントの未承認成分イソツツジ(Ledum palustre L.)の葉抽出物/未承認成分マラバルキノカリン(Pterocarpus marsupium)の葉抽出物/ 未承認成分スイバ(Rumex acetosa)抽出物、タイ産すり身の未承認添加物二酸化チタン(E171)、オーストラリア産アーモンドのアフラトキシン、カナダ産豆のプロシミドン、

 

[FSANZ]食品基準通知

Notification Circular 232-23

27 February 2023

https://www.foodstandards.gov.au/code/changes/circulars/Pages/NotificationCircular232-23.aspx

新規申請

新規食品としてのVOW社の培養ウズラ

(細胞培養肉。VOW社は牛・豚・鶏のような普通の食肉ではなく珍しい動物を培養する戦略をとっている)

 

[EPA]EPAはTSCAのもとで累積リスクを考慮するアプローチ案を発表

EPA Releases Proposed Approach for Considering Cumulative Risks under TSCA

February 24, 2023

https://www.epa.gov/newsreleases/epa-releases-proposed-approach-considering-cumulative-risks-under-tsca

EPAは有害物質規制法(TSCA)で累積リスクを評価売るための一連の基本原則と、これらの原則をある種のフタル酸化合物の評価に使うアプローチをピアレビューとパブリックコメント募集のために発表した。

案は以下

Cumulative Risk Assessment Under the Toxic Substances Control Act

https://www.epa.gov/assessing-and-managing-chemicals-under-tsca/cumulative-risk-assessment-under-toxic-substances

フタル酸についてはEPAはDEHP, BBP, DBP, DIBP, DCHP および DINP (DIDPは含まない)は毒性学的に類似していて相加ハザードとなり、米国集団がこれらに同時に暴露されているので累積リスク評価の対象とすることを提案している。

2023年5月8-11日のTSCA科学レビュー委員会でピアレビューされる予定

Peer Review of Two Draft Documents on a Proposed Approach for Cumulative Risk Assessment under TSCA

https://www.epa.gov/tsca-peer-review/peer-review-two-draft-documents-proposed-approach-cumulative-risk-assessment-under

意見募集期間は60日間

 

その他

-「金箔師まひ」の終わり

An End to “Gilder’s Palsy”

Joe Schwarcz PhD | 24 Feb 2023

https://www.mcgill.ca/oss/article/history-general-science/end-gilders-palsy

軍服の金のボタンに代価が支払われた時代がある。それはお金だけではなかった。

現代の医師が「金箔師まひ」に出会うことはほとんどない。しかし19世紀より前までは、震えや落ち着きの無さ、垂涎増加や疲労の患者にはそういう病名がついた。犯人は水銀で、患者は金箔師が多かった。金箔師は金属の物体に金をコートするのが仕事で、水銀と金の合金を作って水銀を揮発させることで金箔(と水銀中毒)を作った。

軍服には金ボタンが特徴で1800年代半ばまでそれは金属のボタンを金アマルガムに浸けて水銀を蒸発させることで作っていた。1840年にHenry と George Elkingtonが電気メッキを商業化して金箔師まひが終わった。

 

-きっぱり断ろう!

Just say no!

Joe Schwarcz PhD | 22 Feb 2023

https://www.mcgill.ca/oss/article/health-and-nutrition/just-say-no

砂糖:それは人生を甘くするが、短くするかもしれない

「スプーン1杯のお砂糖があれば苦い薬もおいしく飲める」とメリー・ポピンズは言う。でも彼女はそれが心血管系疾患リスクを増やすかもしれないことを無視する。

以下砂糖の摂りすぎの害の研究紹介

(さすがに薬を飲むときのシロップくらいいいだろうと思う)

 

-ビオチンを摂る?ほとんどの場合そんなことにお金をつかわないほうがいい

Take biotin? For most, better to save your money

Christopher Labos MD, MSc | 24 Feb 2023

https://www.mcgill.ca/oss/article/medical-health-and-nutrition/take-biotin-most-better-save-your-money

ビオチンの危険性は、よくある血液検査に干渉すること

 

-デジタル健忘症は誇張されてきた

Digital Amnesia Has Been Exaggerated

Jonathan Jarry M.Sc. | 24 Feb 2023

https://www.mcgill.ca/oss/article/critical-thinking-technology/digital-amnesia-has-been-exaggerated

コンピューターに頼るせいでたくさんのことを忘れてしまうという考えはいくつかの消えない問題を思い出させる

あなたは友人の電話番号を覚えている?1990年代だったら私は覚えていたが今は?私の携帯が覚えている。報道はこのことをデジタル健忘症と称して警告する。でも大事なことはもとになった論文(一次情報)を確認することだ。

「デジタル健忘症」は一見科学っぽいがたちの悪い広告である。それはサイバーセキュリティ企業Kaspersky Labが一連のアンケート調査をもとに考案した用語である。関連する「google効果」に関する論文も一貫した結果は出ていない。テクノロジーに頼ることの記憶への影響についてはいまだ明確になっていない。

(長い検証記事)

 

-動画

綿菓子を食べた後は歯磨きした方が良い

Cup o'Joe-You Better Floss After Fairy Floss

https://www.youtube.com/watch?v=3HwSuzCd6mI

綿菓子の歴史

 

Dr. Joe Schwarcz食用色素について議論する

Dr. Joe Schwarcz discusses food dyes

https://www.youtube.com/watch?v=PubYZrGifI0

赤色2号が1960年代に発がん性と主張されたことやサウサンプトン研究について