2024-01-09

[EU]RASFF 2023(1231)-2024(0106)

警報通知(Alert Notifications)

ギリシャ産乾燥イチジクのアフラトキシンB1、リトアニア産有機ヘンプオイルのテトラヒドロカンナビノール(THC)高含有、ギリシャ産オレガノのピロリジジンアルカロイド、パキスタン産アプリコットカーネルのシアン化物、各種製品のTHC-P 及びカンナビノイド類、ルーマニア産フードサプリメントのシルデナフィル、エジプト産ブドウの葉のクロルピリホス・トリフロキシストロビン・アゾキシストロビン・ボスカリド・カルベンダジム・ジメトモルフ及びトリファネートメチル、英国産オランダ経由乾燥黄レンズ豆のクロルピリホス、パキスタン産ポーランド経由米のミネラルオイル成分、スイス産フードサプリメントのヨヒンビン、ウクライナ産飼料用ヒマワリ種子のブタクサの種子高含有、トルコ産黒コショウのベンゾ(a)ピレン、ポルトガル産フードサプリメントのタダラフィル、

注意喚起情報(information for attention)

パキスタン産バスマティ米のアセタミプリド、スペイン産チルドメカジキの水銀、米国産ピーナッツのアフラトキシン、インド産冷凍カツオフィレのヒスタミン、ウクライナ産クッキーのアクリルアミド高含有、中国産冬瓜のプロクロラズ、エジプト産生鮮ニンジンのオキサミル、インド産紅茶のフェノブカルブ、

通関拒否通知(Border Rejections)

トルコ産殻付きピスタチオのアフラトキシン(複数あり)、トルコ産乾燥イチジクのアフラトキシン、パキスタン産バスマティ米のクロルピリホス、トルコ産生鮮グレープフルーツのクロルピリホスメチル(複数あり)、インドネシア産ナツメグのアフラトキシン、エジプト産ピーナッツのアフラトキシン(複数あり)、インド産ワサビノキの葉のペルメトリン・フィプロニル・メタミドホス及びアセフェート、コロンビア産パッションフルーツのクロルフェナピル・ラムダシハロトリン及びイミダクロプリド、アラブ首長国連邦産ムング豆(皮をむいた黄色いムング豆)のクロルピリホス、ベトナム産ドラゴンフルーツのプロパモカルブ、トルコ産トマトのブプロフェジン、ケニア産生鮮トウガラシのクロルフェナピル及びラムダシハロトリン、中国産ピーナッツカーネルのアフラトキシン、エジプト産ピーナッツのアフラトキシン、イラン産ピスタチオのアフラトキシン、インド産グアバのクロチアニジン・フルオピラム及びチアメトキサム、インド産ワサビノキのトリシクラゾール、インド産ワサビノキチオファネートメチル、米国産ピーナッツのアフラトキシン、インド産ピーナッツバターのアフラトキシン、トルコ産生鮮ザクロのメタラキシル・ゾキサミド及びテブコナゾール、ブルガリア産フードサプリメントの二酸化チタン(E171)、英国産フードサプリメントのナイアシン(ニコチン酸)高含有、ベトナム産ドラゴンフルーツのクロルフェナピル及びホルクロルフェニュロン、

 

[RIVM]モリブデンとその化合物の生殖毒性についての入手可能なデータの概要

An overview of the available data on the reproductive toxicity of molybdenum and its compounds

05-01-2024

https://www.rivm.nl/publicaties/overview-of-available-data-on-reproductive-toxicity-of-molybdenum-and-its-compounds

報告書本文英語

 

[IARC]IARCがん予防ハンドブックVolume 20A:節酒と禁酒

IARC Handbooks of Cancer Prevention Volume 20A: Reduction or Cessation of Alcohol Consumption

8 January 2024

https://www.iarc.who.int/news-events/iarc-handbooks-of-cancer-prevention-volume-20a-reduction-or-cessation-of-alcohol-consumption/

節酒と禁酒が口腔と食道のがんを減らすことには十分な根拠がある

喉頭と結腸直腸と乳腺のがんについては限定的根拠、咽頭と肝臓については根拠が不適切

 

[ProMED]メタノール中毒-チュニジア:致死

Methanol poisoning - Tunisia: fatal

2024-01-07

https://promedmail.org/promed-post/?id=8714107

[1]Date: Sat 6 Jan 2024 Source: Diwan FM [in Arabic, machine trans., edited]

Diwan FMが、治安当局筋によるとアルコールを飲んでMedenine行政地区のSidi Makhlouf地方の2人が2024年1月6日に死亡、他に28人が重症中毒になったという。

そのアルコールは地元で手作りされたもので有害物質が含まれていた可能性が高い。

[2]Date: Sat 6 Jan 2024 Source: Jawhara FM [in Arabic, machine trans., edited]

自家製アルコールによる中毒患者の数は35人に増加 

 

[ProMED]食中毒-ベトナム:2023年レビュー

Foodborne illness - Viet Nam: 2023 in review

2024-01-07

https://promedmail.org/promed-post/?id=8714104

Date: Thu 4 Jan 2024 Source: Tuoi Tre News [edited]

2024年1月3日にハノイでPham Hong Ha副首相が開催した食品安全会議で発表されたデータによると、2023年にベトナムでは125件の食中毒事故があり28人が死亡し2100人以上が病気になった。この事故の中にはいくつかのボツリヌス中毒が含まれる。

 

論文

-子どもをテレビの前に置いている?子どもの周辺世界の処理能力を傷つけているかも、新しいデータが示唆

Putting your toddler in front of the TV? You might hurt their ability to process the world around them, new data suggests

8-JAN-2024

https://www.eurekalert.org/news-releases/1030406

JAMA Pediatrics

2才までにTVを多く見ていた子どもは「刺激の強いものを求める」「刺激を避ける」「刺激への反応感度が低い」などの非定型感覚処理行動を問う可能性が高い

(TVとDVDだけでタブレットやスマホは含まない、とのこと。対照群は1才まで全く見ない、なのでそれはそれで極端なような?米国小児科学会は基本的にテレビ反対ミルク反対食品は手作りで、といった方針。

SMC UKがコメントを紹介している

expert reaction to study of early life digital media use and atypical sensory processing

JANUARY 8, 2024

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-of-early-life-digital-media-use-and-atypical-sensory-processing/

 

-ボトル入り水にはこれまで数えられていない小さなプラスチックの欠片が数百個含まれる可能性がある

Bottled water can contain hundreds of thousands of previously uncounted tiny plastic bits, study finds

8-JAN-2024

https://www.eurekalert.org/news-releases/1030312

新しい顕微鏡技術でナノプラスチックの世界を探る

Proceedings of the National Academy of Sciencesに発表された誘導ラマン散乱顕微法を使った新しい研究によると、1Lのボトル入り水には24万個ほどの微小プラスチックが同定できる-これまでの推定の10-100倍。

そのうち7種の成分も決定し、よくあるひとつはPETで、それは驚きではない。PETより多かったのはポリアミドでそれは水を精製するのに使ったフィルター由来だろう

(そのうち空気中にはダイオキシン分子が○○個も!って騒ぎそう)

 

-症例報告 食用コオロギ摂取によりアレルギー症状を呈した幼児例

蓑島 宗夫, 徳永 舞, 小池 由美, 伊藤 靖典

アレルギー/72 巻 (2023) 10 号

https://www.jstage.jst.go.jp/article/arerugi/72/10/72_1258/_article/-char/ja/

 

-チョコレートを食べて調子が悪くなる

[Feeling unwell after eating a piece of chocolate].

van der Schuur-Saleem R, et al. Ned Tijdschr Geneeskd. 2023.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38175555/

オランダ語

2006年からオランダではハードドラッグとして知られる幻覚キノコ由来のサイロシンを含むチョコレートが出回っている。チョコレートを食べて調子が悪くなった一人の男性の症例を報告する。チョコレートのような食品には表示されていない毒物が含まれる可能性があるので、説明できない症状があった場合には汚染食品による中毒を除外するのが有用だろう。

 

-スパイスと医薬品の相互作用:タクロリムスを使っていた腎臓移植患者でのターメリックとカレーとジンジャーの使用の症例報告

Spice-drug interactions: a case report on the use of turmeric, curry and ginger in a renal transplant patient on tacrolimus.

Boissiere C, et al. Eur J Hosp Pharm. 2023.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37586787/

in vitroで相互作用が示唆されていたが実際の患者でスパイスを食べてもらっても血中タクロリムス濃度は変化しなかった

 

-疑わしい分析の知見からroxadustat汚染を同定するための毛髪とダイエタリーサプリメントの検査

Hair and dietary supplements testing to identify contamination with roxadustat in an adverse analytical finding.

Alvarez JC, et al. J Pharm Biomed Anal. 2024.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38091820/

WADAの禁止薬物である低酸素誘導因子プロリン水酸化酵素阻害薬roxadustatが尿から検出されたエリートアスリート女性の摂取源調査。Roxadustatが検出されたのはコラーゲンパウダー(ダイエタリーサプリメント)。

 

その他

-コンシューマーラボ

製品レビュー ホスファチジルセリン(PS)サプリメント

Phosphatidylserine (PS) Supplements

Published January 04, 2024

https://www.consumerlab.com/reviews/phosphatidylserine-supplements/phosphatidylserine/

 

-Natureニュース

抗生物質耐性の脅威は増している—気候変動はそれを悪化させているか?

Antibiotic resistance is a growing threat — is climate change making it worse?

By Carissa Wong 08 January 2024

https://www.nature.com/articles/d41586-023-04077-0

研究者らは極端な天候と上昇する温度が薬物耐性感染拡大にどう寄与するか研究している

 

-Natureコメント

世界でのマイクロバイオーム科学の強化が数百万人の子どもたちの命を救う可能性がある

Boosting microbiome science worldwide could save millions of children’s lives

By Hilary P. Browne et al., 08 January 2024

https://www.nature.com/articles/d41586-024-00017-8

人体の内外で生きている微生物の研究は主にごく一部の豊かな国で行われているため、世界中の人々の健康改善のチャンスを無駄にしている

欧州と北米に住む人口は世界の15%以下だが発表されているヒトマイクロバイオームデータの70%以上を占める

(貧しかった日本での代田博士の功績はなかったことになっているのかなぁ・・そしてヤクルトはそこまで万能ではないこともわかっているような)

 

-ヴァンパイアフェイシャルの根拠は薄弱

Vampire facials' body of evidence is anemic

Christopher Labos MD, MSc | 5 Jan 2024

https://www.mcgill.ca/oss/article/medical-critical-thinking/vampire-facials-body-evidence-anemic

最近ヴァンパイアフェイシャル(何故かこの業界ではヴを使うらしい)が巨大ビジネスになっているらしい。これは多血小板血漿(PRP)注射の口語で、誰かの血液のPRPをあなたの顔に注射する。そうすると成長因子やサイトカインが皮膚の再生と若返りを促進するのだという。問題は根拠が薄弱であるということだ。

 

-小太りは長生き?

Cup o'Joe-Do a Few Extra Pounds Make You Live Longer?

2024/01/05

https://www.youtube.com/watch?v=xfHJNPPe_JA&t=1s

極端な痩せと極端な肥満が短命なのは理解できるが問題は最も長生きする人が正常体重ではなく過体重になることである。しかもその最も長生きするBMIが年々増加している。その理由は?最も長い時間を過ごしたBMIを使うと正常体重が最も長生き、になる。

 

-王族の美の処方は時代を先取りしていた

This royal's beauty regime was ahead of its time | The Right Chemistry

https://www.youtube.com/watch?v=_W1gOpl9y2o

オーストリア皇后エリーザベトの食事制限と若返り法にかける情熱は当時としては珍しかったが今は良く行われているものが含まれる(宮廷内にジムを作った、肉スープだけで痩せる、コルセットでウエストを締める、イチゴの絞り汁を顔に塗る等)

 

-The Lancetエディトリアル

肥満と糖尿病の治療:医薬品だけでは十分ではない

Treating obesity and diabetes: drugs alone are not enough

VOLUME 403, ISSUE 10421, P1, JANUARY 06, 2024

https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(24)00003-5/fulltext

GLP-1アゴニストによる肥満と糖尿病の治療がこの分野に大きな興奮を巻き起こしている。大規模な長期投与の安全性についてはこれからの課題だがコストも問題である。10才の肥満の子どもが生涯使うと94から140億ドルのコストと推定されている。

医薬品は疑いようもなく一部の患者の役に立つが、それだけでは肥満の複雑さに対応できない。肥満は個人の環境や行動だけの産物ではなく世界の食品市場と貿易によって形作られる社会の産物でもあり、多元的アプローチが必要である。特に安価な食品や飲料を過剰生産している国際企業に対抗する必要がある。仕事や学校に歩いたり自転車で行くことを当然で簡単にし、砂糖税と高カロリー高脂肪超加工食品のマーケティングを抑制する必要がある。

(10才から一生薬を打ち続けることがほんとうにあり得るのだろうか?痩せたら止めないのだろうか?砂糖税等で体重が減らないから薬が賞賛されているのに。アメリカの問題を世界の問題にするなとは思う)