2024-01-05

[EFSA]意見等

-非遺伝子組換えAspergillus oryzae NZYM‐EX株由来食品用酵素ロイシンアミノペプチターゼの安全性評価

Safety evaluation of the food enzyme leucyl aminopeptidase from non‐genetically modified Aspergillus oryzae strain NZYM‐EX

EFSA Journal 2023;21(12):8507 21 December 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8507

(科学的意見)

食品用酵素ロイシンアミノペプチターゼ(EC 3.4.11.1)は、Novozymes A/S社が非遺伝子組換え微生物Aspergillus oryzae NZYM‐EX株で生産した。この食品用酵素に、この生産菌の生きた細胞は含まれない。8つの食品製造工程で、次の生産用乳製品の加工に使用することを意図している。(1)香料調製品、(2)改変乳タンパク質;その生産用の植物及び真菌由来製品の加工、(3)タンパク質加水分解物、(4)しょう油;その生産用の肉・魚製品の加工、(5)タンパク質加水分解物;その生産用のシリアルとその他の穀物の加工、(6)焼成製品、(7)醸造製品、(8)酵母と酵母製品の加工。この食品用酵素への食事暴露量、総有機固形物(TOS)は、欧州人で最大0.577 mg TOS/kg体重/日と推定された。遺伝毒性試験は安全上の懸念を示さなかった。全身毒性はラットの90日間反復経口投与毒性試験で評価された。パネルは、無毒性量を調べた最大用量の440 mg TOS/kg体重/日とし、この値は、推定食事暴露量と比較すると、暴露マージンは少なくとも763となる。既知のアレルゲンに対するこの食品用酵素のアミノ酸配列の類似性を調査し、一致はなかった。パネルは、食事暴露によるアレルギー反応のリスクは除外できないが、その可能性は低いと判断した。提出したデータに基づき、パネルは、この食品用酵素は意図した使用条件下で安全上の懸念を生じないと結論した。

 

-確証データを踏まえた、スイートシロバナハウチワマメの発芽種子由来水性抽出物の農薬リスク評価に関する加盟国、申請者、EFSAとの協議結果

Outcome of the consultation with Member States, the applicant and EFSA on the pesticide risk assessment for the aqueous extract from the germinated seeds of sweet Lupinus albus in light of confirmatory data

EFSA Journal 2023;20(12):EN-8500  20 December 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-8500

(技術的報告書)

本報告書は、報告担当加盟国オランダが開催した協議工程の結果をまとめ、EFSAの科学的見解後個別に受け取ったコメントに関する結論を提示している。

 

-Yarrowia lipolytica VRMを用いて発酵して生産した食品添加物ステビオール配糖体、主にレバウジオシドMの安全性評価

Safety evaluation of the food additive steviol glycosides, predominantly Rebaudioside M, produced by fermentation using Yarrowia lipolytica VRM

EFSA Journal 2023;21(12):8387 20 December 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8387

(科学的意見)

EFSAの食品添加物及び香料に関するパネル(FAFパネル)は、遺伝子組換えYarrowia lipolytica株(Y. lipolytica VRMという名称)を用いた単糖類の発酵によりステビオール配糖体を生産するための、新たな工程の安全性に関する科学的意見を提出している。この製造工程はその他のステビオール配糖体E 960a‐dに存在する可能性のあるものとは異なる不純物が生じる可能性があるため、パネルは、この申請で説明されているように、生産された食品添加物には個別の仕様が必要だと結論した。この生産株由来の生きた細胞やDNAは、最終製品には存在しない。パネルは、検出限界(LOD) 0.3 mg/kgの手法を用いて、提案した食品添加物にカウレン酸が含まれないことの証明は、遺伝毒性の疑いの懸念を払拭するのに適していると判断した。全てのステビオール配糖体が同じ代謝経路を通ると考えて、パネルは、本ステビオール配糖体は同じ物質グループ内に属すると判断した。そのため、パネルは、レバウジオシドMと構造的に関連するステビオール配糖体に関する既存のデータはすでに十分で、この食品添加物に同様の代謝運命や毒性が予想されると判断した。細菌を用いる復帰突然変異試験法と、in vitro小核試験の結果は陰性で、この食品添加物から遺伝毒性はないことが示された。ステビオール換算で、既存の許容一日摂取量(ADI) 4 mg/kg体重/日は、提案された食品添加物に適用できると判断された。パネルは、提案された用途と使用量で食品添加物として使用される、Y. lipolytica VRMを用いて発酵によって生産されるステビオール配糖体、主にレバウジオシドMに安全上の懸念はないと結論した。

 

[ANSES]リスクのないホリデーシーズンのための4つのヒント

4 tips for a risk-free festive season

26/12/2023

https://www.anses.fr/en/content/4-tips-risk-free-festive-season

例年の年末のように、ホリデーシーズンは、あなたやあなたの愛する人にとって、ささいな不都合や、より深刻な事故と同義の可能性がある:小さな物や観葉植物を吸い込む子供たち、保存状態の悪い食品による食中毒など。できる限り自分自身を守るために、リスクのないホリデーシーズンのための助言を挙げる。

装飾的な「ケーキのデザイン」の粉末に注意

料理教室でも家庭でも、シュガーペースト、粉末、着色料などでケーキを作り飾る芸術、「ケーキのデザイン」の実践は、フランスで大変人気が高まっている。ケーキにメタリックな視覚的意匠を加えるために、アーティストたちは、金、銀、銅の装飾用の光る粉末など、様々な種類の装飾製品を使用する。しかし、その使用にリスクがないわけではない。

食用粉末でも、誤って吸入すると呼吸困難を引き起こす可能性がある。

中毒を避けるためのヒント:

装飾用粉末を購入したりケーキに使用したりする前に、それが食用かどうか確認すること。

風通しのいい部屋で粉末を使うこと。

子供たちの手の届かないところに置いておくこと。

詳細は最新ニュースをご覧ください

https://www.anses.fr/en/content/beware-decorative-cake-design-dust

 

食中毒の予防

お祝い用の食事の準備や保存する際にリスクを避けるために、これらの規則を忘れずに適用すること:

生の肉や魚用に1つのまな板を使い、調理済のものや清潔な野菜には別のまな板を使用する。いったん食品を加熱調理したら、生の時に運ぶために使用した同じ皿や器具を再び使用しないこと。

微生物の増殖リスクを制限するために、冷蔵前に食品を室温で2時間以上放置しないこと。

惣菜、すぐに喫食可能な食事、クリーム製のパン菓子は、冷蔵庫で3日以上保存しないよう勧める。小売店から助言を求めること。

生の肉や魚(タルタルやカルパッチョ)及び生乳の乳製品(グリュイエールやコンテなどのハードチーズを除く)の摂取は、幼児、妊婦、高齢者、免疫不全の人には強く勧めない。

食中毒のリスクを低減するための助言に従う(フランス語)

chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.anses.fr/fr/system/files/hygiene-cuisine-A4-PRINT.pdf

 

装飾植物-それらの摂取はヒトにも動物にも有毒な可能性がある

冬のホリデーシーズン中には、ヒイラギ、ヤドリギ、ポインセチアが、ケーキ、家庭のインテリア、庭を装飾するのに使用される。子供や動物が実や葉を摂取すると有毒な可能性があり、摂取した量により様々な重症度の症状を引き起こす。ANSESは、摂取した場合、すぐに中毒管理センターに電話するよう助言している。

誤飲した場合の助言:

ぬれた布で子供の口をきれいにし、彼・彼女に飲み物を与えずに、中毒管理センターに電話すること。

動物が中毒を起こした場合、獣医中毒管理センターに電話すること。

全ての事例で、識別を容易にするために表示や植物の写真を保存しておくこと。

詳細は最新ニュースをご覧ください。

https://www.anses.fr/en/content/decorative-plants-%E2%80%93-their-ingestion-can-be-toxic-both-humans-and-animals

 

ボタン電池:幼児による摂取を防ぎ、事故の際の正しい反射神経を身につける

とても幼い子供たち(通常6歳以下)がボタン電池を誤飲し、深刻で時には死に至る結果を伴う事例が非常に多いことを考慮して、健康衛生当局は、両親、介護者、医療従事者に、このあまり知られていない健康リスクへの警告を再び発し、事故の場合に直ちに取るべき措置を認識させている。

摂取リスクを避けるには、以下の予防措置に従うことが重要である。

使用済、未開封に関わらず、ボタン電池は子供たちの手の届かないところに置いておくこと。

ボタン電池が入っている製品の電池格納部分が安全で簡単に開けられないことを確認すること。そうではない場合でも、ボタン電池の入った製品は子供の手が届かないところに置いておくこと。

電池格納部分が安全な電化製品を試して購入すること(例えば、ネジで固定されている、開けるには操作が必要なブロック機構で装備されたもの)。

詳細は最新ニュースをご覧ください。

https://www.anses.fr/en/content/button-batteries-prevent-their-ingestion-young-children-and-adopt-right-reflexes-event-0

 

[EU]RASFF 2023(1224-1230)

警報通知(Alert Notifications)

トルコ産パプリカ粉末のエチレンオキシド、オランダ産野菜チップスのアクリルアミド高含有、イタリア産有機アルファルファ飼料ペレットのダイオキシン及びダイオキシン様PCB、ベルギー産塩の水銀、

注意喚起情報(information for attention)

米国産フードサプリメントの未承認物質バナジウム、英国産羊の肝臓の鉛、トルコ産塩水入りブドウの葉のキャプタン、トルコ産オレガノのピロリジジンアルカロイド、フィリピン産そのまま喫食可能なスナックの未承認着色料E110、英国産CBD入りラム酒、トルコ産乾燥イチジクのアフラトキシン、中国産ナイロン製ヘラからの一級芳香族アミンの溶出、英国産脱脂濃縮乳のPFOS (PFOA)、

通関拒否通知(Border Rejections)

米国産ピーナッツのアフラトキシンB1(複数あり)、ベラルーシ産ポテトフレークのイミダクロプリド、トルコ産乾燥イチジクのアフラトキシン及びオクラトキシンA(複数あり)、トルコ産生鮮ペッパーのホルメタネート、イラン産レーズンのカルベンダジム・クロルピリホス・フェンプロパトリン及びチオファネートメチル、トルコ産生鮮ザクロのアセタミプリド・酸化フェンブタスズ・クロルピリホスメチル及びマラチオン、トルコ産生鮮レモンのクロルピリホスメチル、インド産米のクロルピリホス及びチアメトキサム、ベトナム産ドラゴンフルーツのアセタミプリド・ピラクロストロビン及びチアメトキサム、インド産ワサビノキのフェンプロパトリン、パキスタン産米のクロルピリホスエチル(複数あり)、米国産フードサプリメントの未承認新規食品成分インドール3カルビノール、トルコ産殻付きピスタチオのアフラトキシン、イラン産殻付きピスタチオのアフラトキシン、香港産ポリアミド製台所用品セットの一級芳香族アミンの溶出、インド産フードサプリメントの水銀、エジプト産オレンジのクロルピリホスエチル、

 

[FDA]FDAは特定のTejocote RootSupplementの代わりに有毒なキバナキョウチクトウ(Yellow Oleander)が使用されていることについて警告を発表する

FDA Issues Warning About Certain Tejocote Root Supplements Substituted with Toxic Yellow Oleander

01/03/2024

https://www.fda.gov/food/alerts-advisories-safety-information/fda-issues-warning-about-certain-tejocote-root-supplements-substituted-toxic-yellow-oleander

 2023年9月、CDC(米国疾病予防管理センター)は、いくつかのTejocote(Crataegus mexicana)Rootの製品が有毒なキバナキョウチクトウに置き換えられているという報告書を発表した。この報告に基づいて、FDAは追加のTejocote Root製品の調査を開始した。現在までに、FDAは9種類の製品の9サンプルを検査し、キバナキョウチクトウが含まれていることが判明した。

 

[FDA]警告文書

-Lone Star Botanicals Inc.

NOVEMBER 06, 2023

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/lone-star-botanicals-inc-659735-11062023

食品のCGMP、製造、包装、保管、不正表示、衛生管理の問題。製品にハーブ成分を含む。

 

[FDA]公示

- Seraphim Zは表示されない医薬品成分を含む

Seraphim Z contains hidden drug ingredient

01/02/2024

https://www.fda.gov/drugs/medication-health-fraud/seraphim-z-contains-hidden-drug-ingredient

FDAは、分析により、性的強化製品として販売されているSeraphim Zにシルデナフィルの含有が確認され、消費者に注意を呼び掛ける。製品写真あり。

 

- ForeverMenは表示されない医薬品成分を含む

ForeverMen contains hidden drug ingredient

01/02/2024

https://www.fda.gov/drugs/medication-health-fraud/forevermen-contains-hidden-drug-ingredient

FDAは、分析により、性的強化製品として販売されているForeverMenにシルデナフィルの含有が確認され、消費者に注意を呼び掛ける。製品写真あり。

 

-ENDUREAは表示されない医薬品成分を含む

ENDUREA contains hidden drug ingredient

01/02/2024

https://www.fda.gov/drugs/medication-health-fraud/endurea-contains-hidden-drug-ingredients

FDAは、分析により、性的強化製品として販売されているENDUREAにタダラフィル及びシルデナフィルの含有が確認され、消費者に注意を呼び掛ける。製品写真あり。

 

[FDA]鉛濃度上昇の調査:シナモンアップルソースパウチ(2023年11月)

Investigation of Elevated Lead Levels: Cinnamon Applesauce Pouches (November 2023)

January 2, 2024

https://www.fda.gov/food/outbreaks-foodborne-illness/investigation-elevated-lead-levels-cinnamon-applesauce-pouches-november-2023

更新情報。2024年1月2日の時点で、リコール製品に関連する可能性のある有害事象に関する新たな苦情/報告はない。現在までに苦情申し立て者、又は苦情や有害事象を提出した年齢は0~53歳で、年齢の中央値は1歳である。

 

[ヘルスカナダ]補充食品:概要

Supplemented foods: Overview

2023-12-01

https://www.canada.ca/en/health-canada/services/food-nutrition/supplemented-foods.html

情報更新。補充食品に関する法令やラベル表示について説明する。又、サプリメント食品と、強化食品や自然健康製品などの他の種類の食品との違いについては以下に詳細。

How to tell different types of foods and health products apart

https://www.canada.ca/en/health-canada/services/publications/food-nutrition/how-tell-different-types-foods-health-products-apart.html

 

[ヘルスカナダ]リコール

- FLOWERCHILD RESEARCH INC.はTrygg Collection BLOCK PARTY バラエティパック(Titanium Kush, Hell Monkey)乾燥大麻の1ロットをリコール

FLOWERCHILD RESEARCH INC. recalls one lot of Trygg Collection BLOCK PARTY Variety Pack (Titanium Kush, Hell Monkey) dried cannabis

2024-01-03

https://recalls-rappels.canada.ca/en/alert-recall/flowerchild-research-inc-recalls-one-lot-trygg-collection-block-party-variety-pack

製品ラベルに内容量、単位(unit)、使用目的及び製品形態の表示がないため、リコール。

 

[HK]CFSは食品中の多環芳香族炭化水素に関するリスク評価研究結果を発表する

CFS announces risk assessment study results on polycyclic aromatic hydrocarbons in food

Thursday, December 28, 2023

https://www.cfs.gov.hk/english/press/20231228_10734.html

食品安全センター(CFS)は食品中の多環芳香族炭化水素(PAH)に関するリスク評価研究の結果を発表した。穀物とシリアル製品、肉と鶏肉、油脂、香辛料を含む合計300の食品サンプルを収集した。収集したサンプルのうち、総PAHのレベルは、検出されなかったものから120 µg/kgまでの範囲であった。

 

[HK]法令違反等

-包装済みインスタントヌードルが栄養表示規則に違反

Prepackaged Instant Noodle not in compliance with nutrition label rules

December, 28 2023 (Thursday)

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20231228_10736.html

中国産包装済みインスタントヌードルの繊維質が4.8 g/100 gという表示のところ2.6 g/100 gの検出であった。

 

-缶入りロータスシードのサンプルの保存料が基準値超過する

Preservative exceeds legal limit in candied lotus seed sample

Thursday, December 28, 2023

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20231228_10737.html

缶入りロータスシード(ハスの種)の保存料である二酸化硫黄が基準値100 ppmのところ1924 ppmの検出であった。

 

-Rappel Conso of France – フランスの基準を超えるレベルのエチレンオキシドのため、フランスにおけるClassic Foods of AmericaブランドのNew York Bagels冷凍セサミベーグル製品のリコールに関する通知

Rappel Conso of France – A notice regarding recall of Classic Foods of America brand New York Bagels sésame surgelés bagel product in France due to the presence of a pesticide residue, ethylene oxide, exceeding the relevant standard in France.

https://www.cfs.gov.hk/english/rc/subject/files/20240104_2.pdf

 

[TGA]電子タバコの規制改定

Reforms to the regulation of vapes

https://www.tga.gov.au/products/unapproved-therapeutic-goods/vaping-hub/reforms-regulation-vapes

2024年1月1日から

・全ての使い捨て電子タバコの輸入禁止、例外はごく一部

・禁煙やニコチン依存の治療用電子タバコの適法患者へのアクセスは特別アクセス計画C (SAS C)で。

また2024年3月1日からは

・全ての輸入に輸入ライセンスと薬物規制事務所の認可が必要

・個人輸入はできない

・旅行者は少量のみ持ち込める

 

[EPA]EPAは全国ラドン対策月間に自宅の検査を推奨

EPA Encourages Home Testing During National Radon Action Month

January 4, 2024

https://www.epa.gov/newsreleases/epa-encourages-home-testing-during-national-radon-action-month

アイオワ、カンザス、ミズーリ、ネブラスカの多くの地域で屋内のラドン濃度が高い可能性がある

毎年1月は全国ラドン対策月間で、EPAはラドン暴露の啓発を行っている。ラドンは天然の放射性ガスで、屋内に貯留する可能性がある。ラドンは喫煙に次いで米国の肺がんの原因で、毎年約21000人が死亡している。

(PFASに比べると、被害が大きいわりにいろいろなリソースを割いていない印象。ラドンは地球のせいだし永遠になくならない)

 

[IARC]IARC隔年報告書2022-2023

IARC Biennial Report 2022-2023

https://publications.iarc.who.int/633

 

[IARC]IARCは2024年子宮頸がん啓発月間を知らせる

IARC marks Cervical Cancer Awareness Month 2024

4 January 2024

https://www.iarc.who.int/news-events/cervical-cancer-awareness-month-2024/

子宮頸がんは最も予防可能で治療できるタイプのがんであるにもかかわらず、世界中の女性に重い負荷をかけている。

子宮頸がん啓発月間は根拠に基づいた情報を共有し、HPV予防接種と検診を推進しWHOの世界子宮頸がん根絶イニシアチブを強調する良い機会である

 

その他

-SCIENCE VOLUME 383|ISSUE 6678|5 JAN 2024

2024年に見出しになるだろう10の科学の話題

Ten science stories poised to make headlines in 2024

エルニーニョ、米国の選挙、AI規制、遺伝子組換え抗デング蚊、長期CovidのRCT、ニュートリノ、先住民の専門家、欧州グリーンディール抵抗に遭う、巨大融合炉、欧州Clipper宇宙船

欧州グリーンディールについては

6月の選挙で極右ナショナリスト政党が勝利したことを受けて欧州全域に広がっている「グリーン」アジェンダへの反対がさらに強化されるだろう。2020年に承認された欧州グリーンディールは2050年までに欧州を「初めての気候ニュートラルな大陸」で温室効果ガス排出ゼロにすることを目指して、エネルギー、保全、輸送を含む各種政策分野にわたって新たな気候フレンドリーな対策を計画していた。これらの目標を反映して巨額のHorizon Europe資金提供の約1/3が気候変動関連研究になる。極右政党が欧州議会の第3の政治勢力になるかどうかとは関係なく、最大勢力の保守の欧州人民党が既に農家や産業を支持して農薬使用を減らす政策に反対している。議員はグリーン規制の履行のための資金も制限する可能性がある。

 

-醜い仮説は美しい事実によって撃墜された

An ugly hypothesis shot down by a beautiful fact

JACK DEVANNEY 2023/12/30

https://jackdevanney.substack.com/p/an-ugly-hypothesis-shot-down-by-a

Buffon と Needhamの自然発生説がパスツールの一回の実験で否定されたように、たったひとつの確実な反証が科学の仮説を破壊することがある。

放射線の害についての線形閾値なし(LNT)仮説は放射線防護規制の基礎となっている。その純粋な形では、LNTは単純であるが故に美しいといえる。LNTは放射線の害は厳密に線量、組織1kgが吸収した放射線エネルギー、の総量に依存する。LNTにおいてはその線量を受ける時間は考慮されない。放射線防護のバイブルであるBEIR VIIでは、固形がんの発症率はグレイで表現された総線量(吸収線量)あたり男性0.1455女性0.2215である。なんとシンプルではないか。

ところがそれが少し混乱し始める。もし線量が「低線量」なら、BEIR VIIはこの発症率を線量・線量率効果係数(DDREF)で割れという。その結果男性0.0970女性0.1410になる。

奇妙なことにDDREFを適用する/しない境界になる線量と線量率については記載がない。突然ジャンプするのか?それは避けられない質問のように思えるのだがLNT指導者はこの問題については沈黙する。現実問題としてLNTは不完全である。行間を読めば、原爆以外のほとんどの状況でDDREFが適用されるべきだろう。問題をさらに悪化させるのは、放射性粒子にはエネルギーとタイプの異なるいろいろなものがありそれを考慮した複雑なシーベルトに換算した線量を考えなければならない。詳細に見ていくとLNTは最早美しいとは言えない。しかしLNTの問題は美しくないということではない。真の問題はそれが間違っているということで、それを示すのはラジウムガールの研究結果である。

LNTの理論と実際の骨がんの結果を図に示す。

この事実は人体の放射線ダメージ修復能力を示す。LNTにとっては15年にわたる線量を1日で受けても同じである。そんなことはない。

 

-あなたが知っておく必要のある実験室で育てた肉(培養肉)についての14の事実

14 Facts About Lab-Grown Meat You Need To Know

BY SARA KLIMEK/DEC. 24, 2023

Read More: https://www.tastingtable.com/1474305/facts-about-lab-grown-meat/

・培養肉は動物由来だが、屠殺は必要ない

・植物ベースの肉とは違う

・培養肉は菜食主義者向けではない

・培養肉は一部の宗教の信者には適さないかもしれない

・他の全ての食品同様健康への懸念はある

・培養肉は世界の農業の風景を変える可能性がある

・培養肉は畜産の環境影響を減らせる

・培養肉は重い環境負荷がある可能性もある

・カリフォルニアの2つの会社が培養肉を販売できる

・他の企業がいろいろな種で実験を開始した

・もっと効率よく培養肉を作る技術の開発

・培養肉は必ずしも遺伝子組換えではない

・培養肉は安くはない、しかしそれを目指している

・一部の政府は培養肉反対

 

-SMC UK

要約-科学とメディアについてのIpsos調査

Summary report – Ipsos survey on science and the media

https://www.sciencemediacentre.org/wp-content/uploads/2023/11/PDF-summary-report.pdf

SMCは20周年を記念して、人々の科学についての主な情報源が生涯にわたってどう変化したかを探ろうと思った。SMCが2002年に開始したとき、科学とメディアについての調査を行ったがそれを更新した質問で同様に調査を行った。2002年にはソーシャルメディアが存在しなかったが今は広く行き渡っているためソーシャルメディアについても探った。

SMCの依頼でIpsosが16才以上のグレートブリテンを代表する2337人に2022年12月14-18日にオンラインでインタビューを行った

・科学についての情報源

テレビニュース、テレビドキュメンタリー、オンラインニュースが三大情報源だった。ソーシャルメディアは30%、新聞が29%。ソーシャルメディアを情報源とする人は他に多くの情報源を引用する傾向があり、ソーシャルメディアだけが情報源の人は少ないようだ。

新聞を情報源とする人は2002年は49%だった。

・ソーシャルメディアは情報源なのか、既存の情報源のプラットホームなのか?

ソーシャルメディアの情報源が伝統ニュースメディアやジャーナリストであると言う人は若い人の方が高齢者より多かった

・メディアとソーシャルメディアへの信頼

伝統ニュースメディアの情報を信頼するという人は55%、ソーシャルメディアは19%

・科学への信頼

大多数(71%)は科学を信頼

信頼しないという人は4%と僅かでその理由として企業がお金をだしているから、と政治に影響されるから。

・社会における科学