2024-01-04

あけましておめでとうございます。

波乱の年明けとなりましたが、残り三ヶ月、よろしくお願いします。

 

[DHSC]喫煙者は新年に健康のために禁煙を

Smokers encouraged to quit this new year for their health

28 December 2023

https://www.gov.uk/government/news/smokers-encouraged-to-quit-this-new-year-for-their-health

NHSは新たな禁煙キャンペーンを開始

 

[Tukes]花火は空気の質を低下させ騒音の原因となる

Fireworks reduce air quality and cause noise pollution

27.12.2023

https://tukes.fi/en/-/fireworks-reduce-air-quality-and-cause-noise-pollution

花火はたくさんの粒子を生み出し、一時的に空気の質を低下させる、特に年が変わる時の都市部では。HSY とTukesは花火による害は時間と場所を制限して、煙の多い場所を避けることで減らせると助言する。

花火の煙を吸うことはあなたの健康に悪い

花火は大晦日の午後5時から新年の午前2時までの6時間だけ許されている

花火の制限については地域の消防部から。

 

[ProMED]アルコール中毒-イラン:(西アゼルバイジャン)ニセアルコール、致死

Alcohol poisoning - Iran: (WA) counterfeit alcohol, fatal

2024-01-04

https://promedmail.org/promed-post/?id=8714059

Date: Wed 3 Jan 2024 Source: Barron's [abridged, edited]

イラン当局が偽造酒を売って少なくとも3人を殺した4人を逮捕したとイランメディアが2024年1月3日報道した。イランでは1979年イスラム革命以降アルコールの販売と飲酒は禁止されているため時にメタノールを含む密造酒の違法取引が多い

 

[ProMED]食中毒-イラク(第3報):(SULAYMANIYAH)キノコ中毒、新たな症例

Foodborne illness - Iraq (03): (SL) mushroom poisoning, new cases

2023-12-29

https://promedmail.org/promed-post/?id=8713962

Date: Wed 27 Dec 2023 Source: Kurdistan 24 [in Kurdish, trans. Mod.NS, edited]

毒キノコを食べた6人が重体でRanya Teaching病院に運ばれた。過去3日間でRanya Teaching病院には11人がキノコ中毒で来院した。

(何のキノコかはわからない)

 

[NASEM]東Palestine列車脱線事故の公衆衛生研究とサーベイランス優先順位

Public Health Research and Surveillance Priorities from the East Palestine Train Derailment

Proceedings of a Workshop–in Brief (2024)

https://nap.nationalacademies.org/catalog/27441/public-health-research-and-surveillance-priorities-from-the-east-palestine-train-derailment

2023年2月3日におこった脱線と有害物質の放出に関連する健康研究とサーベイランスの優先課題を探るための2023年11月のワークショップシリーズの概要。特にハザード、暴露、リスク、健康影響に関する疑問や懸念、地域へのフィードバックに対応するための現在と将来の公衆衛生対応が配慮された。

 

[NIEHS]ニュースレター

Environmental Factor

JANUARY 2024

https://factor.niehs.nih.gov/2024/1

・NTPのトランスレーショナルトキシコロジー部(DTT)長になるHeather Patisaul博士の紹介

・発がん物質報告書(RoC)の公衆衛生政策への影響を示す論文とインタラクティブツール

Public Health and Economic Influence of RoC

https://ntp.niehs.nih.gov/page/public-health-and-economic-influence-roc

(RoCを引用した連邦や州の規制を解析。最もよく引用されているのはEPAとカリフォルニア州。規制によるベネフィットしか計算していないようだ。ここに出ている典型的な発がん物質だけならそれでいいのかもしれないが微妙なものでのProp65のようなものはデメリットも計算しないとダメなのでは)

 

[COT]年次報告書2022

Committee on Toxicity of Chemicals in Food, Consumer Products and the Environment

(COT) Annual Report 2022

30 November 2023

https://cot.food.gov.uk/About%20the%20Committees%20-%202022

https://cot.food.gov.uk/sites/default/files/2023-11/2022%20COT%20Annual%20report%20port%20Acc%20V_0.pdf

COTの評価

・母親の健康に与えるビタミンDの影響についての声明

・妊娠前、妊娠中、授乳中のヨウ素過剰摂取の影響の可能性についての声明

・母親の健康に与えるビタミンAの影響についての声明

・食品接触物質中竹混合物についてのポジションペーパー

・母親の食事中のカドミウムのリスクの可能性についての声明

・妊娠前、妊娠中、授乳中のビタミンD過剰摂取の影響の可能性についての声明

・将来のUK REACH評価のための意図せぬ混合物リスクに対応するアプローチの可能性

・新たに提案されたCodex最大量での食品中アフラトキシンのリスクの可能性のレビュー

・提案されたCodexレベルでのスパイス中オクラトキシンのリスクの可能性のレビュー

・缶詰食品包装材のコーティングの評価要請についてのディスカッションペーパー

COMの評価

・EFSAによるアクリルアミドの遺伝毒性評価

・缶詰食品包装材のコーティングについてのディスカッションペーパー

・食品中ヒドロキシアントラセン誘導体の遺伝毒性についての声明

・二酸化チタンの遺伝毒性レビュー

・EFSAによるビスフェノールAの評価のCOMによるレビュー更新

・ホライゾンスキャニング

・OECD

COC

現在進行中のトピックス 

・ヒドロキシアントラセン誘導体

 

[COT]COT & COCによる合同疫学と毒性学のエビデンスの合成と統合に関するワーキンググループ(SETE)

SETE Working Group of the COT & COC

Date published: January 2024

https://cot.food.gov.uk/SETEworkinggroup

https://doi.org/10.46756/sci.fsa.sjm598

報告書および要約

(あとで)

 

[COM]

https://www.gov.uk/government/organisations/committee-on-mutagenicity-of-chemicals-in-food-consumer-products-and-the-environment/about

2023年1012日の議題とペーパーが掲載されている

12 October 2023: agenda and meeting papers (ZIP, 1.71 MB)

・二酸化チタンの遺伝毒性レビュー

In vitroとin vivoの二つ

・COM QSARガイダンスのレビュー

・COMの声明の要約(合成ナノ物質の遺伝毒性試験)

(COMがずっと遺伝毒性かどうかを判断するための試験や方法を精緻に検討しているのは発がん性にとって遺伝毒性かどうかが重要だから。ところがIARCのPFOS評価ではそれを全く必要ないものであるかのように、毒性ならほぼ何でもありにしてしまった。変異原性をやっている人達どうするんだろう。ちゃんと反論した方がいいと思うのだけれど。)

 

論文

-強力な医食同源プログラムの健康と医療使用への影響 RCT

Effect of an Intensive Food-as-Medicine Program on Health and Health Care Use

A Randomized Clinical Trial

Joseph Doyle, et al.,

JAMA Intern Med. Published online December 26, 2023.

https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/article-abstract/2812982

465人の食料不足の糖尿病患者を、健康的な食料プラス栄養士による相談教育および健康コーチングの医食同源プログラム(intensive food-as-medicine program)と、通常の糖尿病治療とに無作為に割り付けた。介入群は意図したとおりに予防医療に参加したがヘモグロビンA1c濃度は改善しなかった。

(野菜や果物を与えられているので食生活は「改善した」が喫煙や運動などには変化はなく生化学マーカーは改善されなかった)

関連エディトリアル

思考の糧-政策評価には対象群を含めよ

Food for Thought—Include Controls in Policy Evaluations

Deborah Grady 

JAMA Intern Med. Published online December 26, 2023

https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/article-abstract/2812983

 

-アボカド論争:意見の分かれる果物とその社会影響

The Avocado Debate: a polarizing fruit and its impact on society

3-JAN-2024

https://www.eurekalert.org/news-releases/1011328

Honor May Eldridge著の新しい本の紹介

アボカドは今や世界中の健康意識の高い人の間で人気絶頂になった。単なる果物を超えて、世代間紛争、環境カオス、社会的不公正などの評判がつきまとう。過去1世紀の間にマーケティングにより膨大なソーシャルメディアのフォローワーがいる作物になった。持続可能な農業推進のために働くHonor May Eldridgeがアボカドを通して現代のフードシステムの複雑さを探る。

「私の目標は読者にフードシステムの複雑さを認識し、どんな食品も本質的に「良く」も「悪く」もないことを理解してもらうことである」とEldridgeはいう。「議論は単純な描写から抜け出して我々の選択の複雑な現実を受け入れる必要がある」「食品の選択には多数の要因が関与し、多くの人にとっては入手可能性が重要である」

(日本人にオリーブオイルやアボカドを薦めるのは一側面しか見ていない)

 

その他

-Natureニュース解説

日本の地震:この恐ろしい揺れの背景にある科学

Japan earthquakes: the science behind the deadly tremors

By Gemma Conroy 

03 January 2024

https://www.nature.com/articles/d41586-024-00010-1

 

-Nature Volume 625 Issue 7993, 4 January 2024

ニュース

・「極度に生産性の高い」著者の急増が科学者の懸念

一部の研究者は平均で5日に1報論文を出す。テータ追跡者はその論文の全てが正直な労働によるものではないだろうと疑っている

サウジアラビアとタイで急増、分野は物理を除いて臨床医学が飛び抜けて多い

 

-コンシューマーラボ

2023年十大人気製品レビュー

10 Most Popular ConsumerLab Product Reviews of 2023

Posted: December 28, 2023

https://www.consumerlab.com/news/most-popular-reviews-2023/12-28-2023/

1.エキストラバージンオリーブオイル

2.全粒、挽いた、粉にした、クラッカーにした亜麻仁

3.マルチビタミン・ミネラルサプリメント

4.水フィルター水差し

5.殻つきクルミ

6.ターメリック&クルクミンサプリメントとスパイス

7.コラーゲンサプリメント

8.魚油、オキアミ油、藻油オメガ3サプリメント

9.視覚サプリメント

10.D-マンノースサプリメント

 

-2023年をふりかえる

OSS Year in Review

https://e1.envoke.com/m/697c529d2bf5e50805b64b5906600fc8/m/506473113f2fd662360658a042dee30c/281be8e1390bc50b5df2b7890abe6bbc

McGill OSS ウェブサイトの Google Analyticsによる解析でのトップ10

1.トリグリセリドについて心配する必要はほぼ無い

2.Andrew Hubermanの脳サプリメント

3.詐欺かどうか

4.人々を心配させたワクチン研究は間違った解釈

5.COVID-19は免疫系に悪影響?

6.父親が違う双子の作り方

7.塩化ビニルとオハイオ脱線事故

8.何故デンマークはアシュワガンダを禁止した?

9.あなたのCOVID検査の期限が切れたら?

10.陰謀論を信じやすいのはどんな人?

 

-コロラドの未殺菌乳を巡る長い戦いは「食の自由」運動によって再活性化

Colorado’s long battle over raw milk is reenergized by the “food freedom” movement

Jennifer Brown Sep 10, 2023

https://coloradosun.com/2023/09/10/colorado-raw-milk-food-freedom/

コロラド州は近年肉の加工、鶏卵販売、ホームメード焼き菓子に関する規制を緩和してきたが、まだ未殺菌乳についてはこの地域では最も厳しい

(殺菌しない方が栄養がある、健康に良いという主張をしている人達の声が大きくなってきている。アルコールや脂肪の多い食品が合法なのに、と。「食の自由」運動は消費者が理解しているのだからリスクをとる自由があると主張。いろいろ計算がおかしいが公衆衛生というのはこういう人達も含めた上での総和)