2023-10-18

[FSA]FSAは食品偽装作業部会の食品犯罪への取り組みに関する最新情報を共有する

FSA shares update on tackling food crime from the Food Fraud Working Group

11 October 2023

https://www.food.gov.uk/news-alerts/news/fsa-shares-update-on-tackling-food-crime-from-the-food-fraud-working-group

ステークホルダー向けに食品犯罪への集団的対応を強化するための提案を概説する:

食品偽装ホットラインのための新しいフリーダイヤルを立ち上げ、人々が声を上げて懸念を共有しやすくする;

食品偽装の内部告発を奨励する方法について業界と協力する;

犯罪行為を防止するために、食品事業者が使用する第三者監査機関とFSAとの間の情報共有協定を強化する;

サプライチェーンにおける食品偽装の可能性について、FSAが食品事業者に警告するための情報に基づく警告の発し方を改善する。

食品犯罪は消費者、食品事業者及びより広範な食品産業に深刻な害を及ぼす可能性がある。表示と異なる食品や飲料を販売し、ラベルに記載されているものよりも安い原材料を使用することもある。偽装活動は、事業者や地方当局、刑事司法制度に大きな負担である。

英国食品基準庁は、本日、食品犯罪が英国経済に与えるコストは年間20億ポンドに上ると推定する調査報告書と、食品犯罪防止に関する勧告を行う調査報告書の2つを発表した。「Cost of Food Crime」の調査では、食品偽装による消費者、事業者及び政府の損失は年間4億1000万ポンドから19億6000万ポンドである。また、「What works to prevent food fraud」の報告書では、既存の食品偽装防止活動を補完し、不正業者に対する防衛ラインを強化する方法を強調している。

FSAのCEOであるEmily Miles氏は次のように述べている:

「食品システムには常に犯罪の脅威がある。最初で最も重要な防衛ラインである食品事業を支援し、食品犯罪に対するFSAの集団的対応のいくつかの分野の改善について検討するために作業部会を立ち上げた。FSAの研究では、経済的な負担を感じている事業者や消費者にとって、食品犯罪のコストは依然として重要であることを示唆する。」

Food Industry Intelligence Networkのディレクター兼共同議長であるHelen Sisson氏は、食品システムのあらゆる部分の協力とコミュニケーションが不可欠である、と述べる。

ケーススタディ1:West Northamptonshire 議会とのNFCUのパートナーシップ

NFCU(国家食品犯罪ユニット)はWest Northamptonshire議会と協力して、議会主導の作戦に取り組んだ。承認を得ず、適切な食品安全管理が行われていない場所で営業している食品事業を特定し、食品を差し止め、その後食料が廃棄され、未承認の活動は閉鎖された。

ケーススタディ2:Wiltshire議会と協力したNFCUのパートナーシップ

NFCUは、Wiltshire議会と協力して、地方当局主導の活動に取り組んだ。違法な食肉処理工場を強制捜査した。深刻な衛生違反のため、店舗を緊急閉鎖し、全国的な食品警告を発した。約5.1トンの牛肉とラム肉(推定価格35,700ポンド)が押収され、廃棄となった。

 

[FSA]アクリルアミドとフランの英国小売における2020-21年の調査

Acrylamide and Furans UK Retail Survey 2020-21

9 October 2023

https://www.food.gov.uk/research/acrylamide-and-furans-survey-summary

-Acrylamide and Furan in Retail Products Combined report

(小売製品中のアクリルアミドとフランの報告書)

https://www.food.gov.uk/sites/default/files/media/document/FSA%20Report%20FR002164%20Acrylamide%20and%20Furan%20Combined.pdf

(概要)

この研究は、食品中のアクリルアミド、フラン及びアルキルフランに関するデータを作成し、英国食品中のこれらの汚染物質の存在に関する情報を得て、将来の規制決定に役立てることを目的とした英国食品基準庁(FSA)からの要請の結果として、委託された。この研究は、データの年ごとの傾向を把握するために2年連続で実施された。本報告書は、研究の結果を要約する。

本調査は2年間で成功裏に完了した。1年目に162サンプルが購入及び分析され、2年目に130サンプルを合意されたサンプリング計画に基づいて購入した。1年目に130サンプルがアクリルアミドについて、60サンプルがフランについて分析された。2年目に78サンプルがアクリルアミドについて分析され、12サンプルがフランについて分析され、40サンプルが両方について分析された。アクリルアミドの分析はISO 17025に認定された方法を用いて実施した。

食品中の2‐メチルフラン、3‐メチルフラン、2, 5‐ジメチルフラン、2‐エチルフラン、ブチルフラン、プロピルフラン及び2‐ペンチルフランに対する分析方法を開発し、検証した。食品では5 μg/kg以下、コーヒーでは20 μg/kg以下の定量限界(LOQ)の目標をほとんどの分析物で達成した。この方法はフレキシブルスコープを用いてISO 17025に認証された。

フラン及び2-メチルフラン及び3-メチルフランのようなメチル化物は非常に揮発性が高く、一部のフランサンプルは分析前に「消費される状態で」で試験するように製造業者の指示に従って調製した。

本調査は予備的であり、データを収集することを意図した。したがって、この調査に含まれる製品の多くは、Retained規則(EU)2017/2158(1)の記述分類に該当せず、したがって、ベンチマークレベル(BML)は収集された製品の多くには適用されないことに留意すべきである。

アクリルアミドの最高レベルは、野菜のチップス(ニンジンとパースニップの成分が最高レベルを含んでいた)、押し出し成形の野菜スナック製品、コーヒー、乾燥アプリコットのサンプル、塩水に漬けたオリーブのサンプルで観察された。これらの結果は両方のサンプリング期間で同じであり、両方の年の製品で見つかったアクリルアミドの濃度は非常に類似していた。挽いたコーヒー、又はインスタントコーヒーは低レベルのアクリルアミドを含んでいた。飲料調製用に使用された乾燥インスタントまたは挽いたコーヒーのアクリルアミドのレベルを、飲料で測定されたレベルを用いて計算したところ、乾燥製品のもともとのアクリルアミド分析の結果と十分一致した。

フランに対するガイダンスレベルまたはアクションレベルはない。大部分のサンプルは低レベルのフランを含んでいた。最高レベルは挽いたコーヒーとインスタントコーヒーの両方で観察された。

これらを飲料の調製用に使用すると、生じたフランレベルははるかに減少し、通常、ドライコーヒーのレベルの約1%であった。乳児用の食事やそのまま喫食可能なスープのような食品では、フランのレベルは低かった。ペンチルフランはいくつかの製品で検出され、最高レベルは野菜のチップスで検出された。これらの結果は、分析上の問題があるのため、指標と考えるべきである。ペンチルフランの分析を改善するための更なる研究が推奨される。

本調査は予備的データを提供し、2020年と2021年に購入した一連の製品における加工汚染物質のレベルのスナップショットを提供する。1年目と2年目の結果をこの最終報告書にまとめ、2年間にわたって比較した。2年間に試験した製品中のアクリルアミドとフランのレベルにはほとんど差が認められず、2年間に類似した製品中のレベルには一貫性が認められた。

 

[HK]CFSは食品中のメトキシクロルに関するリスク評価研究結果を発表する

CFS announces risk assessment study results on Methoxychlor in food

Wednesday, October 11, 2023

https://www.cfs.gov.hk/english/press/20231011_10546.html

食品安全センター(CFS)は食品中の有機塩素系殺虫剤であるメトキシクロル(MXC)に関するリスク評価研究の結果を発表した。CFSは、食品の摂取から香港の成人集団のMXCへの暴露量を推定し、関連する健康リスクを評価するために、小売りレベルで300種類の食品サンプルを収集した。研究結果から、この研究の対象となる食品からMXCへの食事暴露による香港の集団の健康上の懸念は低いことが示された。

MXCは有機塩素系殺虫剤で、現在多くの国々で農業での使用は禁止されている。MXCは環境中に残留し、長距離環境輸送の可能性が高いため、食品には少量のMXC残留物が含まれる可能性がある。そのため、食品中のMXC残留物の継続的なモニタリングや関連するリスク評価が必要である。

動物実験から、MXCは動物では遺伝毒性、発がん性がないことが示された。哺乳類での実験では、MXCは蓄積せず、MXCへの経口暴露による急性毒性は低い。MXCの慢性毒性の主なターゲットは、神経系、内分泌系、生殖系である。

MXCレベルの検査のために100品目の食品を対象として地元のマーケットから採取した300種類の食品サンプルには、14の食品グループが含まれていた(シリアルと穀物製品、野菜、果物、ナッツと種子、肉と内臓、卵と卵製品、牛乳と乳製品、魚、魚製品、甲殻類と軟体動物、油脂、飲料、ハーブとスパイス、蜂蜜)。研究結果から、MXCは全てのサンプルで検出されず、MXCの検出限界は0.1 マイクログラム (µg)/kgだったことが示された。

食事暴露については、収集した食品サンプル中のMXCの上限平均濃度により、平均的摂取者の推定量は0.002283 µg/kg 体重/日、高摂取者の推定量は0.003608 µg/kg体重/日だった。これらの食事暴露は、FAO/WHO合同残留農薬専門家会議が設定した許容一日摂取量(すなわち100 µg/kg 体重/日)より遙かに少なく、香港の成人集団の通常の食品摂取におけるMXC暴露による健康上の懸念は低いと考えられる。

 

[DEFRA]食品中の残留農薬:2022年第4四半期のモニタリング結果

Pesticide residues in food: quarterly monitoring results for 2022

last updated 10 October 2023

https://www.gov.uk/government/publications/pesticide-residues-in-food-quarterly-monitoring-results-for-2022

2022年の第4四半期には、10月初めから12月末にかけて、グレートブリテンと北アイルランドから26種類の食品について934検体を集め、最大394種類の農薬を調査した。934検体のうち567検体で残留物が確認され、そのうち6検体に最大残留基準値(MRL)を超える残留物が含まれていた。スクリーニング評価の結果、健康影響の可能性が低い、または予想されないと結論した。また、ササゲの1検体のカルボフラン、ジャガイモの1検体のホスチアゼートの事例では、報告書で有害健康影響の可能性の概要を述べているが、それは軽微で、寿命が短く、回復可能である。検出された他の全ての残留物は健康の懸念を生じなかった。カルボフラン(ササゲの1検体)、クロルピリホス(チリパウダーの1検体)、エチレンオキシド(18検体)、スパイス(チリとカイエンヌパウダー)の遺伝毒性の健康影響の可能性を考慮する必要もあった。これらの農薬は英国では認可されていないが、一部の輸入食品で時折見つかる可能性がある。現在のレベルで、遺伝毒性による健康への有害影響のリスクは低いと結論した。長期評価については、チリ及びカイエンヌの検体の多くにエチレンオキシドが含まれていたため、詳細な検討の結果、これらの残留物はヒトの健康に懸念を生じる可能性は低いと結論した。第4四半期に実施した個々の商品の長期暴露のスクリーニング評価(この報告書で検出された個々の農薬の)から、長期的な健康への有害影響の可能性は示されなかった。これらの詳細な検討や基本的情報へのリンクは、アボカド、鞘付き豆、ブドウ、ジャガイモ、スパイスの報告書に含まれている。

 

[FSA]食品基準庁及び食品基準庁スコットランドはCBDの消費者への助言を更新

Food Standards Agency and Food Standards Scotland update consumer advice for CBD

12 October 2023

https://www.food.gov.uk/news-alerts/news/food-standards-agency-and-food-standards-scotland-update-consumer-advice-for-cbd

食品規制当局は、健康な成人は1日に10mg以上のカンナビジオールCBDを摂取しないよう助言する。

食品基準庁(FSA)は、本日、CBDに関する新しい予防的助言を発表し、健康な成人は、食品からのCBDの摂取を10mg/日(5% CBDオイル約4~5滴に相当)に制限するよう助言した。

この助言の変更は、業界からの新たな根拠や、本日発表された独立科学委員会からの最新の助言に基づくものである(https://acnfp.food.gov.uk/JointpositionpaperfromACNFP%26COTonestablishingprovisionalADIforpureformCBDinfoods)。

我々は、子供、薬を服用中の人(医療専門家に相談していない人)、妊婦や授乳中の人、妊娠を希望する人など、感受性の高いグループに属する人はCBDを取らないよう引き続き助言する。

最新の助言は、飲料、オイル、お菓子、ベーカリー製品、あめなど、CBDを含む食品に対する平均的な生涯暴露量に基づいている。市販で入手できる製品には1回分のCBD量が10mg/日以上の高用量のものもあるため、消費者は表示を確認し、最新の助言に照らして一日の摂取量を考慮する必要がある。

CBD抽出物の新規食品ステータスは2019年1月に承認されており、グレートブリテン(GB)では、全てのCBD食品は合法的に販売できる前に認可を申請しなければならない。

FSAで信頼できる申請書を所有する認可待ちの全製品は、FSAの公開リスト上で閲覧できる(https://data.food.gov.uk/cbd-products/products-list)。現在、市場で認可されているCBD抽出物や分離株はない。

食品基準庁の首席科学顧問であるRobin May教授は述べた:

「我々の独立した助言委員会は、新規食品申請の一環で企業から提出された安全性評価をレビューし、健康な成人はCBDを1日に10mg以上摂取しないよう助言している。

「生涯で摂取するCBD量が多いほど、肝臓の損害や甲状腺の問題などの長期的な有害影響を発症する可能性が高まる。リスクのレベルは摂取量に関連しており、アルコール飲料などその他の有害な可能性のある製品でも同様である。

「我々はCBDの一日の全摂取量を監視するために、消費者に製品表示上のCBD含有量を確認し、最新の助言に基づいて摂取量を変更するかどうか検討するよう奨励する。」

食品基準庁のCEOであるEmily Miles氏は述べた:

「我々は常に国民に対して、食用のCBD製品の摂取について注意深く考えるよう助言し、全ての食品と同様に、業界から集めた根拠に基づいて引き続き助言を見直していく。

「我々の助言への変更は、現在販売されている1回分あたり10mg以上のCBDを含む製品に影響を与えることを理解している。我々はリスクを最小限にし、消費者がCBDの潜在的に有害なレベルまで暴露しないことを保証するために、業界と緊密に協力する予定である。」

助言を更新した理由

FSAは2020年2月に、健康な成人はCBDを1日当たり70mg以上摂取しないよう推奨する消費者への助言を発表した。このレベルは、CBDが医薬品として研究された限られた証拠に基づいており、その用量は医薬品の利益と潜在的な副作用とのバランスを取って決められた。

最初の助言以降、我々は公開リストや新規食品工程を通して、FSAやFSSがこれらの製品に実施している安全性評価の一環としてCBDの食品での使用に特定したデータを提出するようCBD業界に求めた。我々の最新の助言は独立科学委員会による根拠のレビューに基づいている。CBD業界との積極的な協力により、この評価を実行できた。

FSA (及び FSS)に助言する2つの独立した科学委員会である、毒性委員会(COT) (https://cot.food.gov.uk/)と新規食品・加工諮問委員会(https://acnfp.food.gov.uk/)の合同サブグループは、新規食品申請の一環としてCBD業界が提出した安全性の根拠をレビューしている。新たな根拠では、彼らは、平均的な体重の成人に、許容一日摂取量(ADI) 0.15mg/kg/日または10mg 98%純粋CBD /日を助言している。

この科学的助言に基づき、FSAは、健康な成人はCBDを1日当たり10mg以上摂取してはならないと結論した。ACNFP/COTの助言は、CBD製品の特定のサブセットに基づいているが、FSAは国民に対して最大限の明瞭性を与えるために、予防措置として全てのCBD製品への助言をすることが適切だという見解を取った。

これは消費者にとって何を意味するのか

現在、あめ、サプリメント、飲料など、市場で広範なCBD食品が入手できる。どれも新規食品として認可されていないが、FSAは、イングランドとウェールズで、新規食品認可プロセスを通して信頼できる申請に関連した製品の公記録として公開リスト(https://data.food.gov.uk/cbd-products/products-list)を導入した。

我々が今まで評価したデータに基づくと、CBDの10mg/日以上の摂取による急性安全性リスクはない。だが、このレベル以上、一定期間以上だと、肝臓や甲状腺にいくらかの有害影響の根拠がある。摂取する用量が多いほど、高用量を摂取する頻度が高いほど、有害健康影響へのリスクが高まる。

現在市販されている一部の食品には、CBDが1回分10mg以上含まれるものもある。我々は業界と協力して、これらの製品の今後の道筋に合意する予定である。その間、CBD含有製品の摂取について国民が情報に基づいて意思決定できるよう、最新の消費者への助言を発表していく。

消費者には、製品のCBD含有量を確認することで日常のCBD摂取量を監視し、この最新の助言を踏まえて変更したいかどうか検討することを勧める。

FSAはさらなるCBDの影響の評価を受け取りながら、引き続き消費者への助言(https://www.food.gov.uk/safety-hygiene/cannabidiol-cbd)を検討中のままにする。新たな根拠から変更が必要なことが示された場合、助言を更新する。

 

[IARC]IARC と PAHOはラテンアメリカとカリブ海のがん対策第一版を発表

IARC and PAHO launch the 1st edition of the Latin America and the Caribbean Code Against Cancer

https://www.iarc.who.int/news-events/iarc-and-paho-launch-the-1st-edition-of-the-latin-america-and-the-caribbean-code-against-cancer/

Latin America and the Caribbean Code Against Cancer

https://cancer-code-lac.iarc.who.int/en

1.タバコを使わない

2.自宅は禁煙

3.健康体重維持

4.毎日運動

5.健康的食生活:

 ・野菜や果物を多く、豆も

 ・全粒穀物を食べる

 ・砂糖入り飲料を避けて代わりに水を飲む

 ・お菓子や甘い朝食シリアル、塩味のスナック、ペストリーやクッキーのような超加工食品を制限してナチュラル食品か手作りを食べる

・デリミート、ソーセージ、塩析肉のような加工肉を避け、赤肉を制限する

・お茶やコーヒーやマテ茶のようなとても熱い飲み物を制限する。舌や唇が火傷しないようにしばらく待つ

6.禁酒

7.母乳で育てる

8.日差しの強いときの直射日光を避ける

9.石炭や木材を使って料理や暖房をする場合には煙が家の中にたまらないようにする

10.大気汚染のひどいところでは戸外にいる時間を制限

11.職業で有害物質に暴露されるかどうか調べて防護を要求

12.ピロリ菌感染チェック

13.BおよびC型肝炎ウイルス、HPVウイルス、HIVウイルス対策

14.医師に指示されないかぎり閉経期のホルモン補充療法をしない

15.50-74才なら大腸がん検診を受ける

16.40-74才以上なら乳がん検診

17.30-64才ならHPV検査

(微妙・・実行できる人が少なそう)

 

[VKM]PFASウェビナーの記録

Recorded webinar on PFAS available now

https://vkm.no/english/news/vkmnews/recordedwebinaronpfasavailablenow.5.7854162818a17750c1c51e90.html

Youtube動画

https://www.youtube.com/playlist?list=PLDxOjeUXS7wK4_1MErmmMx35slPHzOn92

英語

フッ素化合物の利用のはじまりがウラン濃縮でそれが広島の原爆につながったと言ってキノコ雲の写真を出しててちょっとびっくり

(EUは禁止と言いつつ例外作りまくりだったりするので)

 

その他

-欧州のPFASへのアプローチについての洞察

Insights Into The European Approach To PFAS

By Susan Goldhaber MPH — October 17, 2023

https://www.acsh.org/news/2023/10/17/insights-european-approach-pfas-17398

私はこれまでPFASとそれを巡るデマや科学的信頼性の欠如について多くの記事を書いてきた。しかし欧州のこれらの規制案の馬鹿馬鹿しさは米国を上回った。2023年2月7日のECHAの全PFAS禁止案は12000以上の化合物に影響する。彼らのPFAS定義はあまりにも広く、フッ素を含むほぼ全ての化合物を含む。何がどうなっている?

私(Goldhaber)はEGHAの提案についてはDragani氏のToxicsの記事を読んで知った。

EUのPFAS禁止:科学より方針、の事例

The EU’s Per- and Polyfluoroalkyl Substances (PFAS) Ban:A Case of Policy over Science

Francesca Spyrakis  and Tommaso A. Dragani

Toxics 2023, 11,721.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10536631/pdf/toxics-11-00721.pdf

私(SG)はDragani (TD)氏にインタビューをお願いし答えてもらった。

SG:あなたはECHAのPFAS全ての禁止提案は間違っているという。理由を説明してください。

TD:PFASは物理的・化学的・環境・生物学的性質が大きく異なる12000ほどの化合物をカバーするもので、それを全て禁止する提案は間違っている。ほとんどのPFASには健康リスクの根拠はないが、それらを禁止することは大きな負の帰結をもたらす。そのため私は全面禁止を支持しない。

SG:もし提案されている禁止が法になったら?

TD:二つの異なる意図せぬ帰結がありうる:

ひとつは欧州でのフルオロポリマーの生産中止で、これらは医療機器やコンピュータ、携帯電話などに使われ必須の役割を果たしている。二つ目はPFAS代用品は効果が少なく害が大きくなる可能性がある。しっかりした毒性評価なしにそれら化合物が市場に出て安全上の懸念となるだろう

SG: フルオロポリマーとは何で何故他のPFASとは別のグループと考えられるのか?

TD: フルオロポリマーは10万ダルトンを超えるような大きな分子量で複雑な構造をもつ。大きいため生物に取り込まれる可能性が低く水に溶けず環境中に拡散しにくい。そのため低リスクと分類できる。

SG:あなたの記事によるとPFASには多様な化合物が含まれる。これらをより細かく分類する方法は?

TD: フルオロポリマーは飲料水を汚染するPFOSやPFOAとは異なる化合物群である。基本的な違いがあるのでPFASとしてまとめることに意味があるとは思えない。毒性上の懸念があるかどうかは個別の評価が重要である。

SG:化合物の構造は毒性に影響するか?

TD: PFASの毒性は構造に影響される。例えば炭素差の長さ、官能基、異性体。ただし我々の理解はまだ限られている

SG:毒性等価係数(TEFs)とは?どうしてPFAS毒性評価に使うべきではない?

TD: TEFsは化学物質混合物暴露による毒性を評価するのに使われる道具である。しかしTEFsが意味を持つには毒性メカニズムが同じ、化学的に類似した化合物に適用される必要がある。しかしPFASはそうではない。トキシコキネティクスや作用メカニズムが異なる多様な化合物群であるPFASにはあてはまらない

以下略

 

-Natureニュース

リンゴ復活:科学がどうやって歴史的品種を生き返らせたか

Apple revival: how science is bringing historic varieties back to life

17 October 2023  Christopher Kemp

https://www.nature.com/articles/d41586-023-03229-6

半ば忘れ去られた、系統の古いリンゴの品種のゲノムを探ることは、この比類のない果物の未来を確保するのに役立つだろう

かつて米国でよく見られた数百のリンゴ品種は消え去った

Jude Schuenemeyerは2008年にMontezuma果樹園復元プロジェクトを開始した。

全ての食用リンゴは同じ種Malus domesticaに属する。世界中で7500程度が現在栽培品種として認識されている

(長い記事)

 

-国際細胞&遺伝子治療学会ポジションペーパー:根拠に基づいた細胞と遺伝子治療を支持するための重要な検討と、根拠のない製品のマーケティングへの反対

International Society for Cell & Gene Therapy position paper: Key considerations to support evidence-based cell and gene therapies and oppose marketing of unproven products. Cytotherapy 25:920-929, 2023

https://www.isct-cytotherapy.org/article/S1465-3249(23)00064-6/fulltext

細胞免疫療法を含む再生医療の分野は成長が期待されている。世界中で何十もの細胞や組織や遺伝子をベースにした製品が販売を認可され、数百から数千が開発中である。しかしながら再生療法への期待は同時に世界中に安全性や有効性が不明な製品の消費者への直接販売産業の増加も招いた。当初から国際細胞&遺伝子治療学会は立証されていない治療法の時期尚早な販売には反対してきた。