2024-01-12

[EU]査察報告

-ベルギー―生きた動物と動物製品の残留物と汚染物質

Belgium 2023-7683―Residues and contaminants in live animals and animal products

14-11-2023

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit-report/details/4687

2023年2月6~17日に実施した、生きた動物と動物製品の薬理活性物質、農薬、汚染物質の残留物の管理計画の計画と実行を評価することを目的としたベルギーの査察結果。ベルギーの残留物管理プログラムの計画は時宜にかない、検査範囲は広く、サンプリングは一般的に計画通りに実施されている。にもかかわらず、管理計画は、いくつかのリスク要因が考慮されていない、サンプリングはほとんどランダムである、多くの場合管理者に事前通知されて実施されているという事実によって弱められている。違反残留物結果のフォローアップは迅速に開始されたが、場合によっては法的要件に従って実施されなかった。これらの要因が管理システムの有効性を弱めている。

 

-チリ―動物用医薬品の管理を含む生きた動物と動物製品の残留物と汚染物質

Chile 2023-7678―Residues and contaminants in live animals and animal products including controls on veterinary medicinal products

14-11-2023

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit-report/details/4686

2023年4月12日~5月4日まで実施した、リモート会議と現地訪問からなるチリの査察結果。水産養殖と家禽の残留規制に焦点を当て、生きた動物と動物製品中の動物用医薬品、農薬、汚染物質の残留物の管理を目的とした国家管理システムの機能や残留物管理計画の遵守を検証した。家禽と水産養殖部門の残留管理計画は、水産養殖がEU規則の求めるサンプル数を下回っていることを除き、EU規則に定められた原則と一致する。どちらの管理計画も協定にほぼ沿って実行され、EU規則に従っている。だが、分析方法の妥当性における欠点や、陽性対照サンプルに不適切に高い強化レベルを使用することは、残留農薬管理計画に基づいて作成された検査結果の信頼性を弱めている。

 

-管理団体―トルコからEUへの輸出を認証するためのオーガニック生産基準及び規制措置

Control Body 2023-7861―Control body - organic production standards and control measures for certifying exports from Türkiye to the EU

10-11-2023

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit-report/details/4685

2023年4月27日~5月16日まで実施した、トルコの管理団体が適用するオーガニック生産基準と規制措置を評価するための査察結果。管理団体には包括的な管理システムや手順があり、大部分はよく実行されている。検査計画の時期や頻度は適切で、サンプルは必要最小限数を大きく上回り、適切なリスク評価に基づいて実施されている。しかし、残留農薬の調査結果が十分フォローアップされていない、現地検査がほとんど行われていないなど、提供される保証に悪影響のある重大な欠点がある。管理団体は欧州委員会が認定した生産規則を適用しているが、全てがトルコの管理団体によって永続的かつ効果的に運用されているわけではない。

 

-チェコ共和国―植物保護製品の販売と使用

Czech Republic 2023-7840―Marketing and use of Plant Protection Products

09-11-2023

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit-report/details/4684

2023年6月14~27日に実施した、植物保護製品の販売と使用に関する公的管理システムを評価するためのチェコの査察結果。チェコは植物保護製品の大規模な使用国ではなく、32 000人の専門的使用者がいて、EUの植物保護製品売上高の1%強、EUの利用農地の約2.5%を占めている。国内での製造や再梱包は少なく、植物保護製品のほとんどはEUに由来し、輸入量は少ない。管理はリスクに基づいて年次計画に沿って適切な頻度で実施している。本報告書には確認された欠点に対処するための4つの助言が含まれている。

 

-オーストリア―乳と乳製品

Austria 2023-7731―milk and dairy products

07-12-2023

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit-report/details/4690

2023年1月16~31日に実施した、オーストリアの乳と乳製品の公的管理システムを評価するための査察。乳と乳製品の生産の公的管理システム担当当局の組織と機構は適切な枠組みを提供している。IT ツールが開発され、研修制度は十分確立されている。食品事業者の登録・認可手続きは国内法の要件通りだが、承認条例は同等のEU法に完全に従っていない。衛生規制要件遵守の検証は限定的で、中央当局はヤギとヒツジの乳生産状況を把握していない。抗生物質の残留検出などの違反事例は効果的にフォローアップされた。当局は生乳の直接販売、逸事やヤギの農場などの品質管理システムなどについては監視していない。生乳の抗生物質残留検査は限られた範囲しか検出せず、生乳に抗生物質が含まれていないことを保証できない。HACCPの原則に基づく食品事業者の義務を効果的に執行していない。公的サンプリングプログラムは一般によくデザインされ実施されている。

 

-サウジアラビア―EU輸出用水産物

Saudi Arabia 2023-7851―Fishery products intended for export to the European Union

29-11-2023

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit-report/details/4689

サウジアラビアのEU輸出用水産物のEU要件への遵守を検証するための机上評価の結果。EU輸出用水産物に発行されるEUモデル公的証明書に設定された衛生証明書を支援するために必要な、法的枠組み、当局の構造、法的権力がある。だが、特定の汚染物質の規制値はEU規則に従っていない。このため、EU輸出証明書の特定の衛生証明書の信頼性は損なわれている。

 

[EFSA]意見等

-既存の最大残留基準値のレビューを必要としない農薬有効成分

Pesticide active substances that do not require a review of the existing maximum residue levels under Article 12 of Regulation (EC) No 396/2005

EFSA Journal 2024;22(1):8502 9 January 2024

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8502

(声明)

規則(EC) No 396/2005は、欧州レベルで農薬の最大残留基準値(MRLs)の設定や見直しを管理する規則を設定している。規則(EC) No 396/2005第12条1章によると、EFSAは、指令91/414/EECの付属書類Ⅰに有効成分を含む/含まない日付から12ヶ月以内に有効成分の既存のMRLsのレビューに関する理由付き意見を提出する必要がある。第12条1章の下でレビューを必要とする有効成分のうち、EFSAはMRLsのレビューがもはや必要ないと考えられる2つの有効成分(エトリジアゾール、Pythium oligandrum M1株)を特定した。EFSAはこれらの物質のMRLsのレビューが使われなくなった理由を説明する声明を作成した。関連する質問はこの声明で対処されていると考えられる。

 

-リン化アルミニウムと第三リン酸マグネシウムのMRL第12条のレビュー後の確証データの評価及び既存MRLsの改訂

Evaluation of confirmatory data following the Article 12 MRL review and modification of the existing maximum residue levels for aluminium phosphide and magnesium phosphide

EFSA Journal 2024;22(1):8446  9 January 2024

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8446

(理由付き科学的意見)

リスク評価結果に基づき、EFSAは報告された農業慣行によるいとMg3P2の使用から生じる残留物の短期及び長期接種は消費者の健康へのリスクをもたらす可能性は低いと結論した。更なるリスク管理の検討が必要である。

 

-非遺伝子組換えTrichoderma reesei AR‐256株由来セルロース、エンド‐1,3(4)‐β‐グルカナーゼ及びエンド‐1,4‐β‐キシラナーゼを含む食品用酵素の使用拡大の安全性評価

Safety evaluation of an extension of use of the food enzyme containing cellulase, endo‐1,3(4)‐β‐glucanase and endo‐1,4‐β‐xylanase from the non‐genetically modified Trichoderma reesei strain AR‐256

EFSA Journal 2024;22(1):8510  8 January 2024

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8510

(科学的意見)

セルロース(EC 3.2.1.4)、エンド‐1,3(4)‐β‐グルカナーゼ(EC 3.2.1.6)及びエンド‐1,4‐β‐キシラナーゼ(EC 3.2.1.8)を含むこの食品用酵素は、AB‐Enzymes GmbH社が非遺伝子組換えTrichoderma reesei AR‐256株で生産した。この食品用酵素の安全性評価は以前に行われ、その中でEFSAは、この食品用酵素は7つの食品製造工程で使用する際に、安全上の懸念を生じないと結論した。その後、申請者は2つの工程を追加するために使用拡大を要請した。この評価では、EFSAは全部で9つの食品製造工程で使用する際のこの食品用酵素の安全性評価を更新した:1) 焼成製品、2) 焼成以外のシリアルベース製品、3) 醸造製品、4) デンプン及びグルテン画分、5) 蒸留アルコールの生産のためのシリアルとその他の穀物の加工; 6) ワインとワインビネガー、7) ジュース、8) ジュース以外の果物と野菜製品、9) ブドウ以外の果物由来蒸留アルコール飲料の生産のための果物と野菜の加工。この食品用酵素―総有機固形物(TOS)は、3つの食品製造工程で除去され、最終食品に持ち込まれないことから、この食品用酵素への食事暴露–TOSは残りの6つの工程にのみ推定された。欧州人で最大4.049 mg TOS/kg体重/日と推定された。以前の意見で報告された無毒性量(NOAEL) (939 mg TOS/kg体重/日)を用いて、パネルは改訂した暴露マージンを少なくとも232と導出した。改訂した暴露計算や以前の評価結果に基づき、パネルは、この食品用酵素は、改訂後の意図した使用条件下で安全上の懸念を生じないと結論した。

 

-確証データを踏まえたジフェノコナゾールの農薬リスク評価に関する加盟国、申請者、EFSAの協議結果

Outcome of the consultation with Member States, the applicant and EFSA on the pesticide risk assessment for difenoconazole in light of confirmatory data

EFSA Journal 2023;20(12):EN-8474  22 December 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-8474

(技術的報告書)

報告担当加盟国スペインが協議結果をまとめ、EFSAの科学的見解や個別に受け取ったコメントの結論を提示した。

 

-バイオテクノロジーの新たな開発で得た微生物とその製品のホライズンスキャニング

Horizon scanning on microorganisms and their products obtained by new developments in biotechnology

EFSA Journal 2023;20(12):EN-8503 22 December 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-8503

(外部科学報告書)

このホライズンスキャニングの目的は、農業食品及び飼料部門の応用に伴い、分類3と4の遺伝子組換え微生物(GMMs)を得るために、指令2001/18/EC以降に開発された新しいゲノム技術(NGTs)を得るためのアプリケーションをマッピングすることや、関連する安全性やリスク評価の側面を理解することである。

 

-永続作物と一年生作物の土壌中の植物保護製品の予測環境中濃度 (PEC)を算出するためのソフトウェアツール:バグ修正&更新報告書VITO NV

Software tool for calculating the predicted environmental concentrations (PEC) of plant protection products (PPP) in soil for permanent and annual crops: Bug fixing & update report VITO NV

EFSA Journal 2022;20(12):EN-8379 21 December 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-8379

(外部科学報告書)

PERSAMは、EFSAが委託した土壌中の植物保護製品(PPPs)の予測環境中濃度のためのソフトウェアツールで、2013年に初めて発表され、今回更新された。コンピューター化されたツールは議会及び理事会規則(EC) 1107/2009に従って、申請者やリスク評価者がPPPsや変換生成物の評価に使用するために発表される。PERSAMは規制の提出用の報告書を作成する。これらの報告書に基づき、当局はモデル結果を確認・再現できるようにする必要がある。

 

-ラディッシュの葉のマンジプロパミドの既存MRLs改訂

Modification of the existing maximum residue level for mandipropamid in radish leaves

EFSA Journal 2023;21(12):8421 21 December 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8421

(理由付き科学的意見)

 

-飼料添加物

Safety and efficacy of the feed additive Anpro consisting of a mixture of Sepiolite and Kieselguhr (diatomaceous earth) for all terrestrial animal species (Anpario plc)

EFSA Journal 2023;21(12):8453  21 December 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8453

(科学的意見)

 

-非遺伝子組換えAspergillus sp. AE‐MB株由来食品用酵素ロイシンアミノペプチダーゼの安全性評価

Safety evaluation of the food enzyme leucyl aminopeptidase from the non‐genetically modified Aspergillus sp. strain AE‐MB

EFSA Journal 2024;22(1):8506  11 January 2024

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8506

(科学的意見)

この食品用酵素ロイシンアミノペプチダーゼ(EC 3.4.11.1)は、Amano Enzyme Inc.社が非遺伝子組換えAspergillus sp. AE‐MB株で生産した。この食品用酵素にはこの生産菌の生きた細胞は含まれないと考えられる。5つの食品製造工程で、次の製品の乳製品の加工に使用することを意図している(1)香料調製品の生産のための植物及び真菌由来製品の加工、(2)タンパク質加水分解物の生産用肉・魚製品の加工、(3)タンパク質加水分解物、(4)改変肉・魚製品及びその加工、(5)酵母と酵母製品。この食品用酵素への食事暴露量―総有機固形物(TOS)は、欧州人で最大2.273 mg TOS/kg体重/日と推定された。遺伝毒性試験は安全上の懸念を示さなかった。全身毒性はラットの90日間反復経口投与毒性試験で評価した。パネルは、無毒性量を183 mg TOS/kg体重/日とした。各集団に算出された暴露マージンは、135(乳児)、81(幼児)、83(子供)、109(青年)、160(成人)、184(高齢者)だった。既知のアレルゲンに対するこの食品用酵素のアミノ酸配列の類似性が調査され、一致はなかった。パネルは、食事暴露によるアレルギー反応のリスクは除外できないが、その可能性は低いと判断した。導出された暴露マージンを考慮すると、この食品用酵素の安全性は立証できなかった。従って、パネルは、この食品用酵素は意図した使用条件下で安全であるとは判断できないと結論した。

 

-遺伝子組換えPseudomonas fluorescens PIC株由来食品用酵素ホスホイノシチドホスホリパーゼCの安全性評価

Safety evaluation of the food enzyme phosphoinositide phospholipase C from the genetically modified Pseudomonas fluorescens strain PIC

EFSA Journal 2024;22(1):8513  11 January 2024

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8513

(科学的意見)

この食品用酵素ホスホイノシチドホスホリパーゼC (1‐phosphatidyl‐1D‐myo‐inositol‐4,5‐bisphosphate inositoltrisphosphohydrolase EC 3.1.4.11.)は、DSM Food specialties B.V.社が遺伝子組換えPseudomonas fluorescens PIC株で生産した。この遺伝子組換えは安全上の懸念を生じない。この食品用酵素にはこの生産菌の生きた細胞やそのDNAは含まれない。脱ガムによる精製食用油脂生産のための油脂加工に使用することを意図している。総有機固形物の残留量は脱ガム中に適用される洗浄及び精製段階で除去されるため、食事暴露推定量や毒性試験は必要ないと考えられた。既知のアレルゲンに対するこの食品用酵素のアミノ酸配列の類似性が調査され、一致はなかった。パネルは、食事暴露によるアレルギー反応のリスクは除外できないが、これが生じる可能性は低いと判断した。提出されたデータに基づき、パネルは、この食品用酵素は意図した使用条件下で安全上の懸念を生じないと結論した。

 

-使用後のPETを食品接触物質へリサイクルするために使用されるEREMA Basicテクノロジーに基づくNovatexプロセスの安全性評価

Safety assessment of the process Novatex, based on the EREMA Basic technology, used to recycle post‐consumer PET into food contact materials

EFSA Journal 2024;22(1):8519  11 January 2024

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8519

-使用後のPETを食品接触物質へリサイクルするために使用されるEREMA Basicテクノロジーに基づくReciclarプロセスの安全性評価

Safety assessment of the process Reciclar, based on the EREMA Basic technology, used to recycle post‐consumer PET into food contact materials

EFSA Journal 2024;22(1):8518 11 January 2024

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8518

2件とも同じ

(科学的意見)

このプロセスから得られるリサイクルPETを、室温又はそれ未満で長期保存される、飲料水を含む全ての種類の食品接触物質の製造にバージンPETとの混合物の95%まで、飲料水以外の全ての種類の食品接触物質の製造に100%使用しても、安全上の懸念とはならない。このリサイクルPETで作られた物質は電子レンジやオーブンで使用することを意図しておらず、そのような使用はこの評価の対象外である。

 

-飼料中の無害化工程の評価のためのガイダンス

Guidance for the assessment of detoxification processes in feed

EFSA Journal 2024;22(1):e8528  10 January 2024

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8528

(科学的意見)

 

[CFIA]代替タンパク質/ベジタリアン代替肉中の非表示のアレルゲン及びグルテン

Undeclared Allergens and Gluten in Protein Substitute/Vegetarian Meat Products – June 1, 2020 to March 31, 2021

2024-01-05

https://inspection.canada.ca/food-safety-for-industry/food-chemistry-and-microbiology/food-safety-testing-reports-and-journal-articles/undeclared-allergens-and-gluten-in-protein-substit/eng/1702667368633/1702667369426

この調査の主な目的は、代替タンパク質/ベジタリアン代替肉中の非表示のアレルゲンとグルテンの存在とレベルに関する追加情報を得ることだった。検査した290サンプルのうち、約96%には検出可能なレベルのアレルゲンやグルテンは含まれていなかったが、12サンプルに、β-ラクトグロブリン(BLG)、カゼイン、卵、ピーナッツ、ゴマ、ダイズなどの非表示のグルテンやアレルゲンが含まれていることがわかった。現在入手可能な最新の科学的根拠から、グルテンフリー食品中のグルテンレベルが20 ppm未満であれば、大多数のセリアック病患者の健康を守ることが示されている。見つかったレベルがアレルギーのある人に健康上の懸念を引き起こすかどうか判断するため、陽性サンプルのうち11サンプルがCFIAの食品安全リコール室(OFSR)に送られた。CFIAによるフォローアップ措置の範囲は、健康リスク評価に定められる汚染物質のレベルや、その結果生じる健康上の懸念に基づいている。2つのそのまま喫食可能な(RTE)代替タンパク質製品と、2つの代替肉製品が健康上のリスクを示すと判断され、リコールされた。

非表示のBLGとカゼイン両方は2つの乳代替品と1つの代替タンパク質RTE製品に検出され、非表示のカゼイン単体は1つの代替タンパク質RTE製品に検出された。この調査で見つかった低レベルのBLGとカゼインは、生産ライン上の交差汚染により製品に混入した可能性がある。2つの代替タンパク質RTE製品(メキシカンプレートとパワーボウル)が消費者に健康上のリスクを引き起こすと判断され、リコールされた。

グルテン

検査した代替肉製品のうち2製品に異なるレベルの非表示のグルテンが含まれていることがわかった(12 ppm と39000 ppm)。検出レベルの低い非表示のグルテンは、製造慣行の結果、交差汚染によって存在することが知られている。1製品(ベジミートボール)が消費者に健康上のリスクがあると判断され、リコールされた。

ダイズ

非表示のダイズは1製品に検出された。検出されたレベルは製造工程の交差汚染あるいは交差接触による可能性が高い。検出されたレベルは低く、消費者にリスクを引き起こさないと判断された。

この調査で2製品が検査で非表示の卵の陽性反応が出た。製品中の低レベルの卵は、誤表示や汚染された原材料の交差接触の結果である可能性がある。1製品(魚風味ベジタブルミックス)が消費者への健康上のリスクがあると評価され、リコールされた。

ピーナッツ

非表示のピーナッツは3つの代替乳製品に検出された。低レベルの非表示のピーナッツは、製造工程中の交差汚染につながる生産ラインの不完全な洗浄による可能性がある。全ての製品が消費者へのリスクを示さないと判断された。

ゴマ

非表示のゴマは1つのテンペ/豆腐製品に検出された。共有している生産ラインの加工や処理による交差汚染が理由である可能性がある。この製品は消費者へのリスクはないと評価された。

まとめ

2つの代替タンパク質RTE製品と2つの代替肉製品がリコールという結果になり、今回の調査で検出されたその他の陽性アレルゲン調査結果は全て消費者へのリスクを引き起こさないと判断された。この結果は、2013年に代替肉製品中の非表示のアレルゲンやグルテンの存在とレベルに関するベースライン情報を得るためにCFIAが実施した同様の調査結果よりも高かった。調査では597製品が検査され、11サンプルに1つ以上の非表示のアレルゲン及び/又はグルテンの陽性結果が出た。

 

[FDA]FDAはマサチューセッツ州の禁止区域で捕獲され、Intershell International Corp社が流通したとみられる特定の活きたホタテ貝全体をレストランや小売店に提供販売しないよう、又、消費者に食べないよう勧告する(MA 7802 SP)

FDA Advises Restaurants and Retailers Not to Serve or Sell and Consumers Not to Eat Certain Whole, Live Scallops Believed to Be Harvested from a Prohibited Area in Massachusetts and Distributed by Intershell International Corp (MA 7802 SP)

01/10/2024

https://www.fda.gov/food/alerts-advisories-safety-information/fda-advises-restaurants-and-retailers-not-serve-or-sell-and-consumers-not-eat-certain-whole-live

2024年1月5日、マサチューセッツ州公衆衛生局は、禁止区域から採取され、汚染された可能性があるIntershell International Corp社の丸ごとの活きたホタテ貝についてFDAに通知した。製品は2024年1月9日にリコールを開始されたが、収穫場所の表示に誤りがある。

 

[CFIA]様々なブランドのカフェイン入りエナジードリンクは、カフェイン含有量とラベルの問題により安全ではない可能性がある

Various brands of caffeinated energy drinks may be unsafe due to caffeine content and labelling issues

2024-01-09

https://recalls-rappels.canada.ca/en/alert-recall/various-brands-caffeinated-energy-drinks-may-be-unsafe-due-caffeine-content-and 

CFIAはカフェイン入り飲料を摂取する場合の摂取量に関し、注意を呼び掛ける。リコール製品の情報更新。カナダでのカフェインの最大許容量は1配分あたり180 mg。カフェイン含有量やラベル表示要件に関連する違反のため、製品がリコールされている。

 

[CFIA]カナダ政府はマリンバイオトキシンであるドウモイ酸のポータブル検査法の開発に投資する

Government of Canada invests in developing a portable test for domoic acid, a marine biotoxin

2024-01-10

https://www.canada.ca/en/food-inspection-agency/news/2024/01/government-of-canada-invests-in-developing-a-portable-test-for-domoic-acid-a-marine-biotoxin.html

カナダ政府は環境ドウモイ酸(domoic acid)のポータブル検査の研究開発を行うカナダの中小企業2社に投資すると発表した。

 

[HK]日本産の輸入食品に関する規制措置

Control Measures on Foods Imported from Japan

10 Jan 2024

https://www.cfs.gov.hk/english/programme/programme_rafs/programme_rafs_fc_01_30_Nuclear_Event_and_Food_Safety.html

以下の項目のよくある質問について情報更新。

-放射能と健康

https://www.cfs.gov.hk/english/programme/programme_rafs/programme_rafs_fc_01_30_Q&A_2.html

-放射能と食品

https://www.cfs.gov.hk/english/programme/programme_rafs/programme_rafs_fc_01_30_Q&A_3.html

-安定ヨウ素剤と食品

https://www.cfs.gov.hk/english/programme/programme_rafs/programme_rafs_fc_01_30_Q&A_5.html

 

[HK]法令違反等

-キウイフルーツのサンプルの残留農薬が基準値超過する

Pesticide residue exceeds legal limit in Kiwi fruit sample

Wednesday, January 10, 2024

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20240110_10768.html

キウイフルーツの残留農薬であるカルベンダジム(Carbendazim)が基準値0.5 ppmのところ0.93 ppmの検出であった。

 

[COT]COT & COCによる合同疫学と毒性学のエビデンスの合成と統合に関するワーキンググループ(SETE)

SETE Working Group of the COT & COC

Date published: January 2024

https://cot.food.gov.uk/SETEworkinggroup

https://doi.org/10.46756/sci.fsa.sjm598

要約

英国の毒性委員会 (COT) 及び発がん性委員会 (COC) は、そのリスク評価において疫学的及び毒性学的エビデンスを定期的にレビューしている。したがって、科学的整合性と透明性を確保するために、これらの根拠の流れを統合するために委員会が用いるアプローチに関する指針が必要である。この目的のために、委員会は疫学的及び毒性学的エビデンスの合成と統合に関するサブグループ (SETE) を設立し、現在の慣行をレビューして文書化し、適用可能な指針を提供する。

SETEは、委員会からの助言が求められる問題は相当多様であるため、提案された指針はこれに対処するために十分に柔軟であるべきであることを認識した。

スコーピングと問題の定式化は、プロセスの重要な第一歩であると特定された。これにより、適切な質問が行われ、リソースを最も効率的に使用し、評価で使用する最も適切なアプローチの特定に役立つ。独立した/異なるエビデンスストリームを評価するための確立されたシステムまたはガイダンスは、利用可能であれば従うべきである。

疫学的および毒性学的エビデンスの両方について、規定のチェックリストまたはスコアリングアプローチは推奨しない。しかし、研究の強みと弱点を特定することは重要である。意思決定プロセスは、堅牢で、透明性があり、根拠に基づいていて、正当化でき、文書化されている必要があるが、同様に重要なのは、使いやすいことである。疫学者、暴露専門家、毒物学者の間の協力と継続的な対話が強く推奨される。作用機序 (MOA) に関する情報は、経験的観察と生物学的妥当性との間のメカニズム的な関連性を提供することによって根拠の重み付けについての考察を支えるため、根拠の統合にとって非常に重要である。

既存のヒエラルキーに依らず、すべてのラインの根拠を考慮する必要がある。因果関係に対するさまざまなラインの根拠の影響を明確に示す方法の1つとして、視覚的な表現がある(図1) 。

結論に至るのに十分な情報があるかどうか、またはヒトにおける因果関係の可能性が高いか低いかの判断は、因果関係がグラフのどこにあるかに基づいて行うことができる。最初に因果関係の推定値をグラフの中央に置くことが重要である。評価された毒性学的、メカニズム的または疫学的証拠が因果関係の結論を支持または割引する (または明確な影響を与えない) かどうかにより、グラフ上の位置をそれに応じて正または負の方向に移動する。この動きは、証拠の強さまたは弱さ、疫学的および毒性学的研究に与えられた相対的な重み付け、データに関連する不確実性など、いくつかの要因に影響される。より多くの情報がプロセスに含まれ、かつ/または利用可能になるにつれて、毒性学的および/または疫学的証拠の位置は容易に調整でき、結論への影響は容易に確認できる。

他のアプローチとは対照的に、上記の視覚化は、科学的専門家の議論と合意によって評価された、因果関係に対する様々な根拠の影響に関する委員会のコンセンサス見解のイメージ表現を提供することを目的としている。このようにして、委員会の見解をまとめ、因果関係の可能性に関する委員会の合意された結論を伝達するためのより客観的な手段を提供する。

結論は、全体的な不確実性の推定と、適切な場合には、データのギャップをどのように埋めることができるかについてのガイダンスとともに記載されるべきである。

完全なSETE報告書およびガイダンス文書 (附属書1) は、報告書および附属書にリンクされている。

ガイダンスは、COTによって2年間試行され、その後レビューされる。

 

[RIVM]Borssele原子力発電所近傍の環境モニタリング。2022年の結果

Environmental monitoring in the vicinity of the Borssele nuclear power plant. Results in 2022

11-01-2024

https://www.rivm.nl/publicaties/environmental-monitoring-in-vicinity-of-borssele-nuclear-power-plant-results-in-2022

ほとんどの検体から放射能は検出されない、あるいは極めて僅か、あるいは無視できる程度の137Csだった。137Csはオランダの表面汚染として知られていてチョルノービル事故由来である可能性が高い

 

[WHO]出版物 WHO東南アジア地域包装済み食品のナトリウムベンチマーク

WHO South-East Asia Region Sodium Benchmarks for Packaged Foods

11 January 2024

https://www.who.int/publications/i/item/9789290210818

グローバルベンチマークをベースに地域による変更を加えた。

例えば新たなサブカテゴリーとしてインスタント麺や海藻スナック、スパイスミックス/カレーパウダー、チャツネなどを設定

 

論文

-有毒藻類大発生:研究がヒトへのハザードの可能性を評価する

Toxic algae blooms: Study assesses potential health hazards to humans

11-JAN-2024

https://www.eurekalert.org/news-releases/1030902

Toxinsに発表された2018-2021米国インディアナ川ラグーンの調査

 

-年末調査は食品安全、年齢関連消費者行動、備蓄切れ傾向にスポットライト

Year-end survey spotlights food safety, age-related consumer behavior, out-of-stock trends

11-JAN-2024

https://www.eurekalert.org/news-releases/1031066

Purdue大学の2023年消費者食品インサイト報告の12月の調査結果

各種調査は以下から

Dashboards make our food system more understandable by consumers and by the people working throughout the food system.

https://ag.purdue.edu/cfdas/data-resources/dashboards/

 

-青少年の非処方減量製品使用の世界的頻度 系統的レビューとメタ解析

Global Prevalence of Adolescent Use of Nonprescription Weight-Loss Products

A Systematic Review and Meta-Analysis

Natasha Yvonne Hall, et al., JAMA Netw Open. 2024;7(1):e2350940.  January 10, 2024

https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2813804

604552人の参加者を含む90研究のメタ解析から、青少年の減量製品利用は全体で6%

 

-アルカリ水を飲むと腎臓結石が予防できる?可能性は低い、研究が発見

Can drinking alkaline water help prevent kidney stones? Not likely, study finds

10-JAN-2024

https://www.eurekalert.org/news-releases/1030916

米国泌尿器科学会公式雑誌 The Journal of Urology®に発表された研究によると、「アルカリ水」として販売促進されているボトル入り水は再発する尿路結石の予防にはなりそうにない。

Alkaline Water: Help or Hype for Uric Acid and Cystine Urolithiasis?

https://www.auajournals.org/doi/10.1097/JU.0000000000003767

 

-都市農業を拡大する:研究チームがロードマップの概要を描く

Scaling up urban agriculture: Research team outlines roadmap

10-JAN-2024

https://www.eurekalert.org/news-releases/1030926

Nature Foodに発表されたイリノイ大学の研究者らによる研究

 

-全国研究が、慢性痛のための医療用大麻と心拍異常の関連を示唆

Nationwide study suggests link between medical cannabis for chronic pain and abnormal heart rhythm

10-JAN-2024

https://www.eurekalert.org/news-releases/1030496

European Heart Journalに発表されたデンマークの研究

 

その他

-SCIENCE VOLUME 383|ISSUE 6679|12 JAN 2024

エディトリアル

科学の不正を根絶する

Rooting out scientific misconduct

BY IVAN ORANSKYBARBARA REDMAN 11 JAN 2024: 1

アメリカでは、NIHが資金提供した研究については研究公正局 (ORI)が対処する。昨年10月にORIはその機能改革を提案した。しかし予算が足りずリソースと権限がない

 

-Natureエディトリアル

オンラインデマはどのように「情報空白」を悪用しているのか-そしてそれにどうすべきか

How online misinformation exploits ‘information voids’ — and what to do about it

09 January 2024

https://www.nature.com/articles/d41586-024-00030-x

2024年のスーパー選挙年に、オンライン検索エンジン提供者とそのユーザーは特にオンラインデマがどれだけもっともらしく見えるかに注意する必要がある

(ある情報を確かめようと検索しただけで、その情報に数多く晒されるために信頼できると感じてしまう現象があるため、「調べてみよう」キャンペーンでは足りない)

 

-研究ハイライト

たくさんのコメは高くつく:メタン排出急増

A bounty of rice comes at a price: soaring methane emissions

04 January 2024 Correction 09 January 2024

https://www.nature.com/articles/d41586-023-04020-3

サハラ以南のアフリカで田んぼを増やすことは大気中メタン濃度の増加を招く

サハラ以南のアフリカでは2008年から2018年の間にコメの生産が2倍になった。その結果2006年から2017年の間にアフリカ大陸のメタン排出は31%増加し、世界の増加の7%になる。アフリカコメ開発同盟は2019年から2030年の間に再びコメの生産倍増を目標としているため、メタン排出削減目標達成のためには他の部門で相当の削減が必要だろう。

 

-グミの賭けをする

Playing Gummy Roulette

By Josh Bloom — January 9, 2024

https://www.acsh.org/news/2024/01/09/playing-gummy-roulette-17566

ダイエタリーサプリメントのラベルが中身と一致しないことがまたみつかった。しかし今回は子どもたちにグミが流行っていることからキャンディと間違えてメラトニンを摂る可能性が高い。ハーバード大学のPieter Cohen博士による研究が25のオンライン製品のメラトニンを測定してラベルと比較した。その結果は恐るべきものだったが驚きではない。

ダイエタリーサプリメントの辛口批評家であるハーバード大学医学部准教授Dr. Pieter CohenがJAMAに発表した30ブランドのメラトニングミの小規模研究の結果は

・25製品のみが対象基準にあてはまった

・1製品はメラトニン不検出だがCBDがグミ一個あたり30mg含まれていた

・残りのメラトニン量は1.3から13.1mgと10倍の差があった

・ラベルに表示されている量との比較では74%から347%まで

・分析した25製品中、表示されている量が含まれていたのはたった3つ

・製品中5つはCBDが含まれると表示されていたが、その量は3倍差がある

品質保証はどうなっている?

笑い事ではない

メラトニンは無害ではない

Cohen博士の最近のサプリメントについての文献リスト:

 

-両親にオーガニックを買うよう求める新しい報告はアメリカ人の健康を損なう

New Report Urging Parents to Buy Organic Could Hurt Americans’ Health: Experts

Published 01/12/24 Rina Raphael

https://themessenger.com/health/urging-parents-to-buy-organic-could-hurt-americans-health

科学者がPediatricsのGMO食品を警告する報告を批判、それはアメリカ人の野菜果物摂取量を減らす可能性があることを強調

米国小児科学会の旗艦雑誌Pediatricsに、保護者にGMOベースの食品と慣行農薬について警告する報告が掲載された。そのペーパーは子どもの健康に未知の長期影響があるかもしれないと示唆する。そして解決法はGMOを完全に避けてGMOを含まないと認証されたラベルのあるオーガニック製品を買うことだという。

免疫学者で微生物学者で、「バイアスのない科学」ポッドキャストを行っているAndrea Love博士はショックを受けた。GMOベースの食品は安全だとFDAを含む無数の機関が主張している。GMOの専門知識がある毒性学者のAndrew Bartholomaeusは、このペーパーは何十年にもわたるGMOを巡るデータを無視し、農薬規制への無理解を示している。

学術文献は小児科学会の報告を支持しない。それは引用バイアス-チェリーピッキング-のあるもので取り下げるべきだ。小児科学会に意見を求めたが反応はない

(米国小児科学会もともと微妙だったが今回は悪い方に吹っ切れてる)

問題のレポート

フリーアクセス

Use of Genetically Modified Organism (GMO)-Containing Food Products in Children

Steven A. Abrams et al.,

Pediatrics (2024) 153 (1): e2023064774.

https://publications.aap.org/pediatrics/article/153/1/e2023064774/196193/Use-of-Genetically-Modified-Organism-GMO?autologincheck=redirected