2024-01-15

[EFSA]意見等

-遺伝子組換えAspergillus niger NPH株由来食品用酵素3-フィターゼの安全性評価

Safety evaluation of the food enzyme 3‐phytase from the genetically modified Aspergillus niger strain NPH

EFSA Journal 2024;22(1):8514 12 January 2024

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8514

(科学的意見)

この食品用酵素3-フィターゼ(ミオ‐イノシトール‐六リン酸 3‐ホスホヒドロラーゼ EC 3.1.3.8)は、DSM Food Specialties社が遺伝子組換えAspergillus niger NPH株で生産した。この遺伝子組換えは安全上の懸念を生じない。この食品用酵素にはこの生産菌の生きた細胞やそのDNAは含まれないと考えられた。3つの食品製造工程で使用することを意図している:(1)焼成製品及び(2)蒸留アルコールの生産用シリアルとその他穀物の加工、(3)植物ベースの乳・乳製品類似食品の生産用の植物及び真菌由来製品の加工。総有機固形物(TOS)の残留量は蒸留アルコールに引き継がれないため、食事暴露は残りの2つの食品製造工程にのみ算出された。欧州人で最大0.553 mg TOS/kg体重/日と推定された。遺伝毒性試験は安全上の懸念を示さなかった。全身毒性はラットの90日間反復経口投与毒性試験で評価された。パネルは、無毒性量を試験した最大用量である833 mg TOS/kg体重/日とし、この値は推定食事暴露量と比較すると、暴露マージンは少なくとも1506となる。既知のアレルゲンに対するこの食品用酵素のアミノ酸配列の類似性を調査したところ、一致はなかった。パネルは、食事暴露によるアレルギー反応のリスクは除外できないが(蒸留アルコール生産以外)、その可能性は低いと判断した。提出されたデータに基づき、パネルは、この食品用酵素は意図した使用条件下で安全上の懸念を生じないと結論した。

 

-非遺伝子組換えPapiliotrema terrestris AE‐BLC株由来食品用酵素β‐ガラクトシダーゼの安全性評価

Safety evaluation of the food enzyme β‐galactosidase from the non‐genetically modified Papiliotrema terrestris strain AE‐BLC

EFSA Journal 2024;22(1):8515 12 January 2024

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8515

(科学的意見)

この食品用酵素β‐ガラクトシダーゼ(β‐d‐ガラクトシド ガラクトヒドロラーゼ; EC 3.2.1.23)は、Amano Enzyme Inc社が非遺伝子組換えPapiliotrema terrestris AE‐BLC株で生産した。この食品用酵素にはこの生産菌の生きた細胞は含まれていないと考えられた。乳糖由来のガラクトオリゴ糖(GOS)の生産に使用することを意図している。この食品用酵素への食事暴露量―総有機固形物(TOS)は、欧州人で最大0.441 mg TOS/kg体重/日と推定された。遺伝毒性試験は安全上の懸念を示さなかった。全身毒性はラットの90日間反復経口投与毒性試験で評価された。パネルは無毒性量を試験した最大用量である1800 mg TOS/kg体重/日とし、この値は推定食事暴露量と比較すると、暴露マージンは少なくとも4082となる。既知のアレルゲンに対するこの食品用酵素のアミノ酸配列の類似性を調査したところ、一致はなかった。パネルは、この食品用酵素への食事暴露上のアレルギー反応のリスクは除外できないが、その可能性は低いと判断した。提出されたデータに基づき、パネルは、この食品用酵素は意図した使用条件下で安全上の懸念を生じないと結論した。

 

-遺伝子組換えBacillus subtilis BABSC株由来食品用酵素グルカン1,4‐α‐マルトヒドロラーゼの安全性評価

Safety evaluation of the food enzyme glucan 1,4‐α‐maltohydrolase from the genetically modified Bacillus subtilis strain BABSC

EFSA Journal 2024;22(1):8508  12 January 2024

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8508

(科学的意見)

この食品用酵素グルカン1,4‐α‐マルトヒドロラーゼ(4‐α‐d‐グルカン α‐マルトヒドロラーゼ, EC 3.2.1.133)は、Advanced Enzyme Technologies Ltd社が遺伝子組換えBacillus subtilis BABSC株で生産した。安全性適格推定(QPS)アプローチの要件を満たしていない。この食品用酵素にはこの生産菌の生きた細胞やそのDNAは含まれていない。焼成工程及びグルコースシロップやその他のデンプン加水分解物の生産用のデンプン加工に使用することを意図している。総有機固形物(TOS)の残留量は除去されるため、食事暴露はグルコースシロップやその他のデンプン加水分解物の生産用のデンプン工程には算出されなかった。焼成工程では、食事暴露量は欧州人で最大0.101 mg TOS/kg体重/日と推定された。申請者から毒性学的試験は提出されなかった。既知のアレルゲンに対するこの食品用酵素のアミノ酸配列の類似性が調査され、呼吸器系アレルゲンで1件の一致が見つかった。パネルは、食事暴露によるアレルギー反応のリスクは除外できないが、その可能性は低いと判断した。生産株を完全に特徴づける適切なデータがないため、パネルは意図した使用条件可で食品用酵素の安全性に関する結論を下すことができなかった。

 

-遺伝子組換えBacillus velezensis AR‐112株由来食品用酵素エンド-1,4-β-キシラナーゼの安全性評価

Safety evaluation of the food enzyme endo‐1,4‐β‐xylanase from the genetically modified Bacillus velezensis strain AR‐112

EFSA Journal 2024;22(1):8516  12 January 2024

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8516

(科学的意見)

この食品用酵素エンド-1,4-β-キシラナーゼ(4‐β‐d‐xylan xylanohydrolase, EC 3.2.1.8)は、AB Enzymes GmbH社が遺伝子組換えBacillus velezensis AR‐112株で生産した。この遺伝子組換えは安全上の懸念を生じない。この食品用酵素にこの生産菌の生きた細胞やそのDNAは含まれていない。焼成工程に使用することを意図している。この食品用酵素への食事暴露量―総有機固形物(TOS)は、欧州人で最大0.024 mg TOS/kg体重/日と推定された。この生産株B. velezensis AR‐112株は、安全性評価への安全性適格推定(QPS)アプローチの要件を満たしており、この生産工程から懸念となる問題は生じないため、毒性学的データは必要ない。既知のアレルゲンに対するこの食品用酵素のアミノ酸配列の類似性が調査され、一致はなかった。パネルは、意図した使用条件下で、食事暴露によるアレルギー反応のリスクは除外できないが、その可能性は低いと判断した。提出されたデータに基づき、パネルは、この食品用酵素は意図した使用条件下で安全上の懸念を生じないと結論した。

 

[BfR]乳の新たなデポジット義務:デポジット機器が適切に洗浄されていれば食品安全上の影響はないと予想される

New mandatory deposit for milk: no impact on food safety to be expected if deposit machines are cleaned properly

10.01.2024

https://www.bfr.bund.de/cm/349/new-mandatory-deposit-for-milk-no-impact-on-food-safety-to-be-expected-if-deposit-machines-are-cleaned-properly.pdf

2024年の初めから、使い捨てプラスチック製ボトルに、乳、乳製品、混合乳飲料を入れる場合にも、デポジット義務が適用されている。今後、これらのボトルは使用後にデポジット返却機器に戻さなければならない。すでに知られているレモネード、ビール、ジュースのデポジット飲料容器の場合と同様に、ボトルの残留飲料は、特に、乳脂肪やタンパク質による自動販売機の汚染につながることが想定される。

この不純物から起こりうる結果の包括的リスク評価は、今のところ必要なデータが不足しているため不可能である。例えば、デポジット機器が実際どの程度汚染され、どのように洗浄・消毒されるかはわかっていない。ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)も、細菌のバイオフィルムが形成されるかどうか、健康を害する可能性のあるカビが生えるかどうかについてはわかっていない。

だが、BfRの現在の評価によると、デポジット機器が適切に洗浄されれば、消費者の健康リスクの増加は予想されない。食品安全上の影響も考えにくい。これは主に、各種デポジット返却機器の様々な技術開発や食品生産や包装の進歩によるもので、それが細菌負荷の削減につながる。

 

[EU]RASFF 2024(0107-0113)

警報通知(Alert Notifications)

インド産ドイツ経由チップスのカプサイシン高含有、原料イタリア及びハンガリー産イタリア産全粒粉のテトラメトリン、原産国不明カンナビノイド(THCP)含有キャンディグミ、イタリア産オレンジのホスメット及びジメトエート、スペイン産花粉のピロリジジンアルカロイド、チェコ共和国産カモミールティーのピロリジジンアルカロイド、チェコ共和国産フルーツグミのヘキサヒドロカンナビノール (HHC)、ノルウェー産フードサプリメントのピロリジジンアルカロイド、

注意喚起情報(information for attention)

モロッコ産缶入りイワシのヒスタミン、中国産飼料用タマネギ水溶性濃縮液のダイオキシン、米国産ピーナッツカーネルのアフラトキシン、台湾産飲料用シロップの二酸化チタン、中国産グレープフルーツのクロルピリホス、トルコ産ピザボックスの鉛・フタル酸エステル類及び光開始剤、ブラジル産ライムのクロルピリホスエチル、ベネズエラ産調理済エビの亜硫酸塩、スペイン産柿のアセタミプリド・イマザリル及びピリメタニル、ベトナム産冷凍キハダマグロのヒスタミン、トルコ産ブドウのアセタミプリド、パキスタン産スパイスミックスのエチレンオキシド、スペイン産乾燥イチジクのオクラトキシンA、ポーランド産フードサプリメントの新規食品成分ニコチンアミドモノヌクレオチド、ケニア産オランダ経由スナップエンドウ豆のカプタン、

通関拒否通知(Border Rejections)

パキスタン産米のクロルピリホスエチル(複数あり)、ジョージア産ヘーゼルナッツのアフラトキシン、エジプト産殻付きピーナッツのアフラトキシン、インド産グアバなどの未承認物質プロパモカルブ及びチアメトキサム、ベトナム産唐辛子のカルボフラン・ファモキサドン・ヘキサコナゾール・トリシクラゾール及びクロルフェナピル、イラン産殻付きピスタチオのアフラトキシン(複数あり)、トルコ産殻付きピスタチオのアフラトキシン(複数あり)、韓国産紅茶のクロルピリホス、インド産ビスケットの未承認植物種、、ウガンダ産唐辛子の未承認物質シペルメトリン、台湾産茶のジノテフラン・トルフェンピラド・クロルピリホス及びペルメトリン、トルコ産生鮮オレンジのクロルピリホスメチル及びブプロフェジン、米国産トルコ経由ピスタチオカーネルのアフラトキシン、イラン・イスラム共和国産ピスタチオカーネルのアフラトキシン、インド産米のイミダクロプリド・チアメトキサム及びトリシクラゾール、トルコ産乾燥イチジクのアフラトキシン(複数あり)、ベトナム産ドラゴンフルーツのプロパモカルブ及びフォルクロルフェヌロン、

 

[ProMED]食中毒(第1報):ベトナム(ジャライ)ヒキガエルの肉、致死

Foodborne illness (01): Viet Nam (GL) toad meat, fatal

2024-01-14

https://promedmail.org/promed-post/?id=8714220

Date: Fri 12 Jan 2024 Source: 24H [in Vietnamese, machine trans., edited]

Chu Se地方医療センターによると、最近ヒキガエルの肉中毒で子ども一人が死亡、2人の子どもが入院して救急治療をうけている。

2024年1月11日の午前10時頃、Tao Roong 村の11才のSNと4才のSHと5才のSTがヒキガエルの肉を食べようと誘い合った。11:30頃、家族が子どもたちが横たわって失禁し動かないことを発見し病院に運んだ。病院でSNは心肺停止で瞳孔散大、蘇生はできなかった。SHとSTは眠気と嘔吐で入院しヒキガエル肉中毒と診断された。

保健省食品安全局によると、人々はヒキガエルの肉を高齢者の栄養食品、食が細く成長の遅い子ども治療用と考えていて、エビペーストや粉末、新鮮な肉を料理に使うなどで食べてきた。しかしヒキガエルは皮下腺や耳下腺、卵や肝臓などにブファジエノリドと呼ばれる一連の強心配糖体を含むため、加工時に肉に毒が残ることがあり危険な中毒をおこす。

(以下カエルの毒の説明等)

 

[ProMED]アブラギリの実中毒-台湾:(苗栗県)ヒト

Tung tree seed poisoning - Taiwan: (MI) human

2024-01-13

https://promedmail.org/promed-post/?id=8714177

Date: Tue 9 Jan 2024 Source: Focus Taiwan [edited]

2024年1月8日(月)午後、苗栗県の学校で5人の中学生がアブラギリの実を食べて腹痛、吐き気で入院。学校で見つけて一人が好奇心から食べてみて残り4人が続いたとのこと。

火曜日には3人は退院し残り二人も安定している

 

その他

-NHS減量キャンプを紹介されたヒトの90%以上が6ヶ月後痩せていない

Over 90% of people referred to NHS fat camps are no slimmer after six months

Sam Blanchard Published: 22:31, 13 Jan 2024

https://www.thesun.co.uk/health/25353294/scheme-fails-obese-people-nhs-fat-camps/

保健省はセッションを始めたヒトのうち43%が12週間後に減量していると主張する。

2021年4月から2022年12月までの間に、総合診療医から無料の12週間減量計画を紹介された134445人のうち、1/3は一度も行かなかった。そして減量して26週間維持できたのは87320人の参加者のうち6590人であった。減量に参加したが6ヶ月前に止めたヒトは2万人ほどで、彼らの状態はわからない。この計画には3050万ポンドかかっている

提供されているのはクラス2の体重管理で、基本的助言以上だが手術や注射はしない。

 

-Scientific American

健康でいるためにどのくらいビタミンDが必要?

How Much Vitamin D Do You Need to Stay Healthy?

JANUARY 1, 2024 BY CHRISTIE ASCHWANDEN

https://www.scientificamerican.com/article/how-much-vitamin-d-do-you-need-to-stay-healthy/

ほとんどの人のビタミンDレベルは十分。ビタミンDががんから鬱までの病気に効果があるという誇大宣伝された主張は、最近の研究による裏付けがない

(観察研究でビタミンD状態の悪い人の健康状態が悪いということから宣伝が始まり、RCTで否定される。何度も繰り返される話。だからといってほんとうに不足している場合もあるので全否定はしない。)

 

-欧州議会にグリーンバックラッシュが拡大するだろう

Green backlash will spread to European Parliament

By Lisa Jucca January 4, 2024

https://www.reuters.com/breakingviews/green-backlash-will-spread-european-parliament-2024-01-03/

2024年はEUのグリーンバックラッシュが議会に拡大するだろう。大陸全体での国家主義政党の選挙での勝利が、次の6月の欧州議会の選挙での環境保護推進勢力を削ぐリスクがある。欧州の野心的グリーンディールは薄まる可能性がある

 

-ホメオパシーは科学的に信じがたい

Homeopathy is scientifically implausible

Joe Schwarcz PhD | 12 Jan 2024

https://www.mcgill.ca/oss/article/medical-pseudoscience/homeopathy-scientifically-implausible

チャールズ国王が王室医療部門の長にホメオパシー推進医を任命した。ホメオパシーは化学、物理、生物学の基本原理に反する。

英国の報道がチャールズ国王がMichael Dixon医師を王室医療部門の長に任命したことで賑わっている。ほとんどの記事はDixon医師が鍼やハーブレメディやホメオパシー等の各種代替医療を推進してきたために極めて批判的である。

(以下解説略)

 

動画

ホメオパスの疑似科学的インチキ

The pseudoscientific quackery of homeopaths | The Right Chemistry

https://www.youtube.com/watch?v=uzEs78WV7_A

(希釈すればするほど効果が強力になるという理論、ホメオパシーX線、をとりあげている)

 

-赤ちゃんの病気の多くは歯が生えるせいではない

Don’t Blame Teething for Most Infant Illnesses

Ada McVean M.Sc. | 12 Jan 2024

https://www.mcgill.ca/oss/article/medical-did-you-know/dont-blame-teething-most-infant-illnesses

発熱からコリック(黄昏泣き)まで、歴史的に赤ちゃんの一連のトラブルは乳歯が生えようとするせいだとされてきた。しかし根拠はそれを支持しない。

(この説、日本には入ってこなかったみたい)

 

-ナノプラスチックで大パニック?

Macropanic Over Nanoplastics?

Joe Schwarcz PhD | 11 Jan 2024

https://www.mcgill.ca/oss/article/critical-thinking-health-and-nutrition/macropanic-over-nanoplastics

何人かの科学者が「開拓的」とよぶ研究で、ボトル入り水1Lに数万ものナノプラスチックを検出した。どのくらい騒ぐべき?

我々の食品や水から、フタル酸やPFASや農薬やダイオキシンやビスフェノールAやその他の「毒」が検出されたという報告がない日はない。ますます少量の汚染物質を検出する技術を向上させる分析化学者によって、最近ではpptより少ない量の物質でも検出できる。Pptとはどのくらいだと思う?オリンピックサイズの水泳プールに砂粒一つ、あるいは地球から月までの距離のうちのクレジットカード1枚分の幅である。しかし単に物質が存在するだけでリスクがあるわけではないことを忘れずに。リスクを決めるのは全く別のことで、困難なことである

極めて有名なPNASに発表されたボトル入りの水にナノプラスチックが検出されたという研究がメディアに大きく報道されている。水1Lに20万個の粒子という見出しがつけられている。しかしパニックになる前にこの研究の詳細とナノ粒子とは何かを見てみよう。ただ実際のところ光学顕微鏡でもこの粒子を見ることはできない。それを検出するには原子間力顕微鏡のような極めて洗練された方法が必要で、今回の場合は「ハイパースペクトル刺激ラマン散乱顕微鏡」である。この技術は私の理解の範囲外であるが1-100nmの粒子を検出できるという。

次にこの知見の意味を考えてみよう。ナノプラスチックを検出できるようになったのは比較的最近のことだが、我々は1980年代から天然の水にマイクロプラスチックが存在することは知っていた。由来は様々で、捨てられたプラスチックが分解した、洗濯したときの繊維、車が走った時にタイヤのゴムから、など。問題はそれがどう我々に影響するかだ。

ボトル入り水のナノプラスチック粒子の由来は複雑で、一部はボトルやキャップから、一部は水処理由来で水道水にも含まれるだろう。日常生活で使う全てのプラスチックからナノプラスチックが出る可能性があり避けられない。プラスチックのメリットはリスクを上回るがゼロではない。現時点ではボトル入り水のナノプラスチックのリスクについては正確にはわからないが我々が日々直面するリスクに比べたら、あったとしても僅かだろうと思う。でもこのニュースの見出しのせいでみんながボトル入り水を避けるのならそれはいいことだ-水道水の方が環境に良いので。

 

-THE LANCET

Peter Hotez:反科学と戦う医師で科学者で戦士

Peter Hotez: physician-scientist-warrior combating anti-science

Udani Samarasekera

PERSPECTIVES|PROFILE| VOLUME 403, ISSUE 10422, P134, JANUARY 13, 2024

Peter J Hotezの娘Rachelが自閉症と知能障害と診断されたとき、ワクチンと自閉症のデマが出回っていた。Hotezは小児ワクチンの専門家で、親として、2018年に「Rachelの自閉症はワクチンが原因ではない」という本を書かざるを得なかった。その結果反ワクチン団体からナンバー1の敵とみなされ、反ワクチン運動についての最前線の立場になった。その後米国ヒューストンBaylor医科大学の小児科・分子ウイルス学・微生物学部の教授で国立熱帯医学部長のHotezは科学についての虚偽の情報への対策を続け、2023年には「7反科学の恐るべき興隆The Deadly Rise of Anti-Science」という本を書いた。この本のために彼は過激派の標的になったが、反ワクチン運動に対抗することは必須だと考えている。