2022-12-14

[EU]査察報告

トルコ―汚染物質-ピスタチオと乾燥イチジクのアフラトキシン汚染、乾燥イチジクのオクラトキシン

Türkiye 2022-7390―Contaminants - Aflatoxin contamination in pistachios and dried figs and ochratoxin in dried figs

11-11-2022

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit-report/details/4545

2022年5月20日~6月6日にトルコで実施した、EU輸出用乾燥イチジクとピスタチオのアフラトキシン及びオクラトキシンAを管理するためのシステムを評価するための査察。現在、上述の製品に設定されたオクラトキシンAのEU基準値はない。概して、トルコにはEU輸出用乾燥イチジクとピスタチオのアフラトキシン汚染を管理するのに必要な法的・組織的枠組みがあり、管轄機関、生産・販売部門の関係者、分析する承認された研究所はよく務めを果たしている。だが、実際の対策の確認・監視、進捗の把握、加工業者のHACCP計画の効果の報告は不十分である。輸出前製品の返品率は乾燥イチジクとピスタチオ共に年々増加する傾向にあり、トルコの現在の管理システム能力に問題を投げかけている。必要な輸出用サンプリングと検査はよく行われているが、概して、このシステムは食品及び飼料の緊急警告システムの通知件数を十分に低減できていない。

 

[EFSA]意見等

-EFSAの化学物質ハザードの維持・更新・更なる開発:OpenFoodTox 2.0

Maintenance, update and further development of EFSA's Chemical Hazards: OpenFoodTox 2.0

EFSA Journal 2022;19(12):EN-7635 9 December 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-7635

(外部科学報告書)

この報告書では、OpenFoodTox データベース(“OpenFodTox 2.0”) (OFT 2.0)を維持・更新・更に開発するための枠組み契約(OC/EFSA/SCER/2018/01)で3年目に始めた活動の概要を示している。

 

-生後16週未満の乳児用食品中の食品添加物としてのカルボキシメチルセルロースナトリウム(E 466)の再評価についての意見、及び全ての人口集団用食品に使用される食品添加物としてのその再評価のフォローアップ

Opinion on the re‐evaluation of sodium carboxy methyl cellulose (E 466) as a food additive in foods for infants below 16 weeks of age and follow‐up of its re‐evaluation as food additive for uses in foods for all population groups

EFSA Journal 2022;20(12):7665 9 December 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7665

(科学的意見)

カルボキシメチルセルロースナトリウム(E 466)は、以前の食品添加物及び食品に添加される栄養源に関するEFSAのパネル(ANS)により、2018年に再評価された。この評価のフォローアップとして、食品添加物及び香料に関するパネル(FAF)は、規則(EC) No 1333/2008に従って、食品分類(FC) 13.1.5.1 (特別医療目的用乳児用食品と乳児用特別ミルク)に属する16週未満の乳児用食品の食品添加物として使用されるE 466の安全性を評価するよう求められた。さらに、FAFパネルは、FC 13.1.5.1 及び 13.1.5.2 (指令 1999/21/ECで定義された特別医療目的の乳幼児用食品)の安全性評価を含む、一般人用食品に使用される場合の、この食品添加物の再評価で既に特定されている問題に対処するよう求められた。この工程にはデータ募集が含まれていた。受け取ったデータに基づき、パネルは、関連事業者が提出した技術データは、委員会規則に定められたカルボキシメチルセルロースナトリウム(E 466)の仕様修正を支持すると結論した。この関連事業者はE 466を生後16週未満の乳児用食品やFC 13.1.5.1で使用しないと言明した。データ不足により、このFCや年齢集団での評価は実施されていない。関連事業者はFC 13.1.5.2.におけるE 466の使用を支持するための生物学的・毒性学的データを提出しなかった。データ要請前の状況と比較してデータベースがほとんど変わらないことから、FAFパネルは、入手可能なデータからはFC 13.1.5.2に属する食品を摂取する乳幼児にカルボキシメチルセルロースナトリウム(E 466)の使用の安全性を適切に評価できないという以前のEFSA のANSパネルの結論を確認した。

 

-非遺伝子組換えTrichoderma reesei AR-256株由来の、セルラーゼ、エンド-1,3(4)-β-グルカナーゼ、エンド-1,4-β-キシラナーゼ活性を含む食品酵素の安全性評価

Safety evaluation of the food enzyme containing cellulase, endo-1,3(4)-β-glucanase and endo-1,4-β-xylanase activities from the non-genetically modified Trichoderma reesei strain AR-256

EFSA Journal 2022;20(12):7676  09 December 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7676

(科学的意見)

セルラーゼ(EC 3.2.1.4)、エンド-1,3(4)-β-グルカナーゼ(EC 3.2.1.6)、エンド-1,4-β-キシラナーゼ(EC 3.2.1.8)を含む食品用酵素は、AB-Enzymes GmbH社が非遺伝子組換えTrichoderma reesei AR-256株で生産した。この食品用酵素にはこの生産生物の生きた細胞はないと考えられる。7つの製造工程での使用を意図している:焼成工程、シリアルベースの工程、醸造工程、ジュース生産用の果物・野菜工程、ワインとワインビネガー生産、蒸留アルコール生産、デンプンとグルテン画分生産用の穀物処理。総有機固形物(TOS)の残留量は穀物処理と蒸留アルコール生産中に除去されるため、食事暴露は残りの5工程のために推定され、最大3.92 mg TOS/kg体重/日となった。両株どうしの遺伝的差異がよく特性評価され懸念されないため、毒性試験は、パネルが適切な代替品と判断したT. reesei ■■■■■由来エンド-1,4-β-キシラナーゼで実施された。さらに、この生産株に由来するいくつかの派生株はEFSAによって安全と判断されており、両食品用酵素の製造は類似している。遺伝毒性試験で安全上の懸念は示されなかった。全身毒性はラットの90日間反復経口投与毒性試験で評価された。調べた最大用量である無毒性量939 mg TOS/kg 体重/日を推定食事暴露と比較して、暴露マージンは239以上となった。既知のアレルゲンに対するアミノ酸配列の類似性の調査で、1件の一致(サケ)が見つかった。パネルは、意図した使用条件下(蒸留アルコール生産を除く)で、特にサケに感作する人には、食事暴露によるアレルギー反応リスクは除外できないと判断した。パネルは、この食品用酵素は意図した使用条件下で安全上の懸念を生じないと結論した。

 

-遺伝子組換えTrichoderma reesei RF6199株由来食品酵素ペクチンリアーゼの安全性評価

Safety evaluation of the food enzyme pectin lyase from the genetically modified Trichoderma reesei strain RF6199

EFSA Journal 2022;20(12):7675 8 December 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7675

(科学的意見)

この食品用酵素ペクチンリアーゼ((1‐4)‐6‐O‐methyl‐α‐D‐galacturonan lyase; EC 4.2.2.10)はAB Enzymes GmbH社が遺伝子組換えTrichoderma reesei RF6199株で生産した。この遺伝子組換えは安全上の懸念を生じない。この食品用酵素にはこの生産生物の生きた細胞やそのDNAはないと考えられる。これは6つの製造工程での使用を意図している:ジュース生産用の果物・野菜の加工、フルーツブランデー用果物・野菜の加工、ジュース以外の製品の果物・野菜の加工、ワインとワインビネガーの生産、精製及び非精製砂糖の生産、コーヒー豆の粘液質の除去。フルーツブランデー用の果物加工やコーヒー豆の粘液質の除去から得た食品、及び精製した砂糖類は推定食事暴露量から除外された。残りの4工程のこの食品用酵素への食事暴露―総有機固形物(TOS)は、欧州人で最大0.2 mg TOS/kg 体重(bw) /日と推定された。遺伝毒性試験は安全上の懸念を示さなかった。全身毒性はラットの90日間反復経口投与毒性試験で評価された。パネルは、無毒性量を調べた最大用量1,000 mg TOS/kg bw /日とし、推定した食事暴露と比較して、暴露マージンは少なくとも5,000になった。既知のアレルゲンに対するこの食品酵素のアミノ酸配列の類似性が調査され、一致はなかった。パネルは、意図した使用条件下で食事暴露によるアレルギー反応リスクは除外できないが、そのような反応が起こる可能性は低いと判断した。提出されたデータに基づき、パネルは、この食品用酵素は意図した使用条件下で安全上の懸念を生じないと結論した。

 

-使用後のPETを食品接触物質にリサイクルするために使用されるStarlinger iV+ テクノロジーに基づくrPET Aviv Shalamプロセスの安全性評価

Safety assessment of the process rPET Aviv Shalam, based on the Starlinger iV+ technology, used to recycle post-consumer PET into food contact materials

EFSA Journal 2022;20(12):7670 08 December 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7670

(科学的意見)

このプロセスから得られるリサイクルPETを室温で長期保存される飲料水を含む全ての種類の食品接触物質の製造に100%使用しても、安全上の懸念とはならない。このリサイクルPETで作られた最終製品は電子レンジとオーブンで使用することを意図しておらず、そのような使用はこの評価の対象外である。

 

-使用後のPETを食品接触物質にリサイクルするために使用されるStarlinger iV+ テクノロジーに基づくAlef Recyclingプロセスの安全性評価

Safety assessment of the process Alef Recycling, based on the Starlinger iV+ technology, used to recycle post-consumer PET into food contact materials

EFSA Journal 2022;20(12):7672 8 December 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7672

(科学的意見)

このプロセスから得られるリサイクルPETを室温で長期保存される飲料水を含む全ての種類の食品接触物質の製造に100%使用しても、安全上の懸念とはならない。このリサイクルPETで作られた最終製品は電子レンジとオーブンで使用することを意図しておらず、そのような使用はこの評価の対象外である。

 

[FSA] 硝酸塩調査:要約

Nitrate surveillance: Summary

6 December 2022

https://www.food.gov.uk/research/nitrate-surveillance-summary

欧州委員会の加盟国は特定食品中の硝酸塩の濃度をモニターし、報告することが求められており,英国もこの情報を必要とする。レタス、ほうれん草、ルッコラに含まれる硝酸塩のモニタリング実施要件は英国硝酸塩サーベイランスプログラムに対応する。結果は2021年4月1日から2022年3月31日の間の期間である。

サンプリング期間内に、レタス130個、ルッコラ9個、ホウレンソウ26個の合計202個のサンプルを収集した。「その他の緑葉野菜」に分類された追加の37個のサンプルは、マスタード、水菜、セロリ、青菜及びキャベツなどのサンプルで構成されていた。平均硝酸塩最低濃度は、夏生育のアイスバーグレタス(結球レタス)(935.2 mg/kg)で、硝酸塩濃度最大値を超えるアイスバーグレタスのサンプルはなかった。平均硝酸塩最高濃度は、レタス群の中の保護栽培された冬生育の結球しないレタス(3242.2 mg/kg)及び冬生育のルッコラ全体(4271.2 mg/kg)で見られた。

最大閾値を超えるサンプルの数は、今年は7サンプルに増加した。夏に収集した露地栽培の結球しないレタスの2つのサンプル、夏の施設栽培の結球しないレタスの1つのサンプル及びホウレンソウの3つのサンプルである。さらに4つのサンプルは、最大閾値の10%以内であった。

このプロジェクトの前年と一致して、硝酸塩濃度とサンプリング日の間に強い相関関係が見つかった。シーズンの後半に収集したサンプルはより高い濃度を示し、硝酸塩の蓄積と気候、特に日光量と利用可能な土壌水分及び連続した植え付けによるその後の施肥による土壌中の硝酸塩の蓄積について潜在的な相互作用を示している。さらに、硝酸塩の蓄積、製品の種類及び栽培の種類の間には有意な相互作用があり、英国で栽培している葉物野菜の硝酸塩の蓄積に関連する危険因子をより適切に特定するためにさらに調査することができた。

 

[COT]COT/COM/COC年次報告書2021

COT/COM/COC Annual Report 2021

28 November 2022

https://cot.food.gov.uk/About%20the%20Committees

https://cot.food.gov.uk/sites/default/files/2022-11/FINAL%20COT-COC-COM%20Annual%20Report%202021%20SW_0.pdf

COTの報告

(略)

 

COM

現在進行中の作業

・COMガイダンスシリーズ更新

・ガイダンス声明-胚細胞突然変異

・ガイダンス声明-3Dモデル

・ナノ物質の遺伝毒性試験戦略ガイダンス

・不純物の検査に関するガイダンス声明-更新

・QSARモデルの使用に関するCOMガイダンス声明

・トキシコゲノミクスとリスク評価:トランスクリプトミクスと次世代シークエンシングの遺伝毒性と発がん性評価への応用

・ワシントン州立大学Michael K Skinner教授によるプレゼン-環境毒性物質誘発性疾患のエピジェネティックな世代を超えた遺伝-COCとCOTメンバーにも公開

(エピジェネティック変化が世代を超えるには生殖細胞が重要で、それを調べるにはin vitro試験は適切ではなく現時点では動物実験しかない。食事に関して世代を超える影響を与えるにはカロリー制限や高脂肪食のような極めてシビアな条件が必要で、食事が少し変わっただけでは影響がない。暴露の時期が重要、など)

・米国NIEHS NTP部門 Scott Auerbach博士による毒性学におけるトキシコゲノミクスについてのプレゼン

・OECDのMini-Ames開発についてのプレゼン

COM評価

・EFSAの二酸化チタンに関する意見のレビュー

・ヒドロキシアントラセン誘導体

ホライゾンスキャン

OECD

 

COC

COC評価

・EUのヒトバイオモニタリングとHBM4EUプロジェクトのヒトバイオモニタリングガイダンス値開発

・がんリスクの修飾

COCはこれまで数年伝統的発がん物質リスク評価から脱皮し、がん発生の全ての段階への化学物質の修飾作用をも考慮した、より全体的アプローチにしたいという願望を表明してきた。これは齧歯類の2年間バイオアッセイがヒトでの妥当な発がん性の予測にとって信頼できるのか当てはめられるのかに関する懸念が増していることによって強化されてきた。さらにハザード同定とキャラクタリゼーション(G03)及び2年間バイオアッセイの代替法 (G07)をカバーする二つのガイダンス文書を、根拠の重み付けアプローチを用いたがんリスクの修飾についての一つの文書にすることが検討されてきた。

COCはこの件について2021年に小委員会と本委員会でさらに検討した。現時点ではがんの発生に関する全ての側面とその化学物質による修飾の可能性についての情報はリスク評価に使うことを促すには不十分であると合意された。従って現時点で特別なCOCガイダンスは開発できないが、G03とG07の二つのガイダンス声明は更新すべきである。これらの考察を二人の委員がToxicology Researchに発表している。(Harrison & Doe (2021) The modification of cancer risk by chemicals. Toxicology Research, 10(4), 800-809).これはCOCで議論された多くの側面をカバーし、別のCOC文書としては発表されないことに合意されたものである。

(発がん物質とそうでない物質に二分して、発がん物質を排除・制限すればがんは減るという考えはもう役に立たないといったようなこと)

・第三者エビデンスについてのFSA科学評議会基本原則とガイダンス案

・食品と医薬品以外の消費者製品の化学物質安全性についての製品安全基準局科学助言グループの付託条項

・Steve Dean博士による患者由来細胞モデルを使ったin vitro高含量スクリーニングのプレゼン

合同進行中トピックス

・エビデンスの妥当性と信頼性

ホライゾンスキャン

 

[ASA]ASA裁定

-ASA Ruling on Shop TJC Ltd

14 December 2022

https://www.asa.org.uk/rulings/shop-tjc-ltd-a22-1158716-shop-tjc-ltd.html

テレショッピングのサプリメント類宣伝が病気の予防や治療効果を謳うなど違反

 

-ASA Ruling on DrunkH Ltd

14 December 2022

https://www.asa.org.uk/rulings/drunkh-ltd-a22-1174357-drunkh-ltd.html

飲酒カードゲームの広告が無責任で反社会的

 

論文

-持続可能な食生活は地球のためであることを全ての人が知っているわけではない

Not everyone aware sustainable diets are about helping the planet

13-DEC-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/974274

Appetiteに発表された英国での調査。若い英国人はより持続可能な食生活に変えたいが実際にそれは何を意味するのかを理解していないために多くの人がそうしていない。

食生活の変更に関しては簡単で僅かな変更には関心がある-例えば肉は完全に止めるのではなく食べる量を減らす、お金は少しなら多く払うがたくさんは払わない。

 

-1日の歩数の多い女性は糖尿病リスクが低いかもしれない

Women who take more steps per day may have a lower risk of diabetes

13-DEC-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/974295

Fitbitのデータを使った研究

Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism

 

-シンシナティ大学の研究:食事についての教育がより健康的生活につながる

University of Cincinnati study: Dietary education leads to healthier lives

13-DEC-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/974318

Nature Medicineに発表された研究者と小売業界の協力モデル

スーパーマーケットとWebによる栄養介入Supermarket and Web-Based Intervention Targeting Nutrition (SuperWIN)研究では、店舗での栄養士による個別教育とオンラインショッピングや宅配の際の教育でDASH食順守が向上した

 

-アルコールはマサチューセッツの20人中1人の死因

Alcohol causes 1 in 20 deaths in Massachusetts

13-DEC-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/974340

この負担はパンデミック中に増加した可能性が高い

ボストン大学公衆衛生大学院の新しい報告書

 

その他

-保存料を讃える

In Praise Of Preservatives

ACSH

By Susan Goldhaber MPH — December 13, 2022

https://www.acsh.org/news/2022/12/13/praise-preservatives-16717

ベビーシャンプーのホルムアルデヒドと最近の特別な洗濯洗剤のリコールに関係がある?消費者製品に保存料が必要であることを理解しなかったこと。

かつてJohnson and Johnsonがベビーシャンプーの保存料であるQuaternium-15を、分解してホルムアルデヒドが生じるため排除した。シャンプーに極微量のホルムアルデヒドが含まれることによる健康リスクはほぼないが、EWGなどの分別のない攻撃に耐えるよりQuaternium-15を使わないことの方がJohnson and Johnsonにとっては簡単だった。

昨年私はマスク洗浄用に専用洗剤をオンラインで買って暫く使っていたがすっかり忘れていた。先週CPSCがリコールを発表してその洗剤が対象だった。私は意図したわけではないが保存料を使っていない洗剤を買っていたようだ。製品ボトルの裏側には「石油、リン酸、フタル酸、合成色素を含まないナチュラル製品」と宣伝されていた。

ホルムアルデヒドは天然物で、ほぼ全ての環境に存在し人間も代謝の一環として1日に約1.5オンス(42gくらい)のホルムアルデヒドを作っている。魚に6800ppb、リンゴに6300ppb、コーヒーに3400ppbが含まれる。低濃度では有害影響はないが空気中40ppb以上だと呼吸器系症状が出る可能性があり100ppbを超えると悪化し、ある種の希ながんと関連する。ホルムアルデヒド暴露は多くの場合家庭内でおこる。ハリケーンカトリーナの時、FEMAがトレーラーハウスを14500以上購入しその後呼吸困難などの症状が報告され話題になった。政府はこの問題を調査しホルムアルデヒドが原因であることを突き止め平均77ppbの濃度だった。Johnson and Johnsonのベビーシャンプーに含まれる可能性のあるホルムアルデヒド由来のバスルームでの濃度は0.2 mg/m3と計算され、それはヒトの呼気に通常含まれる量(0.4 mg/m3)より少ない。

なぜ保存料は賞賛すべきなのか

消費者製品が製造され購入され使われる間に微生物が増殖するチャンスが増える。保存料はその増殖を抑制する。2012年にマサチューセッツ州Framinghamでおこった事例を振り返るだけでいい。New England調剤センターが硬膜外ステロイド注射用に保存料フリーのメチルプレドニゾロンをつくり、3ロットが真菌に汚染されていて100人以上が死亡し798人が真菌性髄膜炎になった。多くの保存料は安全に使われてきているが、メディアでは安全でなくヒト健康に危険なものと報道されている。

2020年にカリフォルニア州は米国で初めて、化粧品やパーソナルケア用品に保存料のホルムアルデヒドやQuaternium-15、パラベン類など24成分を禁止した。このことは安全で有効な保存料の選択肢を減らし効果の少ないデータのない代用品を使うことにつながるため公衆衛生にとって現実的な危険となる。

消費者団体とメディアが極微量の化合物と高濃度長期暴露の影響の違いを区別しないで人々に恐怖を作り出すと間違った政策が続く。保存料は製品の必須の成分であることを認識すべきである。

 

関連

CPSC

Laundressは細菌暴露リスクのため洗濯洗剤と家庭用クリーニング製品をリコール

The Laundress Recalls Laundry Detergent and Household Cleaning Products Due to Risk of Exposure to Bacteria

December 01, 2022

https://www.cpsc.gov/Recalls/2023/The-Laundress-Recalls-Laundry-Detergent-and-Household-Cleaning-Products-Due-to-Risk-of-Exposure-to-Bacteria

リコール対象製品にはBurkholderia cepacia complex, Klebsiella aerogenes 及び複数の異なるPseudomonasなど、土壌や水、ヒトに見つかる環境微生物が含まれる

 

なお別の洗剤も微生物汚染でリコールされている

AlEn USA Recalls Art of Green® Laundry Detergent Products Due to Risk of Exposure to Bacteria

December 12, 2022

https://www.cpsc.gov/Recalls/2023/AlEn-USA-Recalls-Art-of-Green-Laundry-Detergent-Products-Due-to-Risk-of-Exposure-to-Bacteria

環境中にいる微生物Pseudomonas aeruginosa

この製品もNon-Toxic 、ナチュラルエッセンシャルオイルで作った、色素やパラベンフリー、動物実験はしていない、を宣伝

 

Laundressは細菌汚染のため800万個の洗浄製品をリコール

The Laundress Recalls 8 Million Cleaning Products Due to Bacterial Contamination

By Angela Lashbrook December 1, 2022

https://www.consumerreports.org/home-garden/home-product-recalls/laundress-cleaning-product-recall-bacterial-contamination-a5417029808/

これらの細菌は免疫機能不全のヒトに有害な可能性がある

CPSCはPseudomonas感染を報告した消費者11人としていて全米の顧客を代表して北カリフォルニアで集団訴訟がおこされている。訴訟によるとこの製品は「non-toxic」で他の洗剤より良いと宣伝していたのに実際には極めて有害な表示されていない成分(細菌)が含まれていて虚偽で誤解を招く詐欺的な提示である。

(Unileverの高級ブランドらしい。洗剤を'non-toxic'と宣伝するのは随分と大胆な。界面活性剤って細胞毒性高い)

 

-コンシューマーラボ 製品レビュー

ダークチョコレート、ココア&カカオパウダー、ニブ、サプリメントレビュー-フラバノール源

Dark Chocolates, Cocoa & Cacao Powders, Nibs, and Supplements Review -- Sources of Flavanols

12/12/2022

https://www.consumerlab.com/reviews/cocoa-powders-and-chocolates-sources-of-flavanols/cocoa-flavanols/

あなたのチョコレートやココアは健康的なのか有害なのか?

チョコレートやココアはフラバノールを含み、血流や血圧、コレステロールなどに弱い利益がある可能性と関連している。必要な量は研究によって異なる。いくつかの製品には高濃度のカドミウムが含まれるため失格となった。またココアフラバノールの量はココアパウダーやココアミックスで1mgから374mgまで、ダークチョコレートで2mgから351mgまで、サプリメントでは2mgから993mgまでばらばらであった。

ココアやダークチョコレート製品は一般的には安全であるが、汚染物質の他にカロリーが多いため摂取は制限するのがベストだろう。ココア製品にはカフェインやテオブロミンも含まれ、医薬品との相互作用や副作用の原因となる可能性がある。またニッケル感受性の高いヒトではアレルギー性接触皮膚炎や偏頭痛の引き金となる可能性もある。