2023-12-08

[EFSA]意見等

-非遺伝子組換えBacillus amyloliquefaciens GNP株由来食品用酵素バシロリシンの安全性評価

Safety evaluation of the food enzyme bacillolysin from the non‐genetically modified Bacillus amyloliquefaciens strain GNP

EFSA Journal 2023;21(11):8391 30 November 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8391

(科学的意見)

この食品用酵素バシロリシン(EC 3.4.24.28)は、DSM Food Specialties B.V.社が非遺伝子組換えBacillus amyloliquefaciens GNP株で生産した。この生産株は、安全性評価への安全性適格推定(QPS)アプローチの要件をみたしている。この食品用酵素は、9つの食品製造工程で使用することを意図している:焼成製品、焼成以外のシリアルベース製品、醸造製品及び蒸留アルコールの生産用シリアルとその他の穀物の加工、香料調製品及び改変乳タンパク質の生産のための乳製品の加工;タンパク質加水分解物の生産のための肉・魚製品の加工;タンパク質加水分解物及び植物ベースの乳及び乳製品類似食品の生産用の植物及び真菌由来製品の加工。この食品用酵素の総有機固形物(TOS)は蒸留アルコールに持ち込まれないため、食事暴露は残りの8つの食品工程にのみ推定された。暴露は欧州人で最大17.934 mg TOS/kg体重/日と推定された。この生産株は安全性評価へのQPSアプローチの要件をみたしており、この生産工程から懸念となる問題は生じなかったため、アレルギー誘発性評価以外の毒性学的試験は必要なかった。既知のアレルゲンに対するこの食品用酵素のアミノ酸配列の類似性が調査され、一致はなかった。パネルは、食事暴露によるアレルギー反応のリスクは除外できない(蒸留アルコール生産以外)が、その可能性は低いと判断した。提出されたデータに基づき、パネルは、この食品用酵素は意図した使用条件下で安全上の懸念を生じないと結論した。

 

[EFSA]EU-FORA SERIES 6

-序文

Foreword

EFSA Journal 2023;21():e211001 30 November 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/e211001

第6回EFSAのフェローシッププログラムの報告集を紹介する。EU-FORAは、ますます高まりつつある資格と教育を受けた食品リスク評価者のニーズに対処するために、EFSAと加盟国が共有する野心の一環として2016年に着想され、将来のリスク分析のニーズへの準備を確保するための重要な取り組みである。

-導入

Introduction

EFSA Journal 2023;21():e211002 30 November 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/e211002

我々は、このプログラムが、ネットワークを拡大し、知見や優良事例の意見交換を促進し、統一したEUリスク評価向上の実現に貢献し続けることを願っている。

 

-遺伝データで統一することによる定量的微生物学的リスク評価(QMRA)方法論の改善

Improvement of quantitative microbiological risk assessment (QMRA) methodology through integration with gaenetic data

EFSA Journal 2023;21():e211003 30 November 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/e211003

 

-ポルトガル人の健康リスクの評価:ポルトガル市場で販売されているタイセイヨウマサバ(Scomber colias)のアニサキス症

Assessing Portuguese health risks: Anisakiks parasite in Atlantic chub mackerel (Scomber colias) sold in Portuguese markets

EFSA Journal 2023;21():e211004 30 November 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/e211004

 

-次世代環境リスク評価のためのツールとしてのトキシコメタボロミクス

Toxicometabolomics as a tool for next generation environmental risk assessment

EFSA Journal 2023;21():e211005 30 November 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/e211005

メタボロミクスは、影響を受ける生化学的なプロセスに詳細で包括的な分子的洞察をもたらすことができる。メタボロミクスを環境毒性学と組み合わせることで、環境汚染物質の毒性の根底にあるメカニズム及び/又は作用機序を理解し、有害作用経路の情報を提供し、効果及び/又は暴露を定量化するためのバイオマーカーの同定を促進することができる。この技術的報告書では、デンマークのAarhus大学環境科学科の「環境化学及び毒性学」部で実施された活動や作業を説明している。

 

-ルーマニアとスペインのフードサプライチェーンの比較と、すぐに喫食可能な食品の定量的微生物リスク評価を開発するためのツールの研修

Training in tools to develop quantitative microbial risk assessment of ready-to-eat food with a comparison between the Romanian and Spanish food supply chains

EFSA Journal 2023;21():e211006 30 November 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/e211006

 

-農薬(植物保護製品と有効成分)評価の研修

Training in the evaluation of pesticides (plant protection products and active substances) according to Regulation (EC) No 1107/2009

EFSA Journal 2023;21():e211007 30 November 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/e211007

この技術的報告書は、農薬(有効成分及び植物保護製品)の評価の研修に関する活動の記述である。植物保護製品規則の目的は、ヒトと動物の健康及び環境の高水準の保護を保証すると同時に、農業生産を改善しつつ、植物保護製品の販売規則の統一を通して国内市場の機能を改善することである。有効成分と植物保護製品のデータ要件は規則(EC) 283/2013及び 284/2013に規定されており、有効成分(類)、薬害軽減剤、相乗剤が含まれている。

 

-実際のサンプルにおけるプラスチックポリエステルオリゴマーの規定とそれらの生体影響

Determination of plastic polyester oligomers in real samples and their bioeffects

EFSA Journal 2023;21():e211008 30 November 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/e211008

このEU-FORAフェローシッププロジェクトでは、「ナノプラスチック」というカテゴリーで暴露を評価するために、食品検体中のプラスチックポリエステルプラスチックオリゴマーの規定と定量化を実施し、それらを潜在的な汚染物質として、あるいはポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフタレート(PBT)などのポリエステル由来の特定のナノプラスチック/マイクロプラスチックへの暴露の指標やマーカー化合物として評価した。データは「ナノプラスチック」の暴露とリスク評価のためにEFSAの包括的食品摂取量データベースと組み合わせられる。

 

-MRL設定の枠組みにおける農薬による累積リスク評価

Cumulative risk assessment with pesticides in the framework of MRL setting

EFSA Journal 2023;21():e211009 30 November 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/e211009

この要約は、化学物質のリスク、特に食品中の残留農薬の累積リスク評価(CRA)に焦点を当てた作業プログラム案である。この報告書では、新しい最大残留基準値(MRL)を設定する場合に予想されるCRAを実施するための、トリガー値に関する問題への対処に焦点を当てている。暴露マージン(MOE)の閾値1,000を試験し、ANSESの予備結果と比較した。代替閾値が算出され探索された。EU-FORAフェローは、急性頭蓋顔面変化及び慢性甲状腺の影響に関して、2つの累積評価グループ(CAGs)を選択した。暴露評価を実施し、影響データ、フランスの監視データ、処理要因、農業用途、MRLs及び外挿をモンテカルロリスク評価(MCRA)に統合した。フランスの調査INCA3に基づき、子供、成人及び出産可能年齢の女性などの感受性の高い集団にMCRAを用いたレトロスペクティブ累積暴露が実施され、バックグラウンドレベルはP99.9と特定された。

 

-生体異物暴露のリスク評価と腸内毒素症の影響のためのマイクロバイオーム解析:潜在的な次世代プロバイオティクスの特定

Microbiota analysis for risk assessment of xenobiotic exposure and the impact on dysbiosis: identifying potential next-generation probiotics

EFSA Journal 2023;21():e211010 30 November 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/e211010

 

-お菓子をくれないと脅しちゃうぞ:ポーランド人の各種年齢集団におけるソフトドリンクとチョコレートバー中の化学汚染物質の暴露評価とリスクキャラクタリゼーション

Threat or treat: Exposure assessment and risk characterisation of chemical contaminants in soft drinks and chocolate bars in various Polish population age groups

EFSA Journal 2023;21():e211011 30 November 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/e211011

欧州食品リスク評価(EU-FORA)フェローシッププログラムの枠組みで、農業・食品バイオテクノロジー研究所の食品安全化学物質分析部門で、食品マトリクス中の化学汚染物質に関する2つの研究がポーランドのワルシャワで実施された。第1の試験は、ポーランド人集団のソフトドリンクの摂取によるビスフェノールA(BPA)汚染への食事暴露についての健康上の懸念を扱った。BPAはエポキシ樹脂とポリカーボネート製プラスチックの生産に使用される有機添加物で、そのため、缶の内部コーティングやペットボトルの生産に使用される。複数の要因により、BPAはこれらの物質からソフトドリンクに移行する可能性があり、そのため、消費者が摂取するとホルモンや生殖の障害を引き起こす可能性がある。ポーランド人のBPAへの暴露を推定するために、ワルシャワ市のスーパーマーケットから異なるブランドの複数のソフトドリンクを購入して分析した。分析結果から、ポーランド人の平均的なBPA暴露量は、EFSAの科学的意見が提案した耐容一日摂取量を越えており、健康上の懸念が生じている。一方、第2の試験では、ポーランド人のチョコレート摂取によるカドミウム暴露に焦点を当てたが、健康上の懸念は生じなかった。カドミウムは環境中に無機形態で天然に存在する重金属で、チョコレートに存在するのはカカオ豆由来だけで、加工中の汚染に由来することはない。ヒトの体内での蓄積は、腎機能障害や腎不全など、複数の有害影響を生み出す可能性がある。ポーランド人のカドミウムへの暴露量を推定するために、ワルシャワ市のスーパーマーケットから複数のチョコレートバーを購入して分析した。分析結果から、ポーランド人のカドミウム暴露は、EFSAの意見で提案された耐容週間摂取量を超えることはないことが示された。

 

-リスク分析における複数参加者による協力の結果:新興リスクを迅速に検出するための簡易リスク評価ツールキット

Results of multi-actor collaboration in risk analysis: a simplified risk assessment toolkit for rapid detection of emerging risks

EFSA Journal 2023;21():e211012 30 November 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/e211012

食品安全システムを改善するための行動の一環として、EU-FORAフェローシッププログラムでは、オート麦の未規制のマイコトキシンT-2 及び HT-2毒素のリスクに対処するために複数の参加者による協力に専念した。リスク評価手順に重大なギャップが確認されたため、研修マニュアルや2種類の使いやすいMicrosoft®エクセルファイルからなるリスク評価ツールキットの開発など、迅速なデータ収集とリスク評価戦略を展開するために協力して取り組みを行うこととなった。ベルギーのオート麦のT-2及び HT-2毒素を評価するツールキットを適用し、おそらく過大評価によるのだが、3~9歳以外では懸念は最小限であることが明らかになった。

 

-食品と飼料の安全性の課題に対処するプロテノミクスの可能性を解き明かす

Unveiling the potential of proteomics in addressing food and feed safety challenges

EFSA Journal 2023;21():e211013 30 November 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/e211013

将来の食品・飼料の安全性評価のために、多種多様の新興タンパク質源に関する信頼できるデータを生成する高度な分析技術の開発と実践の需要が高まっている。質量分析(MS)に基づくプロテノミクス法など、新しいアプローチ方法論(NAMs)が貴重な技術として出現した。これらはこの領域で従来のアプローチを補完するために、規制の研究所環境で実践できる可能性がある。このEU-FOR Aプログラムでは3つの核となる目標に焦点を当てた。このプログラムは、食品・飼料の安全性研究やレギュラトリーサイエンス適用領域内の重要性を強化するMS-ベースのプロテオミクス方法論の使用拡大と多様化を促進する。

 

-ハンガリーとスペインのフードサプライチェーン間の比較での(確率論的)定量的微生物リスク評価モデルの定義及び分析のための最新の統計的方法論とソフトウェアツールの研修

Training in modern statistical methodologies and software tools for the definition and analysis of (stochastic) quantitative microbial risk assessment models with a comparison between the Hungarian and Spanish food supply chains

EFSA Journal 2023;21():e211014 30 November 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/e211014

 

-食品接触物質のリスク評価

Risk assessment of food contact materials

EFSA Journal 2023;21():e211015 30 November 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/e211015

ビスフェノールA(BPA)は、規則(EU) No 10/2011に基づき、プラスチック食品接触物質(FCMs)生産用化合物としての使用が認可されている。だが、規則(EU) No 2018/213の要件によると、BPAは乳幼児用ポリカーボネート製飲料カップや哺乳瓶の製造には禁止されている。ヒトがBPAに暴露する主な原因として食品が特定されており、次いで、経皮吸収、空気や粉塵の吸収、至る所での暴露、BPAとの継続的な接触となっている。BPAが食品包装から食品へ溶出することによってフードチェーンに入り込めることを考慮して、食品源からの潜在的な暴露の正確な推定量と同定には、食事暴露評価が必要である。EFSAは2015年に、BPAの暫定耐容一日摂取量(TDI) 4 μg/kg体重/日を設定し、どの年齢層にもBPA暴露による健康上の懸念は予想されないと結論した。2023年に、EFSAはBPAの安全性を再評価し、新たなTDIを20,000分の1に引き下げた結果削減し、TDI を0.2 ng/kg体重/日とした。この場合、CEPパネルは、BPAへの食事暴露による健康上の懸念はあると結論した。なかでもBfRは複数の批判点を特定し、BfRの意見の中で、EFSAが実施したリスク評価に疑問を呈している。BfRはTDI 200 ng/kg体重/日を導出し、リスク評価にはこれを考慮するよう提案している。EU-FORAプログラム案の中で、フェローは、暴露評価の経験を得た後、包括的リスク評価を実施するために、データをBfRのハザード評価と統合する機会があった。作業プログラムの第2の目標として、フェローは、外部暴露と尿中のBPAレベルとの相互関係を探る試みで、トキシコキネティク分析の実施を担当した。

 

-微生物及び化学物質のリスク評価における定量的ツール

Quantitative tools in microbial and chemical risk assessment

EFSA Journal 2023;21():e211016 30 November 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/e211016

 

-微生物及び化学物質のリスク評価における定量的ツール

Quantitative tools in microbial and chemical risk assessment

EFSA Journal 2023;21():e211017 30 November 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/e211017

 

[BfR]ビーガンやベジタリアンの食事は健康にどのような影響を与えるのか?

How does a vegan or vegetarian diet affect health?

05.12.2023

https://www.bfr.bund.de/en/press_information/2023/26/how_does_a_vegan_or_vegetarian_diet_affect_health_-313668.html

ドイツ語圏の植物ベースの食事に関する最大研究のための試験開始

COPLANT研究のためのパイロット・スタディが、ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)及びその他の研究センターで12月初めに開始された。これはドイツ語圏の植物ベースの食事に関して、これまでの最大の研究の基礎を築くことになる。このパイロット・スタディは、手順を完全にテストするために使用される。その後評価され、必要であれば、適応・最適化される。「ビーガンやベジタリアンの食事への関心の高まりを考慮して、植物ベースの食事の身体への影響について、より科学的に信頼できるデータが必要である」とBfRのCOPLANT研究の責任者であるCornelia Weikert医学博士は述べた。「COPLANT研究は、データのギャップを埋め、その結果、健康的で持続可能なライフスタイルのために、科学に基づいた食事の助言を提唱することを目的としている。」COPLANTは、BfR、マックス・ルブナー研究所(MRI)、植物ベースの栄養研究所(IFPE)、イエナ大学、ボン大学、ハイデルベルグ大学、レーゲンスブルク大学、ウィーン大学の共同プロジェクトである、植物ベースの食事のコホート(COhort on PLANT-based diets)の略である。チューネン研究所は持続可能性のトピックの担当である。この研究はドイツ連邦食糧農業省(BMEL)の支援を受けている。

COPLANT研究の目的は、植物ベースの栄養形式の長所と短所の新たな洞察を得ることである。「植物ベースの食事」という用語は最近造られたもので、主成分が純粋に植物由来の食事のことである。COPLANT研究は、ビーガン(動物製品を食べない)、ベジタリアン(肉と魚は食べないが乳製品と卵は食べる)、ペスクタリアン(肉は食べないが魚は食べる)、雑食性(可能な動物製品全てを含む混合食)の食事に焦点を当てる。

データ不足に気づく

ビーガンとベジタリアンの食事への関心は常に高まっているものの、現在のところ、植物ベースの食事に関する科学的に信頼できるデータはほとんどない。この話題に関する初期の研究結果は、必ずしも今日の栄養形式に組み入れられない。例えば、高度に加工され、糖分、脂肪、塩分が多いものもあるビーガン食品や代替肉が、近年著しく増加している。現在、ドイツの大規模な疫学プロジェクトにビーガンはほとんど含まれていない。国際的には、これまでのところ、入手できる植物ベースの食事に関するデータは、ビーガン食は特に、ごく限られている。COPLANTは不足しているデータを提供することで、植物ベースの栄養に、根拠に基づいた栄養の助言を可能することを目的としている。

一般的な病気の予防と治療

食事と、2型糖尿病、心血管疾患、がんなどの典型的な文明病との関連性を立証するために、この計画では、研究の参加者を、少なくとも20年間追跡調査する計画である。収集したデータは、予防と治療の新たな概念に貴重な洞察を提供できるだろう。

COPLANT研究についての詳細はBfRのウェブサイトで入手可。

COPLANT研究についてのよくある質問

https://www.bfr.bund.de/de/forschung_zu_pflanzenbasierter_ernaehrung___antworten_auf_haeufig_gestellte_fragen_rund_um_die_coplant_studie-292321.html

BfR研究の展望:COPLANT研究

https://www.bfr.bund.de/de/forschung_aus_einer_neuen_perspektive__die_interviewreihe_bfr_forschperspektive-311768.html

BfR2Goの記事「人気はあるが、ほぼ研究されていない」

https://mobil.bfr.bund.de/cm/429/12_beliebt_aber_kaum_erforscht.pdf

 

 

[CPSC]CPSCは飲み込みハザードのためCarrara強力磁石ボールセットの使用を直ちに止めるよう消費者に警告;連邦おもちゃの磁石セット規制違反;myKmarket.comで限定販売されていた

CPSC Warns Consumers to Immediately Stop Using Carrara High-Powered Magnetic Ball Sets Due to Ingestion Hazard; Failure to Meet Federal Safety Regulation for Toy Magnet Sets; Sold Exclusively at myKmarket.com

December 07, 2023

https://www.cpsc.gov/Newsroom/News-Releases/2024/CPSC-Warns-Consumers-to-Immediately-Stop-Using-Carrara-High-Powered-Magnetic-Ball-Sets-Due-to-Ingestion-Hazard-Failure-to-Meet-Federal-Safety-Regulation-for-Toy-Magnet-Sets-Sold-Exclusively-at-myKmarket-com

CPSCの検査で規制(磁力の強さ)違反が確認された。

CPSCは2017年から2021年の間に磁石の飲み込みにより救急治療を受けた事例は2400件と推定している。また米国外の2例を含む7件の死亡を認識している。

 

-XpressGoodsは飲み込みハザードのため強力磁石ボールをリコール;連邦おもちゃの磁石セット規制違反

XpressGoods Recalls High-Powered Magnetic Balls Due to Ingestion Hazard; Failure to Meet Federal Safety Regulation for Toy Magnet Sets

 

[RIVM]COVID-19パンデミックは私の人生の重要な段階を失わせた、若い人々は言う

COVID-19 pandemic made me miss out on a key stage of my life, young people claim

07-12-2023

https://www.rivm.nl/en/news/covid-19-pandemic-made-me-miss-out-on-key-stage-of-my-life-young-people-claim

12-25才の若い人々は、COVID-19パンデミックが人生の重要な舞台を失わせたと感じている。卒業式や新たな学生生活の始まりが通り過ぎていった。最新研究から明らかになった

Monitor on Mental Health and Substance Use among Higher Education Students 2023

30-11-2023

https://www.rivm.nl/publicaties/monitor-mentale-gezondheid-en-middelengebruik-studenten-hoger-onderwijs-2023

 

[WHO]出版物

プライマリーケア及びコミュニティケアの状況での成人の慢性一次腰痛の手術によらない管理のためのWHOガイドライン

WHO guideline for non-surgical management of chronic primary low back pain in adults in primary and community care settings

7 December 2023

https://www.who.int/publications/i/item/9789240081789

(教育からマッサージ、医薬品、ハーブ、減量まで幅広く取り上げられているがほとんどがconditional recommendation止まりであまり薦められるがない。)

 

-Regulatory Toxicology and Pharmacologyの特集

2022 WHO Toxic Equivalency Factors (TEFs) for dioxin like compounds, including studies supporting novel methodology for derivation of TEFs

https://www.sciencedirect.com/journal/regulatory-toxicology-and-pharmacology/special-issue/1015NJNC6Q6

 

[WHO]イベント

-COP28気候対策と栄養を繋ぐ:持続可能なフードシステムからの健康的な食生活への道をひらく

COP28 Connecting climate action and nutrition: paving the way to healthy diets from sustainable food systems

8 December 2023

https://www.who.int/news-room/events/detail/2023/12/08/default-calendar/cop28-connecting-climate-action-and-nutrition--paving-the-way-to-healthy-diets-from-sustainable-food-systems

EUサイドイベント

 

-人々と地球を育む健康的で持続可能な食事

COP28 Healthy and sustainable diets for nurturing people and planet

10 December 2023

https://www.who.int/news-room/events/detail/2023/12/10/default-calendar/cop28-healthy-and-sustainable-diets-for-nurturing-people-and-planet

WHO欧州のサイドイベント

以下を紹介

食事影響評価モデル:食事の変更の健康、環境、入手可能性への影響

The Diet Impact Assessment model: a tool for analyzing the health, environmental and affordability implications of dietary change

6 November 2023

https://www.who.int/europe/publications/i/item/WHO-EURO-2023-8349-48121-71370

(単一の指標で多様な世界が評価できるわけがない。例えば環境影響の指標として、水を多く使うと負荷が高いとしているためコメが不利になっているけれど雨の多い地域には当てはまらない。でも彼らはこれが「科学」だと主張して世界中におしつける)

 

その他

-動画

性的違和とフタル酸

Cup o'Joe-Sexual dysphoria and phthalates

https://www.youtube.com/watch?v=AZpRKKXe9hQ

19世紀半ばに始めてニトロセルロースをアルコールに溶かして溶媒を蒸発させたセルロイドが生産され世界初の商用プラスチックとなった。柔軟性を与えるために可塑剤として樟脳が添加された。樟脳にはあまり好ましくないにおいがあったため、企業は1920年代に初めて作られた臭いのないフタル酸類を歓迎した。1931年にポリ塩化ビニル(PVC)が導入されたときにもフタル酸は同様の目的を果たし、PVCとフタル酸は同時に業界のブームとなった。後にフタル酸はシャンプーや香水などのパーソナルケア用品に使われる化合物の溶媒としても効果的なことがわかった。食品容器や子どものおもちゃ、化粧品、医療用チューブなど多くの製品にフタル酸が使われているため、洗練された分析器で血中から検出されるのは驚くことではない。そして健康影響の可能性に疑問が提示されるようになった。それに対する回答が、1990年代にフタル酸にホルモン様作用があることがわかって「内分泌攪乱物質」と言われるようになって出始めた。フタル酸はアンドロゲンの作用に拮抗し、つまり男性ホルモンに干渉する可能性がある。そのため精子数の減少や精子の質の低下や性器異常との関連が言われた。

ジェンダー違和に対する関心が高まるにつれフタル酸への暴露が関与するかどうかの探索に関心がもたれるようになった。若いアメリカ人の約5%が自分の性が生まれたときに識別されたものと違うと考えている。これを探るため、中国の研究者が学生の尿中フタル酸を繰り返し測定し、「子どもの性的役割リストスケール」を使って男らしさや女らしさを評価した。また思春期開始時期も調べた。解析の結果、春期発動が早い少年では、尿中フタル酸濃度が高いことと女性らしさに関連があることがわかった。研究者らは性的違和にフタル酸が関与する可能性があるとして暴露を減らすようにすべきだと結論した。しかしフタル酸はたくさんある内分泌攪乱物質の一つでしかなく、ビスフェノールAやノニルフェノール、農薬の一部、PFAS、難燃剤、亜麻や大豆の植物エストロゲンなどが全てホルモン様作用をもち、理論的にはこれらもジェンダーアイデンティティに影響する可能性がある。それは複雑な問題だ。

(大豆イソフラボンのほうが遙かにホルモン活性と摂取量が多いことと、性的違和は有害影響だから正すべきと考えるのかどうか、簡単ではない分野)

 

サフロン

Cup o'....Saffron!

https://www.youtube.com/watch?v=h9r7gO4V9uY

私はこれまでやったことがないことをやってみる-サフロン茶を飲む。私はサフロンの化学には興味があったが、この世界で一番高価なスパイスを飲む文化はなかった。最近友人がイラン産サフロンを贈ってくれた。

サフロンはサフランの花の乾燥柱頭で、花の時期に手で摘むしかなく大体2万ドルになる1キロのサフロンをとるのに約15万の花が必要である。柱頭の色は水溶性のカロテノイドによるものだが、積みたてのの柱頭にフレーバーや芳香はない。それらは乾燥時に約160の揮発性化合物が作られることで生じる。最も特徴的なのはピクロクロシンで、サフロンが本物かどうかを同定するにも使われる。サフロンには偽物が多いため検出方法には需要がある。合成色素で色をつけた他の植物や重量を増やすために乳糖を加えたりする行為が古くからよくある。

さてサフロンティーを飲んでみよう-いい香り!

 

空気の質について話そう

Let's talk about air quality | The Right Chemistry

https://www.youtube.com/watch?v=Nt99YoY0PW8

トーストの香り成分は研究されていてたくさんの化合物が同定されている。中には発がん物質のような嫌なものもある。料理や食事で、家の中にたくさんの化合物が放出される。だから換気が大事。調理にはガスより電気の方が安全。

 

-SCIENCE VOLUME 382|ISSUE 6675|8 DEC 2023

表紙は牛、好奇心

特集は

家畜は何を考えている?

家畜の認知能力の研究から、畜産における動物の取り扱いを変える必要性を示唆

 

エディトリアル

メタン削減への新たな希望

New hope for methane reduction

EUAN G. NISBET p. 1093

中国がメタン削減計画を発表したことについて。

中国の年間メタン排出量はエネルギー部門から約19 Mt、家畜から18 Mt、ごみなどから16 Mt、田んぼから12 Mt

(メタンの話になると農業が悪者になりがち)

 

SCIENCEINSIDER

極右の選挙での勝利がオランダの学者を心配させる

Shock election win by the far right worries academics in the Netherlands

BYJOP DE VRIEZE

Geert Wildersの党が政権をとると、国際学生の制限や気候政策の破棄の可能性がある

オランダの大学の学生の15%が外国人

既にオランダ語で教えることで外国人を減らそうという提案がされてきた

気候対策としての家畜と農地の削減は既に農家から反対されている

(学者が農家の生きる術を奪うことに賛成してきたなら学者もいらないと言われるのは当然のような)

 

-スペインとイタリアの調査がオリーブオイル偽装を明らかにする

Spanish and Italian investigators uncover olive oil fraud

By News Desk on December 7, 2023

https://www.foodsafetynews.com/2023/12/spanish-and-italian-investigators-uncover-olive-oil-fraud/

ニセオイル捜査の結果11人を逮捕し26万リットル以上のオリーブオイルを押収した。

Opson作戦の一環として欧州刑事警察機構がこのスピンオフを支援した。質の低いランパンテ(lampante)オリーブ油で薄めてバージンあるいはエキストラバージンとして販売していた。

欧州刑事警察機構によると、価格のインフレ、オリーブ油生産量の低下、受容の増加などの要因が偽装の温床になっているという。エキストラバージンオリーブオイルの偽装はよくあることでこれまでもおこってきた。