2023-05-08

[BfR]ビスフェノールA:BfRは健康に基づくガイダンス値を提案する、完全なリスク評価には現在の暴露データが必要である

Bisphenol A: BfR proposes health based guidance value, current exposure data are needed for a full risk assessment

19 April 2023

https://www.bfr.bund.de/cm/349/bisphenol-a-bfr-proposes-health-based-guidance-value-current-exposure-data-are-needed-for-a-full-risk-assessment.pdf

ビスフェノールA(BPA)は、プラスチック・ポリカーボネート及びエポキシ樹脂の製造において原材料として使用される化学化合物である。スマートフォン、飲料用ボトル、プラスチック食器、塗料、接着剤、食品缶内部コーティングなど、多数の消費者製品に含まれている。この化合物への暴露は主に食事を通じて行われるが、空気、粉塵又は水もBPAの取り込み源となる可能性がある。BPAの急性毒性は低い。しかし、長期の動物実験では、BPAは特定の毒性学的影響と関連している。BPAの健康リスク評価は、何年にもわたって世界中で科学的および公的な議論となっている。

2023年4月、欧州食品安全機関(EFSA)はBPAの再評価を公表した。(https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6857)

そこでは、2015年にEFSAが導き出した暫定の(一時的)耐容1日摂取量(TDI)(4 µg/kg体重/日)が2万分の1に下げられ、0.2 ng/kg体重/日となった。TDIは、生涯にわたって毎日摂取しても有害な健康リスクがない特定の化合物の量である。集団におけるBPAの総摂取量はここ数年減少しつつあるが、この値はすでに全年齢層の集団の新しいTDI値を数桁超えている。EFSAは主にマウスの研究での観察に基づいてTDIを引き下げた。これらのデータによると、妊娠中及び妊娠後にBPAを摂取した母獣(母動物)の子孫は、特定の種類のヘルパーT細胞(すなわち、Th17細胞)の割合が増加した。

ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は、いくつかの科学的及び方法論的な相違により、EFSAによって導き出された新しいTDI値を支持していない。例えば、観察されたTh17細胞レベルの相対的な増加が、研究対象のマウスの有害影響を誘発するというエビデンスは現在のところなく、結果とヒトの健康との関連性は疑わしい。規則(EC)178/2002は、科学的見解の相違に関する規定を定めている。EFSAのウェブサイトでは、EFSAの見解に関する公開協議におけるBfRの見解声明(https://open.efsa.europa.eu/consultations/a0c1v00000JA9rGAAT)と見解の相違に関する報告書(https://www.efsa.europa.eu/sites/default/files/2023-04/bfr-efsa-art-30.pdf)の両方が公開されている。BfRに加えて、欧州医薬品庁(EMA)もEFSA再評価の方法論に関する異なる見解を提示している。

BfRは、BPAへの消化管(経口、口から)暴露による毒性学的影響に関する科学的データの詳細な分析に基づいて、0.2 µg/kg体重/日(200 ng相当)というTDI値を導出した。この値は、2015年にEFSAが導き出した以前の暫定TDIの20分の1である。BfRは保守的なアプローチを採用し、いくつかの不確実性も定量的な統計ベースの方法で考慮した。評価は、EFSA2023年意見書(免疫系への影響、生殖毒性、血清尿酸値の上昇)で同定された重要なエンドポイントに焦点を当てた。しかし、保守的であるため、また他の機関の評価に基づいて、BfRの導出TDIは他の毒性学的エンドポイント(例えば、一般毒性、発がん性、脳や行動への影響)に関しても保護的である。BfRは、このTDI値0.2 µg/kg体重/日をリスク評価の基礎として使用することを提案している。

ドイツ又は欧州の集団の現在の暴露推定値は入手できないため、現時点ではBPAの信頼できる包括的なリスク評価を行うことはできない。主に2008年から2012年のデータに基づき、EFSAは2015年に欧州の集団の食事を介した暴露を0.1–0.4(成人)及び0.1–0.9 µg/kg体重/日(乳児及び小児)と推定した。しかし、ヒトのバイオモニタリングによる尿データは、この暴露推定値が高すぎる可能性を示唆している。さらに、規制措置の影響もあり、近年は、暴露は減少し続けていると予測されている。BPAが消費者に健康上のリスクをもたらすかどうかを評価するために、BfRは、追加的でより最新の暴露データを収集し、評価することを推奨する。

EFSAとBfRの両機関にとって、方法論と結果の解釈に関する議論が通常の科学的プロセスの一部であることを強調することが重要である。これらはリスク評価方法のさらなる開発に貢献し、したがって長期的には、起こりうる健康リスクのより良い評価に貢献する。

 

[EMA]ビスフェノールA(最終版)に関するEFSAとEMAの意見相違の報告書

Report on divergent opinion between EFSA and EMA on bisphenol-A_final adopted

https://www.ema.europa.eu/en/documents/report/report-divergent-opinion-between-efsa-ema-bisphenol_en.pdf

結論

欧州食品安全機関(EFSA)の意見書草案、意見公募で寄せられた意見、EFSAの回答、2022年11月29日の情報交換と議論及びこの文書に概説されている理由を考慮すると、欧州医薬品庁(EMA)は暫定の耐容一日摂取量(TDI)を現在改訂されたTDIに変更することに同意しない。

両機関はそれぞれのガイドラインに沿って、異なる評価ツール、ヒトのリスクを解釈し定量化するための異なる方法論、異なる目的及び異なる有害性(adversity)の定義に依存しているため、ビスフェノールA(BPA)の適切なTDIに関する両機関間の意見の相違について意見の合致を達成することはできない。したがって、考慮すべき研究に与えられる根拠の重み付け及び含まれるデータの解釈は、両機関間で異なる。

両機関間の2つの主要な相違点は、次のように要約できる:

1)EFSAとEMAは、新たに組み入れられた研究において動物で同定された中間エンドポイントがヒトにおける懸念される有害影響と因果関係があるという主張を示すのに十分な科学的エビデンスと考えられるものについて合意していない。

2)EFSAとEMAは、リスクを定量化し、BPAがヒトにおいて安全と考えられる暴露量を確立する方法について合意していない。

EMAとEFSAはともに、欧州委員会(EC)の持続可能性のための化学戦略の下でのOne Substance One Assessmentアプローチで予見されているように、適用される方法論の将来的な整合のために、欧州連合(EU)機関、加盟国の当局、専門家のリスクコミュニケーションと管理の間のさらなる建設的な対話の重要性を認識している。

 

[COT]2023年5月16日の会合

COT Meeting: 16th May 2023

Last updated: 05 May 2023

https://cot.food.gov.uk/COT%20Meeting%3A%2016th%20May%202023

・2023年3月28日の会合の議事録

https://cot.food.gov.uk/Draft%20minutes%20of%20the%2028th%20March%202023%20meeting

・缶のコーティング

・バイオベースの食品接触物質中キトサン

・EFSAの2023年食品中BPA由来公衆衛生リスク再評価について

https://cot.food.gov.uk/sites/default/files/2023-05/TOX-2023-25%20BPA%20Acc%20V.pdf

2023年4月にEFSAはBPA のTDI を0.2 ng /kg bw per dayとした。当初の提案0.04ng/kg体重/日よりは高いものの全ての消費者が2-3桁超過する。EMAとBfRが異なる見解を発表している。COTはEFSAの意見案を2023年2月に議論した。以下は案からの変更とEMAとBfRの見解の相違について簡潔に要約した。少人数のグループで重要なエンドポイントや問題点について取り組んだあと、7月か9月の会合で委員全員と詳細な議論を行うことを提案。

(以下項目のみ)

2015年のEFSAのBPA評価 tTDI  4 µg/kg体重/日

2023年EFSA再評価

試験の評価

トキシコキネティクス

標的臓器と作用機序

遺伝毒性

代謝影響

神経毒性

心毒性

生殖毒性

免疫毒性

TDIの導出

 

異なる見解

EMA

有害影響の定義と中間対頂点(apical)エンドポイント

採用する研究へのアプローチ

リスク評価アプローチ

 

BfR

有害影響の定義

科学的根拠の採用/不採用

頂点対中間エンドポイント

生殖毒性エンドポイント

不確実性解析

HED係数の選択

 

・緑茶カテキンについての声明案

・経口バイオアベイラビリティを増やすようにデザインされたサプリメント化合物の新しい製剤設計についてのディスカッションペーパー

・酵素変換で作成したステビアの葉抽出物由来ステビオール配糖体の使用拡大の安全性についての意見案

・Yarrowia lipolyticaによって生産したステビオール配糖体の認可についての意見案

など

 

[FAO]食料危機世界報告:急性食料不足に直面する人の数が2022年には58カ国2億5800万人に増加

Global Report on Food Crises: Number of people facing acute food insecurity rose to 258 million in 58 countries in 2022

03/05/2023

https://www.fao.org/newsroom/detail/global-report-on-food-crises-GRFC-2023-GNAFC-fao-wfp-unicef-ifpri/en

2021年の53カ国1億9300万人から悪化

主要要因が経済ショック、紛争を上回り、ウクライナ戦争の影響を確認

 

[APVMA]マイナー使用を決めるガイドラインの見直し

Review of guidelines for determining a minor use

4 May 2023

https://apvma.gov.au/node/112466

農薬や動物用医薬品の申請時にそれがマイナー使用かどうかを決める場合のガイダンスを2000年代初期に初めて開発したがこれまで最小限の更新しかしていなかった。時間とともに農業の状況が変化し、かつてメジャーだった作物がマイナーになったり、マイナーだったものが人気になったりしている。APVMAは現状のガイダンスと更新にあたって考慮すべきことなどの意見を2023年6月15日まで求める

 

[MPI]食品安全への有意な貢献賞

Significant Contribution to Food Safety Award

https://www.mpi.govt.nz/about-mpi/our-work/mpi-scholarships-and-awards/significant-contribution-to-food-safety-award/

食品の安全性向上に貢献した個人や団体を表彰する賞。

2023年6月3日までエントリー受付

分野は以下のようなものどれでも

・科学研究

・装置や加工技術

・製品や包装の開発

・企業の優良実践

・食品安全文化の構築と維持

 

[ProMED]化学中毒-インド:(パンジャブ)硫化水素疑い 致死

Chemical poisoning - India: (PB) hydrogen sulfide susp, fatal

2023-05-02

https://promedmail.org/promed-post/?id=8709802

Date: Mon 1 May 2023 Source: BBC [edited]

2023年4月30日、インド北部のパンジャブ州で有毒ガス漏れにより11人死亡4人入院

原因は公式に確認されていないが、この地域に高濃度の硫化水素が検出されたと報告されている。地方の公務員は化学物質がマンホールでメタンと反応して致死的蒸気を作ったかもしれないという。

この地域は人口密度が高くいくつかの店舗もある。4月30日の朝早く、ガスの臭いがして住民が外に出た。すると人々が地面に倒れていた。ネコも道路で死んでいた

 

[IARC]IARCモノグラフ131巻:コバルト、アンチモン化合物、兵器グレードタングステン合金

IARC Monographs Volume 131: Cobalt, antimony compounds, and weapons-grade tungsten alloy

5 May 2023

https://www.iarc.who.int/news-events/iarc-monographs-volume-131-cobalt-antimony-compounds-and-weapons-grade-tungsten-alloy/

モノグラフ131巻がオンラインで入手できるようになった

https://publications.iarc.fr/618

 

[FSANZ]食品基準通知

-Notification Circular 240-23

5 May 2023

https://www.foodstandards.gov.au/code/changes/circulars/Pages/Notification%20Circular%20240-23.aspx

新規申請と提案

・食品及び食品成分としての低THCヘンプの葉、種子スプラウト、根

認可と閣僚会議通知

・基準メンテナンス提案2023

その他-申請取り下げ

・加工助剤としてのAspergillus niger由来グルタミナーゼ

 

-Notification Circular 239-23

4 May 2023

https://www.foodstandards.gov.au/code/changes/circulars/Pages/Notification%20circular%20239-23.aspx

改訂No.218

・(アルコール飲料の)段ボール包装の妊娠警告表示の色

 

[WHO]世界的に健康関連SDGsに向けて進むために地域での協力が重要

Collaborating locally is key for progress globally towards health-related SDGs

3 May 2023

https://www.who.int/news/item/03-05-2023-collaborating-locally-is-key-for-progress-globally-towards-health-related-sdgs

全ての人の健康的生活と福祉のための世界行動計画の進行状況報告書「何が機能した?何がしなかった?次は?」が発表された

2023 progress report on the Global Action Plan for Healthy Lives and Well-being for All

https://www.who.int/publications/i/item/9789240073371

 

[WHO IHR(2005)緊急委員会のCOVID-19パンデミックに関する第15回会合の声明

Statement on the fifteenth meeting of the International Health Regulations (2005) Emergency Committee regarding the coronavirus disease (COVID-19) pandemic

5 May 2023

https://www.who.int/news/item/05-05-2023-statement-on-the-fifteenth-meeting-of-the-international-health-regulations-(2005)-emergency-committee-regarding-the-coronavirus-disease-(covid-19)-pandemic

COVID-19は長期管理への移行時期である。もはや国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)を構成しない。

PHEICの三つの基準は1)異常 extraordinaryなイベント、2)他の国に国際的に拡散する公衆衛生リスク、3)国際的に協調対応が必要 である。COVID-19はもはや異常あるいは予期できないイベントではない。

 

[WHO出版物

-学校システムは如何にして健康と福祉を改善できるか:トピック概要:栄養

How school systems can improve health and well-being: topic briefs: nutrition

3 May 2023

https://www.who.int/publications/i/item/9789240064713

 

-学校システムは如何にして健康と福祉を改善できるか:トピック概要:薬物使用

How school systems can improve health and well-being: topic brief: substance use

3 May 2023

https://www.who.int/publications/i/item/9789240064812

 

[NASEM]生命医学研究におけるヒト以外の霊長類モデル 最新科学と将来の必要性

Nonhuman Primate Models in Biomedical Research

State of the Science and Future Needs

(2023)

https://nap.nationalacademies.org/catalog/26857/nonhuman-primate-models-in-biomedical-research-state-of-the-science

生命医学研究で使われている動物のうちヒト以外の霊長類はごく僅かの割合ではあるが重要であり続けている。COVID-19パンデミックと輸入や移動規制により入手困難さが悪化している。さらにヒト以外の霊長類モデルの現在の使われかたにも関心がもたれている。NASEMは新しい方法論アプローチの可能性を含めて、現在と将来の状況についての景観分析を行った。

 

論文

-大腸がんのリスク要因としての肥満はこれまで過小評価されている

Obesity as a risk factor for colorectal cancer underestimated so far

4-MAY-2023

https://www.eurekalert.org/news-releases/988256

診断の前に体重が減ることが関連を曖昧にする

意図せぬ体重減少は大腸がんの初期指標である可能性がある

JAMA Network Open

 

-ダイエタリーサプリメント摂取後の発声困難

Dysphonia After Taking Dietary Supplements

Koichi Tsunoda et al.,

The American Journal of Medicine Volume 136, Issue 5, May 2023, Pages e85-e86

日本からの症例報告。減量サプリメント使用により声門下浮腫をきたした46才女性

 

-スペインが不健康な食品の広告を規制する課題に直面

Spain facing the challenge of regulating unhealthy food advertising

Miguel Ángel Royo-Bordonada et al.,

THE LANCET CORRESPONDENCE| VOLUME 401, ISSUE 10387, P1493, MAY 06, 2023

2022年にスペイン消費者問題省が子ども向けの食品や飲料の宣伝を規制する法案を作った。飽和脂肪、塩、砂糖の多い食品や飲料の広告によって子どもや若者の権利が損なわれているからである。この政策はWHOやUNICEFや公衆衛生専門家などの学術に支持されたもので、最近の調査ではほぼ全てのスペイン人集団に支持されている。

しかしながら広範なサポートにもかかわらず2023年の政府の規制計画に含まれなかった。農業水産食品省は自主規制を好んだ、自主規制は有効ではないという科学的根拠があるにもかかわらず。我々は一刻も早い規制を望む。

(広告規制で子どもの肥満が減ったという根拠もないけど。公衆衛生のためにといえば薄弱な根拠でも強権発動できるというのはあまり良くない傾向。)

 

-SCIENCE VOLUME 380|ISSUE 6644|5 MAY 2023

自己免疫特集号

ニュースを一目で

News at a glance:

・インドの教室がダーウィンを削減

教科書からダーウィンの進化論を削除する決定にインドの科学者が抗議している

(伝統宗教というより愛国心から、らしい。ガネーシャを作った人間がいたとかいう)

 

-武漢市場のサンプルはCOVIDの起源についてさらなる光をあてることには失敗

Natureニュース

Wuhan market samples fail to shed further light on COVID origins

04 May 2023  Dyani Lewis

https://www.nature.com/articles/d41586-023-01483-2

市場拭い取り検体由来ゲノムデータの新たな解析はその限界を強調

COVID-19パンデミック初期の武漢海鮮卸売市場で集めたサンプルは、どの動物が人々の感染源になったかを指すには不十分。これまで二つの解析が動物が市場の人々にウイルスを伝えた可能性を示唆していたが、新しい解析ではどの動物かを同定しようとしたがダメだった。

 

-作物の真菌病の高まる緊急性に対応せよ

Natureコメント

Address the growing urgency of fungal disease in crops

02 May 2023  Eva Stukenbrock & Sarah Gurr

https://www.nature.com/articles/d41586-023-01465-4

世界の食料安全保障への大きな脅威を避けるには、世界の作物の真菌病の苦境に政治的一般的啓発が必要

ヒトの栄養にとって重要な168の作物に数百の真菌病臥影響する。抗真菌剤の使用や病気に強い栽培品種の採用などにもかかわらず、世界中で毎年10-23%の作物が、さらに収穫後に10-20%が、真菌病によって失われている。これらのロスは1日2000カロリーで1年分の6億人から40億人の食料に相当する。真菌研究への投資が必要である。

 

その他

-母乳バンクの食品安全上の懸念に対応する助言

ILSI Food Safety magazine

Recommendations for Addressing Food Safety Concerns in Human Milk Banks

May 2, 2023 By Guido E. Moro Ph.D., Claudio Profeti M.D.

https://www.food-safety.com/articles/8558-recommendations-for-addressing-food-safety-concerns-in-human-milk-banks

(未熟児に母親が搾乳してあげるのはわかるのだが、未熟児ではない子どもを産んだ、月齢の違う他人の母乳を殺菌したり検査したりの手間暇かけてあげるメリットがいまいちわからない)

 

-SMC NZ

NZのオンラインデマグループには極端なコンテンツが根付いている

Extreme content becoming embedded in NZ online disinformation groups – Expert Reaction

05 May 2023

https://www.sciencemediacentre.co.nz/2023/05/05/extreme-content-becoming-embedded-in-nz-online-disinformation-groups-expert-reaction/

新しい報告書は、ニュージーランドでは2023年3-4月の間のデマと反トランスジェンダーヘイトの拡散が記録されている。

2023年初めに英国の反トランス活動家Posie Parkerがオーストラリアとニュージーランドを訪れた後を詳細に探った報告書が発表された。結論としてコミュニティ間の橋渡しが起こって、極右とネオナチの過激な主張がオンラインデマグループに埋め込まれた。

(反ワクチン、Covid-19デマ、反政府グループが子どもを介してトランスヘイトフェミニストとつながって過激化)

 

オーストラリアが処方でない電子タバコを禁止-専門家の反応

Australia bans non-prescription vaping – Expert Reaction

03 May 2023

https://www.sciencemediacentre.co.nz/2023/05/03/australia-bans-non-prescription-vaping-expert-reaction/

オーストラリアでは、フレーバー付きや明るい色の電子タバコは制限され、処方されていない電子タバコの輸入はより厳しく管理される

(豪州は禁煙政策では進んでいる。ただ電子タバコについては禁煙の補助と喫煙促進の両方の立場があって意見が分かれている模様)

 

-SMC UK

政府が、禁止にもかかわらず化粧品成分の動物試験を認めたというニュースへの専門家の反応

expert reaction to news stories that the government has allowed animal testing for ingredients of cosmetics despite ban

MAY 6, 2023

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-news-stories-that-the-government-has-allowed-animal-testing-for-ingredients-of-cosmetics-despite-ban/

欧州動物研究協会(EARA)事務局長Kirk Leech

EARAは製造に携わる労働者の安全性を確保するため化粧品業界で使われている一部の成分の安全性試験を認める高等法院の決定を歓迎する。ECHAも企業に動物実験を命令したことは正しい。いずれも労働者の安全のためで、成分が化粧品にしか使われないかどうかの問題ではない。一部の報道の見出しは誤解を招くものである。化粧品の動物実験はいまでも禁止されているが、化粧品に含まれる成分の中にはREACHのもとで動物試験を行われたものがある。動物での試験が何故行われるのか人々がよく理解するためにこれらの問題はオープンに議論すべきだという裁判官は正しい。法により安全性試験を要求しているのはしばしば人々と政策決定者である。

動物研究を理解する(UAR)最高責任者Wendy Jarrett

裁判所の判断は既存の化粧品が動物実験を始めることを意味しない。また全ての新しい化粧品が試験されることも意味しない。

そうではなく、化粧品会社が、使う人や製造する人に害のある可能性のある新しい成分を使いたければ、既存のデータや動物以外でのデータがない場合には、動物での試験を要求することがある、ということである。

UVブロック剤がラットの不妊や死産の原因となることが報道されて化粧品成分への懸念が高まった。動物を使わない試験法では安全かどうかが確認できない。

 

-有毒イヤホン、洗濯機、性玩具、そしてオオカミがきた、について

Of Toxic Earphones, Washing Machines, Sex Toys and Wolves at the Door

Joe Schwarcz PhD | 3 May 2023

https://www.mcgill.ca/oss/article/health-and-nutrition/toxic-earphones-washing-machines-sex-toys-and-wolves-door

カリフォルニアのProposition 65のせいで無数の消費者製品が「発がん物質を含む」という警告を表示されている。この警告のあるものは避けるべきなのか?

もう何年にもわたって、私は驚くほど様々な質問に答えてきた、あるいは少なくとも答えようとしてきた。「KFCは研究室でうまれたミュータントチキンでできていて本物の鶏ではない?」。ノー。「電線のある通りで自転車に乗るとがんになる?」。根拠はない。「3000ドルのアルカリ水製造装置を買う代わりに重曹でアルカリ水が作れる?」。作れるがアルカリ水の宣伝に意味がないので無意味。蓋がくっついた骨壺をどうやって開ける?それは難しい。

私は聞かれた質問を記録していて、時とともにトピックが変わるのを観察するのは面白いだろうと思った。実際そうだった。最も多く質問されたのは市販品の「発がん性あるいは生殖に有害であることがカリフォルニア州に知られている化合物を含む」という警告である。どんな製品にこの警告があって人々を怖がらせたか?イヤホン、財布、洗濯機、除湿機、ボートこぎ運動器具、やかん、アイロン、カカオニブ、性玩具。一般的に人々は警告を見てショックを受け、なぜそんなものが売られているのかと思う。よくある質問は発がん物質に暴露されずに返品するにはどうすればいいか、である。少し調べてみよう。

このような警告はカリフォルニアのめちゃくちゃな法律Proposition 65による。目的は有害な可能性のある物質への暴露から人々を守ることだったが、どんな条件であってもがんや生殖に問題をおこすことが疑われる物質はProposition 65の規制対象になる。問題はこの法がリスクではなくハザードに基づいていることだ。

例えば安全ピンはニッケルでメッキされていればニッケルが大量を動物に暴露すれば発がん物質なので警告対象である。安全ピンを使ったことでがんになる可能性はほとんどゼロである。Proposition 65には一定量以下の場合除外される規定があるがその量は「毒素」による。規制値以下でも製造業者は安全側にたって警告をする場合がある。何故?この法律を根拠に無数の訴訟がおこされているからだ。

「賞金稼ぎ」のための弁護士が消費者団体と組んでたとえばスターバックスのコーヒーにアクリルアミドが含まれるため警告が必要といった主張をして訴訟をおこしている。

Proposition 65では警告対象の物質を同定したり定量したりする必要がない。単に想定されるだけでいいのでイヤホンに警告がついている。どこかのはんだに鉛が含まれる可能性がある、だけでいいのだ。カカオニブについては、天然に含まれるカドミウムである。洗濯機はフタル酸。それらを恐れる必要は無い。事業者は訴訟を恐れて警告をつけ、カリフォルニアでだけ警告するのは経済的ではないので他の州で販売されている製品にもみられることがあり、不必要に消費者を怖がらせている。

Proposition 65の警告はディズニーリゾートの入り口含めあらゆるところにあるため、誰も気にしない。Proposition 65は「オオカミが来た」と叫ぶようなもので、本当にオオカミが来たときに、誰も聞かなくなるだろう。

 

-メラトニンは安全な睡眠補助剤?

Is melatonin safe as a sleeping aid?

Christopher Labos MD, MSc | 6 May 2023

https://www.mcgill.ca/oss/article/medical/melatonin-safe-sleeping-aid

OTC製品の不正確な表示が過剰使用事故を起こりやすくしていて、子どもは大きさのためよりリスクが大きい

メラトニンは安全で有効でオールナチュラルで処方箋なしに購入できる睡眠補助剤とみなされていて多くの人が使用している。しかしJAMAに発表された新しい報告では市販のメラトニングミの多くが表示されている含量と実際が違う。CDCには多数の子どものメラトニン過剰使用症例が報告されている。サプリメントには監視が必要ないと主張する人達がいるが、私は同意しない。医学目的で使うのなら医薬品同様にそれは安全で個有効で表示が真実であるべきだ。

 

-動画

ブルーベリーの魔法?

Cup o'Joe-Blueberry magic?

2023/05/05

https://www.youtube.com/watch?v=xPKJgck3pbE

King’s College Londonの研究者によるブルーベリーを食べることの良いニュース

 

戴冠式のキッシュ

Cup o'Joe-Coronation Quiche

https://www.youtube.com/watch?v=YuOX9xjAnGM

チャールズ国王の戴冠式を祝うキッシュについて。キッシュはフランス料理だという批判があるがドイツ生まれ。Mark Flanaganシェフのレシピは飽和脂肪とコレステロールが推奨値超過で茹で野菜に比べたら「不健康」。でも私は食品を天使と悪魔に二分するのは好きではなく、食事は全体のバランスが問題。チャールズ国王のホメオパシー推奨は頂けないが、戴冠式を祝って市販のキッシュを楽しむつもり。

 

-編集者からの手紙:オランダ政府は謝罪するだろうか?

Letter From The Editor: Is the Dutch government going to say it’s sorry?

By Dan Flynn on May 8, 2023

https://www.foodsafetynews.com/2023/05/letter-from-the-editor-is-the-dutch-government-going-to-say-its-sorry/

飢餓により100万人が死亡したアイルランドのジャガイモ飢饉から150周年に、英国のTony Blair首相がジャガイモの疫病を人道災害に変えたことについて政府機関の文書として謝罪声明を発表した。

歴史的には、飢饉はしばしば政治の間違いの結果である。政府はしばしば愚かな決定をする。

農業については、食料生産を脅かす提案には警戒すべきだろう。オランダでは、政府が理解しがたい政策を実施している。2030年までに窒素の排出を削減するという名目でオランダの農場の2/3が閉鎖に追い込まれようとしている。それはオランダ政府による二酸化炭素排出抑制計画の一環である。オランダの農業は化石燃料と動物廃棄物の使用のため窒素排出が多いという。私はオランダを訪問してその素晴らしい農業に感銘を受けた。その生産性は極めて高い。農業生産物はオランダの年間輸出の1/7を占め、世界でオランダより多く輸出しているのは米国のみである。しかしオランダ政府は窒素削減目標達成のために農場を買収する計画である。オランダはこの件で政治的大混乱を経験しているが都市部の住民の大部分はグリーンアジェンダを支持している。

(オランダの高付加価値作物に特化した集約的農業は世界的に有名だと思っていたのだけれど国内の都市住民には理解されていなかったのだろうか?)

 

-モンタナの寿司レストランに関連するアウトブレイクで2人死亡、キノコ疑い

Two dead in an outbreak associated with sushi restaurant in Montana; mushrooms suspected

By Coral Beach on May 3, 2023

https://www.foodsafetynews.com/2023/05/two-dead-in-outbreak-associated-with-sushi-restaurant-in-montana/

モンタナのレストランで食事して少なくとも30人が病気になり2人が死亡した。

そのレストラン、Dave’s Sushiは閉鎖中で保健当局は一般の人に現在進行中の脅威とはなっていないようだと言う。病気の原因は決定されていないがアミガサタケが疑われている

症状は一般的に食べてから30分から4.5時間以内に吐き気、下痢、腹痛、嘔吐など。

保健省によるとキノコは中国で栽培され輸入されカリフォルニアから各地に出荷されたものでモンタナ州の他のレストランや事業者には販売されていない。現時点で他の州では病気の報告はない。調査にはCDCやFDAも関わっている