2023-06-14

[EU]欧州健康連合:EUは薬剤耐性対策を強化する

European Health Union: EU steps up the fight against antimicrobial resistance

13 June 2023

https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/IP_23_3187

FAQ更新等

 

[EU]SCCS 意見募集のための予備的意見

Preliminary Opinions open for comments

https://health.ec.europa.eu/scientific-committees/scientific-committee-consumer-safety-sccs/sccs-opinions_en

サリチル酸ベンジル

Benzyl salicylate (CAS No. 118-58-1, EC No. 204-262-9)

https://health.ec.europa.eu/publications/benzyl-salicylate-cas-no-118-58-1-ec-no-204-262-9_en

サリチル酸ベンジルについての入手可能なデータは内分泌作用機序を示唆するものもあるが、それが内分泌影響になる根拠はない

コメントは2023年8月24日まで

 

[ASA]ASA裁定

ASA Ruling on Shop TJC Ltd t/a The Jewellery Channel

14 June 2023

https://www.asa.org.uk/rulings/shop-tjc-ltd-a22-1172096-shop-tjc-ltd.html

ジュエリーチャンネルのテレビショッピングでのシュンガ石を含むピラミッド型の時計の健康利益として電磁波や5G信号をブロックする、ヒーリング作用がある、ウイルスや疲労にきく等と宣伝。広告基準違反。番組側はプレゼンターの訓練強化等を約束。

(パワーストーン業界って嘘だらけだけれど取り締まり対象になるんだ?占いと同じようなものだとみなされてるのかと思った。そしてこの業界で万能扱いされるオーガニックホワイトセージ。占いを放置してはいけないのかも)

 

[ProMed]リシン中毒-パキスタン:(パンジャブ)

Ricin poisoning - Pakistan: (Punjab)

2023-06-14

https://promedmail.org/promed-post/?id=8710555

Date: Sun 11 Jun 2023 Source: 24 News [edited]

2023年6月11日にMian Channuで9人の子どもと女性を含む20人の村人が有毒豆で重症及び意識不明となった。

村人によると、子どもたちが池で水浴びした後未知の有毒果実を食べ、家にも持ち帰って家族も意識不明になった。報告を受けて警察が病院に行って調査を始めた。テレビチャンネルによるとその有毒豆は地元で"harnoli"と呼ばれている

"harnoli"あるいはトウゴマの実とは何か?

(以下リシンの説明)

 

論文

-世界的健康助言に従うことはがんリスクを減らす

Adhering to global health recommendations reduces cancer risk

13-JUN-2023

https://www.eurekalert.org/news-releases/992260

Cancerに発表された、2018年の世界がん研究基金 (WCRF) とアメリカがん研究所 (AICR)のライフスタイル助言に従うことの根拠のレビュー。根拠はさらに積み重なった。

助言内容は

・健康体重維持

・運動

・全粒穀物、野菜、果物、豆を豊富に含む食生活

・ファストフードやその他の脂肪、デンプンあるいは砂糖の多い加工食品を制限

・赤肉と加工肉を制限

・砂糖で甘くした飲料を制限

・節酒

・がん予防のためにサプリメントを使わない

・母親は可能なら母乳を与える

・がんと診断されたらWCRF/AICR助言に従う

 

-PFAS、あらゆるところにPFAS:実験材料はどうして汚れていない?

PFAS, PFAS everywhere: how pristine are laboratory materials?

13-JUN-2023

https://www.eurekalert.org/news-releases/992275

全てのものにPFASが含まれるとき、どうやってPFASの影響を調べる?

Matt Simickらのチームは毒性試験用の養殖場のヒメハヤ、魚用餌などのPFASを調べた。魚と魚用の餌の両方にいろいろな量のPFASが含まれていた。このことから、どんな製品であろうと実験する前にPFAS汚染を確認すべきであることを助言する

Environmental Toxicology and Chemistry

 

-マウスでの研究が食品中の熱でダメージをうけたDNAと遺伝的リスクを関連付ける

Study in mice links heat-damaged DNA in food to possible genetic risks

13-JUN-2023

https://www.eurekalert.org/news-releases/992430

調理をすると食品中のDNAが傷つき、それを食べると吸収されて消費者のDNAに組み込まれて遺伝子変異を誘発するという研究がACS Central Scienceに発表された

Possible Genetic Risks from Heat-Damaged DNA in Food

https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acscentsci.2c01247

(食品中のDNA含量の表がある。この説が正しいならブロッコリーは良くないということになり、糖質制限やってる人達が大変)

 

-Bhopalの爆発は将来世代の障害とがんリスクを上げたかもしれない

Bhopal explosion may have heightened risk of disability and cancer among future generations

13-JUN-2023

https://www.eurekalert.org/news-releases/992086

そして学歴を下げ男の子の生まれる割合を低下させた可能性がある

BMJ Openに発表されたインドの1984年のBhopalガス爆発の健康帰結研究。この事故で有毒イソシアン酸メチルが7kmの範囲で50万人以上に暴露され3万人が死亡した。研究者らはインドの国による家族健康調査(1960-1990年に生まれて2015年にMadhya Pradeshに住んでいる47817人が対象)と1999インド社会経済調査(Madhya Pradeshに住んでいる13369人が対象)を使ってガス漏れ事故の影響を推定した。

 

SMC UK

-特定の栄養素への脳の反応が肥満の人では減衰していて減量しても改善しないことを示唆する研究への専門家の反応

expert reaction to study suggesting brain responses to specific nutrients are diminished in individuals with obesity and are not improved after weight loss

JUNE 12, 2023

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-suggesting-brain-responses-to-specific-nutrients-are-diminished-in-individuals-with-obesity-and-are-not-improved-after-weight-loss/

Nature Metabolismに発表された研究が肥満の人が減量した後の栄養素への脳の反応を調べた

Glasgow大学代謝医学教授Naveed Sattar教授

これは非常に興味深い研究だが、減量して12週間で胃の食品への反応やその形や大きさが変わるのに十分なのかどうかはわかっていない。同様に脳の適応も時間がかかるだろう。従って変化が長く続くと言うためにはこの研究は少なくとも6ヶ月減量を維持している人で再現する必要がある。確認にはさらなる研究が必要だろう。

 

-軽度から中程度の飲酒と心臓の健康についての研究への専門家の反応

expert reaction to study of light-to-moderate alcohol consumption and heart health

JUNE 12, 2023

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-of-light-to-moderate-alcohol-consumption-and-heart-health/

Journal of American College of Cardiologyに発表された研究がアルコールの心血管系リスクへの影響を調べた

King’s College London客員研究員アルコール研究所研究部長Sadie Boniface博士

この研究は軽度飲酒と心血管系疾患の関連のメカニズムについて脳スキャンを使って探ったもので、プレスリリースは論文に合致する。他の多くの研究同様、全く飲まない人達は研究開始時点で健康や社会経済状態の指標が悪い。例えば全くあるいは最小限の飲酒群は高血圧、糖尿病、不安、鬱の率が高く運動量が少なく、教育・雇用・収入レベルが低い。これら交絡要因は解析で調整したと論文は言う。

アルコールには多くの異なる健康影響があり、この研究では中程度飲酒者はがんの率が高く多く飲む人では認知健康状態が悪い。これは他の研究からわかっていることと一致する。なので著者は心臓の健康のためには飲酒ではなく他のストレス軽減法を薦める。

Glasgow大学公衆衛生教授Petra Meier教授

多くの研究が軽度から中程度の飲酒者は全く飲まない人より病気のリスクが低いことを示している。これには多くの説明があり、よく知られた例は社会人口動態的違い、例えば宗教や信仰上の理由で飲まないマイノリティの健康状態が比較的良くないこと、といわゆる病気のために飲めない人、がある。この研究はこれら要因のいくつかには対応しているが対応していないものもある。

Glasgow大学代謝医学教授Naveed Sattar教授

この複雑な研究は何故ほどほど飲酒が心臓発作リスクの低さに関連するのかを探ろうとした。私たちはどんな量のアルコールでも脳卒中や心不全の多さに関連しがんリスクを増やすことを知っている。なのでたとえそれが事実であってもほんの小さなことに集中して飲酒が心臓の健康に良いかのような印象を与えるタイトルは誤解を招くもので、もう捨てるべき古い神話を永続させるものである。

 

その他

-SMC NZ

ニュージーランドは遺伝子組換え規則の更新が必要?-専門家の反応

Does NZ need an update to genetic modification rules? – Expert Reaction

13 June 2023

https://www.sciencemediacentre.co.nz/2023/06/13/does-nz-need-an-update-to-genetic-modification-rules-expert-reaction/

国民党がニュージーランドのバイオテクノロジー規則を更新しゲノム編集や遺伝子組換えを使えるようにする提案をしている。

提案されている利益として、気候変動や病害虫への耐性のある作物、がんや心血管系疾患を治療する技術、農業由来のメタン排出抑制を含む。

これまで首相の主任科学アドバイザー二人、ニュージーランド科学会、植物と食品研究学会、Te Apārangi王立学会が招集したゲノム編集専門家委員会の全てが現在のシステムの更新を支持している。

SMCは専門家のコメントを求めた。

(専門家のコメント略、全員賛成でもない。新技術を認めるとニュージーランドのイメージと評判が悪くなると心配している人もいる。)

 

-安全上の懸念にも関わらず、気分を変えるキノコの販売が大発生

Mood-Altering Mushroom Sales Bloom Despite Safety Concerns

By Sam Ogozalek, Tampa Bay Times MAY 31, 2023

https://kffhealthnews.org/news/article/mood-altering-mushroom-sales-bloom-despite-safety-concerns/

フロリダの大麻販売店が昨年からある種のキノコ抽出物を含む食用大麻を備蓄し始めたとき、州規制当局は直ちに販売を止めるよう命令した。

その店が宣伝していたのはベニテングタケAmanita muscaria由来の気分を変える化合物を少量含むフルーツ風味のグミやその他の製品である。この赤い傘に白い斑点のあるキノコは任天堂のスーパーマリオのゲームやスマーフ、不思議の国のアリスで有名で消費者が所持して食べることはルイジアナ州以外では合法である。

キノコ抽出物を含む製品は各地の店舗やオンラインに出現し、業者は違法幻覚剤であるシロシビンよりマイルドなハイになると、不安や鬱や関節症の緩和目的で宣伝している。

しかし連邦当局やキノコの専門家は警告し、フロリダ規制担当者は取り締まった。キノコとそれに含まれる化合物の使用には深刻な副作用につながる可能性がある。これらに安全性や有効性を確認するヒト臨床試験は行われていない

(規制が追いつかない。毒キノコを食べようとするとは思わない)