[FDA]2023年11月食品成分及び包装材申請のための電子申請プロセスの更新について
November 2023 Update of the Electronic Submission Process for Food Ingredient and Packaging Materials Submissions
November 6, 2023
米国食品医薬品局(FDA)は、FDAの食品添加物安全局(OFAS)へ書類を提出する際のオンライン申請モジュールの更新を発表した。
[HK]法令違反等
-Rappel Conso of France-フランスの規制基準を超えるかび毒(アフラトキシン)のレベルのため、フランスにおけるNinaブランドのGround Egusiメロン種子製品のリコールに関する通知。
Rappel Conso of France – A notice regarding a recall of Nina brand Ground Egusi melon seeds product in France due to the level of a mycotoxin (aflatoxin) exceeding regulatory standard of France.
https://www.cfs.gov.hk/english/rc/subject/files/20231106_1.pdf
[BfR]健康リスク評価のためのガイドライン
GUIDELINE for the assessment of health risks
06.11.2023
https://www.bfr.bund.de/cm/364/guideline-for-the-assessment-of-health-risks.pdf
[CPSC]Dixon TiconderogaはCreativity Street Childrenのアソートクラフトボタンを連邦鉛含量禁止違反でリコール
Dixon Ticonderoga Recalls Creativity Street Children’s Assorted Craft Buttons Due to Violation of Federal Lead Content Ban
November 02, 2023
[RIVM]大量の鉛、カドミウム、水銀、ヒ素の複合暴露は腎障害リスクを上げる
Combined exposure to high amounts of lead, cadmium, mercury and arsenic increases risk of kidney damage
06-11-2023
人々は食品と飲料水から健康に影響する可能性のある化学物質と接触する可能性がある。RIVMは10カ国の成人(18-65才)の鉛、カドミウム、水銀、ヒ素の摂取量を調べた。調べた全ての国でこれら4金属の複合暴露量は多すぎる:最も多く摂取する成人は後の人生で腎障害リスクがある。つまり腎臓がもう機能しなくなる。
カドミウムと鉛が多すぎる
この4つの金属のうち腎障害リスクに主に寄与するのはカドミウムと鉛である。この研究は4金属の複合暴露リスクについてRIVMが行う最初の探索研究である。今後これら金属の血液や尿中濃度についての追加研究が続く。先にRIVMは金属を含む物質への複合暴露の脳の発達への影響を調べた。その時もRIVMはこのグループの物質への複合暴露はおそらく高すぎると結論した。
オランダ栄養センターガイドライン
食品中に鉛、カドミウム、水銀、ヒ素が存在するのはこれらが土壌にあるからである。人々は穀物や内臓からカドミウムや鉛にあまりにも多く暴露される。また野菜や果物、飲料水からも多すぎる鉛に暴露される。
人々がある種の有害物質を摂りすぎているという事実は、必ずしもある種の食品を全く食べない方が良いことを意味しない。食品には多くの健康的で必要な物質も含まれる。健康的な食生活のためにオランダ栄養センターガイドラインに従うように。
この研究はFood Additives & Contaminantsに発表された。
-4つの腎毒性金属の複合慢性食事暴露量は欧州10カ国の成人集団で耐用摂取量を超過する
Combined chronic dietary exposure to four nephrotoxic metals exceeds tolerable intake levels in the adult population of 10 European countries
Corinne Sprong et al.,
Food Additives & Contaminants: Part A, DOI: 10.1080/19440049.2023.2272716
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/19440049.2023.2272716
欧州10カ国:オーストリア、クロアチア、キプロス、チェコ共和国、デンマーク、フランス、イタリア、オランダ、ポルトガル、スロベニア
指標とした数値はエンドポイント特異的参照値(ESRV)で、
カドミウムについては尿中β2ミクログロブリン濃度増加のBMDL05である0.36µg/kg bw/d、
鉛については糸球体濾過速度50%低下のBMDL10である0.20µg/kg bw/d、
無機ヒ素については糸球体濾過速度50%低下のBMDL05である0.49µg/kg bw/d、
無機水銀については尿中タンパクバイオマーカー増加のNOAELである0.75µg/kg bw/d、
[MedSafe]2023年医薬品安全性週間
#MedSafetyWeek 2023
https://www.medsafe.govt.nz/safety/ADR-awareness-week/ADR-reporting-week.asp
11月6-12日は医薬品安全性週間で、全ての人に医薬品の副作用と思われるものは報告するよう促す。
副作用はどこでもおこるので報告して。報告によって医薬品をより安全にできる
[FAO]世界の農業食料システムの隠されたコストは少なくとも10兆ドル
Hidden costs of global agrifood systems worth at least $10 trillion
06/11/2023
154カ国をカバーする健康、環境、社会への隠されたコストは世界のGDPの約10%
2023年版食料農業白書(SOFA)
The State of Food and Agriculture 2023
https://www.fao.org/documents/card/en/c/cc7724en
(温室効果ガス、水、土地、窒素、は食料生産のコストとしてわかるのだが肥満による病気までいれる)
[ASA]自信をもってグリーンについて語る:我々の最新環境研究と新しい組織戦略の発表
Greenspeaking with Confidence: launching our latest environmental research and our new Organisational Strategy
06 Nov 2023
持続可能な広告と環境やグリーン主張について議論し、さらにASAの新しい5カ年戦略を発表するオンラインイベント‘Greenspeaking with Confidence’を11月28日に開催する。
人々がリサイクル可能、生分解性、コンポスト可能及び関連環境用語をどう理解しているかの研究結果も発表する
[EU] SCCS最終意見
-口腔衛生製品に使われる可溶性亜鉛塩-提出II
Water-soluble zinc salts used in oral hygiene products - Submission II
6 November 2023
食事からの摂取量もあわせて考慮し、練り歯磨き中1%までの濃度では1才以上にとって安全。6ヶ月から1才までは0.72%。
マウスウォッシュについては6才以上で0.1%は安全。
-サリチル酸ベンジル
Benzyl salicylate (CAS No. 118-58-1, EC No. 204-262-9)
6 November 2023
https://health.ec.europa.eu/publications/benzyl-salicylate-cas-no-118-58-1-ec-no-204-262-9_en
内分泌攪乱物質の可能性に関する懸念を考慮した上で、表1に提示された最大濃度まで安全である。
入手可能なデータからはサリチル酸ベンジルの作用機序が内分泌に関係することを示唆するものがあるが、それが内分泌影響をもたらすことを示唆する根拠はない。
-ブチルパラベン
Butylparaben (CAS No. 94-26-8, EC No. 202-318-7)
6 November 2023
https://health.ec.europa.eu/publications/butylparaben-cas-no-94-26-8-ec-no-202-318-7_en
内分泌活性に関する懸念を考慮した上で、化粧品の保存料として最大0.14%まで(酸として)の使用は安全
内分泌撹乱活性についての考察は
レベル1:化学構造ではフェノール化合物が理論的にエストロゲン受容体と相互作用する可能性があるのでQSAR予測ではアラート
レベル2:in vitro試験系ではブチルパラベンのエストロゲン活性は内因性17βエストラジオールの1/10,000~1/100,000
レベル3:非GLP実験で子宮重量増加が見られたとの文献がいくつかあるが、投与経路は皮下注射である。これは化粧品評価にとって妥当ではない
レベル4:発がん性、生殖及び発達毒性試験において有害影響が観察されていない
レベル5:検出力のある最先端のGLP多世代試験において、最大4万ppmの経口暴露(3000-7000mg/kg/dに相当)内分泌攪乱や内分泌を介した有害影響が観察されなかった
[NASEM]食品フォーラム30周年シンポジウム
The Food Forum 30th Anniversary Symposium
Nov 30, 2023
https://www.nationalacademies.org/event/40053_11-2023_the-food-forum-30th-anniversary-symposium
過去30年の食品、栄養、農業分野の大きな発展を探り振り返るイベントを開催する
論文
-台湾の肝血管肉腫の新しいリスク要因と分子光景
New risk factors and molecular landscapes of hepatic angiosarcoma in the Taiwanese population
Felicia Chung , Jiri Zavadil J Pathol. 2023 Nov 6.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37929656/
肝血管肉腫の発生率は慢性腎疾患、特に末期腎疾患と強く関連する。またアリストロキア酸暴露の変異の特徴が多い。
(IARCの協力による論文。何の問題もない添加物で騒いでないで天然物によって実際にがんになっていることをもっと強調して啓発すればがんを減らすのに役立つのに。)
-科学のニセ論文問題はどのくらい大きいか?
Natureニュース
How big is science’s fake-paper problem?
06 November 2023 Richard Van Noorden
https://www.nature.com/articles/d41586-023-03464-x
未発表の解析によると数万の「論文工場」論文が文献に紛れている
最も割合が多い分野は医学と生物学
-医師の代替医療の是認とワクチン躊躇:欧州4カ国横断研究
Endorsement of alternative medicine and vaccine hesitancy among physicians: A cross-sectional study in four European countries
Angelo Fasce et al.,
Human Vaccines & Immunotherapeutics 19:2, 2023
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/21645515.2023.2242748
ドイツ、フィンランド、ポルトガル、フランスの合計2787人の医師の調査
全ての国でCAMの是認は、ワクチンへの不信によるワクチンを薦める頻度の少ないことと自分自身のワクチン接種率の低さと患者がワクチンを遅らせることに反対しないことに関連した
その他
-自閉症の子どもに糞便移植を販売・薦めたナチュロパスが免許取り消し
Naturopath loses licence after selling and promoting fecal transplants for autistic kids
Bethany Lindsay · CBC News · Posted: Nov 03, 2023
ブリティッシュコロンビアのJason Klopは専門家としての基準違反を認め罰金にも同意
(腸内細菌何にでも関係すると宣伝されてブームだから)
-技術系の帰結
Technocratic Consequences
Posted by RISKMONGER on OCTOBER 30, 2023
https://risk-monger.com/2023/10/30/technocratic-consequences/
我々は科学者をトップに戻すべきか?
私は最近欧州委員会の、政策における科学の役割についての2日間の会議に参加した。「科学に基づいたEUの意思決定」に関わる1500人以上が参加していた。
(Science for Policy in Europe Conference
Building better science for policy ecosystems
10 - 11 October 2023
https://science-for-policy-europe-conference.blumm.it/s4p-conference)
1990年代から2000年代初めのリスク管理理論勃興期に需要が増えたリスクの専門家がいないように見えたことが驚きだった。用語も変わった。
議論を主導していた大学の研究者は科学的根拠が直接的に政策助言になるかのように話した。彼らは科学的根拠を意思決定プロセスの一部とみなしてはいないようだった。
(長い記事)
-EUの植物交配革新の復活?
Resurrection of Plant Breeding Innovation in the EU?
By Petra Jorasch October 23, 2023
https://european-seed.com/2023/10/resurrection-of-plant-breeding-innovation-in-the-eu/
新しいゲノム技術についてのEUの提案
何故それが問題なのか
慣行同様の植物と製品
カテゴリー2のNGT植物と製品の認可プロセス
規制インセンティブ
提案へのEU種子部門の最初の反応
政治化する可能性がある保守的対応
次は?
-EUが除草剤グリホサートの使用の再認可にむかう中、反化学物質活動家が武器を持って立ち上がる
Anti-chemical activists up in arms as European Union leans toward reauthorizing use of weedkiller glyphosate. Here’s the science EU should consider
Jon Entine | November 2, 2023
環境団体は何を維持している?
研究の言うことは?
(IARCだけがおかしいインフォグラフィクスがある)
-赤色3号とがんの関係はどのくらい現実的?
The Right Chemistry: How realistic is the cancer-Red Dye No. 3 connection?
Joe Schwarcz Nov 03, 2023
ホルモン様活性のあるどんな物質も毒性学者は警鐘を鳴らす
システィーナ礼拝堂の天井のミケランジェロの絵からミラノで甲状腺腫の猫を探し最終的にエリスロシン(赤色3号)の禁止請願について書く。
話は数年前に講演のためミラノに行ったことにはじまる。紀元前一世紀からイタリアの高山帯はヨウ素欠乏による「首の腫れ」(甲状腺腫)が多く、1970年代に塩にヨウ素添加されるようになって劇的に減った。ミケランジェロの描いた創造主は甲状腺腫で自分自身を反映させたという説がある。私はその地域の猫が甲状腺腫になっていないかどうか探した。そして動物の甲状腺の病気を調べたところ赤色3号がラットの甲状腺がんを起こすという論文がたくさんあった。そしてそれを根拠に赤色3号を「発がん性色素」として禁止する請願があり、彼らはカリフォルニアの2027年までに禁止する提案に満足している。
私は色素禁止に問題はないが発がん性というのはどのくらい現実的なのだろうか?反エリスロシンの激しさに誘発されてオリジナル文献を探ってみた。
1907年以降食品添加物として使われてきたエリスロシンへの懸念は1970年代に初めて認識された。構造が甲状腺ホルモンに似ているからで、ホルモン様活性のあるどんな物質も毒性学者は警鐘を鳴らす。1981年の研究で、平均の10倍の1日25mgのエリスロシンを与えた研究では甲状腺機能に影響はみられなかった。その1年後、4%のエリスロシンを含む餌を与えたラットの甲状腺腫瘍が増えた研究でラットが主役に出た。その量は北米の平均摂取量の1万倍であった。1987年のヒトの研究では1日200mgでTSHの増加が示され60 mgではみられなかった。そして1988年に、エリスロシン禁止運動を駆動する試験がJapanese Journal of Cancer Researchに発表される。ラットに発がん性のあることがわかっているニトロソアミンを注射し、それから4%エリスロシン餌を与えた。1ヶ月後に甲状腺を半分切除し、4ヶ月後に屠殺、剖検した。エリスロシンを与えて甲状腺を半分切除したラットは、残った甲状腺により多くの腫瘍を生じた。しかし、エリスロシンを与えたが甲状腺を切除していないラットではそのような影響はなかった。それなのにこの研究が一般的に赤色3号ががんを誘発するとして引用されている。説得力のある根拠とは言えない。ただし食用色素については、禁止にしっかりした根拠は必要だろうか?ベネフィットがないのにどんなに小さくてもリスクをとる必要はある?
(文献はこれ?
The Promoting Effects of Food Dyes, Erythrosine (Red 3) and Rose Bengal B (Red 105), on Thyroid Tumors in Partially Thyroidectomized N-Bis(2-hydroxypropyl)- nitrosamine-treated Rats
Yoshio Hiasa et al.,
Japanese Journal of Cancer ResearchVolume 79, Issue 3 p. 314-319
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/j.1349-7006.1988.tb01593.x)
動画
-赤色3号の何が問題?
What's the deal with Red Dye No 3?
https://www.youtube.com/watch?v=mziScdoaOLg
-コルヒチン、Ben Franklinそして殺人
Cup o'Joe-Colchicine, Ben Franklin and Murder
https://www.youtube.com/watch?v=7QNdfCqRPLo
ベンジャミン・フランクリンは痛風で、フランスでオータムクロッカス(イヌサフラン)が治療に使えると知ってアメリカに導入した。しかしイヌサフランの根の抽出物にコルヒチンが含まれることがわかったのはフランクリンの死後24年経ってからだった。しかしコルヒチンには病気の治療以外にもできることがある-殺人である。
-私はなぜそうなるのかを知らないが、確かにそうなる
Cup o'Joe-I don't know how this works..but it does!
https://www.youtube.com/watch?v=N_F5SyS1C8M
手品のような現象