2024-02-05

[EU]RASFF 2024(0128-0203)

警報通知(Alert Notifications)

ガーナ産パイナップルのエテホン、モロッコ産カイエンペッパーのカドミウム、ドイツ及び英国産乳幼児用調製乳のビタミンB6高含有、英国産オランダ経由ヒヨコ豆粉末のMOSH/MOAH、レバノン産オランダ経由乾燥アプリコットの非表示/誤表示アレルゲン(二酸化硫黄)、カザフスタン産ポーランド経由亜麻仁のクロルピリホス、フランス産飼料用ダイズのブタクサの種子高含有(複数あり)、中国産オランダ経由乾燥海藻のヨウ素高含有、スペイン産冷凍メカジキロインの水銀、ベトナム産粉末シナモンカシアの鉛及び水銀、インドネシア産エビの亜硫酸塩非表示、ポルトガル産陶皿のアルミニウム及び亜鉛の溶出、ブラジル産ライムのクロルピリホス、

注意喚起情報(information for attention)

中国産アシュワガンダ抽出物のエチレンオキシド(合計)、パラグアイ産ピーナッツカーネルのアフラトキシン、米国産フードサプリメントの未承認新規食品エミューオイル、タイ産二枚貝(イヨスダレ)のPFOA、中国産試飲カップの1,3-ジクロロ-2-プロパノール(1,3-DCP)及び3-モノクロロ-1,2-プロパンジオール(3-MCPD)、米国産アーモンドのアフラトキシン、バングラデシュ産米のクロルピリホス及びトリシクラゾール、マダガスカル産バニラパウダーのMOAH(ミネラルオイル芳香族炭化水素)、中国産黄色いポテトスティックの3-MCPD及びグリシジルエステル類、英国産ロブスターの水銀、リトアニア産フードサプリメントのクリシン、トルコ産乾燥イチジクのアフラトキシン及びオクラトキシンA、

通関拒否通知(Border Rejections)

トルコ産生鮮ピーマンのテブコナゾール、トルコ産乾燥イチジクのアフラトキシン(複数あり)、ベトナム産カイヤンの炭酸ナトリウム、エジプト産殻付きピーナッツのアフラトキシン、イラン産ピスタチオのアフラトキシン(複数あり)、エジプト産オレンジのクロルピリホス、パキスタン産米のクロルピリホス、ハーブミックスの未承認物質シルデナフィル、ウクライナ産乾燥リンゴのビフェントリン及びクロルピリホス、インド産ツボクサ抽出物20%アシアチコシドのエチレンオキシド、トルコ産梨のメトキシフェノジド、インド産バスマティ米のクロルピリホスメチル、タイ産乾燥エビのPFNA、セネガル産キハダマグロのヒスタミン、韓国産加工食品の未承認遺伝子組換え生物の存在、トルコ産生鮮ザクロのシペルメトリン、

 

[EU]1月25-26日の化粧品成分についてのワーキンググループの議事概要

SCCS - Minutes of the Working Group meeting on Cosmetic Ingredients of 25-26 January 2024

https://health.ec.europa.eu/document/download/5d2c31ba-b99e-4eb4-881d-40323878f4d1_en?filename=sccs2022_miwg_044.pdf

・新たにO-フェニルフェノールとエチルヘキシルメトキシ桂皮酸エステルの評価委託採択

現在検討中のもの

SCCS - Mandates

https://health.ec.europa.eu/scientific-committees/scientific-committee-consumer-safety-sccs/sccs-mandates_en

・2024年5月29日に化粧品の次世代リスク評価に関するワークショップを計画中、参加は招待者のみ。前回2019年のイベントはThe way forward for assessing the human health safety of cosmetics in the

EU - Workshop proceedings https://health.ec.europa.eu/system/files/2023-01/toxicology_042020.pdf

 

論文

-「メリット」を追求してビタミンDを濫用し急性腎不全になった症例

Vitamin D Abuse in Pursuit of "Gains" Resulting in Acute Kidney Injury.

Mason N, et al. Mil Med. 2024.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37402617/

市販のビタミンサプリメントを自覚しないまま高用量使用したことによる高カルシウム血症とビタミンD過剰症の症例報告

 

-ダイエタリーサプリメント中のドーピング薬の存在:ブラジルの状況の一見

The presence of doping agents in dietary supplements: A glimpse into the Brazilian situation.

Torres CL, et al. Drug Test Anal. 2024.

ブラジルドーピングコントロールラボが2017年から2022年の間に分析したダイエタリーサプリメントについての報告。多くの汚染検体があり、最も多かったのは利尿薬。工場で作られたサプリメントで最も多い禁止物質は興奮剤(覚醒剤)であるが調剤されたサプリメントではタンパク同化物質が多かった。

 

-子どもの異物飲み込み:手術や内視鏡介入の必要性を予測するノモグラフの定義

Foreign body ingestion in children: Definition of a nomogram to predict surgical or endoscopic intervention.

Mantegazza C, et al. Dig Liver Dis. 2024.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37586909/

オープンアクセス

2015年から2020年の間に異物飲み込みでイタリアの24病院に来院した5864人の記録を解析して手術/内視鏡になる傾向を検討した。介入に関連する要因としては異物の種類(ボタン電池、磁石、尖っているものなど)、既往症、流涎、嚥下障害、嘔吐などを同定した

 

-出産前のチアネプチン含有サプリメント使用後の新生児オピオイド離脱症候群

Neonatal Opioid Withdrawal Syndrome Following Prenatal Use of Supplements Containing Tianeptine.

Ikeri K, et al. Pediatrics. 2024.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38213293/

オピオイド受容体アゴニストチアネプチンは米国では医薬品としては認可されていないがダイエタリーサプリメントとして容易に入手できる。これは新生児の重症オピオイド離脱症候群の症例報告。母親がダイエタリーサプリメントを使用していた。

 

その他

-Scienceニュース

飲料水中のフッ素はIQを低下させるか?法廷闘争で疑問が大きく迫る

Does fluoride in drinking water lower IQ? Question looms large in court battle

2 FEB 2024  BYERIK STOKSTAD

https://www.science.org/content/article/does-fluoride-drinking-water-lower-iq-question-looms-large-court-battle

専門家が、フッ素が脳の発達に影響することを示唆する報告を巡って衝突

長く一触即発状態だった科学的闘争が今週新たにサンフランシスコの法廷で活気づいた。

飲料水にフッ素を添加することは子どもたちや成人の虫歯を減らす。CDCは1946年からフッ素の添加を呼びかけていて20世紀の偉大な10の公衆衛生の成果の一つとしている。しかし最初から一部の活動家が有害な可能性について懸念していて過去数十年間、実験動物やフッ素濃度が天然に高い地域での研究で高濃度のフッ素が脳の発達に影響する可能性について示唆してきた。今回注目を集めたのは連邦政府のNTPによる未発表の評価で、推奨される濃度より少なくとも2倍のフッ素を含む飲料水と子どものIQの低さが関連することに「中程度の信頼性moderate confidence」があるとしたことである。フッ素行動ネットワークなどの反フッ素団体はEPAはそのようなデータをもとにフッ素をTSCAによる有害物質として規制すべきだと主張する。

2017年に始まって中断していた訴訟の再開による今週の証言で、原告側の弁護士Michael Connettは水道水で作った乳児用調整乳を与えられている乳児を「最も高濃度のフッ素を与えられている重要な脆弱集団」として強調した。彼はもしEPAが別の化合物に同様の脅威の可能性があることに気がついたら、躊躇無く規制しただろう、という。

EPAやその他は現在の飲料水に助言されている濃度、0.7 mg/Lが脅威になるという強い根拠はほとんど無い、と主張する。

NTPの問題の報告は、2016年から2019年の間にNTPの専門家が行った評価に基づくものだが、当初フッ素を認知発達ハザードと分類していた。しかしNASEMの2つのレビューで根拠に欠けるとされた後で削除している。そしてその報告書はまだ公式に発表されていない。訴訟のために、NTPは393ページの案を公表している。

歯の健康の提唱者たちは、活動家達はこの報告書を歪めて自分たちの都合の良いように使っている、という。米国医師会はNTPにその報告書の科学的限界を強調する但し書きを加えるよう強く求めている

(フッ素がIQを下げるというならお茶飲んでるとIQ低くなることに。)

 

-コンシューマーラボ

製品レビュー メラトニンサプリメントレビュー

Melatonin Supplements Review

February 01, 2024

https://www.consumerlab.com/reviews/melatonin-supplements/melatonin/

2020年の検査より改善していて表示されている量と違うものは無かった。コスト比較ではメラトニン1mgあたり1セントから60セントまであった

 

-私たちは今や子宮頸がんの終わりを思い描くことができる

We Can Now Envision an End to Cervical Cancer

Christopher Labos MD, MSc | 2 Feb 2024

https://www.mcgill.ca/oss/article/medical/we-can-now-envision-end-cervical-cancer

画期的研究が若いときにHPVワクチンを接種した女性ががんゼロだという結果を得た。しかしデマを含む障害は残る

最近のスコットランドの解析についてのニュースを聞いただろう。この結果はWHOによる2030年までに子宮頸がんを根絶するという目標が達成できると信じさせる。根絶が話題になることすら私にとっては信じられない。子宮頸がんはかつては女性のがんによる死因の大きな理由の一つだった。HPVワクチンのベネフィットに疑いはない。さらに最近改良されている。しかし目標達成に障害はある。途上国では資源不足、先進国ではデマが弱点である

 

-農家が希望すべきこと

What the Farmers (Should) Want

Posted by RISKMONGER on FEBRUARY 3, 2024

https://risk-monger.com/2024/02/03/what-the-farmers-should-want/

欧州の主導者達がこの2週間にわたって首都や事務所に座り込んだ怒れる農家の抗議の声を聞かされている。欧州リーダー達は農業問題にどう対応するのか曖昧な言説をしているが、農家が何を望んでいて誰が彼らの代弁者なのか明確にしないと対応は困難だろう

日和見主義者と重機

欧州の首都を重機や堆肥でブロックしているのは多様な農家である。グリーンピースやIFOAMのような声の大きい少数派ではない。彼らが望んでいるのは「意識高い」アグロエコロジー農業への転換、ではない。

問題は?

単一の問題ではない。オランダの農家は環境保護主義の名目で農地を奪われ農業技術を制限された。東欧の農家はウクライナ製品の流入が脅威だと感じている。欧州委員会の提案した全ての規制は農業を制限するものだった。Farm2Fork戦略は農家の意向に敵対するものだった。農家が感じているフラストレーションの一つは、社会、政府が農家の専門性を過小評価していることだ。活動家が気候変動や環境汚染は農業が原因だといい、農家は攻撃され続けるのに疲れた。

Farm2Fork戦略は農業を利益が出ない、さらには不可能なものにするだろうが、農家の意見を聞かずに決めた。この非合理的な広範に影響のある政策は、農業の現場を知らないコスモポリタン狂信者によってデザインされた。農業組合の代表者は農家ではなく銀行員や補助金配布者として動き、農業をすることのためには戦ってこなかった。

重要な要求は、農業をできるようにすること

農家にお金を出すだけでは近視眼的で馬鹿にしている。農家には敬意を払う必要がある。

 

-Edzard Ernst

クルクミン:大規模研究偽装のケーススタディ

Curcumin: a case study of large-scale research fraud

03 February 2024

https://edzardernst.com/2024/02/curcumin-a-case-study-of-large-scale-research-fraud/

いわゆる代替医療法(SCAM)の分野での研究不正のただ事ではない物語が明らかになりつつある。MD Andersonがんセンターでインド系アメリカ人の生化学者として主にクルクミンについて働いていたBharat B. Aggarwalは、クルクミンががんやアルツハイマー病や最近ではCOVID-19などのあらゆる病気に治療薬の可能性があるというMedlineに掲載されている論文125報の著者となっている。最新のものは数ヶ月前発行である。

2012年にAggarwalの仕事に画像操作の懸念が提示され、研究偽装の調査が開始され、最終的に30報が取り下げられ2015年にAggarwalはMD Andersonを退職した。

クルクミンには治療薬としての効果はない。それにもかかわらず毎年クルクミンに関する研究は増え続け、年に2000ほどが発表されている。その多くは研究不正の兆候があり論文工場の関与もある。2020年時点で、NIHはクルクミン関連研究に1億5000万ドル以上使った。これがダイエタリーサプリメントとしてのクルクミンの人気を支えている。

このような壮大な研究不正による損害は計り知れない

 

クルクミンの王:大規模研究不正の帰結

The King of Curcumin: a case study in the consequences of large-scale research fraud

Published by Reese Richardson January 30, 2024

https://reeserichardson.blog/2024/01/30/the-king-of-curcumin-a-case-study-in-the-consequences-of-large-scale-research-fraud/

(Aggarwalが2022年の学会で2018年に取り下げられた自分の論文を引用している様子などが掲載されている。)