2024-02-20

[FSAI]FSAI戦略2025-2029に関するステークホルダーとの協議

Consultation with our stakeholders on the FSAI Strategy 2025-2029

FRIDAY, 09 FEBRUARY 2024

https://www.fsai.ie/news-and-alerts/latest-news/consultation-with-our-stakeholders-on-the-fsai-str

 アイルランド食品安全局(FSAI)は、ステークホルダーに対し、次期2025~2029年の戦略の策定への意見を募集する。

 

[FDA]消費者向け情報

-高齢者のための医薬品の安全性に関する5つの注意事項

5 Medication Safety Tips for Older Adults

02/15/2024

https://www.fda.gov/consumers/consumer-updates/5-medication-safety-tips-older-adults

米国食品医薬品局(FDA)は薬、ハーブ製剤、サプリメントを摂取するときの注意事項について情報提供する。

 

-牧草からコップまで牛乳を安全に保つ

Keeping Your Milk Safe From the Grass to the Glass

02/16/2024

https://www.fda.gov/consumers/consumer-updates/keeping-your-milk-safe-grass-glass

FDAは牛乳と乳製品の安全性と、その背景にある100年の歴史について紹介する。

 

[Health Canada]助言

-ウォータービーズは子どもに命を脅かすスクを引き起こす可能性がある

Water beads may pose life-threatening risks to young children

2024-02-16

https://recalls-rappels.canada.ca/en/alert-recall/water-beads-may-pose-life-threatening-risks-young-children

 カナダ保健省は親や保育者に対し、おもちゃ、アートキット、ストレスボール、フットバス、花瓶の詰め物、ガーデニング用品などに含まれるウォータービーズ(吸水性ゲルビーズ)のリスクについて再度警告している。

 

[EU]水銀:歯科用アマルガムの使用を段階的に廃止することで欧州理事会と合意

Mercury: deal with Council to phase out the use of dental amalgam

08-02-2024

https://www.europarl.europa.eu/news/en/press-room/20240205IPR17416/mercury-deal-with-council-to-phase-out-the-use-of-dental-amalgam

2025年1月1日までに歯科用アマルガムは使用されないようにすべき

水銀を含まない代用品があるにもかかわらず、EUでは毎年約40トンの水銀が歯科用アマルガムに使われている。現在の規則では15才未満の子どもや妊婦、授乳中の女性の治療に使うことを禁止しているだけで、それを2025年1月1日までに、特例を除き段階的に廃止することに合意した。

 

[Medsafe]プソイドエフェドリンの仮承諾に申請提出意向

Intention to submit an application for pseudoephedrine provisional consent

20 February 2024

https://www.medsafe.govt.nz/regulatory/pseudoephedrine-application.asp

もしこの冬販売する予定の風邪やインフルエンザの薬のプソイドエフェドリンの認可を申請する予定なら2024年2月28日までにMedsafeに情報提供するように。

政府がプソイドエフェドリンを含む風邪薬を処方薬から制限つき医薬品に分類変更することを発表し、それにより人々は薬局で処方なしに買えるようになる。

詳細は2月22日官報告知予定

 

参考

SMC NZ

プソイドエフェドリンの復帰

The return of pseudoephedrine – Expert Reaction

20 February 2024

https://www.sciencemediacentre.co.nz/2024/02/20/the-return-of-pseudoephedrine-expert-reaction/

最新の法案でNZの薬局で風邪薬の市販が戻ってくる

プソイドエフェドリンを含む医薬品は2009年にメタンフェタミンの違法合成に使われる可能性があるとして制限された。

SMCは専門家のコメントを求めた

Massey大学SHORE & Whariki研究センターChris Wilkins教授

薬局で販売される風邪薬のプソイドエフェドリン禁止は2009年の首相のメタンフェタミン行動計画の一環だった。当時は国内で小規模のメタンフェタミン生産が行われていてそれに対応した。それからメタンフェタミンの国際流通は大きく変わり犯罪組織が関与するようになった。薬物市場はダイナミックで根強く、再び犯罪が増加しないように政策も対応する必要がある

Auckland大学薬学部Rhys Ponton博士

2011年に薬局からプソイドエフェドリンが消えたのはメタンフェタミン製造の前駆体となる懸念のためだが、その制限はニュージーランドでのメタンフェタミンの流通や使用を抑制しなかった。結果的に制限で最も影響を受けたのは鼻づまりに苦しむ人達だった。プソイドエフェドリンはフェニレフリンに代えられたが、フェニレフリンは経口では治療効果がなく、昨年FDAが公式に公表した。点鼻スプレーは短期的には効果があるが使用を止めるとかえって鼻づまりがひどくなるリバウンド作用があり長期使用では鼻腔に相当なダメージを与える。プソイドエフェドリンの復帰はより安全で効果的な製品を提供するだろう。

プソイドエフェドリンの復帰がメタンフェタミンの違法提供にどう影響するかは不明である

(食品ではないけれど薬学の人には興味深い話よね?)

 

論文

-米国成人における全体および痛みの管理のための補完医療アプローチの使用

Use of Complementary Health Approaches Overall and for Pain Management by US Adults

Richard L Nahinet al.,. JAMA 2024 Jan 25:e2326775.

https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2814472

2002年から2020年の間に、鍼、ガイドによる筋肉リラクゼーション、マッサージ、ナチュロパシー、ヨガ、カイロプラクティック、瞑想、の使用が19.2%から36.7%に増加。増加率が大きいのはヨガ、最も多く使われているのは瞑想。痛みへの使用が多い。

 

-THE LANCET

米国規制機関がPFAS管理を高める

US regulators escalate PFAS controls

Paul Webster Published:February 17, 2024

THE LANCET WORLD REPORT| VOLUME 403, ISSUE 10427, P601, FEBRUARY 17, 2024

多くの州で規制が導入される予定、一方CDCは医師向けガイダンスを更新した

Safer Statesが2024年2月8日に発表した解析によると今年米国でPFASの管理や禁止などの政策を導入する予定なのは35州。提案されている対策は食品包装への使用禁止や水や下水の検査や監視強化、消火設備への使用制限などが含まれる。多くの州ではPFASを化合物のクラスとして扱っている。個別の化合物への対策だと同じような化合物で代用されるだけだからである。

一方化学業界は反論している。米国化学工業協会(ACC)は2月8日の大統領宛文書で「過度に広範なPFAS制限」を非難し、経済影響解析を求めている。

米国連邦政府では約2ダースの機関や事務所がPFAS関連活動を行っており、ホワイトハウスによると「Biden-Harris政権で最大の科学政策対応になっている」。これらはEPAが主導し、EPAは2024年初期に極めて低濃度の飲料水規則を実施するだろう。

一方CDCは1月18日に臨床医向けファクトシートを更新した。2019年のものより血液検査について大きく取り上げたものになっている。米国のほぼ全ての人が測定可能な量のPFASを血中にもっている、と新しいガイダンスは言う。「検査は一部の人にとってはある種のPFASに暴露されていることを理解して暴露削減の役に立つ可能性がある。また安心材料になるかもしれない」という。2022年にPFASの血液検査拡大を強く勧めたNASEMの委員会の座長だったNed Calongeコロラド公衆衛生大学副学部長はCDCの新しいガイダンスはNASEMの助言に「概ね適合している」と歓迎する。

ACCの広報はCDCの論拠について「暴露量を知りたいので血液検査をしたいことは理解する。」という。しかし同時にPFAS全体が有害であるかのような言及は誤解を招く、と苦言を呈する。

CDCのPFAS健康研究アドバイザーのBrown大学公衆衛生学部のDavid Savitz疫学教授はCDCがPFAS危機を医師向けに単純化したのは正しいという。「これらの化合物に高濃度暴露されたくないこと、それらは広範な有害影響があることについては十分わかっている」

(立場によって引用するところが違う。CDCガイドラインの「検査は不必要な不安を引き起こす」部分は無視されている。疫学の人は化学物質の解像度が低すぎる。)

 

チェコ共和国がヘキサヒドロカンナビノールを禁止した最新の国

Czech Republic latest country to ban hexahydrocannabinol

Ed Holt

THE LANCET WORLD REPORT| VOLUME 403, ISSUE 10427, P604, FEBRUARY 17, 2024

いくつかの国は既に健康のため半合成カンナビノイドHHCの禁止あるいは販売制限を行っている

チェコ共和国はHHC含有お菓子を食べて12人の子どもが入院したのを受けてこの半合成カンナビノイドの販売を制限した。

一部の専門家は、単にある物質を禁止するだけでは代わりに他のものが使われ、かえって悪くなる可能性があるという。フランスでは昨年HHCを禁止したところ数ヶ月で別の化合物が出回った。

規制の法が禁止よりはいいだろう。子どもに販売されないように管理できる。

(薬物入りお菓子を禁止することには反対するのにただのお菓子にはやたら厳しいLancet.大麻キャンディなんかいらないと思う)

 

その他

-SMC UK

高タンパク質摂取とアテローム性動脈硬化を一部マウスで一部ヒトで調べた研究への専門家の反応

expert reaction to study looking at high protein intakes and atherosclerosis, some data in mice and some in people

FEBRUARY 19, 2024

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-looking-at-high-protein-intakes-and-atherosclerosis-some-data-in-mice-and-some-in-people/

Nature Metabolismに発表された研究が高タンパク質摂取とアテローム性動脈硬化をしらべた

Sheffield大学心臓病学教授Robert Storey教授

この研究はタンパク質の多い食事が、動物由来タンパク質により多く含まれている成分によって、心臓発作や脳卒中のリスクに寄与する反応の引き金を引く根拠を提供する。

高タンパク食を食べると血中ロイシン濃度が増加しそれが血管を裏打ちする白血球の一種を刺激する。この仕事は高蛋白食の健康影響の可能性について懸念を提示する。再現性があるかどうか等さらなる研究が必要だ。

英国心臓財団主任科学者で医務官Bryan Williams OBE教授

タンパク質は重要な食事成分だが、摂りすぎると血管壁が詰まる可能性があるという根拠が増えつつある。健康のためには、タンパク質をほどほどに含む健康的食事がいまだ最も重要なことのひとつである。

Aston大学医学部登録栄養士で上級講師Duane Mellor博士

この論文はヒトでの研究二つと実験室とマウスでの白血球の研究を組み合わせたもので、解釈には注意が必要である。この研究で説明されているような「食事」をするのはプロテインシェイクを定期的に飲むような人だけであろう。つまり健康的な食事と考えられるものとは相当異なる。またヒトで長期試験をするのは困難なのでマウスを使っているが解釈には注意が必要。

King’s College London栄養と食事名誉教授Tom Sanders教授

これは興味深い研究で、単核球/マクロファージでのmTORC信号伝達経路の活性化によるアテローム性動脈硬化促進におけるロイシンの役割を調べた。高摂取群のタンパク質は1日35gのタンパク質(鶏胸肉145gあるいは乾燥ホエイプロテインパウダー40g)を余分にとることに相当する。現在高タンパク質食が流行しているのでさらなる研究が重要である

Surrey大学ヒト栄養学名誉教授D Joe Millward教授

ロイシンがmTORC1を活性化するのは新しい知見ではなく、筋肉などでタンパク質摂取後に示されている。それを良い影響としてアスリートや高齢者などにタンパク質摂取を増やすよう勧められた。ただし根拠はほとんど無い。また減量目的で高タンパク質食にすることがあり、この研究はそれらの人達にリスクがあると示唆するが問題は複雑である。

最初に、疫学研究では心血管系疾患と高タンパク質摂取に幾分かの関連が示されているが最も強い根拠は植物タンパク質の有益性である。それがロイシンが少ないせいなのかどうかはわからない。二つ目は減量中の高タンパク質食は減量によるCVDリスク削減があるのでアテローム性動脈硬化を誘発する可能性は低いだろう。三つ目にヒトには習慣的に高タンパク質食の場合アミノ酸を速やかに排出する適応能力があるためロイシン濃度はそこまで上がらない可能性がある。

全体としてこの論文は食事タンパク質の議論に大いに貢献するだろう。

その論文

Identification of a leucine-mediated threshold effect governing macrophage mTOR signalling and cardiovascular risk

Xiangyu Zhang et al., Nature Metabolism volume 6, pages359–377 (2024)

https://www.nature.com/articles/s42255-024-00984-2

(プロテイン業界はどう反応するだろう?)

 

-ホメオパシーとがん-私はチャールズ国王が両方を遠ざけることを望む!

Homeopathy and cancer – I hope King Charles avoids them both!

Edzard Ernst  08 February 2024

https://edzardernst.com/2024/02/homeopathy-and-cancer-i-hope-king-charles-avoids-them-both/

ここ数日、チャールズ国王がホメオパシーでがんを治療すると思うかと何度聞かれたことだろう。彼がホメオパシーを何十年も推進してきたから。しかし先に指摘したように、彼はホメオパシーやその他の証明されていないがん治療法を使うことはなく、おそらく現在利用できる最も有効な治療を受けるだろう。

 

-Nature書評

都市の緑化:必要か贅沢か?

Greener cities: a necessity or a luxury?

19 February 2024 By Timon McPhearson

https://www.nature.com/articles/d41586-024-00477-y

都市部の木や公園はヒト健康と環境改善にとって必須か、あるいは単なる中から上流階級のジェントリフィケーションのアイディアにすぎない?二つの本が正反対の見解を議論する

Des Fitzgerald 著「生きている都市:都市が偉大であるために緑化が必要ではない理由The Living City: Why Cities Don’t Need to Be Green to Be Great」 Basic Books (2023)

A Ian Goldin and Tom Lee-Devlin 著「都市の年齢:何故我々の未来はともに勝つか負けるかなのかAge of the City: Why our Future will be Won or Lost Together 」Bloomsbury Continuum (2023)