2024-03-14

[COT]COT会合:2024年3月26日

COT Meeting: 26th March 2024

Last updated: 13 March 2024

https://cot.food.gov.uk/%C2%A0COT%20Meeting%3A%2026th%20March%202024

議題掲載

・2月8日の会合の議事録

https://cot.food.gov.uk/Draft%20Minutes%20of%20the%206th%20February%202024%20COT%20Meeting

(ベンチマークモデリングについての議論等、おもしろいので読むべき)

・食品と接触するものを製造するためのLINPAによるリサイクルPET除染プロセスの評価についての安全性助言(非公開)

・丸ごとの野菜や果物の表面処理用E401(アルギン酸ナトリウム)の使用条件を変更する申請への安全性助言(非公開)

・植物ベースの飲料についてのCOT/SACN合同ワーキンググループ報告書二次案(非公開)

・ビスフェノールAについての意見表明第五次案

https://cot.food.gov.uk/Fifth%20Draft%20Interim%20Position%20Statement%20on%20Bisphenol%20A

改訂部分はPDFのほうがわかりやすい

https://cot.food.gov.uk/sites/default/files/2024-03/TOX-2024-%2013%20BPA%20Position%20Statement%20March%202024%20Acc%20V%20SO.pdf

・食品添加物としての二酸化チタンについての第四次声明案

・海洋に向かうプラスチック(OBP)の安全性についてのFCM JEG意見表明(バックグラウンドペーパーは非公開)

https://cot.food.gov.uk/sites/default/files/2024-03/TOX-2024-15%20FCMJEG%20position%20statement%20on%20ocean%20bound%20plastic%20Acc%20V%20SO.pdf

開放された環境中から海洋環境に入る前に回収されたプラスチック(要するにゴミ?)を食品接触物質に使う場合の安全性について

現在コントロール下でのPETリサイクルの場合には3 mg/kgの汚染物質参照値があるが、それはOBPは考慮していない

・食品と接触する物質中の竹バイオ複合材料のヒト健康リスクの可能性

https://cot.food.gov.uk/sites/default/files/2024-03/NON-RESERVED%20TOX-2024-09%20%20-%20Bamboo%20Call%20for%20evidence%20Acc%20V%20SO.pdf

・COT2023年年次報告書案

・FSAの科学助言委員会の作業更新

 

[USDA]アメリカの朝食:アイオワ、ミネソタ、ウィスコンシンからあなたに届けられる

Breakfast in America: Brought to You by Iowa, Minnesota and Wisconsin

Mar 13, 2024

https://www.usda.gov/media/blog/2024/03/13/breakfast-america-brought-you-iowa-minnesota-and-wisconsin

2022農業統計の紹介

(統計はともかくトップページの朝食の写真https://www.usda.gov/が如何にもアメリカだったので。)

 

[FTC]FTCは乳児用調整乳供給攪乱報告書を発表

FTC Issues Infant Formula Supply Disruptions Report

March 13, 2024

https://www.ftc.gov/news-events/news/press-releases/2024/03/ftc-issues-infant-formula-supply-disruptions-report

2022年の米国の乳児用調整乳供給攪乱の詳細について記述した報告書

今後の乳児用調整乳供給をより回復力のあるものにするために政策決定者が検討すべきことも示す。

報告書は以下から

Infant Formula Supply Disruptions Report

March 2024

https://www.ftc.gov/reports/infant-formula-supply-disruptions-report

第一章:2022年の供給攪乱の詳細

第二章:米国乳児用調整乳産業が一部企業のみに集中してきた歴史

第三章:米国の乳児用調整乳の半分以上を占めるWIC(婦人児童向け栄養強化計画)の割引契約の特徴と競争への影響

第四章:現在のFDAの乳児用調整乳規制枠組みと歴史的文脈としての1970年代後半のSyntex乳児用調整乳スキャンダル

 

FTC長官と報告書議長からの声明

Statement Of Commissioner Rebecca Kelly Slaughter joined By Chair Lina M. Khan And Commissioner Alvaro M. Beodya Regarding FTC Staff Report: “Market Factors Relevant to Infant Formula Supply Disruptions”

March 13, 2024

https://www.ftc.gov/legal-library/browse/cases-proceedings/public-statements/statement-commissioner-rebecca-kelly-slaughter-joined-chair-lina-m-khan-commissioner-alvaro-m-beodya

 

(注:1970年代後半のSyntex乳児用調整乳スキャンダル

1970年代の粉ミルク規制が緩かった時代に、大豆ベースのミルクの主要メーカーSyntex社が1978年にミルクの組成を変更した。同社の栄養士の一人が塩を排除すべきと主張し、結果として塩素が足りなくなった。包装に組成は表示されず同社の科学者は塩素レベルを検査しなかったためこの変更は気がつかれなかった。

1978年10月までにSyntexのミルクを飲んでいた乳児が100人以上、血中化学物質のバランス不良による希な疾患であるバーター症候群になったと報告された。Syntex社は製品を回収したが一部は年末まで店舗に残っていた。Syntex社長は「医学の専門家が赤ちゃん用の食品に塩を入れるのは悪いことだと主張し消費者団体もそれを強く支持した。多くの会社が製品から塩を取り除いて賞賛されている」と述べ、塩を取り除いたのは善意からだと主張した。その後政府の調査と民事訴訟が続いた。

その後1980年9月に乳児用調整乳法が成立、以降何度か改訂されている

ちなみにその塩を取り除けと主張した栄養学者はSidney Sapersteinで、

国際的に有名なミルクアレルギーの乳幼児の研究者で、ミルクの代用品をデザインした

Syntexは1981年に乳児用調整乳販売を止めている)

 

[FSA]2024年2月消費者調査(Consumer Insights Tracker)

Consumer Insights Tracker February 2024

12 March 2024

https://www.food.gov.uk/research/consumer-interests-aka-wider-consumer-interests/consumer-insights-tracker-february-2024

FSAは、毎月のオンライン追跡調査である消費者調査(Consumer Insights Tracker)の結果を発表した。

<2024年2月の主な調査結果>

・消費者の懸念事項のトップ3は依然として食料価格(88%)、食料の貧困と不平等(76%)、超加工食品又は過剰加工食品(75%)である。

・来月に食料を買えるかを懸念している消費者の割合は減少傾向にある(2023年7月には28%が不安を感じていたが、2023年12月には25%、2024年2月には22%に低下)。

 

[FDA]警告文書

-Spirochaete Research Labs, LLC aka Scitus Laboratory Products

MARCH 08, 2024

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/spirochaete-research-labs-llc-aka-scitus-laboratory-products-674278-03082024

未承認の医薬品、不正表示の問題。刺激性医薬品で製品に塩化アンモニウム、水酸化アンモニウム、ポリアクリル酸ナトリウム及び/又は炭酸ナトリウムの成分を含む。

 

-Boehringer Ingelheim Animal Health USA

MARCH 01, 2024

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/boehringer-ingelheim-animal-health-usa-674535-03012024

虚偽かつ誤解を招く表示、不正表示の問題。動物用医薬品のSenvelgo(velagliflozin経口液)成分の問題。

 

[FDA]FDAは特定のサプリメントの代わりに有毒なキバナキョウチクトウ(Yellow Oleander)が使用されていることについて警告を発表する(2024年1月)

FDA Issues Warning About Certain Supplements Substituted with Toxic Yellow Oleander (January 2024)

March 12, 2024

https://www.fda.gov/food/alerts-advisories-safety-information/fda-issues-warning-about-certain-supplements-substituted-toxic-yellow-oleander-january-2024

 更新情報。米国食品医薬品局(FDA)はこの安全性に関する警告で特定された製品に関連する有害事象の報告を引き続き受け取る。最新のリストが掲載されている。

 

[NASEM]アルコールと健康についての根拠のレビュー

Review of Evidence on Alcohol and Health

https://www.nationalacademies.org/our-work/review-of-evidence-on-alcohol-and-health

議会からの要請で現在の科学的根拠をレビューし報告する。この研究はアメリカ人のための食事ガイドラインの次の版に貢献するだろう

直近のイベント

2024年3月28日会合3

 

[WHO]2022年の世界の子どもの死亡は過去最低-国連報告

Global child deaths reach historic low in 2022 – UN report

13 March 2024

https://www.who.int/news/item/13-03-2024-global-child-deaths-reach-historic-low-in-2022---un-report

進歩はしたが、世界のどこかで5才になる前に490万人の、あるいは6秒に一人の、子どもが死亡している

Levels & Trends in Child Mortality

Report 2023

https://childmortality.org/wp-content/uploads/2024/03/UN-IGME-2023-Child-Mortality-Report.pdf

 

 

その他

-中年のがん死亡低下

Cancer deaths plummet in middle-aged people

13-MAR-2024

https://www.eurekalert.org/news-releases/1037493

BMJに発表された Cancer Research UKの研究によると英国の中年の人々のがんによる死亡は過去25年間で急減した

・35-69才のがん死亡率は25年間で1/3以上減った

・禁煙政策、予防、早期検出計画、効果的治療の結果

・増加しているがんもあり、まだ減らせる

進歩と課題 予防可能なリスク要因

・タバコ

・感染症

・紫外線暴露

・アルコール

・肥満と過体重

 

-Natureニュース特集

なぜこんなにも多くの若い人々ががんになる?データから言えること

Why are so many young people getting cancer? What the data say

13 March 2024 By Heidi Ledford

https://www.nature.com/articles/d41586-024-00720-6

現代の謎の手がかりは何世代も前に集められた情報に隠れている可能性がある

50才未満の成人で1ダース以上のがん発症率が増加している理由について。

肥満の増加や早期のがん検診だけでは説明できない。

社会的不平等、腸内細菌、遺伝子などいろいろな説が提示されている

 

-世界には金持ちを養う余裕はない理由

Why the world cannot afford the rich

12 March 2024  By Richard G. Wilkinson & Kate E. Pickett

https://www.nature.com/articles/d41586-024-00723-3

持続可能性のためには平等が不可欠である。科学は明確である-より平等な社会にすむ人々はより信頼でき環境を保護する

図:豊かな人と貧しい人の間の格差が大きい国ほど健康統計が悪く、暴力がひどく汚染している

(アメリカが特にひどいけれど。日本は同じくらいの格差の国より指標がいいことはどう説明するのか。とりあえず環境のためと称して金持ちの道楽を推進するのは悪手)

 

-SMC UK

リンゴ酢が肥満の体重管理に役立つという研究への専門家の反応

expert reaction to study saying apple cider vinegar aids weight management in obesity

MARCH 12, 2024

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-saying-apple-cider-vinegar-aids-weight-management-in-obesity/

BMJ Nutrition, Prevention & Healthに発表された研究が、肥満の青少年と小さい子どもたちの体重管理のためのリンゴ酢を調べた

Navarra大学予防医学と公衆衛生教授Miguel Ángel Martínez González教授

時間をかけていくつかの繰り返し測定を行っているが、この手の縦断研究での繰り返し測定に適切な統計手法が使われていない。T検定のみを使っているようである。さらに参加者の食事全体、カロリー摂取の変化や野菜果物の摂取量など、を記述していない。

簡単に言うと、これは注意が必要である、たくさんの注意が。

 

-バングラデシュでのSDN-1と SDN-2ゲノム編集植物の研究と放出のための標準実施要領(SOP)

Standard Operating Procedures for Research and Release of SDN-1 and SDN-2 Genome Edited Plants in Bangladesh - 2023

https://bangladeshbiosafety.org/bangladesh-doc/sop-genome-edited-plants-bangladesh-2023/

バングラデシュ農業省の農業研究評議会によるバイオセーフティ規制文書

 

-二日酔い予防-誇大宣伝か希望か?

Hangover Prevention – Hype Or Hope?

By Jim Mitroka — March 11, 2024

https://www.acsh.org/news/2024/03/11/hangover-prevention-%E2%80%93-hype-or-hope-17712

ZBioticという会社があなたに同社の製品、アセトアルデヒドを代謝する酵素を作る微生物、が二日酔い予防に有効だと信じさせたがっている。あなたは信じる?

製品のウェブサイトによると、特許を取得した、酒を飲んだ次の日をうまく切り抜けるのに役立つ遺伝子組換えプロバイオティクスであるという。しかしこれはサプリメントとして販売されていて、サプリメントには有効性への規制上の要件はない。宣伝の主な根拠は体験談で、おそらく効果はないだろう。

 

-AMA(米国医師会)

医師とナチュロパスの違いは?

What's the difference between physicians and naturopaths?

FEB 26, 2024 .  By Timothy M. Smith

https://www.ama-assn.org/practice-management/scope-practice/whats-difference-between-physicians-and-naturopaths

医療については教育は重要。患者もそれをよく知っている。なのにほぼ教育されていない、医師ではない州の免許を得て医療を提供しているナチュロパスがいる

(医師会があはき業者の教育の貧弱さを告発するといった趣の記事)