[FSA]2024年3月のFSA理事会
March 2024 FSA Board Meeting
20 March 2024
https://www.food.gov.uk/news-alerts/news/march-2024-fsa-board-meeting
英国食品基準庁(FSA)理事会が開催された。議題は、食品由来疾患、精密育種、規制対象製品の改革に関する最新情報、戦略的リスク管理、ガバナンスのレビュー等に関して。
[FDA]リコール
- Pyramid Wholesale社は、シルデナフィル(バイアグラ)やタダラフィル(シアリス)などの表示されない処方薬が含まれているとして、性的強化のためのダイエタリーサプリメントとして販売されている様々なブランドの製品のリコールを発表。
Pyramid Wholesale Issues Recall of Various Brands of Products Sold as Dietary Supplements for Sexual Enhancement Because They Contain Undeclared Prescription Drugs Including Sildenafil (Viagra) and/or Tadalafil (Cialis)
March 20, 2024
[FDA]医薬品の健康詐欺と医薬品詐欺の回避についてCynthia Ng氏との対話
Medication Health Fraud and Avoiding Medication Scams with Cynthia Ng
03/19/2024
病気や状態を診断、治癒、軽減、治療又は予防について、証明されていない、虚偽の、又は誤解を招く表示の医薬品のマーケティングを含む医薬品健康詐欺について、不正医薬品担当のCynthia Ngとの対話。FDAのポッドキャストは以下。
https://www.fda.gov/media/176699/download
[FDA]警告文書
-Skull Smash LLC
MARCH 13, 2024
未承認の医薬品、不正表示の問題。刺激性医薬品で炭酸ナトリウムの成分を含む。
-Furst-McNess Company
MARCH 12, 2024
医療用飼料のCGMP違反、不純製品、モネンシン成分の問題。2023年8月21日、過剰なモネンシンのため、ヤギ飼料について自主的なクラスIリコールを実施している。
[ODS]プレスリリース
-ODS更新情報:ダイエタリーサプリメント研究の標準物質の利用が可能になる
ODS Update:Use of Reference Materials in Dietary Supplement Research Now Available
March 19, 2024
https://content.govdelivery.com/accounts/USNIHODS/bulletins/39022ac
ダイエタリーサプリメント研究分野における重要なツールとしての標準物質(RM)の使用を実証する3つの最新の文献を紹介。(ブラックコホシュ、葉酸、ビタミンDについて)
-CARBONへの資金募集に関する通知が発表される
New CARBON NOFOs Published
March 19, 2024
https://ods.od.nih.gov/Research/Dietary_Supplement_Research_Centers.aspx
NIH CARBON:Consortium for Advancing Research on Botanical and Other Natural Products(植物及びその他の天然物に関する研究推進コンソーシアム)プログラムの資金募集に関する通知。
[ヘルスカナダ]ニコチン補充療法に関するカナダ保健大臣の声明
Statement from the Minister of Health on nicotine replacement therapies
March 20, 2024
カナダ保健大臣がニコチン補充療法、特にニコチンパウチが娯楽用に使われることの拡大に関する懸念を発表する。
ニコチン補充療法は成人が禁煙するための補助であり、誤用は重大な結果につながる。
*若者への宣伝とニコチン補充療法へのアクセスのリスクに対処を目的とする通知
Notice of Intent to address risks of youth appeal and access to nicotine replacement therapies
-認可されたニコチンパウチのみを指示に従って使用し、未承認のニコチンパウチは使用しないこと
Only use authorized nicotine pouches as directed, and do not use unauthorized nicotine pouches
2024-03-20
カナダ保健省は若者のニコチンパウチ使用について注意を促す。
[HK]法令違反等
-CFSは包装済みキノコパウダーのサンプルにエチレンオキシドが含まれていることを確認する
CFS finds ethylene oxide in sample of prepackaged mushroom powder
Tuesday, March 19, 2024
https://www.cfs.gov.hk/english/press/20240319_10898.html
食品安全センター(CFS)は、香港産包装済みキノコパウダーのサンプルを収集し、検査の結果、サンプルにはエチレンオキシドが含まれていることが判明した。
[SFA]2つの食品が安全でなく、医薬品成分が混入されていることが確認された
Two food products found to be unsafe and adulterated with medicinal substances
20 March 2024
シンガポール食品庁(SFA)は、勃起不全の治療に使用される強力な処方薬であるタダラフィルが混入した2つの食品「HUNTER HONEY’」と「DYNAMINT X」を検出した。消費者に製品を購入又は消費しないよう助言する。
[RIVM]報告書
-合成ピレスロイドと水質
Synthetic Pyrethroids and Water Quality
19-03-2024
https://www.rivm.nl/publicaties/synthetic-pyrethroids-and-water-quality
植物保護製品としての認可と地表水の水質基準は異なる法律によるため、認可基準を満たしていても水質基準を超えることがある。
3種の合成ピレスロイド(デルタメトリン、エスフェンバレレート、ラムダシハロトリン)は使用量はわずか0.1%なのに水質への影響の90%の原因であることがわかっている。これらの使用削減が水質を大きく改善する。この研究ではオランダの合成ピレスロイドの販売、排出、環境中動向、毒性、地表水中や下水処理施設での存在についての各種研究でわかっていることをまとめた
-健康、環境、持続可能性クレームを表示した消費者製品:有害健康影響の兆候?
Consumer products with health, environmental and/or sustainability claims: indications for adverse health effects?
19-03-2024
「ナチュラル」「オーガニック」「ビーガン」などを宣伝した消費者製品が増えている。これらは健康、環境、持続可能性クレームとみなされる。消費者はしばしばそのような宣伝をしている製品がより健康的および/または安全だと考える。問題はその想定が正しいのか、これら製品は害があるか、である。人体にとってある化合物が天然だろうと人工だろうと差はない。
RIVMは広範な消費者製品のうち、「ナチュラル」「オーガニック」「ビーガン」を表示したパーソナルケア用品に焦点を絞った。成分の化合物を同定しそのうち最もよく使われていた35成分についてさらに調査した。
多くの成分は通常の使用による害はなさそうだったが、「植物成分」には懸念があった。これにはアレルギー反応を誘発する可能性のあるリナロールやリモネンが含まれる可能性があり、さらに重金属や農薬も含まれるかもしれない。多くの植物成分にはハザード情報があまりなく、さらなる研究が必要である。
またRIVMは消費者製品にしばしばみられる健康、環境、持続可能性クレームとその意味を集めた。「ノントキシック」「~を含まない」「低アレルゲン性」などのクレームは消費者にとって意味が明確ではない。またいくつかのクレームは規制違反のようだった。
RIVMは表示の意味やクレームは消費者にとってより明確になることが重要と考え、さらなる情報収集を薦める。欧州委員会は最近新しいラベルとクレームの規制強化案を提示した。
[ASA]補完代替医療
Complementary and alternative medicines
CAP News 21 Mar 2024
https://www.asa.org.uk/news/complementary-and-alternative-medicines.html
CAMは健康と福祉への全体的アプローチに役立つ可能性があるが、宣伝販売者は根拠の質について注意する必要がある。
・カイロプラクチェィック/オステオパシー-あなたの主張をアジャスト
しっかりした臨床上の根拠がない限り赤ちゃんや妊婦への広告は認められていない
・ホメオパシー医薬品と宣伝-少なければ少ないほど強い
ホメオパシーは医薬品規制の対象である。
ホメオパシーの基本原則は一般的に受け入れられるものではないため、一般治療用として使えるクレームは少ない
・その他のセラピー-許容されるクレームの相場を知る
広告基準では、販売業者はしっかりした文書による根拠を持っていなければならない
(マタニティカイロとかたくさん出てくる日本のwebは無法地帯。)
[APHIS]APHISは規制状態レビュー対応を発表
APHIS Issues Regulatory Status Review Responses
Mar 20, 2024
以下の遺伝子組換え(ゲノム編集含む)植物
・Yield10 Bioscience社の、種子油の質を改善(EPAやDHAを産生)した二つのカメリナ
・Bayer Crop Science社の、除草剤耐性キャノーラ
・Nuseed社の、製品の質を改善(EPAを産生)し除草剤耐性のキャノーラとブラウンマスタード
・Hjelle Advisors社の、製品の質を改変(葉と種子にタンパク質が多い)した大豆
・ミシガン州立大学の、疫病耐性ジャガイモ
・ウイスコンシン大学の、THCとCBDの量が少ない麻
[NASEM]体組成、体脂肪分布、肥満の測定についての科学を探る
ワークショップの概要
Exploring the Science on Measures of Body Composition, Body Fat Distribution, and Obesity
Proceedings of a Workshop Series (2024)
肥満と健康の指標としてのBMIの強みと限界、臨床的、人類学的展望が主な話題。肥満についてのメッセージを改善するための課題やデマ、バイアス、烙印などについても。
[EPA]全国農業デーにMichael S. Regan EPA長官の声明
Statement by EPA Administrator Michael S. Regan on National Agriculture Day
March 19, 2024
最近EPAに農業農村オフィスをつくり、環境を守りつつ生産性の高い活力ある農業を確保するための実行可能で科学に基づいた政策を作ることを支援する。
また農場牧場地方に関する助言委員会からの政策助言(https://www.epa.gov/system/files/documents/2024-03/frrcc-recommendations-final-feb-2024.pdf)とそれへの回答(https://www.epa.gov/system/files/documents/2024-03/24-02746-ao-response-letter.pdf)を報告する。
(環境政策に食料生産を支えている農家からのインプットを無視するなという話。)
-USDA
National Agriculture Day: How USDA is Growing a Climate for Tomorrow by Transforming our Food System Today
Mar 19, 2024
論文
-食品安全政策を始める根拠:オーストラリアフードバンクに寄付された食品の質と安全性の評価
Evidence for initiating food safety policy: An assessment of the quality and safety of donated food at an Australian food bank
Sharonna Mossenson et al.,
Food Policy Volume 123, February 2024, 102589
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0306919223001872
・食品安全法は食品事業者を規制しているが、多くの場合慈善活動での食品は対象ではない
・オーストラリアフードバンクに寄付された食品の96%は安全で寄付の38%はスーパーマーケット
・4%の安全でない食品の90%はスーパーマーケットからの寄付
・フードバンクの食品が必要な人達が健康上脆弱であることを考えると全ての寄付食品が安全であることを確保しなければならない
・寄付食品への規制枠組みが必要
(見た目と日付だけで分類しているようだ)
-減量用注射薬について知っておくべきことは何?
JAMA Internal Medicine Patient Page
What Should I Know About Injectable Weight-Loss Medications?
March 11, 2024 Andrew Kraftson,; Dina Griauzde
https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/fullarticle/2816062
患者向けに使い方や副作用などを説明
これらの薬は高価で、保険が全額をカバーしないだろうとも
その他
-全米菓子協会(NCA)
NCAはFDAに、提案されている食品添加物禁止法案を巡る議論におけるデマに対応するよう求める
NCA Calls For FDA Action, Challenges Misinformation In Debate Over Proposed Food Additive Bans
20 Mar 2024
FDAが認可しているいくつかの食品添加物の禁止を目指した州レベルでの提案のラッシュに対してNCAは対抗している。メディアが広く報道しているが立法者やNGO、活動家、報道関係者は説明責任を果たさず事実もチェックしていない。残念ながらこれらの禁止案は虚偽を前提としている。
2023年秋にカリフォルニアが食品添加物禁止を採択して以来、イリノイ、ニューヨーク、ペンシルベニアなどが同様の提案を検討している。一方インディアナ、メリーランド、サウスダコタ、ワシントン、ウエストバージニアでは同様の法案は科学的根拠がないとして却下された。同様にケンタッキーの立法者は最近食品安全規制は事実に基づき規制の専門家によって作られるべきとの決議が採択された。
こうした議論で悪用されている不注意な修辞は消費者に食品添加物が有害でアメリカの食品安全システムは間違っていると信じさせる。実際にはそうではない。
-SMC NZ
喫煙者と電子タバコ使用者のエピジェネティック変化-専門家の反応
Epigenetic changes in smokers v. vapers – Expert Reaction
20 March 2024
新しい国際研究によると、電子タバコ使用者は頬の内側の細胞のDNAが喫煙者と同じように変化している
SMCは第三者専門家にコメントを求めた
(あとで)