2018-12-14

[EU]健康-EUニュースレター226-特集

Health-EU Newsletter 226 – Focus

12/13/2018

https://ec.europa.eu/health/health-eu-newsletter-226-focus_en

あなたは食べたものでできている-そして健康的で持続可能な欧州フードシステムが役にたつ!

オーストリア雇用社会問題健康消費者安全省の母子及びジェンダー関連健康栄養ユニット長Karin Schindler博士が「健康的で持続可能な欧州フードシステム」をテーマに開催した最近の会議についてと何故この問題が重要でタイムリーなのかについて語る。

フードシステムに関係する人たちの対話と協力が必要。

 

[RIVM]PFOAの健康ベースのガイダンス値についての議論

Discussion regarding health-based guidance value of PFOA

Publication date 12/13/2018

https://www.rivm.nl/en/news/discussion-regarding-health-based-guidance-value-of-pfoa

EFSAPFOSPFOAの暫定的健康ベースのガイダンス値を発表した。この値はRIVM2016年に導出した健康ベースのガイダンス値の15倍厳しい。RIVMEFSAの発表した健康ベースのガイダンス値の科学的根拠に疑問があり、結論が暫定的であることから、現時点では以前の助言を変更する計画はない。EFSA2019年にほかの過フッ素化化合物暴露のリスク評価を行う予定で、その際にPFOAの暫定的結論をレビューする。RIVMは可能ならそこでEFSAと協力する。

EFSAに対してRIVMBfRとデンマークEPAが疑問を提示)

RIVMが指摘したのは主に疫学研究データの解析と解釈についてである。RIVMEFSAが助言の根拠にした科学論文はガイダンス値を導出するのに十分なデータを含まない、という意見である。さらにPFOAやその他の過フッ素化化合物への暴露が疫学研究で同定された変化を引き起こしたのかどうか、あるいは引き起こしたとしたらどの程度なのかが不明である。最後にRIVMはガイダンス値を導出するのに使われた解析法に疑問を提示した。

疫学研究の観察は物質へのヒト健康影響を調べるのに極めて価値がある。そのためこの種の研究を健康ベースのガイダンス値の導出に使うことは薦められている。疫学研究から健康ベースのガイダンス値を導出するという概念は新しく開発されてきたものなのでどうやって使うべきかについてはまだ議論が続いている。

RIVMは一般的にはEFSAの導出した健康ベースのガイダンス値には従う。RIVMが違う意見を述べるのは極めて異例である。EFSAは現在過フッ素化化合物についての意見を最終化していてPFOAについては暫定値をレビューするだろう。RIVMは関心をもって見守る。

(最近EFSAの評価にヘンなのが目立つのでそういう人(とにかく基準は厳しくしたい人)が入ったのだろうと思っている)

 

[MHRA]赤ちゃんと子ども用の生歯ゲルは薬局でのみ売られる

Teething gels for babies and children to be sold in pharmacies only

13 December 2018

https://www.gov.uk/government/news/teething-gels-for-babies-and-children-to-be-sold-in-pharmacies-only

リドカインを含む製品は2019年から薬局でのみ販売される

こうした医薬品は、医薬品によらない方法では緩和できない場合にのみ使われるべきである。MHRAのレビューによると生歯のために医薬品を使わない選択肢の前にリドカインを含む製品を使うことによる利益に根拠がない。こうした医薬品は広く使われているがそれに関連するリスクは極めて小さい。

歯が生えるのは自然のプロセスで、リドカイン含有生歯製品は医療の専門家に相談した後に第二次選択肢としてのみ使うべきである。

 

-医療者向けガイダンス

Oral lidocaine-containing products for infant teething: only to be available under the supervision of a pharmacist

https://www.gov.uk/drug-safety-update/oral-lidocaine-containing-products-for-infant-teething-only-to-be-available-under-the-supervision-of-a-pharmacist

(そもそも乳歯が生えるときに痛いからむずかるというのが迷信なのでは。乳歯痛いのって抜けるときだよね?)

 

[Codex]次回会合は国際的関与を強化するために食品安全性の未来に焦点を絞る

An upcoming conference will focus on the future of food safety to boost international commitments

13/12/2018

http://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1174736/

FAO, WHO, WTO 及びアフリカ連合が共同開催する「食品安全の未来―知識を人々と経済と環境のための行動に変える」を全体テーマにしたイベントが2019年初めにエチオピアとスイスで開催される。コーデックス事務局も協力。

 

[FSAI]英国のEU離脱の影響の可能性

Potential Impact of BREXIT

Thursday, 13 December 2018

https://www.fsai.ie/news_centre/brexit_survey_2018.html

FSAIは現在BREXITがアイルランドの食品部門や食品安全規制に与える影響を評価している。この計画を援助するため、意見を歓迎する。簡単に調査に協力して欲しい

(アイルランドは確かに対応に苦慮するだろうな)

 

論文

-オーガニック食品は気候にとってより悪い

Organic food worse for the climate

13-Dec-2018

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-12/cuot-ofw121318.php

有機栽培された食品は慣行栽培された食品より気候への影響は大きい、理由はより多くの土地を必要とするから。Natureに発表された新しい国際研究。

スウェーデンのChalmers工科大学の参加した研究。

研究者らは土地の使用による気候影響を評価する新しい方法を開発し、それを使って有機栽培と慣行栽培による食糧生産を比較した。結果はオーガニック食品のほうがより温室効果ガス排出量が大きいことを示した。

「我々の研究はスウェーデンにおける有機エンドウ豆栽培は慣行栽培より気候への影響が50%程度大きいことを示した。作物によってはもっと大きな差がある。例えばオーガニックスウェーデン冬小麦は70%近くの差になる」とStefan Wirsenius准教授は言う。

何故こんなに有機栽培が悪いのかは、一ヘクタールあたりの収量が少ないからである。主な理由は肥料を使わないことによる。オーガニック食品を同じ量作るためにはより広い土地が必要になる。

この新しい研究の画期的なところはこの土地使用の差がオーガニック食品を気候変動への影響を大きなものにしている、という結論である。

「オーガニック農業でより多くの土地を使うと間接的に森林破壊による二酸化炭素の排出量増加につながる」とStefan Wirseniusは説明する。そしてオーガニックの肉や乳製品はさらに悪い。

(中略)

消費者の視点

Stefan Wirseniusはこの知見は意識の高い消費者はオーガニックでない食品を買うようにすべきという単純なことを意味するわけではないと注記する。「しばしばどの食品かのほうがより重要である。例えば普通の牛肉よりオーガニックエンドウ豆やオーガニックチキンのほうが気候にはよい。オーガニックには動物の福祉については慣行より良いだろう。しかし気候変動についてはオーガニックは悪い」

もし気候変動への影響を増やさずにオーガニック食品の良い点に貢献したいと思うなら、消費者としては牛肉や羊肉やチーズを豆や野菜に置き換えるのがいいだろう」

(オーガニックの唯一の拠り所の動物の福祉のメリット全否定)

有機農業は消費者の健康や動物の福祉や環境を主張している。そのような主張は正当なものだがオーガニック食品のほうがより健康的で環境に優しいという科学的根拠がない。

(昨日のこれと同じ論文

政府や研究者は効率の悪い土地利用が気候変動に与える影響を過小に評価している

Governments, researchers underestimate impact of inefficient land-use on climate change

12-Dec-2018

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-12/pu-gru121118.php

このプレスリリースはスウェーデンの大学からなのでスウェーデンの事例を紹介しているが論文では栽培法だけではなくビーガンやバイオエタノールなどいろいろなシナリオを紹介している

Assessing the efficiency of changes in land use for mitigating climate change

Timothy D. Searchinger et al.,Nature volume 564, pages249–253(2018)

https://www.nature.com/articles/s41586-018-0757-z)

 

-定期的に外出するのは高齢者の鬱予防になる

Regular trips out guard against depression in old age

13-Dec-2018

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-12/cup-rto121318.php

British Journal of Psychiatry。映画や劇場や博物館に定期的に出かけることは高齢者の鬱発症リスクの低さと関連する

英国加齢縦断研究English Longitudinal Study of Ageing (ELSA)50才以上の2000人以上のデータから。

 

-MON 810 NK603 GMトウモロコシ:ラットの健康や代謝に影響は検出されない

MON 810 and NK603 GM Maize: No effects detected on rat health or metabolism

13-Dec-2018

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-12/ind-m8a121318.php

INSERMによるToxicological Sciences20181210日発表された研究によると、ラットに6ヶ月間GMあるいは非GMトウモロコシを与えたところ何の有害影響も検出されなかった。二つの超高感度ハイスループット技術:トランスクリプトミクス(遺伝子の発現をみる)とメタボロミクス(身体機能由来化合物をみる)を使用したが差はなかった。

フランス生態学省のRisk'OGM 計画であるGMO 90+プロジェクトによる、INRACNRSINSERMなどが参加する大規模研究

The GMO90+ project: absence of evidence for biologically meaningful effects of genetically modified maize based-diets on Wistar rats after 6-months feeding comparative trial

https://academic.oup.com/toxsci/advance-article/doi/10.1093/toxsci/kfy298/5236972

オープンアクセス

(それでもフランスではセラリーニの勝ちなのだから科学はマス・ヒステリーの前では無力だよね)

 

その他

-ビタミンDとオメガ3についてのVITAL(極めて重要な)ニュース

VITAL News About Vitamin D and Omega-3s

by Wellness Letter

Published December 11, 2018

http://www.berkeleywellness.com/supplements/vitamins/article/vital-news-about-vitamin-d-and-omega-3s

NEJM201811月に発表されたVITAL研究について。

この研究はビタミンDとオメガ3カプセルが健康な人の心血管系疾患やがんを予防するかどうかに答えようとした画期的なもので、全体的な答えはノーである。二次エンドポイントとサブグループ解析で幾分かのポジティブな影響が見られているがそれは疑った方が良い。この知見はビタミンDとオメガ3の熱狂を冷やすべきことを示す。しかし支持者や宣伝業者はほんの僅かな二次解析の根拠を宣伝に使うだろう

(ビタミンは病気や欠乏の場合に効果があるからといって健康な人に勧められるものではない。だから不足していない人に不足してると脅迫して宣伝する。栄養士がそのような悪事の片棒担いではいけない)

 

-Natureニュース

今年のベスト科学画像:写真で見る2018

The best science images of the year: 2018 in pictures

13 December 2018

https://www.nature.com/articles/d41586-018-07684-4

 

2018年の文化:今年のベストサイエンスブックとショー

2018 in culture: Best science books and shows of the year         

12 December 2018

https://www.nature.com/articles/d41586-018-07745-8

(恒例の年末記事が出始めた・・・)

 

イタリアの科学者がワクチンの安全性調査資金に抗議

Italian scientists protest funding for vaccine-safety investigation

13 December 2018 Giorgia Guglielmi

https://www.nature.com/articles/d41586-018-07464-0

イタリアのNational Order of Biologistsがワクチンの安全性に疑問を持つ団体に1万ユーロ与えた。

ワクチン接種義務に反対している団体CorvelvaがイタリアNational Order of BiologistsONB)から1026日に1万ユーロを受け取りこのお金でワクチンの安全性と有効性を調べると発表した。Corvelvaは未発表の研究で一部のワクチンに不純物が含まれていたり有効成分が入ってなかったりしたのを発見しているのでこのお金が必要だという。

ONBVincenzo D’Anna総長はNatureのメール取材に、真に独立したワクチン研究が必要だという。大学や公的機関による仕事は普通ワクチン製造企業の影響を受けていると彼は言う。

しかし多くの科学者は追加研究の必要性を否定しONBの決定に困惑している。ONBはイタリアの生物学の立場の認証機関で5万の会員から年間120ユーロを集めている

(以下長い記事略。大学と公的機関までを企業の手先とみなす陰謀論は珍しい。イタリアの反科学の病は深刻なようだ)

 

-ロメインレタスの大腸菌アウトブレイクはサンタバーバラ郡の農場まで追跡された

Romaine Lettuce E.Coli Outbreak Tracked To Santa Barbara County Farm

December 13, 2018

https://sanfrancisco.cbslocal.com/2018/12/13/lettuce-e-coli-outbreak-tracked-santa-barbara-county-farm/

(農場の名まえ出すんだ

Adam Brothers Family Farms

http://www.adambros.com/

家族経営とはいえグローバルGAP認証

貯水池(の堆積物)に菌が発見されたとのこと。

この記事が気になる

https://www.andnowuknow.com/shop-talk/adam-bros-produce-sales-kevin-jordan-discusses-new-organic-program-shipping/robert-schaulis/58725

20186月に、労働力が著しく不足している中「オーガニックロメインレタスを新しく始めるところ」と言っている)

 

-気候共有地の選択

Choices in the climate commons

Scott Barrett

Science  14 Dec 2018: Vol. 362, Issue 6420, pp. 1217

気候変動は存在の重要性に関わる共有地の悲劇である。今週国連気候サミットで対応の必要性を確認した。しかしその合意した同じ国が避けるべき結果を招く行動をするだろう。1995年に最初のサミットが開催されて以来、この言行不一致は毎年繰り返されてきた。これは非合理的な行動パターンであるが説明はできる。アメリカの生態学者Garrett Hardinの古典「共有地の悲劇」は50年前の今週発表されたものだが、こうした行動を引き起こす板挟みを活き活きと記述している。

(以下略)

悲劇再び

Tragedy revisited

Robert Boyd et  al.,

Science  14 Dec 2018:Vol. 362, Issue 6420, pp. 1236-1241

1968年のScience1213日号で、生態学者のGarrett Hardinが「共有地の悲劇」というタイトルで「共有地での自由は全てをダメにする」と主張した。それから50年、このエッセイは多くの分野の議論に影響してきた-批判もある。この記念すべき号でScienceは専門家を招いてそのような悲劇についての現代的見解とどうやってそれを避けるかについていくつか聞いた。

AMRも取り上げられている)

 

-SMC NZ

十大科学ニュース2018   

Top Ten Science Stories of 2018

13 December 2018

https://www.sciencemediacentre.co.nz/2018/12/13/top-ten-science-stories-of-2018/

国内科学ニュース

・プラスチック問題 使い捨て買い物袋禁止

Mycoplasma bovis

・メタンフェタミン汚染中古住宅

Meningococcal Wアウトブレイク

・気候変動政策

・バイオセキュリティを巡る争い

・農業における遺伝子編集

1080に注目

・泡消火剤(PFOS PFOA

・精神保健

 

国際科学ニュース

・火星の有機物

・ラウンドアップ裁判

Stephen Hawking死亡

・気候変動

・遺伝子編集食品規制

DNAデータベースを使って犯人逮捕

・遺伝子編集ベビー

・ロシアのスパイの中毒

Cambridge Analyticaスキャンダル(フェイスブック)

・暗号通貨暴落(ビットコイン)