2019-01-11

[NSW] リコール:生アプリコットカーネル

Recall: Raw Apricot Kernels

11 January 2019

http://www.foodauthority.nsw.gov.au/news/recallsandadvisories/product-recall-raw-aprioct-kernels

Tamex Import Export社はトルコ産の生アプリコットカーネルがバイオトキシン(シアン化水素酸)に汚染されているとして回収措置。製品写真あり。

 

[HK] 銀杏―毒性のある種子をもつ生きた化石

The Ginkgo – A Living Fossil with Poisonous Seeds

19 Dec 2018

https://www.cfs.gov.hk/english/multimedia/multimedia_pub/multimedia_pub_fsf_149_01.html

衛生署衛生防護センターが201811月に銀杏の実の毒に関する症例を発表した。市民に調理していない銀杏の実は摂取しないよう、また銀杏の実の一日摂取量を制限するよう注意を呼び掛けた。

 

[HK] 法令違反 包装ゼリーが栄養表示規則に違反している

Prepackaged jelly not in compliance with nutrition label rules

Thursday, January 10, 2019

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20190110_7291.html

食品安全センターが検査したところ、日本のORIHIROブランドのORIHIRO KONNYAKU JELLY STANDING LITCHI 130gにおいて、砂糖が0g/130gという申告のところ、5.8g/100gであった。

 

[NHS]「ケトダイエット」に関する血圧の警告はヒトには当てはまらない可能性がある

Blood pressure warnings about the 'keto diet' may not apply to humans

Wednesday January 9 2019

https://www.nhs.uk/news/food-and-diet/blood-pressure-warnings-about-keto-diet-may-not-apply-humans/

「はやりのケトダイエットはあなたにとってよくないものか」Mail Onlineは問う。

見出しは人気上昇中のケトダイエットに言及する。この食事は高脂肪食品と低炭水化物食品を食べることを含む。

身体は一般的にエネルギーのために炭水化物を使用するのだが、この食事はエネルギー供給源の代用として、身体に脂肪を燃やすことを「強制する」ことを目的とするものである。これは減量を促進する手助けとなり得る。

研究者はラットのひとつのグループに高脂肪食を与え、もうひとつのグループに通常の食事を与えた。4週間後、研究者は高脂肪食のラットは、通常食のラットと比較して、血圧が約20%上昇することを発見した。しかし、主にラードと齧歯動物の餌(あるいは食事)から成り、比較して使用された通常食よりも高カロリーであったため、研究で使用された高脂肪食を「ケトンダイエット」と言うのは正確でない。この研究はそのようなヒトの食事の影響の可能性に関してほとんどなにもわからない。

この研究(ダール食塩感受性あるいはDSSのラット)で使用されるラットは食事に反応して血圧上昇を示すように特別に育てられ、さらに高脂肪食に対する4週間の反応は「DSSラットに特異なように思われる」と研究者は語った。

健康的な食事となると、減量だけが問題ではない。バランスの取れた食事が、骨を強化することから腎臓を健康に維持するのを助けることに及び、さまざまな効果をもたらす。

減量する必要があり、かつ流行のダイエットからの健康問題の可能性を避けたいならば、NHSの減量ガイド(https://www.nhs.uk/live-well/healthy-weight/)を読んでいただきたい。

 

[FSAI] 哺乳瓶で安全に与えるー搾乳した母乳あるいは調製粉乳

Bottle Feeding Safely - Expressed Breast Milk or Formula

9/1/2019

https://www.fsai.ie/faq/bottle_feeding_safely.html

洗浄殺菌した器具を使用し、搾乳した母乳を安全に保管することが重要である。FSAIは、ウェブサイトやソーシャルメディアのような規制のないソースから母乳をシェアしないよう強く求めている。また、調製粉乳を与える場合の安全な調合や保管の仕方を知る必要性を訴えている。

 

[FSAI] PME Tiger Lilly オレンジシュガーペーストが高濃度のキノリンイエローE104及びポンソー4R E124のため回収

Withdrawal of PME Tiger Lilly Orange Sugar Paste Due to High Levels of Quinoline Yellow E104 and Ponceau 4R E124

Thursday, 10 January 2019

https://www.fsai.ie/news_centre/food_alerts/pme_tiger_lilly_orange_sugarpaste.html

PME Tiger Lilly オレンジシュガーペーストは、キノリンイエロー(E104)及びポンソー4RE124)の両方の濃度が食品添加に関するAnnex II of Regulation (EC) 1333/2008の食品カテゴリーに制定された最大許容濃度以上なので、販売撤収されている。製品写真あり。

 

[FDA]リコール。Happy Together, Inc.は表示されないシルデナフィルとタダラフィルのため製品を全国的に自主回収

Happy Together, Inc. Issues Voluntary Nationwide Recall of Product Due to Presence of Undeclared Sildenafil and Tadalafil

January 8, 2019

https://www.fda.gov/Safety/Recalls/ucm629353.htm

FDAの検査により、Happy Together, Inc.Rhino 5k カプセルにシルデナフィルとタダラフィルが含まれるとして自主回収。製品写真あり。

 

[DEFRA]日本が英国の牛肉と羊肉に市場を開放

Japan opens market to British beef and lamb

Published 10 January 2019

https://www.gov.uk/government/news/japan-opens-market-to-british-beef-and-lamb

20年にわたる長い禁止を解除した。

BSEから20年。)

 

[IARC]新しいIARC長官Elisabete Weiderpass博士就任

New IARC Director, Dr Elisabete Weiderpass, takes office

9 January 2019

https://www.iarc.fr/news-events/new-iarc-director-dr-elisabete-weiderpass-takes-office/

 

[NYC]栄養:砂糖入り飲料

Nutrition: Sugary Drinks

https://www1.nyc.gov/site/doh/health/health-topics/sugary-drinks.page

201917日付で「タバコと炭酸飲料:健康に悪いのはどっち?」という動画を公開している

Which One? | Cigarettes and Soda: Which One is the Health Hazard?

飲料企業は砂糖入り飲料は健康的食生活をしたり運動したりしていれば問題ないと考えさせるように膨大な宣伝費を使っているが、たとえ一本でも1日の推奨カロリーを超える

水を飲もう。ジュースは丸ごとの果物に代えよう。

(砂糖税賛成派は甘味料もジュースもダメで水のみが正解で砂糖はタバコ扱い。)

 

[EU]EUニュースレターから

Health-EU newsletter 227 - Focus

陸上でのオイルやガスの探索や開発は必然的に健康リスクを伴うことを幾分かの根拠が示すが、データは不十分である

Some evidence indicates that onshore oil and gas exploration and exploitation entails health risks, but data is insufficient

https://ec.europa.eu/health/health-eu-newsletter-227-focus_en

SCHEERのメンバーでオイルとガスの専門委員会の座長を務めたPeter Hoet教授による解説。

(評価書の内容についてはともかく、「この作業を始めて驚いたのはこれまで長く探索や開発が行われてきたEUの地域の人たちの健康や環境の両方について科学的評価や監視があまりにも少ないことである。特に米国では同様の活動について多数の研究が行われてきたことを考えると」と書いている。関心があるとデータが増えて有害性を示すものも増える。有害だと名指しされているモノやコトの中には単に研究データが多いだけ、というものもある。典型的なのが「食品」と「食品添加物」で、添加物は安全性試験のデータがあるので毒性がわかって危険だと宣伝されている、食品はデータがないために安全だとみなされている。見えない部分を想像するのは難しい)

 

[EU]査察報告

ハンガリー―農薬の持続可能な利用

HungarySustainable use of pesticides

08/01/2019

http://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4080

20183514日にハンガリーで実施した、農薬の持続可能な利用を達成するための手段の実践を評価するための査察。ハンガリーはEC指令2009/128/ECの要求の実践を目的とした行動をとっている。加盟国国家行動計画の評価やアンケートへのハンガリーの返答で保健衛生・食の安全総局が確認した弱点を対処し、満足のいく説明が提出された。2013-2017年の最初の国家行動計画(NAP)は、指令の要求を満たしていない。さらに、NAPは指令に求められている5年間以内のレビューをしていなかった。総合的病害虫管理の原則の実践を評価するためのシステムが設定されているが、この公的管理は職業的利用者が使用する植物保護製品のわずかな割合しかカバーしていない。

 

[EFSA]意見等

-遺伝子組換えTrichoderma reesei (DPNzb48)由来食品酵素α-アミラーゼの安全性評価

Safety evaluation of the food enzyme alphaamylase from a genetically modified Trichoderma reesei (strain DPNzb48)

EFSA Journal 2019;17(1):5553  9 January 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5553

この食品酵素α-アミラーゼ(4‐α‐d‐グルカン グルカノヒドロラーゼ; EC 3.2.1.1)は、 Danisco US Inc.社がTrichoderma reeseiの遺伝子組換え株で生産している。この遺伝子組換えは安全上の懸念を生じない。この食品酵素には生産生物の生きた細胞や組換えDNAはない。このα-アミラーゼは蒸留アルコール生産や醸造工程で使用することを意図している。全有機固形物(TOS)の残留量は蒸留で取り除かれる。その結果、この利用の食事暴露は計算されなかった。醸造工程に推奨される最大使用量とEFSAの包括的欧州食品摂取量データベースからの個別のデータに基づき、この食品酵素への食事暴露―TOSは欧州人で最大1.701 mg TOS/kg 体重 (bw) / 日と推定された。この食品酵素の遺伝毒性検査は遺伝毒性の懸念を示さなかった。全身毒性はラットの90日間反復経口投与毒性試験で評価された。パネルは最大用量230 mg TOS/kg bw/日を無毒性量(NOAEL)とした。既知のアレルゲンに対するアミノ酸配列の類似性が調べられ、1件の一致が見つかった。パネルは意図した使用状況で食品酵素へのアレルギー感作やこの食事暴露上の誘発反応のリスクは除外できないが、その可能性は低いと考えた。蒸留中に食品酵素の残留物が除去されることから、パネルは蒸留アルコール生産中のこの酵素の使用は安全だと結論した。醸造工程で使用する際には、提出されたデータから算出された暴露マージンは(少なくとも)135となるが、安全性の問題は確認されなかった。

 

-クロマフェノジドの既存MRLsレビュー

Review of the existing maximum residue levels for chromafenozide according to Article 12 Regulation (EC) No 396/2005

EFSA Journal 2019;17(1):5533  8 January 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5533

加盟国が出した情報を検討したが、EUでは現在クロマフェノジドはEUの使用も輸入トレランスも認可されていない。その上、コーデックス委員会はMRLsを設定していない。そのためクロマフェノジド残留物が植物や動物商品に生じることは予想されず、消費者リスク評価は求められていない。それにもかかわらず、EFSAは入手可能な情報から、起こりうる違法な利用に対して施行するためのマーカー残留物定義と定量限界(LOQ)を提案した。

 

-セダキサンの既存MRLsレビュー

Review of the existing maximum residue levels for sedaxane according to Article 12 of Regulation (EC) No 396/2005

EFSA Journal 2019;17(1):5544  8 January 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5544

コーデックス委員会や欧州加盟国機関によりMRLsが設定された。入手可能なデータ評価に基づき、MRL提案が出され消費者リスク評価が行われた。

 

-トリアゾキシドの既存MRLsレビュー

Review of the existing maximum residue levels for triazoxide according to Article 12 of Regulation (EC) No 396/2005

EFSA Journal 2019;17(1):5525 8 January 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5525

規制の枠組みに要求された全ての情報が提示され、消費者へのリスクは確認されなかった。

 

論文

-専門家が如何にコカコーラが中国の肥満科学と政策を形作ってきたかを顕わにする

Expert reveals how Coca-Cola shaped obesity science and policy in China

9-Jan-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-01/b-erh010719.php

The BMJに発表されたハーバード大学の研究。中国で肥満が増えていること、中国はコークの世界で三番目の売り上げの多い国であること、ILSI40年前に米国でコークの社長が作ったものでILSI中国が中国CDCと同じ建物に入っていること、から中国の肥満政策が砂糖禁止や広告禁止をしないで運動推進になっているのはコークの影響だと主張

(日本も砂糖税なんてやってないけどそれはどこの「陰謀」なのかな?中国の肥満はコーラのせいなの?自分たちだけが正しくてそれが実施されないのは悪のせいなのかぁ。じゃあどうして肥満研究論文が増えれば増えるほど肥満が増えるの?)

 

-The Lancet:食物繊維と全粒穀物の摂取量の多さが非伝染性疾患リスクの減少と関連

The Lancet: High intake of dietary fiber and whole grains associated with reduced risk of non-communicable diseases

10-Jan-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-01/tl-pss011019.php

Lancetに発表された一連の系統的レビューとメタ解析で1日に少なくとも25-29g以上の食物繊維を食べることのメリットが明らかになった。

 

-欧州の心血管系疾患と栄養:たくさんの早期死亡が防げる

Cardiovascular diseases and nutrition in Europe: A lot of premature deaths preventable

10-Jan-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-01/mh-cda011019.php

2016年に欧州で心血管系疾患で死亡した430万人のうち210万人は栄養状態が貧しいことの結果である。EU28ヶ国で約90万、ロシアが60万でウクライナが25万。European Journal of Epidemiologyに発表されたGBDのデータを用いた研究。

食事要因による死亡が多いのはドイツ、イタリア、英国、フランス。少ないのはイスラエル、スペイン。国別の特徴ではスウェーデンとノルウェーはナッツや種子の摂取量の少なさが、中央及び東欧では全粒穀物の摂取量の少なさが最大のリスク。アルコールについては考慮していない

 

-マイクロプラスチックはどのくらい危険なのか?

How dangerous is microplastic?

10-Jan-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-01/tuom-hdi011019.php

ミュンヘン工科大学のNatalia Ivleva博士のインタビュー

マイクロプラスチックとは何?

なぜ心配する必要がある?-将来濃度が増えると影響が出てくるかもしれないので

何故マイクロプラスチック汚染の影響がわかっていないのか?-そもそも同定できていない

マイクロプラスチック粒子の同定と検出にはどんな方法が使われている?

あなたの研究の次のステップは?

将来的に全てのプラスチック生産を禁止すべき?-絶対ノー

 

-がん統計2019

Cancer statistics, 2019

Rebecca L.et al.,

: 08 January 2019

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.3322/caac.21551

オープンアクセス

米国がん学会が毎年発表している新たながんの症例数や死亡推定で、過去10年間、がんの有病率は女性では変化無く男性では年2%減少しているが死亡率は毎年1.4および1.8%減っている。全体として1991年から2016年までにがん死亡率は27%減った。人種による死亡率の差が縮小しているものの社会経済状態による差が拡大した

 

 

Science

-エディトリアル 原子力のみなおし

A fresh look at nuclear energy

John Parsons et al.,

Science  11 Jan 2019: Vol. 363, Issue 6423, pp. 105

IPCCの地球温暖化に関する報告書のとおり、もう時間がない。原子力は欧米では既に低炭素エネルギーの主要源で世界でも二番目のものである。既存の原子炉の寿命延長が最も安価な方法である。再生可能エネルギーと原子力は相補的。新しい原子炉を検討しよう。

 

-船は望まない魚を船外に捨てること禁止

Ships banned from throwing unwanted fish overboard

Erik Stokstad

Science  11 Jan 2019:Vol. 363, Issue 6423, pp. 112-113

漁船は望んでいない魚は船外に捨てていて世界的には20%が捨てられている。その多くは死ぬ。EUでは11日からそれが違法になった。科学者はこの方針によりより選択的な漁業方法をとるようになり最終的には資源を増やすと信じているが短期的には業界は困難になり水産データに不具合がおこるだろう。「これはEUの水産政策の最も劇的な変化の一つである」

 

-日本のIWC脱退はクジラにとって良いかも

Japan's exit from whaling group may benefit whales

Dennis Normile

Science  11 Jan 2019:Vol. 363, Issue 6423, pp. 110-111

20181226日の日本のIWI脱退と近海での商業捕鯨再開発表は世界中の批判を浴びたが一部の保全関係者は非難している人たちはポイントを外していると言う。最も重要なことは日本が調査捕鯨の名目での公海での捕鯨を止めることである、とドイツ海洋集団評価の専門家Justin Cookeはいう。クジラ肉の需要が減っていることを考えると、日本の近海で今以上獲ることはありそうにない。国際動物福祉財団の捕鯨専門家Patrick Ramageも同意する。「これはクジラにとってよいニュースである-そしてIWCにとっても。捕鯨に関して食べる食べないで争うことを止めて保全に集中できるからだ」

2018年のブラジルでの会合で日本は商業捕鯨再開のための新しい計画を提案した。それは持続可能な方法だという。IWCはミンククジラは明確に絶滅危惧ではないと認めている。しかし争点は最早保全には無く、反対国は「この荘厳な(majestic)ほ乳類の血を流すことが単純に非人道的」だとして却下した。このことが日本の12月の発表につながった。

日本の商業捕鯨は市場が行方を決めるだろう。ビジネスとして成り立つことを信じる人もいれば疑う人もいる。大手水産企業は興味がないと言っている。ニッチ市場のためのニッチな操業をしつつ徐々に関心が薄れるノルウェーのようになるのではないかとCookeはいう。

(いつものことだけれど国内メディアがまともに伝えない日本の複雑な問題をDennis Normileはきっちり伝える)

 

Nature

-エディトリアル  クジラを救おう、再び

Save the whales, again    p133

10 January 2019 (Vol. 565 No. 7738)

https://www.nature.com/articles/d41586-019-00076-2

日本の突然の国際捕鯨委員会(IWC)脱退は、科学をより重視した新たな鯨類保護をスタートさせる良い機会である。

過去50年で南氷洋のシロナガスクジラは400から2300に、ザトウクジラは7000から97000に増えた。1994年にIWCの科学委員会はある種のクジラについては持続可能な漁が可能であるとし、そのため商業捕鯨再開に期待を抱かせた。しかし捕鯨反対諸国は捕鯨の監視と検証無しには認めないとし、そのこと自体は理解できるが25年経ってもその制度の議論の途中であることは理解に苦しむ。より独立した科学機関がこの行き詰まりを打開する方法を示唆できるだろう。

 

-インドの科学者が学会での非科学的主張に抗議

Indian scientists protest against unscientific claims made at conference

09 January 2019 T.V. Padma

https://www.nature.com/articles/d41586-019-00073-5

インド科学学会が奇妙な信仰の発表の場として使われたのが4年で二回目

16日、研究者のグループがIndian Science Congressの非科学的主張、例えば古代のヒンドゥー人が幹細胞を発明した、に抗議行動を行った。抗議に応えて学会オーガナイザーは来年からスピーカーに要旨の提出を求めるという。

大学の副総長の化学者が古代インドの詩を引用して体外受精と幹細胞を知っていた根拠だと発表した。Natureが取材したが返事がない

 

-ニュース特集

息子を助け臨床試験を修正するためのある父の戦い

A father’s fight to help his sons — and fix clinical trials

09 January 2019

https://www.nature.com/articles/d41586-019-00035-x

息子に除草剤を与えるためのNick Sireauの戦いは希な遺伝病に苦しむ何千人もの人たちを助ける可能性がある

アルカプトン尿症(AKU)にニチシロンが使える、という話

除草剤として開発され魚とラットでの毒性で断念されたがI高チロシン血症治療薬として臨床試験無しに認可された。その後AKUにも有効なはずなので米国で小規模臨床試験が行われたが不運にも失敗し、さらなる臨床試験を行うためにNick Sireauは資金集めに奮闘した

2019年に欧州試験が終了する予定

 

食物繊維は慢性疾患リスクを下げる-専門家の反応

SMC NZ

Fibre lowers chronic diseases risk – Expert Reaction

Published: 11 January 2019

https://www.sciencemediacentre.co.nz/2019/01/11/fibre-lowers-chronic-diseases-risk-expert-reaction/

オタゴ大学の研究者らがThe Lancetに発表した系統的レビューは、食物繊維や全粒穀物の多い食事をしている人々は一連の慢性的で食事に関連した病気の率が少ないことを発見

SMCは専門家のコメントを集めた

オークランド工科大学栄養教授Elaine Rush博士

この研究は疾患と死亡を減らすのに全粒植物をもっと食べるべきだという相当な根拠を呈示する。肉や乳製品などの動物由来食品は食物繊維を含まない。ニュージーランド人にとって手頃な価格で簡単に入手できるよく食べられる全粒穀物は、全粒小麦、粒コーン(缶詰)、玄米、オート麦などがある。また野菜や果物や豆類ももっと食べる必要がある。1日に25-29gの食物繊維を食べる例は以下のようなものである。

(略)

オークランド大学栄養疫学者Kathryn Bradbury博士

この結果は、観察研究から食物繊維を多く摂ることが疾患リスクの低さと関連することについては良い根拠があることを示す。この知見は世界でも大腸がんの多い国であるニュージーランド人にとって意味がある。また近年低炭水化物ダイエットや原始人ダイエットが流行しているが食物繊維の重要さを思い出させる。

 

SMC UK

ケンブリッジ大学MRC疫学ユニットNita Forouhi教授

この研究は重大に受け止める必要があり、英国政府の130gの食物繊維を摂るようにという助言は極めて正しいことを再確認する。しかし平均摂取量は遥かに少ない。

このけんきゅうは総炭水化物摂取については調べていないが、低炭水化物ダイエットが人気になっている中で食物繊維を摂らないことのコストを考えるべきだと示す。

グラスゴー大学代謝医学教授Naveed Sattar教授

これは食物繊維の価値を強調する重要な論文であると思う。しかし栄養研究のほとんどはそうだが、ほとんどの根拠は観察研究によるもので避けられないバイアスには注意が必要である。どちらかといえばこの報告の方向性は事実だろうと思うし著者の結論「食物繊維摂取量を増やすことと精製穀物を全粒穀物に置き換えることを薦めることは健康に利益があるだろう」に合意する

King’s College London栄養学教授Kevin Whelan教授

国の助言はこの知見に一致しているが、問題は多くの英国人がそれだけ食べていないということである。この研究は食物繊維の総量だけではなく繊維の質についても検討している。例えば全粒穀物には有意な健康影響があるが、低グリセミック指数の効果はそれほど説得力はない。

 

その他

-巨大乳業がアメリカの学校給食をミルクで溢れさせようとしている

Big Dairy Is About to Flood America’s School Lunches With Milk

By Peter Robison and Lydia Mulvany

https://www.bloomberg.com/news/features/2019-01-09/big-dairy-is-about-to-flood-america-s-school-lunches-with-milk

農務省がオバマ時代の学校栄養基準を投げ捨てて乳業産業を救う。脂肪と砂糖と塩を増やす

(典型的な陰謀論。オバマ時代の学校栄養基準があまりにも厳しく、例えばミルクはスキムミルク、チーズは塩が多いからダメ、になっていたので、美味しくないのでこどもたちが食べなくなった、それでもう少し緩和しようという話が乳業会とUSDAの陰謀というストーリーになっている。そこに牛乳有害論がくっついている)

 

-食べ物に大麻。食品中CBDは?

Marijuana brings on the munchies. What about CBD in food?

Jan 09, 2019 by Cara Rosenbloom  The Washington Post|

https://www.thespec.com/living-story/9116550-marijuana-brings-on-the-munchies-what-about-cbd-in-food-/

栄養士として、私はいつも新年の今後の食の流行を予想するメールをたくさん受け取る。今年は何人かの専門家がカンナビジオールを含む食品や飲料が増えると予想した。CBDFDAが一部のてんかん治療に認可している。しかし空腹への影響は?CBD入り食品の流行は体重を増やす?摂食障害や鬱などの体重管理に困難のある人にとってどう影響する?私は専門家に聞いてみた。

THCと違ってCBDは空腹感を刺激しないが別のやり方で食欲を増す可能性はある。吐き気を緩和し神経系や消化管を宥めることでもっと食べられるようにする可能性がある

 

-我々の健康的食生活への強迫観念はコントロール不能?

Is our obsession with healthy eating out of control?

By Jenai Engelhard January 10, 2019

https://www.bostonglobe.com/magazine/2019/01/10/the-dark-side-dietary-dogma/tysBcIb3M2qwn42obPOmQI/story.html

絶食から原始人や肉だけダイエットまで、我々の食べ方はますます極端になっている。しかし極端な食生活は必ずしも健康につながらない