[BfR] 栄養補給?錠剤でなく食事で!
Nutrients supply Plate rather than pill!
03/2019, 17.01.2019
BfRは国際緑の週間に食品サプリメントの有益性と健康リスクに関する情報を提供している。
ドイツのおおよそ3分の1の成人が定期的にビタミン剤、ミネラルカプセルあるいはその他の食品サプリメントを摂取している。BfRの代表者であるProfessor Dr. Dr. Andreas Henselは「多くの製品が健康や効能に対する肯定的な効果を約束しているが、健康リスクとも関連がある可能性がある。バランスのとれた多様な食生活が一般的に健康を維持するための最良の基本である」と説明する。ベルリン国際緑の週間にてBfRブースを訪れた人は、自分の食事を補うために特に何が有益となるか、どのように食品サプリメントが身体に影響するか、またいかに信用できない調合が認められるかのすべての状況を知ることができる。「栄養補給?錠剤でなく料理で皿!」 という標語に合わせて、1月18日から27日、BfRは栄養素のテーマをインタラクティブな体験に変える予定である。
BfRは、テレビのシェフがBfR専門家と一緒にどの食品が特に栄養価が高く、それらを調理する一番いい方法について説明する予定である生放送の料理番組を使い、国際緑の週間の際に紹介をする。Adventure Farm (Hall 3.2)のBfR ブース146にて、非常に大きな口がビタミンやミネラルの世界が理解できるようになるクイズに参加するよう、ビジターに話しかけ案内するだろう。これに加えて、興味ある人は誰でも栄養にカルーセルNutrient Carouselや、「正しい買い物は栄養が十分与えられることを意味する」への方向性を示すインタラクティブな栄養のステーションで知識をテストすることができる。幼い子はKids' Rallyにて食品のスーパーパワーを探すことができる。
目的は、消費者に食品サプリメントを慎重に使用するよう敏感になってもらい、消費者にリスクの可能性を説明することである。必要な栄養素はすべて、バランスのとれた多様な食生活により健康的な体に供給されるため、多くの場合、食品サプリメントの摂取は不必要である。特定の場合にのみ、特定の栄養素を食事に補完することが意味をなす。この例は、子供の神経管欠損症(NTD)のリスクを減少させるため子供を望む女性あるいは妊娠初期の女性における葉酸である。さらに、植物を中心とした食事のみをする人はビタミンB12を追加で摂取すべきであり、そうしないと長期的に見れば、欠損症になる可能性がある。ビタミンDの摂取は、食品や日光を介した体内でのビタミンD生成から十分な供給が保証されない場合にのみ推奨される。このリスクがあるグループは乳幼児や皮膚が黒色の人、また運動障害の人、慢性疾患の人及び要介護の高齢者を含む。ビタミンDの過剰摂取は腎臓結石形成のような望ましくない影響の発症をもたらす恐れがある。
ドイツにおいて食品サプリメントは食品として分類され、医薬品とは違って、認可手続きを必要せず、唯一ドイツ連邦消費者保護・食品安全庁(BVL)での登録義務があるだけであるということを消費者は知らないことが多い。安全性の責任は主として、製造業者にある。食品サプリメントの取引を監視することは、製品表示や食品法規規定遵守の管理を含め、ドイツ連邦国家(Laender)の食品監視機関の仕事である。インターネットを介して食品サプリメントを購入する場合、市販されている製品はドイツやヨーロッパの法規規定を遵守していない可能性があるということを考慮に入れるべきである。BfRは消費者が購入前に販売業者が信頼できることを慎重に確認することを勧める。
[EFSA]化学物質混合物の遺伝毒性評価
Genotoxicity assessment of chemical mixtures
EFSA Journal 2019;17(1):5519 16 January 2019
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5519
EFSAの科学委員会はこの文書で化学物質混合物の遺伝毒性評価に関する特性を扱った。EFSAの科学委員会は初めに混合物はできる限り化学的に性質決定するべきだと提案した。混合物の性質決定は他の毒性面にも関連するが、特に遺伝毒性の評価には重要である。混合物が、適切な投与経路を介して個別にin vivoで遺伝毒性だと評価される1つ以上の化学物質を含んでいる場合、この混合物には遺伝毒性の懸念が生じる。完全に化学的に定義された混合物が遺伝毒性の化学物質を含まなければ、その混合物は遺伝毒性に関する懸念はない。混合物に化学的に識別されていない化学物質が一部含まれるなら、識別されていない画分の実験的試験が第1の選択として考慮されるべきであり、実現不可能な場合には、混合物全体の試験を行うべきである。適切に行われた一連のin vitroアッセイ結果でこれらの画分あるいは化学物質全体の試験が明らかに陰性結果を出した場合、この混合物は遺伝毒性の懸念を生じない。in vitro試験が1つ以上の陽性結果を出した場合、in vivoフォローアップ試験を検討すべきである。in vivoフォローアップ試験がの陰性だった場合、遺伝毒性に関する懸念がないという結論に達する前に、不確実性分析でin vivo試験の限界を比較検討すべきである。in vivoフォローアップ試験が陽性だった場合は、この混合物は遺伝毒性の懸念があると結論できる。
-化学物質混合物の遺伝毒性評価に関する声明案についてのパブリックコメント募集結果
Outcome of the public consultation on the draft statement on genotoxicity assessment of chemical mixtures
16 January 2019
https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1539
欧州食品安全機関(EFSA)は化学物質混合物の遺伝毒性評価に関して、2018年7月26日から9月9日までパブリックコメントを募集した。EFSAは16の参加団体から73のコメントを受け取った。この声明は2018年11月22日の科学委員会本会議で議論、承認され、EFSA Journalで発表される。
[EFSA]サポート文書
-タンパク質のアジュバント性/免疫原性評価を支援するための文献レビュー
Literature review in support of adjuvanticity/immunogenicity assessment of proteins
25 January 2019
https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1551
遺伝子組換え植物のリスク評価に基づき、「新たに発現したタンパク質の既知の機能面や構造が、既知の強いアジュバントと似ている場合アジュバント活性を示す可能性があり、申請者はこれらのタンパク質がアジュバントして働くかどうか評価すべきである」。このトピックをさらに掘り下げるために、EFSAはタンパク質のアジュバント性/免疫原性について包括的な文献レビューと批判的評価を調達した。系統的な文献検索や批判的レビューが行われ、関連する論文299件が確認された。
関連文献の評価から浮かび上がったのは、
i)タンパク質のアジュバント性や免疫原性の明確な分類はできない。
ii)アジュバント性や免疫原性を調整できる構造的特徴の知見は、アレルゲン性や交差反応性の文脈で主に治療用タンパク質についてである。
iii)免疫反応を刺激するタンパク質の性質に影響を与える要因には、凝集、熱加工、消化、食品マトリクスなどがある。
iv)様々なタンパク質が免疫調節効果を持つ。
v)タンパク質のアジュバント性や免疫原性のリスク評価には、他の分野から援用できる特別な方法論が必要。
vi)特定の実験条件でのCryタンパク質のアジュバント性や免疫原性はありそうだが、低小用量、経口投与、食品と飼料の加工と消化により、食品や飼料の安全性問題となる可能性はほとんどない。
vii)体が多くのプロセスを誘発することで免疫攻撃に応じるため、免疫反応の誘発は非常に複雑な問題である。
これらの検討に基づき、新しいヒト化動物モデルができて莫大なヒトのデータのうえに人工知能システムを展開する可能性が、食品/飼料のタンパク質のアジュバント性や免疫原性を含む免疫系に関する特定の質問に答える役に立つことを目指す一般的方向性となるだろう。
-一次産品(RPC)モデル:一次産品から摂取される食品まで、フードチェーンの様々なレベルで食事暴露を評価するためのEFSAの能力強化
The raw primary commodity (RPC) model: strengthening EFSA's capacity to assess dietary exposure at different levels of the food chain, from raw primary commodities to foods as consumed
24 January 2019
https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1532
食事暴露は一般的に食品摂取データと発生データを合わせて算出される。EFSAの食品摂取データは包括的欧州食品摂取データベース(包括的データベース)に保管されている。しかしながら、これらのデータには、一次産品(RPCs)で発生データが報告されても暴露評価に使えないものがある。RPCモデルは、包括的データベースをRPC摂取データに変換することにより、このギャップを埋めるためのものである。RPCモデルを用いることでEFSAは23か国からの51の食事調査を含む新たなRPC摂取データベースを作成することに成功した。これらの調査は全部で94,532分野の26,573,088件の RPC摂取記録を含んでいる。RPCモデルが集めた摂取データは手動でチェックされ、ケーススタディで確認された。これらのケーススタディでは、発生データが主にRPCsのために入手できるのに対し、RPC摂取データは化学物質に対する食事暴露を評価するのに適していることを立証した。
[EFSA]意見等
-スピロメシフェンの既存MRLsレビュー
Review of the existing maximum residue levels for spiromesifen according to Article 12 of Regulation (EC) No 396/2005
EFSA Journal 2019;17(1):5579 23 January 2019
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5579
さらなる検討が必要。
-Trichoderma reesei (RF7206株)由来食品酵素リゾホスホリパーゼの安全性評価
Safety evaluation of the food enzyme lysophospholipase from Trichoderma reesei (strain RF7206)
EFSA Journal 2019;17(1):5548 22 January 2019
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5548
食品酵素リゾホスホリパーゼ(EC 3.1.1.5)はAB Enzymes GmbH社が遺伝子組換えTrichoderma reesei RF7206株で生産している。この遺伝子組換えは安全上の懸念を生じない。この食品酵素に生産生物の生きた細胞や組換えDNAはない。食品酵素リゾホスホリパーゼはグルコースシロップの生産用澱粉加工での使用を意図している。全有機固形物(TOS)の残留量はグルコースシロップの生産中の精製段階で除去され、その結果、食事暴露は算出されなかった。遺伝毒性試験は安全上の懸念を生じなかった。全身毒性はラットの90日間反復経口毒性投与試験で評価された。パネルは無毒性量を、調べた最大量927 mg TOS/kg 体重 (bw) / 日とした。既知のアレルゲンに対するアミノ酸配列の類似性が調査され、一致はなかった。意図した使用状況で、この食品酵素への食事暴露上のアレルギー感作リスクや誘発反応は除外できないが、そのような反応が生じる可能性は低い。提出されたデータと意図した食品生産工程中のTOSの除去に基づき、パネルはこの食品酵素は意図した使用状況下で安全上の懸念を生じないと結論した。
-ブロッコリーのトリフロキシストロビンの既存MRL改訂
Modification of the existing maximum residue level for trifloxystrobin in broccoli
EFSA Journal 2019;17(1):5576 21 January 2019
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5576
検証された定量限界(LOQ) 0.01 mg/kgで評価中の作物のトリフロキシストロビン残留物を管理する適切な分析手段が得られた。EFSAは暫定的なリスク評価を行い、トリフロキシストロビンの残留物や代謝物質の1つCGA 321113に算出された暴露は、トリフロキシストロビンの毒性学的参照値を越えなかった。特定の代謝物質の毒性学的特性や、以前MRLsを設定した作物の代謝物質の発生に関するデータが得られていないため、このリスク評価は暫定的である。
-カキ/ 日本の柿、亜麻仁、ケシの実のテトラコナゾールの既存MRLs改訂
Modification of the existing maximum residue levels for tetraconazole in kaki/Japanese persimmon, linseeds and poppy seeds
EFSA Journal 2019;17(1):5577 21 January 2019
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5577
カキ/ 日本の柿、亜麻仁、ケシの実への使用。検討中の作物や動物製品の元となる混合物テトラコナゾールのMRL順守を管理するための適切な分析手段が得られた。提案された用途でテトラコナゾールの残留物は毒性学的参照値を超える食事暴露にはならないだろう。トリアゾール誘導体代謝物質(TDMs)として評価中の作物だけを考慮した暴露評価が行われ、その結果評価された3作物でTDMsに予想された暴露は、TDMsに導出された毒性学的参照値を十分下回っていた。そのため消費者の健康リスクになりそうもない。EFSAはトリアゾール殺菌剤としての全体的なリスク評価を最終化するために必要なデータを入手し説明するよう助言した。
-特定の穀物のアミノピラリドの既存MRLs改訂
Modification of the existing maximum residue levels for aminopyralid in certain cereals
EFSA Journal 2019;17(1):5534 21 January 2019
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5534
大麦、ライ麦、モロコシ、キビ類、オーツ麦への使用。検証された定量限界(LOQ) 0.01 mg/kgで評価中の植物本体と作物のアミノピラリド残留物とその結合体を管理する適切な分析手段が得られた。報告された農業規範によるアミノピラリドの使用から生じる残留物の短期及び長期摂取は消費者の健康リスクになりそうもない。
-根セロリと特定の生鮮ハーブのアクロニフェンの既存MRLs改訂
Modification of the existing maximum residue levels for aclonifen in celeriacs and certain fresh herbs
EFSA Journal 2019;17(1):5545 21 January 2019
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5545
あさつき、パセリ、セロリの葉/ ディルの葉、タイム/ セイボリー、セルリアク/ カブ-セロリの根への使用。検証された定量限界(LOQ) 0.01 mg/kgで検討中の高水位作物のアクロニフェンの残留物を管理する適切な分析手段が得られた。報告された農業規範によるアクロニフェンの使用から生じる残留物への暴露は消費者の健康リスクになりそうもない。
-フェナミホスの農薬リスク評価ピアレビュー
Peer review of the pesticide risk assessment of the active substance fenamiphos
EFSA Journal 2019;17(1):5557 21 January 2019
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5557
結実野菜(すなわちトマト、ナス、キュウリ、ペッパー、ズッキーニ)、草本観賞、苗木(多年草及び草本の種両方)の殺線虫剤としての使用。情報不足と懸念が確認された。
-各種穀物のスピロテトラマトの既存MRLs改訂
Modification of the existing maximum residue levels for spirotetramat in various crops
EFSA Journal 2019;17(1):5589 18 January 2019
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5589
フェンネルとルバーブへのスピロテトラマト、他の小さな果実やベリー類グループ、キウイフルーツ、ニンニクへの使用。意図した農業慣習によるスピロテトラマトの使用から生じる残留物の短期及び長期摂取は、消費者の健康へのリスクを示す可能性は低い。
-サケ科用ビタミンD3の環境への安全性
Safety for the environment of vitamin D3 for salmonids
EFSA Journal 2019;17(1):5540 17 January 2019
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5540
EFSAの動物用飼料に使用する添加物及び製剤又は物質に関するパネル(FEEDAP)は魚の栄養に最大合計量1.5 mg ビタミン D3/kg 飼料での使用は、対象種と消費者に安全だと評価した(2017年)。この評価はノルウェー食品安全機関(NFSA)が提出したデータに基づいていた。NFSAが提出したデータには使用者と環境の安全性に関する新情報が含まれていなかったので、2017年の意見では、使用者と環境の安全性について、ビタミンD3の最大認可量の増量提案の潜在的影響を扱えなかった。NFSAは追加データを提出し、欧州委員会はEFSAにサケ科の栄養添加物としてビタミンD3の環境への安全性に関する新しい意見を出すよう要請した。海に生息する浮遊性微細藻類は、ビタミンD3とプロビタミンD3両方を含む光合成生物の大集団である。海洋性植物プランクトンは全ての海洋食物網の基礎原料として海の食糧全体に分布している。植物プランクトンにより生産されるため、ビタミンD3も水性環境の至る所にあると考えられている。海洋環境にすでに存在するビタミンD3の様々な供給源を考慮すると、最大1.5 mg/kgまでサケ科の補完飼料の飼料添加物として使用する際のビタミンD3の濃度を増しても環境へのリスクを引き起こすことは予想されない。
-離乳子豚用及び豚肥育用技術的飼料添加物としての安息香酸の安全性と有効性
Safety and efficacy of benzoic acid as a technological feed additive for weaned piglets and pigs for fattening
EFSA Journal 2019;17(1):5527 16 January 2019
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5527
この評価中の添加物はフレーク形状で製造された純安息香酸(> 99.8%)である。離乳子豚と豚肥育用に、それぞれ最大含有量5,000 及び10,000 mg/kg 補完飼料で技術的飼料添加物(ph調整剤)としての使用を意図しており、各量で安全である。投与された動物由来食品から懸念される残留物や代謝物質は消費者の暴露に影響を与えない。豚用飼料に技術的添加物として最大含有量10,000 mg/kgまでの使用は消費者に安全だと考えられ、子豚と豚肥育用の飼料原料への使用は環境へのリスクを引き起こさない。安息香酸は離乳子豚と豚肥育用に飼料原料にph調整剤として有効である。
-全ての動物種用香料として使用する際の化学物質グループ20に属する8‐メルカプト‐p‐メンタン‐3‐オン 及び p‐メンタ‐1‐エン‐8‐チオールの安全性と有効性
Safety and efficacy of 8‐mercapto‐p‐menthan‐3‐one and p‐menth‐1‐ene‐8‐thiol belonging to chemical group 20 when used as flavourings for all animal species
EFSA Journal 2019;17(1):5530 16 January 2019
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5530
8‐メルカプト‐p‐メンタン‐3‐オン[12.038] 及び p‐メンタ‐1‐エン‐8‐チオール[12.085] は現在食品の香料として認可されている。FEEDAPパネルは、この2つの化合物は提案された最大使用量(0.05 mg/kg 補完飼料)で対象種に安全だと結論した。使用者、環境に安全上の懸念は生じない。この2つの化合物は食品の香料として使用されているので、有効性の論証は必要ない。
-Glycomer GmbH社が提出した文書に基づくネコとイヌ用飼料添加物としてのカシアガムの安全性
Safety of cassia gum as a feed additive for cats and dogs based on a dossier submitted by Glycomer GmbH
EFSA Journal 2019;17(1):5528 16 January 2019
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5528
各種試験で申請中の半精製カシアガムの変異原性を除外できなかった。それゆえ、FEEDAPパネルはネコとイヌ用半精製カシアガムの安全性を設定できない。
-遺伝子組換えトウモロコシMON 89034 × 1507 × NK603 × DAS‐40278‐9及び起源に関わらない全ての組み合わせの食品及び飼料としての使用、輸入、加工のための認可申請(EFSA‐GMO‐NL‐2013‐112)についての評価
Assessment of genetically modified maize MON 89034 × 1507 × NK603 × DAS‐40278‐9 and subcombinations independently of their origin for food and feed uses, import and processing, under Regulation (EC) No 1829‐2003 (application EFSA‐GMO‐NL‐2013‐112)
EFSA Journal 2019;17(1):5522 16 January 2019
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5522
トウモロコシMON 89034 × 1507 × NK603 × DAS‐40278‐9(4-イベントスタックトウモロコシ)は従来品と4シングルトウモロコシイベントMON 89034、1507、NK603、DAS‐40278‐9を掛け合わせて生産された。GMOパネルは以前にこの4シングルイベントとその4つの組み合わせを評価し、安全上の懸念を確認しなかった。最初の安全性の結論を修正するような、このシングルトウモロコシイベントやその4つの組み合わせの新しいデータは確認されなかった。分子特性、比較分析(農学的、表現型及び組成特性)や毒性学、アレルギー誘発性および栄養評価の結果は、シングルトウモロコシイベントの組み合わせや、その4-イベントスタックトウモロコシに新たに発現したタンパク質の組み合わせは、食品及び飼料の安全性や栄養上の懸念を生じないことを示した。GMOパネルは、この申請書で説明されているように、この4-イベントスタックトウモロコシは、調べた非GM対象品種や非GM参照種と同じように安全で栄養上等しいと結論した。この4-イベントスタックトウモロコシが環境に偶然放出されても、環境上の安全性の懸念は生じない。GMOパネルは実験データが提出されていない6つのトウモロコシの組み合わせのシングルイベントで相互作用の可能性を評価し、それらはシングルイベント、以前に評価した組み合わせ、この4-イベントスタックトウモロコシと同様に安全で栄養価が等しいことが予想されると結論した。市販後環境モニタリング計画と報告間隔はこの4-イベントスタックトウモロコシの使用意図に従っている。食品/飼料の市販後モニタリングは必要ないと考えられている。GMOパネルは、この4-イベントスタックトウモロコシとその組み合わせは、ヒトと動物の健康と環境についての潜在的影響に関して、非GM比較対照種や調べた非GM参照種と同様に安全だと結論した。
-Verticillium albo‐atrum WCS850株の農薬リスク評価ピアレビュー
Peer review of the pesticide risk assessment of the active substance Verticillium albo‐atrum strain WCS850
EFSA Journal 2019;17(1):5575 16 January 2019
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5575
情報不足が確認された。
-鶏肥育用、産卵鶏育成用、産卵鶏用、マイナー家禽種用の飼料添加物としての3‐フィターゼ FSF10000の安全性と有効性
Safety and efficacy of 3‐phytase FSF10000 as a feed additive for chickens for fattening or reared for laying, laying hens and minor poultry species
EFSA Journal 2019;17(1):5543 15 January 2019
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5543
この添加物3‐フィターゼ FSF10000はKomagataella phaffiiの遺伝子組換え株で生産した3‐フィターゼを含む固形剤である。この添加物の液剤は以前EFSAのFEEDAPパネルに評価されており、現在家禽種の飼料添加物として認可されている。申請者は新剤形の使用について要請した。
この生産株の遺伝子組換えについての懸念はない。この添加物3‐フィターゼ FSF10000は1,000 FTU/kg 飼料で対象種に安全である。この添加物を与えられた動物由来製品の消費者や環境に安全上の懸念は生じない。液剤で実施された試験に基づき、3‐フィターゼ FSF10000は鶏肥育用、産卵鶏育成用、マイナー家禽種肥育用、産卵鶏/交配用の鶏育成用に500 FTU/kg 飼料で、産卵鶏に1,000 FTU/kg 飼料で有効な可能性がある。
-ダゾメットの既存MRLsレビュー
Review of the existing maximum residue levels for dazomet according to Article 12 of Regulation (EC) No 396/2005
EFSA Journal 2019;17(1):5562 15 January 2019
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5562
さらなる検討が必要。
-食品と接触する物質として使用する臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウムで変性したモンモリロナイト粘土の安全性評価
Safety assessment of the substance, montmorillonite clay modified with hexadecyltrimethylammonium bromide, for use in food contact materials
EFSA Journal 2019;17(1):5552 14 January 2019
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5552
EFSAの食品と接触する物質、酵素、加工助剤に関するパネル(CEP)は、外気温またはそれ以下で長期間水と接触することを意図したポリ乳酸(PLA)ボトルに添加物として使用する際の、臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム(HDTA)で変性したモンモリロナイト粘土の安全性を評価した。PLAに利用する際にナノサイズの層がマトリクスに分散するが、溶出することは予想されない。熱劣化は最大製造温度で予想されない。瓶入り水との相互作用によるPLA表面の完全性損失は認められなかった。全体的な溶出はかなり少ない。HDTAの溶出は検出限界で検出されなかった。そのため、CEFパネルは、この物質が外気温あるいはそれ以下でPLAプラスチックボトルや他の水の長期保存用容器に最大■■■■■まで添加物として使用される場合、安全上の懸念とはならないと結論した。
[EU]RASFF Week04-2019
警報通知(Alert Notifications)
カナダ産オランダ経由飼料用ダイズにブタクサの種高含有(0.02 %)、韓国産乾燥海藻のヨウ素高含有(323 mg/kg)、
注意喚起情報(information for attention)
コートジボアール産缶入りヒマワリ油漬マグロのカドミウム(0.14 mg/kg)、2,4-ジニトロフェノール (DNP)のオンライン販売、アルゼンチン産ピーナッツのアフラトキシン(B1 = 9.1 µg/kg;B1 = 33; Tot. = 98 µg/kg;B1 = 26; Tot. = 37 / B1 = 13; Tot. = 18 µg/kg)、エジプト産イチゴのオキサミル(0.18 mg/kg)、スペイン産紅茶浸出液の未承認照射、ドミニカ共和国産ナスの未承認物質カルボフラン(0.078 mg/kg)及びプロフェノホス(0.025 mg/kg)、
フォローアップ用情報(information for follow-up)
イタリア産未承認新規食品(ヘンプフラワー)ヘンプフラワー入りコーヒー、産出国不明ラトビア経由ニーム(インドセンダン)( Azadirachta indica)カプセルの未承認販売、ギリシャ産キプロスで包装された乾燥アプリコットの亜硫酸塩高含有(2878 mg/kg)、イタリア産ランブルスコワインの亜硫酸塩高含有(366 mg/l)、イタリア産チーズのナタマイシン(E235)高含有(1.24 mg/kg)、コロンビア産未承認新規食品サワーソップsoursapi(Annona muricata)、
通関拒否通知(Border Rejections)
イラン産殻付きピスタチオのアフラトキシン(B1 = 59.81; Tot. = 67.94 µg/kg)、中国産茶の未承認物質トルフェンピラド(0.161; 0.491 mg/kg)、ブラジル産殻付きブラジルナッツのアフラトキシン(B1 = 17.1 µg/kg)、オーストラリア産ベトナム経由アーモンド穀粒のアフラトキシン(B1 = >24; Tot. = >24 µg/kg)、中国産殻付きピーナッツのアフラトキシン(B1 = 4; Tot. = 5 µg/kg)、アラブ首長国連邦産ソフトドリンクのエチレンジアミン四酢酸カルシウムニナトリウム(CDEDTA) (E385)未承認、中国産ピーナッツ穀粒のアフラトキシン(B1 = 52.2; Tot. = 58.5 µg/kg)、インド産チリのフェンプロピジン(0.36 mg/kg)及び未承認物質ペルメトリン(0.03 mg/kg)、エジプト産殻付きピーナッツのアフラトキシン(B1 = 16.3; Tot. = 18.4 µg/kg;B1 = 70.4; Tot. = 76.4 µg/kg)、パキスタン産チリの未承認物質クロルフェナピル(0.79 mg/kg)、ウガンダ産チリペッパーのラムダ-シハロトリン(0.36 mg/kg)及びクロチアニジン(0.099 mg/kg)、イラン産アラブ首長国連邦経由ピスタチオのアフラトキシン(B1 = 25.1; Tot. = 50.9 µg/kg)、中国産鉄製電子レンジグリルからのニッケルの溶出(0.6 mg/kg)、原料オーストラリア産ベトナム経由アーモンドのアフラトキシン(B1 = >20 µg/kg)、トルコ産パプリカのアセタミプリド(0.629 mg/kg)、アルゼンチン産湯がいたピーナッツのアフラトキシン(B1 = 5.4; Tot. = 90.1 µg/kg)、
[HK] 法令違反
缶入りロブスタービスクが栄養表示規則に違反している
Canned lobster bisque not in compliance with nutrition label rules
Friday, January 25, 2019
https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20190125_7321.html
食品安全センターが検査したところ、ドイツのCasinoブランドのCasino Lobster Bisqueにおいて、総脂肪、飽和脂肪酸がそれぞれ1.6g/100g、0.1g/100g という申告のところ、5.3g/100g、0.84g/100gであった。
[ヘルスカナダ] 助言
-A1 Herbal Ayurvedic Clinic Ltdが販売する製品は深刻な健康被害をもたらす可能性があるとヘルスカナダは警告する
Health Canada warns that products sold by A1 Herbal Ayurvedic Clinic Ltd. may pose serious health risks
January 24, 2019
https://healthycanadians.gc.ca/recall-alert-rappel-avis/hc-sc/2019/68940a-eng.php
ヘルスカナダはA1 Herbal Ayurvedic Clinic Ltdが販売するアーユルヴェーダ製品は深刻な健康被害をもたらす可能性があると市民に警告する。製品に鉛と水銀が検出された。
-子供や成人用の未承認のPanasilver製品は深刻な健康被害をもたらす可能性がある。
Unauthorized Panasilver product for children and adults may pose serious health risk
January 24, 2019
https://healthycanadians.gc.ca/recall-alert-rappel-avis/hc-sc/2019/68928a-eng.php
ヘルスカナダはActivation Products Canada Inc.により販売されているPanasilverは販売許可を受けておらず、深刻な健康被害をもたらす可能性があるとして市民に注意を呼び掛けている。Panasilverはコロイド銀を含む。製品写真あり。
[DEFRA]環境大臣はアレルギー患者のためにより厳密な表示法を提案
Environment Secretary proposes tougher labelling laws for allergy sufferers
Published 25 January 2019
政府はアレルゲン表示法強化のための意見募集を開始
包装済み食品を直接販売する業者は新しい規則に従う必要がある。現行法では販売する施設で作った食品は包装にアレルゲンを表示する必要がないが提案されている規則では全成分を表示することが求められる。
これはPret a Mangerのバゲットを食べて死亡した10代のNatasha Ednan-Laperouseの悲劇による動きである。
[NYC]トピックス 南アジアと鉛中毒
South Asians and Lead Poisoning
https://www1.nyc.gov/site/doh/health/health-topics/lead-poisoning-hazardous-consumer-products.page
ニューヨーク市の南アジア人の子どもと成人は特に鉛中毒リスクがある。鉛の塗料と職業上のハザードに加えて伝統的消費者製品の使用が関連する。
そのような製品には以下のようなものがある:
・アミュレット(魔よけ)(シーシャ、tabiz、その他金属チャーム)
・健康レメディやサプリメント
・コール、カージャル、surma(目の化粧品)
・シンドール(既婚女性の赤い化粧品)
・スパイス
一部の製品には鉛、水銀、ヒ素などの重金属や危険な化合物が含まれる
パンフレット
https://www1.nyc.gov/assets/doh/downloads/pdf/lead/lead-south-asian-brochure.pdf
(どんな製品か写真がある)
[FSSAI]ティーバッグのホチキスの針使用禁止に関する命令
Order regarding Ban on use of staple pins in tea bags. (Uploaded on: 29.01.2019)
2019年6月30日以降ホチキスで止めたティーバッグの製造・保管・販売・輸入が禁止される。いくつかの事業者から機械の変更の費用やそのような機械の製造業者が少ないことなどについて意見が寄せられ、検討した結果、期限の延長はせず、事業者ごとにケースバイケースで猶予期間を認める。
論文
-量が多すぎる食事が肥満の要因であることが示された
Oversized meals have been shown to be a factor in obesity
29-Jan-2019
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-01/fda-omh012919.php
ブラジル、中国、フィンランド、ガーナ、インド、米国での調査で、レストランで提供される食事の94%は英国のNHSが推奨するカロリーを超える
BMJ。着席して食べるタイプのレストランでは94%、ファストフードでカウンター越しに買うタイプのレストランでは72%がNHSが最近肥満削減のために推奨した目安である600 kcalを超過していた。食事の重さとカロリーには有意な関連があった
(そんなことみんな知ってたよね?)
その他
-誰が私を太らせたの?
Who Made me Fat?
Posted by RiskMonger on January 29, 2019
https://risk-monger.com/2019/01/29/who-made-me-fat/
2013年12月3日の記事のアーカイブ
Lancetが食品企業の専門家を科学的対話から外すよう呼びかけたため役にたつだろうと再掲載
(20kg減量した本人の体験談。)
-伝統的中国医学から学んだこと:科学は道に迷った?
What I Learned from Traditional Chinese Medicine: Has Science Lost its Way?
Posted by RiskMonger on January 20, 2019
https://risk-monger.com/2019/01/20/has-science-lost-its-way/
マニラの病院で鍼とカッピングを試して二つのことを学んだ:中国伝統医学への疑いは確認された、それから驚いたことに科学コミュニティ(RiskMongerのソーシャルメディアフォローワー)の中に偏狭な人が多いこと。
(反科学だ危険だと厳しく批判されたので驚いたらしい。それぞれツボが違うからね。)
-マクロンはフランスでグリホサートを禁止する誓約を撤回
Macron backs down on pledge to ban glyphosate in France
25-01-2019
http://en.rfi.fr/environment/20190125-macron-backs-down-pledge-ban-glyphosate-france
マクロン大統領は、先に言っていたフランスでは2021年までにグリホサートを使った除草剤を段階的に廃止すること、は不可能だろうと言う。農業を傷つける。グリホサートはWHOがヒト発がん性の可能性があると分類した除草剤だが農家は良い代用品がないという。
(フランスの報道機関はIARCをWHOと意図的に誤認させているんだな
フランスのニュースにはこんなのもある
グリホサート:「人類がこれまで発明したなかで最も有毒な製品」
Glyphosate: 'The most toxic product ever invented by man'
14/01/2019
最早妄想の域。それが政治を動かしていることの恐ろしさ)
-白黒二分の問題ではない、パート1
It's not a black or white issue, Part 1
農薬についての6回シリーズの1回目
パート1:農薬使用は減ったのか?
パート2:農薬は良くなっているのか?
パート3:グリホサートはどのくらい危険なのか?
これから:オーガニック農薬は慣行農業用農薬と比べてどうなのか?
これから:土壌の健康-合成除草剤は慣行農法農家に有機農業より優れたものを与えられるのか?
これから:残留農薬:心配なことはある?
-問題になっている殺虫剤、使い捨てカトラリーの禁止、GMOと「二重品質」:EUのニュースまとめ
Controversial pesticides, single-use cutlery ban, GMOs and ’dual quality’: A round-up of EU news & views
25-Jan-2019
・リークされた文書によると欧州委員会はネオニコチノイド殺虫剤3つを禁止に導いたミツバチ安全基準の廃止を検討している(リーク文書にリンク有り)。グリーンピースは反対している。
・ECJの遺伝子編集に関する判断に政治的議論は継続中
・環境議員は2021年から使い捨てカトラリー(スプーン、フォーク、皿やストローなど)の禁止を支持
・「二重品質」食品を販売している企業に罰金
など
-がんの治癒法?そんなに早くはできない
A Cure For Cancer? Not So Fast
Dr. Len's Blog January 29, 2019(米国がん学会公式)
http://blogs.cancer.org/drlen/2019/01/29/a-cure-for-cancer-not-so-fast/
Jerusalem Postががんの治療法を発見したと主張する研究者らについて報道したニュースに気がついた。いうまでもなく、我々はそれが本当であって欲しいという期待を抱いている。残念ながらそれは効果的治療法にはほど遠かった。報告によると科学者らはがん細胞の機能に干渉する興味深いアプローチをしていて「1年以内に完全治癒法ができるだろう」と言ったという。さらに「治療一日目から効果が出て数週間続き副作用は無く既存のほとんどの治療法より安い」とまで主張した。
企業がマウスの実験で示したという。
一見期待できそうな報道だったが注意点がいくつかある。
・企業と研究者からの限定的な情報をもとにした記事である。学術論文になっていない
・同僚によるとこの技術は医薬品にするには難しい。
・「探索的」マウス実験である
・マウスでうまくいったものが患者に使えるようになるには長い時間がかかる
・画期的治療法といった主張が成功しなかった例は多数ある
我々はいつでも新しい画期的な方法を期待している。成功を期待してはいるが同時にマウスからヒトへのプロセスは複雑で困難な旅であることに注意が必要である
-はしかのアウトブレイクがワクチン拒否の議論を活発にさせる
Measles outbreak fuels debate over refusing vaccinations
January 29, 2019
ワシントン州で健康緊急事態になっているはしかのアウトブレイクが拡大している。少なくとも36例が確認され、多くが予防接種をしていない子どもたちである。ワシントンは親の信仰による予防接種拒否が認められている18の州のうちのひとつ。
-Apple watchとFitbitは健康な人々を間違って病院に送りNHSの負担を増やす可能性がある、報告書は警告
Carrie MacEwen教授は「AIは医療の負担を軽減できると言う人もいるが、ただのインチキでしかないという主張もある」という
人工知能や技術の医療に与える影響についての王立医学アカデミーの報告書は、健康アプリで病気の可能性があるという間違った警告を受け取ったユーザーが病院に殺到して医療を圧倒し全体として害をもたらす可能性があると警告している。
会員の医師は既にApple watchやFitbitが心拍数が多いとか少ないとか言ったという理由で病院に予約を入れた患者を診ている。実際には完全に正常だった。
将来のシナリオは二つで、ユートピアシナリオでは技術によって健康の不平等が減り全ての人が最良の医療を受けられる。しかし可能性の高いディストピアシナリオでは健康の不平等は増加する、あるいは医療が「健康なのに心配な人」で一杯になる
(病気でない人に病気になるかもといってサプリなんかを売るのは霊感商法のように古典的な手法)
人工知能と医療
Artificial Intelligence in healthcare
http://www.aomrc.org.uk/reports-guidance/artificial-intelligence-in-healthcare/
報告書発表によせた学会長からの声明
28 January 2019
http://www.aomrc.org.uk/wp-content/uploads/2019/01/AI_healthcare_CMacEwen_280119.pdf
-新しいフードガイドですら政治的
Even the new food guide is political
By Brooks Bulletin Editor - January 29, 2019
http://brooksbulletin.com/even-the-new-food-guide-is-political/
カナダの新しいフードガイドは緑の野菜と穀物と植物タンパク質を薦め、カナダの主要農産物である肉とミルクを外しにかかっている。これは保護されている畜産部門に大きな影響を与えるだろう。
また新しいガイドは特に冬の間、野菜や果物の輸入を強制することになる。カナダの市場から突然肉やミルクが消えることはなく政治的駆け引きは続くだろう。
-我々はカナダの新しいフードガイドの不健康なメッセージを無視できない
We Can't Ignore The Unhealthy Messages In Canada's New Food Guide
01/29/2019 Lisa Rutledge, Dt.P(栄養士)
https://www.huffingtonpost.ca/lisa-rutledge/canada-new-food-guide_a_23655160/
このガイドは食品を健康なものと不健康なものに分けて審判を下し、体重に関するスティグマを強化する。食品の選択と病気の関係を過剰に単純化している。食品との不健康な関係を推進する
「加工」を高カロリーの婉曲表現に使っている。例えばアイスクリームとヨーグルトではアイスクリームのほうが加工されていると信じさせたいようだが実際にはアイスクリームのほうが脂肪と砂糖が多いのでカロリーが高いと言っているだけである。加工度が高いわけではない。
(加工"processed"は悪いこと、みたいな思想は素朴な自然主義から派生しているんだろうか?生の大豆が良くて豆腐が悪いなんて全然思わないけど。コンニャクはカロリーだって高くないし)
-食品大企業は新しい大タバコ企業、報告書が肥満と栄養不良と気候変動の原因と非難
Big Food is the new Big Tobacco as report blames industry for obesity, malnutrition and climate change
January 28, 2019
Lancet の肥満に関する委員会が食品部門が人々に空っぽのカロリーを与え土地やエネルギーやその他の資源を失わせていると非難する
著者の一人のWilliam Dietzジョージワシントン大学教授は「食品は明らかにタバコとは違う、なぜならそれは命を支えるのに必要なものだから。しかし不健康な食品と飲料はそうではない」という。
(コカコーラ、マクドナルド、ネスレを名指しで非難、反論有り。タバコと違っていつでも誰にとっても「不健康なだけの食品」なんかないのだけれど、正義の戦士は単純化したがる。)
-中国では鳥の巣は鳥だけのためのものではない
In China Birds’ Nests Are Not Only For Birds
Joe Schwarcz PhD | 23 Jan 2019
https://mcgill.ca/oss/article/health-nutrition/china-birds-nests-are-not-only-birds
毎年200トン以上の鳥の巣が消費されている。ただしこれらの巣は小枝などでできているのではなく、鳥のつばでできている!
信じようと信じまいと、毎年200トンの鳥の巣が消費されていて香港が多い。よくある鳥の巣ではない。タイ、インドネシア、ベトナム、ボルネオ、フィリピンが主な生息地の燕ほどの大きさのアナツバメの仲間の特定の種がつくる特別な巣である。雄が約35日かけて唾液で作る。小枝や葉っぱは使わない、この鳥の唾液腺から出るねばねばした物質だけで作る。
鳥のよだれを食べるなんてあまりそそられないと思うかもしれないが、鳥の巣のスープに一杯100ドルも払って喜んで食べる人がたくさんいる。何故こんなに高価なのか?なぜなら巣を集めるのは危険で困難な仕事だからである。伝統的採取法では急増する需要を満たせない。そこでタイやインドネシアでは海岸に鳥の巣を作れるようコンクリートや木の壁を作っている。巣を集めた後には退屈なクリーニング過程がある。水に浸して柔らかくして鳥の羽や糞をピンセットで取り除く。そしてきれいにしたものがcubiloseと呼ばれる世界で最も高価な食品成分の一つとなる。どのくらい高いか?この「東洋のキャビア」は白い巣が小売価格1kgあたり約2000ドルで赤い巣は1万ドル以上する。数グラムを砂糖に混ぜて二重鍋で煮ると美味しいとされるが私は疑っている。しかし人々が喜ぶのは味ではない。中国伝統医学によると鳥の巣のスープは若返りや活気、免疫強化、集中力向上、呼吸器や消化器の病気を治すとされている。そして赤い巣のほうが白い巣より強力だと考えられている。
このエキゾチックな製品の膨大な需要と本物を入手することの困難さから、にせ物が出てくることは当然である。異物混入を見分けるのは難しい。良くある方法はcubiloseにカラヤガムやキノコ、紅藻などの安価なものを混ぜることである。
ところで本物の赤いアナツバメの巣が赤いのは何故か?最も可能性が高いのは鉄だろう。ツバメの巣に含まれるタンパク質に卵に含まれるオボトランスフェリンと非常に良く似たものがみつかっていてこれは鉄と複合体を作ると赤くなる。
Cubiloseは化学分析によるとタンパク質62%炭水化物27%で数%がミネラル、脂肪、水分である。特に魔法の栄養素の組み合わせではなく治療効果はありそうにない。しかし誰も適切な臨床試験をしたことがなく、これからもされないだろう。