[EFSA]フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)が行った食品添加物二酸化チタン(E 171)への暴露に関するリスクのレビューについてのEFSAの声明
EFSA statement on the review of the risks related to the exposure to the food additive titanium dioxide (E 171) performed by the French Agency for Food, Environmental and Occupational Health and Safety (ANSES)
EFSA Journal 2019;17(5):5714 13 May 2019
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5714
2019年4月15日にフランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は、入手可能な最新の科学的研究を考慮して食品添加物二酸化チタン(E 171)への暴露に関するリスクについての意見を発表した。この発表に加えて、EFSAはANSESが発表したこの意見に関する最新の科学的及び技術的な支援をするよう欧州委員会から求められた。ANSESの意見で、2017年から2019年の間に発表された新たな25の関連発表が、EFSAとANSESによる以前の意見や、ナノ二酸化チタンのin vitro遺伝毒性についてのシステマティックレビューと共にレビューされた。この声明でEFSAは、2019年4月に発表したANSESの意見では、2016年と2018年にEFSAのANSパネルが発表した食品添加物としての二酸化チタン(E 171)の安全性に関する以前の2つの科学的意見で出された結論を却下するような、主な新しい発見は確認されていないと結論した。ANSESの意見では以前に確認された不確実性とデータのギャップを繰り返し述べ、それはEFSAの以前の評価とその助言から成るフォローアップ活動としての関連で現在対処されている。フォローアップ作業が現在行われている側面に加えて、ANSESはin vivo遺伝毒性のさらなる調査を推奨している。この食品添加物二酸化チタン(E 171)の物理化学的特徴について現在進めている作業が完了したら、ANSESこの助言について再検討する必要があるとEFSAは考えている。
[EFSA]動物用医薬品残留物:コンプライアンスは高いまま
Veterinary drug residues: compliance remains high
13 May 2019
https://www.efsa.europa.eu/en/press/news/190513
動物や動物由来食品の動物用医薬品残留物や汚染物質の存在に関する監視データは、推奨される安全量で高い順守率を示している。禁止物質の存在も少ない。
2017年に最大量を超過したサンプルの割合は0.35%だった。この数字は過去10年間で報告されている0.25%-0.37%の範囲内である。
金属などの化学汚染物質の違反は、カドミウム、鉛、水銀、銅で最も頻繁に確認され、他の物質グループよりも高かった。
EFSAが加盟国からこれらのデータを収集するのは今回初めてで、以前はこの情報は欧州委員会に提出されていた。
EFSAは食品添加物、化学汚染物質、農薬残留物、抗菌剤耐性などの分野で行うのと同じ方法でデータを収集した。統一されたデータは何年にもわたり比較ができるようにし、ヒトと動物の健康へのリスクをよりよく分析できるようにする。
このデータは、食品や飼料の安全性リスク評価における証拠の透明性、再現性、再利用性を改善するために設定された、EFSAが収集した知識の公開貯蔵所であるKnowledge Junctionですぐ入手できるようになる。
・生きた動物と動物製品の動物用医薬品残留物や他の物質の監視結果に関する2017年の報告書
Report for 2017 on the results from the monitoring of veterinary medicinal product residues and other substances in live animals and animal products
13 May 2019
https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1578
[WHO]脂肪、油、食品及びフードサービス業界は2023年までに加工食品から工業由来トランス脂肪を排除する世界的な努力に協力すべき
Fats, oils, food and food service industries should join global effort to eliminate industrial trans fat from processed food by 2023
23 April 2019
(Tedros Adhanom Ghebreyesus事務局長の声明)
世界のフードサプライから工業的に生産されるトランス脂肪(industrially-produced trans fat)を排除することはWHOの優先事項であり、2023年まで続くWHOの第13次総合事業計画案(GPW)における目標である。各国政府が工業的に生産されるトランス脂肪をフードサプライから排除し、これらの有害な化合物をより健康的な油脂に置き換えるよう、WHOが政府を支援する取り組みの一環として行動計画「REPLACE」がまとめられ、2018年5月に発表された。この目標を達成するために、WHOは政府の関与だけでなく、産業界にも工業的に生産されるトランス脂肪をより健康的な油脂に置き換えるために最大限努力し行動することを呼びかけている。WHOは、フードサービス業界を含む脂肪、油、食品業界に以下の行動に真摯に取り組むよう求める。
工業的に生産されるトランス脂肪を排除するために食品を見直す:全食品カテゴリーに対するWHO勧告(全食品における総脂肪または油100グラムあたり2グラム未満)に沿って、飽和脂肪で置換はせずに、全世界の製品ラインですべての製品について2023年まで、もしくはそれより前に、トランス脂肪の排除目標を設定し、行動し、達成する。
トランス脂肪含有量の表示:包装済み食品にトランス脂肪の表示を実施する。
より健康的な油脂の供給を増やす:飽和脂肪の少ない代替品の供給を増やす。
取り組みに関する評価:工業的に生産されるトランス脂肪の年間生産量及び国別販売量の開示など、会社が行った取り組みの進捗及び達成状況を監視するため、独立した評価の実施を支援する。
特に高所得国で、部分水素添加油からより健康的な油へと移行する重要な進展があった。しかし、まだまだやらねばならないことがある。工業的に生産されるトランス脂肪を排除することは、命を救いそしてより健康的なフードサプライを生み出すための最も簡単で最も効果的な方法の一つである。毎年世界中で1億3000万人の新生児が誕生している。業界の献身と協力があれば、2023年までにこの中の誰もが工業的に生産されるトランス脂肪の危険にさらされる必要はなくなるだろう。
(再掲)
[WHO]健康的なライフスタイルを採用することが認知症リスクを減らすのに役立つ
Adopting a healthy lifestyle helps reduce the risk of dementia
14 May 2019
新しいWHOガイドラインは認知機能低下や認知症リスクを減らすために特定の介入を推奨
Risk reduction of cognitive decline and dementia
https://www.who.int/mental_health/neurology/dementia/guidelines_risk_reduction/en/
運動、禁煙、健康的食事あるいは地中海食、有害飲酒を減らす、体重・高血圧・糖尿病の管理などがそこそこの根拠で状況によっては勧められる。認知機能トレーニングは根拠レベルが極めて低い~低いと評価されている
[USDA]アメリカ人が食品に払ったお金はどこに行く?
Where Do Americans’ Food Dollars Go?
May 14, 2019
https://www.usda.gov/media/blog/2019/05/14/where-do-americans-food-dollars-go
2017年に米国の消費者は米国産の食品に1.2兆ドル使った。ほとんどの食品は農場を出発するが加工、包装、輸送、などで加えられる価値はどのくらい?USDAのERSがそれを示すツールを持っている。Food Dollar シリーズを最近更新した。1993年からの歴史的データに2017年のデータを追加した。
1.2兆ドルのうち、最もシェアが大きいのはフードサービス(レストラン)で36.7%である。次が加工で15%、小売り店が12.6%、卸売りが9.1%、農家が7.8%。
[FDA]FDA規制問題担当副長官Melinda K. Plaisier氏による、自主的リコールを開始する行程を強化するためのFDAの新しい取り組みに関する声明
Statement from FDA Associate Commissioner for Regulatory Affairs Melinda K.
Plaisier, on agency’s new steps to strengthen the process of initiating voluntary recalls
April 23, 2019
FDAは本日、新たなガイダンス案を発行する。最終化されれば、これは自主的リコールが適切かつ迅速に開始されるようにするために、業界に対しFDAとの準備、計画及び作業方法に関する明確な情報を提供するものである。
ガイダンス案「21 CFR Part 7、Subpart Cに基づく自主的リコールの開始」には、次の3つの主要分野に関する勧告が含まれる。
訓練:人員の適切な訓練は、リコールを効果的に実行するための最も重要な要素の1つである。ガイダンス案は、FDAによって規制される製品を製造または販売する企業に対し、リコールの可能性に備えてスタッフを準備する際の推奨項目を提供する。具体的には、この新しいガイダンス案は、リコールの間、自らの責任において最も適切な担当者の確認と訓練を行い、リコールコミュニケーション計画を立案し、またどんなことがFDAへの報告要件となり得るかなどを判断する方法について企業に助言する。
記録管理:徹底的かつ組織的な記録管理は特に重要である。FDAは公衆衛生を守るという使命をさらに前進させるために、ブロックチェーン技術などの最新のアプローチを活用することによる製品のトレーサビリティ向上を通して、リコール改善の努力を継続している。ガイダンス案はまた、可能な限り最も効果的なリコールを実施するために、自社製品を適切にコード化し、流通記録を維持することの重要性について企業に助言する。
手順書:文書化されたリコール開始手順は、不確実性によって生じる遅延を最小限に抑えることに役立つ。リコールを開始する企業にとっては、開始手順書を使用することで、不良または潜在的に有害な製品が市場に存在する時間を減らし、結果として消費者への潜在的な暴露を減らすことができる。リコールを開始する会社の荷受人にとっては、こうした手順書は流通チェーン全体にリコールを迅速に広めることに役立つ。ガイダンスは、リコールした商品が市場から迅速に取り除かれるように、企業が文書化されたリコール開始手順の準備及び維持を検討するよう助言する。これらの手順書には、リコールを開始する決定が下された場合に取るべき適切な行動を明確に説明するべきである。手順書はまた、必要な行動が決して見落とされることがないよう支援し、一つのリコールが会社の業務に与え得る破壊的な影響を最小限に留めてくれるかもしれない。
*Initiation of Voluntary Recalls Draft Guidance for Industry and Food and Drug Administration Staff; Availability
2019年6月24日まで意見を募集する。
*ガイダンス案
Initiation of Voluntary Recalls Under 21 CFR Part 7, Subpart C Guidance for Industry and FDA Staff
https://www.fda.gov/media/123664/download
[FDA]よりスマートな食品安全の新時代に米国を導くための行動に関するFDA長官代理Ned Sharpless, M.D.及びFDA副長官Frank Yiannas氏による声明
Statement from Acting FDA Commissioner Ned Sharpless, M.D., and Deputy Commissioner Frank Yiannas on steps to usher the U.S. into a new era of smarter food safety
April 30, 2019
今日のテクノロジー中心の世界は、社会の運営方法を変革し、食品が農場から食卓へと移動する方法を根本的に変えるような、非常に複雑で世界的に相互接続した風景を作り出している。これらの進歩のおかげで、多種多様な食品が便利に、一年中そして手頃な価格で利用できるようになった。今後10年で、農業、食品生産、そして食品流通システムにおいてさらなる革新が見込まれている。この絶え間なく変化する環境の中で、FDAは潜在的なリスクに対処する準備を続けなければならない。FDAはFDA食品安全近代化法(FSMA)の実施により、米国の食品サプライチェーンを近代化し、さらに保護するための大きな進歩をすでに遂げている。2011年にFSMAが法律となって以来、重要な規制の立案及び最終化により、国内及び輸入食品の製造や輸送に関する科学とリスクに基づく基準を確立してきた。
よりスマートな食品安全の新時代
一方で、よりデジタルで、追跡可能な、より安全なシステムを構築するために、新しいテクノロジーの活用を視野にもう一度食品安全の将来を考える時が来ている。そこで我々は本日、重要なFSMA要件を実施するための取り組みを強化するため、また特に新技術やこれから開発される技術の活用を強化するため、「よりスマートな食品安全の新時代(New Era of Smarter Food Safety)」を宣言する。この新たな焦点による活動を始めるにあたり、「よりスマートな食品安全の新時代のための青写真(Blueprint for a New Era of Smarter Food Safety)」を展開する予定である。この青写真は、トレーサビリティ、デジタル技術、進化する食品ビジネスモデルなど、いくつかの分野について言及する。今年の後半には、よりスマートな食品安全について話し合い、我々の全体的な戦略と具体的な取り組みについて関係者の意見を求め、意見交換するためのパブリックミーティングを開催する予定である。
食品のトレーサビリティ
汚染が発生した場合、汚染された食品の起源をその発生源まで辿るのに、新しく発展しつつあるデジタル技術の使用が極めて重要な役割を果たす可能性がある。汚染された食物の起源に関する情報をアウトブレイク中に知ることが出来れば、よりタイムリーな根本原因分析を行ってさらなる被害の拡大を防ぐことができる。よりスマートな食品安全の新時代の作業は、新しい技術を評価し、サプライチェーンを通して迅速に食品を追跡するFDAの能力を向上させるための機会と具体的な行動を模索する。
デジタルテクノロジー
社会やビジネス分野において活用されている新しいテクノロジーやその他のアプローチをどのように活用し、よりデジタルで透明で安全な食品システムを作り出すことができるかを評価する。また一方で、食品の出所や製造方法、食品がリコール対象であるかどうかなどの情報にすばやくアクセスしたいという消費者の要求にも答えていく。そのために、本日我々は、人工知能と機械学習を活用して、輸入食品が米国の食品安全基準を満たすことを保証できるよう、輸入港での審査を強化する新しい方法を模索する新規試験の実施についてFDAの計画を共有する。これは最良の予測ツールと分析ツールを適用することで、最もリスクの高いものを確実にターゲットにして消費者を守ることを目指している。
進化する食品ビジネスモデル
食品の電子商取引の増加に伴い、食品が農場から家庭に届けられる方法は進化し続けている。電子商取引における食品配送システムには、新しい方法、パッケージ材料、温度管理の方法、ノード(節;例えば自動車やバイクによる「ラストマイル(目的地までの最後の距離)」配送)などがある。こうした進化するビジネスモデルは、食品安全上の課題及び規制の枠組みや連邦、州、地方レベルでの監視に関する新たな検討事項を提示する。このセクターにおける適切な基準を見極めるために、青写真ではこの分野に関する協力体制について議論する。
共に進んでいこう
成功するためには、あらゆる規模の食品会社やテクノロジー企業、そして地方や連邦の機関、その他の関係者が同様にこの取り組みに参加することが重要である。食品の安全性への取り組みは共通の責任であり、我々が共に、人々、食品会社、そして地球のためになるやり方で出来ることは、もっとたくさんある。
[FDA]FDAは乳児用調製乳及び/又は母乳に使用する食品接触物質に関するガイダンスを発表
FDA Issues Guidance on Food Contact Substances for Use with Infant Formula and/or Human Milk
May 8, 2019
FDAは、乳児用調製乳及び/又は母乳と接触する可能性がある食品接触物質について、食品接触通知(Food Contact Notifications: FCNs)の準備の仕方に関する追加情報を提供するためのガイダンスを公表した。
FDAは全ての容器包装材について流通前に安全性を評価する。その中には、乳児用調製乳(液状の濃縮品・そのまま喫食可能なもの、粉末)の容器、例えばほ乳瓶、その挿着品や乳首、そして母乳の集乳や保存用の容器が含まれる。2002年にFDAは食品接触物質の安全性評価に関するガイダンス(毒性学的な推奨事項)を発表していたが、以前のガイダンスでは乳児用の容器包装からの移行物質の暴露や安全性評価について特別な説明は行っていなかった。本ガイダンスはその不足を埋めるものとして、乳児用調製乳及び/又は母乳と接触する食品接触物質に関する安全性をどのように評価すればよいのかについて特別な助言を提供している。
出生から約6ヶ月まで、乳児は母乳や乳児用調製乳のみを与えられる。多くの理由から、乳児は容器包装から放出されるかもしれない化学物質により起こりうる健康影響に対して、より影響を受けやすい可能性がある。従って、このガイダンスでは出生から生後6ヶ月の乳児のみに焦点をあてている。ガイダンスに示された推奨事項は、事業者が、FDAが行う食品接触物質の安全性評価を理解できるよう支援するものである。その評価は化学物質が乳児の健康に与えるかもしれない影響について最新の科学に基づき考察するものであり、ガイダンスには、特別用途の食品接触物質が安全であることを示す科学的情報を、事業者がどのようにFCNsに含めればよいのかを説明している。
*事業者向けガイダンス(最終版)
Guidance for Industry: Preparation of Food Contact Notifications for Food Contact Substances in Contact with Infant Formula and/or Human Milk
MAY 2019
(一部抜粋)
暴露推定
これまでのガイダンスでは、食品接触物質の移行濃度(1 mg/kg food)と一日の食品総摂取量(3 kg food/人/日)に基づき、食品接触物質の推定一日摂取量のデフォルト値を3 kg/人/日としていた。しかし、これは乳児期の摂取パターンに基づいてはいなかった。米国健康栄養調査(NHANES)の結果をもとに、乳児の体重(6.3 kg)と食品一日摂取量(900 g)から体重あたりの食品摂取量として0.14 kg/kg体重/日が算出されることから、乳児用食品に接触する化学物質の暴露量を推定するのにはこれらの値が利用できる。
毒性試験要件
2002年ガイダンスでは、暴露量に応じた4段階を設定して各段階に推奨される安全性試験や安全性の評価に必要な情報を提示していた。ただし、それは体重60 kgの一般集団を想定しており、乳児期には特化していなかった。乳児は発達段階にあり、生理学的にも変化の途上である。そのため、2002年ガイダンスで示した4段階の安全性試験要件は、乳児用調製乳や母乳用の食品接触物質の安全性を評価するのには必ずしも十分ではない。追加として、ファーマコキネティクス(PK)、吸収・分布・代謝・排泄(ADME)、トキシコキネティクス/トキシコダイナミクス(TK/TD)とそれらに関連したデータを検討することにより、成体との違いを正確に知ることができ、乳児暴露の安全性評価における不確実性を減らすことができる。そして、追加で出生後発達期、そして母乳由来の暴露を考慮することを勧める。それらのことを従来の安全性試験にどのように追加・修飾すれば良いのかも、本ガイダンスに例示した。
発がん成分のがんリスク分析
FCNには、食品接触物質の発がん成分に関するリスク評価も必要である。疫学研究や齧歯類の発がん試験で陽性又は疑わしい結果が得られた場合には、極端な最悪ケース(上限)での生涯がんリスクを計算しなければならない。FDAは、EPAのガイダンスをもとに考案した生涯がんリスク(LCR)を評価するための下記の計算式を紹介し、これをもとにLCRを評価することを推奨する。
– 生後6ヶ月間のがんリスク(R0-6 mos)= UCR×10×乳児の暴露量×(0.5yr/78yr)
– 生後6ヶ月~2才のがんリスク(R6 mos-2 yrs)= UCR×10×一般集団の暴露量× (1.5yr/78yr)
– 2才~78才のがんリスク(R2-78 yrs)= UCR×一般集団の暴露量×(76yr/78yr)
– 生涯がんリスク(LCR)= R0-6 mos + R6 mos-2 yrs + R2-78 yrs
これらの計算式では生涯(米国人の平均寿命78才)を4つの年齢区分に分けて、1)UCR:ユニットがんリスク(unit cancer risk)、2)各年齢集団の推定暴露量、3)発達段階における感受性の増大を考慮した年齢調整係数(age-dependent adjustment factor: ADAF;10)、4)各年齢集団の生涯年齢の割合、を考慮している。
*2002年ガイダンス
Guidance for Industry: Preparation of Food Contact Notifications for Food Contact Substances (Toxicology Recommendations)
APRIL 2002
[FDA]警告文書
-Bershtel Enterprises LLC dba WePackItAll
May 2, 2019
ホメオパシー点眼医薬品のCGMP違反
-Kadesh International
May 2, 2019
ホメオパシー点眼医薬品のCGMP違反
-U.S. Continental Marketing, Inc.
May 2, 2019
ホメオパシー点眼医薬品のCGMP違反
-Fill It Pack It Inc
May 2, 2019
ホメオパシー点眼医薬品のCGMP違反
[ヘルスカナダ]規則を簡素化し、カナダのビール業界の大きな革新を可能にする
Simplifying regulations and allowing for greater innovation in Canada's beer industry
May 1, 2019
食品医薬品規則(Food and Drug Regulations: FDR)はカナダにおけるビールとしての表示、包装、販売及び宣伝に関する特別要件を示す。FDRの変更は、カナダのビール業界が新しい革新的な製品を製造し、より多種多様な製品を消費者に提供するものとなる。さらに改訂改正のもとでは、ビールの表示も食物アレルゲン、グルテン源、添加亜流酸塩を表示しなければならない。この他、残留糖の上限値を設定(4%)、製造時に添加して良い原料の提示、アルコール度数(5段階)に応じた一般名称、などが示されている。
*規則改正
Regulations Amending the Food and Drug Regulations (Beer): SOR/2019-98
http://gazette.gc.ca/rp-pr/p2/2019/2019-05-01/html/sor-dors98-eng.html
[ヘルスカナダ] リコール:M-Folique (2019-05-10)
May 10, 2019
https://healthycanadians.gc.ca/recall-alert-rappel-avis/hc-sc/2019/69932r-eng.php
製品の溶解が規格外であるため、回収措置。(葉酸錠剤)
[EU]効果的健康投資方法についての専門家委員会
Expert Panel on Effective ways of Investing in Health
価値に基づく医療についての意見案
Draft opinion on Value-based healthcare
https://ec.europa.eu/health/expert_panel/sites/expertpanel/files/024_valuebasedhealthcare_en.pdf
「Value-based healthcare」におけるValueについての提案
4つの柱からなり
個人的personal value:患者個人の目標を達成するための適切なケア
技術的technical value:利用可能なリソースで最良の結果を得る(費用対効果最大)
配分的allocative value:全ての患者集団に公平なリソースの配分
社会的societal value:社会参加やつながりへの医療の貢献
[EU]SCCS 化粧品中ブチルフェニルメチルプロピオナール(p- BMHCA)の安全性についての最終意見-提出 II
SCCS - Final Opinion on the safety of Butylphenyl methylpropional (p- BMHCA) in cosmetic products - Submission II
香料。個々の製品ベースではαトコフェロールと一緒に200ppmで肌に残るあるいは洗い流す化粧品製品に使うことは安全だと考えられるが、他の製品と一緒に使った場合の合計暴露量では最初の意見で安全とは考えられないとしている。また家庭用洗剤などの化粧品以外での使用もありこうしたものからの暴露データはなく評価シナリオに含められなかった。
[HK]生の牛肉サンプルが二酸化硫黄を含むことがわかった
Fresh beef sample found to contain sulphur dioxide
Tuesday, May 14, 2019
https://www.cfs.gov.hk/english/press/20190514_7447.html
食品安全センター及び食物環境衛生署は、生肉での使用が認められていない保存料の二酸化硫黄が生の牛肉のサンプルから検出されたと発表した。二酸化硫黄の値は726ppmであった。
[HSA] HSAは他国で発見された不良健康製品に関する情報を更新(1月-2月2019)
HSA Updates on Adulterated Products Found Overseas ((JAN-FEB 2019)
13 MAY 2019 8
https://www.hsa.gov.sg/content/hsa/en/News_Events/HSA_Updates/2019/foreignalertsjanfeb2019.html
ベンプロペリン、ジフェンヒドラミン、フルオキセチン、オルリスタット、フェノールフタレイン、PDE‐5阻害物質、シブトラミンを含む製品を掲載。製品写真あり。
論文
-フィラデルフィアの甘い飲料の販売は課税後38%低下
Philadelphia's sweetened drink sales drop 38% after beverage tax
14-May-2019
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-05/uops-psd050919.php
JAMA.
(これだけ減ったと喜んでいるが体重に影響が出るか?が問題)
-グルコサミンサプリメントは心血管系疾患リスク低下と関連するかもしれない
Glucosamine supplements may be linked to lower risk of cardiovascular disease
14-May-2019
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-05/b-gsm051319.php
The BMJに発表された英国バイオバンクのデータを解析した研究。466039人のデータを含み、19.3%が試験開始時にグルコサミンの使用を報告していた。平均7年のフォローアップ期間で不使用群に比べて総CVDイベントリスクが15%低いことと関連した。関連は現在喫煙している人で強い
-偏食の子どもが十代になると何がおこる?
What happens when your picky eater becomes a teenager?
14-May-2019
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-05/uob-whw051419.php
Nutrition. 3才の時に偏食だった子どもの10才と13才での食事を偏食でない子どもと比較。差は段々小さくなっていき一般的健康や発育に悪影響はない。ただし偏食でなかった子どもでも野菜や果物の摂取量が少ないので保護者をサポートしたい。
-クリーンな食生活が不健康な強迫になるのはいつ?誰がリスクにあるのかについての新しい知見
When does clean eating become an unhealthy obsession? New findings on who is at risk
14-May-2019
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-05/yu-wdc051419.php
Appetiteに発表されたorthorexia nervosa (ON)(オルトレキシア、正しい食事病)の心理社会的リスク要因についてのレビュー
極端にクリーンな食生活に強迫することはその人がメンタルヘルスの管理に苦しんでいることの兆候である可能性がある
-健康習慣がブラジルのがんを27%減らせる
Healthy habits could avoid 27% of cancer cases in Brazil
14-May-2019
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-05/fda-hhc051419.php
Cancer Epidemiologyに発表された研究で、ブラジルの運動不足、不健康な食事、過体重、喫煙、飲酒の影響を評価。食事については野菜、果物、繊維、カルシウム、赤肉、加工肉にさらに分類。ブラジルでは男性の喫煙が影響が大きい。
その他
-Sainsbury(英国のスーパーマーケットチェーン)の食の未来報告書
Sainsbury’s
Future of Food Report
https://www.about.sainsburys.co.uk/~/media/Files/S/Sainsburys/pdf-downloads/future-of-food-08.pdf
2025年
地球に優しい食(菜食、水耕栽培、環境負荷表示アプリ)、肉や魚を超えて(昆虫、キノコ、海藻)、医食同源(栄養素強化食品)
2050年
培養肉、これまで食べられなかった侵入性生物(くらげなど)や海藻を食べる、食べ物の由来を新技術で表示
2169年
不可能な環境(海水、砂漠)での農業、個人向け最適化(人間にチップを入れて必要なものを計算するとか)
-SMC UK
グルコサミンサプリメントとCVDリスクへの専門家の反応
expert reaction to glucosamine supplements and risk of cvd
May 14, 2019
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-glucosamine-supplements-and-risk-of-cvd/
BMJに発表された報告が、骨関節炎の痛みを緩和するためにグルコサミンサプリメントを使うことがCVDリスクの低いことと関連すると主張する
英国心臓財団医務副部長Sonya Babu-Narayan博士
この約50万人の英国の大規模研究で、研究者らはグルコサミンサプリメントを使用していた人たちが心血管疾患になる可能性が低いことを発見した。観察研究でみつかった関連は因果関係ではない。グルコサミンを使用する人が心血管疾患になりにくい理由はグルコサミンのせいかどうかはわからない、例えばグルコサミンを使用する人の方が一般的に健康に気を遣っている可能性がある。最終的にはRCTが必要になる
Glasgow大学代謝医学教授Naveed Sattar教授
著者らは大規模データから関連を解析するのに注意深く仕事をしているものの、観察されたことが真かどうかを決められるのはRCTのみである。観察研究は試験を行うべきアイディアを発見できるだけである。多くのサプリメントが観察研究で健康に利益がある可能性を示唆されたが試験をしたら証明できなかった。有害であることが示されたものすらある。現時点では心臓のリスクを減らすためにグルコサミンを買いに走ることはないだろう、他に多くの費用対効果の高い証明された方法があるのだから。
認知機能低下や認知症リスクを減らすためのWHOガイドラインへの専門家の反応
expert reaction to WHO Guidelines on risk reduction of cognitive decline and dementia
May 14, 2019
University College London、英国認知症研究所長Bart De Strooper教授
WHOの報告は認知症有病率に有用な可能性のある健康的なライフスタイルの一連の勧めをまとめている。全体としてはしっかりした根拠はほとんどないが実行可能な環境要因を変えることは認知症リスクを大きく変える。根拠がないことは存在しないことの根拠ではなく、高血圧や肥満、糖尿病、社会的孤立、鬱は全て健康状態の悪さと寿命の短さに関連する。はっきりしているのはアルツハイマー病のような認知症疾患の主要リスク要因は遺伝的なもので、それが認知症研究所の主要課題になっている。我々はこの病気をコントロールするための薬を緊急に必要としている
アルツハイマー研究UKの研究部長Carol Routledge博士
この報告は我々が既に知っていることを明確にした。残念ながらこれらのリスク要因の多くへの対策をしていながらも認知症になる人はいる。多くのアルツハイマー秒間者には遺伝的なりやすさが大きな役割を果たしていてそれは変えられない
Edinburgh大学脳科学発見センター副部長、英国認知症研究所プログラムリーダーTara Spires-Jones教授
アルツハイマー学会政策研究主任Fiona Carragher博士
University College London、高齢者精神医学教授Robert Howard教授
Nottingham大学精神医学研究所高齢認知症センター長Tom Dening教授
King’s College London精神医学心理学神経科学研究所精神疫学と臨床情報学教授Robert Stewart教授
UCL高齢者精神医学教授Gill Livingston教授
(略)
-ロシアが世界の遺伝子編集鉱脈に加わる
Natureニュース
Russia joins in global gene-editing bonanza
14 May 2019 Olga Dobrovidova
https://www.nature.com/articles/d41586-019-01519-6
今後10年間で30のゲノム編集植物や動物を開発することを目指す17億米ドルの計画
1110億ルーブルの連邦計画で2020年までに10の新しいゲノム編集作物や動物品種を作り、2027年までにはさらに20を作ることを目指す。
-アフリカ豚コレラがアジアに拡大し続け、食糧安全保障を脅かしている
Scienceニュース
African swine fever keeps spreading in Asia, threatening food security
By Dennis NormileMay. 14, 2019 ,
AFSのアジアでの拡大が心配な状況になっている。2018年8月に中国北東部で最初に報告されてから、最近は国境を越えベトナム、カンボジア、モンゴル、香港、そしておそらく北朝鮮に広がっている。動物の健康の専門家はこの病気のさらなる拡大は避けられないだろうという。そして新たに感染が拡大した国は中国よりさらに準備ができていない。ベトナムとカンボジアにはコントロールする技術的能力はないだろう。
(以下略。写真がベトナムで子豚を運ぶ人。これは無理、って思う)
おまけ
放送される前だけど
化学物質“水”汚染 リスクとどう向き合うか
https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4280/index.html
「PFOA。環境への蓄積性や発がん性などがあることが分かり、今月、国際条約で禁止された」
→こういういい加減な報道、止めて欲しい。「発がん性」が最大の問題ではない。
なんでもかんでも発がん性って言えば一番恐がらせることができると思っているんじゃないか。
IARCですらグループ2B
https://monographs.iarc.fr/wp-content/uploads/2018/06/mono110-01.pdf
RIVMに反論されているEFSAの評価でもクリティカルエフェクトは血中コレステロール濃度の増加。
Risk to human health related to the presence of perfluorooctane sulfonic acid and perfluorooctanoic acid in food
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5194
水に含まれる発がん物質といったら圧倒的にヒ素。